ゼロの使い魔保管庫
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241 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:28:29 I...
あぁ、なんか……くすぐったい。
腹のあたりかな……なんだろう?
こそばゆい感覚に才人が薄く目を開くと、
淡く優しい光の中を、桃色がふわりと横切った。
……あぁ、ルイズだ。ルイズの髪。
俺より早く起きるなんて、珍しいじゃねえの。
それに……なんで仰向けになってる俺の視界に居るんだ、お前。
声には出さずにぼんやりと、その桃色を目で追う。
ははあ、お前、さてはなにか嫌な夢でもみたんだろ。
それで不安になって目が覚めたってとこだな?
才人はフッ、と思わず口元を緩める。
またみんなにバカにされてた頃の夢か?
どの魔法使っても全部爆発しちまう夢か?
あぁ、それとも、夢の中で俺が死んじまったりでもしたんか...
いつまでも気にしすぎなんだよ、お前。
その調子じゃ、俺、いつまでも罪悪感感じちまうっつの。
今はもう、ずっとそばにいるってのにさ。
「サイト……?」
聞こえたのは、やはりというべきか、なにやら不安げな声。
ぼやけた視界の中に、ご主人さまの大粒の鳶色が入ってきた。
「……おはよう、ルイズ」
「おはよう」
それだけ言うと、ルイズはまた視界の端に消えた。
……ん? ルイズ、さっきからなにして? それに、なんで腹の...
さっきの声を聞く限りでは、ルイズはなにやら不安げだった。
それなら抱きしめてでもやりたいところだが、寝たままでは...
というか、それを望んでるなら胸の辺りに来てるだろう。
そんなご主人さまの妙な行動への疑問は、すぐに解消された。
ジーっ、という、才人には耳慣れた、しかしハルキゲニアで...
あれ……この音って……まさか社会の窓を開ける音デスカ?
思った瞬間、才人は跳ねるように身を起こした。
視界に飛び込んできたのは、出しっぱなしで寝るわけのない...
生理現象的に目覚めのよろしいそれを、ルイズは近距離から...
急速に先程までの眠気がすっとぶ。
「何やってんの、お前!?」
「あ、その……ちょっと、協力してもらおうと思って」
言いながら、唐突に両手できゅっと握られる。
心の準備もしていなかったので、思わずぴくりと反応させて...
うお、ご、ご主人さま……指細いネ。ちょっと手がひんやり……...
「ばっ、バカ、触んな! そんなとこ! てか見んな!」
「わ、わたしだってほんとはイヤよ!」
握ったままの手を胸元に寄せながら、ルイズはぱっと目をそ...
頬が薄紅色に染まっている。
「じゃあなんで!」
「……後で教えてあげる」
そういうなり、ルイズは突き出した舌を先端に押し付けた。
脳を直接刺激するような感覚に、戦慄する。
「うあ……や、やめっ!」
242 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:28:51 I...
ルイズの頭を押しのけようと、才人は手を伸ばす。
……くんっ、と何かが引っかかった。……手が、届かない。
才人がばっと自身の両手をみると、多少の余裕をもってベッ...
ぐいぐいと何度か引っ張って見るが、なかなかにしっかり縛...
左右の手はあわせられない程度の長さで、解く事もできそう...
「な……なんでっ?」
「あのね、たぶんサイトは抵抗するって聞いたから」
「誰にだよ」
「……ヒミツ」
ちゅぷ、と水音をたてて、唇に包まれる。
ルイズのぽってりした唇。
それが、今、俺の……コレを……。
頭がかぁっと、火でも灯したように熱くなる。
……あぁ、これは都合のいい願望夢なんじゃなかろうか?
貴族だ公爵家だと言うルイズが、こんな早朝に、こんなはし...
…………でも、今ルイズがしている、やらしい顔は、とんでもな...
夢であって欲しいのか否か、自分でも、ワケがわからなくな...
ルイズは才人のモノを刺激しつつ、時折目線をちらとあげて...
すると当然、ずっとルイズを見ている才人と目が合うわけだ...
そうするとルイズ、恥ずかしそうにぱっと目をそらす。
それでも手や口を休めない。恥ずかしそうに俯いて、でも才...
羞恥に伏せた目は、長い睫毛に彩られて、えもいわれぬ色香...
俯き加減のまま刺激されると、ついでに流れ落ちた髪までも...
ルイズは記憶を確かめながら、と言った風な拙い動きだった...
そこにルイズへの思いと、縛られて抵抗できないシチュエー...
息が上がる。熱い衝動がこみ上げる。
いや、でも……聞かないと。その前に、何でこんなことしてる...
喉からひっきりなしに漏れる呻きを才人は気力で押さえた。
「な、なぁ……ルイズ」
どうにか搾り出した声はやはり熱っぽく掠れた。
「んむ……? ……なによ、わたしやめないわよ」
ルイズは一度口の中に包んでいたそれを吐き出して、答える。
「わ、わかった。そこは譲る。……ほんとはイヤだけど、譲る。...
けどさ……、せめて理由くらい教えてくれよ」
「だから後でって言ったでしょ?」
「いや、今。それくらいいいだろ、俺は先に譲ってるんだし」
少し粘ると、ルイズは仕方ないわね、とため息をついた。
「私の成長のためよ」
きっぱりと、そう答える。
才人は、その言葉を解するのに10秒ほどかかった。
「成長……って、俺、やらしい事の練習台にされてんのかよ? 誰...
「ち、違うわよ。勉強じゃなくて、わたしの成長よ。せ・い・...
「……いや、ぜんっぜんわかんね」
きっちり区切って言われても、聞き取れはいるので意味がな...
会話をしながらもルイズの手は絶え間なくあちこちを摩って...
できないが、別にそれが原因で意味を取れてないわけでもない。
「じゃあ、アンタも知らなかったのね」
「何を?」
「ミルクを飲むと成長するって言うじゃない」
「言うね。てか前にやってたよなお前。それで?」
「み、ミルクはミルクでも、ほんとは牛のお乳じゃないんです...
「……まさか?」
イヤな予感。今更もう逃げようがないけど。
「こ、コレを刺激して出てくるのが、そうなんですって」
ルイズは真っ赤になって、目を伏せて、震える声で言い切っ...
243 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:29:11 I...
……だ、誰だ、ルイズにそんなシモ系のガセネタ教えたのは!
あぁぁ、ルイズのヤツ、信じきってんのかよ……!
才人は頭を抱えたかったが、縛られていて手が届かない。
「わ、わたし、背も……胸も、ちっさいじゃない? だからね」
「ま、まて。それガセだから。科学的根拠以前の問題だから、...
「……カガクテ・キコンキョ?」
「つ、つまりウソなの! それは!」
「え……そ、そんなことないもん! だってキュルケが……あ」
……キュルケか。コレの原因は。
犯人の名前を聞いた時点で、才人にはその光景が目に見える...
「ねぇルイズ、あなた知ってるかしら?」
「急になによ、キュルケ」
「あなたの背とか胸が小さい理由」
てな感じで、キュルケは思いついたように唐突な話をふって...
「知るわけないでしょう。ていうか、小さいって言わないでよ...
そこでルイズはきっとむすっとした顔をするんだ。
「ふふ。他の小さい子との共通点考えてごらんなさいな」
「……共通点?」
「みんな男性経験ないのよ」
とかって言って、キュルケは髪をかきあげて、うふん、とか...
「だったとして、それが背とか……ぉ、お乳とかにどう関係あん...
なんて、呆れた顔しつつ、でも興味そそられちゃった風にル...
「男性の(* ピー *)からミルクがでるんだけど、摂取する...
とかって、キュルケはめちゃくちゃな事を言い出して。
「な……っ! は、はしたないわね! そんなわけないでしょう、...
……って風にルイズは真っ赤になって反発する。
「ほら、タバサとか全然そういうことなさそうでしょう?」
「……た、たしかに……って、だったら姫さまの素敵な体つきはど...
「お姫さま? 王族って、将来嫁ぐ時のために、そっちの教育も...
とか言って言いくるめられて、ルイズは青くなったりして。
「え……えぇ? じゃあ……本当に?」
「そ。……まぁ、でもあなたじゃ知っても意味なかったかしら?」
「なな、何でよ」
「だって、はしたないとか恥ずかしいとかって言って何もでき...
名家、ラ・ヴァリエール公爵家の三女、ですものね」
とかって、ルイズをバカにするような言い回しをわざとして。
「そ、そんなことないわ!」
ルイズは負けず嫌いだからここで思わず反発しちゃうんだろ...
「じゃあやってみる? 面白そうだから教えてあげてもよくてよ」
「つ、ツェルプストーに習うのは癪に障るけど、仕方ないから...
なんて感じに以下略。
「なぁ……お前さ、キュルケにからかわれたんだよ」
「そんなことないもん」
生真面目なルイズは、そっちの講義もさぞかし真面目に受け...
こちらの反応を見ながら、動きはどんどん的確になっていく...
才人はもう、既に土俵際に追い詰められ、よろけているよう...
「だって聞いたことねえよ。……アレを飲むと成長するだなんて」
「でも、確かに牛のお乳は効かなかったわ」
「……ルイズにゃこんなの絶対出来ないと思って言ったんだと思...
「で、出来てるじゃない、わたし。さすがね。……なんかぬめぬ...
そりゃ、もう先走ってますから……。
「……うん、そうかそうか。なら、もうこの辺でやめてみない?」
つーかマジやめて。ヤバイ。ほんとに飲まれちゃう。
「やめてみない。一度はじめたことを放るのは性に合わないの」
そだね。お前、どこまでも真面目だもんね。
244 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:29:32 I...
「けど……そろそろホントにまずそうなんですケド」
「そのためにしてるんじゃない」
そう言って、ルイズは再び深く咥え込んだ。
それはさながら溶鉱炉に突っ込まれた鉄。今にも熔けてしま...
うぅ、と呻いて、才人は熱っぽい目を細めた。
あぁ、頭だけなら……今なら、届くかも……。
半ば無意識に伸ばした手が、ルイズの桃色の髪を揺らす。
「んぐっ」
才人の行動に驚いたのか、口の中は少し狭まった。
ルイズの頭に手を回して衝動のままに軽く突きこむと、絡ま...
頭が灼けつくような感覚に、ご主人さまご所望のそれを、口...
「けほ、けほっ……うぅ、まず。……それに、飲み込みづらいわ」
大した量ではないそれを、苦戦しつつどうにか飲み下して、...
「…………無理して飲まなきゃいいだろが」
荒く息をつきながら、才人は少し疲れた声で答えた。
「だって、成長したいんだもん」
「…………お前、気にしてるもんなぁ、背とか」
「……誰かさんが大きいお乳好きじゃなかったら、ここまで気に...
ルイズが拗ねた顔でつぶやいたそれを聞いて、才人は文句を...
「あら、サイト」
広場でいつものように素振りをしている所に、やってきたの...
来た。張本人来た。……文句の一つも言ってやる。
そう思いながら、才人は待ち構えた。
「あのな……ルイズにヘンな入れ知恵すんなよな」
才人は、精一杯、不機嫌な顔と声を作った。
ここでうっかりニヤけたりして……さとられてしまっては困る。
「あら? じゃあさっそく頑張ったのねぇ、あのコ」
キュルケはまるで悪びれた風でもない。
「それで、欲求不満は解消できて?」
「……はい?」
「この間言ってたじゃないの。ルイズが一日中気になっちゃっ...
「…………はあっ??」
「ふふ。あのルイズが原因じゃ、あたしが慰めてもしょうがな...
言って、ナイスバディを見せ付けるようにキュルケは髪をか...
まるで意味がわからない。わからない、が……。
なにかが引っ掛かる気がして、最近のキュルケとの会話を回...
「あら、いやだ。今日はずいぶん寝不足みたいじゃない」
「まあね」
目の下のくまをみて、キュルケは顔を曇らせた。
その時の会話も、才人が外で素振りをしている時だった。
「どうしてそんなに寝不足なわけ?」
「最近、ルイズが一日中、昼夜問わず……」
誰それの胸を見てたーとか言って、虚無ぶつけてくるから、...
ついでにそれのせいで、普段歩いてる時もビクビクしてたか...
……と正直に言ってバレたら後で殺されそうなので、才人は言...
「まあ、(ルイズの視線とかが)気になって……たまってんだよ(疲...
「ふぅん、大変なのね」
「まあね」
「……こ、この会話を曲解したのか……」
「なぁに? どうしたの」
確かに。確かに言葉が足りてない。けど。
「あのな! たまってたのは疲れ! アッチの話なんかするわけ...
思わず叫んだ才人を、通りすがりの生徒がじろじろと見てい...
245 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:30:31 I...
以上。
自分で書いてて難だが、冒頭の才人の語りは死にかけにしか見...
でもそれがイ(ry
……騙された人、いる?
そういえばタイトル忘れてました。
「人に夢と書いて儚い」
終了行:
241 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:28:29 I...
あぁ、なんか……くすぐったい。
腹のあたりかな……なんだろう?
こそばゆい感覚に才人が薄く目を開くと、
淡く優しい光の中を、桃色がふわりと横切った。
……あぁ、ルイズだ。ルイズの髪。
俺より早く起きるなんて、珍しいじゃねえの。
それに……なんで仰向けになってる俺の視界に居るんだ、お前。
声には出さずにぼんやりと、その桃色を目で追う。
ははあ、お前、さてはなにか嫌な夢でもみたんだろ。
それで不安になって目が覚めたってとこだな?
才人はフッ、と思わず口元を緩める。
またみんなにバカにされてた頃の夢か?
どの魔法使っても全部爆発しちまう夢か?
あぁ、それとも、夢の中で俺が死んじまったりでもしたんか...
いつまでも気にしすぎなんだよ、お前。
その調子じゃ、俺、いつまでも罪悪感感じちまうっつの。
今はもう、ずっとそばにいるってのにさ。
「サイト……?」
聞こえたのは、やはりというべきか、なにやら不安げな声。
ぼやけた視界の中に、ご主人さまの大粒の鳶色が入ってきた。
「……おはよう、ルイズ」
「おはよう」
それだけ言うと、ルイズはまた視界の端に消えた。
……ん? ルイズ、さっきからなにして? それに、なんで腹の...
さっきの声を聞く限りでは、ルイズはなにやら不安げだった。
それなら抱きしめてでもやりたいところだが、寝たままでは...
というか、それを望んでるなら胸の辺りに来てるだろう。
そんなご主人さまの妙な行動への疑問は、すぐに解消された。
ジーっ、という、才人には耳慣れた、しかしハルキゲニアで...
あれ……この音って……まさか社会の窓を開ける音デスカ?
思った瞬間、才人は跳ねるように身を起こした。
視界に飛び込んできたのは、出しっぱなしで寝るわけのない...
生理現象的に目覚めのよろしいそれを、ルイズは近距離から...
急速に先程までの眠気がすっとぶ。
「何やってんの、お前!?」
「あ、その……ちょっと、協力してもらおうと思って」
言いながら、唐突に両手できゅっと握られる。
心の準備もしていなかったので、思わずぴくりと反応させて...
うお、ご、ご主人さま……指細いネ。ちょっと手がひんやり……...
「ばっ、バカ、触んな! そんなとこ! てか見んな!」
「わ、わたしだってほんとはイヤよ!」
握ったままの手を胸元に寄せながら、ルイズはぱっと目をそ...
頬が薄紅色に染まっている。
「じゃあなんで!」
「……後で教えてあげる」
そういうなり、ルイズは突き出した舌を先端に押し付けた。
脳を直接刺激するような感覚に、戦慄する。
「うあ……や、やめっ!」
242 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:28:51 I...
ルイズの頭を押しのけようと、才人は手を伸ばす。
……くんっ、と何かが引っかかった。……手が、届かない。
才人がばっと自身の両手をみると、多少の余裕をもってベッ...
ぐいぐいと何度か引っ張って見るが、なかなかにしっかり縛...
左右の手はあわせられない程度の長さで、解く事もできそう...
「な……なんでっ?」
「あのね、たぶんサイトは抵抗するって聞いたから」
「誰にだよ」
「……ヒミツ」
ちゅぷ、と水音をたてて、唇に包まれる。
ルイズのぽってりした唇。
それが、今、俺の……コレを……。
頭がかぁっと、火でも灯したように熱くなる。
……あぁ、これは都合のいい願望夢なんじゃなかろうか?
貴族だ公爵家だと言うルイズが、こんな早朝に、こんなはし...
…………でも、今ルイズがしている、やらしい顔は、とんでもな...
夢であって欲しいのか否か、自分でも、ワケがわからなくな...
ルイズは才人のモノを刺激しつつ、時折目線をちらとあげて...
すると当然、ずっとルイズを見ている才人と目が合うわけだ...
そうするとルイズ、恥ずかしそうにぱっと目をそらす。
それでも手や口を休めない。恥ずかしそうに俯いて、でも才...
羞恥に伏せた目は、長い睫毛に彩られて、えもいわれぬ色香...
俯き加減のまま刺激されると、ついでに流れ落ちた髪までも...
ルイズは記憶を確かめながら、と言った風な拙い動きだった...
そこにルイズへの思いと、縛られて抵抗できないシチュエー...
息が上がる。熱い衝動がこみ上げる。
いや、でも……聞かないと。その前に、何でこんなことしてる...
喉からひっきりなしに漏れる呻きを才人は気力で押さえた。
「な、なぁ……ルイズ」
どうにか搾り出した声はやはり熱っぽく掠れた。
「んむ……? ……なによ、わたしやめないわよ」
ルイズは一度口の中に包んでいたそれを吐き出して、答える。
「わ、わかった。そこは譲る。……ほんとはイヤだけど、譲る。...
けどさ……、せめて理由くらい教えてくれよ」
「だから後でって言ったでしょ?」
「いや、今。それくらいいいだろ、俺は先に譲ってるんだし」
少し粘ると、ルイズは仕方ないわね、とため息をついた。
「私の成長のためよ」
きっぱりと、そう答える。
才人は、その言葉を解するのに10秒ほどかかった。
「成長……って、俺、やらしい事の練習台にされてんのかよ? 誰...
「ち、違うわよ。勉強じゃなくて、わたしの成長よ。せ・い・...
「……いや、ぜんっぜんわかんね」
きっちり区切って言われても、聞き取れはいるので意味がな...
会話をしながらもルイズの手は絶え間なくあちこちを摩って...
できないが、別にそれが原因で意味を取れてないわけでもない。
「じゃあ、アンタも知らなかったのね」
「何を?」
「ミルクを飲むと成長するって言うじゃない」
「言うね。てか前にやってたよなお前。それで?」
「み、ミルクはミルクでも、ほんとは牛のお乳じゃないんです...
「……まさか?」
イヤな予感。今更もう逃げようがないけど。
「こ、コレを刺激して出てくるのが、そうなんですって」
ルイズは真っ赤になって、目を伏せて、震える声で言い切っ...
243 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:29:11 I...
……だ、誰だ、ルイズにそんなシモ系のガセネタ教えたのは!
あぁぁ、ルイズのヤツ、信じきってんのかよ……!
才人は頭を抱えたかったが、縛られていて手が届かない。
「わ、わたし、背も……胸も、ちっさいじゃない? だからね」
「ま、まて。それガセだから。科学的根拠以前の問題だから、...
「……カガクテ・キコンキョ?」
「つ、つまりウソなの! それは!」
「え……そ、そんなことないもん! だってキュルケが……あ」
……キュルケか。コレの原因は。
犯人の名前を聞いた時点で、才人にはその光景が目に見える...
「ねぇルイズ、あなた知ってるかしら?」
「急になによ、キュルケ」
「あなたの背とか胸が小さい理由」
てな感じで、キュルケは思いついたように唐突な話をふって...
「知るわけないでしょう。ていうか、小さいって言わないでよ...
そこでルイズはきっとむすっとした顔をするんだ。
「ふふ。他の小さい子との共通点考えてごらんなさいな」
「……共通点?」
「みんな男性経験ないのよ」
とかって言って、キュルケは髪をかきあげて、うふん、とか...
「だったとして、それが背とか……ぉ、お乳とかにどう関係あん...
なんて、呆れた顔しつつ、でも興味そそられちゃった風にル...
「男性の(* ピー *)からミルクがでるんだけど、摂取する...
とかって、キュルケはめちゃくちゃな事を言い出して。
「な……っ! は、はしたないわね! そんなわけないでしょう、...
……って風にルイズは真っ赤になって反発する。
「ほら、タバサとか全然そういうことなさそうでしょう?」
「……た、たしかに……って、だったら姫さまの素敵な体つきはど...
「お姫さま? 王族って、将来嫁ぐ時のために、そっちの教育も...
とか言って言いくるめられて、ルイズは青くなったりして。
「え……えぇ? じゃあ……本当に?」
「そ。……まぁ、でもあなたじゃ知っても意味なかったかしら?」
「なな、何でよ」
「だって、はしたないとか恥ずかしいとかって言って何もでき...
名家、ラ・ヴァリエール公爵家の三女、ですものね」
とかって、ルイズをバカにするような言い回しをわざとして。
「そ、そんなことないわ!」
ルイズは負けず嫌いだからここで思わず反発しちゃうんだろ...
「じゃあやってみる? 面白そうだから教えてあげてもよくてよ」
「つ、ツェルプストーに習うのは癪に障るけど、仕方ないから...
なんて感じに以下略。
「なぁ……お前さ、キュルケにからかわれたんだよ」
「そんなことないもん」
生真面目なルイズは、そっちの講義もさぞかし真面目に受け...
こちらの反応を見ながら、動きはどんどん的確になっていく...
才人はもう、既に土俵際に追い詰められ、よろけているよう...
「だって聞いたことねえよ。……アレを飲むと成長するだなんて」
「でも、確かに牛のお乳は効かなかったわ」
「……ルイズにゃこんなの絶対出来ないと思って言ったんだと思...
「で、出来てるじゃない、わたし。さすがね。……なんかぬめぬ...
そりゃ、もう先走ってますから……。
「……うん、そうかそうか。なら、もうこの辺でやめてみない?」
つーかマジやめて。ヤバイ。ほんとに飲まれちゃう。
「やめてみない。一度はじめたことを放るのは性に合わないの」
そだね。お前、どこまでも真面目だもんね。
244 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:29:32 I...
「けど……そろそろホントにまずそうなんですケド」
「そのためにしてるんじゃない」
そう言って、ルイズは再び深く咥え込んだ。
それはさながら溶鉱炉に突っ込まれた鉄。今にも熔けてしま...
うぅ、と呻いて、才人は熱っぽい目を細めた。
あぁ、頭だけなら……今なら、届くかも……。
半ば無意識に伸ばした手が、ルイズの桃色の髪を揺らす。
「んぐっ」
才人の行動に驚いたのか、口の中は少し狭まった。
ルイズの頭に手を回して衝動のままに軽く突きこむと、絡ま...
頭が灼けつくような感覚に、ご主人さまご所望のそれを、口...
「けほ、けほっ……うぅ、まず。……それに、飲み込みづらいわ」
大した量ではないそれを、苦戦しつつどうにか飲み下して、...
「…………無理して飲まなきゃいいだろが」
荒く息をつきながら、才人は少し疲れた声で答えた。
「だって、成長したいんだもん」
「…………お前、気にしてるもんなぁ、背とか」
「……誰かさんが大きいお乳好きじゃなかったら、ここまで気に...
ルイズが拗ねた顔でつぶやいたそれを聞いて、才人は文句を...
「あら、サイト」
広場でいつものように素振りをしている所に、やってきたの...
来た。張本人来た。……文句の一つも言ってやる。
そう思いながら、才人は待ち構えた。
「あのな……ルイズにヘンな入れ知恵すんなよな」
才人は、精一杯、不機嫌な顔と声を作った。
ここでうっかりニヤけたりして……さとられてしまっては困る。
「あら? じゃあさっそく頑張ったのねぇ、あのコ」
キュルケはまるで悪びれた風でもない。
「それで、欲求不満は解消できて?」
「……はい?」
「この間言ってたじゃないの。ルイズが一日中気になっちゃっ...
「…………はあっ??」
「ふふ。あのルイズが原因じゃ、あたしが慰めてもしょうがな...
言って、ナイスバディを見せ付けるようにキュルケは髪をか...
まるで意味がわからない。わからない、が……。
なにかが引っ掛かる気がして、最近のキュルケとの会話を回...
「あら、いやだ。今日はずいぶん寝不足みたいじゃない」
「まあね」
目の下のくまをみて、キュルケは顔を曇らせた。
その時の会話も、才人が外で素振りをしている時だった。
「どうしてそんなに寝不足なわけ?」
「最近、ルイズが一日中、昼夜問わず……」
誰それの胸を見てたーとか言って、虚無ぶつけてくるから、...
ついでにそれのせいで、普段歩いてる時もビクビクしてたか...
……と正直に言ってバレたら後で殺されそうなので、才人は言...
「まあ、(ルイズの視線とかが)気になって……たまってんだよ(疲...
「ふぅん、大変なのね」
「まあね」
「……こ、この会話を曲解したのか……」
「なぁに? どうしたの」
確かに。確かに言葉が足りてない。けど。
「あのな! たまってたのは疲れ! アッチの話なんかするわけ...
思わず叫んだ才人を、通りすがりの生徒がじろじろと見てい...
245 名前:Lv.見習[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 01:30:31 I...
以上。
自分で書いてて難だが、冒頭の才人の語りは死にかけにしか見...
でもそれがイ(ry
……騙された人、いる?
そういえばタイトル忘れてました。
「人に夢と書いて儚い」
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