ゼロの使い魔保管庫
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595 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
シルフィードは、その日、森の中でお昼寝をしていた。
最近、学院の外の森で人間の姿で昼寝するのが、彼女のお気に...
この人の来ない森の中なら、ハダカでいても誰も文句はいわな...
竜の姿で昼寝してもいいのだが、なにせ竜の姿は場所をとる。
さらに、人の姿はいいこともあった。
丁度人の姿で寝転ぶと、ベッドになる大きさの岩があったのだ。
この上にハダカで寝ると、とっても涼しいのだ。
「ひゃっこいのね、キモチイイのね」
その日も、近くでかき集めた果物を手に、シルフィードはご満...
シルフィードが、とっておきのりんごにかぶりつこうとしたそ...
ぴゅいーっ。
シルフィードの耳に、聞き慣れた口笛の音が届いた。
それは、彼女の主人の呼び出し。シルフィードはこれに、応え...
「…なんなのねもう」
不機嫌にそう言い放ち、竜の姿に戻る。
ついでに、岩の脇に積んでおいた果物を一口で食べてしまう。
…やっぱり、竜の姿だと味気ないのね…。
最近は、人間の姿も悪くない、なんて思い始めていたシルフィ...
シルフィードが主人の下へ馳せ参じると、主人はたった一言だ...
「水着を買いに行く」
言ってひらり、とシルフィードの上に乗る。
お洒落なんて気にしないタバサがなんで水着なんか、とシルフ...
タバサは、その背中の上で、本を読みながら、先ほどの才人と...
『な、シャルロット。一緒に泳ぎに行かない?』
『…どうして』
『いやさ、泳ぐのにいい場所があるんだよ。どう?』
『…二人で?』
『そ。二人で。どうする?』
『…………………いく』
二つ返事で了承したものの、一つ問題があった。
596 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
タバサは、子供っぽい水着しか持っていなかったのだ。
ちなみに彼女は例の『誘惑の肌着』は水着として認識していな...
そして彼女が水着購入に踏み切った決定的な理由が、今彼女が...
『素直になれない女主人・番外編〜夏だ祭りだ水着でワッショ...
その大まかなあらすじは。
女主人が執事に水浴びに誘われ、浮かれあがっていたところ、...
急な水浴びで水着の用意できなかった女主人は、子供っぽい水...
タバサは読みかけのその本をぱたん、と閉じて思う。
私は、こんな失敗はしない。
できるだけ大人っぽい、魅力的な水着を着て、サイトを誘惑す...
そして。
『キレイだよ。シャルロット』
脳内補正200%の才人が、タバサの脳内で何故か満開のバラの花...
タバサの顔が、その妄想にふにゃふにゃと崩れる。
「…おねーさまその顔キモイのね」
下から入った使い魔の突っ込みも聞こえないほど、タバサは頭...
…ちなみに『素直になれない女主人・番外編』のそのあとの展開...
すったもんだの結果、あとでそれを聞いた女主人はこれでもか...
不幸にも、タバサはまだ、この物語をそこまで読んではいなか...
そして、タバサは納得のいく水着を手に入れ。
次の日、才人とともに水浴びに出かけたのだった。
森の中を、才人の馬が進む。
その鞍の上には、才人の前にタバサがちょこん、と座っていた。
いつもの杖と、そして、小さな紙袋を持っている。中にはもち...
才人は、シルフィードで行こうと提案したのだが、当然の如く...
シルフィードが一緒だと雰囲気がぶち壊しになるし。それに。
タバサは手綱を持つ才人の胸に頬を寄せる。
「お、おいシャルロット」
こうして、馬に揺られながらくっついていると。
まるで物語の中のお姫様と王子様のようで、タバサはなんだか...
なんだか迷惑そうな才人を見上げ、タバサは尋ねる。
「…イヤならやめる」
「い、イヤってわけじゃないけどさ」
才人の返答を聞くと、タバサはもう一度、才人の胸元に頬を寄...
そして、馬は一時間もすると、目的地に着いた。
そこは、学院から少し離れた場所にある、森の奥。
丘の影の崖の、茂みを掻き分けると、ぽっかりと暗い洞窟が口...
才人が先導し、二人はその中に入っていく。
しばらく、真っ暗な洞穴を、ランプの明かりで照らしながら進...
不意に視界が開け、青い光が目に飛び込んでくる。
597 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
そこには、幻想的な光景が広がっていた。
青く光る岩肌に照らされ、透明な水面に反射する。
タバサはこの世の物とは思えない光景に思わず見入ってしまう。
「どう?キレイだろ」
才人にそう語りかけられるまで、タバサは青い洞窟の美しさに...
才人に語りかけられると、タバサはこくこくと頷き、そして、...
「ありがとう…サイト」
嬉しそうに微笑むタバサを見て、才人はなんだかちょっと照れ...
才人はぽりぽりと頭を掻いて、応えた。
「いや、大したことはしてないよ。
ここだってたまたま見つけただけだし。
…んじゃ、早速泳ごうか」
言って才人はさっさと服を脱いで、トランクス一丁になる。
帰りはこのトランクスを脱いで、素肌の上にズボンを履いて帰...
しかしタバサは、それを見て少し赤くなり、言った。
「…向こう向いてて」
何度か裸を見られている間柄とはいえ、着替えを生で見られる...
才人は言われるまま、タバサに背を向けた。
どんな水着をお披露目してくれるのか、わくわくしながら。
627 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「…終わった」
タバサの声に才人は期待を胸に振り向く。
やっぱアレっすか!すくぅる水着っすか!びば夏!びばお子様...
しかし振り向いた才人の目に映ったタバサの水着は、彼の予想...
それは、真っ白なセパレート。
薄い胸をぴっちりと覆う飾り気のない白いチューブトップに、...
待て!待て待て待て!貧乳っ子はワンピースだろう!フリルい...
しかし心の中で王道を叫んだ才人の煩悩を、タバサの次の行動...
「…似合ってない…?」
眉をしかめて見つめる才人の前で。
タバサは。
くるり、と半分回って見せた。
顔だけを才人に向け、背中を晒して軽く脚と手を広げて立つ。
すると。
上のチューブトップの布は背中まで回っておらず、細い白い紐...
そして。
前から見るとただ前を隠すだけだった白いローライズは。
タバサの可愛いお尻を半分だけ覆い隠し、その谷間を半分以上...
……なんという……っ!なんという小悪魔チックな……っ!
イイネ!セパレートもイイネ!流行のエロカワってやつっすか!
「…一言だけ言わせてくれ」
才人はふるふると震え、俯きながら、そう言った。
「…何?」
タバサは何を言うつもりなんだろう、と才人の言葉に耳を傾け...
才人は満面の笑顔をタバサに向け、親指をびっ、と立てて言っ...
「シャルロット、最高!」
その言葉に、思わず耳まで真っ赤になり、俯いてしまうタバサ。
…い、いきなり最高だなんて。さ、サイトってば…!
「あ、ありがとう…」
俯きながらそう応えるのが精一杯だった。
意思に反して崩落を起こすみっともない顔を見せないように、...
結局タバサが才人の方を向いたのは、そのどうしようもないニ...
628 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「じゃ、早速泳ごうぜ」
そう言って才人は、ざばざばとクロールで豪快に泳ぎだす。
少し奥まで行ったところで、才人が岸を振り返ると。
タバサは、腰まで浸かる程度の場所で、足を止めていた。
「どしたの?」
才人はタバサが泳ぎに来ないのを不審に思い、彼女の傍へ戻っ...
タバサは言おうかいうまいか少し悩んだが、正直に話すことに...
「私…上手に泳げない」
少しの距離なら泳ぐことはできたが、今の才人のように、速く...
水浴びの経験はあるものの、内陸で育ったタバサは、泳いだ経...
だったら、と才人は考える。
「じゃ、俺が泳ぎ教えてあげるよ。ほら」
言って差し出される才人の手。
水浴びを嫌がっているわけではないので、水が苦手と言うわけ...
タバサは少し考えたが、すぐにその手を握った。
「…じゃあ、教えて」
「うん」
才人はそのままタバサの手を引き、タバサの足がギリギリつく...
そこまで来ると、才人は改めてタバサの両手を握り、そして言...
「じゃ、足離して。浮いてみて」
タバサは言われるまま湖の底から足を離し、体を浮かせる。
才人はそのまま浮いたタバサに指示を出す。
「そのまま、足をバタバタさせてみて」
タバサは言われたとおりにするが、変に力が入って、腰から下...
なるほど、と才人は思った。
「力が入りすぎ。もっと力抜いて。こういうふうに」
言いながら、左手だけでタバサの両腕を支えると、右手をタバ...
才人の手の感覚に、思わずタバサの喉から声が滑り出る。
「ひゃんっ」
「身体浮かせるカンジで。そのまま足をぶらぶらさせるカンジ...
しかし才人には聞こえていなかったらしい。
タバサは軽く赤くなって頷くと、バタ足を始めた。
今度は綺麗に身体が浮き、才人の腕にタバサの推進力が伝わっ...
「上手上手。じゃ、今度は手を使ってみようか。さっき俺がや...
才人はタバサの腕を開放し、今度は両手でタバサを支える。
さっきの、サイトみたいに…。
タバサは先ほど才人がしていたように、軽く脱力させた腕を交...
綺麗なクロールの形だった。
さすがシャルロット、しっかり観察してんな。
才人は次のステップに進むことにした。
629 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「んじゃ、あとは息継ぎかな。やり方、見てた?」
「…腕を回すタイミングに合わせて、顔を上げる…」
「そうそう。やってみて」
タバサは先ほどの才人を思い出しながら、腕を回し、そして息...
うん、もう大丈夫かな。
才人はタバサの身体を支えていた手をそっと放す。
すると、タバサは綺麗なフォームのクロールで、水面を進み始...
しばらく進んだ後、タバサは自分で進んでいる事に気付き、背...
そして、離れた場所にいる才人に言った。
「…ありがとう」
その顔は嬉しそうに綻び、歳相応の少女の顔をしていた。
泳げるようになった事が嬉しかったのか、それからしばらく、...
しかし、そんな彼女の身体に、異変が訪れる。
急に、身体が重くなったのだ。足がつったとか、そういう感覚...
すぐに才人が異変に気付き、タバサを抱えて岸に戻る。
その身体は、氷のように冷え切っていた。
地底湖の水は思いのほか冷たく、身体の小さなタバサは、一時...
才人の方は、それなりの身体をしているので、タバサほど冷え...
かたかたと肩を震わせるタバサを、才人は水際で優しく抱き締...
「大丈夫か?シャルロット」
「うん…へいき」
そう応えるタバサだったが、その唇は青ざめていて、とても平...
才人はすぐさま、タバサを暖めるべく行動に移る。
タバサの細い顎を指でつまむと、その唇を奪ったのだ。
そして、舌で唇を割り開き、タバサの口内を犯す。
いきなりな行動に思わず面食らったタバサだったが、唇から伝...
…あっためて、くれるんだ…。
そしてタバサは、もっと才人の温もりを得るために、才人の首...
お互いの唾液を嚥下しあい、唇の温もりを交換し、二人はしば...
タバサの唇が元の桜色を取り戻し始めた頃、ようやく二人は唇...
二人の唇の間に、白く濁った唾液の糸が走る。それは、岩肌か...
「…もう、平気?」
才人はそう尋ねるが、タバサは応えない。
タバサは黙ったまま、才人の首筋に顔を埋め、彼の首にぎゅう...
そして、耳元で囁いた。
630 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「まだ、寒いから…。
…いっぱい、あっためて…」
そしてそのまま、才人の耳を甘噛みする。
しょ、しょーがねえなあ…。
などと心の中では言ってみるものの、才人の方もかなり出来上...
才人は空いた右手で、タバサの半分露出したお尻を撫で回す。
「あんっ…」
その刺激に、タバサの喉から牝の鳴き声が漏れる。
才人はその隙に、もう一度タバサの唇を奪う。
声も漏れぬほど唇を密着させ、二人の舌がもう一度絡み合い、...
タバサは淫らに身体を才人に擦り付け、才人から体温を奪って...
才人はタバサの半分はみ出たお尻を撫で回し、その小さな布の...
ぬる…。
その股間は、湖の水ではない、粘液質の液体で溢れていた。
才人は準備はできてるな、と判断すると。
指でタバサの水着をずらし、既に完全に屹立している己の雄を...
タバサの身体がぴくん!と震え、そして。
タバサは押し当てられる才人のそれを、自ら腰を動かして、ず...
才人は、その感覚に違和感を覚えた。
タバサの中は、異常なほど冷たかった。
「こんなに…冷えてたんだな」
言って才人は、もう一度優しく、タバサを抱き締める。
タバサはそんな才人をじっと見つめて、言った。
「…うん。だから。
温めて。アナタの、熱いので、いっぱい…」
言って、身体中で、才人をぎゅっと抱き締めた。
631 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「悪かったなシャルロット。涼むつもりだったのに、身体冷や...
岸近くの水辺で重なって、二人は暖をとっていた。
洞窟の中とはいえ、空気は暖かく、こうして身体を重ねて水か...
タバサは、すまなさそうに謝る才人の首筋に頭を預けながら、...
「気にしてない。それより」
言いながら、才人の首筋につつつ、と指を這わせ、熱い視線を...
「暑かったら、私に言って欲しい」
「なんで?」
魔法で涼しくしてくれんのかな、と思った才人だったが、タバ...
「身体冷やして、冷ましてあげるから…」
ぶは、と才人は噴出す。
たしかに、さっきの冷えたタバサの身体は、ひんやりとして気...
でも。
「そ、そんなのしたら、シャルロットがつらいだろ?」
しかし、タバサの反撃はさらに続く。
「サイトが、暖めてくれるから平気」
言って、ごろにゃんと言いそうな勢いで才人に抱きつく。
そんな言葉と態度に才人は、再び元気になってしまう。
「…あ」
「わ、悪ぃ、また立っちまった」
慌ててソレを収めようとする才人の手を、タバサが遮る。
そして、悩ましい声で、続けた。
「もう一回、温めて欲しい…」
「しゃ、シャルロット…」
632 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「あー、サイトにおねえさま!こんなとこでなにしてるの?」
そこに人間の姿のシルフィードが現れた。
実はシルフィードが昼寝に使っている岩場はこのすぐ近くで、...
そして、突然の闖入者に、才人の一物は一気にしぼむ。
タバサは水から上がると、畳んであった服の上に乗せてある眼...
「あれ?あれれ?どしたのおねえさま?」
タバサはゆぅらりゆらりと幽鬼のようにシルフィードに近寄る...
「ねえシルフィ」
呑気なシルフィードは、タバサの変化に気付いていない。
主人の問いかけに、間抜けに答える。
「なぁにおねえさま?」
「三枚に卸されるのと、細切れになるの、どっちがいい?」
言ってタバサは杖を振りかざす。
その先端から、エア・カッターの魔法が飛ぶ。
「ちょ、おねえさま冗談になってないのねー!」
エア・カッターを避けながら、シルフィードは逃げ出す。
結局。
ぼっこぼこにされたシルフィードは、三日間ゴハン抜きの罰を...
「理不尽なのねー!シルフィ無実なのねー!」〜fin
終了行:
595 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
シルフィードは、その日、森の中でお昼寝をしていた。
最近、学院の外の森で人間の姿で昼寝するのが、彼女のお気に...
この人の来ない森の中なら、ハダカでいても誰も文句はいわな...
竜の姿で昼寝してもいいのだが、なにせ竜の姿は場所をとる。
さらに、人の姿はいいこともあった。
丁度人の姿で寝転ぶと、ベッドになる大きさの岩があったのだ。
この上にハダカで寝ると、とっても涼しいのだ。
「ひゃっこいのね、キモチイイのね」
その日も、近くでかき集めた果物を手に、シルフィードはご満...
シルフィードが、とっておきのりんごにかぶりつこうとしたそ...
ぴゅいーっ。
シルフィードの耳に、聞き慣れた口笛の音が届いた。
それは、彼女の主人の呼び出し。シルフィードはこれに、応え...
「…なんなのねもう」
不機嫌にそう言い放ち、竜の姿に戻る。
ついでに、岩の脇に積んでおいた果物を一口で食べてしまう。
…やっぱり、竜の姿だと味気ないのね…。
最近は、人間の姿も悪くない、なんて思い始めていたシルフィ...
シルフィードが主人の下へ馳せ参じると、主人はたった一言だ...
「水着を買いに行く」
言ってひらり、とシルフィードの上に乗る。
お洒落なんて気にしないタバサがなんで水着なんか、とシルフ...
タバサは、その背中の上で、本を読みながら、先ほどの才人と...
『な、シャルロット。一緒に泳ぎに行かない?』
『…どうして』
『いやさ、泳ぐのにいい場所があるんだよ。どう?』
『…二人で?』
『そ。二人で。どうする?』
『…………………いく』
二つ返事で了承したものの、一つ問題があった。
596 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
タバサは、子供っぽい水着しか持っていなかったのだ。
ちなみに彼女は例の『誘惑の肌着』は水着として認識していな...
そして彼女が水着購入に踏み切った決定的な理由が、今彼女が...
『素直になれない女主人・番外編〜夏だ祭りだ水着でワッショ...
その大まかなあらすじは。
女主人が執事に水浴びに誘われ、浮かれあがっていたところ、...
急な水浴びで水着の用意できなかった女主人は、子供っぽい水...
タバサは読みかけのその本をぱたん、と閉じて思う。
私は、こんな失敗はしない。
できるだけ大人っぽい、魅力的な水着を着て、サイトを誘惑す...
そして。
『キレイだよ。シャルロット』
脳内補正200%の才人が、タバサの脳内で何故か満開のバラの花...
タバサの顔が、その妄想にふにゃふにゃと崩れる。
「…おねーさまその顔キモイのね」
下から入った使い魔の突っ込みも聞こえないほど、タバサは頭...
…ちなみに『素直になれない女主人・番外編』のそのあとの展開...
すったもんだの結果、あとでそれを聞いた女主人はこれでもか...
不幸にも、タバサはまだ、この物語をそこまで読んではいなか...
そして、タバサは納得のいく水着を手に入れ。
次の日、才人とともに水浴びに出かけたのだった。
森の中を、才人の馬が進む。
その鞍の上には、才人の前にタバサがちょこん、と座っていた。
いつもの杖と、そして、小さな紙袋を持っている。中にはもち...
才人は、シルフィードで行こうと提案したのだが、当然の如く...
シルフィードが一緒だと雰囲気がぶち壊しになるし。それに。
タバサは手綱を持つ才人の胸に頬を寄せる。
「お、おいシャルロット」
こうして、馬に揺られながらくっついていると。
まるで物語の中のお姫様と王子様のようで、タバサはなんだか...
なんだか迷惑そうな才人を見上げ、タバサは尋ねる。
「…イヤならやめる」
「い、イヤってわけじゃないけどさ」
才人の返答を聞くと、タバサはもう一度、才人の胸元に頬を寄...
そして、馬は一時間もすると、目的地に着いた。
そこは、学院から少し離れた場所にある、森の奥。
丘の影の崖の、茂みを掻き分けると、ぽっかりと暗い洞窟が口...
才人が先導し、二人はその中に入っていく。
しばらく、真っ暗な洞穴を、ランプの明かりで照らしながら進...
不意に視界が開け、青い光が目に飛び込んでくる。
597 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
そこには、幻想的な光景が広がっていた。
青く光る岩肌に照らされ、透明な水面に反射する。
タバサはこの世の物とは思えない光景に思わず見入ってしまう。
「どう?キレイだろ」
才人にそう語りかけられるまで、タバサは青い洞窟の美しさに...
才人に語りかけられると、タバサはこくこくと頷き、そして、...
「ありがとう…サイト」
嬉しそうに微笑むタバサを見て、才人はなんだかちょっと照れ...
才人はぽりぽりと頭を掻いて、応えた。
「いや、大したことはしてないよ。
ここだってたまたま見つけただけだし。
…んじゃ、早速泳ごうか」
言って才人はさっさと服を脱いで、トランクス一丁になる。
帰りはこのトランクスを脱いで、素肌の上にズボンを履いて帰...
しかしタバサは、それを見て少し赤くなり、言った。
「…向こう向いてて」
何度か裸を見られている間柄とはいえ、着替えを生で見られる...
才人は言われるまま、タバサに背を向けた。
どんな水着をお披露目してくれるのか、わくわくしながら。
627 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「…終わった」
タバサの声に才人は期待を胸に振り向く。
やっぱアレっすか!すくぅる水着っすか!びば夏!びばお子様...
しかし振り向いた才人の目に映ったタバサの水着は、彼の予想...
それは、真っ白なセパレート。
薄い胸をぴっちりと覆う飾り気のない白いチューブトップに、...
待て!待て待て待て!貧乳っ子はワンピースだろう!フリルい...
しかし心の中で王道を叫んだ才人の煩悩を、タバサの次の行動...
「…似合ってない…?」
眉をしかめて見つめる才人の前で。
タバサは。
くるり、と半分回って見せた。
顔だけを才人に向け、背中を晒して軽く脚と手を広げて立つ。
すると。
上のチューブトップの布は背中まで回っておらず、細い白い紐...
そして。
前から見るとただ前を隠すだけだった白いローライズは。
タバサの可愛いお尻を半分だけ覆い隠し、その谷間を半分以上...
……なんという……っ!なんという小悪魔チックな……っ!
イイネ!セパレートもイイネ!流行のエロカワってやつっすか!
「…一言だけ言わせてくれ」
才人はふるふると震え、俯きながら、そう言った。
「…何?」
タバサは何を言うつもりなんだろう、と才人の言葉に耳を傾け...
才人は満面の笑顔をタバサに向け、親指をびっ、と立てて言っ...
「シャルロット、最高!」
その言葉に、思わず耳まで真っ赤になり、俯いてしまうタバサ。
…い、いきなり最高だなんて。さ、サイトってば…!
「あ、ありがとう…」
俯きながらそう応えるのが精一杯だった。
意思に反して崩落を起こすみっともない顔を見せないように、...
結局タバサが才人の方を向いたのは、そのどうしようもないニ...
628 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「じゃ、早速泳ごうぜ」
そう言って才人は、ざばざばとクロールで豪快に泳ぎだす。
少し奥まで行ったところで、才人が岸を振り返ると。
タバサは、腰まで浸かる程度の場所で、足を止めていた。
「どしたの?」
才人はタバサが泳ぎに来ないのを不審に思い、彼女の傍へ戻っ...
タバサは言おうかいうまいか少し悩んだが、正直に話すことに...
「私…上手に泳げない」
少しの距離なら泳ぐことはできたが、今の才人のように、速く...
水浴びの経験はあるものの、内陸で育ったタバサは、泳いだ経...
だったら、と才人は考える。
「じゃ、俺が泳ぎ教えてあげるよ。ほら」
言って差し出される才人の手。
水浴びを嫌がっているわけではないので、水が苦手と言うわけ...
タバサは少し考えたが、すぐにその手を握った。
「…じゃあ、教えて」
「うん」
才人はそのままタバサの手を引き、タバサの足がギリギリつく...
そこまで来ると、才人は改めてタバサの両手を握り、そして言...
「じゃ、足離して。浮いてみて」
タバサは言われるまま湖の底から足を離し、体を浮かせる。
才人はそのまま浮いたタバサに指示を出す。
「そのまま、足をバタバタさせてみて」
タバサは言われたとおりにするが、変に力が入って、腰から下...
なるほど、と才人は思った。
「力が入りすぎ。もっと力抜いて。こういうふうに」
言いながら、左手だけでタバサの両腕を支えると、右手をタバ...
才人の手の感覚に、思わずタバサの喉から声が滑り出る。
「ひゃんっ」
「身体浮かせるカンジで。そのまま足をぶらぶらさせるカンジ...
しかし才人には聞こえていなかったらしい。
タバサは軽く赤くなって頷くと、バタ足を始めた。
今度は綺麗に身体が浮き、才人の腕にタバサの推進力が伝わっ...
「上手上手。じゃ、今度は手を使ってみようか。さっき俺がや...
才人はタバサの腕を開放し、今度は両手でタバサを支える。
さっきの、サイトみたいに…。
タバサは先ほど才人がしていたように、軽く脱力させた腕を交...
綺麗なクロールの形だった。
さすがシャルロット、しっかり観察してんな。
才人は次のステップに進むことにした。
629 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「んじゃ、あとは息継ぎかな。やり方、見てた?」
「…腕を回すタイミングに合わせて、顔を上げる…」
「そうそう。やってみて」
タバサは先ほどの才人を思い出しながら、腕を回し、そして息...
うん、もう大丈夫かな。
才人はタバサの身体を支えていた手をそっと放す。
すると、タバサは綺麗なフォームのクロールで、水面を進み始...
しばらく進んだ後、タバサは自分で進んでいる事に気付き、背...
そして、離れた場所にいる才人に言った。
「…ありがとう」
その顔は嬉しそうに綻び、歳相応の少女の顔をしていた。
泳げるようになった事が嬉しかったのか、それからしばらく、...
しかし、そんな彼女の身体に、異変が訪れる。
急に、身体が重くなったのだ。足がつったとか、そういう感覚...
すぐに才人が異変に気付き、タバサを抱えて岸に戻る。
その身体は、氷のように冷え切っていた。
地底湖の水は思いのほか冷たく、身体の小さなタバサは、一時...
才人の方は、それなりの身体をしているので、タバサほど冷え...
かたかたと肩を震わせるタバサを、才人は水際で優しく抱き締...
「大丈夫か?シャルロット」
「うん…へいき」
そう応えるタバサだったが、その唇は青ざめていて、とても平...
才人はすぐさま、タバサを暖めるべく行動に移る。
タバサの細い顎を指でつまむと、その唇を奪ったのだ。
そして、舌で唇を割り開き、タバサの口内を犯す。
いきなりな行動に思わず面食らったタバサだったが、唇から伝...
…あっためて、くれるんだ…。
そしてタバサは、もっと才人の温もりを得るために、才人の首...
お互いの唾液を嚥下しあい、唇の温もりを交換し、二人はしば...
タバサの唇が元の桜色を取り戻し始めた頃、ようやく二人は唇...
二人の唇の間に、白く濁った唾液の糸が走る。それは、岩肌か...
「…もう、平気?」
才人はそう尋ねるが、タバサは応えない。
タバサは黙ったまま、才人の首筋に顔を埋め、彼の首にぎゅう...
そして、耳元で囁いた。
630 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「まだ、寒いから…。
…いっぱい、あっためて…」
そしてそのまま、才人の耳を甘噛みする。
しょ、しょーがねえなあ…。
などと心の中では言ってみるものの、才人の方もかなり出来上...
才人は空いた右手で、タバサの半分露出したお尻を撫で回す。
「あんっ…」
その刺激に、タバサの喉から牝の鳴き声が漏れる。
才人はその隙に、もう一度タバサの唇を奪う。
声も漏れぬほど唇を密着させ、二人の舌がもう一度絡み合い、...
タバサは淫らに身体を才人に擦り付け、才人から体温を奪って...
才人はタバサの半分はみ出たお尻を撫で回し、その小さな布の...
ぬる…。
その股間は、湖の水ではない、粘液質の液体で溢れていた。
才人は準備はできてるな、と判断すると。
指でタバサの水着をずらし、既に完全に屹立している己の雄を...
タバサの身体がぴくん!と震え、そして。
タバサは押し当てられる才人のそれを、自ら腰を動かして、ず...
才人は、その感覚に違和感を覚えた。
タバサの中は、異常なほど冷たかった。
「こんなに…冷えてたんだな」
言って才人は、もう一度優しく、タバサを抱き締める。
タバサはそんな才人をじっと見つめて、言った。
「…うん。だから。
温めて。アナタの、熱いので、いっぱい…」
言って、身体中で、才人をぎゅっと抱き締めた。
631 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「悪かったなシャルロット。涼むつもりだったのに、身体冷や...
岸近くの水辺で重なって、二人は暖をとっていた。
洞窟の中とはいえ、空気は暖かく、こうして身体を重ねて水か...
タバサは、すまなさそうに謝る才人の首筋に頭を預けながら、...
「気にしてない。それより」
言いながら、才人の首筋につつつ、と指を這わせ、熱い視線を...
「暑かったら、私に言って欲しい」
「なんで?」
魔法で涼しくしてくれんのかな、と思った才人だったが、タバ...
「身体冷やして、冷ましてあげるから…」
ぶは、と才人は噴出す。
たしかに、さっきの冷えたタバサの身体は、ひんやりとして気...
でも。
「そ、そんなのしたら、シャルロットがつらいだろ?」
しかし、タバサの反撃はさらに続く。
「サイトが、暖めてくれるから平気」
言って、ごろにゃんと言いそうな勢いで才人に抱きつく。
そんな言葉と態度に才人は、再び元気になってしまう。
「…あ」
「わ、悪ぃ、また立っちまった」
慌ててソレを収めようとする才人の手を、タバサが遮る。
そして、悩ましい声で、続けた。
「もう一回、温めて欲しい…」
「しゃ、シャルロット…」
632 名前:涼しい夏のすごし方/タバサのばあい ◆mQKcT9WQPM [...
「あー、サイトにおねえさま!こんなとこでなにしてるの?」
そこに人間の姿のシルフィードが現れた。
実はシルフィードが昼寝に使っている岩場はこのすぐ近くで、...
そして、突然の闖入者に、才人の一物は一気にしぼむ。
タバサは水から上がると、畳んであった服の上に乗せてある眼...
「あれ?あれれ?どしたのおねえさま?」
タバサはゆぅらりゆらりと幽鬼のようにシルフィードに近寄る...
「ねえシルフィ」
呑気なシルフィードは、タバサの変化に気付いていない。
主人の問いかけに、間抜けに答える。
「なぁにおねえさま?」
「三枚に卸されるのと、細切れになるの、どっちがいい?」
言ってタバサは杖を振りかざす。
その先端から、エア・カッターの魔法が飛ぶ。
「ちょ、おねえさま冗談になってないのねー!」
エア・カッターを避けながら、シルフィードは逃げ出す。
結局。
ぼっこぼこにされたシルフィードは、三日間ゴハン抜きの罰を...
「理不尽なのねー!シルフィ無実なのねー!」〜fin
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