ゼロの使い魔保管庫
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474 :名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:28:38 ID:G3...
「貴族が魔法使えないなんてありえなくない?」
「下級貴族ならまだしもヴァリエール家の名前もってるのにね...
「きゃはは♪正直、学園来ていみあんの?ってね」
廊下を歩いていたらそんなことを聞いた。
私は魔法が使えない。
毎日魔法の練習をしている。
昨日は『アイスニードル』を必死に木に向かって唱え続けた。...
でも出来ない。
出てくるのは訳のわからない爆風だけで氷なんて一つもできな...
周りからクスクス笑いが聞こえる。
毎日本を読んでいる。
図書館の初歩的な魔法に関する本をすべて読破し、いくつかは...
昨日は『連金』の基本概念について書いてある本を読みなおし...
物質自体の元となっているものの形を理解し、変換するものの...
概念は理解できた。
ためしに土を青銅に変えようとしてみた。もう何度もやって、...
それでも次は成功するかもしれない。そう信じて呪文を唱える。
でも出来ない。
地面に穴が空いた。
「この穴開けたのだれだ?まさか誰かさんが魔法を使おうとし...
「いやいや、この学園に初歩的な連金すらも出来ない魔法使い...
「だよなーそんな魔法使いいるわけないよなぁ〜」
気にしない。
「やぁゼロ。魔法の調子はどうだい?」
「昨日の大穴でなにを作ったんだい?」
無視。こんな奴ら相手にしたってしかたがない。
私はヴァリエ−ル家の三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラ...
周りの人間は全員敵だ。だれも信じない。
「友達なんか…いらないんだから」
少しだけ視界が滲んだ。
475 :名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:29:16 ID:G3...
馬鹿な平民が現れた。
そいつは変な服、変な顔。
貴族がなにかもわかってなかったし、おまけに「俺はこの世界...
こいつが自分の使い魔だという。やっぱり私はゼロだ。
でも自分より何もできない人間ができてくれた。
せっかく手に入れた自分が見下せる人間。これまでさんざん見...
私はそいつをこき使った。掃除、洗濯、身の回りのことすべて...
逃げ出したければ逃げ出せばいい。
これは期間限定の優越感。生まれ以外平民と大差ない自分が人...
こんな気持ちはこの男が逃げだすまでだけでいい。
ある日、その男が貴族と喧嘩をすると言い出した。
間違いなく男が死ぬ。自分が最初から『逃げてもいい』と言わ...
自分の我儘で人が死ぬ。そんなのは絶対に嫌だ。だから止めた...
「メイジだが貴族だがしんねえけどよ。お前ら揃いも揃って威...
一度吹っ飛ばされながらもそんなことを、貴族に向かって吐い...
うれしかった。とってもうれしかった。
魔法っていう大きな力に負けたのに。でも立った。魔法なんか...
一番誰かに言って欲しかった言葉だった。
彼はまた何度も殴られた。右腕は変な方向に折れ曲がり、顔は...
でも立った。
「お願い。もう止めて」
まだ謝ってない。あなたを自分のイライラのはけ口にしたこと...
それでも彼は立った。そして…
「ま、参った」
私の代わりに魔法に勝ってくれた。
それからも私は彼をこき使った。
彼がいつ自分のもとを去ってもいいように。
自分から「どこへ行ってもいい」だなんて言えない。
だってあったかいから。人といるのはあったかいから。
自分から手放すなんてこともう出来ないから。
事件がおきた。
学院秘宝の杖が盗まれてしまった。
私は杖の奪還に立候補した。
他にも二人の女の子が立候補。
ゴーレムに襲われた。
大きい大きい、私どころか他の二人のメイジも勝てないくらい...
それでも立ち向かう。彼だって勝てたんだ。
私だって勝ちたい。彼みたいに立ち向かえばきっと…
ボンボン
ダメだった。まるで意味がなかった。
私はやっぱりゼロのルイズだ…
あいつみたいにはなれない…
ゴーレムの腕が私を潰そうとしたとき。
『死ぬ気か!お前!』
また彼が救ってくれた
だからね。あなたが望むことならなんでも叶える。
それが私からのお礼。
終了行:
474 :名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:28:38 ID:G3...
「貴族が魔法使えないなんてありえなくない?」
「下級貴族ならまだしもヴァリエール家の名前もってるのにね...
「きゃはは♪正直、学園来ていみあんの?ってね」
廊下を歩いていたらそんなことを聞いた。
私は魔法が使えない。
毎日魔法の練習をしている。
昨日は『アイスニードル』を必死に木に向かって唱え続けた。...
でも出来ない。
出てくるのは訳のわからない爆風だけで氷なんて一つもできな...
周りからクスクス笑いが聞こえる。
毎日本を読んでいる。
図書館の初歩的な魔法に関する本をすべて読破し、いくつかは...
昨日は『連金』の基本概念について書いてある本を読みなおし...
物質自体の元となっているものの形を理解し、変換するものの...
概念は理解できた。
ためしに土を青銅に変えようとしてみた。もう何度もやって、...
それでも次は成功するかもしれない。そう信じて呪文を唱える。
でも出来ない。
地面に穴が空いた。
「この穴開けたのだれだ?まさか誰かさんが魔法を使おうとし...
「いやいや、この学園に初歩的な連金すらも出来ない魔法使い...
「だよなーそんな魔法使いいるわけないよなぁ〜」
気にしない。
「やぁゼロ。魔法の調子はどうだい?」
「昨日の大穴でなにを作ったんだい?」
無視。こんな奴ら相手にしたってしかたがない。
私はヴァリエ−ル家の三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラ...
周りの人間は全員敵だ。だれも信じない。
「友達なんか…いらないんだから」
少しだけ視界が滲んだ。
475 :名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:29:16 ID:G3...
馬鹿な平民が現れた。
そいつは変な服、変な顔。
貴族がなにかもわかってなかったし、おまけに「俺はこの世界...
こいつが自分の使い魔だという。やっぱり私はゼロだ。
でも自分より何もできない人間ができてくれた。
せっかく手に入れた自分が見下せる人間。これまでさんざん見...
私はそいつをこき使った。掃除、洗濯、身の回りのことすべて...
逃げ出したければ逃げ出せばいい。
これは期間限定の優越感。生まれ以外平民と大差ない自分が人...
こんな気持ちはこの男が逃げだすまでだけでいい。
ある日、その男が貴族と喧嘩をすると言い出した。
間違いなく男が死ぬ。自分が最初から『逃げてもいい』と言わ...
自分の我儘で人が死ぬ。そんなのは絶対に嫌だ。だから止めた...
「メイジだが貴族だがしんねえけどよ。お前ら揃いも揃って威...
一度吹っ飛ばされながらもそんなことを、貴族に向かって吐い...
うれしかった。とってもうれしかった。
魔法っていう大きな力に負けたのに。でも立った。魔法なんか...
一番誰かに言って欲しかった言葉だった。
彼はまた何度も殴られた。右腕は変な方向に折れ曲がり、顔は...
でも立った。
「お願い。もう止めて」
まだ謝ってない。あなたを自分のイライラのはけ口にしたこと...
それでも彼は立った。そして…
「ま、参った」
私の代わりに魔法に勝ってくれた。
それからも私は彼をこき使った。
彼がいつ自分のもとを去ってもいいように。
自分から「どこへ行ってもいい」だなんて言えない。
だってあったかいから。人といるのはあったかいから。
自分から手放すなんてこともう出来ないから。
事件がおきた。
学院秘宝の杖が盗まれてしまった。
私は杖の奪還に立候補した。
他にも二人の女の子が立候補。
ゴーレムに襲われた。
大きい大きい、私どころか他の二人のメイジも勝てないくらい...
それでも立ち向かう。彼だって勝てたんだ。
私だって勝ちたい。彼みたいに立ち向かえばきっと…
ボンボン
ダメだった。まるで意味がなかった。
私はやっぱりゼロのルイズだ…
あいつみたいにはなれない…
ゴーレムの腕が私を潰そうとしたとき。
『死ぬ気か!お前!』
また彼が救ってくれた
だからね。あなたが望むことならなんでも叶える。
それが私からのお礼。
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