ゼロの使い魔保管庫
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422 名前: 雪風の作戦 [sage] 投稿日: 2007/10/25(木) 00:5...
この二週間、この日にかけて準備をしてきた。
全ては今日のこの日、憧れの彼であり、守るべき彼であるサ...
タバサがその行動を起こすきっかけとなったのは、二週間前...
タバサがサイトを求めて歩いていると、その会話が聞こえて...
「うむむ……サイトよ。その萌えというのは奥が深いな」
「ああ、そうだ。たとえば、キュルケだ」
聞こえてきたのは火の塔の裏から。普段は誰もいないはずな...
サイトの声だ。
そう認識したのが最後だった。気がついたら、私は木の後ろ...
「褐色の肌に素晴らしいプロポーション。挑発的な態度に自信...
「なるほど。となると、モンモランシーにも?」
「ああ、いるだろうぜ。浮気性な彼を持ちつつ、それをグッと...
「それを言われると頭が痛くなるよ」
萌えってなんだろう……。
私がそうやって悩んでいると、能天気な声が上から響いてき...
「おねーさまー。何してるのかしらー?」
……タイミングが悪すぎる。どうして私の使い魔は、空気が読...
「うるさい」
「ひどいのね!」
まあ、こんなやりとりをしてると、あの二人にも気づかれる...
「あれ? タバサじゃん」
「聞かれてたようだね」
ばれた。
「何を話してたの?」
内心では、何か文句を言われないかとドキドキしてたけど、...
でも、今の二人には私の質問は聞こえてなかったみたいで、...
「タバサ……この彼女にも、萌えというものはあるのかい?」
「ああ、大有りだぜ。なんといってもまずは眼鏡だな」
私のことが話題になって、思わずビクッと体を震わせてしま...
「眼鏡は重要な萌えポイントだ。眼鏡をかけているというだけ...
「なるほど、それほど重要なアイテムだったのか。……言われて...
……だから萌えってなんなの? そう質問しようと思ったけど...
「あと外見的特徴は……スタイルだ。小柄な体に控えめな胸。お...
なんだか随分と失礼なことを言われた気がする。小柄な体、...
「随分と熱弁するね。君もそうなのかい?」
「……否定はしないぜ」
否定はしない=嫌いではない=好き=好みのタイプ=私はサ...
にへら。
思わず表情が緩んでしまった。この緩みを隠すために私は顔...
423 名前: 雪風の作戦 [sage] 投稿日: 2007/10/25(木) 00:5...
「ふむ、外見はわかった。だが、モンモランシーの例えを聞く...
「ああ、そうだ。いい所に気がついたな」
「では、聞こうか」
「そうだな、わかりやすいところだと……この起伏の少ない表情...
「なるほど。となると、無口なところも?」
「わかってるじゃねえか、ギーシュ。そこもだ!」
「おお、なるほど! わかったよ!」
何かが通じ合ったのか、二人はきつく抱擁し始めた。男同士...
「ところでサイトよ。彼女はあんなにも小柄なのに、おねーさ...
「なるほどな、ギーシュ。お前の言いたいことはよくわかる」
後のことは鮮明に覚えてる。小さいのにお姉さまは萌えだろ...
結局私がわかったのは、萌えというものは奥が深いというこ...
なぜなら、サイトを萌えさせるための必殺の作戦を思いつい...
人から伝え聞いた話だと、サイトの世界には凄い服があると...
そしてそれは、こっちにもあるとか。
……いける。
そしてそれから、二週間の月日が経ったわけで……。
今、私の目の前にはサイトをメロメロにする魔法の服が一着...
……胸の辺りが結構余ってるのも、萌えのはずだもん……。
あとはこの服の下に制服のスカートをはいて、準備は万端。...
ちょっと恥ずかしいけど、がんばる。
でも、さすがにこれで外を出歩くのは恥ずかしすぎる。とい...
そこで私は、使い魔の存在を思い出した。空から飛んでいけ...
着替えていこうかとも思ったけど、それはさすがにやめてお...
思いついたら即実行。シルフィードを呼んで、すぐに乗る。...
学院の上空を旋回して、サイトを探す。よくこんな風にして...
黒い髪と目立つ服。それだけの特徴で十分。この広い学院に...
数分旋回して探してると、サイトが塔から外に出てくるのが...
「うわっ!? なんだ、タバサか。ビックリした」
「……」
「で、何の用?」
「……ついてきて」
呼び出すよりも、案内したほうがいい。そう結論付けた私は...
「何処に行くの?」
「すぐ着く」
それもそのはず。場所はコルベール先生の研究小屋のすぐ近...
「ここで待ってて」
サイトを塔の裏で待たせて、私はサイトから見えない位置――...
「……遅いなー」
タバサに待てといわれて二分ほど。サイトは律儀に待ってい...
424 名前: 雪風の作戦 [sage] 投稿日: 2007/10/25(木) 00:5...
様子を見に行こうか、それともまだ待ってみようかと悩んで...
少々顔を赤らめて、体を火の塔で隠して、サイトの様子を窺...
いったいなんなんだ?
その疑問を声に出すよりも早く、タバサが意を決して、サイ...
よほど緊張していたのか、タバサの顔は真っ赤である。いつ...
しかし、それよりも珍しいものを、サイトの目はロックオン...
その服は、元は水兵服として水兵に着られていた服であった...
そう、セーラー服である。
目の前には、セーラー服を着たタバサが、恥ずかしそうに俯...
手を胸の前でもじもじといじりながら、チラチラと見つめて...
クリティカルヒットだ。サイトのHPはもう黄色である。瀕...
そして、その後に、タバサはとんでもない一言を言ったのだ...
「……どう? お……お兄ちゃん……」
サイトのHPは赤くなった。
ダウンである。死亡確認である。サイトのライフはもうゼロ...
サイトはくらくらとする頭と倒れそうになる体を抑えるので...
……作戦成功。
恥ずかしさを我慢したかいがあった。サイトは鼻を押さえて...
どうしよう、とりあえずもう一言、必要かな?
「……似合ってる?」
ここでちょっと小首を傾げてみる。
あ、サイトが仰け反った。そのまま膝をついて、鼻を押さえ...
考えてもわからないから、私はサイトに追撃の言葉を送る。
「……お兄ちゃんに。喜んでもらえた?」
あ、サイトが凄い勢いで頷いてる。
よかった……。
つい、ホッとしてしまう。喜んでもらえなかったら、どうし...
そう、私はホッとした。そして、あまりにも安堵しすぎて、...
「私……お兄ちゃんのためなら……」
あれ? 私なんでこんなことしてるんだろう?
「何でも……出来るよ?」
確かに、私はサイトに全てを捧げた。だから、サイトの言う...
でも、今はそれを言うつもりはなかった。口が、勝手に言葉...
そして、それで終わらせるつもりだったのに、私の体は意思...
サイトの右手を両手でぎゅっと握って、私の胸の前に持って...
全て、やろうと思ったことではなかった。自覚した頃には、...
「ねえ、お兄ちゃん……」
その言葉を言ったことを、私は後悔してる。後悔だけじゃな...
「しよ?」
また一つ、私はサイトに捧げた。
終了行:
422 名前: 雪風の作戦 [sage] 投稿日: 2007/10/25(木) 00:5...
この二週間、この日にかけて準備をしてきた。
全ては今日のこの日、憧れの彼であり、守るべき彼であるサ...
タバサがその行動を起こすきっかけとなったのは、二週間前...
タバサがサイトを求めて歩いていると、その会話が聞こえて...
「うむむ……サイトよ。その萌えというのは奥が深いな」
「ああ、そうだ。たとえば、キュルケだ」
聞こえてきたのは火の塔の裏から。普段は誰もいないはずな...
サイトの声だ。
そう認識したのが最後だった。気がついたら、私は木の後ろ...
「褐色の肌に素晴らしいプロポーション。挑発的な態度に自信...
「なるほど。となると、モンモランシーにも?」
「ああ、いるだろうぜ。浮気性な彼を持ちつつ、それをグッと...
「それを言われると頭が痛くなるよ」
萌えってなんだろう……。
私がそうやって悩んでいると、能天気な声が上から響いてき...
「おねーさまー。何してるのかしらー?」
……タイミングが悪すぎる。どうして私の使い魔は、空気が読...
「うるさい」
「ひどいのね!」
まあ、こんなやりとりをしてると、あの二人にも気づかれる...
「あれ? タバサじゃん」
「聞かれてたようだね」
ばれた。
「何を話してたの?」
内心では、何か文句を言われないかとドキドキしてたけど、...
でも、今の二人には私の質問は聞こえてなかったみたいで、...
「タバサ……この彼女にも、萌えというものはあるのかい?」
「ああ、大有りだぜ。なんといってもまずは眼鏡だな」
私のことが話題になって、思わずビクッと体を震わせてしま...
「眼鏡は重要な萌えポイントだ。眼鏡をかけているというだけ...
「なるほど、それほど重要なアイテムだったのか。……言われて...
……だから萌えってなんなの? そう質問しようと思ったけど...
「あと外見的特徴は……スタイルだ。小柄な体に控えめな胸。お...
なんだか随分と失礼なことを言われた気がする。小柄な体、...
「随分と熱弁するね。君もそうなのかい?」
「……否定はしないぜ」
否定はしない=嫌いではない=好き=好みのタイプ=私はサ...
にへら。
思わず表情が緩んでしまった。この緩みを隠すために私は顔...
423 名前: 雪風の作戦 [sage] 投稿日: 2007/10/25(木) 00:5...
「ふむ、外見はわかった。だが、モンモランシーの例えを聞く...
「ああ、そうだ。いい所に気がついたな」
「では、聞こうか」
「そうだな、わかりやすいところだと……この起伏の少ない表情...
「なるほど。となると、無口なところも?」
「わかってるじゃねえか、ギーシュ。そこもだ!」
「おお、なるほど! わかったよ!」
何かが通じ合ったのか、二人はきつく抱擁し始めた。男同士...
「ところでサイトよ。彼女はあんなにも小柄なのに、おねーさ...
「なるほどな、ギーシュ。お前の言いたいことはよくわかる」
後のことは鮮明に覚えてる。小さいのにお姉さまは萌えだろ...
結局私がわかったのは、萌えというものは奥が深いというこ...
なぜなら、サイトを萌えさせるための必殺の作戦を思いつい...
人から伝え聞いた話だと、サイトの世界には凄い服があると...
そしてそれは、こっちにもあるとか。
……いける。
そしてそれから、二週間の月日が経ったわけで……。
今、私の目の前にはサイトをメロメロにする魔法の服が一着...
……胸の辺りが結構余ってるのも、萌えのはずだもん……。
あとはこの服の下に制服のスカートをはいて、準備は万端。...
ちょっと恥ずかしいけど、がんばる。
でも、さすがにこれで外を出歩くのは恥ずかしすぎる。とい...
そこで私は、使い魔の存在を思い出した。空から飛んでいけ...
着替えていこうかとも思ったけど、それはさすがにやめてお...
思いついたら即実行。シルフィードを呼んで、すぐに乗る。...
学院の上空を旋回して、サイトを探す。よくこんな風にして...
黒い髪と目立つ服。それだけの特徴で十分。この広い学院に...
数分旋回して探してると、サイトが塔から外に出てくるのが...
「うわっ!? なんだ、タバサか。ビックリした」
「……」
「で、何の用?」
「……ついてきて」
呼び出すよりも、案内したほうがいい。そう結論付けた私は...
「何処に行くの?」
「すぐ着く」
それもそのはず。場所はコルベール先生の研究小屋のすぐ近...
「ここで待ってて」
サイトを塔の裏で待たせて、私はサイトから見えない位置――...
「……遅いなー」
タバサに待てといわれて二分ほど。サイトは律儀に待ってい...
424 名前: 雪風の作戦 [sage] 投稿日: 2007/10/25(木) 00:5...
様子を見に行こうか、それともまだ待ってみようかと悩んで...
少々顔を赤らめて、体を火の塔で隠して、サイトの様子を窺...
いったいなんなんだ?
その疑問を声に出すよりも早く、タバサが意を決して、サイ...
よほど緊張していたのか、タバサの顔は真っ赤である。いつ...
しかし、それよりも珍しいものを、サイトの目はロックオン...
その服は、元は水兵服として水兵に着られていた服であった...
そう、セーラー服である。
目の前には、セーラー服を着たタバサが、恥ずかしそうに俯...
手を胸の前でもじもじといじりながら、チラチラと見つめて...
クリティカルヒットだ。サイトのHPはもう黄色である。瀕...
そして、その後に、タバサはとんでもない一言を言ったのだ...
「……どう? お……お兄ちゃん……」
サイトのHPは赤くなった。
ダウンである。死亡確認である。サイトのライフはもうゼロ...
サイトはくらくらとする頭と倒れそうになる体を抑えるので...
……作戦成功。
恥ずかしさを我慢したかいがあった。サイトは鼻を押さえて...
どうしよう、とりあえずもう一言、必要かな?
「……似合ってる?」
ここでちょっと小首を傾げてみる。
あ、サイトが仰け反った。そのまま膝をついて、鼻を押さえ...
考えてもわからないから、私はサイトに追撃の言葉を送る。
「……お兄ちゃんに。喜んでもらえた?」
あ、サイトが凄い勢いで頷いてる。
よかった……。
つい、ホッとしてしまう。喜んでもらえなかったら、どうし...
そう、私はホッとした。そして、あまりにも安堵しすぎて、...
「私……お兄ちゃんのためなら……」
あれ? 私なんでこんなことしてるんだろう?
「何でも……出来るよ?」
確かに、私はサイトに全てを捧げた。だから、サイトの言う...
でも、今はそれを言うつもりはなかった。口が、勝手に言葉...
そして、それで終わらせるつもりだったのに、私の体は意思...
サイトの右手を両手でぎゅっと握って、私の胸の前に持って...
全て、やろうと思ったことではなかった。自覚した頃には、...
「ねえ、お兄ちゃん……」
その言葉を言ったことを、私は後悔してる。後悔だけじゃな...
「しよ?」
また一つ、私はサイトに捧げた。
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