ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
それは蒼から始まった物語 幕間 バレット氏
ヴェルサルテイル宮殿・正面入り口前。
ガリア王家の紋章が施された、華やかな竜籠が停まっている。
門の前にはたくさんの人が集まっていた。
宮殿の主の王家の人間から花壇騎士団所属のメイジ、更に従者...
彼らの視線は竜籠の傍の一点に収束されている。
「ひっく、ひっく、ぐすぅ・・・」
「オイオイそんなに泣くなって。別にこの先もう会えなくなる...
サイトの胸に縋りついてイザベラが泣きじゃくっていた。
シャルロットもサイトの腕にしがみつく形で顔を埋めている。...
何でだろう。彼女達はこんなにも小さい背中だったろうか。
「少なくとも夏期休暇とかで帰ってこれるんだろ?そんな深く...
「う、うるさいよ・・・それでも、寂しいものは寂しいじゃな...
シャルロットもイザベラの言葉に同意したように、少年みたい...
ああ、もう。そんな事言われたら。
こっちもそんな気分になるじゃないか――――
「・・・ああ、そうだな」
2人の背中に腕を回して、優しく抱きしめる。
2人から漏れる嗚咽が少しだけ大きさを増した。2人の体温を...
雲の間から差し込む一筋の光に照らされたそれはまるで、1枚...
・・・3人の背後でハンカチ噛み締めて滂沱の涙を流してるギ...
「ほら、時間だろ。そろそろ行けって」
内心かなり名残惜しいが、それでもサイトはそう言って2人か...
この世界に来て早数年。今ではジョゼフの直属の部下としてそ...
なので、公私の区別をつけなきゃならない重要性はよく分かっ...
2人の少女もそう言われてハッとしてから涙を拭っていつも通...
それでも泣きじゃくって紅くなった目は誤魔化しようが無い。
2人はサイトに導かれて竜籠に乗り込んだ。
「それじゃあ、言ってくるからね。私達が居ないからって仕事...
「・・・頑張る」
「おう、2人とも気をつけてな。頑張れよ」
イザベラは何時ものツンケンした口調で。
シャルロットは簡潔ながら力強い口調で。
そしてサイトは優しさの篭った声で。
そのまま扉が閉められ、2人を載せた竜籠がサイトとギャラリ...
そう、そうなっていれば、それはきっと感動の1シーンとして...
――――それは問屋が下ろさない。
「何言ってるんだサイト。お前も一緒に行くんだろうが」
後方から声がした。一同、へ?とばかりに疑問符を浮かべた表...
そこには立派なお髭が特徴的な、けど国王なのに少し前まで人...
サイトを召喚して『虚無』の属性に目覚めたのをきっかけにえ...
と開き直って興味ある事以外は弟に仕事を押し付けて王宮の人...
隣には、彼の弟でシャルロットの両親であるシャルル夫婦も居...
もっともその表情は隣の兄やギャラリーとはまた別の顔、苦笑...
「やはり我が王家の子女を護衛も無しに他国に送り出すのは問...
という訳でサイト、2人と一緒に魔法学院に行って来い」
「ちょ、聞いてねえよ!?」
「そうだろうな。言わなかったから」
うわ、何コイツ!ムカつくなオイ!
フハハハハって悪役みたいな笑い方してんじゃねえ!ピッタリ...
「何、別にサイトもイザベラもシャルロットも良かっただろう...
キュボッ、と少女2名の血圧急上昇。そして顔も真っ赤っ赤。
どうやらこの1ヶ月、一体ナニをいたしていたのかまるっとお...
なんだかギャラリーの視線も生温かい。
「じょ〜〜〜〜ぜ〜〜〜〜〜ふ〜〜〜〜〜〜!!!」
「フハハハハ、捕まえてみるのだな明智君!」
「古いんだよ!てか何でお前が俺の世界のネタ知ってんだ〜〜...
歳の割には中々健脚なジョゼフ。
ってか何気にガンダールヴ発動中のサイトでも追いつけないっ...
その一方、感動の別れをたった今まで行ってた相手が一緒に来...
「サイトと一緒、サイトと一緒・・・」
「甘い青春の学生生活・・・」
「「・・・・・・・・はふぅ」」
揃って幸せそうな溜息をついていた。
・・・ガリアの未来は、微妙に不安である。
#br
#br
同時刻:『白の国』アルビオン
アルビオン王家の紋章に彩られた竜籠が人を乗せて今、出発し...
「それでは父さん、母さん、言ってくるね」
「気をつけてな。ジェームズを通してあちらの学院長にも話は...
「例え多数の人間が恐れても、きっと学院にも父様や『彼』や...
「心得ています」
「もう、マチルダ姉さんたらそんなに固くならなくてもいいの...
金髪の少女が幾分苦笑しながら、メガネをかけた緑の長髪の女...
母親譲りの美しさと最高級の絹の如き艶やかな髪、そして女神...
ついで緑の女性にギロッと睨まれて慌てて目を逸らす。
そして女性も少女と同じように苦笑じみた表情を浮かべてから...
「テファだって浮かれてるじゃないの。そんなに『彼』に会う...
「ち、違うの!えっと、それはお兄様とまた会えて一緒になれ...
「へえ、滅多に会えない『彼』は様付けかい?悲しいねえ、私...
「そうね、あの頃からマチルダやサウスゴータ卿にはお世話に...
「姉さん!」
顔を紅くした少女がアワアワと過去の恥ずかしい事をぬかす女...
ブチン
少女のブラウス、その胸元のボタンが纏めて弾けて、内側でふ...
「・・・どうしてここまで育っちゃったのかねえ」
「ううう・・・」
どうやら別次元の彼女同様、巨大なごく一部の存在はデフォら...
むしろ、更に成長してね?
それでも金髪の少女の心は、遥か遠くに居る1人の黒髪の青年...
(サイトお兄様・・・・・・)
そんな少女の髪から覗く耳は・・・長く尖っていた。
終了行:
それは蒼から始まった物語 幕間 バレット氏
ヴェルサルテイル宮殿・正面入り口前。
ガリア王家の紋章が施された、華やかな竜籠が停まっている。
門の前にはたくさんの人が集まっていた。
宮殿の主の王家の人間から花壇騎士団所属のメイジ、更に従者...
彼らの視線は竜籠の傍の一点に収束されている。
「ひっく、ひっく、ぐすぅ・・・」
「オイオイそんなに泣くなって。別にこの先もう会えなくなる...
サイトの胸に縋りついてイザベラが泣きじゃくっていた。
シャルロットもサイトの腕にしがみつく形で顔を埋めている。...
何でだろう。彼女達はこんなにも小さい背中だったろうか。
「少なくとも夏期休暇とかで帰ってこれるんだろ?そんな深く...
「う、うるさいよ・・・それでも、寂しいものは寂しいじゃな...
シャルロットもイザベラの言葉に同意したように、少年みたい...
ああ、もう。そんな事言われたら。
こっちもそんな気分になるじゃないか――――
「・・・ああ、そうだな」
2人の背中に腕を回して、優しく抱きしめる。
2人から漏れる嗚咽が少しだけ大きさを増した。2人の体温を...
雲の間から差し込む一筋の光に照らされたそれはまるで、1枚...
・・・3人の背後でハンカチ噛み締めて滂沱の涙を流してるギ...
「ほら、時間だろ。そろそろ行けって」
内心かなり名残惜しいが、それでもサイトはそう言って2人か...
この世界に来て早数年。今ではジョゼフの直属の部下としてそ...
なので、公私の区別をつけなきゃならない重要性はよく分かっ...
2人の少女もそう言われてハッとしてから涙を拭っていつも通...
それでも泣きじゃくって紅くなった目は誤魔化しようが無い。
2人はサイトに導かれて竜籠に乗り込んだ。
「それじゃあ、言ってくるからね。私達が居ないからって仕事...
「・・・頑張る」
「おう、2人とも気をつけてな。頑張れよ」
イザベラは何時ものツンケンした口調で。
シャルロットは簡潔ながら力強い口調で。
そしてサイトは優しさの篭った声で。
そのまま扉が閉められ、2人を載せた竜籠がサイトとギャラリ...
そう、そうなっていれば、それはきっと感動の1シーンとして...
――――それは問屋が下ろさない。
「何言ってるんだサイト。お前も一緒に行くんだろうが」
後方から声がした。一同、へ?とばかりに疑問符を浮かべた表...
そこには立派なお髭が特徴的な、けど国王なのに少し前まで人...
サイトを召喚して『虚無』の属性に目覚めたのをきっかけにえ...
と開き直って興味ある事以外は弟に仕事を押し付けて王宮の人...
隣には、彼の弟でシャルロットの両親であるシャルル夫婦も居...
もっともその表情は隣の兄やギャラリーとはまた別の顔、苦笑...
「やはり我が王家の子女を護衛も無しに他国に送り出すのは問...
という訳でサイト、2人と一緒に魔法学院に行って来い」
「ちょ、聞いてねえよ!?」
「そうだろうな。言わなかったから」
うわ、何コイツ!ムカつくなオイ!
フハハハハって悪役みたいな笑い方してんじゃねえ!ピッタリ...
「何、別にサイトもイザベラもシャルロットも良かっただろう...
キュボッ、と少女2名の血圧急上昇。そして顔も真っ赤っ赤。
どうやらこの1ヶ月、一体ナニをいたしていたのかまるっとお...
なんだかギャラリーの視線も生温かい。
「じょ〜〜〜〜ぜ〜〜〜〜〜ふ〜〜〜〜〜〜!!!」
「フハハハハ、捕まえてみるのだな明智君!」
「古いんだよ!てか何でお前が俺の世界のネタ知ってんだ〜〜...
歳の割には中々健脚なジョゼフ。
ってか何気にガンダールヴ発動中のサイトでも追いつけないっ...
その一方、感動の別れをたった今まで行ってた相手が一緒に来...
「サイトと一緒、サイトと一緒・・・」
「甘い青春の学生生活・・・」
「「・・・・・・・・はふぅ」」
揃って幸せそうな溜息をついていた。
・・・ガリアの未来は、微妙に不安である。
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同時刻:『白の国』アルビオン
アルビオン王家の紋章に彩られた竜籠が人を乗せて今、出発し...
「それでは父さん、母さん、言ってくるね」
「気をつけてな。ジェームズを通してあちらの学院長にも話は...
「例え多数の人間が恐れても、きっと学院にも父様や『彼』や...
「心得ています」
「もう、マチルダ姉さんたらそんなに固くならなくてもいいの...
金髪の少女が幾分苦笑しながら、メガネをかけた緑の長髪の女...
母親譲りの美しさと最高級の絹の如き艶やかな髪、そして女神...
ついで緑の女性にギロッと睨まれて慌てて目を逸らす。
そして女性も少女と同じように苦笑じみた表情を浮かべてから...
「テファだって浮かれてるじゃないの。そんなに『彼』に会う...
「ち、違うの!えっと、それはお兄様とまた会えて一緒になれ...
「へえ、滅多に会えない『彼』は様付けかい?悲しいねえ、私...
「そうね、あの頃からマチルダやサウスゴータ卿にはお世話に...
「姉さん!」
顔を紅くした少女がアワアワと過去の恥ずかしい事をぬかす女...
ブチン
少女のブラウス、その胸元のボタンが纏めて弾けて、内側でふ...
「・・・どうしてここまで育っちゃったのかねえ」
「ううう・・・」
どうやら別次元の彼女同様、巨大なごく一部の存在はデフォら...
むしろ、更に成長してね?
それでも金髪の少女の心は、遥か遠くに居る1人の黒髪の青年...
(サイトお兄様・・・・・・)
そんな少女の髪から覗く耳は・・・長く尖っていた。
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