ゼロの使い魔保管庫
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416 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「ふああ」
窓際でルイズが居眠りから目を覚まし、伸びをする。
右手をんー、と思い切り伸ばし、小さな涙の粒が目の端に光る。
その仕草は、子猫を連想させた。
春眠、暁を覚えず。
才人の脳裏を、そんな言葉がよぎった。
ルイズはじっと見つめるそんな才人の視線に気づくと、頬を染...
「な、何見てんのよ!」
寝起きを見られた気恥ずかしさを隠すために、ルイズは思わず...
そんな仕草も愛らしく、怒鳴られてもなお才人は笑顔のままだ。
「いや、欠伸するルイズ可愛いなー、って」
思わず本音が出る。
才人のその台詞にルイズの顔面が火を噴く。
「なななななな、何言って」
照れるルイズが面白くて、才人は続ける。
「ルイズ可愛いな、って言ったんだよ」
赤くなったまま俯いて、ルイズはちらりと才人の方を伺って、...
「ほ、ほんとう…?」
「ほんとほんと」
二人の間に流れる、妙に甘い甘い空気。
昼間だというのにそのままコトに及びそうな雰囲気を、扉が開...
ばたんっ!
勢いよく扉を開けて現れたのは、シエスタだった。
そして彼女はなんの脈絡もなく言い放った。
「『オハナミ』行きましょう!『オハナミ』!」
417 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
荒れ狂うルイズをなんとかなだめると、話を聞く雰囲気になっ...
「で、何よ『オハナミ』って!」
私とサイトのストロベリータイムを邪魔するだけの価値はある...
荒れ狂ったルイズの飛ばした枕やら机やらシーツやらを元の位...
「『オハナミ』っていうのは、タルブの春の行事なんですよ。
って言っても、ひいおじいちゃんが植えた、『サクラ』の樹...
そしてちらりと才人を見る。
才人は、案の定懐かしそうな顔をしていた。
「花見かあ…」
たしかにシエスタの曾祖父は才人と同じ日本人だ。
彼が望郷の念に駆られてこのハルケギニアで桜を探し出し、タ...
それが実際行事となっていて、シエスタの故郷タルブでは、花...
「行きたくないですか?『オハナミ』」
シエスタのその質問は、この部屋にいる全員に投げかけられた...
そしてその才人は、一も二もなく頷く。
「行くよもちろん!」
そうすると、残りの一人もこうなるわけで。
「しょ、しょうがないわね、犬が行きたいっていうなら行って...
ミス・ヴァリエールはさそってないんですけどぉー、と心の中...
「じゃあ、早速準備しますね!」
418 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そして、仕立てられたタルブ行きの馬車の中には。
タバサとシルフィードがすでに乗っていた。
「ちょっと、アンタがなんでここにいるのよチビっこ」
半眼で黙々と本を読み続けるタバサを睨みつけ、ルイズは言う。
タバサは本から目を離さず、応えた。
「…サイトが行くなら私も一緒に行く」
そしてぱたん、と本を閉じると。
ルイズと同じように半眼で、殺気のこもった視線を、ルイズに...
その視線はこう語っていた。
出先でサイトといい雰囲気になろうったって、そうは行かない...
ちなみにタバサの今読んでいる本は、『素直になれない女主人...
つい弾みで執事を追い出してしまった女主人が、執事に絡んで...
「…なによ、喧嘩売ろうっての?」
今にも一触即発な雰囲気に二人をなだめたのは、当の才人だっ...
「まあまあ落ち着けよ二人とも。みんなで仲良く行けばいいだ...
「そうなのねー。みんな仲良くすればごはんもおいしいの!き...
才人の台詞に続けたシルフィードの声が、その場に満ちた闘争...
…しょうがない、ここは。
…サイトに免じて、許してあげる…!
二人で全く同じことを考え、最後に視線で火花を飛ばし、その...
419 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そして、一行の到着したタルブは。
なぜか、大騒ぎだった。
実家に着いたシエスタをまず襲ったのは、女王来訪の知らせ。
「えっ!?女王陛下が『オハナミ』にいらっしゃるんですかっ...
シエスタは驚いて、自分も準備しなきゃ、と慌てて女王来訪に...
逆にルイズは冷静だった。
…やるわねあのわたあめ女王…!タルブの行事がサイト絡みだと...
ルイズは、アンリエッタがタルブの『オハナミ』が才人の世界...
そうなると、このタルブは戦場と化すだろう。
才人をめぐって、血で血を洗う争いが展開されるのは目に見え...
そして。
ルイズの視界に、同じように顔をしかめるタバサの姿が目に入...
…シエスタはあんなだし。姫様に対抗するためには…。
そしてルイズは、そんなタバサに近寄る。
近寄ってきたルイズに、タバサは反射的に杖を構える。
そんなタバサに、ルイズはすっ、と手を差し伸べる。
「…気に食わないけど、休戦といきましょう」
そんなルイズに、タバサは満面に不審を露にしてルイズを見つ...
ルイズははぁ、とため息をついて、タバサに語りかける。
「アンタも聞いたでしょ?
もうすぐここには、サイトを狙ってアンリエッタ女王陛下が...
…悔しいけど、私一人の力じゃ、サイトを守りきれそうにない」
この村の状況を見るに、アンリエッタはその権力の全てを使っ...
彼女の『相応の覚悟』は、王族だけあってとんでもないものだ。
タバサはその答えに納得し、その手を握り返した。
「…サイトを想うのは、私も一緒」
こうして、雪風と虚無の二人は、手を組んだのである。
420 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
シエスタはなんと、タルブの入り口で女王陛下のお出迎えをす...
それは、唯一肉眼で女王陛下を見た者であるという、至極真っ...
「どどどど、どうしよう…!」
しかしいくら生で見たことがあるとはいえ、シエスタにとって...
才人を狙っているとはいえ、仕えるべき人であることに変わり...
ないのだが。
「…サイトさん独り占めしようとされたりしたら、私手ぇ出しち...
心配事はそっちであった。
恋愛の前に全ての人々は対等となる。恋する資格に変わりはな...
たとえ女王陛下とはいえ、才人の前では対等な女と女。
もし理不尽に権力を行使されたりしたら、サイトさんを連れて...
そうしてシエスタがタルブの入り口で待ち構えていると。
護衛の騎士を従えたトリステインの旗を閃かせた六頭立ての馬...
間違いない。女王の馬車だ。
シエスタは深々と頭を垂れ、その一団を迎える。
すると、女王の馬車が彼女の前に止まり、その馬車の扉が開い...
そして降りてきたのは…他でもない、アンリエッタ女王その人だ...
あまりの展開にシエスタが驚いていると。
「やっぱり!あなたシエスタさんね!」
アンリエッタはそう言って笑うと、シエスタの手をとった。
シエスタの身体が緊張に強張る。強気なことを考えてはいたも...
アンリエッタはそのままシエスタを馬車の中へ引っ張っていく。
「あなたには、聞きたいことがたくさんあるんです。
『オハナミ』のこと、タルブのこと。
そして、サイト様のこと」
最後の一言とともにウインクし、アンリエッタはシエスタを馬...
御者はそれを確認すると馬に活を入れ、馬車を進ませる。
421 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
馬車の椅子の上で固まるシエスタに、アンリエッタは微笑む。
「ここは今、あなたと私の二人きりです。そんな硬くならなく...
しかしそんなこと言っても。
「恋愛の前に全ての人は対等、ですもの」
その言葉に、シエスタははっとなる。
「そう、あなたも私も、サイト様を想う女同士。
でも、今彼の傍には、ルイズがいる」
そしてアンリエッタの目がぎらりと光る。
それは、トリステインを統べる慈愛に満ちた女王の顔ではなく。
嫉妬に狂う、アンリエッタという、ただ一人の女の顔であった。
シエスタは急に、この女王に親近感が沸いてきた。
「私にできることでしたら、なんなりと」
…正直私も、そろそろミス・ヴァリエールとは決着をつけたいと...
そして二人は、視線を合わせる。
「…あなたとは、いいお友達になれそうですわ…」
女王アンリエッタは、そう言って手を差し出す。
シエスタはその手を、しっかりと握り返した。
ここに、女王とメイドのタッグが誕生した。
523 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
女王の馬車はまっすぐ、タルブの外れにある『サクラ』の樹が...
アンリエッタはシエスタから伝え聞いた『オハナミ』の作法に...
準備が整い次第お呼びいたしますので、と騎士の一人が馬車の...
「さて、それでは…」
アンリエッタはそう呟くと、馬車の中から外界と通じる窓の鎧...
「ご存知のとおり…今、サイト様の傍らには、ルイズがいます。
彼女がいたのでは…サイト様と一緒に、ゆっくり『オハナミ』...
そのアンリエッタの言葉に、シエスタが付け加える。
「いいえ、女王陛下。まだ一人、厄介な者がおりますわ」
シエスタの言葉に、アンリエッタははて、と首をかしげる。
ルイズとこの娘以外に、サイト様に執心な女性がいたのかしら?
「それは?」
促すアンリエッタに、シエスタは応える。
「タバサとかいう、青い髪の小さな女の子です」
「あの、ガリアの騎士ですか…」
幼いながらにして騎士の称号を持つあの娘。ルイズと同等か、...
どうしたものか、とアンリエッタは思索する。
そしてすぐに、ある作戦を思いついた。
「ありがとうシエスタさん。あなたの『オハナミ』の情報、さ...
そう言って、アンリエッタは微笑む。
その笑顔は、勝利を確信した者のそれだった。
524 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「…何か、釈然としないわね…」
『オハナミ』の宴の席で、ルイズは憮然としていた。
おかしい。何かが変だ。
アンリエッタの計らいにより、『オハナミ』の席は華やかに設...
見事に咲き誇る『サクラ』の樹を囲んで、アンリエッタ一行の...
そして、平民も貴族も関係なく、同じく宴に興じている。
ルイズの指摘するのはそこではない。
これは、『オハナミ』特有の『ブレイコー』とかいう習慣で、...
だから、アンリエッタお付の騎士がそのへんのおっちゃんに複...
ルイズの感じている違和感はそこではない。
「どうしたんだルイズ?」
彼女の目の前には、才人がいる。
そう、才人が『単独で』そこにいる。
当然絡んでくるはずのアンリエッタが、そこにはいなかった。
それこそがルイズの感じる違和感の原因であった。
当のアンリエッタといえば、離れた場所でまるで給仕がごとく...
それもまた、ルイズの違和感を加速させる原因となっていた。
ルイズはせっかくの才人の語りかけも無視し、アンリエッタを...
…何を企んでいるの、姫様…!?
そんなルイズの視線に気付いたのか、アンリエッタはにっこり...
…な、なに…?
「あらー?ルイズ・フランソワーズ?グラスが空いてましてよ...
みょーに高いテンションでアンリエッタがルイズの持つ空のグ...
頬がほんのりと赤い。
酔ってる。この女王酔ってやがる。
「酔ってますね姫様」
呆れたようにルイズは言い、アンリエッタの酌を受ける。
そんなルイズに、アンリエッタは半眼で反論する。
「女王が酔っちゃいけないっていう法律でもあるんですかー?
ええー?答えなさいよルイズ・フランソワーズぅー!」
しかも絡み酒だ。
ルイズが飲むはしから、グラスに酒を注ぐ。
ルイズは仕方なしにその酒を飲み干す。
そしてまた、アンリエッタが問答無用で酌をする。
何度かそれを繰り返すと。
「も、もう飲めない…」
ルイズは酔いつぶれて、バタンと倒れると、眠ってしまった。
アンリエッタはゆらりと揺らめくと、今度はすぐそばにあった...
つまり、才人のグラスに。
「グラスが空いてましてよぉぉぉぉぉサイトさまぁぁぁぁぁぁ...
問答無用で酌をした。
525 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そして、その反対側では。
「さあ村長、覚悟なさぁぁぁぁぁぁぁぁい」
「や、やめてくれシエスタ、これ以上はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
逃げようとする村長の首根っこをむんずと掴み、酔ったシエス...
村長の口に突っ込み、問答無用で流し込んだ。
「もう飲めっ、ごぼぉおぉぉぉぉぉぉ?」
瓶が空になったのを確認すると、シエスタは村長の亡骸(酔い...
その周囲には、同じようにシエスタに酔い潰された屍の山が。
「任務…完了」
酔った振りのシエスタはそう呟くと、屍の山を後にした。
アンリエッタの計画はこうだ。
まず、火のつくような強さの酒を用意する。
それを、アンリエッタの水魔法でもって、飲みやすい味に加工...
そしてそれを、『オハナミ』の席で問答無用で振舞う…。
片や、女王による絡み酌。
片や、メイドによる強襲酌。
これに抵抗できる者が、この宴にいるだろうか。いや、トリス...
そして、計画は実行に移され…。
アンリエッタとシエスタを除く全ての『オハナミ』参加者が、...
余談ではあるが、これが後世に伝わり、『タルブのサクラの伝...
569 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/03...
「…起きて、ルイズ」
酔い潰れて寝ているルイズを、ゆさゆさと揺り起こす者がいた。
その者は、酔い潰れた己の使い魔を介抱するために宴から離れ...
しかし、揺すられたルイズは。
「う、うぅ〜ん…」
眉をしかめて、唸るだけで起きようとしない。
どうやらまだ、酒が残っているようだ。
声をかけた主はルーンを唱える。
呪が完成すると、ルイズを青い光が包む。
『水』系統の呪文、『解毒』だ。
呪文の効果で、ルイズの体内のアルコールが毒物とみなされ、...
「…っ!?何っ!?」
アルコールの抜けたルイズは、がばっ!と起き上がった。
その拍子に。
ごっちぃん!
顔を覗き込んでいたタバサにまともに頭突きをかましていた。
ルイズの目の前に火花が散り、地面に逆戻りする。
タバサは不自然な角度で仰け反り、倒れるのを堪えている。
「いった〜〜〜〜い!」
ぶつけたおでこをさすり、ルイズの意識は完全に目覚める。
そういえば私、姫様に無理やり酌されて…。
酔って寝てしまったんだ。
そしてルイズは、不自然な角度で上を向いているタバサに語り...
「チビっこ…アンタが助けてくれたのね…」
ルイズとてメイジの端くれである。この状況をみれば、自分が...
タバサはルイズの声にゆっくりと体を立てる。
その赤くなった鼻から、つつー、と赤い筋が垂れた。
…あ。
「ご、ごめん!」
ルイズは慌てて懐からハンカチを取り出し、タバサの鼻血を拭...
タバサはその手からハンカチを奪い取り、憮然とした顔で鼻を...
「…一個貸し」
それが頭突きの貸しなのか、魔法による解毒の貸しなのかは分...
ルイズはぽりぽりと頬を掻いて視線を逸らす。
そして気付く。
「サイト!サイトはどこっ!?」
見渡す周囲には、ルイズの求める姿はなかった。
570 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「アンタっ!サイトどこ行ったか知らないのっ!?」
頼みの綱は酒の席から逃れていたであろうタバサであった、が。
自分の両肩を乱暴に掴んだルイズの手を振り払い、タバサは首...
「知らない」
タバサがここにやってきたとき、既に才人はおらず、累々と横...
ルイズは悔しさに親指の爪を噛む。
やられた…!
酔った振りで、酒を盛って…!
わたあめのクセに!乳牛のクセに!
やるじゃないの…っ!
悔しがるだけのルイズに対し、タバサは冷静だった。
累々と横たわる酔っ払いどもの上から、周囲を見渡す。
そしてすぐに、目的のものを発見する。
タバサは杖を手にして、すっくと立ち上がった。
「…見つけた…!」
その瞳はその二つ名のごとく冷たく澄み、目標を捕らえる。
タバサの視線の先には。仲よさそうに寄り添って、腕を組んで...
タバサの異変に気付いたルイズも、その視線を追う。
「あっ…!」
ルイズも慌てて立ち上がり、そして。
「こら犬、何やってんのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ものすごい勢いで、タバサを置いて走り出した。
「…静かにしないと気付かれる…」
タバサの忠告も虚しく、ルイズは土煙をあげて二人の消えた森...
そしてタバサも、その後を追う。
愛する人を、取り戻すために。
571 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「…うまくいったわね」
「はい、大成功です」
二人の消えた森の入り口の見える村の外れの空き家で。
横たわる才人を脇目に、女王とメイドの二人は、お互いの手を...
そう、森に消えた才人とアンリエッタは、スキルニルである。
そのスキルニルには、しばらく逃げ回った後、適当な木陰で元...
ルイズとタバサは森の中を散々連れ回された挙句、二人を見失...
タバサが酒を飲まないであろうことを見越した、二人の作戦で...
「さて、それじゃあ…」
アンリエッタが、酔って眠る才人を一瞥する。
「ええ」
同じようにシエスタも、才人を見つめる。
二人の瞳は、すでに獣欲に曇っていた。
「楽しみましょうか、シエスタさん…」
「ええ、女王陛下…」
572 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
目を覚ますと。
俺は全裸で椅子に縛り付けられていた。
え?コレどういう状況??
辺りを見渡す。
どうやらここはどこかの部屋の中みたいだ。
窓から差し込む光の加減から、お花見開始からけっこう時間が...
そういえば俺、姫様の注いだ酒のんで酔っ払って、寝ちゃった...
…で、なんで裸か?
とりあえず記憶を探ってみるけど。
何も出てくるはずはずがなく…。
と、とりあえずこの縄外さないと。逃げることもできやしない。
で、俺ががたごと暴れていると。
いきなり背後から白いものが伸びてきた。
でもって、それは俺の首に絡みつくと。
むにゅ。
後頭部にやーらかいものが押し当てられる。
この。耳の後ろに当たってる突起物と、目の前の白い手から察...
生おっぱいぱ-------------------------------!?
「え、なにこれどういうことこれっ!?」
俺は後ろから俺を抱きしめているであろう人に疑問をぶつける。
その人は、俺のよく知った声で答えた。
「無駄な抵抗はおやめなさい♪サイトさん」
「え?シエスタ?」
その声はシエスタだった。
シエスタは楽しそうにそう言うと、おっぱいを俺のアタマに押...
柔らかく歪むおっぱいの向こうから、笑顔のシエスタが俺を見...
そして心底楽しそうに説明する。
「サイトさんは今、囚われの身なんです。
私とある人を満足させないと、解放してあげません♪」
え?なにそれどういうこと?
いやまあこのおっぱい帽子は重きもちいいんですけど。
ってかある人ってダレ!?
とか思っていると。
俺から見える扉が開いて、とんでもないものが姿を現した。
573 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そこから現れたのは、真っ白な、下着姿の姫様。
「って何やってんすか姫様ーーーーーーーーーーーっ!?」
思わず叫ぶ俺。
そんな俺に、姫様はにっこり笑って近寄ってきた。
そして俺の顎をそっと指でなぞると。
いきなりキスしてきた。
そしてすぐに身体を離すと。
「まだ、立場というものがお分かりでないようですね?サイト...
へ?立場?立場ってナニ?
俺が混乱していると、姫様はガーターベルトに吊るされた、白...
シエスタのアタックですでにクライマックスの俺の電撃イライ...
ちょ、ちょっとまてちょっとまって!
うらがわあしのゆびでこすらないでええええええええ!
「ちょ、ひめさまっ」
俺の必死の呼びかけに、姫様は。
「そうじゃないでしょう?サイト様…?」
なんかものすんごいいやらしい笑顔で、俺を見つめて。
コスっていた脚を、椅子に引っ掛けて止めた。
ちょ、そこで止めないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
「女王様と、お呼びくださいまし♪」
ギンギンになった俺のきかん棒に支配された俺の理性は、即時...
「じょ、女王様っ」
そんな俺に、姫様は一瞬身体を震わせると。
「よくできました…。ご褒美を、さしあげてよ。サイト様」
後ろに控えるシエスタに、目配せした。
574 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
シエスタはアンリエッタの指示に、才人の前に立つ。
彼女はアンリエッタとは違い、全裸だった。ただ、頭にだけ、...
アンリエッタはそっとシエスタの背中から押しながら言った。
「まずは、メイドを差し上げますわ…。
さ、シエスタ」
「はい」
シエスタは頷くと、身動きの取れない才人の首筋にそっと手を...
才人のモノと腹の間に腰を落として、言った。
「サイトさん、どうして欲しいですか?」
淫靡に笑いシエスタは、才人に発言を促す。
才人はちょっと考えていたが、股間で飢えを訴える己の分身の...
「シエスタの中に…入れたい」
その言葉に、シエスタは嬉しそうに微笑むと、応えた。
「わかりました…旦那様」
シエスタは腰を浮かせ、才人の肉棒にそっと白魚のような指を...
くちゅっ
湿った音をたて、シエスタの秘唇が才人の先端に当たる。
「それでは…失礼します、サイトさん…」
ぐにゅっ
柔らかい弾力をもって、シエスタは才人を根元まで飲み込んだ。
「ああっ!サイトさんのがっ、奥までぇ…!」
「くっ、キモチいいよ、シエスタっ…!」
575 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そんな二人の接合を後ろで見ていたアンリエッタは、おもむろ...
「あっ、へいかぁっ、なにすっ」
シエスタの言葉に、アンリエッタは応える。
「女王を放っておいて、自分だけ気持ちよくなろうなんて、い...
言って、その手に力を込める。
シエスタの胸が歪にゆがみ、その喉から苦痛を伴った喘ぎが漏...
「へいかぁっ…いたいっ…」
「うふふ…痛がっている割に…」
アンリエッタはシエスタの耳元でそう囁くと、右手を胸から離...
ぐちゅ…
シエスタのそこは、感じている証である淫らな水音をたてた。
「この潤いようといったら。とんでもない淫乱メイドね」
言ってシエスタの耳の中に舌を差込み、嘗め回し始めた。
「やぁっ、らめっ、へいかぁっ、らめれすぅっ!」
アンリエッタの責めに、シエスタは動いてもいないのに高みへ...
そして才人もまた、目の前で繰り広げられる淫靡なショーに、...
「あ、ひ、らめ、いく、いくのぉっ」
「シエスタ、俺もっ…!」
二人は軽く痙攣し、絶頂に達する。
繋がったままの二人の間から、溢れた才人の子種が零れた。
零れた才人の液体を見たアンリエッタは、ぐったりと才人にも...
そのまま脇の床に横たわらせると、言った。
「主人のお情けをこぼすなんて、躾のなっていないメイドです...
失礼いたしましたサイト様。お詫びといってはなんですが」
言ってアンリエッタは、ルーンを唱える。
そして現れた小さな氷の刃が、才人を椅子に縛り付ける縄を切...
「あなたに、自由を授けましょう…」
576 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
才人は、縛られていた両腕をさすり、椅子から立ち上がった。
「ふう、酷い目にあった…」
口ではそんなことを言うが、そんなことは毛頭思っていない。
アンリエッタは、そんな才人の前に立ち、そっとその胸板に身...
才人は慌ててアンリエッタに問う。
「で、でで、今度はナニをすればいいんで?」
才人のその素っ頓狂な質問に、アンリエッタはくすりと笑うと。
シエスタに教わった、ある台詞を口にした。
「あなたの思うやり方で、この私に…奉仕、なさい」
そして才人は、その言葉を受けて。
アンリエッタを抱きしめ、その唇を奪った。
サイト様は、私の言葉に、優しくキスをしてくださった。
してださったんだけど。
その後、いきなり、私を後ろ向きにさせると。
後ろから、押し倒してきた…。
私は慌てて両手をつく。
すると。
私はいつのまにか四つんばいにされていた。
「え…?」
驚く私のお尻を、サイトさまの、サイトさまの手がぁっ!
「じゃあ、たぁっぷり『奉仕』させていただきますね、女王様...
ショーツの中まで入り込んで、お尻を撫で回してきた…!
まるで形を確かめるみたいに、ショーツの中をサイト様の手が...
でも。
肝心な所には、一切、その、触ってくださらない…。
わ、私が命令してるのにぃ…!
「あれえ、おかしいなあ。こんなに奉仕してるのに、女王陛下...
だ、だって、そこは、濡れるようなところじゃあっ…!
私はサイト様に抗議する。
「そんなところっ…。濡れませんっ…!」
私の言葉に、しかしサイト様は。
「では、濡れている場所を仰ってください、女王陛下」
…うー…!いじわるぅ…!
私は恥ずかしいのを必死で堪えて…言った。
「お、おま…です」
しかし、サイト様は意地悪に返してきた。
「声が小さくて聞こえませんでした。もう一度、大きな声でお...
…サイト様のっ…へんたいっ…!
577 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「おまた…です…」
その言葉に、何故かサイト様は驚いたような顔をしたけど。
「承りました、女王様♪」
やっと、いじってくれるんだ…。
私が期待に胸を膨らませていると。
サイト様は、私の履いていたショーツの横の結び目を解いて、...
ちゅっ
直に、いきなり口付けてきた…!
や、だめ、ゆびでひろげないでっっ!
じゅるるるるるるっ!
「やぁっ!だめぇっ!」
響いた淫らな水音に、思わず私は叫んでしまう。すると。
サイトさまが、止まった…。
「…え…?」
思わず呆ける私に、サイト様が信じられないことを言ってきた。
「女王陛下がダメと仰るなら、ここでやめるしかないなあ」
振り返ると、サイト様はいやらしい笑顔を貼り付けていた。
…うー、もう、この人わぁ…。
私は必死に恥ずかしいのを堪え、サイト様に、『お願い』した。
「命令です、やめないで…。
私が何を言ったとしても、奉仕を止めては、な、なりません…」
そして、サイト様は。
「承りました、女王様♪」
満面の笑顔で、そう応えた。
578 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
才人に後ろから獣のように貫かれ、アンリエッタは歓喜の言葉...
「あっあっあっあっ、いいですっ、いいですぅっ」
その表情は淫らに崩れ、口の端からは女王にあるまじきだらし...
「サイトさまのっ、サイトさまがぁっ、いいのぉっ」
リズミカルに叩きつけられる腰からは、清貧女王のイメージか...
才人を受け入れているその裂け目は、まるで娼婦のように才人...
「サイトさまのぉっ、おちんちんがぁっ、おくにぃっ、あたっ...
奥の奥まで犯され、アンリエッタはもう、完全に雌の本能に支...
喉が淫らに囀り、胸が卑猥に揺れ、腰が貪欲に牡を貪る。
やがて、その淫行は限界に達する。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、いく、いく、いっちゃう、サイト...
「だ、出しますよ女王様っ!」
二人はほぼ同時にビクビクと痙攣し。
才人は、ぎゅうぎゅうと最後の締め付けを行うアンリエッタの...
「あ、ひ、ひぁ…」
熱い熱い迸りで意識までも灼かれ、アンリエッタは床に崩れ落...
579 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
さて、と。
俺はゆっくりと立つと、目の前で満足しきって眠っている二人...
さーて、ここまで好き勝手やられてましたけど。
こっからが本番さね?
俺はゆくりと眠るシエスタに歩み寄って、近くにあった細いロ...
そこまですると、さすがにシエスタは目を覚ました。
「あっ…な、なにしてるんですかサイトさんっ?」
なにってー?し・か・え・し♪
「まぁだ立場ってもんがわかってないみたいだね?シエスタ?」
「え?」
俺は呆けるシエスタの股間の小さなお豆を、指でつまんだ。
「やぁんっ!」
「シエスタは捕まったんだよ?つまり、俺のされるがまま」
俺は言って、シエスタのあそこを、指でこれでもかと蹂躙した。
「やぁっ、あんっ、そんなっ、かきまわさないでぇっ、あっ…?」
そして、シエスタからおつゆが垂れ始めてきたころを見計らっ...
「え、なんで…?」
途中で放置されたシエスタは、抗議を込めた視線を俺に向ける。
まあ当然だけど。
でも俺の逆襲は始まったばっかりで。
「さてシエスタ。きちんと『お願い』できたら、続きしてあげ...
俺の言葉に、シエスタは恥ずかしそうに俯く。
そして言った。
「お、お願いします…。
だ、旦那様のお情けを、お情けを、シエスタにください…」
よく出来ました♪
580 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「今はアナタは女王陛下じゃないんですよ?わかってます?」
「あっ、わかりましたぁっ、アンリエッタは、アンリエッタは...
「俺の、何?」
「サイトさまのぉっ、ドレイですぅっ」
「よくできました♪」
……。
アンリエッタ女王とサイトを見失ってから、私たちは村に戻っ...
聞きなれた声に誘われて、私たちは『サクラ』の丘のそばにあ...
扉の向こうからとんでもない声が聞こえる。
隣では、ルイズが拳を握り締めて震えてる。
めき…。
樫の樹でできたとんでもなく硬いはずの私の杖が、悲鳴を上げ...
…たぶん、私も震えてる。
ていうか、なんでこんなに落ち着いてるんだろ?私?
目の前でサイトが、他の女とアレしてるのに。
でも、心とは裏腹に、喉は勝手にルーンを唱え…。
どかぁん!
全力の『エア・ハンマー』が、その家の壁をきれいに吹き飛ば...
そこには、両手両足を拘束された裸のアンリエッタ女王と繋が...
……。
………………。
………………………………………………………………。
「いっぺん、死んでみる?
犬 」
ルイズが私の心情を代弁して。
逃げようとしたサイトを、私とルイズの魔法が吹っ飛ばした。...
終了行:
416 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「ふああ」
窓際でルイズが居眠りから目を覚まし、伸びをする。
右手をんー、と思い切り伸ばし、小さな涙の粒が目の端に光る。
その仕草は、子猫を連想させた。
春眠、暁を覚えず。
才人の脳裏を、そんな言葉がよぎった。
ルイズはじっと見つめるそんな才人の視線に気づくと、頬を染...
「な、何見てんのよ!」
寝起きを見られた気恥ずかしさを隠すために、ルイズは思わず...
そんな仕草も愛らしく、怒鳴られてもなお才人は笑顔のままだ。
「いや、欠伸するルイズ可愛いなー、って」
思わず本音が出る。
才人のその台詞にルイズの顔面が火を噴く。
「なななななな、何言って」
照れるルイズが面白くて、才人は続ける。
「ルイズ可愛いな、って言ったんだよ」
赤くなったまま俯いて、ルイズはちらりと才人の方を伺って、...
「ほ、ほんとう…?」
「ほんとほんと」
二人の間に流れる、妙に甘い甘い空気。
昼間だというのにそのままコトに及びそうな雰囲気を、扉が開...
ばたんっ!
勢いよく扉を開けて現れたのは、シエスタだった。
そして彼女はなんの脈絡もなく言い放った。
「『オハナミ』行きましょう!『オハナミ』!」
417 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
荒れ狂うルイズをなんとかなだめると、話を聞く雰囲気になっ...
「で、何よ『オハナミ』って!」
私とサイトのストロベリータイムを邪魔するだけの価値はある...
荒れ狂ったルイズの飛ばした枕やら机やらシーツやらを元の位...
「『オハナミ』っていうのは、タルブの春の行事なんですよ。
って言っても、ひいおじいちゃんが植えた、『サクラ』の樹...
そしてちらりと才人を見る。
才人は、案の定懐かしそうな顔をしていた。
「花見かあ…」
たしかにシエスタの曾祖父は才人と同じ日本人だ。
彼が望郷の念に駆られてこのハルケギニアで桜を探し出し、タ...
それが実際行事となっていて、シエスタの故郷タルブでは、花...
「行きたくないですか?『オハナミ』」
シエスタのその質問は、この部屋にいる全員に投げかけられた...
そしてその才人は、一も二もなく頷く。
「行くよもちろん!」
そうすると、残りの一人もこうなるわけで。
「しょ、しょうがないわね、犬が行きたいっていうなら行って...
ミス・ヴァリエールはさそってないんですけどぉー、と心の中...
「じゃあ、早速準備しますね!」
418 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そして、仕立てられたタルブ行きの馬車の中には。
タバサとシルフィードがすでに乗っていた。
「ちょっと、アンタがなんでここにいるのよチビっこ」
半眼で黙々と本を読み続けるタバサを睨みつけ、ルイズは言う。
タバサは本から目を離さず、応えた。
「…サイトが行くなら私も一緒に行く」
そしてぱたん、と本を閉じると。
ルイズと同じように半眼で、殺気のこもった視線を、ルイズに...
その視線はこう語っていた。
出先でサイトといい雰囲気になろうったって、そうは行かない...
ちなみにタバサの今読んでいる本は、『素直になれない女主人...
つい弾みで執事を追い出してしまった女主人が、執事に絡んで...
「…なによ、喧嘩売ろうっての?」
今にも一触即発な雰囲気に二人をなだめたのは、当の才人だっ...
「まあまあ落ち着けよ二人とも。みんなで仲良く行けばいいだ...
「そうなのねー。みんな仲良くすればごはんもおいしいの!き...
才人の台詞に続けたシルフィードの声が、その場に満ちた闘争...
…しょうがない、ここは。
…サイトに免じて、許してあげる…!
二人で全く同じことを考え、最後に視線で火花を飛ばし、その...
419 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そして、一行の到着したタルブは。
なぜか、大騒ぎだった。
実家に着いたシエスタをまず襲ったのは、女王来訪の知らせ。
「えっ!?女王陛下が『オハナミ』にいらっしゃるんですかっ...
シエスタは驚いて、自分も準備しなきゃ、と慌てて女王来訪に...
逆にルイズは冷静だった。
…やるわねあのわたあめ女王…!タルブの行事がサイト絡みだと...
ルイズは、アンリエッタがタルブの『オハナミ』が才人の世界...
そうなると、このタルブは戦場と化すだろう。
才人をめぐって、血で血を洗う争いが展開されるのは目に見え...
そして。
ルイズの視界に、同じように顔をしかめるタバサの姿が目に入...
…シエスタはあんなだし。姫様に対抗するためには…。
そしてルイズは、そんなタバサに近寄る。
近寄ってきたルイズに、タバサは反射的に杖を構える。
そんなタバサに、ルイズはすっ、と手を差し伸べる。
「…気に食わないけど、休戦といきましょう」
そんなルイズに、タバサは満面に不審を露にしてルイズを見つ...
ルイズははぁ、とため息をついて、タバサに語りかける。
「アンタも聞いたでしょ?
もうすぐここには、サイトを狙ってアンリエッタ女王陛下が...
…悔しいけど、私一人の力じゃ、サイトを守りきれそうにない」
この村の状況を見るに、アンリエッタはその権力の全てを使っ...
彼女の『相応の覚悟』は、王族だけあってとんでもないものだ。
タバサはその答えに納得し、その手を握り返した。
「…サイトを想うのは、私も一緒」
こうして、雪風と虚無の二人は、手を組んだのである。
420 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
シエスタはなんと、タルブの入り口で女王陛下のお出迎えをす...
それは、唯一肉眼で女王陛下を見た者であるという、至極真っ...
「どどどど、どうしよう…!」
しかしいくら生で見たことがあるとはいえ、シエスタにとって...
才人を狙っているとはいえ、仕えるべき人であることに変わり...
ないのだが。
「…サイトさん独り占めしようとされたりしたら、私手ぇ出しち...
心配事はそっちであった。
恋愛の前に全ての人々は対等となる。恋する資格に変わりはな...
たとえ女王陛下とはいえ、才人の前では対等な女と女。
もし理不尽に権力を行使されたりしたら、サイトさんを連れて...
そうしてシエスタがタルブの入り口で待ち構えていると。
護衛の騎士を従えたトリステインの旗を閃かせた六頭立ての馬...
間違いない。女王の馬車だ。
シエスタは深々と頭を垂れ、その一団を迎える。
すると、女王の馬車が彼女の前に止まり、その馬車の扉が開い...
そして降りてきたのは…他でもない、アンリエッタ女王その人だ...
あまりの展開にシエスタが驚いていると。
「やっぱり!あなたシエスタさんね!」
アンリエッタはそう言って笑うと、シエスタの手をとった。
シエスタの身体が緊張に強張る。強気なことを考えてはいたも...
アンリエッタはそのままシエスタを馬車の中へ引っ張っていく。
「あなたには、聞きたいことがたくさんあるんです。
『オハナミ』のこと、タルブのこと。
そして、サイト様のこと」
最後の一言とともにウインクし、アンリエッタはシエスタを馬...
御者はそれを確認すると馬に活を入れ、馬車を進ませる。
421 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
馬車の椅子の上で固まるシエスタに、アンリエッタは微笑む。
「ここは今、あなたと私の二人きりです。そんな硬くならなく...
しかしそんなこと言っても。
「恋愛の前に全ての人は対等、ですもの」
その言葉に、シエスタははっとなる。
「そう、あなたも私も、サイト様を想う女同士。
でも、今彼の傍には、ルイズがいる」
そしてアンリエッタの目がぎらりと光る。
それは、トリステインを統べる慈愛に満ちた女王の顔ではなく。
嫉妬に狂う、アンリエッタという、ただ一人の女の顔であった。
シエスタは急に、この女王に親近感が沸いてきた。
「私にできることでしたら、なんなりと」
…正直私も、そろそろミス・ヴァリエールとは決着をつけたいと...
そして二人は、視線を合わせる。
「…あなたとは、いいお友達になれそうですわ…」
女王アンリエッタは、そう言って手を差し出す。
シエスタはその手を、しっかりと握り返した。
ここに、女王とメイドのタッグが誕生した。
523 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
女王の馬車はまっすぐ、タルブの外れにある『サクラ』の樹が...
アンリエッタはシエスタから伝え聞いた『オハナミ』の作法に...
準備が整い次第お呼びいたしますので、と騎士の一人が馬車の...
「さて、それでは…」
アンリエッタはそう呟くと、馬車の中から外界と通じる窓の鎧...
「ご存知のとおり…今、サイト様の傍らには、ルイズがいます。
彼女がいたのでは…サイト様と一緒に、ゆっくり『オハナミ』...
そのアンリエッタの言葉に、シエスタが付け加える。
「いいえ、女王陛下。まだ一人、厄介な者がおりますわ」
シエスタの言葉に、アンリエッタははて、と首をかしげる。
ルイズとこの娘以外に、サイト様に執心な女性がいたのかしら?
「それは?」
促すアンリエッタに、シエスタは応える。
「タバサとかいう、青い髪の小さな女の子です」
「あの、ガリアの騎士ですか…」
幼いながらにして騎士の称号を持つあの娘。ルイズと同等か、...
どうしたものか、とアンリエッタは思索する。
そしてすぐに、ある作戦を思いついた。
「ありがとうシエスタさん。あなたの『オハナミ』の情報、さ...
そう言って、アンリエッタは微笑む。
その笑顔は、勝利を確信した者のそれだった。
524 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「…何か、釈然としないわね…」
『オハナミ』の宴の席で、ルイズは憮然としていた。
おかしい。何かが変だ。
アンリエッタの計らいにより、『オハナミ』の席は華やかに設...
見事に咲き誇る『サクラ』の樹を囲んで、アンリエッタ一行の...
そして、平民も貴族も関係なく、同じく宴に興じている。
ルイズの指摘するのはそこではない。
これは、『オハナミ』特有の『ブレイコー』とかいう習慣で、...
だから、アンリエッタお付の騎士がそのへんのおっちゃんに複...
ルイズの感じている違和感はそこではない。
「どうしたんだルイズ?」
彼女の目の前には、才人がいる。
そう、才人が『単独で』そこにいる。
当然絡んでくるはずのアンリエッタが、そこにはいなかった。
それこそがルイズの感じる違和感の原因であった。
当のアンリエッタといえば、離れた場所でまるで給仕がごとく...
それもまた、ルイズの違和感を加速させる原因となっていた。
ルイズはせっかくの才人の語りかけも無視し、アンリエッタを...
…何を企んでいるの、姫様…!?
そんなルイズの視線に気付いたのか、アンリエッタはにっこり...
…な、なに…?
「あらー?ルイズ・フランソワーズ?グラスが空いてましてよ...
みょーに高いテンションでアンリエッタがルイズの持つ空のグ...
頬がほんのりと赤い。
酔ってる。この女王酔ってやがる。
「酔ってますね姫様」
呆れたようにルイズは言い、アンリエッタの酌を受ける。
そんなルイズに、アンリエッタは半眼で反論する。
「女王が酔っちゃいけないっていう法律でもあるんですかー?
ええー?答えなさいよルイズ・フランソワーズぅー!」
しかも絡み酒だ。
ルイズが飲むはしから、グラスに酒を注ぐ。
ルイズは仕方なしにその酒を飲み干す。
そしてまた、アンリエッタが問答無用で酌をする。
何度かそれを繰り返すと。
「も、もう飲めない…」
ルイズは酔いつぶれて、バタンと倒れると、眠ってしまった。
アンリエッタはゆらりと揺らめくと、今度はすぐそばにあった...
つまり、才人のグラスに。
「グラスが空いてましてよぉぉぉぉぉサイトさまぁぁぁぁぁぁ...
問答無用で酌をした。
525 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そして、その反対側では。
「さあ村長、覚悟なさぁぁぁぁぁぁぁぁい」
「や、やめてくれシエスタ、これ以上はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
逃げようとする村長の首根っこをむんずと掴み、酔ったシエス...
村長の口に突っ込み、問答無用で流し込んだ。
「もう飲めっ、ごぼぉおぉぉぉぉぉぉ?」
瓶が空になったのを確認すると、シエスタは村長の亡骸(酔い...
その周囲には、同じようにシエスタに酔い潰された屍の山が。
「任務…完了」
酔った振りのシエスタはそう呟くと、屍の山を後にした。
アンリエッタの計画はこうだ。
まず、火のつくような強さの酒を用意する。
それを、アンリエッタの水魔法でもって、飲みやすい味に加工...
そしてそれを、『オハナミ』の席で問答無用で振舞う…。
片や、女王による絡み酌。
片や、メイドによる強襲酌。
これに抵抗できる者が、この宴にいるだろうか。いや、トリス...
そして、計画は実行に移され…。
アンリエッタとシエスタを除く全ての『オハナミ』参加者が、...
余談ではあるが、これが後世に伝わり、『タルブのサクラの伝...
569 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/03...
「…起きて、ルイズ」
酔い潰れて寝ているルイズを、ゆさゆさと揺り起こす者がいた。
その者は、酔い潰れた己の使い魔を介抱するために宴から離れ...
しかし、揺すられたルイズは。
「う、うぅ〜ん…」
眉をしかめて、唸るだけで起きようとしない。
どうやらまだ、酒が残っているようだ。
声をかけた主はルーンを唱える。
呪が完成すると、ルイズを青い光が包む。
『水』系統の呪文、『解毒』だ。
呪文の効果で、ルイズの体内のアルコールが毒物とみなされ、...
「…っ!?何っ!?」
アルコールの抜けたルイズは、がばっ!と起き上がった。
その拍子に。
ごっちぃん!
顔を覗き込んでいたタバサにまともに頭突きをかましていた。
ルイズの目の前に火花が散り、地面に逆戻りする。
タバサは不自然な角度で仰け反り、倒れるのを堪えている。
「いった〜〜〜〜い!」
ぶつけたおでこをさすり、ルイズの意識は完全に目覚める。
そういえば私、姫様に無理やり酌されて…。
酔って寝てしまったんだ。
そしてルイズは、不自然な角度で上を向いているタバサに語り...
「チビっこ…アンタが助けてくれたのね…」
ルイズとてメイジの端くれである。この状況をみれば、自分が...
タバサはルイズの声にゆっくりと体を立てる。
その赤くなった鼻から、つつー、と赤い筋が垂れた。
…あ。
「ご、ごめん!」
ルイズは慌てて懐からハンカチを取り出し、タバサの鼻血を拭...
タバサはその手からハンカチを奪い取り、憮然とした顔で鼻を...
「…一個貸し」
それが頭突きの貸しなのか、魔法による解毒の貸しなのかは分...
ルイズはぽりぽりと頬を掻いて視線を逸らす。
そして気付く。
「サイト!サイトはどこっ!?」
見渡す周囲には、ルイズの求める姿はなかった。
570 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「アンタっ!サイトどこ行ったか知らないのっ!?」
頼みの綱は酒の席から逃れていたであろうタバサであった、が。
自分の両肩を乱暴に掴んだルイズの手を振り払い、タバサは首...
「知らない」
タバサがここにやってきたとき、既に才人はおらず、累々と横...
ルイズは悔しさに親指の爪を噛む。
やられた…!
酔った振りで、酒を盛って…!
わたあめのクセに!乳牛のクセに!
やるじゃないの…っ!
悔しがるだけのルイズに対し、タバサは冷静だった。
累々と横たわる酔っ払いどもの上から、周囲を見渡す。
そしてすぐに、目的のものを発見する。
タバサは杖を手にして、すっくと立ち上がった。
「…見つけた…!」
その瞳はその二つ名のごとく冷たく澄み、目標を捕らえる。
タバサの視線の先には。仲よさそうに寄り添って、腕を組んで...
タバサの異変に気付いたルイズも、その視線を追う。
「あっ…!」
ルイズも慌てて立ち上がり、そして。
「こら犬、何やってんのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ものすごい勢いで、タバサを置いて走り出した。
「…静かにしないと気付かれる…」
タバサの忠告も虚しく、ルイズは土煙をあげて二人の消えた森...
そしてタバサも、その後を追う。
愛する人を、取り戻すために。
571 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「…うまくいったわね」
「はい、大成功です」
二人の消えた森の入り口の見える村の外れの空き家で。
横たわる才人を脇目に、女王とメイドの二人は、お互いの手を...
そう、森に消えた才人とアンリエッタは、スキルニルである。
そのスキルニルには、しばらく逃げ回った後、適当な木陰で元...
ルイズとタバサは森の中を散々連れ回された挙句、二人を見失...
タバサが酒を飲まないであろうことを見越した、二人の作戦で...
「さて、それじゃあ…」
アンリエッタが、酔って眠る才人を一瞥する。
「ええ」
同じようにシエスタも、才人を見つめる。
二人の瞳は、すでに獣欲に曇っていた。
「楽しみましょうか、シエスタさん…」
「ええ、女王陛下…」
572 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
目を覚ますと。
俺は全裸で椅子に縛り付けられていた。
え?コレどういう状況??
辺りを見渡す。
どうやらここはどこかの部屋の中みたいだ。
窓から差し込む光の加減から、お花見開始からけっこう時間が...
そういえば俺、姫様の注いだ酒のんで酔っ払って、寝ちゃった...
…で、なんで裸か?
とりあえず記憶を探ってみるけど。
何も出てくるはずはずがなく…。
と、とりあえずこの縄外さないと。逃げることもできやしない。
で、俺ががたごと暴れていると。
いきなり背後から白いものが伸びてきた。
でもって、それは俺の首に絡みつくと。
むにゅ。
後頭部にやーらかいものが押し当てられる。
この。耳の後ろに当たってる突起物と、目の前の白い手から察...
生おっぱいぱ-------------------------------!?
「え、なにこれどういうことこれっ!?」
俺は後ろから俺を抱きしめているであろう人に疑問をぶつける。
その人は、俺のよく知った声で答えた。
「無駄な抵抗はおやめなさい♪サイトさん」
「え?シエスタ?」
その声はシエスタだった。
シエスタは楽しそうにそう言うと、おっぱいを俺のアタマに押...
柔らかく歪むおっぱいの向こうから、笑顔のシエスタが俺を見...
そして心底楽しそうに説明する。
「サイトさんは今、囚われの身なんです。
私とある人を満足させないと、解放してあげません♪」
え?なにそれどういうこと?
いやまあこのおっぱい帽子は重きもちいいんですけど。
ってかある人ってダレ!?
とか思っていると。
俺から見える扉が開いて、とんでもないものが姿を現した。
573 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そこから現れたのは、真っ白な、下着姿の姫様。
「って何やってんすか姫様ーーーーーーーーーーーっ!?」
思わず叫ぶ俺。
そんな俺に、姫様はにっこり笑って近寄ってきた。
そして俺の顎をそっと指でなぞると。
いきなりキスしてきた。
そしてすぐに身体を離すと。
「まだ、立場というものがお分かりでないようですね?サイト...
へ?立場?立場ってナニ?
俺が混乱していると、姫様はガーターベルトに吊るされた、白...
シエスタのアタックですでにクライマックスの俺の電撃イライ...
ちょ、ちょっとまてちょっとまって!
うらがわあしのゆびでこすらないでええええええええ!
「ちょ、ひめさまっ」
俺の必死の呼びかけに、姫様は。
「そうじゃないでしょう?サイト様…?」
なんかものすんごいいやらしい笑顔で、俺を見つめて。
コスっていた脚を、椅子に引っ掛けて止めた。
ちょ、そこで止めないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
「女王様と、お呼びくださいまし♪」
ギンギンになった俺のきかん棒に支配された俺の理性は、即時...
「じょ、女王様っ」
そんな俺に、姫様は一瞬身体を震わせると。
「よくできました…。ご褒美を、さしあげてよ。サイト様」
後ろに控えるシエスタに、目配せした。
574 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
シエスタはアンリエッタの指示に、才人の前に立つ。
彼女はアンリエッタとは違い、全裸だった。ただ、頭にだけ、...
アンリエッタはそっとシエスタの背中から押しながら言った。
「まずは、メイドを差し上げますわ…。
さ、シエスタ」
「はい」
シエスタは頷くと、身動きの取れない才人の首筋にそっと手を...
才人のモノと腹の間に腰を落として、言った。
「サイトさん、どうして欲しいですか?」
淫靡に笑いシエスタは、才人に発言を促す。
才人はちょっと考えていたが、股間で飢えを訴える己の分身の...
「シエスタの中に…入れたい」
その言葉に、シエスタは嬉しそうに微笑むと、応えた。
「わかりました…旦那様」
シエスタは腰を浮かせ、才人の肉棒にそっと白魚のような指を...
くちゅっ
湿った音をたて、シエスタの秘唇が才人の先端に当たる。
「それでは…失礼します、サイトさん…」
ぐにゅっ
柔らかい弾力をもって、シエスタは才人を根元まで飲み込んだ。
「ああっ!サイトさんのがっ、奥までぇ…!」
「くっ、キモチいいよ、シエスタっ…!」
575 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
そんな二人の接合を後ろで見ていたアンリエッタは、おもむろ...
「あっ、へいかぁっ、なにすっ」
シエスタの言葉に、アンリエッタは応える。
「女王を放っておいて、自分だけ気持ちよくなろうなんて、い...
言って、その手に力を込める。
シエスタの胸が歪にゆがみ、その喉から苦痛を伴った喘ぎが漏...
「へいかぁっ…いたいっ…」
「うふふ…痛がっている割に…」
アンリエッタはシエスタの耳元でそう囁くと、右手を胸から離...
ぐちゅ…
シエスタのそこは、感じている証である淫らな水音をたてた。
「この潤いようといったら。とんでもない淫乱メイドね」
言ってシエスタの耳の中に舌を差込み、嘗め回し始めた。
「やぁっ、らめっ、へいかぁっ、らめれすぅっ!」
アンリエッタの責めに、シエスタは動いてもいないのに高みへ...
そして才人もまた、目の前で繰り広げられる淫靡なショーに、...
「あ、ひ、らめ、いく、いくのぉっ」
「シエスタ、俺もっ…!」
二人は軽く痙攣し、絶頂に達する。
繋がったままの二人の間から、溢れた才人の子種が零れた。
零れた才人の液体を見たアンリエッタは、ぐったりと才人にも...
そのまま脇の床に横たわらせると、言った。
「主人のお情けをこぼすなんて、躾のなっていないメイドです...
失礼いたしましたサイト様。お詫びといってはなんですが」
言ってアンリエッタは、ルーンを唱える。
そして現れた小さな氷の刃が、才人を椅子に縛り付ける縄を切...
「あなたに、自由を授けましょう…」
576 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
才人は、縛られていた両腕をさすり、椅子から立ち上がった。
「ふう、酷い目にあった…」
口ではそんなことを言うが、そんなことは毛頭思っていない。
アンリエッタは、そんな才人の前に立ち、そっとその胸板に身...
才人は慌ててアンリエッタに問う。
「で、でで、今度はナニをすればいいんで?」
才人のその素っ頓狂な質問に、アンリエッタはくすりと笑うと。
シエスタに教わった、ある台詞を口にした。
「あなたの思うやり方で、この私に…奉仕、なさい」
そして才人は、その言葉を受けて。
アンリエッタを抱きしめ、その唇を奪った。
サイト様は、私の言葉に、優しくキスをしてくださった。
してださったんだけど。
その後、いきなり、私を後ろ向きにさせると。
後ろから、押し倒してきた…。
私は慌てて両手をつく。
すると。
私はいつのまにか四つんばいにされていた。
「え…?」
驚く私のお尻を、サイトさまの、サイトさまの手がぁっ!
「じゃあ、たぁっぷり『奉仕』させていただきますね、女王様...
ショーツの中まで入り込んで、お尻を撫で回してきた…!
まるで形を確かめるみたいに、ショーツの中をサイト様の手が...
でも。
肝心な所には、一切、その、触ってくださらない…。
わ、私が命令してるのにぃ…!
「あれえ、おかしいなあ。こんなに奉仕してるのに、女王陛下...
だ、だって、そこは、濡れるようなところじゃあっ…!
私はサイト様に抗議する。
「そんなところっ…。濡れませんっ…!」
私の言葉に、しかしサイト様は。
「では、濡れている場所を仰ってください、女王陛下」
…うー…!いじわるぅ…!
私は恥ずかしいのを必死で堪えて…言った。
「お、おま…です」
しかし、サイト様は意地悪に返してきた。
「声が小さくて聞こえませんでした。もう一度、大きな声でお...
…サイト様のっ…へんたいっ…!
577 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「おまた…です…」
その言葉に、何故かサイト様は驚いたような顔をしたけど。
「承りました、女王様♪」
やっと、いじってくれるんだ…。
私が期待に胸を膨らませていると。
サイト様は、私の履いていたショーツの横の結び目を解いて、...
ちゅっ
直に、いきなり口付けてきた…!
や、だめ、ゆびでひろげないでっっ!
じゅるるるるるるっ!
「やぁっ!だめぇっ!」
響いた淫らな水音に、思わず私は叫んでしまう。すると。
サイトさまが、止まった…。
「…え…?」
思わず呆ける私に、サイト様が信じられないことを言ってきた。
「女王陛下がダメと仰るなら、ここでやめるしかないなあ」
振り返ると、サイト様はいやらしい笑顔を貼り付けていた。
…うー、もう、この人わぁ…。
私は必死に恥ずかしいのを堪え、サイト様に、『お願い』した。
「命令です、やめないで…。
私が何を言ったとしても、奉仕を止めては、な、なりません…」
そして、サイト様は。
「承りました、女王様♪」
満面の笑顔で、そう応えた。
578 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
才人に後ろから獣のように貫かれ、アンリエッタは歓喜の言葉...
「あっあっあっあっ、いいですっ、いいですぅっ」
その表情は淫らに崩れ、口の端からは女王にあるまじきだらし...
「サイトさまのっ、サイトさまがぁっ、いいのぉっ」
リズミカルに叩きつけられる腰からは、清貧女王のイメージか...
才人を受け入れているその裂け目は、まるで娼婦のように才人...
「サイトさまのぉっ、おちんちんがぁっ、おくにぃっ、あたっ...
奥の奥まで犯され、アンリエッタはもう、完全に雌の本能に支...
喉が淫らに囀り、胸が卑猥に揺れ、腰が貪欲に牡を貪る。
やがて、その淫行は限界に達する。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、いく、いく、いっちゃう、サイト...
「だ、出しますよ女王様っ!」
二人はほぼ同時にビクビクと痙攣し。
才人は、ぎゅうぎゅうと最後の締め付けを行うアンリエッタの...
「あ、ひ、ひぁ…」
熱い熱い迸りで意識までも灼かれ、アンリエッタは床に崩れ落...
579 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
さて、と。
俺はゆっくりと立つと、目の前で満足しきって眠っている二人...
さーて、ここまで好き勝手やられてましたけど。
こっからが本番さね?
俺はゆくりと眠るシエスタに歩み寄って、近くにあった細いロ...
そこまですると、さすがにシエスタは目を覚ました。
「あっ…な、なにしてるんですかサイトさんっ?」
なにってー?し・か・え・し♪
「まぁだ立場ってもんがわかってないみたいだね?シエスタ?」
「え?」
俺は呆けるシエスタの股間の小さなお豆を、指でつまんだ。
「やぁんっ!」
「シエスタは捕まったんだよ?つまり、俺のされるがまま」
俺は言って、シエスタのあそこを、指でこれでもかと蹂躙した。
「やぁっ、あんっ、そんなっ、かきまわさないでぇっ、あっ…?」
そして、シエスタからおつゆが垂れ始めてきたころを見計らっ...
「え、なんで…?」
途中で放置されたシエスタは、抗議を込めた視線を俺に向ける。
まあ当然だけど。
でも俺の逆襲は始まったばっかりで。
「さてシエスタ。きちんと『お願い』できたら、続きしてあげ...
俺の言葉に、シエスタは恥ずかしそうに俯く。
そして言った。
「お、お願いします…。
だ、旦那様のお情けを、お情けを、シエスタにください…」
よく出来ました♪
580 名前:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2...
「今はアナタは女王陛下じゃないんですよ?わかってます?」
「あっ、わかりましたぁっ、アンリエッタは、アンリエッタは...
「俺の、何?」
「サイトさまのぉっ、ドレイですぅっ」
「よくできました♪」
……。
アンリエッタ女王とサイトを見失ってから、私たちは村に戻っ...
聞きなれた声に誘われて、私たちは『サクラ』の丘のそばにあ...
扉の向こうからとんでもない声が聞こえる。
隣では、ルイズが拳を握り締めて震えてる。
めき…。
樫の樹でできたとんでもなく硬いはずの私の杖が、悲鳴を上げ...
…たぶん、私も震えてる。
ていうか、なんでこんなに落ち着いてるんだろ?私?
目の前でサイトが、他の女とアレしてるのに。
でも、心とは裏腹に、喉は勝手にルーンを唱え…。
どかぁん!
全力の『エア・ハンマー』が、その家の壁をきれいに吹き飛ば...
そこには、両手両足を拘束された裸のアンリエッタ女王と繋が...
……。
………………。
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「いっぺん、死んでみる?
犬 」
ルイズが私の心情を代弁して。
逃げようとしたサイトを、私とルイズの魔法が吹っ飛ばした。...
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