ゼロの使い魔保管庫
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111 :涼しい夏のすごし方/ルイズのばあい ◆mQKcT9WQPM :200...
ルイズは回っていた。
それはもう、景気よくくるくるくるくると。
数秒回って、気持ち悪くなって止まった。
そして、こんな事してる場合じゃないわ、と計画を練る。
そりゃもう、念入りに練りに練る。
練りに練った計画のシミュレーションも忘れない。
しかしシミュレーションと夢の見分けがつかなくなり、次の日...
「あーーーーーーっ!」
しかし時既に遅く。
容赦なく次の日の朝日は昇り。
ルイズは部屋で太陽に吼えていた。
時は一日ほど遡る。
授業が終わって部屋に戻ったルイズを、才人は出迎えた。
「あら珍しいわね。今日は騎士団の演習ないの?」
「さすがにこの暑さじゃな。みんな寮に篭ってるよ」
たしかにここ連日の暑さは異常で、外に出て運動しようなどと...
実を言うと、ルイズだってメチャクチャ暑い。
ルイズは虚無の魔法は使えても、相変わらず普通の系統はてん...
だから、彼女には涼をとるための『氷雪』系の魔法は全く使え...
しかも、彼女はいつだってメイジの証たる黒いマントを脱がな...
これでは暑さもうなぎのぼりだ。
だから最近、ルイズは才人の前で服を脱がない。
もし汗臭いとか言われたら。
ルイズのガラスのプライドは粉々だ。
しかし。
それはつまり、才人とここしばらくご無沙汰というわけで。
ど、どうしようかしら、今からお風呂行って汗流して、それか...
なんて才人の暇に合わせて夜のスケジュールを組み始めたルイ...
112 :涼しい夏のすごし方/ルイズのばあい ◆mQKcT9WQPM :200...
「な、ルイズ。
俺さ、水浴びにいい場所知ってんだけど、一緒にどう?」
ルイズは一瞬我が耳を疑った。
「え?」
間抜けにそう聞き返してくる主人に、才人はもう一度言う。
「一緒に水浴びいかねえか、って言ってんの」
「え、何それ。本気で言ってんの?」
信じられないような顔をしてルイズはもう一度尋ねた。
そんな風に言われると、才人は不機嫌になってしまうわけで。
「んだよ、行きたくないならいいよ、一人で行くから」
「ちょ、待ちなさいよ、誰が行かないなんて言ったのよっ…!」
言って真っ赤になって才人の胸倉を掴む。
「ほ、ほら、いつ行くか言いなさい、準備するからっ!」
物凄い勢いで組み付いてくるルイズに引きながら、才人は応え...
「じゃ、じゃあ明日にでも」
明日。明日。
やばいまずい時間ないじゃない!
ルイズはそのままずりずりと才人を部屋の外まで押し出し。
「分かったわ!明日の朝学院の正門で待ってなさい!いいわね...
言って、ばたん!と部屋のドアを閉じてしまう。
「えっと…今夜俺はどこで寝れば…」
その返事に応えてくれるはずの扉の向こうの住人は、いくらノ...
「しゃーねえ、シエスタんとこ行って、使用人の宿舎にでも泊...
才人はぼりぼりと髪を掻きながら、厨房に向かったのだった。
こ、これはチャンス…!
ルイズは部屋の中で燃えていた。
私の魅力と色気で、サイトを徹底的に悩殺するチャンス…!
そう、釘付けにしてやるのよ!
出来うる限り魅力的な水着で!そしてこの私の色香で!
そしてルイズは、自分の所有する水着ではその役割を果たさな...
新しい、魅力的な水着を着た自分と、才人のラブシーンを妄想...
そして話は冒頭へと回帰する。
199 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
ルイズは顔を伏せて言った。
「…やっぱり行かない」
次の日の朝。トリステイン魔法学院正門前。
悩みに悩んだ挙句、仕方なく手元の水着を紙袋に入れて正門ま...
才人は一瞬動きを止めたが、何言ってんだコイツ、とか思いな...
「お前昨日あんなノリノリだったじゃねーか。
それにその袋水着だろ?せっかく準備してるんだから行こう...
しかしルイズは、差し出されたその手すらも払い除ける。
「…行きたくないんだもん」
才人は少しムッとする。
確かに誘ったのは自分だから断られてもしょうがないが。
昨日あんなにノリノリで、しかも自分を部屋から追い出してお...
何様のつもりだっつーの。
才人は構わずに、ルイズの手を掴んで無理やり抱き上げる。
「ちょっ、いたっ…」
ルイズは抗議の声を上げようとするが、才人は聞かないフリで...
そして、抗議の声を上げて降りようとするルイズを抱えるよう...
「俺はお前と一緒に行きたいの。分かってる?」
言われてルイズは。
…ちょ、バカ、何恥ずかしい事言ってんのよっ…!
真っ赤になって俯いて。
「ば、ばか…。あ、あんたの都合なんて知らないわよっ…」
弱弱しくそう言うのが精一杯だった。
200 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
結局、抱きかかえられるような格好と最初のやりとりが決め手...
それでも、ふてた様な表情で顔を逸らし、不機嫌を露にするの...
才人もそんなルイズを気にしてか、洞穴に着くまでルイズと話...
しかし。
洞穴の中を見たルイズは、感動の面持ちで、水面を見つめてい...
才人はそうそうこの顔が見たかったんだよ、と思ったが。
次の瞬間。
「た、たいしたことないじゃない!何よこんなとこで泳げって...
ついついルイズはそう口走ってしまう。
そして、ルイズに輪をかけて単純な才人は。
「あー、そーですか。貴族サマはこんなところじゃ泳げません...
じゃあ俺勝手に泳いでるから。ルイズはそのへんで待ってて...
怒ってそう言って、さっさと服を脱ぐと、一人でばしゃばしゃ...
…やっちゃった…。
ルイズは自分の言動を、死ぬほど後悔した。
せっかくサイトが誘ってくれたのに。せっかく二人きりで水浴...
胸元の紙袋をぎゅっと抱き締めて、切なくなる。
…どうして、私、こんなに素直じゃないんだろ…。
そう考えると、どんどん悲しくなってきて。
「ふぇ、ふぇぇぇぇぇぇ…」
いつの間にか、ルイズは、紙袋を抱えたまましゃがみこんで、...
それを見た、やっぱりルイズが気になってちらちらそちらを伺...
「ど、どーしたんだよルイズ!」
「ひぐ、えぐ、うえぇぇぇぇぇぇぇぇ」
目の前にやってきた才人に、ルイズは。
泣き声を上げながら、濡れるのもかまわず、抱きついた。
才人はそんなルイズを、泣き止むまで優しく抱き締めていたの...
しばらくすると、さすがにルイズは泣き止んだ。
しかし、自分の行動を反芻して、今度は死にそうなほど恥ずか...
な、ななななななに泣いてんのよ私ってば!
などと考え、抱き締める才人に、文句の一つも言ってやろうか...
そして気付いて、自分で自分の考えを否定した。
…素直に、ならなきゃ…。
せっかく、サイトが誘ってくれたのに…。
201 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
ルイズは、才人の腕の中で、小さく呟いた。
「…ごめん、サイト…」
才人は幻聴か、と思った。
しかし続いて聞こえたその言葉は、確かにルイズの声だった。
「ごめんね…せっかく誘ってくれたのに…私、私…」
そこまで言って、今までの自分の行為を振り返って、死にたく...
こんなんじゃ…私、サイトに嫌われても…仕方ない…。
水着とか、そんなの以前の問題よね…。
そしてまた、才人の腕の中で嗚咽を漏らし始める。
「ちょ、ルイズ泣くなよ」
言って才人は、もう一度ルイズを抱き締める。
「いいって、もういいって。
お前に泣かれるのが俺、一番イヤだからさ」
ルイズはその言葉にはっと顔を上げる。
才人は続ける。
「今からでも遅くないからさ。
一緒に泳ごうぜ?」
その言葉に、ルイズは再び涙を流す。
半分泣き顔で。半分笑顔で。
才人は結局、困った顔でルイズが泣き止むまで優しくルイズを...
「もうそっち向いていい?」
「だ、だめ、もうちょっとだから待って!」
ルイズは慌てて才人を制止する。
ルイズは今、水着に着替えていた。
ただ、才人に凝視されていると恥ずかしいので、『…あっち向い...
素直になって可愛さ五割増しのご主人様の命令を、才人が聞き...
こうして今、ルイズに背中を向けているのである。
「…いいわよ。こっち向いても」
お許しが出ました。
振り向くとそこには。
袖口にフリルのついた、桃色のワンピースに身を包んだルイズ...
「…えっと…ごめんね、体も水着も子供っぽくて…」
ルイズは申し訳なさそうにそう謝るが。
才人の反応は違っていた。
「いや、ルイズは何着ても似合うよ」
ぼむ。
ルイズの顔が軽く火を噴いた。
しかし、お世辞でもなんでもなく、その水着はルイズに似合っ...
スレンダーなボディをぴったり覆う、桃色の水着。
そこから伸びる手足の付け根に施された、フリルのアクセント。
まさに『可憐』という言葉がぴったりと当てはまる。
202 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
ルイズは才人の言葉になんだか気恥ずかしくなって、
「わ、私泳いでくるっ」
と、泳ぎだしてしまった。
しかし。
ばしゃばしゃ…どぽん。
ばしゃばしゃばしゃ!
「…え?…まさかアイツ!」
才人は慌てて飛び込んだ。
ばしゃしゃしゃしゃしゃ!
「泳げないのに深いとこ行くんじゃねえよっ!」
才人が気付いたのが早かったおかげで、ルイズは溺れずにすん...
「…ご、ごめんなさい…」
才人の腕の中で、物の例えではなく本当に小さくなりながら、...
「いいよ、気にしてないって」
「あ、あんな深いと思わなくって…」
「気にしてないから、もう」
そう言う才人だったが。
ルイズはもう、穴があったら入りたい心境だった。
なんだか今日は、全ての行動が裏目に出る。
それに、才人に迷惑をかけてばっかりだ。
普段のルイズなら、そんな事はカケラも気にしなかっただろう...
さんざん打ちのめされたせいで、ルイズはとんでもなく弱気に...
「あ、あのっ」
不意に、ルイズは才人を見上げてそう言った。
才人はそのルイズを見て。
誰これ。
本気でそう思った。
普段からは考えられないほど弱気な視線で、才人をじっと見つ...
それはまるで、捨てられた仔猫のようだった。
そして、信じられない事態はまだ続く。
「き、キライになった?」
「へ?」
「わ、私のこと、キライになった?」
普段の、『アンタは私の事が好きなんでしょ?』な自信満々な...
「き、キライにならないで…」
泣きそうな顔のルイズと、信じられない台詞に、才人の頭はい...
203 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
ルイズはさらに、才人の首に抱きついて、信じられない言葉を...
「サイトが、したい事全部していいからぁ…キライになっちゃヤ...
そして、才人の耳元で。
再び嗚咽を漏らし始める。
…ヘンだ。絶対ヘンだ。
才人の中の何かが警鐘を鳴らす。しかし。
耳元で泣いて『なんでもするから嫌わないで』と泣き続けるル...
才人は、すぐそばで震えるルイズの耳たぶを、甘噛みしたのだ...
「やんっ」
その行為に、ルイズの喉から甘い声が漏れる。
まだ震えを帯びているルイズの声に、才人は彼女の耳元で囁い...
「キライになんかならないよ。
俺はルイズが大好きだ」
その台詞を聞いた瞬間、ルイズの震えが停まる。
そして、才人の首から腕を解き、じっとその瞳を見つめる。
その瞳は、涙で潤んで、いまにも零れ落ちそうだった。
「じゃあ、信じさせて…。
サイトが私を必要だって、言葉以外の方法で」
才人はその言葉に応えて。
ルイズの唇を、優しく塞いだのだった。
ルイズは、水着の股間の布をずらし、己を露にした。
そこは、零れ落ちたルイズの果汁で溢れており、前戯など必要...
ルイズは仰向けに岩の上に寝転がると、才人に言った。
「サイト、して。
いっぱい、愛して…」
ルイズは膝を立てて左手で己を割り開き、才人を待ち受ける。
そんなルイズを見て、才人がガマンできるはずもなく。
「じゃ、いくよ…」
「うん…きて…」
ルイズにのしかかり、蜜を滴らせるその狭い穴に己を押し当て...
ぶちゅ…!
卑猥な水音をたてて、ルイズの割れ目を貫いた。
204 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
「あっあっあっあっ…!
あったかいよぉ…!サイトぉ、だいすきぃ…!」
貫かれながらルイズは才人に抱きつき、貪欲に才人を求める。
「俺も、好きだよ、ルイズっ!」
愛を囁きながら、才人は容赦なくルイズの中を削る。
ずぷっ、ぐぷっ、じゅぷっ。
リズミカルにルイズの蜜壷がかき回される音が洞穴に響く。
高められるままにルイズは才人の腰に脚を回し、より深く才人...
才人はルイズの奥を突き上げ、際限なくルイズを高めていく。
ぶぷっ、ぶちゅっ、ぐちゅぅっ!
密着する性器の奏でる水音が激しくなり、二人はお互いをきつ...
「サイトぉ、だしてぇ、中にいっぱいだしてぇ!」
「出すよっ、中に全部出すよっ!」
ごぶ、ごぶぶぶぶぶ…!
二人の果てる声に遅れて。
ルイズの中に子種の注がれる低い音が、洞穴に反響した。
205 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
「わわわわわわ、忘れなさいっ!全部っ!」
洞穴から出て水着から着替えたルイズは、真っ赤になって才人...
なななななななななんで私あんな事!いくら罪悪の念があった...
ルイズは、洞穴での自分の行動が信じられなかった。
いくら気弱になってたからってアレはないわアレはー!
そして、いきなり『忘れろ』とか言われた才人は。
「…い、いや確かに洞穴ん中のルイズおかしかったけどさ」
才人も、洞穴の中のルイズに違和感を覚えていた。
弱気になったからといって、ルイズがあんなに素直になるだろ...
まるで別人と話しているようだった、と才人は思っていた。
しかし。
「でも、可愛かったぜ、さっきのルイズ」
その言葉に、そっぽを向いたルイズの顔がどかん!と爆発する。
真っ赤になって言い返せないまま、ルイズはなんでああなった...
…そういえば、水着着てからなんかヘンになったのよね…。
水着?チョットマッテ?
ルイズはふと思い出す。
そういえば。
この水着は、随分前にカトレアにもらったもの。
『この水着には、ちょっとした魔法がかかってるのよ』
カトレアの言葉が、ルイズの頭の中でリフレインされた。
…まさか、ちいねえさまの言ってた魔法ってこういうこと…?
真っ赤な顔でルイズは考えたが。
「素直なルイズ、めっちゃ可愛かったのになあ」
アホ面でそんな事を言う使い魔に、そんなことはどうでもよく...
ルイズは、真っ赤な顔を見られたくないので、顔を逸らしたま...
「ふ、ふん!そこまで言うなら忘れなくてもいーわよ!」
「へ?」
間抜けな顔で応える才人に、ルイズは振り向いて、それでもや...
「ちゃ、ちゃんとご主人様だけ見てたら、その」
そこまで言って、口ごもる。
「何?」
「ま、またちょっとは、素直になってあげるから…。
だ、だから、覚えておきなさい!」
言って、くるんと振り向いて、真っ赤な顔で才人に指を突きつ...
「世界で一番可愛いのは、アンタのご主人様だってこと!」
「ぷ」
「ちょ、笑ったでしょ!今笑ったでしょぉこの犬ぅぅぅぅぅ!」
真っ赤な顔をして殴りかかってくるルイズ。
そして才人は、いつものようにお仕置きされる。
しかし、才人はなんだか満足していた。
やっぱり。
素直なルイズもいいけど。
こういうふうに、ご主人様風吹かせる、生意気で天邪鬼なルイ...
魔法で吹っ飛ばされて遠のく意識の中で、才人はそんなことを...
終了行:
111 :涼しい夏のすごし方/ルイズのばあい ◆mQKcT9WQPM :200...
ルイズは回っていた。
それはもう、景気よくくるくるくるくると。
数秒回って、気持ち悪くなって止まった。
そして、こんな事してる場合じゃないわ、と計画を練る。
そりゃもう、念入りに練りに練る。
練りに練った計画のシミュレーションも忘れない。
しかしシミュレーションと夢の見分けがつかなくなり、次の日...
「あーーーーーーっ!」
しかし時既に遅く。
容赦なく次の日の朝日は昇り。
ルイズは部屋で太陽に吼えていた。
時は一日ほど遡る。
授業が終わって部屋に戻ったルイズを、才人は出迎えた。
「あら珍しいわね。今日は騎士団の演習ないの?」
「さすがにこの暑さじゃな。みんな寮に篭ってるよ」
たしかにここ連日の暑さは異常で、外に出て運動しようなどと...
実を言うと、ルイズだってメチャクチャ暑い。
ルイズは虚無の魔法は使えても、相変わらず普通の系統はてん...
だから、彼女には涼をとるための『氷雪』系の魔法は全く使え...
しかも、彼女はいつだってメイジの証たる黒いマントを脱がな...
これでは暑さもうなぎのぼりだ。
だから最近、ルイズは才人の前で服を脱がない。
もし汗臭いとか言われたら。
ルイズのガラスのプライドは粉々だ。
しかし。
それはつまり、才人とここしばらくご無沙汰というわけで。
ど、どうしようかしら、今からお風呂行って汗流して、それか...
なんて才人の暇に合わせて夜のスケジュールを組み始めたルイ...
112 :涼しい夏のすごし方/ルイズのばあい ◆mQKcT9WQPM :200...
「な、ルイズ。
俺さ、水浴びにいい場所知ってんだけど、一緒にどう?」
ルイズは一瞬我が耳を疑った。
「え?」
間抜けにそう聞き返してくる主人に、才人はもう一度言う。
「一緒に水浴びいかねえか、って言ってんの」
「え、何それ。本気で言ってんの?」
信じられないような顔をしてルイズはもう一度尋ねた。
そんな風に言われると、才人は不機嫌になってしまうわけで。
「んだよ、行きたくないならいいよ、一人で行くから」
「ちょ、待ちなさいよ、誰が行かないなんて言ったのよっ…!」
言って真っ赤になって才人の胸倉を掴む。
「ほ、ほら、いつ行くか言いなさい、準備するからっ!」
物凄い勢いで組み付いてくるルイズに引きながら、才人は応え...
「じゃ、じゃあ明日にでも」
明日。明日。
やばいまずい時間ないじゃない!
ルイズはそのままずりずりと才人を部屋の外まで押し出し。
「分かったわ!明日の朝学院の正門で待ってなさい!いいわね...
言って、ばたん!と部屋のドアを閉じてしまう。
「えっと…今夜俺はどこで寝れば…」
その返事に応えてくれるはずの扉の向こうの住人は、いくらノ...
「しゃーねえ、シエスタんとこ行って、使用人の宿舎にでも泊...
才人はぼりぼりと髪を掻きながら、厨房に向かったのだった。
こ、これはチャンス…!
ルイズは部屋の中で燃えていた。
私の魅力と色気で、サイトを徹底的に悩殺するチャンス…!
そう、釘付けにしてやるのよ!
出来うる限り魅力的な水着で!そしてこの私の色香で!
そしてルイズは、自分の所有する水着ではその役割を果たさな...
新しい、魅力的な水着を着た自分と、才人のラブシーンを妄想...
そして話は冒頭へと回帰する。
199 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
ルイズは顔を伏せて言った。
「…やっぱり行かない」
次の日の朝。トリステイン魔法学院正門前。
悩みに悩んだ挙句、仕方なく手元の水着を紙袋に入れて正門ま...
才人は一瞬動きを止めたが、何言ってんだコイツ、とか思いな...
「お前昨日あんなノリノリだったじゃねーか。
それにその袋水着だろ?せっかく準備してるんだから行こう...
しかしルイズは、差し出されたその手すらも払い除ける。
「…行きたくないんだもん」
才人は少しムッとする。
確かに誘ったのは自分だから断られてもしょうがないが。
昨日あんなにノリノリで、しかも自分を部屋から追い出してお...
何様のつもりだっつーの。
才人は構わずに、ルイズの手を掴んで無理やり抱き上げる。
「ちょっ、いたっ…」
ルイズは抗議の声を上げようとするが、才人は聞かないフリで...
そして、抗議の声を上げて降りようとするルイズを抱えるよう...
「俺はお前と一緒に行きたいの。分かってる?」
言われてルイズは。
…ちょ、バカ、何恥ずかしい事言ってんのよっ…!
真っ赤になって俯いて。
「ば、ばか…。あ、あんたの都合なんて知らないわよっ…」
弱弱しくそう言うのが精一杯だった。
200 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
結局、抱きかかえられるような格好と最初のやりとりが決め手...
それでも、ふてた様な表情で顔を逸らし、不機嫌を露にするの...
才人もそんなルイズを気にしてか、洞穴に着くまでルイズと話...
しかし。
洞穴の中を見たルイズは、感動の面持ちで、水面を見つめてい...
才人はそうそうこの顔が見たかったんだよ、と思ったが。
次の瞬間。
「た、たいしたことないじゃない!何よこんなとこで泳げって...
ついついルイズはそう口走ってしまう。
そして、ルイズに輪をかけて単純な才人は。
「あー、そーですか。貴族サマはこんなところじゃ泳げません...
じゃあ俺勝手に泳いでるから。ルイズはそのへんで待ってて...
怒ってそう言って、さっさと服を脱ぐと、一人でばしゃばしゃ...
…やっちゃった…。
ルイズは自分の言動を、死ぬほど後悔した。
せっかくサイトが誘ってくれたのに。せっかく二人きりで水浴...
胸元の紙袋をぎゅっと抱き締めて、切なくなる。
…どうして、私、こんなに素直じゃないんだろ…。
そう考えると、どんどん悲しくなってきて。
「ふぇ、ふぇぇぇぇぇぇ…」
いつの間にか、ルイズは、紙袋を抱えたまましゃがみこんで、...
それを見た、やっぱりルイズが気になってちらちらそちらを伺...
「ど、どーしたんだよルイズ!」
「ひぐ、えぐ、うえぇぇぇぇぇぇぇぇ」
目の前にやってきた才人に、ルイズは。
泣き声を上げながら、濡れるのもかまわず、抱きついた。
才人はそんなルイズを、泣き止むまで優しく抱き締めていたの...
しばらくすると、さすがにルイズは泣き止んだ。
しかし、自分の行動を反芻して、今度は死にそうなほど恥ずか...
な、ななななななに泣いてんのよ私ってば!
などと考え、抱き締める才人に、文句の一つも言ってやろうか...
そして気付いて、自分で自分の考えを否定した。
…素直に、ならなきゃ…。
せっかく、サイトが誘ってくれたのに…。
201 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
ルイズは、才人の腕の中で、小さく呟いた。
「…ごめん、サイト…」
才人は幻聴か、と思った。
しかし続いて聞こえたその言葉は、確かにルイズの声だった。
「ごめんね…せっかく誘ってくれたのに…私、私…」
そこまで言って、今までの自分の行為を振り返って、死にたく...
こんなんじゃ…私、サイトに嫌われても…仕方ない…。
水着とか、そんなの以前の問題よね…。
そしてまた、才人の腕の中で嗚咽を漏らし始める。
「ちょ、ルイズ泣くなよ」
言って才人は、もう一度ルイズを抱き締める。
「いいって、もういいって。
お前に泣かれるのが俺、一番イヤだからさ」
ルイズはその言葉にはっと顔を上げる。
才人は続ける。
「今からでも遅くないからさ。
一緒に泳ごうぜ?」
その言葉に、ルイズは再び涙を流す。
半分泣き顔で。半分笑顔で。
才人は結局、困った顔でルイズが泣き止むまで優しくルイズを...
「もうそっち向いていい?」
「だ、だめ、もうちょっとだから待って!」
ルイズは慌てて才人を制止する。
ルイズは今、水着に着替えていた。
ただ、才人に凝視されていると恥ずかしいので、『…あっち向い...
素直になって可愛さ五割増しのご主人様の命令を、才人が聞き...
こうして今、ルイズに背中を向けているのである。
「…いいわよ。こっち向いても」
お許しが出ました。
振り向くとそこには。
袖口にフリルのついた、桃色のワンピースに身を包んだルイズ...
「…えっと…ごめんね、体も水着も子供っぽくて…」
ルイズは申し訳なさそうにそう謝るが。
才人の反応は違っていた。
「いや、ルイズは何着ても似合うよ」
ぼむ。
ルイズの顔が軽く火を噴いた。
しかし、お世辞でもなんでもなく、その水着はルイズに似合っ...
スレンダーなボディをぴったり覆う、桃色の水着。
そこから伸びる手足の付け根に施された、フリルのアクセント。
まさに『可憐』という言葉がぴったりと当てはまる。
202 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
ルイズは才人の言葉になんだか気恥ずかしくなって、
「わ、私泳いでくるっ」
と、泳ぎだしてしまった。
しかし。
ばしゃばしゃ…どぽん。
ばしゃばしゃばしゃ!
「…え?…まさかアイツ!」
才人は慌てて飛び込んだ。
ばしゃしゃしゃしゃしゃ!
「泳げないのに深いとこ行くんじゃねえよっ!」
才人が気付いたのが早かったおかげで、ルイズは溺れずにすん...
「…ご、ごめんなさい…」
才人の腕の中で、物の例えではなく本当に小さくなりながら、...
「いいよ、気にしてないって」
「あ、あんな深いと思わなくって…」
「気にしてないから、もう」
そう言う才人だったが。
ルイズはもう、穴があったら入りたい心境だった。
なんだか今日は、全ての行動が裏目に出る。
それに、才人に迷惑をかけてばっかりだ。
普段のルイズなら、そんな事はカケラも気にしなかっただろう...
さんざん打ちのめされたせいで、ルイズはとんでもなく弱気に...
「あ、あのっ」
不意に、ルイズは才人を見上げてそう言った。
才人はそのルイズを見て。
誰これ。
本気でそう思った。
普段からは考えられないほど弱気な視線で、才人をじっと見つ...
それはまるで、捨てられた仔猫のようだった。
そして、信じられない事態はまだ続く。
「き、キライになった?」
「へ?」
「わ、私のこと、キライになった?」
普段の、『アンタは私の事が好きなんでしょ?』な自信満々な...
「き、キライにならないで…」
泣きそうな顔のルイズと、信じられない台詞に、才人の頭はい...
203 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
ルイズはさらに、才人の首に抱きついて、信じられない言葉を...
「サイトが、したい事全部していいからぁ…キライになっちゃヤ...
そして、才人の耳元で。
再び嗚咽を漏らし始める。
…ヘンだ。絶対ヘンだ。
才人の中の何かが警鐘を鳴らす。しかし。
耳元で泣いて『なんでもするから嫌わないで』と泣き続けるル...
才人は、すぐそばで震えるルイズの耳たぶを、甘噛みしたのだ...
「やんっ」
その行為に、ルイズの喉から甘い声が漏れる。
まだ震えを帯びているルイズの声に、才人は彼女の耳元で囁い...
「キライになんかならないよ。
俺はルイズが大好きだ」
その台詞を聞いた瞬間、ルイズの震えが停まる。
そして、才人の首から腕を解き、じっとその瞳を見つめる。
その瞳は、涙で潤んで、いまにも零れ落ちそうだった。
「じゃあ、信じさせて…。
サイトが私を必要だって、言葉以外の方法で」
才人はその言葉に応えて。
ルイズの唇を、優しく塞いだのだった。
ルイズは、水着の股間の布をずらし、己を露にした。
そこは、零れ落ちたルイズの果汁で溢れており、前戯など必要...
ルイズは仰向けに岩の上に寝転がると、才人に言った。
「サイト、して。
いっぱい、愛して…」
ルイズは膝を立てて左手で己を割り開き、才人を待ち受ける。
そんなルイズを見て、才人がガマンできるはずもなく。
「じゃ、いくよ…」
「うん…きて…」
ルイズにのしかかり、蜜を滴らせるその狭い穴に己を押し当て...
ぶちゅ…!
卑猥な水音をたてて、ルイズの割れ目を貫いた。
204 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
「あっあっあっあっ…!
あったかいよぉ…!サイトぉ、だいすきぃ…!」
貫かれながらルイズは才人に抱きつき、貪欲に才人を求める。
「俺も、好きだよ、ルイズっ!」
愛を囁きながら、才人は容赦なくルイズの中を削る。
ずぷっ、ぐぷっ、じゅぷっ。
リズミカルにルイズの蜜壷がかき回される音が洞穴に響く。
高められるままにルイズは才人の腰に脚を回し、より深く才人...
才人はルイズの奥を突き上げ、際限なくルイズを高めていく。
ぶぷっ、ぶちゅっ、ぐちゅぅっ!
密着する性器の奏でる水音が激しくなり、二人はお互いをきつ...
「サイトぉ、だしてぇ、中にいっぱいだしてぇ!」
「出すよっ、中に全部出すよっ!」
ごぶ、ごぶぶぶぶぶ…!
二人の果てる声に遅れて。
ルイズの中に子種の注がれる低い音が、洞穴に反響した。
205 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/...
「わわわわわわ、忘れなさいっ!全部っ!」
洞穴から出て水着から着替えたルイズは、真っ赤になって才人...
なななななななななんで私あんな事!いくら罪悪の念があった...
ルイズは、洞穴での自分の行動が信じられなかった。
いくら気弱になってたからってアレはないわアレはー!
そして、いきなり『忘れろ』とか言われた才人は。
「…い、いや確かに洞穴ん中のルイズおかしかったけどさ」
才人も、洞穴の中のルイズに違和感を覚えていた。
弱気になったからといって、ルイズがあんなに素直になるだろ...
まるで別人と話しているようだった、と才人は思っていた。
しかし。
「でも、可愛かったぜ、さっきのルイズ」
その言葉に、そっぽを向いたルイズの顔がどかん!と爆発する。
真っ赤になって言い返せないまま、ルイズはなんでああなった...
…そういえば、水着着てからなんかヘンになったのよね…。
水着?チョットマッテ?
ルイズはふと思い出す。
そういえば。
この水着は、随分前にカトレアにもらったもの。
『この水着には、ちょっとした魔法がかかってるのよ』
カトレアの言葉が、ルイズの頭の中でリフレインされた。
…まさか、ちいねえさまの言ってた魔法ってこういうこと…?
真っ赤な顔でルイズは考えたが。
「素直なルイズ、めっちゃ可愛かったのになあ」
アホ面でそんな事を言う使い魔に、そんなことはどうでもよく...
ルイズは、真っ赤な顔を見られたくないので、顔を逸らしたま...
「ふ、ふん!そこまで言うなら忘れなくてもいーわよ!」
「へ?」
間抜けな顔で応える才人に、ルイズは振り向いて、それでもや...
「ちゃ、ちゃんとご主人様だけ見てたら、その」
そこまで言って、口ごもる。
「何?」
「ま、またちょっとは、素直になってあげるから…。
だ、だから、覚えておきなさい!」
言って、くるんと振り向いて、真っ赤な顔で才人に指を突きつ...
「世界で一番可愛いのは、アンタのご主人様だってこと!」
「ぷ」
「ちょ、笑ったでしょ!今笑ったでしょぉこの犬ぅぅぅぅぅ!」
真っ赤な顔をして殴りかかってくるルイズ。
そして才人は、いつものようにお仕置きされる。
しかし、才人はなんだか満足していた。
やっぱり。
素直なルイズもいいけど。
こういうふうに、ご主人様風吹かせる、生意気で天邪鬼なルイ...
魔法で吹っ飛ばされて遠のく意識の中で、才人はそんなことを...
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