ゼロの使い魔保管庫
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725 名前:1/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 03:58:41 ID:hJ...
この世界に来てから、目覚ましも無いのに自然に目が覚める。
地球にいた頃からは考えられない。
欠伸を噛み潰しながら目を開けると、珍しい事に二人ともま...
正確にはシエスタがまだ寝ているのが珍しい。
いつもなら、俺が起きるよりも先に目を覚ましているのに。
折角だから起き出そうかと思ったけど……
無理。
右手も左手も、ルイズとシエスタがそれぞれ抱きしめ……って……
(ふ、ふにふに…………)
……うん、起きられないんだから仕方ないよな。
どうしても緩む頬を引き締めながら、もう一度目を閉じる。
いい夢が見れそうだ。
…………と、大きい方の胸の感触が遠ざかった。
ちぇ
「…………んっ……うぅ……」
冷たい風が入らないように注意しながら布団を出たシエスタ...
……強調される大きな胸に、呼吸が止まった。色っぽいですシ...
ルイズが片手を押さえて居なかったら襲い掛かっていたかも...
「……ひゃっ……お、起きてらしたんですか、サイトさん」
伸びから復帰したシエスタが俺のほうを見た所為で、起きて...
穴が開きそうなほど見つめていたから、言い訳も出来ない。
「あ、ごめ……」
「わ、……だ、だめです、起きぬけなんか見ないでくださいっ」
……胸を見てたのは良いのか?
ルイズを起こさないように注意しながら布団を出て、
ぱたぱたと走り去るシエスタを追いかける。
「わあ、い、意地悪ですサイトさん」
「お、おはよう」
何でそんなに慌てるんだろう?
俺にはシエスタがいつもとどう違うのかよく分からないけど。
「い、いいから、せめて顔洗って着替えるまで待っててくださ...
まぁ……なんだか分からないけど待とう。
暫くその場で立っていると、いつもどおりの……
いや、いつもよりちょっとぽや〜んとした感じのシエスタが……
ゆったりとした部屋着で現れた。
(こ、これはこれで……いい)
「ごめんなさいサイトさん、起きるの遅くて、……虚無の週間だ...
……ん?
「虚無の週間?」
726 名前:2/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 03:59:12 ID:hJ...
聞きなれない言葉を聞き返すと、シエスタが笑いながら教え...
「そうですね、サイトさんはご存じ無いかもしれませんけど……
虚無の曜日が一週間続く感じです。
メイドも結構お休みいただいて……帰省しない者も、いつもよ...
ごめんなさい」
ゴールデンウィークみたいなものか?
でもそういう事なら、
「あー、シエスタも休んでたらいいのに」
貴重なシエスタの休日を俺が削っちゃったのかも。
ちょっと罪悪感。
「いいんですよ、わたしはサイトさんのお世話そするのが一番...
いつもお休みいただいているようなものですもの」
……それは楽しいのか?
「いや……でもなー」
渋る俺を見たシエスタが、俺を廊下に連れ出す。
「でしたら、少しお散歩しませんか?
虚無の週間の間位は、寝巻きで出歩いても怒られませんよ?」
寮の中だけですけど、そう言いながら手を引くシエスタに導...
ひんやりとした廊下を歩く。
「誰も居ない?」
「いいえ、……ほら、あそこ見てください」
何時もなら生徒でごった返す時間なのに、誰もいない廊下。
不安に成った俺にシエスタが示したのは正面玄関。
「……なんじゃありゃ」
「あはは」
静まり返った寮内とは別世界がそこに有った。
浮き立った表情で、二人若しくはそれ以上のグループを形成...
学院の生徒達なのだが、珍しい事に全員私服姿で、
それを見慣れていないサイトの目には奇妙なものに見えた。
「……あれ、何?」
「あれはですね……」
シエスタが答えようとした時、目の前のドアが勢い良く開い...
見慣れた顔が飛び出してきた。
「うあぁぁぁぁ、遅れてしまうぅぅぅ」
ギーシュ・ド・グラモン
サイトの悪友、いつも外見に気を使う筈の彼が、目に隈を作...
随分悩んだ末らしい私服姿で、開きっぱなしのドアの向こう...
727 名前:3/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 03:59:45 ID:hJ...
「ギーシュ」
「おぉサイト、おはよう」
見るからに物が詰め込まれている鞄を重そうに抱えながら、...
サイトの質問に答えかけていたシエスタは、ギーシュとの……...
一歩下がって様子を見ている。
「どこか行くのか?」
「あぁ、……その……虚無の週間だからね」
そわそわと窓の外を眺め、何かを探していたギーシュの目が...
見るからに安堵した。
気になったサイトがギーシュの視線をたどると、そこには見...
「モンモン?」
「……あ、ああ……その……皆には秘密にしておいてくれよ?」
「なんで?」
「……い、いいからっ……黙っててくれたまえ、親友」
真剣な表情に押されて思わず頷くと、ギーシュは持ち前の切...
「サイト、どこか変なところはないかな?」
「目に隈」
「うあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ」
部屋に飛び込んだギーシュが、数十秒後に出てくる。
「こ、これでどうかな?」
「……どうやったんだ?」
隈が消えている。
良く見ると白っぽい粉が服に散っていて、単なる化粧だと分...
それからも幾つかの指摘を受けたギーシュは、サイトに頭を...
「……あれは……なんだ?」
「その……長期休暇ですから……その……」
シエスタかもじもじと説明しようとしていると、信じられな...
暫く眺めていると、ひとしきり怒ったモンモランシーと、怒...
「お、腕組んだ」
「……一緒に旅行とか……されるみたいですね」
「……じゃ、あの玄関に集まってる奴ら皆?」
「はい、虚無の週間は旅行者が多いですから、王都発のツアー...
ドラゴンとかグリフォンが沢山の旅行者を乗せて次々と飛び...
……まて……
「じゃ……あの二人……」
「こ、婚前旅行です……ね」
帰ってきたら、ギーシュに何をたかろう。
サイトは嫉妬の炎に包まれながら、人気の無い廊下をシエス...
728 名前:4/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 04:00:17 ID:hJ...
「さ、そろそろ部屋に戻りませんか?」
「うん……あー、俺たちも三人でどこか行く?」
ほとんどは同性のグループだったが、ちらほらと混ざるカッ...
シエスタに切り出した。
「……学院の生徒さんは良く旅行にいかれますけど……
メイドとか、仕事をしている者は皆のんびり過ごしてますよ。
サイトさんも最近は騎士隊で忙しいんですから、たまにはの...
隊長はついさっき旅行に行ったんだけどなぁ……
サイトはそう思いながらも、シエスタの勧めに従って休む事...
「あ、でも、サイトさんとなら……と、泊りがけで旅行でも……」
赤くなったサイトと、もっと赤いシエスタは、微妙な沈黙を...
ルイズが起き出すのを待った。
「……おはよう……」
「おはようございます、ミス・ヴァリエール」
「よう、ルイズ」
いつもと違ったのんびりした朝を楽しみながら、サイトはデ...
鞘から抜き放つとそのまま壁に立てかけた。
「おや、相棒、どーしたい」
「今日は休みらしいからな、デルフ。お互いのんびりしようか...
「……う、うれしーぜ、絶対そういう時俺の事忘れてるって……
そう思ってた俺を許してくれ、相棒」
四人でゆっくりとした時間を贅沢に使う。
ごろごろしたり、他愛ない話に興じたり、じゃれあったりし...
「しあわせだーね、相棒」
「そうだなー、デルフ」
「しあわせですねー」
「わ、悪くないわね」
授業や訓練に使っている時間とはまったく違う時間。
無駄な時間だと、
有意義に使うべきだと、
そう主張する者も居るだろうけれど。
「こーゆーのもいいよなぁ……」
楽な姿勢をとっていたサイトの手が、それぞれルイズとシエ...
目で会話した二人が勢い良くサイトに抱きつく。
「うわっ……ちょっ……なに?」
「ほら、ベットに行くわよ」
「のーんびりしましょうね」
両手を固定されたままベットに連れ込まれたサイトは、
微笑み合う少女達の間で、甘い時間を過ごしていく。
729 名前:5/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 04:00:53 ID:hJ...
二度寝……どころではなく、三度寝か、四度寝か……
浅い寝息を立てているルイズとシエスタを寝かせたまま、
サイトは食堂目掛けて移動していた。
「はら……へった……」
すっかり日が暮れて、朝とは別の意味で静かな廊下を進み、...
「うをっ……」
無人かと思われた食堂には1/3ほどの生徒が居た。
(な、なんでこんなに静かなんだ?)
不気味な沈黙に耐え切れなくなったサイトが、手早く食べ物...
サイトに声を掛ける者が居た。
「サイト!? どうして君が? ルイズやメイドとどこかに出...
マリコルヌが、その体格に負けない位目を丸くしていた。
「いや……どこにも行ってないよ、のんびり寝てた」
「そ、そうだよなっ、虚無の週間はのんびり寝るのこそ正しい...
サイトが居る事がよほど意外だったらしく、食堂に居るほぼ...
かなり居心地が悪い。
「……いや……俺が学院に居ちゃ駄目なのか?」
「そんな筈無いじゃないか、心友よ!」
さっきまでの静寂が嘘のように、明るい笑いが漏れ始めた食...
眠そうな目を擦りながらルイズが現れた。
「もー、サイト……起きたら居ないんだもん、心配したじゃない」
「あー、ルイズ悪い、良く寝てたから……」
「もぅ、シエスタもベットで待ってるから早く戻ってきなさい...
言いたい事を言ったルイズが引き返してから、
十分な食料を集め終わったサイトが部屋に帰ろうとすると、...
「マリコルヌ? なんだよ」
「……サイト……君は……部屋でのんびりしてるんだったよな?」
「あ……あぁ……」
「ルイズとメイドは?」
有無を言わせない迫力でサイトに詰め寄ったマリコルヌが、...
「え? 一緒だけど?」
サイトの声が食堂に響いた瞬間、食堂中の生徒が一斉に立ち...
異様な光景に戦くサイトの耳に、抑揚の無い声が響いた。
「「「「「「オマエモナカマダトオモッタノニ!!」」」」」」
「って、俺なんかしたかぁぁぁぁ」
……旅行も、デートも、予定の無い集団の真ん中で、空気の読...
鉄拳の雨によって、残りの虚無の週間を医務室で過ごすか、
逃げ延びるのか
……命がけの戦いが今……始まる……
終了行:
725 名前:1/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 03:58:41 ID:hJ...
この世界に来てから、目覚ましも無いのに自然に目が覚める。
地球にいた頃からは考えられない。
欠伸を噛み潰しながら目を開けると、珍しい事に二人ともま...
正確にはシエスタがまだ寝ているのが珍しい。
いつもなら、俺が起きるよりも先に目を覚ましているのに。
折角だから起き出そうかと思ったけど……
無理。
右手も左手も、ルイズとシエスタがそれぞれ抱きしめ……って……
(ふ、ふにふに…………)
……うん、起きられないんだから仕方ないよな。
どうしても緩む頬を引き締めながら、もう一度目を閉じる。
いい夢が見れそうだ。
…………と、大きい方の胸の感触が遠ざかった。
ちぇ
「…………んっ……うぅ……」
冷たい風が入らないように注意しながら布団を出たシエスタ...
……強調される大きな胸に、呼吸が止まった。色っぽいですシ...
ルイズが片手を押さえて居なかったら襲い掛かっていたかも...
「……ひゃっ……お、起きてらしたんですか、サイトさん」
伸びから復帰したシエスタが俺のほうを見た所為で、起きて...
穴が開きそうなほど見つめていたから、言い訳も出来ない。
「あ、ごめ……」
「わ、……だ、だめです、起きぬけなんか見ないでくださいっ」
……胸を見てたのは良いのか?
ルイズを起こさないように注意しながら布団を出て、
ぱたぱたと走り去るシエスタを追いかける。
「わあ、い、意地悪ですサイトさん」
「お、おはよう」
何でそんなに慌てるんだろう?
俺にはシエスタがいつもとどう違うのかよく分からないけど。
「い、いいから、せめて顔洗って着替えるまで待っててくださ...
まぁ……なんだか分からないけど待とう。
暫くその場で立っていると、いつもどおりの……
いや、いつもよりちょっとぽや〜んとした感じのシエスタが……
ゆったりとした部屋着で現れた。
(こ、これはこれで……いい)
「ごめんなさいサイトさん、起きるの遅くて、……虚無の週間だ...
……ん?
「虚無の週間?」
726 名前:2/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 03:59:12 ID:hJ...
聞きなれない言葉を聞き返すと、シエスタが笑いながら教え...
「そうですね、サイトさんはご存じ無いかもしれませんけど……
虚無の曜日が一週間続く感じです。
メイドも結構お休みいただいて……帰省しない者も、いつもよ...
ごめんなさい」
ゴールデンウィークみたいなものか?
でもそういう事なら、
「あー、シエスタも休んでたらいいのに」
貴重なシエスタの休日を俺が削っちゃったのかも。
ちょっと罪悪感。
「いいんですよ、わたしはサイトさんのお世話そするのが一番...
いつもお休みいただいているようなものですもの」
……それは楽しいのか?
「いや……でもなー」
渋る俺を見たシエスタが、俺を廊下に連れ出す。
「でしたら、少しお散歩しませんか?
虚無の週間の間位は、寝巻きで出歩いても怒られませんよ?」
寮の中だけですけど、そう言いながら手を引くシエスタに導...
ひんやりとした廊下を歩く。
「誰も居ない?」
「いいえ、……ほら、あそこ見てください」
何時もなら生徒でごった返す時間なのに、誰もいない廊下。
不安に成った俺にシエスタが示したのは正面玄関。
「……なんじゃありゃ」
「あはは」
静まり返った寮内とは別世界がそこに有った。
浮き立った表情で、二人若しくはそれ以上のグループを形成...
学院の生徒達なのだが、珍しい事に全員私服姿で、
それを見慣れていないサイトの目には奇妙なものに見えた。
「……あれ、何?」
「あれはですね……」
シエスタが答えようとした時、目の前のドアが勢い良く開い...
見慣れた顔が飛び出してきた。
「うあぁぁぁぁ、遅れてしまうぅぅぅ」
ギーシュ・ド・グラモン
サイトの悪友、いつも外見に気を使う筈の彼が、目に隈を作...
随分悩んだ末らしい私服姿で、開きっぱなしのドアの向こう...
727 名前:3/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 03:59:45 ID:hJ...
「ギーシュ」
「おぉサイト、おはよう」
見るからに物が詰め込まれている鞄を重そうに抱えながら、...
サイトの質問に答えかけていたシエスタは、ギーシュとの……...
一歩下がって様子を見ている。
「どこか行くのか?」
「あぁ、……その……虚無の週間だからね」
そわそわと窓の外を眺め、何かを探していたギーシュの目が...
見るからに安堵した。
気になったサイトがギーシュの視線をたどると、そこには見...
「モンモン?」
「……あ、ああ……その……皆には秘密にしておいてくれよ?」
「なんで?」
「……い、いいからっ……黙っててくれたまえ、親友」
真剣な表情に押されて思わず頷くと、ギーシュは持ち前の切...
「サイト、どこか変なところはないかな?」
「目に隈」
「うあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ」
部屋に飛び込んだギーシュが、数十秒後に出てくる。
「こ、これでどうかな?」
「……どうやったんだ?」
隈が消えている。
良く見ると白っぽい粉が服に散っていて、単なる化粧だと分...
それからも幾つかの指摘を受けたギーシュは、サイトに頭を...
「……あれは……なんだ?」
「その……長期休暇ですから……その……」
シエスタかもじもじと説明しようとしていると、信じられな...
暫く眺めていると、ひとしきり怒ったモンモランシーと、怒...
「お、腕組んだ」
「……一緒に旅行とか……されるみたいですね」
「……じゃ、あの玄関に集まってる奴ら皆?」
「はい、虚無の週間は旅行者が多いですから、王都発のツアー...
ドラゴンとかグリフォンが沢山の旅行者を乗せて次々と飛び...
……まて……
「じゃ……あの二人……」
「こ、婚前旅行です……ね」
帰ってきたら、ギーシュに何をたかろう。
サイトは嫉妬の炎に包まれながら、人気の無い廊下をシエス...
728 名前:4/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 04:00:17 ID:hJ...
「さ、そろそろ部屋に戻りませんか?」
「うん……あー、俺たちも三人でどこか行く?」
ほとんどは同性のグループだったが、ちらほらと混ざるカッ...
シエスタに切り出した。
「……学院の生徒さんは良く旅行にいかれますけど……
メイドとか、仕事をしている者は皆のんびり過ごしてますよ。
サイトさんも最近は騎士隊で忙しいんですから、たまにはの...
隊長はついさっき旅行に行ったんだけどなぁ……
サイトはそう思いながらも、シエスタの勧めに従って休む事...
「あ、でも、サイトさんとなら……と、泊りがけで旅行でも……」
赤くなったサイトと、もっと赤いシエスタは、微妙な沈黙を...
ルイズが起き出すのを待った。
「……おはよう……」
「おはようございます、ミス・ヴァリエール」
「よう、ルイズ」
いつもと違ったのんびりした朝を楽しみながら、サイトはデ...
鞘から抜き放つとそのまま壁に立てかけた。
「おや、相棒、どーしたい」
「今日は休みらしいからな、デルフ。お互いのんびりしようか...
「……う、うれしーぜ、絶対そういう時俺の事忘れてるって……
そう思ってた俺を許してくれ、相棒」
四人でゆっくりとした時間を贅沢に使う。
ごろごろしたり、他愛ない話に興じたり、じゃれあったりし...
「しあわせだーね、相棒」
「そうだなー、デルフ」
「しあわせですねー」
「わ、悪くないわね」
授業や訓練に使っている時間とはまったく違う時間。
無駄な時間だと、
有意義に使うべきだと、
そう主張する者も居るだろうけれど。
「こーゆーのもいいよなぁ……」
楽な姿勢をとっていたサイトの手が、それぞれルイズとシエ...
目で会話した二人が勢い良くサイトに抱きつく。
「うわっ……ちょっ……なに?」
「ほら、ベットに行くわよ」
「のーんびりしましょうね」
両手を固定されたままベットに連れ込まれたサイトは、
微笑み合う少女達の間で、甘い時間を過ごしていく。
729 名前:5/5[sage] 投稿日:2007/04/30(月) 04:00:53 ID:hJ...
二度寝……どころではなく、三度寝か、四度寝か……
浅い寝息を立てているルイズとシエスタを寝かせたまま、
サイトは食堂目掛けて移動していた。
「はら……へった……」
すっかり日が暮れて、朝とは別の意味で静かな廊下を進み、...
「うをっ……」
無人かと思われた食堂には1/3ほどの生徒が居た。
(な、なんでこんなに静かなんだ?)
不気味な沈黙に耐え切れなくなったサイトが、手早く食べ物...
サイトに声を掛ける者が居た。
「サイト!? どうして君が? ルイズやメイドとどこかに出...
マリコルヌが、その体格に負けない位目を丸くしていた。
「いや……どこにも行ってないよ、のんびり寝てた」
「そ、そうだよなっ、虚無の週間はのんびり寝るのこそ正しい...
サイトが居る事がよほど意外だったらしく、食堂に居るほぼ...
かなり居心地が悪い。
「……いや……俺が学院に居ちゃ駄目なのか?」
「そんな筈無いじゃないか、心友よ!」
さっきまでの静寂が嘘のように、明るい笑いが漏れ始めた食...
眠そうな目を擦りながらルイズが現れた。
「もー、サイト……起きたら居ないんだもん、心配したじゃない」
「あー、ルイズ悪い、良く寝てたから……」
「もぅ、シエスタもベットで待ってるから早く戻ってきなさい...
言いたい事を言ったルイズが引き返してから、
十分な食料を集め終わったサイトが部屋に帰ろうとすると、...
「マリコルヌ? なんだよ」
「……サイト……君は……部屋でのんびりしてるんだったよな?」
「あ……あぁ……」
「ルイズとメイドは?」
有無を言わせない迫力でサイトに詰め寄ったマリコルヌが、...
「え? 一緒だけど?」
サイトの声が食堂に響いた瞬間、食堂中の生徒が一斉に立ち...
異様な光景に戦くサイトの耳に、抑揚の無い声が響いた。
「「「「「「オマエモナカマダトオモッタノニ!!」」」」」」
「って、俺なんかしたかぁぁぁぁ」
……旅行も、デートも、予定の無い集団の真ん中で、空気の読...
鉄拳の雨によって、残りの虚無の週間を医務室で過ごすか、
逃げ延びるのか
……命がけの戦いが今……始まる……
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