ゼロの使い魔保管庫
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**湯けむり協奏曲(前編) [#j6b6e929]
■1
月が二つ輝く夜空に、湯気が立ち上って星をにじませる。
焼けた薪が小気味いい音を立てて割れる音を聞きながら、
才人は湯船につかって汗と疲労を流していた。
「あ゛ーー……極楽極楽……」
そう言って、頭の上に乗せていたタオルで顔にかいた汗を拭...
何ともオヤジ臭い仕草である。
才人はタオルを畳んで頭の上に戻すと、体の向きを変えて湯...
風呂釜の縁に持たれかかって片手をだらんと外に垂らした。
彼のご主人様が見たら文句のひとつもつけそうなだらけきっ...
それだけリラックスしてしまうのも仕方ないのかもしれない。
この世界に来たばかりの時よりも何かと忙しくなってきた才...
入浴の時間は一人で心も体も休ませられる貴重な一時であった...
そんな休息の時であったが、今夜はそれもままならない――そ...
心労も疲労も余計に増やすことになろうとは、この瞬間の才人...
「ん……何だ?」
聞き覚えのある風斬り音が耳に入ってきて、才人は顔を上げ...
音のした方を探すと、星空を舞うひとつの影。
才人はすぐに、それが自分も乗ったことのある風竜であると気...
「ってことは、タバサかな。こんな時間まで大変だな…」
今日は虚無の曜日である。タバサが学校外へ遠出していても...
もう夜も更けている。
そのまま学生寮の部屋の窓に入るのかと思って見ていると、...
才人の風呂が設置されているヴェストリ広場へと降り立った。
才人が怪訝そうな表情を浮かべていると、竜の背から飛び降...
風呂に向かって真っ直ぐに歩いてくる。
薪の火に照らされて、その影がタバサであることがはっきり...
「ちょ……、タバサ! 俺だよ俺! 入浴中なんだけど…!?」
才人は慌てて湯の中に両肩まで体を沈める。
「知ってる。空からお風呂の火が見えたから」
タバサは相変わらずの無表情のまま、才人が入浴中であるこ...
「知ってるなら何で…!?」
「入れて」
才人が言い返すと、タバサは簡潔に一言呟いた。
「……今、何と?」
才人は眉間に皺を寄せながら、風呂釜の傍に立ちつくす少女...
「入れて欲しいの……。だめ?」
なぜかタバサは切なさを含んだ表情を浮かべ、才人に懇願す...
その頬が紅潮しているように見えるのは薪の照り返しのせいな...
妙にエロっちいその台詞に一瞬くらっときたが、この言葉足...
何を言いたいのか、才人はすぐに気付いた。
「あー、そっか。風呂だよな。確かにもう学園生用の浴場は閉...
才人の言葉に、タバサはこくんと頷く。外から見てもわから...
遠出をしていたので汗などの汚れが気になるのだろう。
■2
「お礼はするから…」
「いいよいいよ。じゃ、もうちょっとしたら俺は出るから少し...
才人がそう言うと、タバサは少しだけ目を細めた。ほんの僅...
タバサが何かに不満を感じたのだと才人は察する。
「え、何?」
何か不都合でも…?と才人が考えていると、タバサはぶかぶか...
ぱさりと落とし、ブラウスのボタンを外しはじめた。
「何で!? 待っててって言ったろ!?」
「一緒に入る」
風呂の中に入っている才人には止められないのをいいことに、
タバサはブラウスを脱ぎ去り、スカートを足から引き抜く。ま...
「すとっぷ! すとーっぷ! まずいってそれは…!」
「どうして?」
「どうしてって、健全な男女が一緒にお風呂だなんてね、いけ...
「メイドとは一緒に入れるのに?」
タバサの目がさらに細くなる。才人はうっ…と言葉に詰まった。
てか、どうしてこの娘が知ってますか? まさか周知の事実...
「それとも…嫌? わたしと一緒に入るのは」
タバサはふっ…と表情を緩め、不安そうな色を含ませて問うて...
純白のシミーズにこれまた真っ白なタイツ。それに負けない...
雪の妖精みたいな少女にそんなことを聞かれて、嫌と言える人...
「嫌なわけないだろ。でもそれとこれとは……」
「じゃあ、一緒に入りたい?」
そこでなぜそっちがそう聞く? 才人は混乱しかけたが、そ...
『タバサと一緒にお風呂』の光景をつい想像してしまう。
小さくて綺麗なタバサ。精巧なお人形さんみたいなタバサ。
そんなタバサと一緒の湯船につかって、膝の間に座らせちゃっ...
やばい。やばいです。一見ほのぼのなのにその実この上なく...
タバサが一瞬、にやりと笑ったような気がした。はっ、思わ...
才人が自己嫌悪に陥っている間に、タバサは残りの衣装を全...
一糸纏わぬ姿になってしまったタバサにこれ以上文句を言う...
諦めて深いため息をついた。
外で体を洗ったタバサを、風呂桶の中に招き入れる。縁をま...
脚の間の部分がばっちり目に入ってしまい、ぼっと頬が熱くな...
ふぅ…と深い息を吐いて湯につかり、目を閉じて全身から力を...
その子供のような体つきからは想像がつかないほど色っぽく、
つい凝視してしまうのを止められない。
「あー、うー、そうだな。風呂っていっても、こんな手製の小...
いつも学校の大浴場に入ってるお前には全然もの足りないんじ...
気まずくなった才人は、無理矢理作った話題をふっかける。
このままタバサを見ていたら変な気分になってしまいそうだ。
「そんなことない」
タバサはふるふると首を横に振った。
「そ、そお? さすがにお世辞じゃない?」
「……あなたと一緒だから」
■3
ずきゅーん。
普段は無愛想な少女にそんなことを言われて、才人はのぼせ...
あぁもう、あぁもうちくしょう可愛いなぁこのちびっ娘め。
ぎゅって抱きしめてかいぐりかいぐりしてしまいたいなぁ。
才人が健全なのか不健全なのか微妙な衝動に身悶えしている...
その思考を読み取ったかのように、タバサはゆっくりと湯の中...
「あ……」
何も言わないタバサ。けれども、そのどこまでも青い瞳は下...
気持ちを才人にぶつけてくる。
だめだ、俺は、この少女の誘惑から逃れられない――!
「ずるいのねー! 二人だけでイチャイチャしないで欲しいの...
と、そんな甘い空気を引き裂くような甲高い声。
え? どこから? と思う間も無く、才人とタバサの間を割...
人影が湯船の中に飛び込んできた。
「わっぷ!」「けほっ…!」
跳ねた湯をかぶって、才人とタバサが顔をしかめる。
風呂桶の底に沈んだそれはぶくぶくとしばし泡を立ち上らせ...
勢いよく水面に顔を出してぷはぁと息をついた。
「んー! お風呂なんて滅多に入らないけど気持ちいいのねー♪」
濡れて額に張り付いた長い髪を気にもとめず、その女性……
人間の格好に化けた風韻竜シルフィードはにこにこと笑う。
「まさか空中で変身してそのまま飛び込んで来たのか? 無茶...
「大丈夫、お湯は零れないように飛び込んだのね」
「いや、そういう問題じゃなくてだな」
予期せぬ闖入者にツッコミを入れる才人だったが、シルフィ...
悪びれもない態度に、才人は毒気を抜かれてしまった。
「シルフィ……?」
穏やかなようで、確かな怒気を含んだ声。苦笑している才人...
シルフィードのご主人様の方はどうやら虫の居所がおよろしく...
「サイトと二人でお風呂に入りたいから、待っててって言った...
「きゅい! でもでもでも、お腹すいたし、シルフィのこと忘...
「言 っ た わ よ ね ?」
タバサはあくまで静かな口調なのに、ゴゴゴゴ…という効果音...
その異様な雰囲気に、シルフィードだけでなく才人まで戦慄し...
「きゃー! お姉さま怖いのー! 助けてほしいのね! きゅ...
シルフィードは大げさに恐れおののくと、才人の傍に寄って...
大きな乳房が才人の胸にあたってむにゅりと形を変える。
その感触に思わず才人の頬が緩んでしまった時……。
タバサの周囲で、”何か”が壊れる音がした。あ、やばい。才...
自分のご主人様も、時折こうなる。ご主人様がこうなった時...
……諦める、である。
今回は他人事であるとわかっているのに、才人の背筋に嫌な...
「……シルフィ、後で”アレ”ね」
タバサは一言、そう言い捨てる。シルフィードの顔からさー...
「きゅきゅきゅいー! いやー! それだけは勘弁してなのね...
シルフィードは泣いてタバサにしがみつくが、タバサの表情...
「”アレ”ね」
「いやー! 後でっていつー! いつなのー!?」
”アレ”って何なんだろう……。才人は知りたいような知りたく...
■4
シルフィードは風呂の縁に手をついてさめざめと泣いている。
人は確実に来る恐怖に対してはそれを待つ時間にこそ恐怖す...
「その…何だ、シルフィだって悪気があって邪魔したわけじゃな...
才人がフォローしてやると、タバサはきっと才人の方を睨ん...
その仕草を見て、才人はピンと来る。あー、この娘も自分の...
胸の大きさなんて、どうしてそんなに気にするんだろうなぁ。
仕方ないな、と微笑ましい気分になる。彼自身が巨乳にデレ...
自分のことは棚に上げて考えてしまうのが才人であった。
「ん……ちょっと待ってて」
タバサは不意に何かを思い出したような顔をすると、湯船を...
鞄から小さな瓶を取り出して風呂の中へと戻ってきた。
「どうした? 何だ、それ?」
タバサが手に持った小瓶の中には、乳白色の液体が入ってい...
「これ、入浴剤。街に寄ったときに見つけたから買ったの。珍...
「へー、このせか…いや、国にもあるんだ」
ハルケギニアではお湯を張る風呂が一般家庭に普及していな...
当然入浴剤というものも稀少である。それなりに資産のある貴...
「学校のお風呂で使うとすぐ無くなっちゃうから……ここで使う...
どうやら、才人の作った五右衛門風呂で使用するために買っ...
「ああ、構わないぜ」
才人はそれなら、とすぐに了承する。
タバサは小瓶の蓋を開けると、数滴ぽたぽたと湯船に落とし...
それっぽっちでいいのか?と才人が思っていると、あっとい...
「なるほど、入浴剤も魔法薬の類なのか…」
「わぁわぁ、真っ白ー! 面白いのねー」
さっきまでこの世の終わりみたいな顔をしていたシルフィー...
はしゃぎ始めた。お湯を両手で掬っては、手のひらの間から垂...
その様子を見て、才人は気付いた。お湯が白く染まったため...
ほとんど見えない。
ちょっと残念ではあるが、タバサはこれを期待して急に入浴...
そう考えると、才人は何だか微笑ましくなった。
「なんだかちょっとぬるぬるするのね」
「言われてみればそうだな」
お湯にぬめり気が出る入浴剤のようだ。マッサージローショ...
こんな感じになるのだろうか。
風呂の縁に背中をもたれかけると、そのまま滑って湯の中に...
「ひゃっ…!」
などと考えていたら、小柄なタバサが滑ってお湯の中に頭ま...
「おい、大丈夫か?」
慌てて引き上げようとするが、手を掴んでもつるっと滑って...
「おいおい、まずいぞこれ欠陥商品じゃないのか…!?」
仕方なしに、タバサの背中にまで手をまわして、ぐいっと引...
ようやくタバサの顔がお湯の外に出て一安心するも、今度は才...
もたれかかる格好になってしまった。
「いくらなんでも滑りすぎだな、この入浴剤。水飲んでないか...
「え……あ、うん…大丈夫…」
と、そこで気付く。今現在才人とタバサがとっている格好。
湯船に座り込む形になった才人の上にタバサがのしかかって...
タバサの手は才人の胸に添えられて、二人の足は絡んで、すぐ...
……端から見たら、どうみても真っ最中です。本当にありがと...
■5
「あーっ! シルフィの見てる前でっ! はしたないの! け...
胸より下は濁り湯に隠れて見えないため、シルフィードは誤...
「ば、ばかっ! してない! してないから!」
「やってるとこを見られた人はみんなそう言うのね」
「ちがーう!」
才人はすぐにタバサを離そうとするが、下手に動くとまた滑...
「だめ、サイト、動かないで」
「いやそういうわけにも…」
ぬるっ。タバサの背中に回した才人の手が滑って、落っこち...
このままじゃまずい、と才人が手をさらに下に伸ばし――。タバ...
……才人の両手が捕まえたのは、とてつもなく甘美な感触。た...
それが入浴剤の効果でつるつるのぬるぬるになっている。
さらに、滑るお湯のおかげで強く掴んでも傷つけたり痛がら...
さらにさらに、力一杯掴んでタバサの体を引き留めなければな...
まさに、今、このシチュエーションでしか味わえない、奇跡...
才人は直感的に、それを白桜桃(ホワイトチェリー)と命名...
というか、ぶっちゃけた話タバサのお尻である。
「ふぁっ…!」
「ご、ごめん!!」
謝っても、どうしようもない。放したらタバサは水中へとド...
いや、仮に放しても大丈夫だとしても、この禁断の果実を手放...
あまり成長していない小さなお尻。だからこそ張りが素晴ら...
日本人が桜を愛するのはそれが儚く散ってしまうからだという...
……なんて、馬鹿なこと考えてる場合じゃないよな。
「悪い、じゃ、こうして…」
才人がタバサの体を引っかけるのではなく、タバサが才人の...
才人は自分の足をタバサの足の間へ持って行くと、膝を折り...
「よし、これにて一件落着!」
才人は名残惜しさを感じながらも白桜桃から手を離し、額に...
そして、己の太股に白桜桃を超える甘美な果実が乗っているこ...
現在、タバサさんは、才人くんの太股の上に、跨っています。
「ん……だめ…」
身長差のあるタバサは、頬を才人の胸につけたまま、ぎゅっ...
それでもその手と体はぬるりと滑り、湯の中に落ちまいと全身...
そうすると、タバサの胸とは才人の体に擦りつけられ、腰は...
さらに全身を震わせることになり、体が滑り落ちそうになると...
「やぁ……ん、ふ……サイト、サイト……」
これは専門用語で泡踊りとかタワシ洗いというもの? いや...
自分の体の上で悶える少女の愛らしさといやらしさとその感触...
才人はごくりと唾を飲み込むと、膝を軽く揺すってみた。
■6
「ひぁっ…! あ、んぁっ…!!」
タバサが一際甘い悲鳴を上げ、その体を強ばらせる。
お湯の中でも、タバサのそこが熱くとろけかけているのがわか...
こんな姿を見せられて、才人の衝動にも火がつかないはずが...
「タバサ……気持ちいい? ひょっとして、こういう使い方でき...
才人の口から、自分でも驚くくらいの意地悪な台詞が零れる。
「ちがっ…! あ、は…ちがうの、こんなの、知らなかったのっ…...
「ほんとに? 使うとどんなお湯になるのか、聞かないで買っ...
つつー、とタバサの背中に手を回し、背筋を撫で上げる。指...
首筋から頬、耳の裏までをくすぐるように愛撫する。
「やめ……あっ、あっ、や、ひゃうぅっ…!!」
背中を仰け反らせ、喉を震わせて嬌声を上げるタバサは、才...
「知ってたのね。お姉さま、この魔法薬の説明聞いて、ちょっ...
弁明することもままならないタバサの代わりに、蚊帳の外に...
「シルフィ…!!」
「ぬるぬるするお湯になるー、ってことだけ聞いて、いやらし...
お姉さまこそいやらしい人なのねー。むっつりさんなのね。き...
お仕置きされることが決定して開き直ったのか、シルフィー...
「あはっ、面白いの。お姉さまのかたーくなったお胸の先っぽ...
「やぁ……シルフィ、やめなさいっ、やめっ……んぅっ!」
タバサは唇を噛みしめ、全身に襲ってくる刺激に耐える。雪...
人形のような顔立ちは官能の火にとけている。
普段のタバサを知るものなら目を疑うような、あまりにも淫...
「サイト、いやらしい事を期待してたお姉さまに、お望み通り...
こんなにちっちゃい体なのに、ほんとにいけないお姉さまなの...
ちゅ、とシルフィードはタバサの頬にキスする。
「おっけ、じゃタバサ。思いっきり気持ちよくしてやるからな」
「そんなっ、やだ……サイト、シルフィ、やめっ…!」
「やめませんなのー。きゅい♪」
シルフィはタバサの首筋に軽く歯を立て、左手を胸に回しな...
まさか――!とタバサが身をすくめた瞬間、シルフィの右手の...
後ろの門に滑り込んだ。
「あっ、あっあ……嘘、やぁ……!」
「んふふー♪ よく滑るから簡単に入っちゃったのね」
「じゃ、俺はこっちな」
才人はタバサの体を持ち上げると、その唇に唇を合わせる。
舌を差し入れ、その体から力が僅かに抜けた時を狙って、右手...
熱くほぐれたタバサの割れ目は、後ろよりもずっと楽に才人...
ただでさえ狭いタバサの入り口が、才人をきゅうきゅうと締...
「あはっ、やっぱりサイトの指の方が美味しいみたいなのね。...
「俺だけじゃこんなにはならないぜ。シルフィと一緒にしてる...
タバサが強すぎる刺激に体を痙攣させ、かはっ、と喉奥から...
才人とシルフィードの目が合い、怪しいアイコンタクトが交...
「ひっ……あ、ああぁぁぁーーっ!!!」
才人とシルフィードの同時責めに、タバサはあっという間に...
降りてくることを許されなかった。
■7
「そ、そんなに睨むなよ……」
気をやりすぎてぐったりとしてしまった状態からようやく持...
才人とシルフィードに恨みがましげな視線を送り続けていた。
「そうなのね。あんなに気持ちよさそうだったのにどうして怒...
ふふ、可愛かったぜ……なのね」
タバコをふかすジェスチャーをしながら、シルフィードは余...
後でされるお仕置きのことをすっかり忘れているようだが、...
才人は少しせつなくなった。
「んー、それよりも、シルフィとサイトはまだ満足してないの...
シルフィードは才人の方を見て、屈託無く笑う。
「だめ」
タバサはやっと浮かんできて、シルフィの提案にダメ出しを...
「だめって、ひどいのね。お姉さまは自分だけ気持ちよければ...
「わたしもいっしょにする」
「そんなにへろへろの状態で、無茶なのねー」
と、使い魔とその主人の間柄とは思えない言い争いをしてい...
「馬鹿犬ーっ! いつになったら帰ってくるのよー!」
才人にとってのご主人様。ルイズの怒気にまみれた声がヴェ...
「あ、ミス・ヴァリエールの声なのね。いつも怒ってばかりで...
「やば、長湯しすぎちまった……?」
平然としているシルフィードの横で、才人がぎくっと身をす...
そこで湯船の中の青髪の少女二人に目をやり、顔面蒼白にな...
風呂から帰ってこない→ご主人様を怒らせた
→風呂から帰ってこない原因は別の女としっぽり入浴中だったか...
ガタガタと震えはじめた才人を見て、タバサはため息をつく...
何かを思いついたようだった。
「……ルイズにばれないようにしたら、後で言うこと聞いてくれ...
小声で、タバサは才人に囁く。
「そうしてくれるなら願ったりだけど……もう、無理だろ。
あと何秒かでルイズここに来るぜ……あはは……」
乾いた笑い声を上げる才人を尻目に、タバサは「任せて」と...
すぐにルイズが風呂釜の前に到着して、才人を見上げた。
「いつまでお風呂に入ってるのよ! いい加減にしなさいよね…...
見れば、カーディガンを羽織ったその肩は細かく震えている...
あぁ、でもそんなこと考えてる時間無い。
もう気付く。タバサとシルフィードに気付く。そんでお仕置き...
「あ、ああああのルイズ、これはだな……」
「これはって何よ?」
…あれ? ルイズの反応が小さい。
才人が恐る恐る後ろを見ると、湯船の中にいるのは才人一人...
「あら、あらら?」
「何ヘンな顔してるの。もういいわ。わたし湯冷めしちゃった...
才人が首を傾げていると、その場にもうひとつ足音が迫って...
「サイトさんっ! ああ良かった、まだお風呂の最中だったん...
わたしも使わせてくださいな…あれ?」
寝間着やタオルが入ったカゴを下げてきたのは、シエスタ。
そこでルイズの姿をみつけて、怪訝そうな顔になった。
……どうやら、まだお風呂騒動は終わりそうにないらしかった。
つづく
終了行:
**湯けむり協奏曲(前編) [#j6b6e929]
■1
月が二つ輝く夜空に、湯気が立ち上って星をにじませる。
焼けた薪が小気味いい音を立てて割れる音を聞きながら、
才人は湯船につかって汗と疲労を流していた。
「あ゛ーー……極楽極楽……」
そう言って、頭の上に乗せていたタオルで顔にかいた汗を拭...
何ともオヤジ臭い仕草である。
才人はタオルを畳んで頭の上に戻すと、体の向きを変えて湯...
風呂釜の縁に持たれかかって片手をだらんと外に垂らした。
彼のご主人様が見たら文句のひとつもつけそうなだらけきっ...
それだけリラックスしてしまうのも仕方ないのかもしれない。
この世界に来たばかりの時よりも何かと忙しくなってきた才...
入浴の時間は一人で心も体も休ませられる貴重な一時であった...
そんな休息の時であったが、今夜はそれもままならない――そ...
心労も疲労も余計に増やすことになろうとは、この瞬間の才人...
「ん……何だ?」
聞き覚えのある風斬り音が耳に入ってきて、才人は顔を上げ...
音のした方を探すと、星空を舞うひとつの影。
才人はすぐに、それが自分も乗ったことのある風竜であると気...
「ってことは、タバサかな。こんな時間まで大変だな…」
今日は虚無の曜日である。タバサが学校外へ遠出していても...
もう夜も更けている。
そのまま学生寮の部屋の窓に入るのかと思って見ていると、...
才人の風呂が設置されているヴェストリ広場へと降り立った。
才人が怪訝そうな表情を浮かべていると、竜の背から飛び降...
風呂に向かって真っ直ぐに歩いてくる。
薪の火に照らされて、その影がタバサであることがはっきり...
「ちょ……、タバサ! 俺だよ俺! 入浴中なんだけど…!?」
才人は慌てて湯の中に両肩まで体を沈める。
「知ってる。空からお風呂の火が見えたから」
タバサは相変わらずの無表情のまま、才人が入浴中であるこ...
「知ってるなら何で…!?」
「入れて」
才人が言い返すと、タバサは簡潔に一言呟いた。
「……今、何と?」
才人は眉間に皺を寄せながら、風呂釜の傍に立ちつくす少女...
「入れて欲しいの……。だめ?」
なぜかタバサは切なさを含んだ表情を浮かべ、才人に懇願す...
その頬が紅潮しているように見えるのは薪の照り返しのせいな...
妙にエロっちいその台詞に一瞬くらっときたが、この言葉足...
何を言いたいのか、才人はすぐに気付いた。
「あー、そっか。風呂だよな。確かにもう学園生用の浴場は閉...
才人の言葉に、タバサはこくんと頷く。外から見てもわから...
遠出をしていたので汗などの汚れが気になるのだろう。
■2
「お礼はするから…」
「いいよいいよ。じゃ、もうちょっとしたら俺は出るから少し...
才人がそう言うと、タバサは少しだけ目を細めた。ほんの僅...
タバサが何かに不満を感じたのだと才人は察する。
「え、何?」
何か不都合でも…?と才人が考えていると、タバサはぶかぶか...
ぱさりと落とし、ブラウスのボタンを外しはじめた。
「何で!? 待っててって言ったろ!?」
「一緒に入る」
風呂の中に入っている才人には止められないのをいいことに、
タバサはブラウスを脱ぎ去り、スカートを足から引き抜く。ま...
「すとっぷ! すとーっぷ! まずいってそれは…!」
「どうして?」
「どうしてって、健全な男女が一緒にお風呂だなんてね、いけ...
「メイドとは一緒に入れるのに?」
タバサの目がさらに細くなる。才人はうっ…と言葉に詰まった。
てか、どうしてこの娘が知ってますか? まさか周知の事実...
「それとも…嫌? わたしと一緒に入るのは」
タバサはふっ…と表情を緩め、不安そうな色を含ませて問うて...
純白のシミーズにこれまた真っ白なタイツ。それに負けない...
雪の妖精みたいな少女にそんなことを聞かれて、嫌と言える人...
「嫌なわけないだろ。でもそれとこれとは……」
「じゃあ、一緒に入りたい?」
そこでなぜそっちがそう聞く? 才人は混乱しかけたが、そ...
『タバサと一緒にお風呂』の光景をつい想像してしまう。
小さくて綺麗なタバサ。精巧なお人形さんみたいなタバサ。
そんなタバサと一緒の湯船につかって、膝の間に座らせちゃっ...
やばい。やばいです。一見ほのぼのなのにその実この上なく...
タバサが一瞬、にやりと笑ったような気がした。はっ、思わ...
才人が自己嫌悪に陥っている間に、タバサは残りの衣装を全...
一糸纏わぬ姿になってしまったタバサにこれ以上文句を言う...
諦めて深いため息をついた。
外で体を洗ったタバサを、風呂桶の中に招き入れる。縁をま...
脚の間の部分がばっちり目に入ってしまい、ぼっと頬が熱くな...
ふぅ…と深い息を吐いて湯につかり、目を閉じて全身から力を...
その子供のような体つきからは想像がつかないほど色っぽく、
つい凝視してしまうのを止められない。
「あー、うー、そうだな。風呂っていっても、こんな手製の小...
いつも学校の大浴場に入ってるお前には全然もの足りないんじ...
気まずくなった才人は、無理矢理作った話題をふっかける。
このままタバサを見ていたら変な気分になってしまいそうだ。
「そんなことない」
タバサはふるふると首を横に振った。
「そ、そお? さすがにお世辞じゃない?」
「……あなたと一緒だから」
■3
ずきゅーん。
普段は無愛想な少女にそんなことを言われて、才人はのぼせ...
あぁもう、あぁもうちくしょう可愛いなぁこのちびっ娘め。
ぎゅって抱きしめてかいぐりかいぐりしてしまいたいなぁ。
才人が健全なのか不健全なのか微妙な衝動に身悶えしている...
その思考を読み取ったかのように、タバサはゆっくりと湯の中...
「あ……」
何も言わないタバサ。けれども、そのどこまでも青い瞳は下...
気持ちを才人にぶつけてくる。
だめだ、俺は、この少女の誘惑から逃れられない――!
「ずるいのねー! 二人だけでイチャイチャしないで欲しいの...
と、そんな甘い空気を引き裂くような甲高い声。
え? どこから? と思う間も無く、才人とタバサの間を割...
人影が湯船の中に飛び込んできた。
「わっぷ!」「けほっ…!」
跳ねた湯をかぶって、才人とタバサが顔をしかめる。
風呂桶の底に沈んだそれはぶくぶくとしばし泡を立ち上らせ...
勢いよく水面に顔を出してぷはぁと息をついた。
「んー! お風呂なんて滅多に入らないけど気持ちいいのねー♪」
濡れて額に張り付いた長い髪を気にもとめず、その女性……
人間の格好に化けた風韻竜シルフィードはにこにこと笑う。
「まさか空中で変身してそのまま飛び込んで来たのか? 無茶...
「大丈夫、お湯は零れないように飛び込んだのね」
「いや、そういう問題じゃなくてだな」
予期せぬ闖入者にツッコミを入れる才人だったが、シルフィ...
悪びれもない態度に、才人は毒気を抜かれてしまった。
「シルフィ……?」
穏やかなようで、確かな怒気を含んだ声。苦笑している才人...
シルフィードのご主人様の方はどうやら虫の居所がおよろしく...
「サイトと二人でお風呂に入りたいから、待っててって言った...
「きゅい! でもでもでも、お腹すいたし、シルフィのこと忘...
「言 っ た わ よ ね ?」
タバサはあくまで静かな口調なのに、ゴゴゴゴ…という効果音...
その異様な雰囲気に、シルフィードだけでなく才人まで戦慄し...
「きゃー! お姉さま怖いのー! 助けてほしいのね! きゅ...
シルフィードは大げさに恐れおののくと、才人の傍に寄って...
大きな乳房が才人の胸にあたってむにゅりと形を変える。
その感触に思わず才人の頬が緩んでしまった時……。
タバサの周囲で、”何か”が壊れる音がした。あ、やばい。才...
自分のご主人様も、時折こうなる。ご主人様がこうなった時...
……諦める、である。
今回は他人事であるとわかっているのに、才人の背筋に嫌な...
「……シルフィ、後で”アレ”ね」
タバサは一言、そう言い捨てる。シルフィードの顔からさー...
「きゅきゅきゅいー! いやー! それだけは勘弁してなのね...
シルフィードは泣いてタバサにしがみつくが、タバサの表情...
「”アレ”ね」
「いやー! 後でっていつー! いつなのー!?」
”アレ”って何なんだろう……。才人は知りたいような知りたく...
■4
シルフィードは風呂の縁に手をついてさめざめと泣いている。
人は確実に来る恐怖に対してはそれを待つ時間にこそ恐怖す...
「その…何だ、シルフィだって悪気があって邪魔したわけじゃな...
才人がフォローしてやると、タバサはきっと才人の方を睨ん...
その仕草を見て、才人はピンと来る。あー、この娘も自分の...
胸の大きさなんて、どうしてそんなに気にするんだろうなぁ。
仕方ないな、と微笑ましい気分になる。彼自身が巨乳にデレ...
自分のことは棚に上げて考えてしまうのが才人であった。
「ん……ちょっと待ってて」
タバサは不意に何かを思い出したような顔をすると、湯船を...
鞄から小さな瓶を取り出して風呂の中へと戻ってきた。
「どうした? 何だ、それ?」
タバサが手に持った小瓶の中には、乳白色の液体が入ってい...
「これ、入浴剤。街に寄ったときに見つけたから買ったの。珍...
「へー、このせか…いや、国にもあるんだ」
ハルケギニアではお湯を張る風呂が一般家庭に普及していな...
当然入浴剤というものも稀少である。それなりに資産のある貴...
「学校のお風呂で使うとすぐ無くなっちゃうから……ここで使う...
どうやら、才人の作った五右衛門風呂で使用するために買っ...
「ああ、構わないぜ」
才人はそれなら、とすぐに了承する。
タバサは小瓶の蓋を開けると、数滴ぽたぽたと湯船に落とし...
それっぽっちでいいのか?と才人が思っていると、あっとい...
「なるほど、入浴剤も魔法薬の類なのか…」
「わぁわぁ、真っ白ー! 面白いのねー」
さっきまでこの世の終わりみたいな顔をしていたシルフィー...
はしゃぎ始めた。お湯を両手で掬っては、手のひらの間から垂...
その様子を見て、才人は気付いた。お湯が白く染まったため...
ほとんど見えない。
ちょっと残念ではあるが、タバサはこれを期待して急に入浴...
そう考えると、才人は何だか微笑ましくなった。
「なんだかちょっとぬるぬるするのね」
「言われてみればそうだな」
お湯にぬめり気が出る入浴剤のようだ。マッサージローショ...
こんな感じになるのだろうか。
風呂の縁に背中をもたれかけると、そのまま滑って湯の中に...
「ひゃっ…!」
などと考えていたら、小柄なタバサが滑ってお湯の中に頭ま...
「おい、大丈夫か?」
慌てて引き上げようとするが、手を掴んでもつるっと滑って...
「おいおい、まずいぞこれ欠陥商品じゃないのか…!?」
仕方なしに、タバサの背中にまで手をまわして、ぐいっと引...
ようやくタバサの顔がお湯の外に出て一安心するも、今度は才...
もたれかかる格好になってしまった。
「いくらなんでも滑りすぎだな、この入浴剤。水飲んでないか...
「え……あ、うん…大丈夫…」
と、そこで気付く。今現在才人とタバサがとっている格好。
湯船に座り込む形になった才人の上にタバサがのしかかって...
タバサの手は才人の胸に添えられて、二人の足は絡んで、すぐ...
……端から見たら、どうみても真っ最中です。本当にありがと...
■5
「あーっ! シルフィの見てる前でっ! はしたないの! け...
胸より下は濁り湯に隠れて見えないため、シルフィードは誤...
「ば、ばかっ! してない! してないから!」
「やってるとこを見られた人はみんなそう言うのね」
「ちがーう!」
才人はすぐにタバサを離そうとするが、下手に動くとまた滑...
「だめ、サイト、動かないで」
「いやそういうわけにも…」
ぬるっ。タバサの背中に回した才人の手が滑って、落っこち...
このままじゃまずい、と才人が手をさらに下に伸ばし――。タバ...
……才人の両手が捕まえたのは、とてつもなく甘美な感触。た...
それが入浴剤の効果でつるつるのぬるぬるになっている。
さらに、滑るお湯のおかげで強く掴んでも傷つけたり痛がら...
さらにさらに、力一杯掴んでタバサの体を引き留めなければな...
まさに、今、このシチュエーションでしか味わえない、奇跡...
才人は直感的に、それを白桜桃(ホワイトチェリー)と命名...
というか、ぶっちゃけた話タバサのお尻である。
「ふぁっ…!」
「ご、ごめん!!」
謝っても、どうしようもない。放したらタバサは水中へとド...
いや、仮に放しても大丈夫だとしても、この禁断の果実を手放...
あまり成長していない小さなお尻。だからこそ張りが素晴ら...
日本人が桜を愛するのはそれが儚く散ってしまうからだという...
……なんて、馬鹿なこと考えてる場合じゃないよな。
「悪い、じゃ、こうして…」
才人がタバサの体を引っかけるのではなく、タバサが才人の...
才人は自分の足をタバサの足の間へ持って行くと、膝を折り...
「よし、これにて一件落着!」
才人は名残惜しさを感じながらも白桜桃から手を離し、額に...
そして、己の太股に白桜桃を超える甘美な果実が乗っているこ...
現在、タバサさんは、才人くんの太股の上に、跨っています。
「ん……だめ…」
身長差のあるタバサは、頬を才人の胸につけたまま、ぎゅっ...
それでもその手と体はぬるりと滑り、湯の中に落ちまいと全身...
そうすると、タバサの胸とは才人の体に擦りつけられ、腰は...
さらに全身を震わせることになり、体が滑り落ちそうになると...
「やぁ……ん、ふ……サイト、サイト……」
これは専門用語で泡踊りとかタワシ洗いというもの? いや...
自分の体の上で悶える少女の愛らしさといやらしさとその感触...
才人はごくりと唾を飲み込むと、膝を軽く揺すってみた。
■6
「ひぁっ…! あ、んぁっ…!!」
タバサが一際甘い悲鳴を上げ、その体を強ばらせる。
お湯の中でも、タバサのそこが熱くとろけかけているのがわか...
こんな姿を見せられて、才人の衝動にも火がつかないはずが...
「タバサ……気持ちいい? ひょっとして、こういう使い方でき...
才人の口から、自分でも驚くくらいの意地悪な台詞が零れる。
「ちがっ…! あ、は…ちがうの、こんなの、知らなかったのっ…...
「ほんとに? 使うとどんなお湯になるのか、聞かないで買っ...
つつー、とタバサの背中に手を回し、背筋を撫で上げる。指...
首筋から頬、耳の裏までをくすぐるように愛撫する。
「やめ……あっ、あっ、や、ひゃうぅっ…!!」
背中を仰け反らせ、喉を震わせて嬌声を上げるタバサは、才...
「知ってたのね。お姉さま、この魔法薬の説明聞いて、ちょっ...
弁明することもままならないタバサの代わりに、蚊帳の外に...
「シルフィ…!!」
「ぬるぬるするお湯になるー、ってことだけ聞いて、いやらし...
お姉さまこそいやらしい人なのねー。むっつりさんなのね。き...
お仕置きされることが決定して開き直ったのか、シルフィー...
「あはっ、面白いの。お姉さまのかたーくなったお胸の先っぽ...
「やぁ……シルフィ、やめなさいっ、やめっ……んぅっ!」
タバサは唇を噛みしめ、全身に襲ってくる刺激に耐える。雪...
人形のような顔立ちは官能の火にとけている。
普段のタバサを知るものなら目を疑うような、あまりにも淫...
「サイト、いやらしい事を期待してたお姉さまに、お望み通り...
こんなにちっちゃい体なのに、ほんとにいけないお姉さまなの...
ちゅ、とシルフィードはタバサの頬にキスする。
「おっけ、じゃタバサ。思いっきり気持ちよくしてやるからな」
「そんなっ、やだ……サイト、シルフィ、やめっ…!」
「やめませんなのー。きゅい♪」
シルフィはタバサの首筋に軽く歯を立て、左手を胸に回しな...
まさか――!とタバサが身をすくめた瞬間、シルフィの右手の...
後ろの門に滑り込んだ。
「あっ、あっあ……嘘、やぁ……!」
「んふふー♪ よく滑るから簡単に入っちゃったのね」
「じゃ、俺はこっちな」
才人はタバサの体を持ち上げると、その唇に唇を合わせる。
舌を差し入れ、その体から力が僅かに抜けた時を狙って、右手...
熱くほぐれたタバサの割れ目は、後ろよりもずっと楽に才人...
ただでさえ狭いタバサの入り口が、才人をきゅうきゅうと締...
「あはっ、やっぱりサイトの指の方が美味しいみたいなのね。...
「俺だけじゃこんなにはならないぜ。シルフィと一緒にしてる...
タバサが強すぎる刺激に体を痙攣させ、かはっ、と喉奥から...
才人とシルフィードの目が合い、怪しいアイコンタクトが交...
「ひっ……あ、ああぁぁぁーーっ!!!」
才人とシルフィードの同時責めに、タバサはあっという間に...
降りてくることを許されなかった。
■7
「そ、そんなに睨むなよ……」
気をやりすぎてぐったりとしてしまった状態からようやく持...
才人とシルフィードに恨みがましげな視線を送り続けていた。
「そうなのね。あんなに気持ちよさそうだったのにどうして怒...
ふふ、可愛かったぜ……なのね」
タバコをふかすジェスチャーをしながら、シルフィードは余...
後でされるお仕置きのことをすっかり忘れているようだが、...
才人は少しせつなくなった。
「んー、それよりも、シルフィとサイトはまだ満足してないの...
シルフィードは才人の方を見て、屈託無く笑う。
「だめ」
タバサはやっと浮かんできて、シルフィの提案にダメ出しを...
「だめって、ひどいのね。お姉さまは自分だけ気持ちよければ...
「わたしもいっしょにする」
「そんなにへろへろの状態で、無茶なのねー」
と、使い魔とその主人の間柄とは思えない言い争いをしてい...
「馬鹿犬ーっ! いつになったら帰ってくるのよー!」
才人にとってのご主人様。ルイズの怒気にまみれた声がヴェ...
「あ、ミス・ヴァリエールの声なのね。いつも怒ってばかりで...
「やば、長湯しすぎちまった……?」
平然としているシルフィードの横で、才人がぎくっと身をす...
そこで湯船の中の青髪の少女二人に目をやり、顔面蒼白にな...
風呂から帰ってこない→ご主人様を怒らせた
→風呂から帰ってこない原因は別の女としっぽり入浴中だったか...
ガタガタと震えはじめた才人を見て、タバサはため息をつく...
何かを思いついたようだった。
「……ルイズにばれないようにしたら、後で言うこと聞いてくれ...
小声で、タバサは才人に囁く。
「そうしてくれるなら願ったりだけど……もう、無理だろ。
あと何秒かでルイズここに来るぜ……あはは……」
乾いた笑い声を上げる才人を尻目に、タバサは「任せて」と...
すぐにルイズが風呂釜の前に到着して、才人を見上げた。
「いつまでお風呂に入ってるのよ! いい加減にしなさいよね…...
見れば、カーディガンを羽織ったその肩は細かく震えている...
あぁ、でもそんなこと考えてる時間無い。
もう気付く。タバサとシルフィードに気付く。そんでお仕置き...
「あ、ああああのルイズ、これはだな……」
「これはって何よ?」
…あれ? ルイズの反応が小さい。
才人が恐る恐る後ろを見ると、湯船の中にいるのは才人一人...
「あら、あらら?」
「何ヘンな顔してるの。もういいわ。わたし湯冷めしちゃった...
才人が首を傾げていると、その場にもうひとつ足音が迫って...
「サイトさんっ! ああ良かった、まだお風呂の最中だったん...
わたしも使わせてくださいな…あれ?」
寝間着やタオルが入ったカゴを下げてきたのは、シエスタ。
そこでルイズの姿をみつけて、怪訝そうな顔になった。
……どうやら、まだお風呂騒動は終わりそうにないらしかった。
つづく
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