ゼロの使い魔保管庫
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
単語検索
|
最終更新
|
ヘルプ
]
開始行:
195 名前: 香水の降臨祭(1/2) [sage] 投稿日: 2007/12/24(...
わたしは彼を学院の中庭に呼び出した。
約束した時間より少し早めに来てしまったので、彼の姿はまだ...
今夜は降臨祭の夜。
彼に確かめたい。わたしの心の糸に触れた彼の本当の心が知り...
冷やりとした空気がわたしの頬をなでつける。
待たせてしまったんだね。僕のモンモランシー。
わたしは声のするほうに身体を向きなおった。
遅いっ。
まだ約束の時間より余裕のあるはずだ。
単にわたしが早く来すぎただけでギーシュは何も悪くない。
だけど、裏返しの言葉がわたしの口から零れてしまう。
彼はバツ悪そうに頭をかいて、わたしに許してもらうべく、言...
違うの・・・あなたは悪くないわ。
その言葉はわたしののど元で止まって口から出て行こうとしな...
どうして言えないの?その訳もわたしは分かっている。
不安――あなたの言葉の魔法がわたしの心の糸を揺らした。
なのにあなたはわたし以外の女の子とも親しくする。
もっとわたしのそばに
もっとわたしをみていて
もっとわたしにふれて
女の子はわがままなの。好きになった男の子の余所見なんて許...
媚薬を使ってでも好きな男の子は自分だけを見ていてほしいの。
彼がわたしの不安に気がついてくれたらいいけど、たぶん無理。
わたしからあいつに心からあふれるままの言葉をぶつけるしか...
裏返しじゃなく、そのままの言葉を。
「モンモランシー・・・」
半分泣きそうな彼の表情にわたしは言葉をぶつけることにした。
「ねぇ。ギーシュ――わたしのこと本当に好き?」
「もちろんさ。モンモランシー、君を好きさ。愛してるんだよ」
彼はわたしの手をとり口づけ、喜色満面に即答した。
「そ、そう。でもわたしは不安なの。他の女の子と仲良くする...
「うーん。僕だって女の子とも話しをするさ」
「わかってる。・・・でも愛されているという実感がないの」
「そんな・・・」
「ねぇ、証拠みせて。わたしを愛しているという証拠」
彼は腕を組んで悩みはじめてしまった。
「そんな悩まないと・・・だめ?」
わたしは唇を噛んだ。なんて鈍感な男(ひと)なんだろう。
こいつといい、サイトといい・・・
業を煮やしたわたしは彼に言った。
「抱いて」
196 名前: 香水の降臨祭(2/2) [sage] 投稿日: 2007/12/24(...
わたしのこの一言で彼の顔が真っ赤になる。
「な、ここでするのかい。寒いと思うよ」
やっぱり勘違いしてる。わたしは口元を緩めて答える。
「違うわよっ。抱 き し め な さ い。」
「そーいうことだったのかい。驚かさないでくれよ・・・」
彼の腕がわたしの身体を包み込んだ。
やさしい温もりがわたしの不安を溶かしていく。
わたしは彼の背中に手を回した。
そして彼を見上げる。
「今夜は・・・わたしを離しちゃダメ」
「わかったよ」
「約束して」
きゅ。彼の背に回した両手に力を込める。
「約束する」
彼もさっきより強めにわたしを抱きしめてくれた。
「キス・・・して」
わたしは彼に口付けをねだった。
「愛してるよ。ぼくのモンモランシー」
彼の熱い唇がわたしの不安の出口を塞いでくれた。
終了行:
195 名前: 香水の降臨祭(1/2) [sage] 投稿日: 2007/12/24(...
わたしは彼を学院の中庭に呼び出した。
約束した時間より少し早めに来てしまったので、彼の姿はまだ...
今夜は降臨祭の夜。
彼に確かめたい。わたしの心の糸に触れた彼の本当の心が知り...
冷やりとした空気がわたしの頬をなでつける。
待たせてしまったんだね。僕のモンモランシー。
わたしは声のするほうに身体を向きなおった。
遅いっ。
まだ約束の時間より余裕のあるはずだ。
単にわたしが早く来すぎただけでギーシュは何も悪くない。
だけど、裏返しの言葉がわたしの口から零れてしまう。
彼はバツ悪そうに頭をかいて、わたしに許してもらうべく、言...
違うの・・・あなたは悪くないわ。
その言葉はわたしののど元で止まって口から出て行こうとしな...
どうして言えないの?その訳もわたしは分かっている。
不安――あなたの言葉の魔法がわたしの心の糸を揺らした。
なのにあなたはわたし以外の女の子とも親しくする。
もっとわたしのそばに
もっとわたしをみていて
もっとわたしにふれて
女の子はわがままなの。好きになった男の子の余所見なんて許...
媚薬を使ってでも好きな男の子は自分だけを見ていてほしいの。
彼がわたしの不安に気がついてくれたらいいけど、たぶん無理。
わたしからあいつに心からあふれるままの言葉をぶつけるしか...
裏返しじゃなく、そのままの言葉を。
「モンモランシー・・・」
半分泣きそうな彼の表情にわたしは言葉をぶつけることにした。
「ねぇ。ギーシュ――わたしのこと本当に好き?」
「もちろんさ。モンモランシー、君を好きさ。愛してるんだよ」
彼はわたしの手をとり口づけ、喜色満面に即答した。
「そ、そう。でもわたしは不安なの。他の女の子と仲良くする...
「うーん。僕だって女の子とも話しをするさ」
「わかってる。・・・でも愛されているという実感がないの」
「そんな・・・」
「ねぇ、証拠みせて。わたしを愛しているという証拠」
彼は腕を組んで悩みはじめてしまった。
「そんな悩まないと・・・だめ?」
わたしは唇を噛んだ。なんて鈍感な男(ひと)なんだろう。
こいつといい、サイトといい・・・
業を煮やしたわたしは彼に言った。
「抱いて」
196 名前: 香水の降臨祭(2/2) [sage] 投稿日: 2007/12/24(...
わたしのこの一言で彼の顔が真っ赤になる。
「な、ここでするのかい。寒いと思うよ」
やっぱり勘違いしてる。わたしは口元を緩めて答える。
「違うわよっ。抱 き し め な さ い。」
「そーいうことだったのかい。驚かさないでくれよ・・・」
彼の腕がわたしの身体を包み込んだ。
やさしい温もりがわたしの不安を溶かしていく。
わたしは彼の背中に手を回した。
そして彼を見上げる。
「今夜は・・・わたしを離しちゃダメ」
「わかったよ」
「約束して」
きゅ。彼の背に回した両手に力を込める。
「約束する」
彼もさっきより強めにわたしを抱きしめてくれた。
「キス・・・して」
わたしは彼に口付けをねだった。
「愛してるよ。ぼくのモンモランシー」
彼の熱い唇がわたしの不安の出口を塞いでくれた。
ページ名: