ゼロの使い魔保管庫
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
単語検索
|
最終更新
|
ヘルプ
]
開始行:
メイドになる!前半戦
「…はっ!…はっ!」
まだ朝も明けきらない薄暗いトリステイン学院の中庭でサイ...
「相棒、あんま無理するんじゃねえぞ?」
「ん?あぁ、分かってるよデルフ!」
早朝で人気の少ない中庭を多少広めに使い、敵の動きを頭の...
「今日は!なんだか!早く!目が!覚めちまった!だけ!だよ...
「最近平和だからなぁ…。ま、平和なのは良い事だが」
「もう7万の軍を1人で止めるとかはしたくねぇなぁ…」
サイトはふと2人がまだ眠っているであろう部屋の窓を見上げ...
ベッドから抜け出る時に2人の乱れたネグリジェ姿に理性を失...
当初は不順だった目的もやり始めるとこれはこれで気持ちが...
「ふー…、流石に疲れてきたなぁ」
「相棒、ここらで一休みしておいた方が良いんじゃないか?30...
サイトは「ああ…」と頷いてデルフを木に立て掛けて芝生に寝...
最初は時折吹く風に気持ちよさを感じていただけだったが、...
「相棒、暖かくなってきてるとは言え、こんな所で汗かいたま...
「んー…、分かってるよ…」
そう言うが、段々とサイトの意識は薄れていった。
シエスタ視点
「ふあぁぁぁ…、何か目覚めちまったなぁ…。まだ日も出てない...
私の隣で寝ていたサイトさんが起きたらしい。
少し前に目が覚めてしまった私は慌てて寝たふりをする。
掛け布団が少し捲れ上がり、ベッドがギシっと軋む音がして...
どうやらサイトさんはベッドから出てしまったらしい。
(寝ぼけたフリをして抱き付けば良かった…)
そう思っても後の祭り、私は耳を澄ました。
サイトさんが着替えてるのだろう衣擦れの音がしている。
音だけを聞いていると、否が応でもサイトさんの裸を想像し...
最近また逞しくなった腕で愛され、沢山イカされた事も思い...
(…朝からこんな妄想して、駄目ですっ!)
私はぶんぶんと頭を振る。
「よう、相棒。今日は随分と早いじゃねぇか」
デルフさんの声で我に帰った私はまた息を潜めて耳を澄ます。
「ん、あぁ…、なんか目が覚めちまってさ。折角だから中庭で素...
「おう、早朝から自主鍛錬とは珍しい。んじゃま行きますか」
ドアを開ける音がしたので私はそっと薄目を開けた。
「…ご主人様、あまりご無理をなさいませんように。あとでタオ...
私はサイトさんに聞こえないぐらいの小さな声で呟く。
ドアが閉まり、廊下から聞こえる声が完全に消えたところで...
着替えてから厨房に寄って、少し軽食を作って行けば丁度サ...
(申し訳ございません、ラ・ヴァリエール。ポイント稼がせてい...
普段ならともかく、恋の事となると相手が誰であろうと引く...
私はメイド服に着替え、心の中で数多く居るライバルの1人に...
ルイズ視点
「…ふぁー…ん…ふゃぁぁ〜…さいとぉ〜…」
私は起き抜けのまだはっきりとしない意識の中で大好きな人...
普段なら大きな胸か背中が私を受け止めてくれるのだが、今...
大好きな人の感触と温もりがないことを感じた私の意識が急...
嫌な記憶がよみがえる…。
アルビオン軍7万を単騎で止め、一時は生存を絶望視されてい...
「――っ!?サイト!?」
私はベッドから飛び起き、部屋の中を見回した。
でも、部屋にサイトの姿は無い。
それに同じベッドで寝ているはずのシエスタの姿も無かった。
私の中である1つの考えが浮かぶ。
(ま、まさかあの犬ぅ!シエスタとどこかで盛ってるんじゃない...
もしそうだとしたら思いっきり吹っ飛ばしてやる…。
私は急いで着替え始めた。
部屋を出る前に空気が少し篭っていた事に気付いた私はカー...
(あ…、居た…)
私が学院中探すまでも無く、あっさりと見つかったサイトは...
すぐ傍にデルフが立て掛けてあるのを見ると素振りでもして...
私は自分の怒りがさっと静まっていくのを感じた。
「まったく…、心配掛けさせるんじゃないわよぉ…」
私は苦笑しながら溜め息をつき、素振りをしてたのなら汗掻...
(私が近づいても起きなかったら、抱き付いてそのまま襲っちゃ...
なんて少し不埒な事を考えながら。
ティファニア視点
「男の人はメイドに弱いもの…」
わたしは朝も明け切らぬ内から、昨日の夜ベッドの中で読ん...
調べ物のついでにちょっとした好奇心から一緒に借りてきて...
夜読んでる時は、内容のあまりの過激さに真っ赤になって、...
一晩経つとようやく少しは冷静に判断できるような頭になっ...
(メイドなんて言われてもー…)
わたしはベッドの中で頭を抱えながらごろごろ転がる。傍目...
(そりゃあ、わたしだって女の子だし…、サイトともっと色々し...
…少し想像してみた。
わたしがメイドになって、サイトがご主人様。
ちょっと小さめのメイド服を着ておいて、サイトに見せ付け...
ご飯も作ってあげて、わざと失敗してお仕置きしてください...
(…って!目的も手段も全部エッチな方向じゃないのっ!)
でも、そういう事をしたくないってわけじゃない…。ううん、...
何時もはサイトから誘ってくるけど、受身ばっかりじゃ他の...
(それだけは絶対に駄目。私も積極的にならないと)
わたしはベッドから起き上がり、まずは身だしなみを入念に...
顔を洗ってさっぱりしたら部屋が女の匂いで充満している事...
(はう…、夜に何回もしちゃったから…)
慌ててカーテンと窓を全開にした。
まだ太陽も昇り始めたばかりだけど、雲ひとつ無くとても気...
わたしは1つ大きな伸びをして部屋に戻ろうとした時、視界の...
(あれ…、サイト?)
目を凝らしてよく見ると間違いなくサイトだった。
デルフさんを木に立て掛け、その傍で横になっている。
(素振りでもしていたのかしら…。これって積極的になるチャン...
タオルとか飲み物を持って行ったらサイトはきっと喜んでく...
「待っててね、サイト!」
タバサ視点
私は夢を見ていた。
どこかの平原で私はその人と並んで座っている。少なくとも...
ハルケギニアには月が2つあるはずなのに、今見ている夜空に...
少し似ているけれど、何かが違う景色に私は素直に感動した。
「綺麗…」
私はじっと月を見上げながら呟いた。
隣に座っている人はそっと私の肩を抱き寄せて「あぁ」と答...
たったそれだけの事のはずなのに、私の胸にとても温かいも...
「…幸せってさ、こういう事なんだろうな。……シャルロットは幸...
抱き寄せられた腕でそのまま私の頭を撫でてくれながら聞い...
「…うん」
そう答え、私は彼の肩にもたれかかる。
とくんとくん、と彼の鼓動の音が聞こえる。
(私とこうしているだけなのに、貴方も幸せを感じてくれている...
そう感じるととても嬉しい。
「シャルロット…」
右手が私の顎を持ち上げる。彼と見つめ合い、私はゆっくり...
「お姉さま!私にそんな趣味はないのねー!」
感じるはずの彼の唇は布のような感触に阻まれてしまった。
(折角の夢…)
私は怒りを抑えながら無言で杖を取り出した。
「ウィンドハンマー…」
「きゅいーーーー!?」
シルフィに至近距離でウィンドハンマーが直撃し、余波で部...
「ひどいのね!お姉さまが寝惚けて私にキスしようとしてきた...
言われて夢の内容を思い出した。
「サイト…」
私は夢の中で愛を囁いてくれた思い人の名前を無意識に呟い...
朝から押しかけて行ったら嫌われてしまうだろうか?でも、...
(負けるわけにはいかない…)
「きゅいきゅい!お姉さまー、聞こえてますかーなのねー?」
私の幸せな夢をぶち壊しにしたシルフィが、ウィンドハンマ...
(まだ起きるような時間じゃないし、もう一度あの夢が見れるか...
「お姉さまー、中庭でサイトが寝てるけどお休みしてていいの...
「…っ!」
二度寝なんてしてる場合じゃない!私は千載一遇のチャンス...
(サイト!サイト!)
服を畳むのももどかしくて脱ぎ散らかしていく。
「わぷっ!きゅいー、お姉さまはサイトが関わると人が変わっ...
シルフィがブツブツと言ってるけど相手にする時間も勿体無...
手早く服を着込んで、タオルと飲み物を手に私は部屋から飛...
(サイト、今行くから…!)
サイト視点
「相棒、起きないと本当に風邪引いちまうって」
朝日を浴びながら少し休憩のつもりで寝転がったのだが、思...
デルフに心配かけさせるのもなんなので、少しぼーっとする...
「分かってるよ、デルフ」
「ならいいんだがよ。おめえが風邪なんて引いちまったら娘っ...
「分かってるって」
俺はデルフを掴んでジャンプしたり屈伸したりして体の筋肉...
「なんだ?相棒、まだ続けるのか?」
「んー…、どうしようかなって考えてるところだよ」
そう言いながら軽く素振りもしてみた。
「んなに根詰めなくてもでーじょうぶだよ。鈍らない程度にや...
「まだ不安なんだよ。自分がどれだけ強いかなんてわかんねー...
「…相棒は、ガンダールヴじゃなくても今なら十分つえーさ」
デルフは少し笑ったような感じでそう言ってくれた。
きっかけは成り行きだったのかもしれない。でも強くなりた...
俺が守りたいと思う人達を、ちゃんと守る為に。
「さぁ、相棒。そろそろ終わりにしとこうぜ?日も昇ってきち...
「そうだな」
デルフを肩に携えて中庭を後にしようとしたその時、とんで...
「サイト!」
「サイトさーん!」
「…サイト」
「サイトー!」 聞こえた声は4つ。
1つは目の前の建物のドアから。もう1つはさらにその奥、厨...
「俺、なんかやっちまったか…?」
「…相棒。…頑張れ」
そうこうしている内にあっという間に4人に囲まれた。皆一様...
「ちょっと犬!これはどういう事よ!」
何故か俺の知らないところで怒り心頭のご主人様が肩で息を...
「いや、その、何がでしょうか…?」
本当に分からないので素直にそう答えたのだが、どうやらご...
「なんで他の3人がいるのかって聞いてるのよ!」
「…何でだろう?」
「まぁまぁ、少し落ち着いてください、ラ・ヴァリエール。サ...
一向に怒りが収まらないルイズを見かねてか、シエスタが説...
というか、気付いてたのか…。
「私とシエスタは分かるとして、この乳お化けとちびっ子は何...
今度は噛み付く相手が変わった。
「…私は起きたらサイトが中庭に居るのが見えた。だから来ただ...
最初に答えたのはタバサ。気付かなかったけど見られてたの...
「わ、わたしも同じです」
ちょっとおどおどしながらテファもそう答えた。
「じゃ、じゃあ、皆は俺が中庭に居るのを見たから来たって、...
皆一様に頷く。どうやら俺が別に何かをしたわけじゃなかっ...
「さ、サイトさん。タオルで汗をお拭きになってください。こ...
シエスタはにっこりと微笑みながら俺にタオルを差し出して...
断る理由も無いのでそれを受け取ろうとしたら別の方向から...
「シエスタ!抜け駆けは無しよ!ほ、ほら!これ使いなさいよ...
「…使って、サイト」
「サイトさん、よろしければ使ってください。…あ、それとも以...
テファがそう言った瞬間、明らかに他の3人の雰囲気が変わっ...
してやったりみたいな顔をするテファ。ああ…、ここは天国の...
ついさっきまではデルフと真面目な事話してたような気がす...
「奉仕するというのなら、サイトさん専属のメイドとなってい...
俺の意思そっちのけでする奉仕は果たして奉仕と言えるのだ...
「ぐっ…!た、たたたまには私が奉仕してあげるのも、わわわ悪...
「そういう勝負なら、負けられない…」
テファの一言で火にガソリンをぶち込んだように全員は燃え...
ダーレーカータースーケーテー
「…でも、全員で奉仕するとサイトが迷惑する。…ここは本人に...
「それもそうね。もちろん、ご主人様の私を選ぶわよねっ!?」
「サイトさん、専属メイドとして精一杯ご奉仕して差し上げま...
「私を選んでくれると嬉しいな…、サイトさん」
「…相棒も大変だぁね」
最初から最後まで無言でオブジェのように固まっていたデル...
「分かった…。俺が選ぶのは…」
[[26-325]]メイドになる!〜テファの場合〜
[[26-437]]メイドになる!〜タバサの場合〜
終了行:
メイドになる!前半戦
「…はっ!…はっ!」
まだ朝も明けきらない薄暗いトリステイン学院の中庭でサイ...
「相棒、あんま無理するんじゃねえぞ?」
「ん?あぁ、分かってるよデルフ!」
早朝で人気の少ない中庭を多少広めに使い、敵の動きを頭の...
「今日は!なんだか!早く!目が!覚めちまった!だけ!だよ...
「最近平和だからなぁ…。ま、平和なのは良い事だが」
「もう7万の軍を1人で止めるとかはしたくねぇなぁ…」
サイトはふと2人がまだ眠っているであろう部屋の窓を見上げ...
ベッドから抜け出る時に2人の乱れたネグリジェ姿に理性を失...
当初は不順だった目的もやり始めるとこれはこれで気持ちが...
「ふー…、流石に疲れてきたなぁ」
「相棒、ここらで一休みしておいた方が良いんじゃないか?30...
サイトは「ああ…」と頷いてデルフを木に立て掛けて芝生に寝...
最初は時折吹く風に気持ちよさを感じていただけだったが、...
「相棒、暖かくなってきてるとは言え、こんな所で汗かいたま...
「んー…、分かってるよ…」
そう言うが、段々とサイトの意識は薄れていった。
シエスタ視点
「ふあぁぁぁ…、何か目覚めちまったなぁ…。まだ日も出てない...
私の隣で寝ていたサイトさんが起きたらしい。
少し前に目が覚めてしまった私は慌てて寝たふりをする。
掛け布団が少し捲れ上がり、ベッドがギシっと軋む音がして...
どうやらサイトさんはベッドから出てしまったらしい。
(寝ぼけたフリをして抱き付けば良かった…)
そう思っても後の祭り、私は耳を澄ました。
サイトさんが着替えてるのだろう衣擦れの音がしている。
音だけを聞いていると、否が応でもサイトさんの裸を想像し...
最近また逞しくなった腕で愛され、沢山イカされた事も思い...
(…朝からこんな妄想して、駄目ですっ!)
私はぶんぶんと頭を振る。
「よう、相棒。今日は随分と早いじゃねぇか」
デルフさんの声で我に帰った私はまた息を潜めて耳を澄ます。
「ん、あぁ…、なんか目が覚めちまってさ。折角だから中庭で素...
「おう、早朝から自主鍛錬とは珍しい。んじゃま行きますか」
ドアを開ける音がしたので私はそっと薄目を開けた。
「…ご主人様、あまりご無理をなさいませんように。あとでタオ...
私はサイトさんに聞こえないぐらいの小さな声で呟く。
ドアが閉まり、廊下から聞こえる声が完全に消えたところで...
着替えてから厨房に寄って、少し軽食を作って行けば丁度サ...
(申し訳ございません、ラ・ヴァリエール。ポイント稼がせてい...
普段ならともかく、恋の事となると相手が誰であろうと引く...
私はメイド服に着替え、心の中で数多く居るライバルの1人に...
ルイズ視点
「…ふぁー…ん…ふゃぁぁ〜…さいとぉ〜…」
私は起き抜けのまだはっきりとしない意識の中で大好きな人...
普段なら大きな胸か背中が私を受け止めてくれるのだが、今...
大好きな人の感触と温もりがないことを感じた私の意識が急...
嫌な記憶がよみがえる…。
アルビオン軍7万を単騎で止め、一時は生存を絶望視されてい...
「――っ!?サイト!?」
私はベッドから飛び起き、部屋の中を見回した。
でも、部屋にサイトの姿は無い。
それに同じベッドで寝ているはずのシエスタの姿も無かった。
私の中である1つの考えが浮かぶ。
(ま、まさかあの犬ぅ!シエスタとどこかで盛ってるんじゃない...
もしそうだとしたら思いっきり吹っ飛ばしてやる…。
私は急いで着替え始めた。
部屋を出る前に空気が少し篭っていた事に気付いた私はカー...
(あ…、居た…)
私が学院中探すまでも無く、あっさりと見つかったサイトは...
すぐ傍にデルフが立て掛けてあるのを見ると素振りでもして...
私は自分の怒りがさっと静まっていくのを感じた。
「まったく…、心配掛けさせるんじゃないわよぉ…」
私は苦笑しながら溜め息をつき、素振りをしてたのなら汗掻...
(私が近づいても起きなかったら、抱き付いてそのまま襲っちゃ...
なんて少し不埒な事を考えながら。
ティファニア視点
「男の人はメイドに弱いもの…」
わたしは朝も明け切らぬ内から、昨日の夜ベッドの中で読ん...
調べ物のついでにちょっとした好奇心から一緒に借りてきて...
夜読んでる時は、内容のあまりの過激さに真っ赤になって、...
一晩経つとようやく少しは冷静に判断できるような頭になっ...
(メイドなんて言われてもー…)
わたしはベッドの中で頭を抱えながらごろごろ転がる。傍目...
(そりゃあ、わたしだって女の子だし…、サイトともっと色々し...
…少し想像してみた。
わたしがメイドになって、サイトがご主人様。
ちょっと小さめのメイド服を着ておいて、サイトに見せ付け...
ご飯も作ってあげて、わざと失敗してお仕置きしてください...
(…って!目的も手段も全部エッチな方向じゃないのっ!)
でも、そういう事をしたくないってわけじゃない…。ううん、...
何時もはサイトから誘ってくるけど、受身ばっかりじゃ他の...
(それだけは絶対に駄目。私も積極的にならないと)
わたしはベッドから起き上がり、まずは身だしなみを入念に...
顔を洗ってさっぱりしたら部屋が女の匂いで充満している事...
(はう…、夜に何回もしちゃったから…)
慌ててカーテンと窓を全開にした。
まだ太陽も昇り始めたばかりだけど、雲ひとつ無くとても気...
わたしは1つ大きな伸びをして部屋に戻ろうとした時、視界の...
(あれ…、サイト?)
目を凝らしてよく見ると間違いなくサイトだった。
デルフさんを木に立て掛け、その傍で横になっている。
(素振りでもしていたのかしら…。これって積極的になるチャン...
タオルとか飲み物を持って行ったらサイトはきっと喜んでく...
「待っててね、サイト!」
タバサ視点
私は夢を見ていた。
どこかの平原で私はその人と並んで座っている。少なくとも...
ハルケギニアには月が2つあるはずなのに、今見ている夜空に...
少し似ているけれど、何かが違う景色に私は素直に感動した。
「綺麗…」
私はじっと月を見上げながら呟いた。
隣に座っている人はそっと私の肩を抱き寄せて「あぁ」と答...
たったそれだけの事のはずなのに、私の胸にとても温かいも...
「…幸せってさ、こういう事なんだろうな。……シャルロットは幸...
抱き寄せられた腕でそのまま私の頭を撫でてくれながら聞い...
「…うん」
そう答え、私は彼の肩にもたれかかる。
とくんとくん、と彼の鼓動の音が聞こえる。
(私とこうしているだけなのに、貴方も幸せを感じてくれている...
そう感じるととても嬉しい。
「シャルロット…」
右手が私の顎を持ち上げる。彼と見つめ合い、私はゆっくり...
「お姉さま!私にそんな趣味はないのねー!」
感じるはずの彼の唇は布のような感触に阻まれてしまった。
(折角の夢…)
私は怒りを抑えながら無言で杖を取り出した。
「ウィンドハンマー…」
「きゅいーーーー!?」
シルフィに至近距離でウィンドハンマーが直撃し、余波で部...
「ひどいのね!お姉さまが寝惚けて私にキスしようとしてきた...
言われて夢の内容を思い出した。
「サイト…」
私は夢の中で愛を囁いてくれた思い人の名前を無意識に呟い...
朝から押しかけて行ったら嫌われてしまうだろうか?でも、...
(負けるわけにはいかない…)
「きゅいきゅい!お姉さまー、聞こえてますかーなのねー?」
私の幸せな夢をぶち壊しにしたシルフィが、ウィンドハンマ...
(まだ起きるような時間じゃないし、もう一度あの夢が見れるか...
「お姉さまー、中庭でサイトが寝てるけどお休みしてていいの...
「…っ!」
二度寝なんてしてる場合じゃない!私は千載一遇のチャンス...
(サイト!サイト!)
服を畳むのももどかしくて脱ぎ散らかしていく。
「わぷっ!きゅいー、お姉さまはサイトが関わると人が変わっ...
シルフィがブツブツと言ってるけど相手にする時間も勿体無...
手早く服を着込んで、タオルと飲み物を手に私は部屋から飛...
(サイト、今行くから…!)
サイト視点
「相棒、起きないと本当に風邪引いちまうって」
朝日を浴びながら少し休憩のつもりで寝転がったのだが、思...
デルフに心配かけさせるのもなんなので、少しぼーっとする...
「分かってるよ、デルフ」
「ならいいんだがよ。おめえが風邪なんて引いちまったら娘っ...
「分かってるって」
俺はデルフを掴んでジャンプしたり屈伸したりして体の筋肉...
「なんだ?相棒、まだ続けるのか?」
「んー…、どうしようかなって考えてるところだよ」
そう言いながら軽く素振りもしてみた。
「んなに根詰めなくてもでーじょうぶだよ。鈍らない程度にや...
「まだ不安なんだよ。自分がどれだけ強いかなんてわかんねー...
「…相棒は、ガンダールヴじゃなくても今なら十分つえーさ」
デルフは少し笑ったような感じでそう言ってくれた。
きっかけは成り行きだったのかもしれない。でも強くなりた...
俺が守りたいと思う人達を、ちゃんと守る為に。
「さぁ、相棒。そろそろ終わりにしとこうぜ?日も昇ってきち...
「そうだな」
デルフを肩に携えて中庭を後にしようとしたその時、とんで...
「サイト!」
「サイトさーん!」
「…サイト」
「サイトー!」 聞こえた声は4つ。
1つは目の前の建物のドアから。もう1つはさらにその奥、厨...
「俺、なんかやっちまったか…?」
「…相棒。…頑張れ」
そうこうしている内にあっという間に4人に囲まれた。皆一様...
「ちょっと犬!これはどういう事よ!」
何故か俺の知らないところで怒り心頭のご主人様が肩で息を...
「いや、その、何がでしょうか…?」
本当に分からないので素直にそう答えたのだが、どうやらご...
「なんで他の3人がいるのかって聞いてるのよ!」
「…何でだろう?」
「まぁまぁ、少し落ち着いてください、ラ・ヴァリエール。サ...
一向に怒りが収まらないルイズを見かねてか、シエスタが説...
というか、気付いてたのか…。
「私とシエスタは分かるとして、この乳お化けとちびっ子は何...
今度は噛み付く相手が変わった。
「…私は起きたらサイトが中庭に居るのが見えた。だから来ただ...
最初に答えたのはタバサ。気付かなかったけど見られてたの...
「わ、わたしも同じです」
ちょっとおどおどしながらテファもそう答えた。
「じゃ、じゃあ、皆は俺が中庭に居るのを見たから来たって、...
皆一様に頷く。どうやら俺が別に何かをしたわけじゃなかっ...
「さ、サイトさん。タオルで汗をお拭きになってください。こ...
シエスタはにっこりと微笑みながら俺にタオルを差し出して...
断る理由も無いのでそれを受け取ろうとしたら別の方向から...
「シエスタ!抜け駆けは無しよ!ほ、ほら!これ使いなさいよ...
「…使って、サイト」
「サイトさん、よろしければ使ってください。…あ、それとも以...
テファがそう言った瞬間、明らかに他の3人の雰囲気が変わっ...
してやったりみたいな顔をするテファ。ああ…、ここは天国の...
ついさっきまではデルフと真面目な事話してたような気がす...
「奉仕するというのなら、サイトさん専属のメイドとなってい...
俺の意思そっちのけでする奉仕は果たして奉仕と言えるのだ...
「ぐっ…!た、たたたまには私が奉仕してあげるのも、わわわ悪...
「そういう勝負なら、負けられない…」
テファの一言で火にガソリンをぶち込んだように全員は燃え...
ダーレーカータースーケーテー
「…でも、全員で奉仕するとサイトが迷惑する。…ここは本人に...
「それもそうね。もちろん、ご主人様の私を選ぶわよねっ!?」
「サイトさん、専属メイドとして精一杯ご奉仕して差し上げま...
「私を選んでくれると嬉しいな…、サイトさん」
「…相棒も大変だぁね」
最初から最後まで無言でオブジェのように固まっていたデル...
「分かった…。俺が選ぶのは…」
[[26-325]]メイドになる!〜テファの場合〜
[[26-437]]メイドになる!〜タバサの場合〜
ページ名: