ゼロの使い魔保管庫
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130 名前: トリスタニアの休日・ごく普通バージョン [sage] ...
夕暮れも近くなり、トリスタニアの街路のそこかしこにある...
ブルドンネ街の一角、いかにも下町風の店で、アンリエッタ...
豚の腎臓と豆をいためたもの、キャベツの漬物を添えたソー...
においを嗅ぎつけてか、テーブルに小さな茶色の子犬が寄っ...
「テーブルの下に投げこまれる骨とかを期待してるんですよ。...
犬にソーセージを手ずから与えながら、アンリエッタは興味...
才人に連れられて、この食事のできる酒場に入ってみたとき...
と、酒場の娘なのか、まだせいぜい四、五歳ほどの女の子が...
「だめでしょー、これはホネが出るおりょうりじゃないの! ...
舌足らずなしゃべり方に、二人は和んだ気分になる。アンリ...
「いいのよ。かわいい犬ね。あなたの犬?」
「うん。そう。おねえちゃんこそ、すごくかわいいね」
「ありがとう。あなたもとてもかわいいわ」
犬と並べて褒めるのはどうなんだろう? と才人は首をひね...
今日は午後から、トリスタニアのあちこちを二人で視察した。
最初にタニアリージュ・ロワイヤル座で最近好評である劇を...
そこを出たら、最近急増しているカフェーなるものに入って...
夕方までは、開かれていた蚤の市を二人で歩きながら調べる。
まれに貴重なマジック・アイテムが混ざっているし、売り手...
ちなみにいろいろ見てけっきょく買ってみたのは、花柄の陶...
……まあ、いろいろ言い訳しているが、要は普通のデートだっ...
アンリエッタはいつものごとく町娘に変装している。今回は...
色は違うが、ジェシカあたりと似た格好だ。
ジェシカといえば酒場を選ぶとき『魅惑の妖精』亭に行こう...
それに、と才人は、蚤の市でこっそり買ったものを横目で見...
(『魅惑の妖精』亭だと、さすがにこれ使う機会はねえし)
131 名前: トリスタニアの休日・ごく普通バージョン [sage] ...
「このこ、すぐあちこちにいっちゃうの。みつけるのたいへん。
そうだ、おねえちゃんたち、もうすぐ一かいめのダンスのお...
幼女が子犬を抱き上げ、そう言って離れていく。アンリエッ...
「ダンスの時間?」
「楽芸人が来て演奏するから、踊りたい者は音楽に合わせて踊...
才人が補足する。こっちの世界でも、多少は世慣れてきてい...
「まあ、楽しそうな催しですのね……でも、町の者がどのような...
「適当でいいと思いますけど。こんなとこでちゃんと習ったダ...
「では、試してみることにします。サイト殿、踊っていただけ...
ほどなく楽人が来る。
打楽器や弦楽器で構成される音楽は、陽気でちょっといいか...
誘われたとおり、才人はアンリエッタの手をとって、ほかの...
隣のカップルを見よう見真似で、二人は踊りだした。
最初はぎこちなく、スピードが出てきたあたりでもどこかち...
才人はいつのまにか剣のステップが出ているし、アンリエッ...
しかし、楽しい。時間がたつほど慣れてうまくなっていく感...
何度か互いの足を踏み、くすくす笑いながら息をはずませて...
気がつけば多くの客が踊っている。ほかの客と手をとりあっ...
手を取りあったまま疲れるまで踊り、どちらから言うともな...
激しいというほどではないが、けっしてゆっくりしたダンス...
周囲の喧騒はまだ続いていた。というより、日も暮れてこれ...
けれど、二人は抱き合ったまま壁に寄りかかって動きを止め...
「楽しかった、ですか」
「ええ。とても」
まあ、日々が激務じゃ遊んでいる暇はあんまないよな、と才...
132 名前: トリスタニアの休日・ごく普通バージョン [sage] ...
ルイズから聞いたが社交界のダンスは、貴顕の者にとって気...
完璧に踊るのはもちろんのこと、誰を相手にするかからすで...
それを楽しめるようになると、生粋の宮廷人と言えるそうだ...
(あんま楽しめねえんだろうな、この人)
周りを気にせずこうしてちょっと奔放な踊りをするくらいが...
そう感じた才人の肩に、アンリエッタが頬をのせた。ほうと...
「今日はありがとうございます。生きている、と実感しており...
そんな大げさなー、と才人は思ったが、同時に激しくキてい...
「あのさ……上、行かない? 部屋とって」
才人は提案した。
このような酒場には宿をかねているものがあって、泊まった...
アンリエッタも意味は理解したらしく、ややあって小さく「…...
このあたりまでなら普通の流れといえなくもなかったが、今...
アンリエッタにささやく。
「お願いしたいんだけど……今日だけ好きにさせてくれない?」
「え?」
「具体的には、言うこと全部聞いてほしいんだけど。なるべく...
無茶はって……とアンリエッタは過去のアレソレを思い浮かべ...
思い浮かべただけで羞恥心が沸騰しそうになり、あわてて記...
「いつも、好きにしてきたではありませんか……」
小声すぎて才人にはよく聞き取れなかったらしい。断られそ...
「待って待って、ただでとは言わない。次のときは逆に、最初...
133 名前: トリスタニアの休日・ごく普通バージョン [sage] ...
最初から最後まで? とアンリエッタは反応した。
コトのときにずっと主導権をにぎらせてもらうのは、考えて...
(それは、いいかもしれない……)
鼓動が早くなっていく。桃色の霧が思考にかかって、才人の...
奉仕させるというのはすぐ思いついた。何度も愛の言葉をさ...
もっと大胆なことを命じてもいいかもしれない。たとえば彼...
逆にこちらがしてあげるのでもいい。いつも自分がされてい...
閨の技は、かなり彼に教えられて身についた。手、それに唇...
自分の弱いところが全部知られているように、彼の弱いとこ...
そのためには、今日『好きにされる』ことになるわけだが……
(別にいいわ)とアンリエッタは、ぽうっと熱に浮かされた頭...
いつもと大して変わらない。いつものだって、決して嫌いで...
とろんとうるんだ目でもたれかかり、無意識に才人に火照っ...
頭の上で才人が人生に勝利した者の笑みを浮かべ、カウンタ...
……と、まあこれが、才人の変態度を甘く見ていたアンリエッ...
終了行:
130 名前: トリスタニアの休日・ごく普通バージョン [sage] ...
夕暮れも近くなり、トリスタニアの街路のそこかしこにある...
ブルドンネ街の一角、いかにも下町風の店で、アンリエッタ...
豚の腎臓と豆をいためたもの、キャベツの漬物を添えたソー...
においを嗅ぎつけてか、テーブルに小さな茶色の子犬が寄っ...
「テーブルの下に投げこまれる骨とかを期待してるんですよ。...
犬にソーセージを手ずから与えながら、アンリエッタは興味...
才人に連れられて、この食事のできる酒場に入ってみたとき...
と、酒場の娘なのか、まだせいぜい四、五歳ほどの女の子が...
「だめでしょー、これはホネが出るおりょうりじゃないの! ...
舌足らずなしゃべり方に、二人は和んだ気分になる。アンリ...
「いいのよ。かわいい犬ね。あなたの犬?」
「うん。そう。おねえちゃんこそ、すごくかわいいね」
「ありがとう。あなたもとてもかわいいわ」
犬と並べて褒めるのはどうなんだろう? と才人は首をひね...
今日は午後から、トリスタニアのあちこちを二人で視察した。
最初にタニアリージュ・ロワイヤル座で最近好評である劇を...
そこを出たら、最近急増しているカフェーなるものに入って...
夕方までは、開かれていた蚤の市を二人で歩きながら調べる。
まれに貴重なマジック・アイテムが混ざっているし、売り手...
ちなみにいろいろ見てけっきょく買ってみたのは、花柄の陶...
……まあ、いろいろ言い訳しているが、要は普通のデートだっ...
アンリエッタはいつものごとく町娘に変装している。今回は...
色は違うが、ジェシカあたりと似た格好だ。
ジェシカといえば酒場を選ぶとき『魅惑の妖精』亭に行こう...
それに、と才人は、蚤の市でこっそり買ったものを横目で見...
(『魅惑の妖精』亭だと、さすがにこれ使う機会はねえし)
131 名前: トリスタニアの休日・ごく普通バージョン [sage] ...
「このこ、すぐあちこちにいっちゃうの。みつけるのたいへん。
そうだ、おねえちゃんたち、もうすぐ一かいめのダンスのお...
幼女が子犬を抱き上げ、そう言って離れていく。アンリエッ...
「ダンスの時間?」
「楽芸人が来て演奏するから、踊りたい者は音楽に合わせて踊...
才人が補足する。こっちの世界でも、多少は世慣れてきてい...
「まあ、楽しそうな催しですのね……でも、町の者がどのような...
「適当でいいと思いますけど。こんなとこでちゃんと習ったダ...
「では、試してみることにします。サイト殿、踊っていただけ...
ほどなく楽人が来る。
打楽器や弦楽器で構成される音楽は、陽気でちょっといいか...
誘われたとおり、才人はアンリエッタの手をとって、ほかの...
隣のカップルを見よう見真似で、二人は踊りだした。
最初はぎこちなく、スピードが出てきたあたりでもどこかち...
才人はいつのまにか剣のステップが出ているし、アンリエッ...
しかし、楽しい。時間がたつほど慣れてうまくなっていく感...
何度か互いの足を踏み、くすくす笑いながら息をはずませて...
気がつけば多くの客が踊っている。ほかの客と手をとりあっ...
手を取りあったまま疲れるまで踊り、どちらから言うともな...
激しいというほどではないが、けっしてゆっくりしたダンス...
周囲の喧騒はまだ続いていた。というより、日も暮れてこれ...
けれど、二人は抱き合ったまま壁に寄りかかって動きを止め...
「楽しかった、ですか」
「ええ。とても」
まあ、日々が激務じゃ遊んでいる暇はあんまないよな、と才...
132 名前: トリスタニアの休日・ごく普通バージョン [sage] ...
ルイズから聞いたが社交界のダンスは、貴顕の者にとって気...
完璧に踊るのはもちろんのこと、誰を相手にするかからすで...
それを楽しめるようになると、生粋の宮廷人と言えるそうだ...
(あんま楽しめねえんだろうな、この人)
周りを気にせずこうしてちょっと奔放な踊りをするくらいが...
そう感じた才人の肩に、アンリエッタが頬をのせた。ほうと...
「今日はありがとうございます。生きている、と実感しており...
そんな大げさなー、と才人は思ったが、同時に激しくキてい...
「あのさ……上、行かない? 部屋とって」
才人は提案した。
このような酒場には宿をかねているものがあって、泊まった...
アンリエッタも意味は理解したらしく、ややあって小さく「…...
このあたりまでなら普通の流れといえなくもなかったが、今...
アンリエッタにささやく。
「お願いしたいんだけど……今日だけ好きにさせてくれない?」
「え?」
「具体的には、言うこと全部聞いてほしいんだけど。なるべく...
無茶はって……とアンリエッタは過去のアレソレを思い浮かべ...
思い浮かべただけで羞恥心が沸騰しそうになり、あわてて記...
「いつも、好きにしてきたではありませんか……」
小声すぎて才人にはよく聞き取れなかったらしい。断られそ...
「待って待って、ただでとは言わない。次のときは逆に、最初...
133 名前: トリスタニアの休日・ごく普通バージョン [sage] ...
最初から最後まで? とアンリエッタは反応した。
コトのときにずっと主導権をにぎらせてもらうのは、考えて...
(それは、いいかもしれない……)
鼓動が早くなっていく。桃色の霧が思考にかかって、才人の...
奉仕させるというのはすぐ思いついた。何度も愛の言葉をさ...
もっと大胆なことを命じてもいいかもしれない。たとえば彼...
逆にこちらがしてあげるのでもいい。いつも自分がされてい...
閨の技は、かなり彼に教えられて身についた。手、それに唇...
自分の弱いところが全部知られているように、彼の弱いとこ...
そのためには、今日『好きにされる』ことになるわけだが……
(別にいいわ)とアンリエッタは、ぽうっと熱に浮かされた頭...
いつもと大して変わらない。いつものだって、決して嫌いで...
とろんとうるんだ目でもたれかかり、無意識に才人に火照っ...
頭の上で才人が人生に勝利した者の笑みを浮かべ、カウンタ...
……と、まあこれが、才人の変態度を甘く見ていたアンリエッ...
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