ゼロの使い魔保管庫
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391 名前:1/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:47:50 ID:F...
「いやいや、本当にサイトがうらやましいよ」
騎士隊の訓練が終わって、部屋に帰ろうとするサイトを掴ま...
無理矢理食堂にまで引きずっていった。
……こんなに体力あまってるのなら、明日からのもうちょっと...
サイトの密かな決心を知らず、マリコルヌは調子に乗って話...
「専属のメイド……専属のメイドだよ? ……いいなぁ……」
確か同室にシエスタがいるのは嬉しい。
……が、マリコルヌの目は、何か別のことを揶揄しているよう...
ニヤニヤと粘っこい目つきでサイトや、食堂のメイドを見て...
「何が言いたんだ?」
「いや……べーつーにー」
マリコルヌの奢りで、幾つかの料理がテーブルに運ばれてく...
今日はシエスタが何か料理を用意してくれる日なので、余り...
「あーごめん、マリコルヌ今日はシエスタが料理を……」
「あーあー、これですよ、流石専属メイドは付く人は違うなぁ」
「……ごめん……って、さっきから専属メイド専属メイド言ってる...
わざとらしい繰り返しに、流石にサイトが聞きとがめた。
掛かった! マリコルヌは胸中で喝采を上げながら、計画通...
――遠くで雷が鳴り、それに照らされたマリコルヌの顔が、醜...
「……じょ、冗談……だよな?」
「いや、本当だよ。そもそも実家のメイドは基本的に、領民だ...
真面目な顔のマリコルヌが、両手で隠した口元で舌を出しな...
サイトの性格を理解しているマリコルヌは、更にサイトを染...
「まぁ、それでも食べながら話を聞けよ……サイト」
「……あぁ……で、でも……さっ、そんなのっ」
「まぁ、聞けよ、そもそも……」
マリコルヌの話が終わって、サイトが席を立った。
「濡れるぞ?」
雨の中をふらふらと歩くサイトに、マリコルヌが声を掛ける。
「……別に……いい……」
びしょ濡れに成りながら歩み去るサイトを、マリコルヌが笑...
392 名前:2/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:48:21 ID:F...
「あら、おかえ……きゃーー、サイトさんっ。びしょ濡れじゃな...
部屋に帰った俺を、シエスタが迎えてくれる。
くるくると走り回るシエスタの身体に視線を奪われた。
『故郷だったら、自分付きのメイドなんて……』
マリコルヌの言葉が、脳内で繰り返される。
頭を強く振って、邪念を祓う。
シエスタに……そんな……
「サイトさん?」
覗き込んでくるシエスタの邪気の無い瞳に、俺の理性が見る...
「っち、近いっ、シエスタ、近すぎるから」
「わあ、ご、ごめんなさい」
俺が騒いだ所為で、シエスタが慌てて飛び退く。
……いつもはもっと密着して寝ているのに、今更何を……我なが...
俺がシエスタを遠ざけたことに、ショックを受けた様子だっ...
人差し指を頬に当てて少し考え込んだ後、花が開くように笑...
「ひょっとして……意識してくれました? ……だったら、嬉しい...
綺麗なシエスタ。
ふわりと笑ってから、軽やかに距離を取った時に翻るスカー...
そこに居るだけで強く自己主張する胸元や、手の中にすっぽ...
……喉が……渇いた。……ひどく……喉が渇く。
ゴクリと喉を鳴らしてから、マリコルヌの話を……また……思い...
『好きに扱える玩具だよ。あれだけ可愛ければ毎晩楽しいだろ...
っ!!
シ、シエスタはそんなんじゃねぇっ!
どうして俺はあの時マリコルヌを殴らなかったんだ?
そんなの嫌がるだろう……当然俺は反論した。
『いや、本当だよ。そもそも実家のメイドは基本的に、領民だ...
……吐きそうだ……
393 名前:3/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:48:54 ID:F...
『そういう訳で、僕ら付きのメイドなんて、逆らえないんだか...
……黙れ……黙ってくれ……
『今は貴族が微笑む時代なのさ』
……頼むから……頼むから黙ってくれ……
マリコルヌの話が、繰り返し繰り返し頭の中で流れる。
立ち尽くす俺を不安げに見守るシエスタの仕草の愛らしさが、
俺の恐慌に拍車をかけた。
……い、いいん……だよ……な?
前に言ったもんな、シエスタ。
『何も遠慮することないんですよー』
って。
……じゃあ……
「サイトさんっ!」
俺の頭に、優しくタオルが掛けられる。
「あ…………」
「ほら、いつまでも濡れてたら風邪ひいちゃいます」
何も知らずに、シエスタが俺の側にいた。
俺の目の前に立っている為、タオルの所為で少し下げられた...
控えめに開かれた、大きな胸があった。
……コレ……オレノ……
思わず俺は両手をシエスタの腰に回し、その胸元に顔を埋め...
394 名前:4/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:49:30 ID:F...
柔らかぁい!
至福! 感動!!
冷え切っていた身体が、中からも外からも温められる。
両の頬に当たる、ふにゃんとした感触がたまらない。
「……サイトさん?」
怪訝そうなシエスタの声を無視して、荒い息を吐いてその香...
「サイトさん? ちょっ、大丈夫ですか?」
……は?
大丈夫ってなんだ?
悲鳴を上げて逃げるとか、抱きしめてくれるならまだ分かる...
大丈夫?
怪訝に思いのろのろと顔を上げると、真剣な表情のシエスタ...
「サイトさん! こっちへ」
「う……うん」
シエスタはガシガシと頭を拭きながら、俺を……ベットに連れ...
……さ、誘ってる?
期待したのも束の間。
「座ってくださいっ」
「はい」
手際よく俺の水気を拭き取ったシエスタが、じーーーーっと...
な、なんだ? 何が始まるんだ?
緊張する俺の髪を優しくかき分けたシエスタは、耳の後ろに...
水仕事でもしていたであろうシエスタの手は、ひんやりと俺...
……っ! 俺って奴は……なんて事をしようとっ!!
反省する間もなくシエスタの顔が近づいてきて、今度は別の...
(っきゃぁぁぁぁ)
情けない位心臓がバクバクと鳴る。
悲鳴を上げて逃げ出したいが、真剣なシエスタの目は俺に行...
ほんの数秒が、数分にも数時間にも感じられている間に、シ...
395 名前:5/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:50:02 ID:F...
コツン、小さな衝撃と共にシエスタの額と、おれの額が接触...
「なっ……なに? なに? なんなの、シエスタっ」
「……やっぱり……ちょっと熱いです」
……いや……あの……普通、女の子にオデココツンされて、体温上...
「濡れて帰ってきて、ぼーっとなさったり、その場で倒れたり……
目の前にわたしが居なかったら、怪我されていたかも知れま...
…………いや……倒れたんじゃなくて、最初から胸を狙ったんだけ...
……い、いぇねぇ。
あまつさえ、全開で襲うつもりでした。
……更にいえねぇ
「ほら、今日は暖かくしてお休みしましょうね?」
「……う、うん」
……ま、まて、俺……うんってなんだ?
腰に手を当てた、年上のお姉さんモードのシエスタに、つい...
「まずは身体拭きましょうね?」
――シエスタが濡れた服を剥いだり、何度もタオルを変えて水...
ごめん、幼児退行は嘘だ。
シエスタがあちこちを拭くたびに、むにゅむにゅと胸が当た...
押し付けられたこともあるし、もっと慣れているつもりだっ...
顔を埋めた所為で、身体に掠るたびに感触が蘇って……
「サイトさん、着替えましょう……立てますか?」
「……ごめん、無理……」
勃ってるから、恥ずかしくて立てません……
到底言えない事態だが、シエスタは別の意味に取った。
「そ、そんなに調子悪いんですか?」
あーごめん、泣きそうな顔しないでー
396 名前:6/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:51:21 ID:F...
「へ、平気だから……ちょっと時間が経てば治るって」
いや、マジで。
「でも……でもぉ……」
その場に土下座したい気分だったが、そういう訳にもいかず...
「……どーゆー事態?」
「……ナンデモ・ゴザイマセン・ゴシュジンサマ」
ポンとシエスタの頭に手を置いた時、部屋の入り口に立つル...
「ミ、ミス・ヴァリエール」
シエスタの目が涙で濡れて……って、おい
「ちょっ、まっ……なんで杖構えるんだよっ、ルイズぅぅぅぅ」
「……何でも無いで、シエスタ泣かしてるんじゃないわよぉぉぉ...
「わあわあわあ、ちーがーいーまーすー、駄目ですっ、ミス・...
俺でも止められないルイズを、シエスタは手振りと声で押し...
「な、何がよ」
ルイズの殺気が薄れ俺は胸を撫で下ろした。
アルビオンから帰ってから、シエスタとルイズは仲が良いの...
牽制しつつも尊重しあっている感じに、俺はたまに疎外感を...
「……で、…………なんです」
「なんですってぇぇぇぇ」
あれ? 疎外感を覚えている間に、シエスタがルイズに何か...
「あ、あんた立てないほど体調悪いんなら、大人しくしてなさ...
泣きそうな顔が、もう一つ増えていた。
397 名前:7/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:52:24 ID:F...
雨の中を、ザクザクと音を立てて目的に進み、
濡れることも構わずに木に登る。
「くっ……食べ過ぎたか……」
ミシミシとしなる木に怯えながらも、目的の場所にたどり着...
「ここだ……」
魔法で飛んでも良かったが、精神力は温存したかった。
ドットのマリコルヌが本来使えないはずの魔法を使うからだ...
「そろそろ、破局の時間だよな……」
ルイズの帰る時間を計算した上でサイトを開放したマリコル...
サイトが自分望みどおり動いていることを願い、その場合に...
「メイドに手を出せるわけ無いだろう」
学園のメイドは領民ではないし、そもそも、そういう年頃に...
思春期の貴族が暴走するとどうなるか……
六千年の歴史が証明していた。
そんなわけで、メイドに手を出す不心得者等(ほぼ)皆無な...
「学園のメイドに手を出せば、軽くて謹慎……場合によっては退...
マリコルヌには夢があるッ!!
「モテモテに成りたーーーーいっ!!」
拳を握って雷雲に叫ぶ!!
前途は遠い……
しかし諦めないマリコルヌが今回計画したのが……
『モテる奴がモテなく成れば、相対的に俺! モテモテ!!』...
だった……
女子の『誰も選ばない』を度外視してる辺り、穴だらけの計...
「まずは、サイトからだぁぁぁぁ」
そんな事に気が回る性格だったら……
計画の成り行きを見ようと、マリコルヌが詠唱を始める。
彼の得意な風の魔法の中でも、最も得意な魔法。
本来彼が使える魔法ではないのだが、この魔法に限って彼は...
「歪めぇぇぇ空間、見えろやぁぁぁ、遠くぅぅぅぅぅぅ」
別名・覗き魔法
……モテない筈である。
そもそも、女子寮の最適な覗きポイントを知っているだけで...
そんなマリコルヌの魔法が効果を表した瞬間……
「な、なぜだぁぁぁぁぁぁ」
彼の叫びが、魂の悲鳴が響き渡った。
398 名前:8/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:53:16 ID:F...
「寒くないですか?」
「うんー、へいきー」
背後からシエスタの声が聞こえる。
「い、いいから、大人しくしてなさいっ!」
「はーい」
腕の中でルイズが丸くなってる。
……すーげー、今俺が置かれている状況を説明しよう。
まだまだ寝るには早いが、俺たちは皆寝巻き。
早く寝る=皆で寝る
と、言うことらしく、いそいそと二人とも着替えた。
ちょっと恥ずかしかったが、俺についてはルイズとシエスタ...
……あちこちに色々当たって幸せだったことを特に記す。
部屋にはどこから用意したのか、大量の布団、毛布、クッシ...
体調不良(……ごめん)の俺が食べやすいようにと、各種スイ...
コレだけも幸せなのだが……
「横になったほうが良くないですか?」
「いやだっ!! まだ横にならない!!」
成ってたまるかぁぁぁぁ、言おう! 至福である! と。
「サイト……あんた…………っ、きょ、今日だけだからねっ」
ルイズの視線がちょっと痛いが……今日の俺の枕は素晴らしい。
ベットサイドに大量に積まれたクッションに……シエスタがも...
俺 は そ の 上 !
……つまり……
「おっぱいクッション!!」
「は、恥ずかしいです……サイトさん」
「……犬……あんたねぇ……」
俺の首に後ろからフィット。
窒息しないように仰向けに! 誰だよ、このステキシステム...
……俺だ、サイトさまだぁぁぁぁぁ
「あ……あんたって……」
「ルイズも……気持ちいいよ」
不満気だったルイズが、真っ赤に成って黙り込んだ。
399 名前:9/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:54:03 ID:F...
無論ルイズにも役目がある!!
俺はご主人様を仲間はずれにしたりはしないっ!!
ルイズは俺の身体が冷えないように……
風邪が酷くならないように……
その体温を持って俺に密着。
凹凸の少ないフラットなボディーのお陰で、最高の密着を誇...
シエスタだとこうはいかないっ!!
つまりっ
「ルイズ、ぶとーーーん!!」
「だ、黙んなさいっ」
「……ミス・ヴァリエールの方が軽いですしね……」
なんか背中でシエスタがヘコんでる……
「おっぱいまーくーらー」
「まぁ……♪」
「ルイズ、ぶーとーんー」
「……もぅ」
ふぅ、モテる漢はつらいぜぇぇぇぇ
何この最強布団セット。
誰? こんなの思いついたの!! 俺!! 俺だよ!! 俺...
サイトだよぉぉぉ
げへぇぇぇぇ、なんてスバラシィィィィ
この世の天国……プライス・レス
っつーか売らねぇ、絶対売らない。
「サイトさん、ちょっとは何か食べませんか?」
「はーーい」
……なんてっ……幸せ。
400 名前:10/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:54:41 ID:...
むにょんむにょんむにょん
(うひょぉぉぉぉぉぉ)
み、耳から脳が垂れる……、
「はい、ミス・ヴァリエール」
「うん、ありがとシエスタ……はい、サイト……あーーん」
「あーーーー、うん。おいしー」
解説しようっ
おっぱいまくら状態のシエスタが、そのままリンゴを剥いて...
腕が動くたびに左右から、柔らかな壁が迫り……
究極!!
しかぁも、ルイズの『あーん』で食べるリンゴは格別だ!!
……なお、ルイズのリンゴ剥きで血を見たことだけ明記してお...
「もっと要りますか?」
「……んーー」
マリコルヌに勧められて、いくつか料理を食べた俺は、そん...
もちろん、その事を二人には言っていないけれど。
「しょ、食欲無いんですか?」
「それは重大な問題ね!」
食欲位無いフリしないと、体調不良の信憑性が……既に怪しい...
「……し、仕方ない……わ……ね……」
ルイズがシエスタに目配せをして、更にリンゴを剥かせる。
仕方ないとか言いつつ、やたらとにやけているのは気のせい...
シエスタに指示して、さっきまでより細長く切り分けられた...
って、自分で食うのかよ。
そう思い、俺が呆れてルイズを見た瞬間、片目が軽く閉じら...
可愛いウィンクにどぎまぎしていると、ルイズの手が俺の肩...
「ひゃぃ……わーーーーん」
わぁお
401 名前:11/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:55:16 ID:...
コレを食べずにすむ筈があろうか?
ってーか、コレ食べたくない奴いるか? 我慢できる奴いる...
少なくとも俺には無理!!
「あーーん」
大きく口を開けると、ルイズの目がうっとりと細められる。
しゅると衣擦れの音が妙に耳についた。
俺のお腹に乗っていたルイズが、ゆっくりと口元に来る。
ルイズの身体がお腹から胸、胸から首へと這い上がってくる。
「もぉ……ミス・ヴァリエール……ずるいです」
シエスタの囁きが起こした風が耳元に触れ、快感が背中を跳...
得意気にシエスタを見たルイズが俺の口の側でその動きを止...
?
不思議に思っていると、少しだけ口の中にリンゴが入ってく...
……ほんの少しだけ。
シャリ……と、音を立てて俺の歯がリンゴを噛むと、またルイ...
楽しんでるな……ルイズ。
俺も楽しい。
一つのリンゴをたっぷりと時間を掛けて味わう。
密着しているルイズが、小さく動くたびに暴れだしたいよう...
この状態では、何をするにしてもお互いの身体を擦り合わせ...
前後からの心地よい感触を味わううちに、りんごの最後の一...
惜しいことをした……だが、そんな感想を抱く暇もルイズは与...
チロっと可愛い舌を出して、俺の唇についたリンゴの果汁を...
「っっ! ル、ルイズっ」
悪戯っぽう笑うルイズを、シエスタだけが不思議そうに見て...
「……サイトさん……まだ……要りますよね?」
「……勿論」
楽しい食事はまだまだ続いた。
402 名前:12/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:55:53 ID:...
至高の一夜だった……
思い出すだけではにゃぁぁんと、頬が緩む。
あの状態で寝れたのか? だって?
寝れるはず無いと思っていたが……
「子守唄……歌ってあげますね?」
「わたしもよ……寝るまで頑張るからね」
……二人の可愛い歌声に、案外あっさり負けてしまった。
食事を取った後は、真面目に心配してくれた二人が俺を休ま...
二人の身体もなんと言うか……適温で気持ちよかったし。
最も……あの究極の布団セットで一晩過ごした俺は……
『素晴らしい夢』を見て……起きた直後は二人の顔が直視でき...
シエスタにばれないようにパンツ洗いに行くのが大変だった...
ま、それはいい。
「また……いつでも言って下さいね?」
「……む、無理はするんじゃないわよっ」
……どうやらいつでもオッケーらしく……
今日も体調不良になる予定だ……
何て幸せな日々だろう……
幸せに酔う俺の前に、なんだか急いでギーシュが現れた。
「あーサイト……知ってるか?」
「なんだよ?」
「……マリコルヌがなぁ……」
……殴るべきか感謝するべきか……悩みながらギーシュの言葉を...
「謹慎食らったらしいんだよ……『俺もおぉぉぉ』って叫びなが...
……とりあえず……殴るのは勘弁するとして……
「それよりギーシュ、美味しい果物を知らないか?」
「ん? あぁ、アルビオンからの桃リンゴの初物がそろそろ……」
夜が楽しみだ。
終了行:
391 名前:1/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:47:50 ID:F...
「いやいや、本当にサイトがうらやましいよ」
騎士隊の訓練が終わって、部屋に帰ろうとするサイトを掴ま...
無理矢理食堂にまで引きずっていった。
……こんなに体力あまってるのなら、明日からのもうちょっと...
サイトの密かな決心を知らず、マリコルヌは調子に乗って話...
「専属のメイド……専属のメイドだよ? ……いいなぁ……」
確か同室にシエスタがいるのは嬉しい。
……が、マリコルヌの目は、何か別のことを揶揄しているよう...
ニヤニヤと粘っこい目つきでサイトや、食堂のメイドを見て...
「何が言いたんだ?」
「いや……べーつーにー」
マリコルヌの奢りで、幾つかの料理がテーブルに運ばれてく...
今日はシエスタが何か料理を用意してくれる日なので、余り...
「あーごめん、マリコルヌ今日はシエスタが料理を……」
「あーあー、これですよ、流石専属メイドは付く人は違うなぁ」
「……ごめん……って、さっきから専属メイド専属メイド言ってる...
わざとらしい繰り返しに、流石にサイトが聞きとがめた。
掛かった! マリコルヌは胸中で喝采を上げながら、計画通...
――遠くで雷が鳴り、それに照らされたマリコルヌの顔が、醜...
「……じょ、冗談……だよな?」
「いや、本当だよ。そもそも実家のメイドは基本的に、領民だ...
真面目な顔のマリコルヌが、両手で隠した口元で舌を出しな...
サイトの性格を理解しているマリコルヌは、更にサイトを染...
「まぁ、それでも食べながら話を聞けよ……サイト」
「……あぁ……で、でも……さっ、そんなのっ」
「まぁ、聞けよ、そもそも……」
マリコルヌの話が終わって、サイトが席を立った。
「濡れるぞ?」
雨の中をふらふらと歩くサイトに、マリコルヌが声を掛ける。
「……別に……いい……」
びしょ濡れに成りながら歩み去るサイトを、マリコルヌが笑...
392 名前:2/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:48:21 ID:F...
「あら、おかえ……きゃーー、サイトさんっ。びしょ濡れじゃな...
部屋に帰った俺を、シエスタが迎えてくれる。
くるくると走り回るシエスタの身体に視線を奪われた。
『故郷だったら、自分付きのメイドなんて……』
マリコルヌの言葉が、脳内で繰り返される。
頭を強く振って、邪念を祓う。
シエスタに……そんな……
「サイトさん?」
覗き込んでくるシエスタの邪気の無い瞳に、俺の理性が見る...
「っち、近いっ、シエスタ、近すぎるから」
「わあ、ご、ごめんなさい」
俺が騒いだ所為で、シエスタが慌てて飛び退く。
……いつもはもっと密着して寝ているのに、今更何を……我なが...
俺がシエスタを遠ざけたことに、ショックを受けた様子だっ...
人差し指を頬に当てて少し考え込んだ後、花が開くように笑...
「ひょっとして……意識してくれました? ……だったら、嬉しい...
綺麗なシエスタ。
ふわりと笑ってから、軽やかに距離を取った時に翻るスカー...
そこに居るだけで強く自己主張する胸元や、手の中にすっぽ...
……喉が……渇いた。……ひどく……喉が渇く。
ゴクリと喉を鳴らしてから、マリコルヌの話を……また……思い...
『好きに扱える玩具だよ。あれだけ可愛ければ毎晩楽しいだろ...
っ!!
シ、シエスタはそんなんじゃねぇっ!
どうして俺はあの時マリコルヌを殴らなかったんだ?
そんなの嫌がるだろう……当然俺は反論した。
『いや、本当だよ。そもそも実家のメイドは基本的に、領民だ...
……吐きそうだ……
393 名前:3/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:48:54 ID:F...
『そういう訳で、僕ら付きのメイドなんて、逆らえないんだか...
……黙れ……黙ってくれ……
『今は貴族が微笑む時代なのさ』
……頼むから……頼むから黙ってくれ……
マリコルヌの話が、繰り返し繰り返し頭の中で流れる。
立ち尽くす俺を不安げに見守るシエスタの仕草の愛らしさが、
俺の恐慌に拍車をかけた。
……い、いいん……だよ……な?
前に言ったもんな、シエスタ。
『何も遠慮することないんですよー』
って。
……じゃあ……
「サイトさんっ!」
俺の頭に、優しくタオルが掛けられる。
「あ…………」
「ほら、いつまでも濡れてたら風邪ひいちゃいます」
何も知らずに、シエスタが俺の側にいた。
俺の目の前に立っている為、タオルの所為で少し下げられた...
控えめに開かれた、大きな胸があった。
……コレ……オレノ……
思わず俺は両手をシエスタの腰に回し、その胸元に顔を埋め...
394 名前:4/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:49:30 ID:F...
柔らかぁい!
至福! 感動!!
冷え切っていた身体が、中からも外からも温められる。
両の頬に当たる、ふにゃんとした感触がたまらない。
「……サイトさん?」
怪訝そうなシエスタの声を無視して、荒い息を吐いてその香...
「サイトさん? ちょっ、大丈夫ですか?」
……は?
大丈夫ってなんだ?
悲鳴を上げて逃げるとか、抱きしめてくれるならまだ分かる...
大丈夫?
怪訝に思いのろのろと顔を上げると、真剣な表情のシエスタ...
「サイトさん! こっちへ」
「う……うん」
シエスタはガシガシと頭を拭きながら、俺を……ベットに連れ...
……さ、誘ってる?
期待したのも束の間。
「座ってくださいっ」
「はい」
手際よく俺の水気を拭き取ったシエスタが、じーーーーっと...
な、なんだ? 何が始まるんだ?
緊張する俺の髪を優しくかき分けたシエスタは、耳の後ろに...
水仕事でもしていたであろうシエスタの手は、ひんやりと俺...
……っ! 俺って奴は……なんて事をしようとっ!!
反省する間もなくシエスタの顔が近づいてきて、今度は別の...
(っきゃぁぁぁぁ)
情けない位心臓がバクバクと鳴る。
悲鳴を上げて逃げ出したいが、真剣なシエスタの目は俺に行...
ほんの数秒が、数分にも数時間にも感じられている間に、シ...
395 名前:5/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:50:02 ID:F...
コツン、小さな衝撃と共にシエスタの額と、おれの額が接触...
「なっ……なに? なに? なんなの、シエスタっ」
「……やっぱり……ちょっと熱いです」
……いや……あの……普通、女の子にオデココツンされて、体温上...
「濡れて帰ってきて、ぼーっとなさったり、その場で倒れたり……
目の前にわたしが居なかったら、怪我されていたかも知れま...
…………いや……倒れたんじゃなくて、最初から胸を狙ったんだけ...
……い、いぇねぇ。
あまつさえ、全開で襲うつもりでした。
……更にいえねぇ
「ほら、今日は暖かくしてお休みしましょうね?」
「……う、うん」
……ま、まて、俺……うんってなんだ?
腰に手を当てた、年上のお姉さんモードのシエスタに、つい...
「まずは身体拭きましょうね?」
――シエスタが濡れた服を剥いだり、何度もタオルを変えて水...
ごめん、幼児退行は嘘だ。
シエスタがあちこちを拭くたびに、むにゅむにゅと胸が当た...
押し付けられたこともあるし、もっと慣れているつもりだっ...
顔を埋めた所為で、身体に掠るたびに感触が蘇って……
「サイトさん、着替えましょう……立てますか?」
「……ごめん、無理……」
勃ってるから、恥ずかしくて立てません……
到底言えない事態だが、シエスタは別の意味に取った。
「そ、そんなに調子悪いんですか?」
あーごめん、泣きそうな顔しないでー
396 名前:6/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:51:21 ID:F...
「へ、平気だから……ちょっと時間が経てば治るって」
いや、マジで。
「でも……でもぉ……」
その場に土下座したい気分だったが、そういう訳にもいかず...
「……どーゆー事態?」
「……ナンデモ・ゴザイマセン・ゴシュジンサマ」
ポンとシエスタの頭に手を置いた時、部屋の入り口に立つル...
「ミ、ミス・ヴァリエール」
シエスタの目が涙で濡れて……って、おい
「ちょっ、まっ……なんで杖構えるんだよっ、ルイズぅぅぅぅ」
「……何でも無いで、シエスタ泣かしてるんじゃないわよぉぉぉ...
「わあわあわあ、ちーがーいーまーすー、駄目ですっ、ミス・...
俺でも止められないルイズを、シエスタは手振りと声で押し...
「な、何がよ」
ルイズの殺気が薄れ俺は胸を撫で下ろした。
アルビオンから帰ってから、シエスタとルイズは仲が良いの...
牽制しつつも尊重しあっている感じに、俺はたまに疎外感を...
「……で、…………なんです」
「なんですってぇぇぇぇ」
あれ? 疎外感を覚えている間に、シエスタがルイズに何か...
「あ、あんた立てないほど体調悪いんなら、大人しくしてなさ...
泣きそうな顔が、もう一つ増えていた。
397 名前:7/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:52:24 ID:F...
雨の中を、ザクザクと音を立てて目的に進み、
濡れることも構わずに木に登る。
「くっ……食べ過ぎたか……」
ミシミシとしなる木に怯えながらも、目的の場所にたどり着...
「ここだ……」
魔法で飛んでも良かったが、精神力は温存したかった。
ドットのマリコルヌが本来使えないはずの魔法を使うからだ...
「そろそろ、破局の時間だよな……」
ルイズの帰る時間を計算した上でサイトを開放したマリコル...
サイトが自分望みどおり動いていることを願い、その場合に...
「メイドに手を出せるわけ無いだろう」
学園のメイドは領民ではないし、そもそも、そういう年頃に...
思春期の貴族が暴走するとどうなるか……
六千年の歴史が証明していた。
そんなわけで、メイドに手を出す不心得者等(ほぼ)皆無な...
「学園のメイドに手を出せば、軽くて謹慎……場合によっては退...
マリコルヌには夢があるッ!!
「モテモテに成りたーーーーいっ!!」
拳を握って雷雲に叫ぶ!!
前途は遠い……
しかし諦めないマリコルヌが今回計画したのが……
『モテる奴がモテなく成れば、相対的に俺! モテモテ!!』...
だった……
女子の『誰も選ばない』を度外視してる辺り、穴だらけの計...
「まずは、サイトからだぁぁぁぁ」
そんな事に気が回る性格だったら……
計画の成り行きを見ようと、マリコルヌが詠唱を始める。
彼の得意な風の魔法の中でも、最も得意な魔法。
本来彼が使える魔法ではないのだが、この魔法に限って彼は...
「歪めぇぇぇ空間、見えろやぁぁぁ、遠くぅぅぅぅぅぅ」
別名・覗き魔法
……モテない筈である。
そもそも、女子寮の最適な覗きポイントを知っているだけで...
そんなマリコルヌの魔法が効果を表した瞬間……
「な、なぜだぁぁぁぁぁぁ」
彼の叫びが、魂の悲鳴が響き渡った。
398 名前:8/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:53:16 ID:F...
「寒くないですか?」
「うんー、へいきー」
背後からシエスタの声が聞こえる。
「い、いいから、大人しくしてなさいっ!」
「はーい」
腕の中でルイズが丸くなってる。
……すーげー、今俺が置かれている状況を説明しよう。
まだまだ寝るには早いが、俺たちは皆寝巻き。
早く寝る=皆で寝る
と、言うことらしく、いそいそと二人とも着替えた。
ちょっと恥ずかしかったが、俺についてはルイズとシエスタ...
……あちこちに色々当たって幸せだったことを特に記す。
部屋にはどこから用意したのか、大量の布団、毛布、クッシ...
体調不良(……ごめん)の俺が食べやすいようにと、各種スイ...
コレだけも幸せなのだが……
「横になったほうが良くないですか?」
「いやだっ!! まだ横にならない!!」
成ってたまるかぁぁぁぁ、言おう! 至福である! と。
「サイト……あんた…………っ、きょ、今日だけだからねっ」
ルイズの視線がちょっと痛いが……今日の俺の枕は素晴らしい。
ベットサイドに大量に積まれたクッションに……シエスタがも...
俺 は そ の 上 !
……つまり……
「おっぱいクッション!!」
「は、恥ずかしいです……サイトさん」
「……犬……あんたねぇ……」
俺の首に後ろからフィット。
窒息しないように仰向けに! 誰だよ、このステキシステム...
……俺だ、サイトさまだぁぁぁぁぁ
「あ……あんたって……」
「ルイズも……気持ちいいよ」
不満気だったルイズが、真っ赤に成って黙り込んだ。
399 名前:9/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:54:03 ID:F...
無論ルイズにも役目がある!!
俺はご主人様を仲間はずれにしたりはしないっ!!
ルイズは俺の身体が冷えないように……
風邪が酷くならないように……
その体温を持って俺に密着。
凹凸の少ないフラットなボディーのお陰で、最高の密着を誇...
シエスタだとこうはいかないっ!!
つまりっ
「ルイズ、ぶとーーーん!!」
「だ、黙んなさいっ」
「……ミス・ヴァリエールの方が軽いですしね……」
なんか背中でシエスタがヘコんでる……
「おっぱいまーくーらー」
「まぁ……♪」
「ルイズ、ぶーとーんー」
「……もぅ」
ふぅ、モテる漢はつらいぜぇぇぇぇ
何この最強布団セット。
誰? こんなの思いついたの!! 俺!! 俺だよ!! 俺...
サイトだよぉぉぉ
げへぇぇぇぇ、なんてスバラシィィィィ
この世の天国……プライス・レス
っつーか売らねぇ、絶対売らない。
「サイトさん、ちょっとは何か食べませんか?」
「はーーい」
……なんてっ……幸せ。
400 名前:10/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:54:41 ID:...
むにょんむにょんむにょん
(うひょぉぉぉぉぉぉ)
み、耳から脳が垂れる……、
「はい、ミス・ヴァリエール」
「うん、ありがとシエスタ……はい、サイト……あーーん」
「あーーーー、うん。おいしー」
解説しようっ
おっぱいまくら状態のシエスタが、そのままリンゴを剥いて...
腕が動くたびに左右から、柔らかな壁が迫り……
究極!!
しかぁも、ルイズの『あーん』で食べるリンゴは格別だ!!
……なお、ルイズのリンゴ剥きで血を見たことだけ明記してお...
「もっと要りますか?」
「……んーー」
マリコルヌに勧められて、いくつか料理を食べた俺は、そん...
もちろん、その事を二人には言っていないけれど。
「しょ、食欲無いんですか?」
「それは重大な問題ね!」
食欲位無いフリしないと、体調不良の信憑性が……既に怪しい...
「……し、仕方ない……わ……ね……」
ルイズがシエスタに目配せをして、更にリンゴを剥かせる。
仕方ないとか言いつつ、やたらとにやけているのは気のせい...
シエスタに指示して、さっきまでより細長く切り分けられた...
って、自分で食うのかよ。
そう思い、俺が呆れてルイズを見た瞬間、片目が軽く閉じら...
可愛いウィンクにどぎまぎしていると、ルイズの手が俺の肩...
「ひゃぃ……わーーーーん」
わぁお
401 名前:11/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:55:16 ID:...
コレを食べずにすむ筈があろうか?
ってーか、コレ食べたくない奴いるか? 我慢できる奴いる...
少なくとも俺には無理!!
「あーーん」
大きく口を開けると、ルイズの目がうっとりと細められる。
しゅると衣擦れの音が妙に耳についた。
俺のお腹に乗っていたルイズが、ゆっくりと口元に来る。
ルイズの身体がお腹から胸、胸から首へと這い上がってくる。
「もぉ……ミス・ヴァリエール……ずるいです」
シエスタの囁きが起こした風が耳元に触れ、快感が背中を跳...
得意気にシエスタを見たルイズが俺の口の側でその動きを止...
?
不思議に思っていると、少しだけ口の中にリンゴが入ってく...
……ほんの少しだけ。
シャリ……と、音を立てて俺の歯がリンゴを噛むと、またルイ...
楽しんでるな……ルイズ。
俺も楽しい。
一つのリンゴをたっぷりと時間を掛けて味わう。
密着しているルイズが、小さく動くたびに暴れだしたいよう...
この状態では、何をするにしてもお互いの身体を擦り合わせ...
前後からの心地よい感触を味わううちに、りんごの最後の一...
惜しいことをした……だが、そんな感想を抱く暇もルイズは与...
チロっと可愛い舌を出して、俺の唇についたリンゴの果汁を...
「っっ! ル、ルイズっ」
悪戯っぽう笑うルイズを、シエスタだけが不思議そうに見て...
「……サイトさん……まだ……要りますよね?」
「……勿論」
楽しい食事はまだまだ続いた。
402 名前:12/12[sage] 投稿日:2007/04/04(水) 01:55:53 ID:...
至高の一夜だった……
思い出すだけではにゃぁぁんと、頬が緩む。
あの状態で寝れたのか? だって?
寝れるはず無いと思っていたが……
「子守唄……歌ってあげますね?」
「わたしもよ……寝るまで頑張るからね」
……二人の可愛い歌声に、案外あっさり負けてしまった。
食事を取った後は、真面目に心配してくれた二人が俺を休ま...
二人の身体もなんと言うか……適温で気持ちよかったし。
最も……あの究極の布団セットで一晩過ごした俺は……
『素晴らしい夢』を見て……起きた直後は二人の顔が直視でき...
シエスタにばれないようにパンツ洗いに行くのが大変だった...
ま、それはいい。
「また……いつでも言って下さいね?」
「……む、無理はするんじゃないわよっ」
……どうやらいつでもオッケーらしく……
今日も体調不良になる予定だ……
何て幸せな日々だろう……
幸せに酔う俺の前に、なんだか急いでギーシュが現れた。
「あーサイト……知ってるか?」
「なんだよ?」
「……マリコルヌがなぁ……」
……殴るべきか感謝するべきか……悩みながらギーシュの言葉を...
「謹慎食らったらしいんだよ……『俺もおぉぉぉ』って叫びなが...
……とりあえず……殴るのは勘弁するとして……
「それよりギーシュ、美味しい果物を知らないか?」
「ん? あぁ、アルビオンからの桃リンゴの初物がそろそろ……」
夜が楽しみだ。
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