ゼロの使い魔保管庫
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785 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/0...
よう。俺っちだよ俺っち。俺俺。
シャイでおしゃまなキューピッド、デルフリンガー、六千とん...
…いや、モノローグで自己紹介する時はこう言ったほうがウケが...
まあとにかく。
今日も今日とて俺っちは相棒にほっぽられて、部屋の隅で鞘に...
…いやいいんだけどね?何百年もこの状態だったこともあるし、...
いいかげん使ってくんないと泣いちゃうぞ。女の子だもん。
いや冗談だがな。
…しっかしヒマだねえ。最近まともな戦闘もなくて、相棒も素振...
その相棒は、毎晩夜の戦闘で大忙しっぽいが。
…だから言ったのに、娘っこに手を出したらフラグの大連鎖が始...
必死に運命がフラグから逃げようとしていたのに、うかつに転...
あ、このへんはデルリンガー教授著『必然と偶然の連鎖』で詳...
いや冗談だがな。
…あーもー、マジでヒマだ。このまま力蓄えてラスボスになっち...
そうやって俺が暇を持て余していると。
ぎぃ。
扉を開く音が聞こえた。
でもまあ俺っちには縁のない話で…。
どうせ今日もまた、痴話喧嘩か濡れ場かの二択なんだからな。
ホントダレかどうにかしてくんないかね、あのバカップルども。
なんて思ってると。
あれ?足音が俺っちによってくるぞ?
この音は…虚無の娘っこだな。
…なんか嫌な予感。
すらっ。
久しぶりに引き抜かれた俺っちは、虚無の娘っこと対面する。
786 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/0...
「なんの用だね、嬢ちゃん」
まー、だいたい相棒絡みだってのは想像つくけどねえ。一応、...
「ちょっと、相談に乗らせてあげるわ。ありがたく思いなさい...
…言うに事欠いて『錆び包丁』かい。
よっぽど気に食わねえ事でもあったんかいな?
「どーした?またあのメイドが胸で相棒の頭でもサンドイッチ...
「そーよ!なぁにが『今日は私の誕生日だからサイトさんを好...
サイトもサイトよ!思い切り鼻の下伸ばして!」
図星かいな。
「で、今度は何を企んでる?」
そう俺っちが促すと、虚無の娘っこは我に返った。
「企んでるなんて人聞きが悪いわね。
私はちょっと、サイトに贈り物をしようと思っただけよ」
娘っこの言う事には。
相棒はこっちの日付を知らないんで、こっちの世界に召喚され...
んでもって、そのついでに贈り物をするんだと。
べ、べつにサイトが喜ぶ必要なんかないんだけど、貴族として...
なんて言ってた。
まーようするに、相棒の誕生日を祝いたいんだけど、どうすれ...
で、俺っちと娘っこはあーでもない、こーでもないと議論を繰...
正直、武器屋の倉庫で眠ってた数十年よりこの議論の方が長か...
俺っちがまあいけてんじゃね?と思ったのが、次の三つ。
『今日はアナタがご主人様にゃん!メイドでネコミミ大作戦』
『プレゼントはわ・た・し♪お色気突撃正面吶喊作戦』
『べ、べつにアンタのために選んだわけじゃないんだからね!...
ちなみに作戦名は俺っちの独断と偏見によるものだから抗議は...
…まあはっきり言って、相棒は普通に嬢ちゃんが祝ってくれるだ...
どうしたもんかね。
857 :ハッピーバスデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07/...
あーだこーだ言いながら、結局ルイズが選んだ作戦は。
『べ、べつにアンタのために選んだわけじゃないんだからね!...
「…なんか作戦名がものすごくアレなんだけど」
眉をしかめながら、ルイズはデルフリンガーにそう言う。
デルフリンガーは気にも留めずに、言い返す。
「いやだって。お前さんの作戦内容聞いてるとこうとしか」
その作戦内容とは。
常日頃から私の使い魔として働いているサイトの誕生日(仮)...
サイトの誕生日(仮)だからそういうことするわけじゃないの。
ただほらそのアレよ。たまには労ってあげないと、使い魔もや...
そうよ、あくまでこれは、私に仕えているサイトのメリットで...
本来感謝されるべきは私なわけ。
そういうことらしい。
「妥当な作戦名だと思うがなあ」
デルフリンガーは呆れたように言って、そして。
がっしゃん!
勢いよく鞘に収められた。
「全く、だからデリカシーのない剣って嫌いなのよ」
そう文句を垂れるルイズだったが、世の中にデリカシーという...
「さてと」
言ってルイズは踵を返し、部屋の外へと向かう。
才人に与える、贈り物を買うためだ。
「さあ、覚悟なさいサイト。いっぱいお礼言ってもらうんだか...
既に当初の目的とはかなりずれた場所に向かっているルイズで...
859 :ハッピーバスデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07/...
まずは、モノがなくちゃ話になんないので。
私は馬で町へやってきた。
さて、何を買おうかしら。
私は通りを歩きながら、サイトの喜びそうなものを考える。
やっぱサイト剣士だし。ソレ関係がいいかしら。
武器はデルフリンガーがあるからいらないわよね。だとしたら...
防具ってなにがいいのかしら…。
鎧?だめだめ、重すぎるわ。持って帰れないじゃない。
盾はどうかしら?小型のならなんとかなるかも。
…よく考えたら、私防具の良し悪しなんてわかんないじゃない…。
それに、アイツってば一応騎士サマなんだし、官給品で防具ぐ...
変更変更。
私に見立てが出来るもので、アイツが喜びそうなものにしなき...
服?装飾品?
服…服はねえ…。正直、男物の服なんてあんんまり気にしてない...
女物ならわかるけど…。でもサイトにドレス…。いいかも。やっ...
じゃなくて!
やっぱり装飾品かしらね。
小さくても高級感があって。サイトもそうそう買えないだろう...
私はそう決めると、馬を繋ぐ場所を探し始めた。
すると。
「あれ?ルイズちゃんじゃないの」
どこかで聞いた声が、私にかけられた。
そこにいたのは、黒髪で長髪の町娘。
…誰だっけ。
「…私よ私。『魅惑の妖精亭』の」
あー、ジェニファーだっけ?
「ジェシカよジェシカっ!」
…あーそーいやそーだったっけ。
登場回数少ないから忘れてた。てへっ♪
「あのねえ。失礼にもほどがあるわよ…。
まあいいわ。今日は何の用事?よかったら付き合うけど?」
…そうだ。
彼女なら、イロイロ男が喜ぶ贈り物とか知ってそう。
流行のものにも詳しそうだし。
「ちょうどよかったわジェシカ。買い物付き合ってくれない?」
私はジェシカに買い物の付き添いを頼んだのだった。
17 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
「なるほどねえ。サイトに贈り物をねえ」
言ってジェシカは『へーえ、ふーん、やっぱりそうなんだあ』...
今二人が居るのは、軽食を採れる食堂。
とりあえず買い物の前に腹ごしらえをしようということで、手...
ちなみに魅惑の妖精亭はまだ開店前なので、食事を採る事はで...
ルイズは赤い顔で紅茶を飲みながら、
「な、なによ。主人としての義務を果たすだけよ。悪い?」
ぷい、とそっぽを向いてしまう。
ジェシカは面白い見世物でも見ているような顔で、そんな」ル...
「そんな義務だけでわざわざ町にまで出向いて贈り物選ぶのぉ?
貴族ってずいぶんヒマなのねえ」
「ひ、ヒマってわけじゃ」
「じゃーなにー?ヒマじゃないんだったらどうしてそんな手間...
「えう」
「なぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃ?」
ニヤニヤ顔でルイズに擦り寄りながら、ジェシカは詰め寄る。
そんなジェシカをルイズは乱暴に振り払い、
「い、いいから!とにかく品物選ぶの付き合いなさい!」
言い放って一気に紅茶を飲み干し。
「!えほ!えほ!」
勢いよく熱い紅茶を飲んでしまったので、思い切り咽てしまっ...
そして、二人は宝飾品の店の並ぶ通りにやってきた。
「やっぱ、王道としては指輪かしらね」
指輪の看板を掲げた店の前で、ジェシカはそう言う。
ルイズはジェシカのその言葉に、慌てて両手を振って否定する。
「だ、だだだだだだだダメよ指輪は!な、なんか本気っぽいで...
ジェシカは何言ってんのコイツ、という呆れ顔をして、言った。
「何を今更。っていうか本気じゃないの?」
「いやそれは言葉のあやっていうか!ていうか、指輪は普通男...
真っ赤な顔でそう言い訳するルイズ。
ジェシカはふーんそういう考え方もあるのか、と取りあえず納...
18 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
それじゃあ、とジェシカは次の候補を考える。
「ネックレスとかは?」
「どうだろ…」
ジェシカの指差した方にあったのは、ネックレスの飾られたシ...
ルイズはうーん、と唸りながらそこに並べられた品物を見る。
そのどれもこれもが、宝石をメインに置いた、パーティ用と見...
「なんか、いまいち。それにサイトはこういうの喜ばないと思...
なんだか手詰まりの雰囲気に、二人は顔を見合わせて、うーん...
ジェシカはなんとなく辺りを見回す。
その目に、通りの端の店の、猫の顔を模した看板の店に入って...
「あ、そうだ思い出した!」
ぽん、と手を叩いて、ジェシカはルイズに向き直る。
「あそこの店で売ってる耳飾り、今すっごい人気なのよ!それ...
ルイズはそれを聞いて、不満そうな顔をする。
「えー?耳飾りって…」
不満そうなルイズに、ジェシカは続ける。
「あれ、カップルに人気なのよ?」
カップル、という単語にルイズの耳がぴくん、と動く。
「詳しく聞きましょうか、その話」
19 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
そして次の日。
才人が日課の素振りを終えて、ルイズの部屋に帰ってくると。
「お、おかえり」
珍しい事に、ルイズが居た。しかも、才人がドアの前に立った...
ちなみに、授業が終わるのは才人の日課の素振りが終わるより...
だから才人は、ルイズが帰ってくるまでに掃除や洗濯の片付け...
さらに才人の驚いた事には。
部屋が、なんだか妙に飾り付けされているのだ。
「な、なに?なんかあったの?」
思わず才人は驚いて、そう尋ねる。
ルイズは少し頬を染めて、もじもじしながら言った。
「え、えっとね」
そして、言いよどむ。
が、がんばれ私!ちゃんと言わなきゃ伝わんないわよ!ただで...
「きょ、今日はね、あのね、そのね」
指など絡ませながら、必死に声を絞り出すが、上手くいかない。
そんなルイズの視界の隅に、才人の為に買ってきた、贈り物の...
…そうよ、何のために準備したっていうのよ…!
ルイズは息を吸い込んで、意を決して、言った。
「た、誕生日おめでとう、サイト」
「へ?」
才人の目が点になる。
それも当然といえば当然だろう。才人は自分の誕生日が、ハル...
目を点にして止まっている才人に、ルイズは。
「こっちの日付じゃちがうかも知れないけど、アンタが召喚さ...
だ、だからこっちでのサイトの誕生日は今日!そういうわけ...
言い切って、真っ赤な顔のまま俯く。
そんなルイズに才人は、素直に感動してしまう。
ルイズ、俺の為にそんな…!
そして思わず感極まって、ルイズを抱き締めてしまう。
「ちょ、な、なにしてんのよ…」
それでも嫌な気はせず、ルイズは才人のされるがままになる。
才人はルイズを抱き締めたまま、彼女の耳元で囁いた。
「ありがとう、ルイズ。嬉しいよ」
その言葉に、ルイズの胸がきゅーん、と締め付けられる。
「ば、ばか、べ、べつに大したことじゃないわよ…」
思わず照れてそう返してしまう。そしてルイズは意を決する。
よ、よーし。
20 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
ルイズは顔を上げると、体を離して、才人に言った。
「あ、あのね、誕生日プレゼントがあるんだけど」
そしてとてて、と才人からは死角になっている場所に置いてあ...
「こ、これ…」
ルイズの差し出したその包みを、才人は受け取る。
「あ、ありがと」
ルイズが俺に誕生日プレゼントなんて、明日世界が滅びるんじ...
そして、ルイズに尋ねる。
「開けていい?」
「い、いいに決まってるじゃないの!さっさと開けなさい!」
言ってルイズはそっぽを向く。
さ、さあ、こっからが本番だわ…!
ルイズの期待を知ってか知らずか、才人は包みを開け、中から...
才人はそのうちの、大きなほうを開ける。
その中には、綺麗な円形を象った、銀製と思われる耳飾りが一...
もう片方は…?
才人は気になって、もう一つも開けてみる。
その中には、同じような円形の、耳飾りがこれまた一個だけ入...
よく見ると大きさと色が微妙に違っており、大きなほうはサイ...
小さなほうは大きなほうに比べて二周りほどサイズが小さく、...
なんで耳飾りを二つに分けて包む必要があるんだろう?
当然の事ながら、才人は疑問に感じていた。
この耳飾りの名称は、『双月の耳飾り』という。
ジェシカによれば、最近トリスタニアの町娘の間で流行ってい...
そしてこの耳飾りには、特殊な加工が施されている。
ルイズは、二つの箱を持て余している才人に、振り向いて説明...
「あのね、サイト。それは『双月の耳飾り』って言ってね。男...
ちょっと、顔が赤くなっていた。
そして、続ける。
「つ、着けてみて…」
「うん」
才人は言われるがまま、自分の左側の耳にそれを着ける。
ちょうど、銀の円盤との付け根が、隠れるようになった。
21 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
ルイズはそれを見て、才人の傍に寄っていくと、才人を見上げ...
「ほら…私にも」
言ってルイズは目を閉じる。
まるでキスをせがんでいるようにも見えるが、さすがの才人も...
自分と同じように、耳飾りをつけようと、ルイズの左側の耳に...
「あ、そっちじゃないわよ」
ルイズはそう言って、才人の手を取って自分の右耳に誘導する。
才人はルイズの言うまま、右の耳に小さな耳飾りを着ける。
ルイズは嬉しそうににっこり笑うと、言った。
「サイト、似合ってる」
うは。かわええ。
毎回素直にこういう笑顔を見せてくれれば、俺的にベストなん...
「でもさ、なんでこれ片方ずつなんだ?」
ルイズはその質問に、少し赤くなって、才人の胸板を軽く押し...
「教えてあげるから、ちょっとベッドに掛けなさい」
え?ナニ?やっぱエロいことにつかうわけ?などと不埒な事を...
「で、でね、こうするの…」
ルイズは才人の左側にちょこん、と掛けると、才人に寄り添う...
すると。
かちん。
小さな音をたてて、二つの耳飾りの円が、まるで双つの月が寄...
ルイズはそのまま、町でジェシカに聞いた説明をそのまま口に...
「あ、あのね、この耳飾りは特殊な金属でできてて、対になっ...
「へ、へえ」
な、なんつーバカップル御用達アイテム。
なんて考えている自分がそのバカップルの片割れだと重々承知...
その片割れのルイズは嬉しそうに才人の肩に擦り寄っている。
なんかこうしていると、すっごい幸せな気分…。
ルイズはこのままこうしていたかったが、しかしそうもいかな...
22 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
いきなり才人が、ルイズの両肩を掴んで、ベッドにルイズを押...
「ちょ、サイトいきなりなにすんのよ!」
「いやあ、可愛いルイズ見てたらガマンきかなくなってきてさ...
こんだけ盛り上がってれば、ちょっとくらいエロいことしても...
今までの経験則から、そう判断した才人であった。
そしてそれは果たして。
「ば、ばかぁ…」
才人の下敷きになりながらも、赤くなりながら抵抗する素振り...
才人はそのまま、ルイズの顎をつまんで自分の方を向かせると...
すると。
かちん!
左耳の横で、互いに正対した耳飾りが、今度は重なってくっつ...
ちょうどそれは、双つの月が重なる、『蝕』に似ていた。
そういえば、この『蝕』のカタチになるのが、一番理想なんだ...
なんて思ってると。
才人はルイズが抵抗しないのをいい事に、今度はお尻のあたり...
ルイズは慌てて唇を離し、抗議する。
それと同時に、くっついていた耳飾りも離れてしまう。
「ちょ、何やって…!」
「まー自然な流れで。正直このままだと収まりつきませんし」
才人はにやりと笑うと、今度は調子に乗ってルイズの上着のボ...
ルイズは最初、抵抗しようと思ったが。
…まあ、いっか。誕生日だし大目に見ましょ。
とは思ったものの、好き勝手に身体の上を這い回る才人の手に...
ルイズは何を思ったか、才人の首をぎゅっ!と抱き締めると、...
かちん!
再び、二人の『双月の耳飾り』が、一つになる。
23 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
「ど、どしたのルイズ?」
ひょっとして機嫌そこねちゃいましたか、などと才人が不安に...
「好きにしていいけど。絶対に耳飾り離しちゃダメだかんね」
「え、だってそんな、しにくいだろ」
「反論は却下。このまましないと怒るかんね」
言って今度は、ルイズの方から才人に口付けをする。
そして、耳飾りをくっつけたまま唇を離すと、言った。
「このままだったら、何してもいいから…ね?」
吐息が混じりあうほど密着した空間で、ルイズは才人の首を捉...
…しょーがねーなー。
「わかりましたよ、ご主人様」
言って才人は、そのまま手探りでルイズの胸を撫で回す。
「うん…そう…それでいいの…」
漏れる吐息と言の葉が、いつもと違う官能を、才人に呼び起こ...
こーいうのも、たまにはアリかもですね!
才人は首をロックされたまま、今度はルイズの下半身に手を伸...
このままでは、ショーツを下ろすことはできないので。
才人は器用に指でショーツを引っ張ると、ルイズを外気に晒し...
ルイズもそれを感じたのか、一瞬ぴくん!と震えたが、目の前...
「いいよ…そのままきて…」
才人はそのままルイズの唇を塞ぐと、それと同時に自分自身で...
ルイズはぎゅっと才人を抱き締め、そして舌を才人の口内に差...
才人は侵攻してきた小さな舌を嘗め回し、そして腰を打ち付け...
ルイズはそんな才人の腰を足で挟み込み、より深く彼を咥え込...
密着しきった身体と身体が絡み合い、唾液と汗と性液が交じり...
息をすることすらままならない密着した空間で、二人は徐々に...
やがて才人の動きが早まり、限界を知らせる。
ルイズはそんな才人の身体を逃がすまいとより強く抱き締める。
二人の耳元で、耳飾りが繋がったまま揺れる。そして。
ぎゅぅっ!どくどくどくっ!
お互いに塞いだ唇のせいで声も上げず、二人は達したのだった。
24 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
ひととおり行為が終わると、サイトは寝てしまった。
結局あのあと、耳飾りをくっつけたまんまじゃ不便だったんで...
そして今、耳飾りは箱に入れられて、ベッド脇の円卓の上に載...
あのあと、サイトが
『この耳飾りってさ、ずっとしてないとダメなわけ?』
とか聞いてきた。もちろん私はずっとしてないとダメ、って応...
『でもさ、ずっとしてるとその…冷やかされない?』
とか言ってきた。たしかに、おそろいの耳飾りなんかしてたら...
…今でも、時々モンモランシーとかにネタにされるのに。
だから結局、この耳飾りは二人でいるときだけ、することにし...
できるだけ、この耳飾りが離れないようにするのが、その時二...
…な、なんかちょっと恥ずかしいけど。でも。
やっぱり、こういうのは、形が大事よね。
私は、隣でアホみたいに口を開けて眠る才人をちらっと見て、...
そして、私は双つの月に願う。
ずっと、この耳飾りが、一緒にいられますように…。〜fin
終了行:
785 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/0...
よう。俺っちだよ俺っち。俺俺。
シャイでおしゃまなキューピッド、デルフリンガー、六千とん...
…いや、モノローグで自己紹介する時はこう言ったほうがウケが...
まあとにかく。
今日も今日とて俺っちは相棒にほっぽられて、部屋の隅で鞘に...
…いやいいんだけどね?何百年もこの状態だったこともあるし、...
いいかげん使ってくんないと泣いちゃうぞ。女の子だもん。
いや冗談だがな。
…しっかしヒマだねえ。最近まともな戦闘もなくて、相棒も素振...
その相棒は、毎晩夜の戦闘で大忙しっぽいが。
…だから言ったのに、娘っこに手を出したらフラグの大連鎖が始...
必死に運命がフラグから逃げようとしていたのに、うかつに転...
あ、このへんはデルリンガー教授著『必然と偶然の連鎖』で詳...
いや冗談だがな。
…あーもー、マジでヒマだ。このまま力蓄えてラスボスになっち...
そうやって俺が暇を持て余していると。
ぎぃ。
扉を開く音が聞こえた。
でもまあ俺っちには縁のない話で…。
どうせ今日もまた、痴話喧嘩か濡れ場かの二択なんだからな。
ホントダレかどうにかしてくんないかね、あのバカップルども。
なんて思ってると。
あれ?足音が俺っちによってくるぞ?
この音は…虚無の娘っこだな。
…なんか嫌な予感。
すらっ。
久しぶりに引き抜かれた俺っちは、虚無の娘っこと対面する。
786 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/0...
「なんの用だね、嬢ちゃん」
まー、だいたい相棒絡みだってのは想像つくけどねえ。一応、...
「ちょっと、相談に乗らせてあげるわ。ありがたく思いなさい...
…言うに事欠いて『錆び包丁』かい。
よっぽど気に食わねえ事でもあったんかいな?
「どーした?またあのメイドが胸で相棒の頭でもサンドイッチ...
「そーよ!なぁにが『今日は私の誕生日だからサイトさんを好...
サイトもサイトよ!思い切り鼻の下伸ばして!」
図星かいな。
「で、今度は何を企んでる?」
そう俺っちが促すと、虚無の娘っこは我に返った。
「企んでるなんて人聞きが悪いわね。
私はちょっと、サイトに贈り物をしようと思っただけよ」
娘っこの言う事には。
相棒はこっちの日付を知らないんで、こっちの世界に召喚され...
んでもって、そのついでに贈り物をするんだと。
べ、べつにサイトが喜ぶ必要なんかないんだけど、貴族として...
なんて言ってた。
まーようするに、相棒の誕生日を祝いたいんだけど、どうすれ...
で、俺っちと娘っこはあーでもない、こーでもないと議論を繰...
正直、武器屋の倉庫で眠ってた数十年よりこの議論の方が長か...
俺っちがまあいけてんじゃね?と思ったのが、次の三つ。
『今日はアナタがご主人様にゃん!メイドでネコミミ大作戦』
『プレゼントはわ・た・し♪お色気突撃正面吶喊作戦』
『べ、べつにアンタのために選んだわけじゃないんだからね!...
ちなみに作戦名は俺っちの独断と偏見によるものだから抗議は...
…まあはっきり言って、相棒は普通に嬢ちゃんが祝ってくれるだ...
どうしたもんかね。
857 :ハッピーバスデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07/...
あーだこーだ言いながら、結局ルイズが選んだ作戦は。
『べ、べつにアンタのために選んだわけじゃないんだからね!...
「…なんか作戦名がものすごくアレなんだけど」
眉をしかめながら、ルイズはデルフリンガーにそう言う。
デルフリンガーは気にも留めずに、言い返す。
「いやだって。お前さんの作戦内容聞いてるとこうとしか」
その作戦内容とは。
常日頃から私の使い魔として働いているサイトの誕生日(仮)...
サイトの誕生日(仮)だからそういうことするわけじゃないの。
ただほらそのアレよ。たまには労ってあげないと、使い魔もや...
そうよ、あくまでこれは、私に仕えているサイトのメリットで...
本来感謝されるべきは私なわけ。
そういうことらしい。
「妥当な作戦名だと思うがなあ」
デルフリンガーは呆れたように言って、そして。
がっしゃん!
勢いよく鞘に収められた。
「全く、だからデリカシーのない剣って嫌いなのよ」
そう文句を垂れるルイズだったが、世の中にデリカシーという...
「さてと」
言ってルイズは踵を返し、部屋の外へと向かう。
才人に与える、贈り物を買うためだ。
「さあ、覚悟なさいサイト。いっぱいお礼言ってもらうんだか...
既に当初の目的とはかなりずれた場所に向かっているルイズで...
859 :ハッピーバスデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07/...
まずは、モノがなくちゃ話になんないので。
私は馬で町へやってきた。
さて、何を買おうかしら。
私は通りを歩きながら、サイトの喜びそうなものを考える。
やっぱサイト剣士だし。ソレ関係がいいかしら。
武器はデルフリンガーがあるからいらないわよね。だとしたら...
防具ってなにがいいのかしら…。
鎧?だめだめ、重すぎるわ。持って帰れないじゃない。
盾はどうかしら?小型のならなんとかなるかも。
…よく考えたら、私防具の良し悪しなんてわかんないじゃない…。
それに、アイツってば一応騎士サマなんだし、官給品で防具ぐ...
変更変更。
私に見立てが出来るもので、アイツが喜びそうなものにしなき...
服?装飾品?
服…服はねえ…。正直、男物の服なんてあんんまり気にしてない...
女物ならわかるけど…。でもサイトにドレス…。いいかも。やっ...
じゃなくて!
やっぱり装飾品かしらね。
小さくても高級感があって。サイトもそうそう買えないだろう...
私はそう決めると、馬を繋ぐ場所を探し始めた。
すると。
「あれ?ルイズちゃんじゃないの」
どこかで聞いた声が、私にかけられた。
そこにいたのは、黒髪で長髪の町娘。
…誰だっけ。
「…私よ私。『魅惑の妖精亭』の」
あー、ジェニファーだっけ?
「ジェシカよジェシカっ!」
…あーそーいやそーだったっけ。
登場回数少ないから忘れてた。てへっ♪
「あのねえ。失礼にもほどがあるわよ…。
まあいいわ。今日は何の用事?よかったら付き合うけど?」
…そうだ。
彼女なら、イロイロ男が喜ぶ贈り物とか知ってそう。
流行のものにも詳しそうだし。
「ちょうどよかったわジェシカ。買い物付き合ってくれない?」
私はジェシカに買い物の付き添いを頼んだのだった。
17 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
「なるほどねえ。サイトに贈り物をねえ」
言ってジェシカは『へーえ、ふーん、やっぱりそうなんだあ』...
今二人が居るのは、軽食を採れる食堂。
とりあえず買い物の前に腹ごしらえをしようということで、手...
ちなみに魅惑の妖精亭はまだ開店前なので、食事を採る事はで...
ルイズは赤い顔で紅茶を飲みながら、
「な、なによ。主人としての義務を果たすだけよ。悪い?」
ぷい、とそっぽを向いてしまう。
ジェシカは面白い見世物でも見ているような顔で、そんな」ル...
「そんな義務だけでわざわざ町にまで出向いて贈り物選ぶのぉ?
貴族ってずいぶんヒマなのねえ」
「ひ、ヒマってわけじゃ」
「じゃーなにー?ヒマじゃないんだったらどうしてそんな手間...
「えう」
「なぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃ?」
ニヤニヤ顔でルイズに擦り寄りながら、ジェシカは詰め寄る。
そんなジェシカをルイズは乱暴に振り払い、
「い、いいから!とにかく品物選ぶの付き合いなさい!」
言い放って一気に紅茶を飲み干し。
「!えほ!えほ!」
勢いよく熱い紅茶を飲んでしまったので、思い切り咽てしまっ...
そして、二人は宝飾品の店の並ぶ通りにやってきた。
「やっぱ、王道としては指輪かしらね」
指輪の看板を掲げた店の前で、ジェシカはそう言う。
ルイズはジェシカのその言葉に、慌てて両手を振って否定する。
「だ、だだだだだだだダメよ指輪は!な、なんか本気っぽいで...
ジェシカは何言ってんのコイツ、という呆れ顔をして、言った。
「何を今更。っていうか本気じゃないの?」
「いやそれは言葉のあやっていうか!ていうか、指輪は普通男...
真っ赤な顔でそう言い訳するルイズ。
ジェシカはふーんそういう考え方もあるのか、と取りあえず納...
18 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
それじゃあ、とジェシカは次の候補を考える。
「ネックレスとかは?」
「どうだろ…」
ジェシカの指差した方にあったのは、ネックレスの飾られたシ...
ルイズはうーん、と唸りながらそこに並べられた品物を見る。
そのどれもこれもが、宝石をメインに置いた、パーティ用と見...
「なんか、いまいち。それにサイトはこういうの喜ばないと思...
なんだか手詰まりの雰囲気に、二人は顔を見合わせて、うーん...
ジェシカはなんとなく辺りを見回す。
その目に、通りの端の店の、猫の顔を模した看板の店に入って...
「あ、そうだ思い出した!」
ぽん、と手を叩いて、ジェシカはルイズに向き直る。
「あそこの店で売ってる耳飾り、今すっごい人気なのよ!それ...
ルイズはそれを聞いて、不満そうな顔をする。
「えー?耳飾りって…」
不満そうなルイズに、ジェシカは続ける。
「あれ、カップルに人気なのよ?」
カップル、という単語にルイズの耳がぴくん、と動く。
「詳しく聞きましょうか、その話」
19 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
そして次の日。
才人が日課の素振りを終えて、ルイズの部屋に帰ってくると。
「お、おかえり」
珍しい事に、ルイズが居た。しかも、才人がドアの前に立った...
ちなみに、授業が終わるのは才人の日課の素振りが終わるより...
だから才人は、ルイズが帰ってくるまでに掃除や洗濯の片付け...
さらに才人の驚いた事には。
部屋が、なんだか妙に飾り付けされているのだ。
「な、なに?なんかあったの?」
思わず才人は驚いて、そう尋ねる。
ルイズは少し頬を染めて、もじもじしながら言った。
「え、えっとね」
そして、言いよどむ。
が、がんばれ私!ちゃんと言わなきゃ伝わんないわよ!ただで...
「きょ、今日はね、あのね、そのね」
指など絡ませながら、必死に声を絞り出すが、上手くいかない。
そんなルイズの視界の隅に、才人の為に買ってきた、贈り物の...
…そうよ、何のために準備したっていうのよ…!
ルイズは息を吸い込んで、意を決して、言った。
「た、誕生日おめでとう、サイト」
「へ?」
才人の目が点になる。
それも当然といえば当然だろう。才人は自分の誕生日が、ハル...
目を点にして止まっている才人に、ルイズは。
「こっちの日付じゃちがうかも知れないけど、アンタが召喚さ...
だ、だからこっちでのサイトの誕生日は今日!そういうわけ...
言い切って、真っ赤な顔のまま俯く。
そんなルイズに才人は、素直に感動してしまう。
ルイズ、俺の為にそんな…!
そして思わず感極まって、ルイズを抱き締めてしまう。
「ちょ、な、なにしてんのよ…」
それでも嫌な気はせず、ルイズは才人のされるがままになる。
才人はルイズを抱き締めたまま、彼女の耳元で囁いた。
「ありがとう、ルイズ。嬉しいよ」
その言葉に、ルイズの胸がきゅーん、と締め付けられる。
「ば、ばか、べ、べつに大したことじゃないわよ…」
思わず照れてそう返してしまう。そしてルイズは意を決する。
よ、よーし。
20 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
ルイズは顔を上げると、体を離して、才人に言った。
「あ、あのね、誕生日プレゼントがあるんだけど」
そしてとてて、と才人からは死角になっている場所に置いてあ...
「こ、これ…」
ルイズの差し出したその包みを、才人は受け取る。
「あ、ありがと」
ルイズが俺に誕生日プレゼントなんて、明日世界が滅びるんじ...
そして、ルイズに尋ねる。
「開けていい?」
「い、いいに決まってるじゃないの!さっさと開けなさい!」
言ってルイズはそっぽを向く。
さ、さあ、こっからが本番だわ…!
ルイズの期待を知ってか知らずか、才人は包みを開け、中から...
才人はそのうちの、大きなほうを開ける。
その中には、綺麗な円形を象った、銀製と思われる耳飾りが一...
もう片方は…?
才人は気になって、もう一つも開けてみる。
その中には、同じような円形の、耳飾りがこれまた一個だけ入...
よく見ると大きさと色が微妙に違っており、大きなほうはサイ...
小さなほうは大きなほうに比べて二周りほどサイズが小さく、...
なんで耳飾りを二つに分けて包む必要があるんだろう?
当然の事ながら、才人は疑問に感じていた。
この耳飾りの名称は、『双月の耳飾り』という。
ジェシカによれば、最近トリスタニアの町娘の間で流行ってい...
そしてこの耳飾りには、特殊な加工が施されている。
ルイズは、二つの箱を持て余している才人に、振り向いて説明...
「あのね、サイト。それは『双月の耳飾り』って言ってね。男...
ちょっと、顔が赤くなっていた。
そして、続ける。
「つ、着けてみて…」
「うん」
才人は言われるがまま、自分の左側の耳にそれを着ける。
ちょうど、銀の円盤との付け根が、隠れるようになった。
21 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
ルイズはそれを見て、才人の傍に寄っていくと、才人を見上げ...
「ほら…私にも」
言ってルイズは目を閉じる。
まるでキスをせがんでいるようにも見えるが、さすがの才人も...
自分と同じように、耳飾りをつけようと、ルイズの左側の耳に...
「あ、そっちじゃないわよ」
ルイズはそう言って、才人の手を取って自分の右耳に誘導する。
才人はルイズの言うまま、右の耳に小さな耳飾りを着ける。
ルイズは嬉しそうににっこり笑うと、言った。
「サイト、似合ってる」
うは。かわええ。
毎回素直にこういう笑顔を見せてくれれば、俺的にベストなん...
「でもさ、なんでこれ片方ずつなんだ?」
ルイズはその質問に、少し赤くなって、才人の胸板を軽く押し...
「教えてあげるから、ちょっとベッドに掛けなさい」
え?ナニ?やっぱエロいことにつかうわけ?などと不埒な事を...
「で、でね、こうするの…」
ルイズは才人の左側にちょこん、と掛けると、才人に寄り添う...
すると。
かちん。
小さな音をたてて、二つの耳飾りの円が、まるで双つの月が寄...
ルイズはそのまま、町でジェシカに聞いた説明をそのまま口に...
「あ、あのね、この耳飾りは特殊な金属でできてて、対になっ...
「へ、へえ」
な、なんつーバカップル御用達アイテム。
なんて考えている自分がそのバカップルの片割れだと重々承知...
その片割れのルイズは嬉しそうに才人の肩に擦り寄っている。
なんかこうしていると、すっごい幸せな気分…。
ルイズはこのままこうしていたかったが、しかしそうもいかな...
22 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
いきなり才人が、ルイズの両肩を掴んで、ベッドにルイズを押...
「ちょ、サイトいきなりなにすんのよ!」
「いやあ、可愛いルイズ見てたらガマンきかなくなってきてさ...
こんだけ盛り上がってれば、ちょっとくらいエロいことしても...
今までの経験則から、そう判断した才人であった。
そしてそれは果たして。
「ば、ばかぁ…」
才人の下敷きになりながらも、赤くなりながら抵抗する素振り...
才人はそのまま、ルイズの顎をつまんで自分の方を向かせると...
すると。
かちん!
左耳の横で、互いに正対した耳飾りが、今度は重なってくっつ...
ちょうどそれは、双つの月が重なる、『蝕』に似ていた。
そういえば、この『蝕』のカタチになるのが、一番理想なんだ...
なんて思ってると。
才人はルイズが抵抗しないのをいい事に、今度はお尻のあたり...
ルイズは慌てて唇を離し、抗議する。
それと同時に、くっついていた耳飾りも離れてしまう。
「ちょ、何やって…!」
「まー自然な流れで。正直このままだと収まりつきませんし」
才人はにやりと笑うと、今度は調子に乗ってルイズの上着のボ...
ルイズは最初、抵抗しようと思ったが。
…まあ、いっか。誕生日だし大目に見ましょ。
とは思ったものの、好き勝手に身体の上を這い回る才人の手に...
ルイズは何を思ったか、才人の首をぎゅっ!と抱き締めると、...
かちん!
再び、二人の『双月の耳飾り』が、一つになる。
23 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
「ど、どしたのルイズ?」
ひょっとして機嫌そこねちゃいましたか、などと才人が不安に...
「好きにしていいけど。絶対に耳飾り離しちゃダメだかんね」
「え、だってそんな、しにくいだろ」
「反論は却下。このまましないと怒るかんね」
言って今度は、ルイズの方から才人に口付けをする。
そして、耳飾りをくっつけたまま唇を離すと、言った。
「このままだったら、何してもいいから…ね?」
吐息が混じりあうほど密着した空間で、ルイズは才人の首を捉...
…しょーがねーなー。
「わかりましたよ、ご主人様」
言って才人は、そのまま手探りでルイズの胸を撫で回す。
「うん…そう…それでいいの…」
漏れる吐息と言の葉が、いつもと違う官能を、才人に呼び起こ...
こーいうのも、たまにはアリかもですね!
才人は首をロックされたまま、今度はルイズの下半身に手を伸...
このままでは、ショーツを下ろすことはできないので。
才人は器用に指でショーツを引っ張ると、ルイズを外気に晒し...
ルイズもそれを感じたのか、一瞬ぴくん!と震えたが、目の前...
「いいよ…そのままきて…」
才人はそのままルイズの唇を塞ぐと、それと同時に自分自身で...
ルイズはぎゅっと才人を抱き締め、そして舌を才人の口内に差...
才人は侵攻してきた小さな舌を嘗め回し、そして腰を打ち付け...
ルイズはそんな才人の腰を足で挟み込み、より深く彼を咥え込...
密着しきった身体と身体が絡み合い、唾液と汗と性液が交じり...
息をすることすらままならない密着した空間で、二人は徐々に...
やがて才人の動きが早まり、限界を知らせる。
ルイズはそんな才人の身体を逃がすまいとより強く抱き締める。
二人の耳元で、耳飾りが繋がったまま揺れる。そして。
ぎゅぅっ!どくどくどくっ!
お互いに塞いだ唇のせいで声も上げず、二人は達したのだった。
24 :ハッピーバースデー・トゥ・ユウ ◆mQKcT9WQPM :2007/07...
ひととおり行為が終わると、サイトは寝てしまった。
結局あのあと、耳飾りをくっつけたまんまじゃ不便だったんで...
そして今、耳飾りは箱に入れられて、ベッド脇の円卓の上に載...
あのあと、サイトが
『この耳飾りってさ、ずっとしてないとダメなわけ?』
とか聞いてきた。もちろん私はずっとしてないとダメ、って応...
『でもさ、ずっとしてるとその…冷やかされない?』
とか言ってきた。たしかに、おそろいの耳飾りなんかしてたら...
…今でも、時々モンモランシーとかにネタにされるのに。
だから結局、この耳飾りは二人でいるときだけ、することにし...
できるだけ、この耳飾りが離れないようにするのが、その時二...
…な、なんかちょっと恥ずかしいけど。でも。
やっぱり、こういうのは、形が大事よね。
私は、隣でアホみたいに口を開けて眠る才人をちらっと見て、...
そして、私は双つの月に願う。
ずっと、この耳飾りが、一緒にいられますように…。〜fin
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