ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
「…決めた」
シエスタがヴァリエール邸に押しかけてきた次の日。
肘関節を脱臼して右腕を三角巾で吊られている才人に『あーん...
「あら、婚約は時機尚早だとようやく悟りました?」
『サイトさんのメイドでいます』とか言いながら、やっぱり虎...
あにいってんのよ婚約は決定事項なの、いい加減諦めたらどう...
「で、何を決めたんだよ?」
シエスタの上に馬乗りになって、お互いの髪を引っ掴んで引っ...
それに合わせたようにシエスタも動きを止める。
そしてルイズは言った。
「…お父様に報告するわ。
姉様たちのことも、シエスタのことも含めてぜーんぶ、ね」
才人の顔から血の気が一気に引く。
今となっては二人の新居の目の前となった、湖での一件が思い...
やばいまずい俺殺される。
「あら、そんなことしたら一直線に婚約破棄ですわね♪
やっぱりサイトさんには私のような大き目の」
「だまんなさいこのバカ乳娘」
「ぐえ」
シエスタの口を手で塞ぐと、ルイズはシエスタの頭を床に押し...
シエスタはもがもがと暴れるが、何故かルイズの手を振りほど...
そしてルイズは、才人から顔を逸らしながら言う。
「い、言っとくけど婚約は破棄なんかしないかんね!
わ、私の経歴にそんな傷付けられちゃたまったもんじゃない...
い、いいこと、お父様に報告するのは、アンタを反省させる...
婚約破棄なんか絶対しないんだから!分かってる?」
才人からは見えなかったが、下に組み敷かれているシエスタか...
ほんと、こういう見栄っ張りな所直せばもう少し可愛げもある...
#br
#br
そして舞台はヴァリエール本邸。
ルイズの申し出により、ヴァリエール家の一同がその食堂に勢...
まだ細かい事情を知らないヴァリエール公爵は才人と逢うなり...
才人が三角巾で腕を吊っている事はあまり気にしていないよう...
その公爵が最も上座の席に座り、その右側に公爵夫人、その隣...
そして公爵夫人の対面にルイズが掛け、その下座に才人、その...
前菜が運ばれてくると、ヴァリエール公爵が口を開いた。
「で、何だねルイズ、家族みんなで話し合いたい事とは」
ルイズは呼吸を整え、そして目の前に座る姉二人に、まるで敵...
二人はその視線に、エレオノールは赤くなって目を逸らし、カ...
そして、空気を全く読まずに才人の口に前菜を運ぶメイドにガ...
ルイズは事の次第を話し始めたのだった。できるだけそういう...
そしてルイズが話し終わると、公爵は眉間に皺を寄せ、その皺...
「なるほど…」
はぁ、と公爵は深いため息をつく。
心なしか怒りを抑えているようにも見える。
死んだ。俺死んだ。絶対死んだ。
さようならお母様。才人は日本から説く離れた地で星になりま...
そしてルイズ。短い間だったけど、幸せだったぜ…。
才人は天を仰ぎ、涙する。
「サイトさんっ?どうしたんですかサイトさんっ?」
急に泣き出した才人にシエスタが声を掛けるが、才人は聞いて...
シエスタ…君にも、世話になったっけなぁ…。
「エレオノール。例え研究に必要だからといって、妹の婚約者...
「は、はい、お父様…」
しかし。
才人の想像とは裏腹に、公爵の言葉は、なんとエレオノールに...
「ちょ、ちょっと、お父様っ?」
ルイズは思わず立ち上がり、公爵に食って掛かる。
しかし公爵は涼しい顔で応える。
「ルイズは黙っていなさい。
エレオノールは単に研究のために、婿殿から採取を行った。...
「え、ええ…そうです」
赤くなって俯きながら、エレオノールはそう応える。
驚いてエレオノールを見つめる才人と、ちらりと顔を上げて、...
ぽんっ、と音を立てそうな勢いで真っ赤になって、エレオノー...
え、なに?今の反応なに?
メガネ美人のお姉さんが俺の方見て赤くなってるよ?つか軽く...
さっきまで死を覚悟していた人間とは思えないほどデレった顔...
その二人の間に流れるなんだからストロベリィな空気に、ルイ...
そうして才人の方を見ていると、同じように苦虫を噛み潰して...
そしてルイズがこくん、と頷くと、シエスタは涼しい顔で。
ぶぎゅる。
「いだっ…!」
思い切り才人のつま先を踏み潰した。
才人は必死に声を抑え、シエスタにあにすんだよ、と視線を送...
三人がそうしている間にも、公爵は話を進めていく。
「そしてカトレア。元気になったというのは本当かね?」
「はい、お父様♪」
公爵の質問ににっこりと答え、カトレアは懐に隠していた杖を...
すると、食べ終わった前菜の皿がふわりと浮き上がり、控えて...
「この通り、カトレアは元気になりました」
以前なら気軽に魔法など使えないカトレアだったが、今は魔法...
「でも…」
不意に、カトレアの表情が曇る。
そして続ける。
「定期的に『お薬』を摂取しないと、ダメみたいなんです」
「そ、そうなのか?」
「はい」
もちろん『お薬』というのは才人の精液なのだが、直接的な表...
「そういうわけでルイズ、定期的にサイト殿をお借りする事に...
言って笑顔をルイズに向けるカトレア。その笑顔には一切他意...
「え、あの、その」
一瞬戸惑うルイズであったが、カトレアの笑顔に思わず。
「い、いいけど…」
そしてその返答を聞くなり、カトレアは才人の方を振り向く。
「と、いうわけでこれからもよろしくお願いしますね、サイト...
にっこり笑うカトレアにつられて、だらしなくにへらと才人も...
ルイズが親指で首を掻き切るジェスチャーをすると、シエスタ...
「げほ!げほ!」
咳き込む才人に全員の視線が集まるが、その時にはシエスタは...
さらに公爵は続ける。
「で、だ。そこに控えるメイドとのことだが」
その言葉にシエスタは一瞬ぎくりとする。
そしてルイズに、私たち友達ですよね、見捨てたりしませんよ...
あにいってんのよ誰が友達よこの淫乱メイド、屋敷の外に放り...
しかしルイズの思惑は見事に外れる事となる。
公爵はにっこり笑って言ったのだった。
「英雄色を好む、というではないか。
妾の一人や二人、いて当たり前だよ。なあ婿殿?」
そして才人にウインクなどする。
正直親父のウインクなど気持ち悪いものでしかなかったが、才...
公爵は気をよくしたのか、席を立ってすたすたと才人の所まで...
「なぁに、わしも若い頃はぶいぶい言わしたもんだ。
婿殿はまだ大人しいほうじゃて。わしの若い頃なんぞ妻と同...
その瞬間。
ばこん!とすごい音を立てて、食堂の大テーブルが揺れた。
公爵夫人が犯人だった。
公爵夫人はゆらりと立ち上がると、満面の笑顔を公爵に向けた。
それと同時に三姉妹の喉がごくりと鳴る。
公爵夫人は、にっこり笑いながら言った。
「あなた。すこぉしお話したいことがございます。
ちょっと外出ろやゴルァ」
笑顔のまますごい迫力でそう言って、ものすごい黒いオーラを...
ぱたん…とあまりにも静かに食堂の扉が閉じ、公爵夫人の姿をか...
公爵は才人の肩を抱いたまま真っ青な顔で固まっている。
そして、部屋の扉の外から大音声が響いた。
『駆けあーーーーーーしッ!』
「い、いえす、まむ!」
真っ青な顔のまま、公爵は駆け足で妻を追った。
一瞬で静かになった食堂で、給仕達が何事もなかったかのよう...
三姉妹は全員そろってほう、とため息をついた後、気を取り直...
才人は呆気に取られ、何も言葉が出ない。
そんな才人に、ルイズは警告する。
「食べておいたほうがいいわよ」
そしてそれにエレオノールがメインディッシュの鴨肉にナイフ...
「これから、長時間の公開処刑が始まるから」
カトレアはあらあら困ったわ、という顔をしていたが、すぐに...
「部屋と温室のお花たちに、水やりをお願いねジェローム。あ...
「かしこまりました、お嬢様」
才人は我に帰ると、ルイズに尋ねた。
「も、もしかして、このウチで一番怖いのって…」
「母様よ。間違っても逆らわないようになさいサイト。
あと早めにソレ片付けたほうがいいわよ。たぶんあと半日は...
そう言うルイズの皿の上は、すでにつけ合わせの温野菜が残る...
そして才人は慌てて皿の上の料理に手を出そうとする。
その瞬間。
ばたぁん!と物凄い音を立てて扉が開く。
そこから現れたのは。
騎士装束に身を固めた公爵夫人と、その手に吊り下げられてぼ...
「さてそれでは」
にっこり笑いながら公爵夫人は。
「家族会議を始めましょうか♪」
公開処刑の開始を告げたのだった。
#br
#br
結局、家族会議は公爵の過去のおいたを散々暴き立てる事に終...
別邸に戻ったルイズと才人は、疲れきってベッドに横になる。
「つ、疲れた…」
「あ、あんな荒れた母様初めて見たわ…」
仲良くベッドに伸びきって二人は同時にため息をつく。
そしてルイズは気付く。
「あー!アンタの処遇をどうするか忘れてたじゃないのっ!」
言って才人の鼻先にびしっ!と指を突きつける。
「ま、まあいいじゃないか、婚約破棄にならなかっただけ」
「そうです、ありがたいと思わないと」
いつの間にかベッドに腰掛けていたシエスタが才人に続ける。
「なんであんたまだ居るのよ!出て行きなさいよ!」
「私はサイトさんのメイドですっ!サイトさんがお暇を出さな...
掴みかかるルイズに、あっかんべーで応えてシエスタは言う。
そのまま、二人は取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった。
才人はベッドの上で、大の字になって思った。
結局、変わらないまんまかぁ。
ため息をついて、喧嘩を続ける婚約者とメイドを眺めて、才人...
これから始まる、苦難の日々を想像すらせずに。
〜つづく
終了行:
「…決めた」
シエスタがヴァリエール邸に押しかけてきた次の日。
肘関節を脱臼して右腕を三角巾で吊られている才人に『あーん...
「あら、婚約は時機尚早だとようやく悟りました?」
『サイトさんのメイドでいます』とか言いながら、やっぱり虎...
あにいってんのよ婚約は決定事項なの、いい加減諦めたらどう...
「で、何を決めたんだよ?」
シエスタの上に馬乗りになって、お互いの髪を引っ掴んで引っ...
それに合わせたようにシエスタも動きを止める。
そしてルイズは言った。
「…お父様に報告するわ。
姉様たちのことも、シエスタのことも含めてぜーんぶ、ね」
才人の顔から血の気が一気に引く。
今となっては二人の新居の目の前となった、湖での一件が思い...
やばいまずい俺殺される。
「あら、そんなことしたら一直線に婚約破棄ですわね♪
やっぱりサイトさんには私のような大き目の」
「だまんなさいこのバカ乳娘」
「ぐえ」
シエスタの口を手で塞ぐと、ルイズはシエスタの頭を床に押し...
シエスタはもがもがと暴れるが、何故かルイズの手を振りほど...
そしてルイズは、才人から顔を逸らしながら言う。
「い、言っとくけど婚約は破棄なんかしないかんね!
わ、私の経歴にそんな傷付けられちゃたまったもんじゃない...
い、いいこと、お父様に報告するのは、アンタを反省させる...
婚約破棄なんか絶対しないんだから!分かってる?」
才人からは見えなかったが、下に組み敷かれているシエスタか...
ほんと、こういう見栄っ張りな所直せばもう少し可愛げもある...
#br
#br
そして舞台はヴァリエール本邸。
ルイズの申し出により、ヴァリエール家の一同がその食堂に勢...
まだ細かい事情を知らないヴァリエール公爵は才人と逢うなり...
才人が三角巾で腕を吊っている事はあまり気にしていないよう...
その公爵が最も上座の席に座り、その右側に公爵夫人、その隣...
そして公爵夫人の対面にルイズが掛け、その下座に才人、その...
前菜が運ばれてくると、ヴァリエール公爵が口を開いた。
「で、何だねルイズ、家族みんなで話し合いたい事とは」
ルイズは呼吸を整え、そして目の前に座る姉二人に、まるで敵...
二人はその視線に、エレオノールは赤くなって目を逸らし、カ...
そして、空気を全く読まずに才人の口に前菜を運ぶメイドにガ...
ルイズは事の次第を話し始めたのだった。できるだけそういう...
そしてルイズが話し終わると、公爵は眉間に皺を寄せ、その皺...
「なるほど…」
はぁ、と公爵は深いため息をつく。
心なしか怒りを抑えているようにも見える。
死んだ。俺死んだ。絶対死んだ。
さようならお母様。才人は日本から説く離れた地で星になりま...
そしてルイズ。短い間だったけど、幸せだったぜ…。
才人は天を仰ぎ、涙する。
「サイトさんっ?どうしたんですかサイトさんっ?」
急に泣き出した才人にシエスタが声を掛けるが、才人は聞いて...
シエスタ…君にも、世話になったっけなぁ…。
「エレオノール。例え研究に必要だからといって、妹の婚約者...
「は、はい、お父様…」
しかし。
才人の想像とは裏腹に、公爵の言葉は、なんとエレオノールに...
「ちょ、ちょっと、お父様っ?」
ルイズは思わず立ち上がり、公爵に食って掛かる。
しかし公爵は涼しい顔で応える。
「ルイズは黙っていなさい。
エレオノールは単に研究のために、婿殿から採取を行った。...
「え、ええ…そうです」
赤くなって俯きながら、エレオノールはそう応える。
驚いてエレオノールを見つめる才人と、ちらりと顔を上げて、...
ぽんっ、と音を立てそうな勢いで真っ赤になって、エレオノー...
え、なに?今の反応なに?
メガネ美人のお姉さんが俺の方見て赤くなってるよ?つか軽く...
さっきまで死を覚悟していた人間とは思えないほどデレった顔...
その二人の間に流れるなんだからストロベリィな空気に、ルイ...
そうして才人の方を見ていると、同じように苦虫を噛み潰して...
そしてルイズがこくん、と頷くと、シエスタは涼しい顔で。
ぶぎゅる。
「いだっ…!」
思い切り才人のつま先を踏み潰した。
才人は必死に声を抑え、シエスタにあにすんだよ、と視線を送...
三人がそうしている間にも、公爵は話を進めていく。
「そしてカトレア。元気になったというのは本当かね?」
「はい、お父様♪」
公爵の質問ににっこりと答え、カトレアは懐に隠していた杖を...
すると、食べ終わった前菜の皿がふわりと浮き上がり、控えて...
「この通り、カトレアは元気になりました」
以前なら気軽に魔法など使えないカトレアだったが、今は魔法...
「でも…」
不意に、カトレアの表情が曇る。
そして続ける。
「定期的に『お薬』を摂取しないと、ダメみたいなんです」
「そ、そうなのか?」
「はい」
もちろん『お薬』というのは才人の精液なのだが、直接的な表...
「そういうわけでルイズ、定期的にサイト殿をお借りする事に...
言って笑顔をルイズに向けるカトレア。その笑顔には一切他意...
「え、あの、その」
一瞬戸惑うルイズであったが、カトレアの笑顔に思わず。
「い、いいけど…」
そしてその返答を聞くなり、カトレアは才人の方を振り向く。
「と、いうわけでこれからもよろしくお願いしますね、サイト...
にっこり笑うカトレアにつられて、だらしなくにへらと才人も...
ルイズが親指で首を掻き切るジェスチャーをすると、シエスタ...
「げほ!げほ!」
咳き込む才人に全員の視線が集まるが、その時にはシエスタは...
さらに公爵は続ける。
「で、だ。そこに控えるメイドとのことだが」
その言葉にシエスタは一瞬ぎくりとする。
そしてルイズに、私たち友達ですよね、見捨てたりしませんよ...
あにいってんのよ誰が友達よこの淫乱メイド、屋敷の外に放り...
しかしルイズの思惑は見事に外れる事となる。
公爵はにっこり笑って言ったのだった。
「英雄色を好む、というではないか。
妾の一人や二人、いて当たり前だよ。なあ婿殿?」
そして才人にウインクなどする。
正直親父のウインクなど気持ち悪いものでしかなかったが、才...
公爵は気をよくしたのか、席を立ってすたすたと才人の所まで...
「なぁに、わしも若い頃はぶいぶい言わしたもんだ。
婿殿はまだ大人しいほうじゃて。わしの若い頃なんぞ妻と同...
その瞬間。
ばこん!とすごい音を立てて、食堂の大テーブルが揺れた。
公爵夫人が犯人だった。
公爵夫人はゆらりと立ち上がると、満面の笑顔を公爵に向けた。
それと同時に三姉妹の喉がごくりと鳴る。
公爵夫人は、にっこり笑いながら言った。
「あなた。すこぉしお話したいことがございます。
ちょっと外出ろやゴルァ」
笑顔のまますごい迫力でそう言って、ものすごい黒いオーラを...
ぱたん…とあまりにも静かに食堂の扉が閉じ、公爵夫人の姿をか...
公爵は才人の肩を抱いたまま真っ青な顔で固まっている。
そして、部屋の扉の外から大音声が響いた。
『駆けあーーーーーーしッ!』
「い、いえす、まむ!」
真っ青な顔のまま、公爵は駆け足で妻を追った。
一瞬で静かになった食堂で、給仕達が何事もなかったかのよう...
三姉妹は全員そろってほう、とため息をついた後、気を取り直...
才人は呆気に取られ、何も言葉が出ない。
そんな才人に、ルイズは警告する。
「食べておいたほうがいいわよ」
そしてそれにエレオノールがメインディッシュの鴨肉にナイフ...
「これから、長時間の公開処刑が始まるから」
カトレアはあらあら困ったわ、という顔をしていたが、すぐに...
「部屋と温室のお花たちに、水やりをお願いねジェローム。あ...
「かしこまりました、お嬢様」
才人は我に帰ると、ルイズに尋ねた。
「も、もしかして、このウチで一番怖いのって…」
「母様よ。間違っても逆らわないようになさいサイト。
あと早めにソレ片付けたほうがいいわよ。たぶんあと半日は...
そう言うルイズの皿の上は、すでにつけ合わせの温野菜が残る...
そして才人は慌てて皿の上の料理に手を出そうとする。
その瞬間。
ばたぁん!と物凄い音を立てて扉が開く。
そこから現れたのは。
騎士装束に身を固めた公爵夫人と、その手に吊り下げられてぼ...
「さてそれでは」
にっこり笑いながら公爵夫人は。
「家族会議を始めましょうか♪」
公開処刑の開始を告げたのだった。
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結局、家族会議は公爵の過去のおいたを散々暴き立てる事に終...
別邸に戻ったルイズと才人は、疲れきってベッドに横になる。
「つ、疲れた…」
「あ、あんな荒れた母様初めて見たわ…」
仲良くベッドに伸びきって二人は同時にため息をつく。
そしてルイズは気付く。
「あー!アンタの処遇をどうするか忘れてたじゃないのっ!」
言って才人の鼻先にびしっ!と指を突きつける。
「ま、まあいいじゃないか、婚約破棄にならなかっただけ」
「そうです、ありがたいと思わないと」
いつの間にかベッドに腰掛けていたシエスタが才人に続ける。
「なんであんたまだ居るのよ!出て行きなさいよ!」
「私はサイトさんのメイドですっ!サイトさんがお暇を出さな...
掴みかかるルイズに、あっかんべーで応えてシエスタは言う。
そのまま、二人は取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった。
才人はベッドの上で、大の字になって思った。
結局、変わらないまんまかぁ。
ため息をついて、喧嘩を続ける婚約者とメイドを眺めて、才人...
これから始まる、苦難の日々を想像すらせずに。
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