ゼロの使い魔保管庫
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119 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
ぶるっ。
真夜中。
生徒たちはおろか使用人たちすら全て寝静まり、起きているの...
蒼い月明かりに照らされて、青い髪の少女は布団の中で身震い...
そして、身震いの原因をぽそりと言い放つ。
「…おしっこ…」
ぼんやりとした顔で眼鏡をかけ、いつもの大きな杖を手に取り...
一階の、共同トイレに行くために。
魔法学院のトイレはトリステインでも珍しい、水洗式である。
用を済ませたタバサが個室の上から延びる紐を引くと、便器の...
じゃぁぁぁーっ。
タバサはしばらくぼーっとその渦を眺めた後、やっぱり寝ぼけ...
自分の部屋に戻るために。
丁度その頃。
ぶるっ。
真夜中。
使い魔はおろか使用人たちすら全て寝静まり、起きているのは...
蒼い月明かりに照らされて、桃色の髪の少女は布団の中で身震...
そして、身震いの原因をぽそりと言い放つ。
「…おひっこ…」
ぼんやりとした顔で使い魔の腕枕から起き上がり、寝巻きのま...
一階の、共同トイレに行くために。
魔法学院のトイレには、当然の事ながら手洗い場がある。
しかしその手洗い場は普通のソレではなく、竜の首を象った蛇...
用を済ませたルイズが手を洗うためにその竜の口に手をかざす。
じゃぁぁぁーっ。
水が流れ、ルイズはその水で手を洗い、そしてそのままぽけー...
ルイズはしばらくぼーっとその小さな滝を眺めた後、やっぱり...
自分の部屋に戻るために。
120 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
丁度その頃。
タバサは今にも落ちそうな瞼と必死に戦いながら、温かいベッ...
大きな杖と三角形のナイトキャップが、その歩みに合わせてへ...
タバサは目的地の扉に辿り着く。
…そう、ここ。
一番、安心して眠れる場所。自分の居場所。
タバサは音もなく扉を開けると、てちてちと寝ぼけ眼でベッド...
ベッド脇に杖を立てかけ、脇の円卓に眼鏡を置いて、シーツを...
もそもそとベッドの中央まで登り、ちょっと硬いベッドの上で...
…うん、すごく、落ち着く…。
タバサはちょっと硬いその枕に顔を埋め、そのまますぴすぴと...
そのちょっと後。
ルイズは今にも襲い掛かってきそうな睡魔と必死に戦いながら...
長いウェーブのかかった桃色の髪が、その歩みに合わせてふわ...
ルイズは自室の扉に辿り着く。
…ねむー。早くねよー…。
だいすきな人の腕の中で。いちばんたいせつな場所で。
ルイズは軽い音を立てて扉を開けると、寝ぼけ眼でよろよろと...
ベッド脇に何か長いものが立てかけてあったけど眠いからパス。
脇の円卓にあるのは昨夜才人と飲んだワインとなんか丸いもの。
ルイズはシーツをめくって目的のものを発見する。
そこにあったのは、ルイズ専用の腕枕。才人の左腕だった。
ルイズはとベッドに登り、才人の左腕を枕に決め込むと、大き...
…さいとのにおいだぁ…。
ルイズはちょっと硬いその枕に顔を埋め、才人のにおいに満足...
121 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
そして次の朝。
目を醒ますと、シエスタが目の前で固まっていた。
ルイズは差し込む朝日に目を擦りながら、才人を挟んで反対側...
「どしたのシエスタぁ?」
シエスタは応えない。
その代わりに、目の前の大きく膨らんだシーツを指差している。
ルイズはなんじゃらほい、と思ってシーツをめくる。
「な」
ルイズも固まった。
そこにいたのは。
青いナイトキャップに青い寝巻きを着込んだ、タバサがいた。
才人の胸板の上で、まるで才人に抱きつくようにうつ伏せにな...
先に、その衝撃から立ち直ったのはルイズだった。
「なにやってんのよチビっこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
問答無用でタバサを踏み潰…せなかった。
タバサは半ば反射行動のようにがばっ!と起き上がり、ルイズ...
ぼぐ!
「たわば!」
妙な声をあげて才人が眠りから気絶に突入したがそんなことは...
タバサはそのまま流れるような動きで杖を手にして眼鏡をかけ...
ナイトキャップと寝巻きが妙にラブリーだ。
「…いきなり何するの」
「それはこっちのセリフよっ!人の部屋で人の使い魔に何さら...
「そうですよ、どこから入ったんですか!」
ルイズはどこから取り出したのか、杖をすでに構えていた。
シエスタもどこから取り出したのかフライパンを取り出して臨...
二人ともネグリジェじゃいまいちサマにならないが。
タバサは二人の言葉に、辺りをきょときょとと見渡す。
そして。
「サイト!?」
心の声と同時に呼びかけるが、才人は応えない。
全力で気絶していた。
そして気付く。
「ここは…サイトの部屋?」
「私の部屋だってば」
「そうですね」
別々の答えが返ってきたが、その意味するところは同じ。
どうしてこうなったのかタバサは理論的に考えてみる。
自分は、サイトの使い魔になった。
使い魔は、自分の主人の下が一番安心できるという。
だから、寝ぼけた状態の自分は、一番安心できる場所…才人のと...
ならば。
122 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
「…これは、当然の帰結」
「はい?」
「どういう意味ですか?」
首を傾げる二人に、タバサは淡々とありのままを説明した。
二人の目が点になったのは言うまでもない。
そして、証拠の使い魔の印である、額の雪の結晶を見せた瞬間...
「くぉら犬、何主人の許しもなしに使い魔作ってんのよぉぉぉ...
とんでもない言いがかりだが。
その言葉と同時に発された魔法は、才人をボロ雑巾のごとく吹...
123 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
目を醒ますと、どこかで見たようなベッドの上にいた。
そして起きようとした。
ずっきぃん!
うわっだだだだだだだだだだだだ!
な、なんだ?身体中いてえぞ?
よく見ると、俺は身体中包帯でぐるぐる巻きにされて、ベッド...
…あ、目、さめた?
不意に、頭の中に心配そうな声が響く。
え?シャルロット?
俺がベッドの脇をなんとか向くと、そこにはシャルロットがい...
…うん。身体大丈夫?
…大丈夫じゃないし、この状況は何?
俺の心の質問に、シャルロットはしばらく考え、そして、声で...
「…ルイズに、契約のことがバレた」
…………………………………………。
………………………………………………。
な、なんだってー!(AAry
る、ルイズに使い魔の契約のことがバレたってー?
そ、それで俺殺されかけたんか!なるほどなっとく!
じゃなくて!
そこまで考えて、そこにシャルロットの心の声が割り込む。
どうやら、心の声をだだ漏れにしていたらしい。
…心配しなくていい。
ゑ?
どういう意味なんだ?
そう思った俺に、シャルロットは応えた。
…ほとぼりが冷めるまで、私のトコロにいればいい。
その声には、なんだか嬉しそうな感情が篭っていた。
…あの、シャルロットサン?そういう問題では
…それまで。
うを?な、なんじゃこのメガ嬉しい感情の奔流は?
戸惑う俺に、シャルロットは声と一緒に言った。
「サイトは、私だけのご主人様、だから…」
その言葉と一緒に、シャルロットの感情が一気に俺の中に流れ...
………本当に、心の底から幸せなんだな。
ったく、しゃあねーなぁ。
「じゃ、シャルロット、まず一個お願いしていい?」
「なに?」
「お腹すいたから、なんか食べさせて」
「うん♪」
とりあえず、しばらくの間。そう、とりあえず怪我が治るくら...
俺は、この小さな青い髪の使い魔のところに、世話になること...
終了行:
119 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
ぶるっ。
真夜中。
生徒たちはおろか使用人たちすら全て寝静まり、起きているの...
蒼い月明かりに照らされて、青い髪の少女は布団の中で身震い...
そして、身震いの原因をぽそりと言い放つ。
「…おしっこ…」
ぼんやりとした顔で眼鏡をかけ、いつもの大きな杖を手に取り...
一階の、共同トイレに行くために。
魔法学院のトイレはトリステインでも珍しい、水洗式である。
用を済ませたタバサが個室の上から延びる紐を引くと、便器の...
じゃぁぁぁーっ。
タバサはしばらくぼーっとその渦を眺めた後、やっぱり寝ぼけ...
自分の部屋に戻るために。
丁度その頃。
ぶるっ。
真夜中。
使い魔はおろか使用人たちすら全て寝静まり、起きているのは...
蒼い月明かりに照らされて、桃色の髪の少女は布団の中で身震...
そして、身震いの原因をぽそりと言い放つ。
「…おひっこ…」
ぼんやりとした顔で使い魔の腕枕から起き上がり、寝巻きのま...
一階の、共同トイレに行くために。
魔法学院のトイレには、当然の事ながら手洗い場がある。
しかしその手洗い場は普通のソレではなく、竜の首を象った蛇...
用を済ませたルイズが手を洗うためにその竜の口に手をかざす。
じゃぁぁぁーっ。
水が流れ、ルイズはその水で手を洗い、そしてそのままぽけー...
ルイズはしばらくぼーっとその小さな滝を眺めた後、やっぱり...
自分の部屋に戻るために。
120 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
丁度その頃。
タバサは今にも落ちそうな瞼と必死に戦いながら、温かいベッ...
大きな杖と三角形のナイトキャップが、その歩みに合わせてへ...
タバサは目的地の扉に辿り着く。
…そう、ここ。
一番、安心して眠れる場所。自分の居場所。
タバサは音もなく扉を開けると、てちてちと寝ぼけ眼でベッド...
ベッド脇に杖を立てかけ、脇の円卓に眼鏡を置いて、シーツを...
もそもそとベッドの中央まで登り、ちょっと硬いベッドの上で...
…うん、すごく、落ち着く…。
タバサはちょっと硬いその枕に顔を埋め、そのまますぴすぴと...
そのちょっと後。
ルイズは今にも襲い掛かってきそうな睡魔と必死に戦いながら...
長いウェーブのかかった桃色の髪が、その歩みに合わせてふわ...
ルイズは自室の扉に辿り着く。
…ねむー。早くねよー…。
だいすきな人の腕の中で。いちばんたいせつな場所で。
ルイズは軽い音を立てて扉を開けると、寝ぼけ眼でよろよろと...
ベッド脇に何か長いものが立てかけてあったけど眠いからパス。
脇の円卓にあるのは昨夜才人と飲んだワインとなんか丸いもの。
ルイズはシーツをめくって目的のものを発見する。
そこにあったのは、ルイズ専用の腕枕。才人の左腕だった。
ルイズはとベッドに登り、才人の左腕を枕に決め込むと、大き...
…さいとのにおいだぁ…。
ルイズはちょっと硬いその枕に顔を埋め、才人のにおいに満足...
121 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
そして次の朝。
目を醒ますと、シエスタが目の前で固まっていた。
ルイズは差し込む朝日に目を擦りながら、才人を挟んで反対側...
「どしたのシエスタぁ?」
シエスタは応えない。
その代わりに、目の前の大きく膨らんだシーツを指差している。
ルイズはなんじゃらほい、と思ってシーツをめくる。
「な」
ルイズも固まった。
そこにいたのは。
青いナイトキャップに青い寝巻きを着込んだ、タバサがいた。
才人の胸板の上で、まるで才人に抱きつくようにうつ伏せにな...
先に、その衝撃から立ち直ったのはルイズだった。
「なにやってんのよチビっこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
問答無用でタバサを踏み潰…せなかった。
タバサは半ば反射行動のようにがばっ!と起き上がり、ルイズ...
ぼぐ!
「たわば!」
妙な声をあげて才人が眠りから気絶に突入したがそんなことは...
タバサはそのまま流れるような動きで杖を手にして眼鏡をかけ...
ナイトキャップと寝巻きが妙にラブリーだ。
「…いきなり何するの」
「それはこっちのセリフよっ!人の部屋で人の使い魔に何さら...
「そうですよ、どこから入ったんですか!」
ルイズはどこから取り出したのか、杖をすでに構えていた。
シエスタもどこから取り出したのかフライパンを取り出して臨...
二人ともネグリジェじゃいまいちサマにならないが。
タバサは二人の言葉に、辺りをきょときょとと見渡す。
そして。
「サイト!?」
心の声と同時に呼びかけるが、才人は応えない。
全力で気絶していた。
そして気付く。
「ここは…サイトの部屋?」
「私の部屋だってば」
「そうですね」
別々の答えが返ってきたが、その意味するところは同じ。
どうしてこうなったのかタバサは理論的に考えてみる。
自分は、サイトの使い魔になった。
使い魔は、自分の主人の下が一番安心できるという。
だから、寝ぼけた状態の自分は、一番安心できる場所…才人のと...
ならば。
122 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
「…これは、当然の帰結」
「はい?」
「どういう意味ですか?」
首を傾げる二人に、タバサは淡々とありのままを説明した。
二人の目が点になったのは言うまでもない。
そして、証拠の使い魔の印である、額の雪の結晶を見せた瞬間...
「くぉら犬、何主人の許しもなしに使い魔作ってんのよぉぉぉ...
とんでもない言いがかりだが。
その言葉と同時に発された魔法は、才人をボロ雑巾のごとく吹...
123 名前: 使い魔の寝床 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日: 2007...
目を醒ますと、どこかで見たようなベッドの上にいた。
そして起きようとした。
ずっきぃん!
うわっだだだだだだだだだだだだ!
な、なんだ?身体中いてえぞ?
よく見ると、俺は身体中包帯でぐるぐる巻きにされて、ベッド...
…あ、目、さめた?
不意に、頭の中に心配そうな声が響く。
え?シャルロット?
俺がベッドの脇をなんとか向くと、そこにはシャルロットがい...
…うん。身体大丈夫?
…大丈夫じゃないし、この状況は何?
俺の心の質問に、シャルロットはしばらく考え、そして、声で...
「…ルイズに、契約のことがバレた」
…………………………………………。
………………………………………………。
な、なんだってー!(AAry
る、ルイズに使い魔の契約のことがバレたってー?
そ、それで俺殺されかけたんか!なるほどなっとく!
じゃなくて!
そこまで考えて、そこにシャルロットの心の声が割り込む。
どうやら、心の声をだだ漏れにしていたらしい。
…心配しなくていい。
ゑ?
どういう意味なんだ?
そう思った俺に、シャルロットは応えた。
…ほとぼりが冷めるまで、私のトコロにいればいい。
その声には、なんだか嬉しそうな感情が篭っていた。
…あの、シャルロットサン?そういう問題では
…それまで。
うを?な、なんじゃこのメガ嬉しい感情の奔流は?
戸惑う俺に、シャルロットは声と一緒に言った。
「サイトは、私だけのご主人様、だから…」
その言葉と一緒に、シャルロットの感情が一気に俺の中に流れ...
………本当に、心の底から幸せなんだな。
ったく、しゃあねーなぁ。
「じゃ、シャルロット、まず一個お願いしていい?」
「なに?」
「お腹すいたから、なんか食べさせて」
「うん♪」
とりあえず、しばらくの間。そう、とりあえず怪我が治るくら...
俺は、この小さな青い髪の使い魔のところに、世話になること...
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