ゼロの使い魔保管庫
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503 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
「あー……あったかくて気持ちいいわね」
「ああ。コタツって最高だろ?」
二人はぬくぬくと才人が持ち込んだコタツに入ってあったま...
コタツのコンセントは部屋のゲートを抜けて才人の部屋のタ...
それに並んで伸びるテレビ線は、これまた才人の部屋のジャ...
結果、ハルキゲニアにはありえない光景がそこにあった。
ルイズの部屋に、コタツとテレビ。
ベッドなどはそのままなので、そこは一人暮らしの部屋の様...
ルイズは気持ちよさそうに天板にコテンと頭を乗せている。
コタツで丸くなる猫のような姿のルイズを才人は微笑ましく...
「このミカンってフルーツもおいしかったわ」
「ああ。これが日本の年越しの定番なんだぜ。こたつでみかん」
「へえ〜。他にもなにか定番はあるの?」
「そうだなぁ……あ、そうだ。年越しの日は年越しそばを食べる...
「トシコシソバ?」
「さっき持ってきて食わせただろ。あれが年越しそば」
「あぁ、さっきのね。なんか不思議な匂いで温かくてしょっぱ...
「お前おとなしく食べてたけどさ、あれってズルズル啜るのが...
「な、なぁに?それ。下品じゃないの」
「ソバはそういうもんなの。ズルズル啜って食べる程旨いよ、...
「ふぅん、変わった文化ね。わざわざ杖2本で挟むなんて小難し...
「あれは杖じゃなくて2本1揃えで箸っていうんだよ。ま、文化...
だからなぁ。世界まで違うんだからコレくらい驚かねぇだろ?」
そう話しているうちに、ゴーン、ゴーン、とテレビから鐘の...
「あ……もうすぐだぞ、新年」
「なぁに、これ?」
「除夜の鐘って言って、108回鳴らすんだ。一説ではそれが人間...
「へぇ〜」
……ルイズに教える為にあれこれ調べている内に、才人は雑学...
「……あ。ねぇ、年越し、ご家族と一緒に過ごさなくていいの?」
「あぁ。いやさ、今年は年越しイベントに行っちゃったんだよ」
「年越しイベント?」
「うん。このテレビみたいに……ほら。みんなで集まってカウン...
いいながら才人はリモコンで番組を変えた。
そのテレビでは大勢の観客と一緒に、芸人が10、9……と数えて...
何しろこのテレビはサモン・サーヴァントのゲートを越えた...
ルイズにはまるで言葉はわからなかったが。
「ほら、新年になるぞ、ルイズ。……3……2……1……」
ルイズは思わず身を乗り出して、画面を覗き込んだ。
549 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
”HappyNewYear!” パーン!
「きゃあっ!?……いやね、びっくりしたわ」
「お前近づきすぎなの。目悪くなるぞ」
覗き込む画面の中で途端にあがった花火に、ルイズはびっく...
才人は笑って言った。それからルイズの肩を引いて、テレビ...
「さて、と。新年あけましておめでとう」
才人は習慣のままに、ぺこりと頭をさげた。
「あ、あけましておめでとう?」
言葉の意味がよくわからないまま、ルイズは反射的に同じよ...
「ハルキゲニアではまだ年明けねぇけど、ま、別にいいだろ」
「そうね。別にかまわないわよ、私たちだけ違う日にお祝いし...
「今年もよろしくな、ルイズ」
「今年もよろしくね、サイト」
二人はほのぼのと新年の挨拶をした。
「……そういえば、サイトの国では今日が年越しなのね」
「あぁ。ただずれてるだけじゃなくて、一年の長さがちょっと...
「……じゃあ、何年か後にはサイトの国の年越しの日に一緒にコ...
かもしれないわね」
「そうだな。すこしずつズレてくからなぁ。たまたま今回は時...
「……」
ルイズは唐突に座っていた場所から出て、才人のすぐ横に滑...
「ん?どーしたんだよルイズ」
「な、何年か先には……一緒にコタツ、入れないかもしれないか...
「別に、19日位ずつズレてくだけだろ。こっちが寒いときはこ...
「うるさいわね。細かいことはいいから、ここに居させなさい」
「……いや、いいけどよ」
いくらルイズの体が小さくても、コタツはせまい。
一緒に入れば、どうしても脚は当たるし、体は密着する。
「せ、狭いよな」
そう言って、才人はそっぽを向いてルイズの肩に手を回した。
「そそ、そうね。狭いからだもんね」
ルイズもそう答え、これまたそっぽを向いて、才人に体重を...
なんとも妙な雰囲気で、二人はそのまま沈黙する。
流れのままに肩に回した腕はどうにも動かせなくなって、掌...
「……あ、あー。そうだ。ルイズ教えてやるよ!」
「な、何よ? 急に」
「俺の世界の新年の定番なんだけどさ、姫はじめってのがあっ...
「……姫さま、はじめぇ??」
ルイズは不思議そうな顔をした。
「あぁ、王女様って意味じゃなくて。こっちでは女の子のこと...
「それがどうしたのよ?」
「まぁ転じて、年明けて最初にやらしい事するのを指すわけさ」
「…………」
ルイズはぽかーんと口をあけて、数拍の後、顔を真っ赤に染...
それから我に返ると、才人を睨んだ。鬼も顔負けの目つきで...
……才人の狙い通りに。
才人はこういう雰囲気は、どうも慣れないのだ。照れくさく...
既に両手で数え切れない程度には事に及んでいるが、ルイズ...
だから、こういう誘い方をすれば、怒り出すに決まってる。...
もう一押しして、鞭で一発しばかれでもすれば、この妙な雰...
「あははははは。なぁ、してみる? 姫はじめ」
言いながら、わなわなと身を震わすルイズの頬をとどめとば...
550 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
しかし、ルイズの反応は才人の予想とは外れていた。
睨んでいたその目線をふいっと才人から逸らして、唇を尖ら...
「……し、しし、新年の定番だって言うなら、仕方ないわ」
「そうそう、仕方な……って、えぇっ!?」
「な、なによ。アンタの国の定番なんでしょ?……するの?しな...
ルイズは薄い胸と一緒に虚勢を張った。
「……じゃ、じゃあ……しようか?」
才人は想定外の展開に、おもわずニヤけた。
「……ね、ねぇ、サイト?……顔が、なんかやらしいんだけど」
「うっ。……ほっとけ。どーせ俺は犬ですよ。ごちそうと見れば...
言いながら才人はコタツとテレビを消して、ルイズの膝の下...
「……しっかし、俺もずいぶん力ついたよなぁ」
才人はガンダールブの能力なしに軽々とルイズを抱き上げて...
「そうね。使い魔召喚の儀の時はてんで弱そうで、がっかりだ...
「あー、そうそう。お前コルベール先生に、弱そうな平民なん...
言いながら、才人はベッドに上がって、唇に一つキスをした。
キスを続けながら、ルイズの着衣をなれた手つきで脱がす。
「ん……あの頃は、そのひ弱そうな使い魔とこんな事になるなん...
「俺だってそうだよ。かわいいのは顔だけで、あちこちゼロの...
「なによ」
「なんだよ」
お互いむっとした顔を向け合ったが、以前のようにケンカに...
顔を見合わせた二人はふと笑って、自然目を閉じながら、残...
「……その弱かった使い魔が、今はずいぶん立派になっちゃった...
「ゼロだったご主人さまは……あー。胸だけはあんま育ってねぇ...
「ちょ、ちょっと! 何よ!……うぅん」
むにむに、とささやかな膨らみを揉む。
回を重ねるごとに、ルイズの反応は良くなる。
才人がポイントを押さえられるようになったのもあろうが、...
「まー、ご主人さまったら、大きさはともかく、最近はずいぶ...
「や、やだぁっ!そういう事言わ……むぅっ」
真っ赤になって叫んだルイズを、才人は深く舌を絡めて、黙...
「……いいじゃねぇの。その方が可愛いし」
「……こ、これ以上恥ずかしい姿なんてイヤ……あっ、やんっ!」
突然乳首に吸い付かれて、言葉が途切れた。
しつこく弄られ舐られ、そう経たずにルイズの体は悲鳴を上...
「ひん……あ、あぁっ」
ぴんと一度弓なりに反った体は、力が抜けるとふかふかのベ...
「……こういう恥ずかしい姿がどうしたって? 俺、聞こえなかっ...
もっと見てほしい、とか?」
「も……バカぁっ」
才人がニヤニヤしながらルイズの顔を覗き込んだのを、ルイ...
「なんだよ? ……あぁ、わかった。胸ばっかじゃ物足りねぇんだ...
「えぇっ? そんなこと、わたし言ってないじゃない」
「キスよりこっちにきてほしいんだろ? えぇもう、犬は精一杯...
脱力したままのルイズの腰まで移動して、がばっと脚を開い...
「あ、やだ……さっきの、そんなつもりじゃ」
身をひねって才人の動きを見るが、体に力が入らない。
才人は太ももまで流れた愛液をすくいとって、にやりと笑っ...
「……あぁ、もうこんなか。……ほら、こぼれてる」
「……さ、さっきの……やりすぎなのよ……って、そんな所じっと見...
太ももにぬるりと熱い感触を受けて、ルイズの身体がびくっ...
「やだ、やっ……! 何するのよっ」
「……うーん、掃除、かな?」
冗談交じりにそう言って、才人は流れに沿って、雫の水源に...
身体に力の入らないルイズは、そんな才人の頭をぺちぺちと...
551 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
たどり着いた泉で大きく音をたてて啜ると、ルイズは一際強...
「ひああぁっ! も、やだぁぁ……! わ、私はソバじゃないんだ...
……才人は想定外の発言に10秒くらい無言で固まった。
「…………えぇもう、とーってもおいしいですよ、ご主人さま」
才人が笑いを堪えつつ意地の悪い口調で返した言葉に、ルイ...
「あ、あうぅ……わ、忘れて、さっきのは。お願いサイト」
「いやぁ、ご主人様のお願いでもそればかりは。むしろコレす...
「バカ! サイトのいじわるっ! ……きゃっ」
文句を無視して秘唇を舌でくすぐると、ルイズの腰が引けた。
構わずに奥に突っ込むと、反応して中が大きく脈動する。
「んん……なんかぞくぞくして、ヘン」
「じゃあ、こっちは?」
言って、肉芽を潰すように舐る。
「ひ、っ……!」
ルイズは声もなく大きく身を震わせて、太ももで才人の頭を...
「だ、ダメ。強すぎて怖いから、やめて」
涙目になってぶんぶん頭を振る。かなり本気で嫌がっている...
「そっか。ここはまだちょっとツラいか。……じゃあ、指と、俺...
「…………さ、サイトにしとくわ」
熱っぽい目をそっぽに向けて、ルイズは恥ずかしそうに呟く。
才人は満足そうな笑みを浮かべて、自身を奥に押し込んだ。
「う……なんか今日、すごいみたいなんですケド」
「んん……な、なにがよ……」
「……えっと……。お前さ、濡れすぎ」
「ば、バカ! だからそういうの言わないでって言ってるでしょ...
ルイズが力任せに振り回した腕が才人の顎に鈍い音をたてて...
結果、二人は動きをとめ、揃って呻いた。
才人は叩かれた顎の痛みに。……ルイズはぶちあてた拳の痛み...
「う〜〜、痛たた……。そうじゃなくてさ、あんま俺がもたなそ...
「痛ぁ……もう、バカ……好きにしてよ、そんなの」
具体的な言い様にルイズはただ赤くなるしかできなかった。
「……へいへい、好きにしますよ、っと」
「きゃあっ! ちょっと、なに!?」
ルイズの背中に手を差し入れて、そのまま抱え起こした。
逃げようにも、深く刺さったままで、動けない。
ルイズは上手く逃げられずに、ピンでとめられた蝶のように...
「何って、ご主人さまのお許しがあったから、好きにしてるん...
「こ、こんな、なによこれ……きゃうっ」
突き上げると、とん、と奥にあたる。
「ふ……深いの……あっ、あぅ」
「うん、わざと」
何度か揺さぶると、ルイズはバランスを崩して、才人に強く...
中までもが絡みつくように、しがみつくように締まる。
強く抱きついた分、物足りないふくらみも才人の身体に触れ...
最初こそ遠慮気味だった動きはいつの間にか激しくなって、...
激しくたつ水音が思考力を奪い、二人を快感の淵に押し上げた。
「んっ、あん……きゃうっ、さ、サイトぉ」
「ルイズ…………あぁ、やっぱもうだめ」
「……あっぁ……なっに……?」
「で、出るっ……!」
「んんっ! やああぁっ……」
奥をギリギリまで溜めた精液に叩かれて、それにルイズの意...
ぽんぽん、と肩を叩かれて、ルイズはぼんやりと目を覚まし...
「おはよう、ルイズ」
「んん……?ふにゃ……おはよう、サイト」
552 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
ルイズはベッドの上で半身を起こして、まぶたをぐしぐしと...
「さっき来たらまだ寝てたから、ついでに顔洗う用意しといた...
「んー、ありがと……」
よろよろとベッドから降りて、ルイズは顔を洗う。
……一度身についた習慣というのは、なかなか消えない物だ。
ルイズがベッドでぐっすり眠り、よだれをたらしている様を...
たのは、『あ。俺、顔洗う水用意しねぇと』だったのである。
「しっかし、ルイズが寝坊なんて珍しいな」
「アンタねぇ…………ううん、いいわ」
「?」
「それより、アンタが持ってるその透明の箱はなに?」
「ん?あぁ。母ちゃんが縁起物だから、ルイズにわけてこいっ...
タオルを顔に押し付けるルイズの前で、タッパーをあけてや...
「はい、おせち料理」
とりどりをきれいに詰めたそれを見て、ルイズは感心するよ...
「いつものそっちのお料理とはまたちょっと違った雰囲気なの...
「こっちでも一部除いて正月だけの料理だよ」
「そうなの。お母さまにとても喜んでいたとお伝えしてね」
「あぁ。そのつもりで張り切って作ってたみたいだから、きっ...
「そ、そうなの? ……」
ぱっと顔を綻ばせ、しかしルイズはすぐに佇まいを正した。
「……お前もさぁ、嬉しいなら素直に笑えばいいだろ?」
才人が肘でちょい、とつつくと、ルイズはさっと赤面する。
「……サイトのお母さまが好きだから嬉しいだけなのよ。別に、...
嬉しいってわけじゃ、ないんだから」
「ん? そうだな。お前、母ちゃんと結構、馬合うみたいだもん...
けろりと深く考えずに言った才人を、ルイズは呆れた目で見...
「あら、これおいしいわ。このダテマキっていうの」
「そっか、よかったな」
おせちを嬉しそうにつつくルイズを、昨晩のように才人は見...
そこでふと思い出したように彼女は箸を止めて、顔を赤らめ...
「……と、ところで、あのね? しばらく、お食事以外の定番は遠...
「ん? どうかしたのか?」
ルイズは内容的に表情から察して欲しかったのだが、ここで...
半ば八つ当たり気味にキレた。
「……ものすごく疲れたし、腰が痛いのよ! バカ! あ、あんな...
だから寝坊したんじゃないっ!」
「あ、あぁ、それでなの!? ……あー、うん。調子乗ってやりす...
「ホントよバカ犬。エロ犬。ドすけべ犬。反省して」
「ハイ。犬反省します」
真っ赤な顔で犬を三段活用して怒るルイズの前で、才人はと...
言うだけ言うと、ルイズはまたおせちに向かった。
すぐにうきうきした顔に戻ったあたり、おせちはなかなかに...
「むぐ……ねぇ、サイト。そういえば、縁起物って……どんな意味...
「あぁ、語呂合わせとかだよ」
「じゃあ、例えばこの、コンブっていうのは?」
「よろコンブ。つまり喜ぶ」
「ぷふっ! ……じゃあ、このキンピラゴボウっていうのは?」
「すごく固くてしっかりしてるだろ? だから、強く頑丈に」
「じゃあこのサトイモっていうのは?」
「それは……ん? なんか里芋、やけにたくさん入っ…………」
「ねぇ、これはどういう意味なのよ?」
固まってしまった才人を、ルイズが急かした。
553 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
……母の意図に気づいた才人は、昨日からすっかり策にはめら...
よく考えれば、そもそもカウントダウンにそう興味を持つ家...
コッチの方は才人がいつものように由来を調べていたのを見...
そりゃあ、載っていた。確かに調べた中に載っていた。しか...
……まさか張り切って作っていた理由の一つはこれなんだろう...
……なぁ母ちゃん。こんなもんでメッセージとか、どーなの。...
俺がルイズにそういうのを日頃から教えてるのを知ってて、...
それを俺からルイズに教えろってかっ!! ……才人の顔は思い...
「……さ、さぁ? 俺もちょっと知らないんだよなぁ」
言って、才人はふいっと視線をそらす。
「……アンタ、絶対知ってるでしょう」
「犬知りません。なんせ犬ですから」
ひょい、と仏頂面をしたルイズが才人の視界に飛び込んだ。
才人はばっと大仰な動きで顔をそらした。
「…………ご主人さまに嘘をつくのね?」
「いやぁ、とんでもない。本当に知りません」
「嘘ッ! アンタがそういう態度の時は嘘ってもう知ってるんだ...
ルイズの瞳の中で怒りの焔が湧き上がる。
そうなると才人はもうしつけされた犬のようなものだ。その...
「ほ、ほほ、ほんとうに知らない。許して」
「……許さないわ。ごごご、ご主人さまに嘘をつくような使い魔...
乗馬の腕前を身体に思いっっきり教え込んであげるわ」
「お、お前のは乗馬の腕前ってより乗馬鞭の腕前だろぉぉぉ!...
才人が腰を抜かして動けずにいる目の前で、ルイズは鏡台か...
……そして、邸に使い魔の悲鳴が響き渡った。
なお、里芋の意味は「子宝に恵まれますように」。
終了行:
503 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
「あー……あったかくて気持ちいいわね」
「ああ。コタツって最高だろ?」
二人はぬくぬくと才人が持ち込んだコタツに入ってあったま...
コタツのコンセントは部屋のゲートを抜けて才人の部屋のタ...
それに並んで伸びるテレビ線は、これまた才人の部屋のジャ...
結果、ハルキゲニアにはありえない光景がそこにあった。
ルイズの部屋に、コタツとテレビ。
ベッドなどはそのままなので、そこは一人暮らしの部屋の様...
ルイズは気持ちよさそうに天板にコテンと頭を乗せている。
コタツで丸くなる猫のような姿のルイズを才人は微笑ましく...
「このミカンってフルーツもおいしかったわ」
「ああ。これが日本の年越しの定番なんだぜ。こたつでみかん」
「へえ〜。他にもなにか定番はあるの?」
「そうだなぁ……あ、そうだ。年越しの日は年越しそばを食べる...
「トシコシソバ?」
「さっき持ってきて食わせただろ。あれが年越しそば」
「あぁ、さっきのね。なんか不思議な匂いで温かくてしょっぱ...
「お前おとなしく食べてたけどさ、あれってズルズル啜るのが...
「な、なぁに?それ。下品じゃないの」
「ソバはそういうもんなの。ズルズル啜って食べる程旨いよ、...
「ふぅん、変わった文化ね。わざわざ杖2本で挟むなんて小難し...
「あれは杖じゃなくて2本1揃えで箸っていうんだよ。ま、文化...
だからなぁ。世界まで違うんだからコレくらい驚かねぇだろ?」
そう話しているうちに、ゴーン、ゴーン、とテレビから鐘の...
「あ……もうすぐだぞ、新年」
「なぁに、これ?」
「除夜の鐘って言って、108回鳴らすんだ。一説ではそれが人間...
「へぇ〜」
……ルイズに教える為にあれこれ調べている内に、才人は雑学...
「……あ。ねぇ、年越し、ご家族と一緒に過ごさなくていいの?」
「あぁ。いやさ、今年は年越しイベントに行っちゃったんだよ」
「年越しイベント?」
「うん。このテレビみたいに……ほら。みんなで集まってカウン...
いいながら才人はリモコンで番組を変えた。
そのテレビでは大勢の観客と一緒に、芸人が10、9……と数えて...
何しろこのテレビはサモン・サーヴァントのゲートを越えた...
ルイズにはまるで言葉はわからなかったが。
「ほら、新年になるぞ、ルイズ。……3……2……1……」
ルイズは思わず身を乗り出して、画面を覗き込んだ。
549 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
”HappyNewYear!” パーン!
「きゃあっ!?……いやね、びっくりしたわ」
「お前近づきすぎなの。目悪くなるぞ」
覗き込む画面の中で途端にあがった花火に、ルイズはびっく...
才人は笑って言った。それからルイズの肩を引いて、テレビ...
「さて、と。新年あけましておめでとう」
才人は習慣のままに、ぺこりと頭をさげた。
「あ、あけましておめでとう?」
言葉の意味がよくわからないまま、ルイズは反射的に同じよ...
「ハルキゲニアではまだ年明けねぇけど、ま、別にいいだろ」
「そうね。別にかまわないわよ、私たちだけ違う日にお祝いし...
「今年もよろしくな、ルイズ」
「今年もよろしくね、サイト」
二人はほのぼのと新年の挨拶をした。
「……そういえば、サイトの国では今日が年越しなのね」
「あぁ。ただずれてるだけじゃなくて、一年の長さがちょっと...
「……じゃあ、何年か後にはサイトの国の年越しの日に一緒にコ...
かもしれないわね」
「そうだな。すこしずつズレてくからなぁ。たまたま今回は時...
「……」
ルイズは唐突に座っていた場所から出て、才人のすぐ横に滑...
「ん?どーしたんだよルイズ」
「な、何年か先には……一緒にコタツ、入れないかもしれないか...
「別に、19日位ずつズレてくだけだろ。こっちが寒いときはこ...
「うるさいわね。細かいことはいいから、ここに居させなさい」
「……いや、いいけどよ」
いくらルイズの体が小さくても、コタツはせまい。
一緒に入れば、どうしても脚は当たるし、体は密着する。
「せ、狭いよな」
そう言って、才人はそっぽを向いてルイズの肩に手を回した。
「そそ、そうね。狭いからだもんね」
ルイズもそう答え、これまたそっぽを向いて、才人に体重を...
なんとも妙な雰囲気で、二人はそのまま沈黙する。
流れのままに肩に回した腕はどうにも動かせなくなって、掌...
「……あ、あー。そうだ。ルイズ教えてやるよ!」
「な、何よ? 急に」
「俺の世界の新年の定番なんだけどさ、姫はじめってのがあっ...
「……姫さま、はじめぇ??」
ルイズは不思議そうな顔をした。
「あぁ、王女様って意味じゃなくて。こっちでは女の子のこと...
「それがどうしたのよ?」
「まぁ転じて、年明けて最初にやらしい事するのを指すわけさ」
「…………」
ルイズはぽかーんと口をあけて、数拍の後、顔を真っ赤に染...
それから我に返ると、才人を睨んだ。鬼も顔負けの目つきで...
……才人の狙い通りに。
才人はこういう雰囲気は、どうも慣れないのだ。照れくさく...
既に両手で数え切れない程度には事に及んでいるが、ルイズ...
だから、こういう誘い方をすれば、怒り出すに決まってる。...
もう一押しして、鞭で一発しばかれでもすれば、この妙な雰...
「あははははは。なぁ、してみる? 姫はじめ」
言いながら、わなわなと身を震わすルイズの頬をとどめとば...
550 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
しかし、ルイズの反応は才人の予想とは外れていた。
睨んでいたその目線をふいっと才人から逸らして、唇を尖ら...
「……し、しし、新年の定番だって言うなら、仕方ないわ」
「そうそう、仕方な……って、えぇっ!?」
「な、なによ。アンタの国の定番なんでしょ?……するの?しな...
ルイズは薄い胸と一緒に虚勢を張った。
「……じゃ、じゃあ……しようか?」
才人は想定外の展開に、おもわずニヤけた。
「……ね、ねぇ、サイト?……顔が、なんかやらしいんだけど」
「うっ。……ほっとけ。どーせ俺は犬ですよ。ごちそうと見れば...
言いながら才人はコタツとテレビを消して、ルイズの膝の下...
「……しっかし、俺もずいぶん力ついたよなぁ」
才人はガンダールブの能力なしに軽々とルイズを抱き上げて...
「そうね。使い魔召喚の儀の時はてんで弱そうで、がっかりだ...
「あー、そうそう。お前コルベール先生に、弱そうな平民なん...
言いながら、才人はベッドに上がって、唇に一つキスをした。
キスを続けながら、ルイズの着衣をなれた手つきで脱がす。
「ん……あの頃は、そのひ弱そうな使い魔とこんな事になるなん...
「俺だってそうだよ。かわいいのは顔だけで、あちこちゼロの...
「なによ」
「なんだよ」
お互いむっとした顔を向け合ったが、以前のようにケンカに...
顔を見合わせた二人はふと笑って、自然目を閉じながら、残...
「……その弱かった使い魔が、今はずいぶん立派になっちゃった...
「ゼロだったご主人さまは……あー。胸だけはあんま育ってねぇ...
「ちょ、ちょっと! 何よ!……うぅん」
むにむに、とささやかな膨らみを揉む。
回を重ねるごとに、ルイズの反応は良くなる。
才人がポイントを押さえられるようになったのもあろうが、...
「まー、ご主人さまったら、大きさはともかく、最近はずいぶ...
「や、やだぁっ!そういう事言わ……むぅっ」
真っ赤になって叫んだルイズを、才人は深く舌を絡めて、黙...
「……いいじゃねぇの。その方が可愛いし」
「……こ、これ以上恥ずかしい姿なんてイヤ……あっ、やんっ!」
突然乳首に吸い付かれて、言葉が途切れた。
しつこく弄られ舐られ、そう経たずにルイズの体は悲鳴を上...
「ひん……あ、あぁっ」
ぴんと一度弓なりに反った体は、力が抜けるとふかふかのベ...
「……こういう恥ずかしい姿がどうしたって? 俺、聞こえなかっ...
もっと見てほしい、とか?」
「も……バカぁっ」
才人がニヤニヤしながらルイズの顔を覗き込んだのを、ルイ...
「なんだよ? ……あぁ、わかった。胸ばっかじゃ物足りねぇんだ...
「えぇっ? そんなこと、わたし言ってないじゃない」
「キスよりこっちにきてほしいんだろ? えぇもう、犬は精一杯...
脱力したままのルイズの腰まで移動して、がばっと脚を開い...
「あ、やだ……さっきの、そんなつもりじゃ」
身をひねって才人の動きを見るが、体に力が入らない。
才人は太ももまで流れた愛液をすくいとって、にやりと笑っ...
「……あぁ、もうこんなか。……ほら、こぼれてる」
「……さ、さっきの……やりすぎなのよ……って、そんな所じっと見...
太ももにぬるりと熱い感触を受けて、ルイズの身体がびくっ...
「やだ、やっ……! 何するのよっ」
「……うーん、掃除、かな?」
冗談交じりにそう言って、才人は流れに沿って、雫の水源に...
身体に力の入らないルイズは、そんな才人の頭をぺちぺちと...
551 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
たどり着いた泉で大きく音をたてて啜ると、ルイズは一際強...
「ひああぁっ! も、やだぁぁ……! わ、私はソバじゃないんだ...
……才人は想定外の発言に10秒くらい無言で固まった。
「…………えぇもう、とーってもおいしいですよ、ご主人さま」
才人が笑いを堪えつつ意地の悪い口調で返した言葉に、ルイ...
「あ、あうぅ……わ、忘れて、さっきのは。お願いサイト」
「いやぁ、ご主人様のお願いでもそればかりは。むしろコレす...
「バカ! サイトのいじわるっ! ……きゃっ」
文句を無視して秘唇を舌でくすぐると、ルイズの腰が引けた。
構わずに奥に突っ込むと、反応して中が大きく脈動する。
「んん……なんかぞくぞくして、ヘン」
「じゃあ、こっちは?」
言って、肉芽を潰すように舐る。
「ひ、っ……!」
ルイズは声もなく大きく身を震わせて、太ももで才人の頭を...
「だ、ダメ。強すぎて怖いから、やめて」
涙目になってぶんぶん頭を振る。かなり本気で嫌がっている...
「そっか。ここはまだちょっとツラいか。……じゃあ、指と、俺...
「…………さ、サイトにしとくわ」
熱っぽい目をそっぽに向けて、ルイズは恥ずかしそうに呟く。
才人は満足そうな笑みを浮かべて、自身を奥に押し込んだ。
「う……なんか今日、すごいみたいなんですケド」
「んん……な、なにがよ……」
「……えっと……。お前さ、濡れすぎ」
「ば、バカ! だからそういうの言わないでって言ってるでしょ...
ルイズが力任せに振り回した腕が才人の顎に鈍い音をたてて...
結果、二人は動きをとめ、揃って呻いた。
才人は叩かれた顎の痛みに。……ルイズはぶちあてた拳の痛み...
「う〜〜、痛たた……。そうじゃなくてさ、あんま俺がもたなそ...
「痛ぁ……もう、バカ……好きにしてよ、そんなの」
具体的な言い様にルイズはただ赤くなるしかできなかった。
「……へいへい、好きにしますよ、っと」
「きゃあっ! ちょっと、なに!?」
ルイズの背中に手を差し入れて、そのまま抱え起こした。
逃げようにも、深く刺さったままで、動けない。
ルイズは上手く逃げられずに、ピンでとめられた蝶のように...
「何って、ご主人さまのお許しがあったから、好きにしてるん...
「こ、こんな、なによこれ……きゃうっ」
突き上げると、とん、と奥にあたる。
「ふ……深いの……あっ、あぅ」
「うん、わざと」
何度か揺さぶると、ルイズはバランスを崩して、才人に強く...
中までもが絡みつくように、しがみつくように締まる。
強く抱きついた分、物足りないふくらみも才人の身体に触れ...
最初こそ遠慮気味だった動きはいつの間にか激しくなって、...
激しくたつ水音が思考力を奪い、二人を快感の淵に押し上げた。
「んっ、あん……きゃうっ、さ、サイトぉ」
「ルイズ…………あぁ、やっぱもうだめ」
「……あっぁ……なっに……?」
「で、出るっ……!」
「んんっ! やああぁっ……」
奥をギリギリまで溜めた精液に叩かれて、それにルイズの意...
ぽんぽん、と肩を叩かれて、ルイズはぼんやりと目を覚まし...
「おはよう、ルイズ」
「んん……?ふにゃ……おはよう、サイト」
552 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
ルイズはベッドの上で半身を起こして、まぶたをぐしぐしと...
「さっき来たらまだ寝てたから、ついでに顔洗う用意しといた...
「んー、ありがと……」
よろよろとベッドから降りて、ルイズは顔を洗う。
……一度身についた習慣というのは、なかなか消えない物だ。
ルイズがベッドでぐっすり眠り、よだれをたらしている様を...
たのは、『あ。俺、顔洗う水用意しねぇと』だったのである。
「しっかし、ルイズが寝坊なんて珍しいな」
「アンタねぇ…………ううん、いいわ」
「?」
「それより、アンタが持ってるその透明の箱はなに?」
「ん?あぁ。母ちゃんが縁起物だから、ルイズにわけてこいっ...
タオルを顔に押し付けるルイズの前で、タッパーをあけてや...
「はい、おせち料理」
とりどりをきれいに詰めたそれを見て、ルイズは感心するよ...
「いつものそっちのお料理とはまたちょっと違った雰囲気なの...
「こっちでも一部除いて正月だけの料理だよ」
「そうなの。お母さまにとても喜んでいたとお伝えしてね」
「あぁ。そのつもりで張り切って作ってたみたいだから、きっ...
「そ、そうなの? ……」
ぱっと顔を綻ばせ、しかしルイズはすぐに佇まいを正した。
「……お前もさぁ、嬉しいなら素直に笑えばいいだろ?」
才人が肘でちょい、とつつくと、ルイズはさっと赤面する。
「……サイトのお母さまが好きだから嬉しいだけなのよ。別に、...
嬉しいってわけじゃ、ないんだから」
「ん? そうだな。お前、母ちゃんと結構、馬合うみたいだもん...
けろりと深く考えずに言った才人を、ルイズは呆れた目で見...
「あら、これおいしいわ。このダテマキっていうの」
「そっか、よかったな」
おせちを嬉しそうにつつくルイズを、昨晩のように才人は見...
そこでふと思い出したように彼女は箸を止めて、顔を赤らめ...
「……と、ところで、あのね? しばらく、お食事以外の定番は遠...
「ん? どうかしたのか?」
ルイズは内容的に表情から察して欲しかったのだが、ここで...
半ば八つ当たり気味にキレた。
「……ものすごく疲れたし、腰が痛いのよ! バカ! あ、あんな...
だから寝坊したんじゃないっ!」
「あ、あぁ、それでなの!? ……あー、うん。調子乗ってやりす...
「ホントよバカ犬。エロ犬。ドすけべ犬。反省して」
「ハイ。犬反省します」
真っ赤な顔で犬を三段活用して怒るルイズの前で、才人はと...
言うだけ言うと、ルイズはまたおせちに向かった。
すぐにうきうきした顔に戻ったあたり、おせちはなかなかに...
「むぐ……ねぇ、サイト。そういえば、縁起物って……どんな意味...
「あぁ、語呂合わせとかだよ」
「じゃあ、例えばこの、コンブっていうのは?」
「よろコンブ。つまり喜ぶ」
「ぷふっ! ……じゃあ、このキンピラゴボウっていうのは?」
「すごく固くてしっかりしてるだろ? だから、強く頑丈に」
「じゃあこのサトイモっていうのは?」
「それは……ん? なんか里芋、やけにたくさん入っ…………」
「ねぇ、これはどういう意味なのよ?」
固まってしまった才人を、ルイズが急かした。
553 名前:未来図β ― 年越しの定番[sage] 投稿日:2008/01...
……母の意図に気づいた才人は、昨日からすっかり策にはめら...
よく考えれば、そもそもカウントダウンにそう興味を持つ家...
コッチの方は才人がいつものように由来を調べていたのを見...
そりゃあ、載っていた。確かに調べた中に載っていた。しか...
……まさか張り切って作っていた理由の一つはこれなんだろう...
……なぁ母ちゃん。こんなもんでメッセージとか、どーなの。...
俺がルイズにそういうのを日頃から教えてるのを知ってて、...
それを俺からルイズに教えろってかっ!! ……才人の顔は思い...
「……さ、さぁ? 俺もちょっと知らないんだよなぁ」
言って、才人はふいっと視線をそらす。
「……アンタ、絶対知ってるでしょう」
「犬知りません。なんせ犬ですから」
ひょい、と仏頂面をしたルイズが才人の視界に飛び込んだ。
才人はばっと大仰な動きで顔をそらした。
「…………ご主人さまに嘘をつくのね?」
「いやぁ、とんでもない。本当に知りません」
「嘘ッ! アンタがそういう態度の時は嘘ってもう知ってるんだ...
ルイズの瞳の中で怒りの焔が湧き上がる。
そうなると才人はもうしつけされた犬のようなものだ。その...
「ほ、ほほ、ほんとうに知らない。許して」
「……許さないわ。ごごご、ご主人さまに嘘をつくような使い魔...
乗馬の腕前を身体に思いっっきり教え込んであげるわ」
「お、お前のは乗馬の腕前ってより乗馬鞭の腕前だろぉぉぉ!...
才人が腰を抜かして動けずにいる目の前で、ルイズは鏡台か...
……そして、邸に使い魔の悲鳴が響き渡った。
なお、里芋の意味は「子宝に恵まれますように」。
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