ゼロの使い魔保管庫
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279 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
「…雨かあ」
降りしきる雨を見ながら、才人は暇を持て余していた。
今日は愛しいご主人様は外出。
でもって、水精霊騎士団の連中はといえば。
ギーシュを筆頭に、レイナールまで贈られた贈り物を手に朝か...
もっとも、ギーシュは探しているというよりも、探している振...
「…マリコルヌ、大丈夫かなあ…」
昨日散々荒れたマリコルヌは、騎士団の溜まり場で、まるで魂...
『聖女の日に…破滅と混乱をぉ…』
そんな物騒な寝言をぼやいていたが、酒の飲みすぎで潰れてい...
騎士団全員でおだめ、なだめ、すかし、大量の酒を飲ませたの...
「ま、学院が荒れるよかいいよな」
言いながら、才人は昨日のご主人様の台詞を思い出す。
『いい?明日は絶対部屋から出ちゃダメなんだからね!?
それと、何か届いたら必ず受け取ること!
ご主人様は今日明日いないけど、明日の夕方には帰ってくる...
ちゃ、ちゃんといなさいよ!わかった?』
たぶん、ルイズは俺に贈り物をくれるつもりなんだろうなあ…。
才人はちらりと扉を見る。
今朝から扉は開けていない。明け方近くから気にはしているの...
まさか、夜のうちに置いてあったりしないよなあ…。
ちらりと扉を見る。
コト…。
扉の外で、音がした。
才人は弾かれたように立ち上がると、扉に走りよって扉を開け...
そこには。
大き目の紙袋が無造作に置かれていた。
慌てて周囲を見渡すが、人影はない。
…たぶん、今の、ルイズかな?
才人は紙袋を手にとると、部屋に戻った。
はやる気持ちを抑え、テーブルに紙袋を置く。
…そ、そういえば俺、こういう日に女の子からプレゼントもらう...
もちろん母親は除きます。
才人はどきどきしながら、そっとその紙袋を開いてみた。
その中には…。
「これ、セーター?」
中から出てきたのは…予想と裏腹にちゃんとした形のセーターだ...
ってことは、ルイズじゃない?
失礼な話だが、才人はルイズがまともに編み物を成功させると...
280 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
…ややややややややや、やっちゃった…!
ルイズは廊下の角で、物凄い勢いで脈打つ自分の心臓を宥めて...
聖女の日に贈り物をするのは、実は初めてだったりする。
小さなころ、ワルドに贈り物をしようとしたことはあるが、そ...
それに、小さなころのアレは、愛ではなく憧れだった。そう思...
でも今回のは違う。
サイトが好き。
そのありったけの想いを込めて、セーターを編んだ。
絶対に成功させるために、絶対に下げたくない頭をシエスタに...
そのお陰もあってか、セーターはちゃんと今朝までに完成し。
そして紙袋につめられて、無事才人の下に届いたのである。
だ、大丈夫よね、ちゃんとカタチになってたし!
そ、それに昨日あんだけ言ったんだもん。
私の贈り物だって、分かるはずよね…。
ようやく静まった心臓の鼓動とは逆に、ルイズの中で期待が膨...
もし、才人があの贈り物をルイズからのものと見抜いたら…。
二人は、『真実の愛』で結ばれる。
真実の愛!真実の愛だって!
ルイズは真っ赤になりながら、廊下の壁をばしばし叩いた。
その後ろを不審な目で後輩が通っていったが、ルイズはそんな...
結局手形が残るまで、ルイズは廊下の壁を叩き続けたのであっ...
281 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
結局夕方までガマンできなくて。
「ちょ、ちょっと用事が早めに終わったから、帰ってきたのよ...
…部屋に、帰ってきちゃった…。
サイトはそんな私に、いつもみたいに、
「うん、わかってるよ。お疲れ様ルイズ」
そう言ってくれた。
私はサイトの方を気にしながらマントをクローゼットに仕舞い...
う、うわあ、なんか落ち着かない…。
私がそんな風にそわそわしていると。
「…あのさ、ルイズ」
サイトが、紙袋を手に、私の目の前に立った。
あ、な、なんかマズイ。ものすごい勢いで心臓がばくばく言い...
見つめてくるサイトの視線から、目が離せなくなって…。
サイトが、口を開く。
「…このセーターさ」
き、きたきたきた!
やばいまずいどうしよう心臓破裂しちゃうかも!
た、たぶん今顔もまっかっかだと思うんだけど!
サイトの視線から逃げられない。
つ、次のサイトの台詞次第じゃ私ヤバいかもしれない…!
「…ルイズがくれたんじゃないよな?」
………………………………………………………。
はい?
破裂しそうな勢いで脈打っていた心臓の鼓動が一瞬で止まった。
…なんだって?
「ご、ごめんサイト、よく聞き取れなかったわ?」
私はサイトにさっきのやり直しを要求する。
いやまさかね?あそこまでお膳立てしておいてわからないとか...
「いやだからさ。
こんだけちゃんとしたカタチのセーター、ルイズ編めないだ...
………………………………………………………。
席を立つ。
サイトが不審げな顔をしてこっちを見てる。
無視して箪笥の前に行く。
一言も発さずに、箪笥を開けて、乗馬用の鞭を取り出す。
にっこり笑って振り返ると、サイトが青い顔をして震えていた。
心の中でどう結論付けたか知らないけど、いまさら後悔しても...
「で?もう一度言ってごらん?
犬 」
282 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
そして。
聖女の日だというのに、ルイズの部屋からは才人の切ない悲鳴...
「さて。
鈍感もいい加減にしないと、そのうち天罰が下るからね?」
もう既にバッチリ下っている気もするが、ルイズのお尻の下で...
「すいましぇん…」
素直に謝っておく。
鞭打ちも服の上からだったのでそんなに痛みはなかったが、後...
ご主人様も途中で聖女の日の目的を思い出したのか、十分ほど...
そして、才人は下に組み敷かれながら、己の間抜けさを悔やん...
…ほんとに、間抜けやっちゃったなあ…。
そんな才人に、ルイズはこほん、とわざとらしく咳ばらいをす...
「さ、さて。
犬はご主人様に対して、謝る他にもすることがあるはずよね...
言ってから、才人の上でもじもじし始める。
才人はなんのこっちゃ、と疑問を口にしそうになったが、慌て...
さすがに、そこまで間抜けではないらしい。
とりあえず頭の中で台詞を整え、言葉にして発する。
「えっと。
ステキなセーターありがとう、ルイズ」
その言葉に、ルイズは才人の上から退くと、無理やり才人を立...
そして、その前に立てひざで立つと。
「もっかい言って」
赤い顔をしてそう言った。
なんでまた言わなきゃいけないんだよ、という突っ込みを喉元...
「ステキなセーターをありがとう」
その言葉と同時に、ルイズはいきなりがばっ!と才人に抱きつ...
「え、ルイズ?」
「ばか、最初っからそう言えばいいのよ、もう!」
そしてそのまま、才人の首筋をぎゅうー、っと抱きしめる。
視線を合わさないのは、みっともないくらい崩れた笑顔を見せ...
才人はそんなルイズを抱きしめ返す。
満面の笑顔から微笑みになると、ルイズは才人から少し離れて...
そして。
そのまま才人の頬を両手で挟み込むと、一瞬の早業で唇を奪っ...
しばらくの間唇を合わせていたが、息苦しくなる手前で唇を離...
「サイト…だいすき」
そして再び、ルイズは才人に抱きついた。
283 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
聖女の日、マンセー!
俺は椅子の上で、腕の中で俺にしなだれかかっているルイズの...
いや、ていうか今のルイズめっちゃ可愛いし!
普段からこんなカンジなら言うことないんだけど…。
なんて俺が思っていると。
「ねえ」
ルイズが俺の腕の中から、俺を見上げて声をかけてきた。
ひょ、ひょっとして今の心の声がバレタ…?
いやまさかね?
「な、何?」
ちょっとどもったのは焦りのせい。
でもルイズはそんなことは気にしない様子で、続けた。
「あの…その…。
セーター、着てみて…?」
もじもじしながらそんなこと言ってくる。
ハイ。平賀才人二等兵、謹んでセーター着させていただきます。
俺はルイズを床に降ろすと、紙袋からセーターを出した。
しかし、見れば見るほど…。
ルイズが編んだとは思えないデキだな。
ちゃんと形になってるし、袖の絞りもちゃんと…。
袖を引き出してきて、俺は違和感を覚えた。
あれ?
「あ、あれ?」
ルイズも思ったらしい。
…袖、長くね?
しかも太い?
さらに俺は紙袋からセーターを出す。
そして、全貌を現したVネックのそのちゃんとした形のセータ...
ふた周りばかり、サイズが大きかった。
284 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
「あ、あはは。
大きいねこれ?」
才人はそんな風に笑って見せるが。
当のルイズはといえば、真っ赤になって俯いている。
自信満々才人に渡したのに、しかもお仕置きまでしたのに、結...
自分の行動に、恥じ入るのも当然と言えた。
「わ、悪かったわね…」
それでも素直に謝れないルイズであった。
そんなルイズを見た才人は。
何を思ったのか、そのセーターを着込みはじめた。
「…サイト?」
とつぜんの才人の行動に、ルイズは驚く。
あれよあれよという間に才人はセーターを着終わってしまう。
そのサイズはやっぱり大きく、まるで子供が無理やり大人のセ...
「…うん、やっぱ大きいな」
そう言って動いてサイズを確かめる才人。
それを見たルイズは、真っ赤になって怒って見せた。
「わ、悪かったわね!そんなに着たくないなら着なきゃいいじ...
「ちょ、なにすんだよルイズ!?」
言って、才人の着こんだセーターを捲り上げて、脱がそうとす...
捲くれあがってできた隙間が、ルイズの目に入った。
ルイズの動きが止まった。
「…?どうしたんだ?」
不意に動きを止めたルイズに、才人が尋ねる。
ルイズの目は、セーターの隙間に釘付けになっている。
その隙間は、小柄な女の子がちょうど一人入るくらいの空間が...
「そ、そうよ。
こうするために、大きく編んだのよ…!」
ルイズは赤い顔のまま、その隙間に潜り込んだ。
「ちょ、わ、なにすんだよルイズっ?」
慌てて足のもつれた才人はふらふらとよろめき…。
うまい具合に、二人はベッドにもつれながら転がった。
285 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
下敷きになった俺の上で、ルイズがもごもごと動いている。
少しすると、セーターの襟元から、ぴょこんとルイズの頭が出...
うはー。いい匂い〜。
お互いに正面を向いているので、ルイズは俺を見上げる形にな...
そのまま、赤い顔でルイズは言った。
「ほ、ほら、こうすれば暖かいじゃない…」
た、確かにあったかいけどさ。
「う、動きにくくない?」
俺は腕を動かしてみる。
「う、動きにくいわよ…」
ルイズはセーターのお腹の部分で、両手を俺の胸板に当てて丸...
ん?
マテヨ?
ルイズハミウゴキガトレナイ?
俺は自由に動く手で、身動きの取れないルイズのお尻をもみも...
「ひゃんっ!」
だーいせーかーい。
俺の胸の上で、ルイズが可愛い声を上げる。
「ちょ、ちょっと、どこ触って…やんっ!」
スカートを捲り上げ、ダイレクトに絹のショーツの上からルイ...
揉みまくる。
「や、やだぁ、サイトのすけべぇ」
口ではそう抵抗するルイズだけど、身体は一切抵抗していない。
手を動かすどころか、脚を閉じることもしない。
「イヤならやめるけど?」
俺はわざと手を離してルイズに言ってみる。
まあ、ご主人様がイヤっていうなら止めないといけませんねー?
でも、ルイズは俺の期待どおりに。
赤い顔をして、甘えるような視線で。
「や、やめていいって誰が言ったのよ…」
怒ったような声でそう言ってきた。
了解、ご主人様♪
286 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
才人はルイズのショーツに左手をかけると、絹の柔らかさを利...
晒された桜色の割れ目を見ることなく、才人はルイズの裂け目...
くちゅくちゅと湿った音をたて、ルイズのそこは快感を分泌さ...
そんな才人の行為を受けて、胸の上でルイズは切ない声を漏ら...
「あっ…サイトぉ…きもちいい…」
獣欲に曇った表情で喘ぎながら、ルイズは目の前にある才人の...
ルイズはその首筋に唇を寄せると、軽く吸い上げた。
「っ…ルイズ…」
才人は、その刺激に、思わず声を上げてしまう。
「サイトがきもちよくしてくれるから…お礼よ…」
にっこり笑ってそう言い、ルイズは何度も才人の首筋を吸い上...
それに負けじと、才人はルイズを責める指の数を増やした。
指で裂け目を開くのをやめ、十分に湿ったルイズを、中指と薬...
「やっ…二本も…はいってるっ…」
その刺激にルイズは才人への口撃を止め、喘ぐ。
それに気をよくした才人は、そのまま指を前後に激しく動かし...
「やっ!あっ!だめっ、はげしっ、ふぁっ」
才人の上で、上と下から涎を垂らし、ルイズは囀る。
やがてその快感は頂点に達した。
「あ、だめ、いく、いくぅっ…!」
才人の指をぎゅっと締め付け、才人の上で丸まって、ルイズは...
ルイズの身体から力が抜け、才人の胸板に身を預ける。
そんなルイズに、才人は意地悪に言った。
「あれえ?ルイズだけ逝っちゃうなんてズルいなあ」
その言葉に、絶頂の余韻に浸っていたルイズの意識が目覚める。
「あっ…ご、ごめんなさい…!」
ルイズは慌てて身体を動かそうとするが、うまくいかない。
そんなルイズに、才人は微笑むと、言った。
「ルイズはそのままでいいよ。
勝手に使わせてもらうから」
「…え?」
才人の言葉に顔に疑問符を浮かべるルイズ。
すると才人はルイズを抱きかかえ、そのまま上下を反転する。
ちょうど、ルイズが才人に組み敷かれている形になった。
そして、才人はジッパーを開けて一物を取り出し、ルイズのシ...
一気に彼女の中を貫いた。
287 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
気が付くと、サイトのセーターの中で寝ていた。
あのまま私は、サイトに何度も逝かされて…。
寝ちゃった。
サイトはといえば…。
幸せそうな顔して、寝てる。
「…ご主人様ほっといて寝てるなんて、最低な使い魔ね」
そう口に出してみるけど、心の中はぜんぜんそんなこと思って...
だいすき。
でも、サイトが寝てても、そんなの口にだすのは恥ずかしくて。
私はサイトの匂いに包まれたまま、彼の胸板に顔を埋める。
裸じゃないから、そんなでもないけど、やっぱりコトの後だか...
サイトの、匂い…。
私は鼻から感じる彼のにおいと、お腹の中で鼓動に合わせて波...
「うーん…」
サイトが寝苦しそうに唸る。
あ、そっか。私が上にいるから…。
で、でも。
「ちょっとくらいガマンしなさいよ。
ご主人様より遅く起きた罰なんだから…」
言って私は、もう一度サイトの胸板に顔を埋める。
そして、考えてみた。
…なんでセーター、失敗したのかな…?
シエスタに教わって、ちゃんと編んだのに…。
ん?
マテヨ?
シエスタニオソワッテ?
私があることに気づくのと、扉がバタンと乱暴に開かれるのが...
288 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
「あーーーーーー!」
扉の方からシエスタの声がした。
私は慌ててセーターの中から抜け出すと、シエスタに掴みかか...
「ちょっとシエスター!
ムチャクチャなサイズ教えでしょあなたー!」
「そんなことはどうでもいいですっ!
ミス・ヴァリエールこそ何やってんですかっ!」
そう言ってシエスタは掴み返してくる。
ふん、とぼける気?いい根性してるじゃない。
でもいいわ、結果から言って。
「まあ、アナタの企みは私とサイトの真実の愛によって阻まれ...
ざまあないわね平民風情が!」
「なぁにが真実の愛ですかっ!そんな爛れた愛は認めませんっ!
貴族だからっていい気にならないでくださいっ!」
私とシエスタの間に、見えない火花が飛び散る。
「あっそう。どうしてもヤル気なわけね?」
「当然です。サイトさんは渡しませんよ…?」
そして、二人の戦いが幕を開けた。〜fin
追伸:巻き込まれた才人は、全治一週間の怪我を負ったらしい。
終了行:
279 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
「…雨かあ」
降りしきる雨を見ながら、才人は暇を持て余していた。
今日は愛しいご主人様は外出。
でもって、水精霊騎士団の連中はといえば。
ギーシュを筆頭に、レイナールまで贈られた贈り物を手に朝か...
もっとも、ギーシュは探しているというよりも、探している振...
「…マリコルヌ、大丈夫かなあ…」
昨日散々荒れたマリコルヌは、騎士団の溜まり場で、まるで魂...
『聖女の日に…破滅と混乱をぉ…』
そんな物騒な寝言をぼやいていたが、酒の飲みすぎで潰れてい...
騎士団全員でおだめ、なだめ、すかし、大量の酒を飲ませたの...
「ま、学院が荒れるよかいいよな」
言いながら、才人は昨日のご主人様の台詞を思い出す。
『いい?明日は絶対部屋から出ちゃダメなんだからね!?
それと、何か届いたら必ず受け取ること!
ご主人様は今日明日いないけど、明日の夕方には帰ってくる...
ちゃ、ちゃんといなさいよ!わかった?』
たぶん、ルイズは俺に贈り物をくれるつもりなんだろうなあ…。
才人はちらりと扉を見る。
今朝から扉は開けていない。明け方近くから気にはしているの...
まさか、夜のうちに置いてあったりしないよなあ…。
ちらりと扉を見る。
コト…。
扉の外で、音がした。
才人は弾かれたように立ち上がると、扉に走りよって扉を開け...
そこには。
大き目の紙袋が無造作に置かれていた。
慌てて周囲を見渡すが、人影はない。
…たぶん、今の、ルイズかな?
才人は紙袋を手にとると、部屋に戻った。
はやる気持ちを抑え、テーブルに紙袋を置く。
…そ、そういえば俺、こういう日に女の子からプレゼントもらう...
もちろん母親は除きます。
才人はどきどきしながら、そっとその紙袋を開いてみた。
その中には…。
「これ、セーター?」
中から出てきたのは…予想と裏腹にちゃんとした形のセーターだ...
ってことは、ルイズじゃない?
失礼な話だが、才人はルイズがまともに編み物を成功させると...
280 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
…ややややややややや、やっちゃった…!
ルイズは廊下の角で、物凄い勢いで脈打つ自分の心臓を宥めて...
聖女の日に贈り物をするのは、実は初めてだったりする。
小さなころ、ワルドに贈り物をしようとしたことはあるが、そ...
それに、小さなころのアレは、愛ではなく憧れだった。そう思...
でも今回のは違う。
サイトが好き。
そのありったけの想いを込めて、セーターを編んだ。
絶対に成功させるために、絶対に下げたくない頭をシエスタに...
そのお陰もあってか、セーターはちゃんと今朝までに完成し。
そして紙袋につめられて、無事才人の下に届いたのである。
だ、大丈夫よね、ちゃんとカタチになってたし!
そ、それに昨日あんだけ言ったんだもん。
私の贈り物だって、分かるはずよね…。
ようやく静まった心臓の鼓動とは逆に、ルイズの中で期待が膨...
もし、才人があの贈り物をルイズからのものと見抜いたら…。
二人は、『真実の愛』で結ばれる。
真実の愛!真実の愛だって!
ルイズは真っ赤になりながら、廊下の壁をばしばし叩いた。
その後ろを不審な目で後輩が通っていったが、ルイズはそんな...
結局手形が残るまで、ルイズは廊下の壁を叩き続けたのであっ...
281 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
結局夕方までガマンできなくて。
「ちょ、ちょっと用事が早めに終わったから、帰ってきたのよ...
…部屋に、帰ってきちゃった…。
サイトはそんな私に、いつもみたいに、
「うん、わかってるよ。お疲れ様ルイズ」
そう言ってくれた。
私はサイトの方を気にしながらマントをクローゼットに仕舞い...
う、うわあ、なんか落ち着かない…。
私がそんな風にそわそわしていると。
「…あのさ、ルイズ」
サイトが、紙袋を手に、私の目の前に立った。
あ、な、なんかマズイ。ものすごい勢いで心臓がばくばく言い...
見つめてくるサイトの視線から、目が離せなくなって…。
サイトが、口を開く。
「…このセーターさ」
き、きたきたきた!
やばいまずいどうしよう心臓破裂しちゃうかも!
た、たぶん今顔もまっかっかだと思うんだけど!
サイトの視線から逃げられない。
つ、次のサイトの台詞次第じゃ私ヤバいかもしれない…!
「…ルイズがくれたんじゃないよな?」
………………………………………………………。
はい?
破裂しそうな勢いで脈打っていた心臓の鼓動が一瞬で止まった。
…なんだって?
「ご、ごめんサイト、よく聞き取れなかったわ?」
私はサイトにさっきのやり直しを要求する。
いやまさかね?あそこまでお膳立てしておいてわからないとか...
「いやだからさ。
こんだけちゃんとしたカタチのセーター、ルイズ編めないだ...
………………………………………………………。
席を立つ。
サイトが不審げな顔をしてこっちを見てる。
無視して箪笥の前に行く。
一言も発さずに、箪笥を開けて、乗馬用の鞭を取り出す。
にっこり笑って振り返ると、サイトが青い顔をして震えていた。
心の中でどう結論付けたか知らないけど、いまさら後悔しても...
「で?もう一度言ってごらん?
犬 」
282 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
そして。
聖女の日だというのに、ルイズの部屋からは才人の切ない悲鳴...
「さて。
鈍感もいい加減にしないと、そのうち天罰が下るからね?」
もう既にバッチリ下っている気もするが、ルイズのお尻の下で...
「すいましぇん…」
素直に謝っておく。
鞭打ちも服の上からだったのでそんなに痛みはなかったが、後...
ご主人様も途中で聖女の日の目的を思い出したのか、十分ほど...
そして、才人は下に組み敷かれながら、己の間抜けさを悔やん...
…ほんとに、間抜けやっちゃったなあ…。
そんな才人に、ルイズはこほん、とわざとらしく咳ばらいをす...
「さ、さて。
犬はご主人様に対して、謝る他にもすることがあるはずよね...
言ってから、才人の上でもじもじし始める。
才人はなんのこっちゃ、と疑問を口にしそうになったが、慌て...
さすがに、そこまで間抜けではないらしい。
とりあえず頭の中で台詞を整え、言葉にして発する。
「えっと。
ステキなセーターありがとう、ルイズ」
その言葉に、ルイズは才人の上から退くと、無理やり才人を立...
そして、その前に立てひざで立つと。
「もっかい言って」
赤い顔をしてそう言った。
なんでまた言わなきゃいけないんだよ、という突っ込みを喉元...
「ステキなセーターをありがとう」
その言葉と同時に、ルイズはいきなりがばっ!と才人に抱きつ...
「え、ルイズ?」
「ばか、最初っからそう言えばいいのよ、もう!」
そしてそのまま、才人の首筋をぎゅうー、っと抱きしめる。
視線を合わさないのは、みっともないくらい崩れた笑顔を見せ...
才人はそんなルイズを抱きしめ返す。
満面の笑顔から微笑みになると、ルイズは才人から少し離れて...
そして。
そのまま才人の頬を両手で挟み込むと、一瞬の早業で唇を奪っ...
しばらくの間唇を合わせていたが、息苦しくなる手前で唇を離...
「サイト…だいすき」
そして再び、ルイズは才人に抱きついた。
283 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
聖女の日、マンセー!
俺は椅子の上で、腕の中で俺にしなだれかかっているルイズの...
いや、ていうか今のルイズめっちゃ可愛いし!
普段からこんなカンジなら言うことないんだけど…。
なんて俺が思っていると。
「ねえ」
ルイズが俺の腕の中から、俺を見上げて声をかけてきた。
ひょ、ひょっとして今の心の声がバレタ…?
いやまさかね?
「な、何?」
ちょっとどもったのは焦りのせい。
でもルイズはそんなことは気にしない様子で、続けた。
「あの…その…。
セーター、着てみて…?」
もじもじしながらそんなこと言ってくる。
ハイ。平賀才人二等兵、謹んでセーター着させていただきます。
俺はルイズを床に降ろすと、紙袋からセーターを出した。
しかし、見れば見るほど…。
ルイズが編んだとは思えないデキだな。
ちゃんと形になってるし、袖の絞りもちゃんと…。
袖を引き出してきて、俺は違和感を覚えた。
あれ?
「あ、あれ?」
ルイズも思ったらしい。
…袖、長くね?
しかも太い?
さらに俺は紙袋からセーターを出す。
そして、全貌を現したVネックのそのちゃんとした形のセータ...
ふた周りばかり、サイズが大きかった。
284 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
「あ、あはは。
大きいねこれ?」
才人はそんな風に笑って見せるが。
当のルイズはといえば、真っ赤になって俯いている。
自信満々才人に渡したのに、しかもお仕置きまでしたのに、結...
自分の行動に、恥じ入るのも当然と言えた。
「わ、悪かったわね…」
それでも素直に謝れないルイズであった。
そんなルイズを見た才人は。
何を思ったのか、そのセーターを着込みはじめた。
「…サイト?」
とつぜんの才人の行動に、ルイズは驚く。
あれよあれよという間に才人はセーターを着終わってしまう。
そのサイズはやっぱり大きく、まるで子供が無理やり大人のセ...
「…うん、やっぱ大きいな」
そう言って動いてサイズを確かめる才人。
それを見たルイズは、真っ赤になって怒って見せた。
「わ、悪かったわね!そんなに着たくないなら着なきゃいいじ...
「ちょ、なにすんだよルイズ!?」
言って、才人の着こんだセーターを捲り上げて、脱がそうとす...
捲くれあがってできた隙間が、ルイズの目に入った。
ルイズの動きが止まった。
「…?どうしたんだ?」
不意に動きを止めたルイズに、才人が尋ねる。
ルイズの目は、セーターの隙間に釘付けになっている。
その隙間は、小柄な女の子がちょうど一人入るくらいの空間が...
「そ、そうよ。
こうするために、大きく編んだのよ…!」
ルイズは赤い顔のまま、その隙間に潜り込んだ。
「ちょ、わ、なにすんだよルイズっ?」
慌てて足のもつれた才人はふらふらとよろめき…。
うまい具合に、二人はベッドにもつれながら転がった。
285 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
下敷きになった俺の上で、ルイズがもごもごと動いている。
少しすると、セーターの襟元から、ぴょこんとルイズの頭が出...
うはー。いい匂い〜。
お互いに正面を向いているので、ルイズは俺を見上げる形にな...
そのまま、赤い顔でルイズは言った。
「ほ、ほら、こうすれば暖かいじゃない…」
た、確かにあったかいけどさ。
「う、動きにくくない?」
俺は腕を動かしてみる。
「う、動きにくいわよ…」
ルイズはセーターのお腹の部分で、両手を俺の胸板に当てて丸...
ん?
マテヨ?
ルイズハミウゴキガトレナイ?
俺は自由に動く手で、身動きの取れないルイズのお尻をもみも...
「ひゃんっ!」
だーいせーかーい。
俺の胸の上で、ルイズが可愛い声を上げる。
「ちょ、ちょっと、どこ触って…やんっ!」
スカートを捲り上げ、ダイレクトに絹のショーツの上からルイ...
揉みまくる。
「や、やだぁ、サイトのすけべぇ」
口ではそう抵抗するルイズだけど、身体は一切抵抗していない。
手を動かすどころか、脚を閉じることもしない。
「イヤならやめるけど?」
俺はわざと手を離してルイズに言ってみる。
まあ、ご主人様がイヤっていうなら止めないといけませんねー?
でも、ルイズは俺の期待どおりに。
赤い顔をして、甘えるような視線で。
「や、やめていいって誰が言ったのよ…」
怒ったような声でそう言ってきた。
了解、ご主人様♪
286 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
才人はルイズのショーツに左手をかけると、絹の柔らかさを利...
晒された桜色の割れ目を見ることなく、才人はルイズの裂け目...
くちゅくちゅと湿った音をたて、ルイズのそこは快感を分泌さ...
そんな才人の行為を受けて、胸の上でルイズは切ない声を漏ら...
「あっ…サイトぉ…きもちいい…」
獣欲に曇った表情で喘ぎながら、ルイズは目の前にある才人の...
ルイズはその首筋に唇を寄せると、軽く吸い上げた。
「っ…ルイズ…」
才人は、その刺激に、思わず声を上げてしまう。
「サイトがきもちよくしてくれるから…お礼よ…」
にっこり笑ってそう言い、ルイズは何度も才人の首筋を吸い上...
それに負けじと、才人はルイズを責める指の数を増やした。
指で裂け目を開くのをやめ、十分に湿ったルイズを、中指と薬...
「やっ…二本も…はいってるっ…」
その刺激にルイズは才人への口撃を止め、喘ぐ。
それに気をよくした才人は、そのまま指を前後に激しく動かし...
「やっ!あっ!だめっ、はげしっ、ふぁっ」
才人の上で、上と下から涎を垂らし、ルイズは囀る。
やがてその快感は頂点に達した。
「あ、だめ、いく、いくぅっ…!」
才人の指をぎゅっと締め付け、才人の上で丸まって、ルイズは...
ルイズの身体から力が抜け、才人の胸板に身を預ける。
そんなルイズに、才人は意地悪に言った。
「あれえ?ルイズだけ逝っちゃうなんてズルいなあ」
その言葉に、絶頂の余韻に浸っていたルイズの意識が目覚める。
「あっ…ご、ごめんなさい…!」
ルイズは慌てて身体を動かそうとするが、うまくいかない。
そんなルイズに、才人は微笑むと、言った。
「ルイズはそのままでいいよ。
勝手に使わせてもらうから」
「…え?」
才人の言葉に顔に疑問符を浮かべるルイズ。
すると才人はルイズを抱きかかえ、そのまま上下を反転する。
ちょうど、ルイズが才人に組み敷かれている形になった。
そして、才人はジッパーを開けて一物を取り出し、ルイズのシ...
一気に彼女の中を貫いた。
287 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
気が付くと、サイトのセーターの中で寝ていた。
あのまま私は、サイトに何度も逝かされて…。
寝ちゃった。
サイトはといえば…。
幸せそうな顔して、寝てる。
「…ご主人様ほっといて寝てるなんて、最低な使い魔ね」
そう口に出してみるけど、心の中はぜんぜんそんなこと思って...
だいすき。
でも、サイトが寝てても、そんなの口にだすのは恥ずかしくて。
私はサイトの匂いに包まれたまま、彼の胸板に顔を埋める。
裸じゃないから、そんなでもないけど、やっぱりコトの後だか...
サイトの、匂い…。
私は鼻から感じる彼のにおいと、お腹の中で鼓動に合わせて波...
「うーん…」
サイトが寝苦しそうに唸る。
あ、そっか。私が上にいるから…。
で、でも。
「ちょっとくらいガマンしなさいよ。
ご主人様より遅く起きた罰なんだから…」
言って私は、もう一度サイトの胸板に顔を埋める。
そして、考えてみた。
…なんでセーター、失敗したのかな…?
シエスタに教わって、ちゃんと編んだのに…。
ん?
マテヨ?
シエスタニオソワッテ?
私があることに気づくのと、扉がバタンと乱暴に開かれるのが...
288 :聖女の日EX〜ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/03/01...
「あーーーーーー!」
扉の方からシエスタの声がした。
私は慌ててセーターの中から抜け出すと、シエスタに掴みかか...
「ちょっとシエスター!
ムチャクチャなサイズ教えでしょあなたー!」
「そんなことはどうでもいいですっ!
ミス・ヴァリエールこそ何やってんですかっ!」
そう言ってシエスタは掴み返してくる。
ふん、とぼける気?いい根性してるじゃない。
でもいいわ、結果から言って。
「まあ、アナタの企みは私とサイトの真実の愛によって阻まれ...
ざまあないわね平民風情が!」
「なぁにが真実の愛ですかっ!そんな爛れた愛は認めませんっ!
貴族だからっていい気にならないでくださいっ!」
私とシエスタの間に、見えない火花が飛び散る。
「あっそう。どうしてもヤル気なわけね?」
「当然です。サイトさんは渡しませんよ…?」
そして、二人の戦いが幕を開けた。〜fin
追伸:巻き込まれた才人は、全治一週間の怪我を負ったらしい。
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