ゼロの使い魔保管庫
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384 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
寝台の上でか細い寝息を立てるルイズの傍ら、憔悴した才人...
その背中に、シエスタはそっと声をかけた。
「サイトさん、そろそろお休みになってください。もう三日も...
ですか」
こんなことを言うのは、今日でもう何回目だろうか。そして...
「ダメだ、ルイズがまだ起きてない」
シエスタはそっと息を吐く。才人の気持ちは分からないでも...
しまうだろう。
(ミス・ヴァリエール)
眠り続けるルイズの顔を、シエスタは複雑な気持ちで見つめ...
(早く、またわたしたちに元気な顔を見せてください。サイト...
ことばかり考えていたんですよ)
紆余曲折、様々な冒険を経て、コルベールが指揮するオスト...
この船には才人とルイズ、そしてシエスタも同行し、他にもキ...
ンシーなど、見知った顔が多数参加している。
だが、当初のどこか浮き立つような冒険気分に反して、この...
東方のエルフは、予想以上にこちら……特に、虚無魔法を操る...
いたのである。そのためにオストラント号も頻繁に襲撃を受け...
一度西方へ引き返した方がいいのではないかという声が上が...
ント号に急襲をかけてきたエルフ達の手によって、ルイズがさ...
当然、才人は半狂乱になった。すぐにでもルイズを探しに行...
つつ、一行は根気強くルイズの行方を追った。そして、彼女が...
いることが知れたのが、四日ほど前。それを聞いた才人が止め...
地を壊滅させ、無事ルイズを救出して戻ってきたのが三日前で...
以来、才人はほとんど一睡もせずに、ルイズのそばに付き添...
ルイズの行方が知れなかった間の才人を思い出すと、シエス...
人の苦しみを思っての痛みであり、才人がどれだけルイズを愛...
女としての心の痛みでもあった。
だからと言って、「このままミス・ヴァリエールが帰ってこ...
エスタにとっては、自分が一番に愛してもらえないという悲し...
みの方がずっと重要だったのである。
それに、ルイズだって、恋敵とは言っても長い間共に過ごし...
は、シエスタとて一緒だった。
戻ってきたルイズは、予想に反して無傷であった。体に拷問...
意識を失っていることを除けば、体の方は至って健康と言って...
を見ても、その寝顔は安らかであり、うなされたり苦しげに呻...
(後は、目を覚ましてさえくれれば)
シエスタが、祈るような気持ちでそう思ったとき。まるでそ...
うに、ルイズが低いうめき声を上げながら、ゆっくりと目を開...
「気がついたのか」
憔悴しきって嗄れた声に隠しきれない嬉しさを滲ませながら...
ズはしばらくの間虚ろな瞳で才人のことを見上げていたが、や...
「……サイト?」
「そうだ。俺だよ」
「……ここは?」
「船の中だ。お前、戻ってこれたんだよ。可哀想に、怖かった...
声に優しさを滲ませて、才人がルイズの頭を撫でる。ルイズ...
あと、頬を赤らめた。
「……夢じゃないの?」
「ああ。悪い夢はもう終わったんだよ」
「本当?」
「そうだって。信じられないのは分かるけどな、安心していい...
才人がそこまで言ってやっても、ルイズは何故か疑うように...
た。あまり何度も繰り返すので、それが何かを待つような、あ...
くる。シエスタは怪訝に思ったが、ルイズは十数回ほどで問う...
いた。
385 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「そう。わたし、戻ってこれたんだ」
自分がいる場所を確かめるように呟いたあと、ルイズは才人...
「ただいま、サイト」
「ルイズ、ルイズ……!」
たまらなくなったように名を呼びながら、才人がルイズを抱...
ルイズが短く悲鳴を上げる。頬が少し赤く染まった。
才人の激しい抱擁に、シエスタの胸がまた少し痛んだ。だが...
「サイトさん、サイトさん」
シエスタは苦笑気味に笑いながら、才人の肩に手をかける。
「ミス・ヴァリエール、今起きたばかりなんですから。もっと...
「あ、悪い、つい」
才人が慌てふためきながらも、丁寧にルイズの体を横たえな...
を最大限労わろうとする気持ちが滲み出ているようだ。シエス...
さが生まれた。
(よかった。わたし、嫌な女にならずにすみそう)
内心ほっとしつつ、シエスタはふと、横たえられたルイズを...
どうも、ルイズの様子がおかしい。顔が熱を帯びたように赤...
でいる。眉は悩ましげに下がり、半開きになった唇からは湿っ...
うだ。それに、よく見ると、体が小刻みに震えている。
(……お風邪でも召されたのかしら)
だとすると、汗ばんだ服を着替えさせないといけない。シエ...
才人の両肩に手を置いた。
「ほら、サイトさん、ミス・ヴァリエールも目覚めたことです...
イトさんにもお休みが必要ですし、わたしもミス・ヴァリエ...
から、一度お部屋に戻られてはどうですか」
「でも」
才人は少し迷う様子だった。本当は、一時も離れずルイズの...
だが、「ミス・ヴァリエールのお世話」という単語を聞いて...
く欠伸をした。
「いや、そうさせてもらうかな。なんか、ほっとしたら急に眠...
「ええ、ゆっくり休んでください」
「じゃあルイズ、俺……っと」
才人はルイズに声をかけようとして、途中で止めた。彼女は...
「また寝てしまったみたいですね」
「だな。無理もないか、精神的な疲れが半端じゃねーだろうし」
小声で話しながら、二人は部屋を出る。
シエスタが後ろ手にドアを閉めると、才人が疲労の濃い顔に...
「じゃあ休ませてもらうけど。シエスタ、何かあったらすぐ俺...
「ええ、分かっています。と言っても、何もないと思いますけ...
現在、オストラント号は西方に向けて帰還する針路を取って...
て、指揮者のコルベールが一度引き返すことを決定したのであ...
るはずだし、おそらく逃げる敵を追う余力は残っていないだろ...
それでも才人は、なおも不安そうな面持ちであった。
「でもな、やっぱ安心できねえんだ。またルイズに何かあった...
それから才人は少しの間目を閉じてから、決心したようにシ...
386 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「シエスタ。俺、君に謝らなくちゃならない」
「え、どうしたんですか、急に」
才人が言おうとしていることが何かはすぐに分かったが、シ...
きょとんとした表情で首を傾げた。
「俺、今回ルイズがいなくなって、改めて思い知ったんだ」
才人は少し躊躇いながらも、力強い口調で言う。
「俺が、どれだけあいつのことを、その、好きなのか、ってこ...
また、胸に鋭い痛みが生まれる。
「ああ、そのことですか」
だが、シエスタは何でもないことのように、にっこりと笑っ...
「今更何を仰るんですか。そんなこと、わたしはずうっと前か...
「シエスタ?」
才人が驚いたように目を見開く。シエスタは唇に手をやって...
「もう。急に謝らなくちゃ、なんて言うものだから、びっくり...
「ええと、あのさ、それで」
「分かってます」
喋りにくそうに口ごもる才人の声を、シエスタはすまし顔で...
「お二人のお邪魔をする気はありませんよ。ミス・ヴァリエー...
だったはずなんです。今、彼女の心をかき乱すようなことは...
「ごめん」
「謝らないでください。お二人とも、わたしにとっては大切な...
幸せを祝福してあげますから」
「シエスタ。俺、なんて言っていいか」
才人が悔やむように俯く。シエスタは苦笑して彼の肩を叩い...
「そんな顔しないでくださいよ。ミス・ヴァリエールのこと、...
う? だったら、そんな顔しちゃダメです」
「そうか。そうかな、うん」
才人の顔に、少しだけ元気が戻ってくる。シエスタは「そう...
「さ、そろそろミス・ヴァリエールのお世話をしなくちゃいけ...
「そうだな。それじゃ、シエスタ、ルイズのこと……」
「大丈夫です。サイトさんの……いえ、わたしたちのお姫様は、...
シエスタが自分の胸を叩いてそう言ってやると、才人はもう...
つほど離れた船室に戻っていった。
才人が船室に消えたあと、シエスタは長い吐息を吐き出した...
からせり上がってきて、瞳の奥から涙を滲み出させた。才人に...
はしばらくの間その場にしゃがみ込み、声を押し殺して泣き続...
「大丈夫?」
と、不意に声をかけられた。慌てて涙を拭いながら顔を上げ...
た。小柄な体と、肩の辺りで切り揃えられた青い髪、そして湖...
「ミス・タバサ」
「これ、使って」
タバサが差し出したハンカチを、シエスタは遠慮なく受け取...
小柄な少女に問いかける。
「あの。もしかして、さっきの会話」
「聞いてた。立ち聞きになってごめんなさい」
「いえ、それはいいんですけど」
その先を言うのは、少し躊躇われた。シエスタの知る限り、...
ずである。だとすれば、彼女も自分同様の胸の痛みを抱えてい...
だが、そんな気遣いなど無用と言うように、タバサは静かに...
「わたしは、サイトが幸せならそれでいい。ずっとそう思って...
迷いのない声で断言されると、泣いていた自分が少し恥ずか...
き出し、シエスタは照れ笑いを浮かべながら立ち上がった。
「ダメですね、わたし。もうとっくに、諦めはついてたはずな...
「大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
今度はちゃんと返事が返せた。泣いたおかげか、少しだけ心...
387 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「あ、そうだ。ミス・タバサ、お願いがあるんですけど、聞い...
「なに?」
「この部屋……ミス・ヴァリエールの船室の周りに、あの、音が...
けないでしょうか」
この冒険に参加し、間近で貴族と接することによって、シエ...
なった。今タバサに頼んだ「サイレント」の魔法も、以前何度...
だった。
「静かにしてあげたいの?」
「はい。ミス・ヴァリエールも、なんだか少し様子が変でした...
ません」
「分かった」
タバサが詠唱して杖を振る。見た目には分からないが、それ...
「これで、部屋の中の音は外に聞こえないし、部屋の外の音は...
「ありがとうございます」
「わたしは隣の部屋にいる。他にも、何か協力できることがあ...
「はい、分かりました」
シエスタがお辞儀をすると、タバサは黙ってその場を去り、...
「さてと。ミス・ヴァリエールのお世話をしてあげなくちゃ」
気持ちを切り替えるように呟き、シエスタはルイズの船室に...
つも聞こえる風の音や、階上で誰かが歩き回る音なども聞こえ...
(これなら、ミス・ヴァリエールにもゆっくりと休んでもらえ...
そんなことを考えたとき、ふと、シエスタは部屋の隅から音...
かすかな音であった。「サイレント」で部屋の外の音が遮断...
ろう。
聞こえてきた音は、小さな衣擦れの音。それに混じって、切...
に聞こえてくる。
(え、なに?)
一瞬状況が分からず、シエスタは困惑する。喘ぎ声の主が寝...
悟ると、その困惑はさらに大きくなった。
(どうしたのかしら。苦しくて呻いてる、って訳ではなさそう...
シエスタは息を潜め、出来る限り足音を立てないように注意...
だが、そこまで注意深くなる必要はなかったようだ。ルイズは...
没頭しているようで、そもそもこちらが部屋に入ってきたこと...
近づくにつれ、音も大きく聞こえるようになる。やはり、衣...
イズが布団の中で何やらもぞもぞと動いているようである。水...
さを増しているように見える。
(……これ、ひょっとして)
シエスタの背筋に悪寒が走る。何か、猛烈におかしなことが...
そして、ルイズの喘ぎ声がさらに明瞭に聞き取れるようにな...
這い出して全身を駆け巡った。
「だめぇ、指なんかじゃ全然ダメなのぉ……もっと太いの欲しい...
頭がクラクラした。何がなんだか分からないまま、不吉な焦...
布団に手をかけた
「何やってるんですか、ミス・ヴァリエール!」
叫びながら布きれを引っぺがすと、その向こうからルイズが...
ので、シエスタはその場で卒倒しそうになった。
赤い頬と潤んだ瞳のルイズは、薄手の寝衣を激しく乱したま...
股間をまさぐっていたのである。陰裂深く二本の指が差し込ま...
禁のようにあふれ出して、寝台の敷布を濡らしている。
要するに、自慰の真っ最中なのであった。
388 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
(何やってんですかあなたは)
口に出しては何も言うことができず、シエスタはルイズを見...
と口を開く。
その間もルイズは指を動かし続け、露骨な視線を浴びながら...
かった。それどころか、その指使いはより一層激しくなってい...
「シエスタぁ、どうしよぉ」
指で陰裂の奥をまさぐり、時折声を詰まらせながら、ルイズ...
超えた状況に頭がついていかなかったが、シエスタはかろうじ...
「どうしようって、何がですか」
「あのねぇ、さっきからこうやって指でたくさん弄ってるんだ...
(何言ってるんですかあなたは)
だが、やはり口に出しては何も言えない。シエスタは軽く現...
彼女が頭の中のお花畑で遊んでいる間にも、ルイズの自慰は...
つまで経っても絶頂にはたどり着けないらしく、ルイズはその...
一旦指を陰裂から引き抜いた。
(何やってるんだろこの人)
虚ろな意識で、シエスタはルイズの動きを見守る。陰裂から...
イズは、その手をそのままさらに下の方に持っていき、
「って、何やってんですかミス・ヴァリエール!」
さすがに今度ばかりはシエスタも声に出して叫んでいた。指...
腕を無理矢理引っつかみ、その常識外れの蛮行を何とか止める...
叫び始めた。
「やだ、離してよぉ、シエスタぁ!」
「離しません! なんてところに指をいれようとしているんで...
「だって、イケないんだもん、おマンコじゃイケないんだもん...
「お、おま……けつ……」
ルイズの口から飛び出した卑猥な単語に、シエスタは絶句す...
(い、一体何がどうなってるの……?)
さっきまで己の失恋について傷ついたり、泣いたりしていた...
んど非現実的であり、悪夢のようにしか思えなかった。
だが、これはまごうことなき現実なのだった。シエスタが才...
ルイズは夢中になって自分の性器をいじって、獣のように快楽...
ようだが、重ね重ね、これは現実である。
未だ失恋のショックから立ち直りきれていないシエスタの前...
穴に指をいれたいと言って泣き叫んでいる。
(なんなのこれ。なんなのこれ)
答えてくれる者はいない。シエスタは呆然としつつも、まだ...
タ暴れているルイズを抑えるのだけは忘れなかった。
(落ち着いてシエスタ。ミス・ヴァリエールは、あまりにも状...
錯乱なさっているのかもしれないわ)
無理のある理論で心を落ち着かせつつ、シエスタはルイズを...
が引きつっているのが自分でも分かったが、さすがにそれはど...
「ねえ、ミス・ヴァリエール?」
「やだぁ、離してよぉ」
「じゃ、お尻に指をいれようとするの、やめていただけますか...
「いやぁ。ケツ穴で気持ちよくなるのぉ」
まるで異常者と会話しているような気分。「もうイヤ、何も...
ぶ理性を根性で押さえつけて、シエスタはなおもルイズと会話...
「いやですわミス・ヴァリエールったら。いくらなんでも冗談...
「やだぁ、お尻ぃ」
話が全く通じない。仕方がないので、別のアプローチから攻...
389 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「どうして、お尻をいじりたいんですか?」
よもやこんな質問を口にする日が来ようとは、予想もしてい...
がら、シエスタはルイズの答えを待つ。
ルイズは、「えっとねえ」と童子のように呟き、目をとろん...
隙間から涎を垂れ流しつつ、だらしない口調で言う。
「ケツ穴ホジホジするとねえ、とってもいい気持ちになるのよ...
ケツ穴も大好きぃ」
「そうですか」
頭が痛くなってきた。シエスタは歯軋りをしながら、何とか...
「いいですか、ミス・ヴァリエール。お尻の穴はね、とっても...
込んじゃいけませんよ」
なんでこんなことを説明しなくちゃならないんだと、心の中...
は噛んで含めるような口調でルイズに言い聞かせた。するとル...
た口調で呟く。
「わたしのケツ穴ね、とっても汚いの。わたし、汚いの。薄汚...
自分の言葉でさらに興奮してきたのか、ルイズは自由な左手...
かき回し始める。
このまま発狂してしまいたいと思いながらも、シエスタは寸...
有無を言わさぬ口調でルイズに命令した。
「ミス・ヴァリエール! 今すぐ、そんなことをするのはお止...
「どうしてぇ」
「どうしてって、考えれば分かるでしょう!?」
「えっとねぇ」
ルイズは唇に濡れた指を当てて、しばらく考えていたが、や...
せて叫んだ。
「分かった、シエスタが弄ってくれるのね!」
「は?」
予想だにしない答えに呆然とするシエスタのことなど全く気...
いになって、こちらに尻を向けてきた。
「え」
「お願いシエスタ、わたしのだらしないケツ穴、たくさんいじ...
「ちょ」
「早く、早くぅ」
ルイズが待ちきれない様子で尻を振りながら、病的に紅潮し...
シエスタはそのルイズの横顔と、自分の目の前に突き出され...
などを除けば、人の尻をマジマジと眺めるなど初めての光景で...
と、この世の理不尽について滔々と考えたくなってくる。
だが、いつまでもそうしている訳にはいかなかった。もしも...
この部屋を訪れたりしたら。
(破滅だわ……!)
凄まじい恐怖に駆られて、シエスタは思わず自分の左手でル...
合った瞬間、ルイズの体が大きく跳ねて、彼女の口から聞いた...
その声を聞いた瞬間、シエスタの中で何かが切れた。
390 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「ふふ、ふふふふ……」
「シエスタ?」
「わたしが真剣に真剣に悩みぬいて、サイトさんをあなたに譲...
この一ヶ月間の苦しみと悲しみ、先程までの痛みが、一気に...
(もう、どうにでもなれ)
シエスタは目を見開き、思いっきり右手を振り上げた。
「そんな悪い子には、たっぷりお仕置きして差し上げます!」
「してぇ、お仕置きしてぇ!」
シエスタの怒りの声に、ルイズがむしろ悦びの声を上げると...
な尻を思いっきり打った。
ルイズが声にならない悲鳴を上げる。だが、シエスタは躊躇...
度も憎い尻肉に向かって振り下ろした。そのたび乾いた音が鳴...
のだったので、シエスタはなおさら怒りを募らせる。
「この、いきなり変態になって帰ってきて、本当に、悪い子、...
「ごめ、ゴメンなさいぃ、悪いメス豚でゴメンなさいぃ……!」
そうやって、十分ほどの時間が経過しただろうか。
すっかり精根尽き果てて、シエスタは寝台のそばに座り込ん...
平がひりひりと痛み、腕が痺れたような感覚に包まれている。
病的な怒りと興奮が去ったあとに残ったのは、凄まじい疲労...
と首を巡らし、寝台の上を見る。
そこでは散々打たれて真っ赤になった尻をさらしたまま、ル...
るのであった。尻を叩かれている途中で失禁まで始めたので、...
い状態である。
だが、何よりもシエスタの心を重くしたのは、そんな状態に...
のない幸せそうな笑みが浮かんでいることであった。
「えへへぇ、お尻ぃ、気持ちいぃ……」
そんな、寝言だかうわ言だか分からない言葉まで聞こえてく...
(どうしよう、これ……)
寝台の上を片付ける気にもなれないまま、シエスタは頭を抱...
420 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
あまりのことに茫然自失となったシエスタだったが、残念な...
いられないのだった。ルイズが今少し大人しくなっているとは...
くない状況は全く変わっていない。
シエスタは立ち上がり、後ろを向いた。乱れて一部が湿って...
上に半裸で白目を剥いてぴくぴくと痙攣しているルイズ。
(こんなところを見られたら、おしまいだわ)
慌てて寝台に取り付き、意識が混濁しているらしいルイズの...
「さ、ミス・ヴァリエール。起きてください。今から体をきれ...
ルイズからの反応はない。瞳は虚ろで、口は半開きになった...
る気配はない。シエスタは部屋の隅の長櫃から長い布を取り出...
彼女から綺麗になってもらい、敷布や布団の問題は後回しにす...
汗と尿でぐっしょりと濡れた寝衣を脱がせ、ルイズの肌に直...
と、先程まで無反応だったルイズが、突然奇声を上げた。その...
ルイズの体から手を離してしまう。
「どうしたんですか?」
「もっと、もっとやってぇ」
呂律が回っていない声である。シエスタは嫌な予感を覚えた...
訳にもいかず、嫌々ながら彼女の体を拭くのを再開する。
ルイズはシエスタが布越しに彼女の体を撫でるたびにいちい...
漏らした。その内小柄な体が火照って赤くなり始め、小さな乳...
くのが見て取れた。顔に視線を移すと、だらしなく舌を垂らし...
タはうんざりした。
「ふざけないでください、ミス・ヴァリエール」
「だって、シエスタが上手すぎるんだもん」
悩ましげな声で言ったあと、ルイズはこちらに身を乗り出し...
寄せて、ねだるような甘ったるい声で言う。
「ねぇ、もっと、この辺りをたくさんこすって」
「わたしはそんなつもりであなたの体を拭いているんじゃあり...
怒鳴りつけてやると、「シエスタのいじわる」と拗ねた声が...
黙って自分の股間に手を伸ばしかける。シエスタは慌ててその...
「ちょっと、何なさってるんですかミス・ヴァリエール」
「オナニー」
「そういうことを聞いてるんじゃありません。やめてください...
苛立ちを必死にこらえながらそう言うと、ルイズはいやいや...
すすり泣き始めた。
「焦らしちゃやだぁ」
「焦らしてるんじゃありませんったら! もう。とにかく、黙...
「いじわる」
「何とでもお言いなさい」
もうその辺りはすっぱり無視することに決めて、シエスタは...
ズは相変わらず奇声や喘ぎ声を漏らし、「ダメ、もっと優しく...
だのとうわ言を呟いてシエスタの集中をかき乱したが、彼女は...
(自分で自分を褒めてあげたい気分)
だが、一仕事終えた達成感に浸っている余裕はなかった。次...
「ミス・ヴァリエール。一度寝台から降りていただけますか」
「うん」
「で、服を脱いでそこに置いてください」
もちろん、「汚れたので服を着替えてください」という意味...
のように解釈したようだ。異様なまでに目を輝かせると、寝台...
そと服を脱ぎ捨てた。そして、一言。
「して」
「何もしません」
421 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
もはや怒鳴る気力もない。シエスタは裸で待ち構えているル...
完全に床に下ろし、敷布を寝台から引き剥がす。その途中で、...
きて、彼女の体に抱きついてきた。背中に火照った体の熱を感...
「何してるんですか、ミス・ヴァリエール」
「いじめちゃいや」
「いじめてませんから。いいから早く服を着てください」
「だって、まだ何もしてないのに」
「だから何もしませんってば」
「やだ、切ないの。ねえシエスタ、お願い。何でもするから、...
「じゃあ服を着て大人しくしていてください」
「シエスタぁ」
幼子のような声で恥ずかしげもなく泣きながら、ルイズは自...
背中にこすりつけ始めた。主に胸の辺りを重点的に。
「んふぅー……気持ちいいぃ」
服の布地越しに湿りきった吐息を感じる。シエスタの背筋に...
「ちょ、やめてください、ミス・ヴァリエール!」
「だって、シエスタがわたしのこと弄ってくれないんだもん。...
とろけるような声で言い、ルイズはさらに激しくシエスタの...
る。その内息がさらに荒くなり、体の動きも速くなってきた。
(早く、片づけを終わらせないと)
シエスタはメイドとしての半生で得た経験をフルに活かし、...
体を揺すり続けているルイズを引き剥がし、乱暴に寝台の上に...
「いやぁ、シエスタぁ」
「いい加減にしてください、ミス・ヴァリエール。こんなこと...
脅し文句として多少は有効かと思って才人の名を口にしてみ...
きょとんとした様子で目を瞬いた。
「サイト?」
「そうです。サイトさん。ミス・ヴァリエールがこんなことし...
うなると思いますか?」
ルイズは目を輝かせた。
「たくさんしてもらえる」
逆効果だった。虚脱感のあまり腰砕けしそうになるシエスタ...
「サイト、すごくえっちだもん。わたしもえっちになったの知...
愛してくれるわ。わたしたちね、昼も夜もずーっと愛し合う...
淫靡な想像がどんどん膨らんでいくらしく、ルイズの瞳がま...
(これはお手上げだわ。とてもわたしの手には負えない)
シエスタは心の中で白旗を上げた。こうなれば、誰かに助力...
(でも、こんなこと誰に相談したらいいのかしら。サイトさん...
に頼れる人も……あ、そういえば)
タバサの顔が頭に浮かんだ。協力するから何でも言ってと言...
と言うかそもそもあまり喋らない。それに何より、冷静沈着な...
野にまで及んでいるかは定かでないが、とにかくいい助っ人に...
(よし、ミス・タバサに相談してみよう)
そう決めたものの、シエスタは少し迷う。タバサは隣の部屋...
を離れる時間はせいぜい数十秒ほどのはずである。だが、たと...
ら目を離すのは不安だった。
「ミス・ヴァリエール」
「なぁに」
ぼんやりと首を傾げるルイズの眼前に、シエスタは指を突き...
「いいですか、わたしは今からほんのちょっとだけ部屋を空け...
としちゃダメですよ」
「さっきみたいなことって?」
「ええと」
さすがに卑猥な単語を口にするのは躊躇われたので、シエス...
「だから、自分の指を、その、そこにいれたり、とか」
股間を指差されたルイズは、少しの間何やら考えていたよう...
「分かったわ。何もしないで待ってる」
422 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「本当ですよ。絶対ですよ」
何度も念を押しつつ、シエスタは部屋を出ると、滑稽なほど...
「誰」
静かな声が返ってくる。シエスタが「わたしです」と答える...
船室の中に足を踏み入れたシエスタは、机に向かって本を広...
寄り、言った。
「ミス・ヴァリエールが大変なので来てください」
あまりにも適当すぎる説明ではあるが、上手く説明できない...
から何かがあったことを察してくれたらしい。タバサはすぐに...
「こちらへ」
シエスタはタバサの部屋の扉を開け、すぐにまた隣のルイズ...
そして、扉を開けて絶句した。
「ああ、サイト、サイトの太いのぉ」
「何やってるんですか!」
寝台の上でまた陰裂の奥を弄っていたルイズのそばにすっ飛...
み止める。先程「自慰は絶対しないように」と厳命してから、...
早すぎである。
「こういうことは止めてくださいって言ったでしょう!?」
「そうです」
と、ルイズは何かを期待するかのように目を輝かせた。
「ルイズ、変態なので約束を破っちゃいました。お仕置きして...
そう言って、自分から股を広げてみせる。最初からそれが目...
タはため息を吐いた。
「なるほど」
背後から納得したような声が聞こえてくる。振り返ると、タ...
あった。
「そういうこと」
何やら、確認するように何度も頷いている。変わり果てたル...
子が見られない。やっぱりこの人は凄い、とシエスタは内心感...
「こういうことなんです」
「いつから」
「起きたときにはもう様子がおかしくて」
「そう」
そんなことを喋っている間にも、ルイズはまた自慰に没頭し...
ぎ声と絶え間ない水音を、シエスタはあえて聞こえない振りで...
「どうなってるんでしょうか」
「ある程度、推測はつく」
答えは期待していなかったが、タバサは静かにそう返答する...
「え、それってどういう」
「多分」
と、タバサが何か言いかけたところで、シエスタは不意に背...
「ねえ、シエスタぁ」
振り向くと、床にしゃがみ込んだルイズが、左手でこちらの...
ろん股間に潜り込んでいる。
「無視しちゃイヤ。ね、わたし、シエスタの言いつけ破った、...
躾けてよぉ」
「何バカなこと言ってんですかあなたは」
「ああ、いい、もっと、もっと口汚く罵って!」
ルイズは目を閉じて大きく体を震わせる。何を言っても興奮...
風に邪魔をされては、いつまで経っても話が進まない。
(どうしましょう)
(任せて)
シエスタの困惑の視線に、タバサは小さく頷いた。こちらに...
を無表情に見下ろす。
423 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「ルイズ」
「ああ、タバサ。タバサもいじめてくれるの」
「分かった、いじめてあげる」
言うが早いか、タバサは小柄な体には似合わない力で、ルイ...
相手の体を横たえて、ゆっくりと覆いかぶさる。
(え、何を)
驚くシエスタの前で、タバサは躊躇いなくルイズの唇に自分...
い上げ、ねっとりとした水音を響かせる。ルイズもまたうっと...
応じている。
そうして激しく唇と舌を絡ませつつ、タバサは同時に腕も動...
えながら、右手は滑るように相手の肌を這い回り、要所要所を...
ら、相手の反応を窺っている。
「あ、ああ、そこぉ」
「ここ?」
ルイズの唇を攻め立てながら、タバサはルイズの左胸の辺り...
ねた。
「そこ。いい、いいの」
「そう」
タバサの唇がルイズの唇から離れ、混ざり合う唾液の跡を残...
を伝い首を通り、やがてルイズが最も敏感に反応するスポット...
と唇で重点的に攻め立てた。甘噛みを交えながら、舐め、吸い...
びにルイズはむせび泣くような喘ぎ声を上げ、何度も何度も小...
(……凄い)
シエスタは、その光景に淫靡さと同じぐらいの美しさを感じ...
ズの反応を敏感に感じ取り、次々に場所を変えながら、滑らか...
ルイズは長く、あるいは短く悲鳴を上げて体を震わせる。タバ...
れはまるで一流のピアニストが素晴らしい旋律を生み出してい...
そうやってシエスタが見入っているうちに、二人の情交は終...
タバサの指がルイズの陰裂に潜り込み、休みなく中をかき回...
身悶えしながら切なげな喘ぎ声を漏らし続けている。正気を失...
もさらに崩れ、まさに快楽を貪る獣の表情である。開きっぱな...
ている。
「そろそろ?」
「うん……ああ、もう、もう……!」
「そう」
小さく呟くと、タバサは最後の仕上げとばかりに、ルイズの...
イズの体が弓なりに反り返った。大きく開かれた口から長い長...
台に崩れ落ちる。半ば白目を剥きかけているルイズの口元から...
ばかりの敷布をまたも濡らしていた。
「これで黙った」
ぽつりと言い、タバサは少しだけ乱れた着衣を軽く直す。そ...
り返すだけで、もう何も言わなかった。時折痙攣しているもの...
没頭することもない。完全に意識が飛んでいるようである。
(ううん、飛ばされたんだわ。この人に、指と唇だけで)
性に関する知識が豊富とは言えないシエスタにも、今目の前...
いたことだけはハッキリと分かる。
しかも、完全に正気を失くしているルイズに比べ、タバサの...
うのに、息一つ乱していない。事前と事後で全く様子が変わら...
ただ呆然とするしかなかった。
「あの、ミス・タバサ」
「なに」
「ええと、何というか、とてもお見事でしたけど……一体、どこ...
タバサはそっと目をそらすと、ルイズの愛液に塗れた自分の...
「そういう任務もあった」
なんだかいろいろ怖かったので、シエスタは深く追及しなか...
終了行:
384 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
寝台の上でか細い寝息を立てるルイズの傍ら、憔悴した才人...
その背中に、シエスタはそっと声をかけた。
「サイトさん、そろそろお休みになってください。もう三日も...
ですか」
こんなことを言うのは、今日でもう何回目だろうか。そして...
「ダメだ、ルイズがまだ起きてない」
シエスタはそっと息を吐く。才人の気持ちは分からないでも...
しまうだろう。
(ミス・ヴァリエール)
眠り続けるルイズの顔を、シエスタは複雑な気持ちで見つめ...
(早く、またわたしたちに元気な顔を見せてください。サイト...
ことばかり考えていたんですよ)
紆余曲折、様々な冒険を経て、コルベールが指揮するオスト...
この船には才人とルイズ、そしてシエスタも同行し、他にもキ...
ンシーなど、見知った顔が多数参加している。
だが、当初のどこか浮き立つような冒険気分に反して、この...
東方のエルフは、予想以上にこちら……特に、虚無魔法を操る...
いたのである。そのためにオストラント号も頻繁に襲撃を受け...
一度西方へ引き返した方がいいのではないかという声が上が...
ント号に急襲をかけてきたエルフ達の手によって、ルイズがさ...
当然、才人は半狂乱になった。すぐにでもルイズを探しに行...
つつ、一行は根気強くルイズの行方を追った。そして、彼女が...
いることが知れたのが、四日ほど前。それを聞いた才人が止め...
地を壊滅させ、無事ルイズを救出して戻ってきたのが三日前で...
以来、才人はほとんど一睡もせずに、ルイズのそばに付き添...
ルイズの行方が知れなかった間の才人を思い出すと、シエス...
人の苦しみを思っての痛みであり、才人がどれだけルイズを愛...
女としての心の痛みでもあった。
だからと言って、「このままミス・ヴァリエールが帰ってこ...
エスタにとっては、自分が一番に愛してもらえないという悲し...
みの方がずっと重要だったのである。
それに、ルイズだって、恋敵とは言っても長い間共に過ごし...
は、シエスタとて一緒だった。
戻ってきたルイズは、予想に反して無傷であった。体に拷問...
意識を失っていることを除けば、体の方は至って健康と言って...
を見ても、その寝顔は安らかであり、うなされたり苦しげに呻...
(後は、目を覚ましてさえくれれば)
シエスタが、祈るような気持ちでそう思ったとき。まるでそ...
うに、ルイズが低いうめき声を上げながら、ゆっくりと目を開...
「気がついたのか」
憔悴しきって嗄れた声に隠しきれない嬉しさを滲ませながら...
ズはしばらくの間虚ろな瞳で才人のことを見上げていたが、や...
「……サイト?」
「そうだ。俺だよ」
「……ここは?」
「船の中だ。お前、戻ってこれたんだよ。可哀想に、怖かった...
声に優しさを滲ませて、才人がルイズの頭を撫でる。ルイズ...
あと、頬を赤らめた。
「……夢じゃないの?」
「ああ。悪い夢はもう終わったんだよ」
「本当?」
「そうだって。信じられないのは分かるけどな、安心していい...
才人がそこまで言ってやっても、ルイズは何故か疑うように...
た。あまり何度も繰り返すので、それが何かを待つような、あ...
くる。シエスタは怪訝に思ったが、ルイズは十数回ほどで問う...
いた。
385 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「そう。わたし、戻ってこれたんだ」
自分がいる場所を確かめるように呟いたあと、ルイズは才人...
「ただいま、サイト」
「ルイズ、ルイズ……!」
たまらなくなったように名を呼びながら、才人がルイズを抱...
ルイズが短く悲鳴を上げる。頬が少し赤く染まった。
才人の激しい抱擁に、シエスタの胸がまた少し痛んだ。だが...
「サイトさん、サイトさん」
シエスタは苦笑気味に笑いながら、才人の肩に手をかける。
「ミス・ヴァリエール、今起きたばかりなんですから。もっと...
「あ、悪い、つい」
才人が慌てふためきながらも、丁寧にルイズの体を横たえな...
を最大限労わろうとする気持ちが滲み出ているようだ。シエス...
さが生まれた。
(よかった。わたし、嫌な女にならずにすみそう)
内心ほっとしつつ、シエスタはふと、横たえられたルイズを...
どうも、ルイズの様子がおかしい。顔が熱を帯びたように赤...
でいる。眉は悩ましげに下がり、半開きになった唇からは湿っ...
うだ。それに、よく見ると、体が小刻みに震えている。
(……お風邪でも召されたのかしら)
だとすると、汗ばんだ服を着替えさせないといけない。シエ...
才人の両肩に手を置いた。
「ほら、サイトさん、ミス・ヴァリエールも目覚めたことです...
イトさんにもお休みが必要ですし、わたしもミス・ヴァリエ...
から、一度お部屋に戻られてはどうですか」
「でも」
才人は少し迷う様子だった。本当は、一時も離れずルイズの...
だが、「ミス・ヴァリエールのお世話」という単語を聞いて...
く欠伸をした。
「いや、そうさせてもらうかな。なんか、ほっとしたら急に眠...
「ええ、ゆっくり休んでください」
「じゃあルイズ、俺……っと」
才人はルイズに声をかけようとして、途中で止めた。彼女は...
「また寝てしまったみたいですね」
「だな。無理もないか、精神的な疲れが半端じゃねーだろうし」
小声で話しながら、二人は部屋を出る。
シエスタが後ろ手にドアを閉めると、才人が疲労の濃い顔に...
「じゃあ休ませてもらうけど。シエスタ、何かあったらすぐ俺...
「ええ、分かっています。と言っても、何もないと思いますけ...
現在、オストラント号は西方に向けて帰還する針路を取って...
て、指揮者のコルベールが一度引き返すことを決定したのであ...
るはずだし、おそらく逃げる敵を追う余力は残っていないだろ...
それでも才人は、なおも不安そうな面持ちであった。
「でもな、やっぱ安心できねえんだ。またルイズに何かあった...
それから才人は少しの間目を閉じてから、決心したようにシ...
386 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「シエスタ。俺、君に謝らなくちゃならない」
「え、どうしたんですか、急に」
才人が言おうとしていることが何かはすぐに分かったが、シ...
きょとんとした表情で首を傾げた。
「俺、今回ルイズがいなくなって、改めて思い知ったんだ」
才人は少し躊躇いながらも、力強い口調で言う。
「俺が、どれだけあいつのことを、その、好きなのか、ってこ...
また、胸に鋭い痛みが生まれる。
「ああ、そのことですか」
だが、シエスタは何でもないことのように、にっこりと笑っ...
「今更何を仰るんですか。そんなこと、わたしはずうっと前か...
「シエスタ?」
才人が驚いたように目を見開く。シエスタは唇に手をやって...
「もう。急に謝らなくちゃ、なんて言うものだから、びっくり...
「ええと、あのさ、それで」
「分かってます」
喋りにくそうに口ごもる才人の声を、シエスタはすまし顔で...
「お二人のお邪魔をする気はありませんよ。ミス・ヴァリエー...
だったはずなんです。今、彼女の心をかき乱すようなことは...
「ごめん」
「謝らないでください。お二人とも、わたしにとっては大切な...
幸せを祝福してあげますから」
「シエスタ。俺、なんて言っていいか」
才人が悔やむように俯く。シエスタは苦笑して彼の肩を叩い...
「そんな顔しないでくださいよ。ミス・ヴァリエールのこと、...
う? だったら、そんな顔しちゃダメです」
「そうか。そうかな、うん」
才人の顔に、少しだけ元気が戻ってくる。シエスタは「そう...
「さ、そろそろミス・ヴァリエールのお世話をしなくちゃいけ...
「そうだな。それじゃ、シエスタ、ルイズのこと……」
「大丈夫です。サイトさんの……いえ、わたしたちのお姫様は、...
シエスタが自分の胸を叩いてそう言ってやると、才人はもう...
つほど離れた船室に戻っていった。
才人が船室に消えたあと、シエスタは長い吐息を吐き出した...
からせり上がってきて、瞳の奥から涙を滲み出させた。才人に...
はしばらくの間その場にしゃがみ込み、声を押し殺して泣き続...
「大丈夫?」
と、不意に声をかけられた。慌てて涙を拭いながら顔を上げ...
た。小柄な体と、肩の辺りで切り揃えられた青い髪、そして湖...
「ミス・タバサ」
「これ、使って」
タバサが差し出したハンカチを、シエスタは遠慮なく受け取...
小柄な少女に問いかける。
「あの。もしかして、さっきの会話」
「聞いてた。立ち聞きになってごめんなさい」
「いえ、それはいいんですけど」
その先を言うのは、少し躊躇われた。シエスタの知る限り、...
ずである。だとすれば、彼女も自分同様の胸の痛みを抱えてい...
だが、そんな気遣いなど無用と言うように、タバサは静かに...
「わたしは、サイトが幸せならそれでいい。ずっとそう思って...
迷いのない声で断言されると、泣いていた自分が少し恥ずか...
き出し、シエスタは照れ笑いを浮かべながら立ち上がった。
「ダメですね、わたし。もうとっくに、諦めはついてたはずな...
「大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
今度はちゃんと返事が返せた。泣いたおかげか、少しだけ心...
387 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「あ、そうだ。ミス・タバサ、お願いがあるんですけど、聞い...
「なに?」
「この部屋……ミス・ヴァリエールの船室の周りに、あの、音が...
けないでしょうか」
この冒険に参加し、間近で貴族と接することによって、シエ...
なった。今タバサに頼んだ「サイレント」の魔法も、以前何度...
だった。
「静かにしてあげたいの?」
「はい。ミス・ヴァリエールも、なんだか少し様子が変でした...
ません」
「分かった」
タバサが詠唱して杖を振る。見た目には分からないが、それ...
「これで、部屋の中の音は外に聞こえないし、部屋の外の音は...
「ありがとうございます」
「わたしは隣の部屋にいる。他にも、何か協力できることがあ...
「はい、分かりました」
シエスタがお辞儀をすると、タバサは黙ってその場を去り、...
「さてと。ミス・ヴァリエールのお世話をしてあげなくちゃ」
気持ちを切り替えるように呟き、シエスタはルイズの船室に...
つも聞こえる風の音や、階上で誰かが歩き回る音なども聞こえ...
(これなら、ミス・ヴァリエールにもゆっくりと休んでもらえ...
そんなことを考えたとき、ふと、シエスタは部屋の隅から音...
かすかな音であった。「サイレント」で部屋の外の音が遮断...
ろう。
聞こえてきた音は、小さな衣擦れの音。それに混じって、切...
に聞こえてくる。
(え、なに?)
一瞬状況が分からず、シエスタは困惑する。喘ぎ声の主が寝...
悟ると、その困惑はさらに大きくなった。
(どうしたのかしら。苦しくて呻いてる、って訳ではなさそう...
シエスタは息を潜め、出来る限り足音を立てないように注意...
だが、そこまで注意深くなる必要はなかったようだ。ルイズは...
没頭しているようで、そもそもこちらが部屋に入ってきたこと...
近づくにつれ、音も大きく聞こえるようになる。やはり、衣...
イズが布団の中で何やらもぞもぞと動いているようである。水...
さを増しているように見える。
(……これ、ひょっとして)
シエスタの背筋に悪寒が走る。何か、猛烈におかしなことが...
そして、ルイズの喘ぎ声がさらに明瞭に聞き取れるようにな...
這い出して全身を駆け巡った。
「だめぇ、指なんかじゃ全然ダメなのぉ……もっと太いの欲しい...
頭がクラクラした。何がなんだか分からないまま、不吉な焦...
布団に手をかけた
「何やってるんですか、ミス・ヴァリエール!」
叫びながら布きれを引っぺがすと、その向こうからルイズが...
ので、シエスタはその場で卒倒しそうになった。
赤い頬と潤んだ瞳のルイズは、薄手の寝衣を激しく乱したま...
股間をまさぐっていたのである。陰裂深く二本の指が差し込ま...
禁のようにあふれ出して、寝台の敷布を濡らしている。
要するに、自慰の真っ最中なのであった。
388 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
(何やってんですかあなたは)
口に出しては何も言うことができず、シエスタはルイズを見...
と口を開く。
その間もルイズは指を動かし続け、露骨な視線を浴びながら...
かった。それどころか、その指使いはより一層激しくなってい...
「シエスタぁ、どうしよぉ」
指で陰裂の奥をまさぐり、時折声を詰まらせながら、ルイズ...
超えた状況に頭がついていかなかったが、シエスタはかろうじ...
「どうしようって、何がですか」
「あのねぇ、さっきからこうやって指でたくさん弄ってるんだ...
(何言ってるんですかあなたは)
だが、やはり口に出しては何も言えない。シエスタは軽く現...
彼女が頭の中のお花畑で遊んでいる間にも、ルイズの自慰は...
つまで経っても絶頂にはたどり着けないらしく、ルイズはその...
一旦指を陰裂から引き抜いた。
(何やってるんだろこの人)
虚ろな意識で、シエスタはルイズの動きを見守る。陰裂から...
イズは、その手をそのままさらに下の方に持っていき、
「って、何やってんですかミス・ヴァリエール!」
さすがに今度ばかりはシエスタも声に出して叫んでいた。指...
腕を無理矢理引っつかみ、その常識外れの蛮行を何とか止める...
叫び始めた。
「やだ、離してよぉ、シエスタぁ!」
「離しません! なんてところに指をいれようとしているんで...
「だって、イケないんだもん、おマンコじゃイケないんだもん...
「お、おま……けつ……」
ルイズの口から飛び出した卑猥な単語に、シエスタは絶句す...
(い、一体何がどうなってるの……?)
さっきまで己の失恋について傷ついたり、泣いたりしていた...
んど非現実的であり、悪夢のようにしか思えなかった。
だが、これはまごうことなき現実なのだった。シエスタが才...
ルイズは夢中になって自分の性器をいじって、獣のように快楽...
ようだが、重ね重ね、これは現実である。
未だ失恋のショックから立ち直りきれていないシエスタの前...
穴に指をいれたいと言って泣き叫んでいる。
(なんなのこれ。なんなのこれ)
答えてくれる者はいない。シエスタは呆然としつつも、まだ...
タ暴れているルイズを抑えるのだけは忘れなかった。
(落ち着いてシエスタ。ミス・ヴァリエールは、あまりにも状...
錯乱なさっているのかもしれないわ)
無理のある理論で心を落ち着かせつつ、シエスタはルイズを...
が引きつっているのが自分でも分かったが、さすがにそれはど...
「ねえ、ミス・ヴァリエール?」
「やだぁ、離してよぉ」
「じゃ、お尻に指をいれようとするの、やめていただけますか...
「いやぁ。ケツ穴で気持ちよくなるのぉ」
まるで異常者と会話しているような気分。「もうイヤ、何も...
ぶ理性を根性で押さえつけて、シエスタはなおもルイズと会話...
「いやですわミス・ヴァリエールったら。いくらなんでも冗談...
「やだぁ、お尻ぃ」
話が全く通じない。仕方がないので、別のアプローチから攻...
389 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「どうして、お尻をいじりたいんですか?」
よもやこんな質問を口にする日が来ようとは、予想もしてい...
がら、シエスタはルイズの答えを待つ。
ルイズは、「えっとねえ」と童子のように呟き、目をとろん...
隙間から涎を垂れ流しつつ、だらしない口調で言う。
「ケツ穴ホジホジするとねえ、とってもいい気持ちになるのよ...
ケツ穴も大好きぃ」
「そうですか」
頭が痛くなってきた。シエスタは歯軋りをしながら、何とか...
「いいですか、ミス・ヴァリエール。お尻の穴はね、とっても...
込んじゃいけませんよ」
なんでこんなことを説明しなくちゃならないんだと、心の中...
は噛んで含めるような口調でルイズに言い聞かせた。するとル...
た口調で呟く。
「わたしのケツ穴ね、とっても汚いの。わたし、汚いの。薄汚...
自分の言葉でさらに興奮してきたのか、ルイズは自由な左手...
かき回し始める。
このまま発狂してしまいたいと思いながらも、シエスタは寸...
有無を言わさぬ口調でルイズに命令した。
「ミス・ヴァリエール! 今すぐ、そんなことをするのはお止...
「どうしてぇ」
「どうしてって、考えれば分かるでしょう!?」
「えっとねぇ」
ルイズは唇に濡れた指を当てて、しばらく考えていたが、や...
せて叫んだ。
「分かった、シエスタが弄ってくれるのね!」
「は?」
予想だにしない答えに呆然とするシエスタのことなど全く気...
いになって、こちらに尻を向けてきた。
「え」
「お願いシエスタ、わたしのだらしないケツ穴、たくさんいじ...
「ちょ」
「早く、早くぅ」
ルイズが待ちきれない様子で尻を振りながら、病的に紅潮し...
シエスタはそのルイズの横顔と、自分の目の前に突き出され...
などを除けば、人の尻をマジマジと眺めるなど初めての光景で...
と、この世の理不尽について滔々と考えたくなってくる。
だが、いつまでもそうしている訳にはいかなかった。もしも...
この部屋を訪れたりしたら。
(破滅だわ……!)
凄まじい恐怖に駆られて、シエスタは思わず自分の左手でル...
合った瞬間、ルイズの体が大きく跳ねて、彼女の口から聞いた...
その声を聞いた瞬間、シエスタの中で何かが切れた。
390 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「ふふ、ふふふふ……」
「シエスタ?」
「わたしが真剣に真剣に悩みぬいて、サイトさんをあなたに譲...
この一ヶ月間の苦しみと悲しみ、先程までの痛みが、一気に...
(もう、どうにでもなれ)
シエスタは目を見開き、思いっきり右手を振り上げた。
「そんな悪い子には、たっぷりお仕置きして差し上げます!」
「してぇ、お仕置きしてぇ!」
シエスタの怒りの声に、ルイズがむしろ悦びの声を上げると...
な尻を思いっきり打った。
ルイズが声にならない悲鳴を上げる。だが、シエスタは躊躇...
度も憎い尻肉に向かって振り下ろした。そのたび乾いた音が鳴...
のだったので、シエスタはなおさら怒りを募らせる。
「この、いきなり変態になって帰ってきて、本当に、悪い子、...
「ごめ、ゴメンなさいぃ、悪いメス豚でゴメンなさいぃ……!」
そうやって、十分ほどの時間が経過しただろうか。
すっかり精根尽き果てて、シエスタは寝台のそばに座り込ん...
平がひりひりと痛み、腕が痺れたような感覚に包まれている。
病的な怒りと興奮が去ったあとに残ったのは、凄まじい疲労...
と首を巡らし、寝台の上を見る。
そこでは散々打たれて真っ赤になった尻をさらしたまま、ル...
るのであった。尻を叩かれている途中で失禁まで始めたので、...
い状態である。
だが、何よりもシエスタの心を重くしたのは、そんな状態に...
のない幸せそうな笑みが浮かんでいることであった。
「えへへぇ、お尻ぃ、気持ちいぃ……」
そんな、寝言だかうわ言だか分からない言葉まで聞こえてく...
(どうしよう、これ……)
寝台の上を片付ける気にもなれないまま、シエスタは頭を抱...
420 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
あまりのことに茫然自失となったシエスタだったが、残念な...
いられないのだった。ルイズが今少し大人しくなっているとは...
くない状況は全く変わっていない。
シエスタは立ち上がり、後ろを向いた。乱れて一部が湿って...
上に半裸で白目を剥いてぴくぴくと痙攣しているルイズ。
(こんなところを見られたら、おしまいだわ)
慌てて寝台に取り付き、意識が混濁しているらしいルイズの...
「さ、ミス・ヴァリエール。起きてください。今から体をきれ...
ルイズからの反応はない。瞳は虚ろで、口は半開きになった...
る気配はない。シエスタは部屋の隅の長櫃から長い布を取り出...
彼女から綺麗になってもらい、敷布や布団の問題は後回しにす...
汗と尿でぐっしょりと濡れた寝衣を脱がせ、ルイズの肌に直...
と、先程まで無反応だったルイズが、突然奇声を上げた。その...
ルイズの体から手を離してしまう。
「どうしたんですか?」
「もっと、もっとやってぇ」
呂律が回っていない声である。シエスタは嫌な予感を覚えた...
訳にもいかず、嫌々ながら彼女の体を拭くのを再開する。
ルイズはシエスタが布越しに彼女の体を撫でるたびにいちい...
漏らした。その内小柄な体が火照って赤くなり始め、小さな乳...
くのが見て取れた。顔に視線を移すと、だらしなく舌を垂らし...
タはうんざりした。
「ふざけないでください、ミス・ヴァリエール」
「だって、シエスタが上手すぎるんだもん」
悩ましげな声で言ったあと、ルイズはこちらに身を乗り出し...
寄せて、ねだるような甘ったるい声で言う。
「ねぇ、もっと、この辺りをたくさんこすって」
「わたしはそんなつもりであなたの体を拭いているんじゃあり...
怒鳴りつけてやると、「シエスタのいじわる」と拗ねた声が...
黙って自分の股間に手を伸ばしかける。シエスタは慌ててその...
「ちょっと、何なさってるんですかミス・ヴァリエール」
「オナニー」
「そういうことを聞いてるんじゃありません。やめてください...
苛立ちを必死にこらえながらそう言うと、ルイズはいやいや...
すすり泣き始めた。
「焦らしちゃやだぁ」
「焦らしてるんじゃありませんったら! もう。とにかく、黙...
「いじわる」
「何とでもお言いなさい」
もうその辺りはすっぱり無視することに決めて、シエスタは...
ズは相変わらず奇声や喘ぎ声を漏らし、「ダメ、もっと優しく...
だのとうわ言を呟いてシエスタの集中をかき乱したが、彼女は...
(自分で自分を褒めてあげたい気分)
だが、一仕事終えた達成感に浸っている余裕はなかった。次...
「ミス・ヴァリエール。一度寝台から降りていただけますか」
「うん」
「で、服を脱いでそこに置いてください」
もちろん、「汚れたので服を着替えてください」という意味...
のように解釈したようだ。異様なまでに目を輝かせると、寝台...
そと服を脱ぎ捨てた。そして、一言。
「して」
「何もしません」
421 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
もはや怒鳴る気力もない。シエスタは裸で待ち構えているル...
完全に床に下ろし、敷布を寝台から引き剥がす。その途中で、...
きて、彼女の体に抱きついてきた。背中に火照った体の熱を感...
「何してるんですか、ミス・ヴァリエール」
「いじめちゃいや」
「いじめてませんから。いいから早く服を着てください」
「だって、まだ何もしてないのに」
「だから何もしませんってば」
「やだ、切ないの。ねえシエスタ、お願い。何でもするから、...
「じゃあ服を着て大人しくしていてください」
「シエスタぁ」
幼子のような声で恥ずかしげもなく泣きながら、ルイズは自...
背中にこすりつけ始めた。主に胸の辺りを重点的に。
「んふぅー……気持ちいいぃ」
服の布地越しに湿りきった吐息を感じる。シエスタの背筋に...
「ちょ、やめてください、ミス・ヴァリエール!」
「だって、シエスタがわたしのこと弄ってくれないんだもん。...
とろけるような声で言い、ルイズはさらに激しくシエスタの...
る。その内息がさらに荒くなり、体の動きも速くなってきた。
(早く、片づけを終わらせないと)
シエスタはメイドとしての半生で得た経験をフルに活かし、...
体を揺すり続けているルイズを引き剥がし、乱暴に寝台の上に...
「いやぁ、シエスタぁ」
「いい加減にしてください、ミス・ヴァリエール。こんなこと...
脅し文句として多少は有効かと思って才人の名を口にしてみ...
きょとんとした様子で目を瞬いた。
「サイト?」
「そうです。サイトさん。ミス・ヴァリエールがこんなことし...
うなると思いますか?」
ルイズは目を輝かせた。
「たくさんしてもらえる」
逆効果だった。虚脱感のあまり腰砕けしそうになるシエスタ...
「サイト、すごくえっちだもん。わたしもえっちになったの知...
愛してくれるわ。わたしたちね、昼も夜もずーっと愛し合う...
淫靡な想像がどんどん膨らんでいくらしく、ルイズの瞳がま...
(これはお手上げだわ。とてもわたしの手には負えない)
シエスタは心の中で白旗を上げた。こうなれば、誰かに助力...
(でも、こんなこと誰に相談したらいいのかしら。サイトさん...
に頼れる人も……あ、そういえば)
タバサの顔が頭に浮かんだ。協力するから何でも言ってと言...
と言うかそもそもあまり喋らない。それに何より、冷静沈着な...
野にまで及んでいるかは定かでないが、とにかくいい助っ人に...
(よし、ミス・タバサに相談してみよう)
そう決めたものの、シエスタは少し迷う。タバサは隣の部屋...
を離れる時間はせいぜい数十秒ほどのはずである。だが、たと...
ら目を離すのは不安だった。
「ミス・ヴァリエール」
「なぁに」
ぼんやりと首を傾げるルイズの眼前に、シエスタは指を突き...
「いいですか、わたしは今からほんのちょっとだけ部屋を空け...
としちゃダメですよ」
「さっきみたいなことって?」
「ええと」
さすがに卑猥な単語を口にするのは躊躇われたので、シエス...
「だから、自分の指を、その、そこにいれたり、とか」
股間を指差されたルイズは、少しの間何やら考えていたよう...
「分かったわ。何もしないで待ってる」
422 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「本当ですよ。絶対ですよ」
何度も念を押しつつ、シエスタは部屋を出ると、滑稽なほど...
「誰」
静かな声が返ってくる。シエスタが「わたしです」と答える...
船室の中に足を踏み入れたシエスタは、机に向かって本を広...
寄り、言った。
「ミス・ヴァリエールが大変なので来てください」
あまりにも適当すぎる説明ではあるが、上手く説明できない...
から何かがあったことを察してくれたらしい。タバサはすぐに...
「こちらへ」
シエスタはタバサの部屋の扉を開け、すぐにまた隣のルイズ...
そして、扉を開けて絶句した。
「ああ、サイト、サイトの太いのぉ」
「何やってるんですか!」
寝台の上でまた陰裂の奥を弄っていたルイズのそばにすっ飛...
み止める。先程「自慰は絶対しないように」と厳命してから、...
早すぎである。
「こういうことは止めてくださいって言ったでしょう!?」
「そうです」
と、ルイズは何かを期待するかのように目を輝かせた。
「ルイズ、変態なので約束を破っちゃいました。お仕置きして...
そう言って、自分から股を広げてみせる。最初からそれが目...
タはため息を吐いた。
「なるほど」
背後から納得したような声が聞こえてくる。振り返ると、タ...
あった。
「そういうこと」
何やら、確認するように何度も頷いている。変わり果てたル...
子が見られない。やっぱりこの人は凄い、とシエスタは内心感...
「こういうことなんです」
「いつから」
「起きたときにはもう様子がおかしくて」
「そう」
そんなことを喋っている間にも、ルイズはまた自慰に没頭し...
ぎ声と絶え間ない水音を、シエスタはあえて聞こえない振りで...
「どうなってるんでしょうか」
「ある程度、推測はつく」
答えは期待していなかったが、タバサは静かにそう返答する...
「え、それってどういう」
「多分」
と、タバサが何か言いかけたところで、シエスタは不意に背...
「ねえ、シエスタぁ」
振り向くと、床にしゃがみ込んだルイズが、左手でこちらの...
ろん股間に潜り込んでいる。
「無視しちゃイヤ。ね、わたし、シエスタの言いつけ破った、...
躾けてよぉ」
「何バカなこと言ってんですかあなたは」
「ああ、いい、もっと、もっと口汚く罵って!」
ルイズは目を閉じて大きく体を震わせる。何を言っても興奮...
風に邪魔をされては、いつまで経っても話が進まない。
(どうしましょう)
(任せて)
シエスタの困惑の視線に、タバサは小さく頷いた。こちらに...
を無表情に見下ろす。
423 名前: ヴァリエール家の雌犬 [sage] 投稿日: 2007/09/1...
「ルイズ」
「ああ、タバサ。タバサもいじめてくれるの」
「分かった、いじめてあげる」
言うが早いか、タバサは小柄な体には似合わない力で、ルイ...
相手の体を横たえて、ゆっくりと覆いかぶさる。
(え、何を)
驚くシエスタの前で、タバサは躊躇いなくルイズの唇に自分...
い上げ、ねっとりとした水音を響かせる。ルイズもまたうっと...
応じている。
そうして激しく唇と舌を絡ませつつ、タバサは同時に腕も動...
えながら、右手は滑るように相手の肌を這い回り、要所要所を...
ら、相手の反応を窺っている。
「あ、ああ、そこぉ」
「ここ?」
ルイズの唇を攻め立てながら、タバサはルイズの左胸の辺り...
ねた。
「そこ。いい、いいの」
「そう」
タバサの唇がルイズの唇から離れ、混ざり合う唾液の跡を残...
を伝い首を通り、やがてルイズが最も敏感に反応するスポット...
と唇で重点的に攻め立てた。甘噛みを交えながら、舐め、吸い...
びにルイズはむせび泣くような喘ぎ声を上げ、何度も何度も小...
(……凄い)
シエスタは、その光景に淫靡さと同じぐらいの美しさを感じ...
ズの反応を敏感に感じ取り、次々に場所を変えながら、滑らか...
ルイズは長く、あるいは短く悲鳴を上げて体を震わせる。タバ...
れはまるで一流のピアニストが素晴らしい旋律を生み出してい...
そうやってシエスタが見入っているうちに、二人の情交は終...
タバサの指がルイズの陰裂に潜り込み、休みなく中をかき回...
身悶えしながら切なげな喘ぎ声を漏らし続けている。正気を失...
もさらに崩れ、まさに快楽を貪る獣の表情である。開きっぱな...
ている。
「そろそろ?」
「うん……ああ、もう、もう……!」
「そう」
小さく呟くと、タバサは最後の仕上げとばかりに、ルイズの...
イズの体が弓なりに反り返った。大きく開かれた口から長い長...
台に崩れ落ちる。半ば白目を剥きかけているルイズの口元から...
ばかりの敷布をまたも濡らしていた。
「これで黙った」
ぽつりと言い、タバサは少しだけ乱れた着衣を軽く直す。そ...
り返すだけで、もう何も言わなかった。時折痙攣しているもの...
没頭することもない。完全に意識が飛んでいるようである。
(ううん、飛ばされたんだわ。この人に、指と唇だけで)
性に関する知識が豊富とは言えないシエスタにも、今目の前...
いたことだけはハッキリと分かる。
しかも、完全に正気を失くしているルイズに比べ、タバサの...
うのに、息一つ乱していない。事前と事後で全く様子が変わら...
ただ呆然とするしかなかった。
「あの、ミス・タバサ」
「なに」
「ええと、何というか、とてもお見事でしたけど……一体、どこ...
タバサはそっと目をそらすと、ルイズの愛液に塗れた自分の...
「そういう任務もあった」
なんだかいろいろ怖かったので、シエスタは深く追及しなか...
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