ゼロの使い魔保管庫
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399 名前:翼よごらん[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 22:51:0...
日が傾くと共に、春の穏やかな日差しが徐々に黄昏の色に染...
「そろそろ今日は上がろうか」
父の声と共に家族皆が家の中に入ったあとも、少女は家の近...
もちろん、宗教的な儀式ではない。祖母が教えてくれた、一...
「お婆様、どうして東の空に向かって祈るの。東は怖いエルフ...
この行為について疑問に思い、口にしてみたことがある。す...
「昔ね、わたしの大切な人が東で姿を消してしまったの」
「死んじゃったの?」
「死んではいないわ。でも、ずっと遠くへ行ってしまったのね」
「大切な人なのに?」
「そうよ。その人も、わたし……いえ、わたしたちのことを大切...
「そんなのおかしいわ。それなのにどうして遠くへ行ってしま...
「そうね。その人はとても立派な人だったから。だからこそ、...
「よく分からない」
「そうかもしれないわね。でも、わたしたちはお互いのことを...
だからこそ、わたしたちも彼を止めなかったし、彼も私たち...
結局、祖母の理屈を理解することは出来ていない。。
ただ、東の空に向かってお祈りをするのには、そういう経緯...
だから、彼女は今日も祈る。東の空に向かって、祖母の大切...
「その人はとても強い人だったからね。きっと、わたしたちを...
祖母は、そんな風に言っていた。
いつもは祖母と共に捧げる祈りだが、今日は一人きりだ。
祖母は三日前ほどに何かの便りを受け取り、以来魂が抜けた...
今日は、祖母の回復を願って、いつもよりは具体的な祈りを...
燃えるような夕日の色を背負いながら、もう夜に沈み始めて...
400 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/05/13(...
ふと、何か聞きなれない音がした。顔を上げて、眉をひそめ...
何か、東の空から光るものが近づいてくる。最初は星に紛れ...
じょじょに大きさと力強さを増していき、最後には目を開けて...
そして、それはゆっくりと空から降りてきた。激しい音と風...
夕日を浴びて鈍く光っているのは、明らかに鋼鉄で出来てい...
竜ではない。その翼は真っ直ぐで、こんなものが今飛んでい...
だが、それは事実飛んでいたのだ。夕日の光を跳ね返し、も...
今は西の方を向いている鋼の竜から、不意に誰かが降りてき...
その老人は懐かしそうに周囲を見回してから、ふとこちらに...
「やあ小さなお嬢さん。驚かせてしまったすまんね」
そう言ったあと、不意に何かに驚いたように目を瞬いた。
「これは驚いた。お嬢さん、あんた、俺の知り合いにそっくり...
どう返していいか困惑するこちらのことなど気にもせず、老...
「ところでお嬢さん、あんたに聞きたいんだが、この名前に聞...
老人が口にしたのは、この国でも相当有名な貴族の名前であ...
黒髪の少女が頷くと、老人は興奮したように目を光らせて、...
「そうか、知っているか。それで、その領地はどっちの方向に...
嘘をつく必要も感じなかったので、黒髪の少女は西の方角を...
老人は暮れ行く空を見つめて、じっと目を細めた。その黒い...
老人は鋼の竜に近づき、何かが刻まれた左手で、その翼を愛...
「翼よ見ろ、あれが俺達の目指していた空だ。おお、今すぐに...
老人は元気に呟き、こちらに一つお礼を言って、また鋼鉄の...
再び凄まじい音と風を巻き起こしながら、鋼鉄の竜が重々し...
少しずつ小さくなりながら西の空に飛んでいくその影を見送...
祖母だった。今朝、魂が抜けたような状態で椅子に据わって...
手には、あの便りが握られていた。
「ああ、今、ひょっとして」
多分、祖母が聞いているのは先程の老人のことだろうと思っ...
祖母はその方向を見て、遠ざかる影を見つけて息を呑んだ。...
「ああ、あなたは約束通り帰ってきてくださった。でも、ほん...
肩を震わせて涙を流す祖母の背中越しに、黒髪の少女は西の...
もう日が完全に沈みかけて、夕暮れから宵闇へと移り変わろ...
東の夜空から飛んできた男が、今また、西の夜空へと消えて...
少女と祖母は、完全に見えなくなってしまうまで、そこに立...
終了行:
399 名前:翼よごらん[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 22:51:0...
日が傾くと共に、春の穏やかな日差しが徐々に黄昏の色に染...
「そろそろ今日は上がろうか」
父の声と共に家族皆が家の中に入ったあとも、少女は家の近...
もちろん、宗教的な儀式ではない。祖母が教えてくれた、一...
「お婆様、どうして東の空に向かって祈るの。東は怖いエルフ...
この行為について疑問に思い、口にしてみたことがある。す...
「昔ね、わたしの大切な人が東で姿を消してしまったの」
「死んじゃったの?」
「死んではいないわ。でも、ずっと遠くへ行ってしまったのね」
「大切な人なのに?」
「そうよ。その人も、わたし……いえ、わたしたちのことを大切...
「そんなのおかしいわ。それなのにどうして遠くへ行ってしま...
「そうね。その人はとても立派な人だったから。だからこそ、...
「よく分からない」
「そうかもしれないわね。でも、わたしたちはお互いのことを...
だからこそ、わたしたちも彼を止めなかったし、彼も私たち...
結局、祖母の理屈を理解することは出来ていない。。
ただ、東の空に向かってお祈りをするのには、そういう経緯...
だから、彼女は今日も祈る。東の空に向かって、祖母の大切...
「その人はとても強い人だったからね。きっと、わたしたちを...
祖母は、そんな風に言っていた。
いつもは祖母と共に捧げる祈りだが、今日は一人きりだ。
祖母は三日前ほどに何かの便りを受け取り、以来魂が抜けた...
今日は、祖母の回復を願って、いつもよりは具体的な祈りを...
燃えるような夕日の色を背負いながら、もう夜に沈み始めて...
400 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/05/13(...
ふと、何か聞きなれない音がした。顔を上げて、眉をひそめ...
何か、東の空から光るものが近づいてくる。最初は星に紛れ...
じょじょに大きさと力強さを増していき、最後には目を開けて...
そして、それはゆっくりと空から降りてきた。激しい音と風...
夕日を浴びて鈍く光っているのは、明らかに鋼鉄で出来てい...
竜ではない。その翼は真っ直ぐで、こんなものが今飛んでい...
だが、それは事実飛んでいたのだ。夕日の光を跳ね返し、も...
今は西の方を向いている鋼の竜から、不意に誰かが降りてき...
その老人は懐かしそうに周囲を見回してから、ふとこちらに...
「やあ小さなお嬢さん。驚かせてしまったすまんね」
そう言ったあと、不意に何かに驚いたように目を瞬いた。
「これは驚いた。お嬢さん、あんた、俺の知り合いにそっくり...
どう返していいか困惑するこちらのことなど気にもせず、老...
「ところでお嬢さん、あんたに聞きたいんだが、この名前に聞...
老人が口にしたのは、この国でも相当有名な貴族の名前であ...
黒髪の少女が頷くと、老人は興奮したように目を光らせて、...
「そうか、知っているか。それで、その領地はどっちの方向に...
嘘をつく必要も感じなかったので、黒髪の少女は西の方角を...
老人は暮れ行く空を見つめて、じっと目を細めた。その黒い...
老人は鋼の竜に近づき、何かが刻まれた左手で、その翼を愛...
「翼よ見ろ、あれが俺達の目指していた空だ。おお、今すぐに...
老人は元気に呟き、こちらに一つお礼を言って、また鋼鉄の...
再び凄まじい音と風を巻き起こしながら、鋼鉄の竜が重々し...
少しずつ小さくなりながら西の空に飛んでいくその影を見送...
祖母だった。今朝、魂が抜けたような状態で椅子に据わって...
手には、あの便りが握られていた。
「ああ、今、ひょっとして」
多分、祖母が聞いているのは先程の老人のことだろうと思っ...
祖母はその方向を見て、遠ざかる影を見つけて息を呑んだ。...
「ああ、あなたは約束通り帰ってきてくださった。でも、ほん...
肩を震わせて涙を流す祖母の背中越しに、黒髪の少女は西の...
もう日が完全に沈みかけて、夕暮れから宵闇へと移り変わろ...
東の夜空から飛んできた男が、今また、西の夜空へと消えて...
少女と祖母は、完全に見えなくなってしまうまで、そこに立...
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