ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
578 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/02(水) 22:00:03 I...
−特訓と受難−
剣を握る手の甲を氷の矢が掠め、ぱっと血が吹き出した。
手を離れた銀光は、弧を描き重い音をたてて地に突きたつ。
自身の血が騎士のマントに降りかかり、あちこちを点々と赤...
「……いってーっ!」
「俺を落としてんじゃねぇよ。武器なしのガンダールヴなんて...
才人に取り落とされて、固い土に突き立ったデルフリンガー...
痛みにまだ痺れる手をぶんぶんと振って、才人は再び剣を握...
「……あぁ、まったくだ。くっそ……」
「まだ。これくらいは序の口」
雪のような冷気を纏ったタバサが次の呪文の詠唱に入る。
「……いくぞ!」
叫んで突っ込んだ才人は、同時に完成し解き放たれた氷の矢...
そのまま半回転して、すばやく剣をタバサの杖に叩きつける。
しかし刀身はキン、と澄んだ音をたてて障壁に弾かれた。
「……まだまだ。追って。そういう時に止まるのは危険」
タバサはすばやく一足で才人と間合いを開け、いつもどおり...
氷とされていたその表情は、春風を受けたように僅かに綻ん...
「おう!」
才人は言われたとおりに駆け寄り、澄んだ音を不規則なリズ...
……二人の姿は微笑ましい追いかけっこに似て、その実、血生...
「……なによ、あれは」
自室の窓からふと広場を眺めたルイズは、不機嫌な声を出し...
自分の使い魔が、走る道に血を落としながら必死で青髪の少...
……気に食わない。とても気に食わない。
ご主人さまをほったらかしてあの使い魔と来たら、至って真...
女の子を追っかけまわしているのだ。
普通はここでまず魔法とか血とか剣が気になりそうなもので...
才人がデルフリンガーを振り回している事など、ルイズの目...
とにかく気に食わないのだ。感情がそう言っているのだから...
など、彼女にとってはどうでもよい瑣末事だったのである。
「えっと……戦闘訓練、だそうですよ、ミス・ヴァリエール」
「……おおお水精霊騎士隊じゃ、ないわよね、タバサはっ」
既に顔つきは強張っている。全身は怒りに震えている。
部屋にいたのが、いつの間にかそれに慣れてしまったシエス...
から慌てて逃げ出しているに違いない程の怒りようであった。
「もう他の人では相手にならないんだそうですよ。さすがサイ...
穏やかな声でシエスタは返した。ほんの少しの優越感を声に...
「だだだだからって、だからって、あの子じゃなくてもいいじ...
私はなんにも聞いてないのに、シエスタがそれを知ってんのよ...
「えぇ……それが、ちょうど先日その場に出くわしたのでお聞き...
「大体それならまず私に言ったって……あぁぁもう! 許さないん...
とうとう我慢ならなくなったルイズは、杖を手に部屋を駆け...
シエスタは苦笑を浮かべ、ため息をつきながらその背を見送...
特訓のケガも癒えぬ内にそれ以上のケガを虚無の爆発で食ら...
……サイトさん、頑張ってるのに、ちょっとかわいそう。
そう思いながらも、シエスタもまた、なんとなく面白くなか...
特訓だろうがなんだろうが、思いを寄せる相手が他の女の子...
見たくない物なのだ。
シエスタは一時間後の状況を考え、包帯や薬を貰うために医...
男の意地、って物がある。
守りたい女の子に、その為に特訓しているなどと、知られた...
ましてやその守りたい女の子を特訓相手にするなど、ありえ...
ルイズでは気兼ねするわ力が足りないわで、どちらにしろ特...
怒り狂うルイズには、才人の意地もキモチも、知ったことでは...
---------------------------------------------------------...
終。 微妙に容量残ってるから埋めを兼ねて戦闘と大人数の練...
終了行:
578 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/02(水) 22:00:03 I...
−特訓と受難−
剣を握る手の甲を氷の矢が掠め、ぱっと血が吹き出した。
手を離れた銀光は、弧を描き重い音をたてて地に突きたつ。
自身の血が騎士のマントに降りかかり、あちこちを点々と赤...
「……いってーっ!」
「俺を落としてんじゃねぇよ。武器なしのガンダールヴなんて...
才人に取り落とされて、固い土に突き立ったデルフリンガー...
痛みにまだ痺れる手をぶんぶんと振って、才人は再び剣を握...
「……あぁ、まったくだ。くっそ……」
「まだ。これくらいは序の口」
雪のような冷気を纏ったタバサが次の呪文の詠唱に入る。
「……いくぞ!」
叫んで突っ込んだ才人は、同時に完成し解き放たれた氷の矢...
そのまま半回転して、すばやく剣をタバサの杖に叩きつける。
しかし刀身はキン、と澄んだ音をたてて障壁に弾かれた。
「……まだまだ。追って。そういう時に止まるのは危険」
タバサはすばやく一足で才人と間合いを開け、いつもどおり...
氷とされていたその表情は、春風を受けたように僅かに綻ん...
「おう!」
才人は言われたとおりに駆け寄り、澄んだ音を不規則なリズ...
……二人の姿は微笑ましい追いかけっこに似て、その実、血生...
「……なによ、あれは」
自室の窓からふと広場を眺めたルイズは、不機嫌な声を出し...
自分の使い魔が、走る道に血を落としながら必死で青髪の少...
……気に食わない。とても気に食わない。
ご主人さまをほったらかしてあの使い魔と来たら、至って真...
女の子を追っかけまわしているのだ。
普通はここでまず魔法とか血とか剣が気になりそうなもので...
才人がデルフリンガーを振り回している事など、ルイズの目...
とにかく気に食わないのだ。感情がそう言っているのだから...
など、彼女にとってはどうでもよい瑣末事だったのである。
「えっと……戦闘訓練、だそうですよ、ミス・ヴァリエール」
「……おおお水精霊騎士隊じゃ、ないわよね、タバサはっ」
既に顔つきは強張っている。全身は怒りに震えている。
部屋にいたのが、いつの間にかそれに慣れてしまったシエス...
から慌てて逃げ出しているに違いない程の怒りようであった。
「もう他の人では相手にならないんだそうですよ。さすがサイ...
穏やかな声でシエスタは返した。ほんの少しの優越感を声に...
「だだだだからって、だからって、あの子じゃなくてもいいじ...
私はなんにも聞いてないのに、シエスタがそれを知ってんのよ...
「えぇ……それが、ちょうど先日その場に出くわしたのでお聞き...
「大体それならまず私に言ったって……あぁぁもう! 許さないん...
とうとう我慢ならなくなったルイズは、杖を手に部屋を駆け...
シエスタは苦笑を浮かべ、ため息をつきながらその背を見送...
特訓のケガも癒えぬ内にそれ以上のケガを虚無の爆発で食ら...
……サイトさん、頑張ってるのに、ちょっとかわいそう。
そう思いながらも、シエスタもまた、なんとなく面白くなか...
特訓だろうがなんだろうが、思いを寄せる相手が他の女の子...
見たくない物なのだ。
シエスタは一時間後の状況を考え、包帯や薬を貰うために医...
男の意地、って物がある。
守りたい女の子に、その為に特訓しているなどと、知られた...
ましてやその守りたい女の子を特訓相手にするなど、ありえ...
ルイズでは気兼ねするわ力が足りないわで、どちらにしろ特...
怒り狂うルイズには、才人の意地もキモチも、知ったことでは...
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終。 微妙に容量残ってるから埋めを兼ねて戦闘と大人数の練...
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