ゼロの使い魔保管庫
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それは蒼から始まった物語 (6):ダブルフェイス 2 ...
もしイザベラが見たら「似合わないねぇ」などと言われそうな...
すぐ隣ではジョゼフが歯に衣着せぬ言葉を吐いてる真っ最中だ...
そんな風になるくらい今サイトが何に集中しているかといえば...
反対側でジョゼフに熱心になにやら説いているヴィットーリオ...
・・・昨日のあれって、絶対見間違いじゃねぇよなあ。
あったよな。クッキリハッキリ2人もささやかだけど膨らんで...
イザベラほどじゃねーけど、それでもシャルロットよりはおっ...
あークソ、2人とも着てる服がダブついてるから判りゃしねえ!
えらく力の篭った視線がこの場に居る3人にはバレバレだが、...
ジョゼフの方は内心訝しげに何やってんだコイツ的な気分だっ...
顔に出すような事はしなかったが、もし顔に出てたら似合わな...
ポーカーフェイスって、偉大だ。
チラリと視線を交わした宗教家組は、内心をおくびにも出さず...
「少々休憩しましょう。ああすみませんが国王陛下、彼と少し...
「構わぬ。だがコイツを引き込もうとしても無駄だと思うぞ。...
そこでようやく現世に帰還したサイト、ジョゼフの言葉に思わ...
「な、何で知ってんだよ!?」
「ふむ、やっぱり手を出してたか。なあに、どうせ娘の同意も...
別に気にしなくてもいいぞ、もしろもっとやれ。だがせめて卒...
ああ、でもやはり孕ませるなら俺の娘からにしてくれ。名づけ...
「あーっ、カマかけただけかよ!つーか(はあと)ってキモい...
「何を言う!俺から髭を取ったら何も残らんだろうが!」
「自分で言うか自分で!」
いきなりコンビ漫才勃発。唐突な掛け合いに信仰コンビ、思わ...
大国の指導者が一見冴えなさそうな青年とボケと突っ込みの欧...
本場よろしくドツキ漫才に片足突っ込みそうなるも、何とか再...
それだけで、何だかとっても疲れた教皇様、今年で22歳。
2人の傍に居るとあっという間に老けそうな気がしたのは・・...
安心して欲しい。ガリアの王宮に行けばきっとお仲間がいっぱ...
まあそんなこんなで、呼び出されたサイトは教皇とそのお供の...
「あー、2人が呼び出したのってやっぱ昨日の事ですよね?」
結局昨日は明らかに見ちゃいけない類の同姓?同士の濡れ場に...
ジョゼフには言っていない。2人が周りには『男』で通してる...
・・・今までそれで散々痛い目みたからなぁ。主にイザベラと...
「確かにその通りさ。しっかり見たんだろ、君?」
「まーなぁ。そりゃ、見たか見てないかどっちかって聞かれた...
「だろうね、さっきの君の僕達を見つめるあの目!物凄かった...
「からかうのはそこまでにしておきなさいジュリオ。
・・・まずはお礼を言うべきなんでしょう。昨夜のわたくし達...
深々とヴィットーリオの頭が下がる。そうされてむしろサイト...
「べ、別に教皇様が謝る事じゃありませんよ!ただ男のふりし...
「ヴィットーリオと呼んで下さい。そこまで畏まらなくても結...
「は、はあ・・・」
ちょっと調子が狂い気味である。どうもこういう丁寧な物言い...
「きっとあなたはわたくし達が何故正体を隠しているのか気に...
「はぁ、いや、まあ、正直言ってその通りです」
「ですから、まずその部分について説明をさせて下さい」
#br
元々宗教というのは、基本的には女性に対する戒律が厳しい物...
例えばイスラム教。年頃の女性は既婚者で無い限りベールで顔...
この世界の主な宗教であるブリミル教も似たような物で、結婚...
その関係で、ロマリアの神官達には女性が圧倒的に少ない。
居たとしても、せいぜい下っ端程度。上級神官のほぼ全員は男...
どうもロマリアでは男尊女卑という風潮が殊更強いらしい。
「信仰を誤った母を持つ者と後ろ指を指されぬ様神学に打ち込...
「は、はあ」
「『男』として朝も昼も夜も打ち込んだ結果、私は今の地位を...
ですがある日、わたくしは己の『虚無』の系統について詳しい...
「同じような立場の『僕』が召喚された、という訳さ」
「あー、んじゃやっぱりお前・・・えーっと?」
「ジュリオ・チェザーレ。ジュリオでいいよ」
「ジュリオってやっぱり使い魔だったりするのか?ガンダール...
「そう、僕は神の右手ヴィンダールヴさ」
右だけに嵌められていた手袋を外すと、ルーンの刻まれたジュ...
「『コントラクト・サーヴァント』は契約を交わすと召喚され...
気が付いたら主従を超えた禁断の関係になってたわけさ!僕も...
芝居がかったジュリオの言葉だが、何となく自嘲染みたものも...
ヴィットーリオの方は羞恥の滲んだ表情。心底悔いてるように...
それは聖職者でありながらどんな宗教でも禁忌である同性愛に...
「あなたをお呼びしたのは他でもありません。わたくしとジュ...
「それは、別に構いませんけど・・・」
少々気まずそうにしながらも、サイトはまあいいかと頷きかけ。
「もちろん対価が欲しいというのでしたら、出来る限りの物を...
ですからせめて、異人達から『聖地』を取り返すまでは秘密に...
直後の言葉に、ピキリと顔を引き攣らせた。
今の言葉は、気に食わない。
「・・・やっぱり、ダメです」
「何でですか?」
「一々『聖地』を取り返すだのなんの、ハッキリ言ってそうい...
そりゃあっちには俺達を見下す奴だって居ますけどエルフにだ...
なのにわざわざ殺しあう必要が何処にあるんです?取り返そう...
戦わずに済むんだったら、そっちの方を俺は選びます。
それでもそっちが力ずくで『聖地』を取り返すって言い続ける...
「何故です?貴方や我々、伝説の力によって『聖地』を取り返...
そうしてハルケギニアを統一できれば、争いの無い世界を作り...
始祖ブリミルを祖と抱く我々は、みな、神と始祖の兄弟なので...
「俺は伝説じゃない。統一や栄光の時代も望んじゃいません。
俺は・・・イザベラやシャルロットやジョゼフみたいな、俺の...
その邪魔をするんだったら・・・神や始祖なんて知ったこっち...
俺の大切な皆に手を出すんなら――例え神だろうが始祖だろうが...
それはまさしく、始祖ブリミル、そしてそれを信仰する者達へ...
ヴィットーリオは普段の全てを受け入れるような柔和な顔から...
なるほど、確かに彼はジョゼフ王の使い魔に相応しい。
始祖だろうが聖地だろうが統一だろうが、彼らにとってはどう...
ただ自分とその周りの事だけ考えていて、理想よりも現実を優...
だが、自分達もあっさりと引いて終わるような『理想』で終わ...
#br
サイトが出て行こうとしたその寸前、突然既に修復されていた...
#br
「んなっ!?」
「すまないね。決裂しちゃった以上、このままハイサヨナラっ...
「こういった手荒な真似はわたくし達も望んでませんが・・・...
「信用できるか、こんな状況で!」
「あ、あと『サイレント』と同じ効果を発するマジックアイテ...
昨日の事を考えると皮肉な話だけどね」
「チクショウ!」
隠し持っていた武器を抜いて、サイトがガンダールヴを発動さ...
#br
#br
―――――ヴィットーリオの向けた杖が振るわれるのを最後に、サイ...
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終了行:
それは蒼から始まった物語 (6):ダブルフェイス 2 ...
もしイザベラが見たら「似合わないねぇ」などと言われそうな...
すぐ隣ではジョゼフが歯に衣着せぬ言葉を吐いてる真っ最中だ...
そんな風になるくらい今サイトが何に集中しているかといえば...
反対側でジョゼフに熱心になにやら説いているヴィットーリオ...
・・・昨日のあれって、絶対見間違いじゃねぇよなあ。
あったよな。クッキリハッキリ2人もささやかだけど膨らんで...
イザベラほどじゃねーけど、それでもシャルロットよりはおっ...
あークソ、2人とも着てる服がダブついてるから判りゃしねえ!
えらく力の篭った視線がこの場に居る3人にはバレバレだが、...
ジョゼフの方は内心訝しげに何やってんだコイツ的な気分だっ...
顔に出すような事はしなかったが、もし顔に出てたら似合わな...
ポーカーフェイスって、偉大だ。
チラリと視線を交わした宗教家組は、内心をおくびにも出さず...
「少々休憩しましょう。ああすみませんが国王陛下、彼と少し...
「構わぬ。だがコイツを引き込もうとしても無駄だと思うぞ。...
そこでようやく現世に帰還したサイト、ジョゼフの言葉に思わ...
「な、何で知ってんだよ!?」
「ふむ、やっぱり手を出してたか。なあに、どうせ娘の同意も...
別に気にしなくてもいいぞ、もしろもっとやれ。だがせめて卒...
ああ、でもやはり孕ませるなら俺の娘からにしてくれ。名づけ...
「あーっ、カマかけただけかよ!つーか(はあと)ってキモい...
「何を言う!俺から髭を取ったら何も残らんだろうが!」
「自分で言うか自分で!」
いきなりコンビ漫才勃発。唐突な掛け合いに信仰コンビ、思わ...
大国の指導者が一見冴えなさそうな青年とボケと突っ込みの欧...
本場よろしくドツキ漫才に片足突っ込みそうなるも、何とか再...
それだけで、何だかとっても疲れた教皇様、今年で22歳。
2人の傍に居るとあっという間に老けそうな気がしたのは・・...
安心して欲しい。ガリアの王宮に行けばきっとお仲間がいっぱ...
まあそんなこんなで、呼び出されたサイトは教皇とそのお供の...
「あー、2人が呼び出したのってやっぱ昨日の事ですよね?」
結局昨日は明らかに見ちゃいけない類の同姓?同士の濡れ場に...
ジョゼフには言っていない。2人が周りには『男』で通してる...
・・・今までそれで散々痛い目みたからなぁ。主にイザベラと...
「確かにその通りさ。しっかり見たんだろ、君?」
「まーなぁ。そりゃ、見たか見てないかどっちかって聞かれた...
「だろうね、さっきの君の僕達を見つめるあの目!物凄かった...
「からかうのはそこまでにしておきなさいジュリオ。
・・・まずはお礼を言うべきなんでしょう。昨夜のわたくし達...
深々とヴィットーリオの頭が下がる。そうされてむしろサイト...
「べ、別に教皇様が謝る事じゃありませんよ!ただ男のふりし...
「ヴィットーリオと呼んで下さい。そこまで畏まらなくても結...
「は、はあ・・・」
ちょっと調子が狂い気味である。どうもこういう丁寧な物言い...
「きっとあなたはわたくし達が何故正体を隠しているのか気に...
「はぁ、いや、まあ、正直言ってその通りです」
「ですから、まずその部分について説明をさせて下さい」
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元々宗教というのは、基本的には女性に対する戒律が厳しい物...
例えばイスラム教。年頃の女性は既婚者で無い限りベールで顔...
この世界の主な宗教であるブリミル教も似たような物で、結婚...
その関係で、ロマリアの神官達には女性が圧倒的に少ない。
居たとしても、せいぜい下っ端程度。上級神官のほぼ全員は男...
どうもロマリアでは男尊女卑という風潮が殊更強いらしい。
「信仰を誤った母を持つ者と後ろ指を指されぬ様神学に打ち込...
「は、はあ」
「『男』として朝も昼も夜も打ち込んだ結果、私は今の地位を...
ですがある日、わたくしは己の『虚無』の系統について詳しい...
「同じような立場の『僕』が召喚された、という訳さ」
「あー、んじゃやっぱりお前・・・えーっと?」
「ジュリオ・チェザーレ。ジュリオでいいよ」
「ジュリオってやっぱり使い魔だったりするのか?ガンダール...
「そう、僕は神の右手ヴィンダールヴさ」
右だけに嵌められていた手袋を外すと、ルーンの刻まれたジュ...
「『コントラクト・サーヴァント』は契約を交わすと召喚され...
気が付いたら主従を超えた禁断の関係になってたわけさ!僕も...
芝居がかったジュリオの言葉だが、何となく自嘲染みたものも...
ヴィットーリオの方は羞恥の滲んだ表情。心底悔いてるように...
それは聖職者でありながらどんな宗教でも禁忌である同性愛に...
「あなたをお呼びしたのは他でもありません。わたくしとジュ...
「それは、別に構いませんけど・・・」
少々気まずそうにしながらも、サイトはまあいいかと頷きかけ。
「もちろん対価が欲しいというのでしたら、出来る限りの物を...
ですからせめて、異人達から『聖地』を取り返すまでは秘密に...
直後の言葉に、ピキリと顔を引き攣らせた。
今の言葉は、気に食わない。
「・・・やっぱり、ダメです」
「何でですか?」
「一々『聖地』を取り返すだのなんの、ハッキリ言ってそうい...
そりゃあっちには俺達を見下す奴だって居ますけどエルフにだ...
なのにわざわざ殺しあう必要が何処にあるんです?取り返そう...
戦わずに済むんだったら、そっちの方を俺は選びます。
それでもそっちが力ずくで『聖地』を取り返すって言い続ける...
「何故です?貴方や我々、伝説の力によって『聖地』を取り返...
そうしてハルケギニアを統一できれば、争いの無い世界を作り...
始祖ブリミルを祖と抱く我々は、みな、神と始祖の兄弟なので...
「俺は伝説じゃない。統一や栄光の時代も望んじゃいません。
俺は・・・イザベラやシャルロットやジョゼフみたいな、俺の...
その邪魔をするんだったら・・・神や始祖なんて知ったこっち...
俺の大切な皆に手を出すんなら――例え神だろうが始祖だろうが...
それはまさしく、始祖ブリミル、そしてそれを信仰する者達へ...
ヴィットーリオは普段の全てを受け入れるような柔和な顔から...
なるほど、確かに彼はジョゼフ王の使い魔に相応しい。
始祖だろうが聖地だろうが統一だろうが、彼らにとってはどう...
ただ自分とその周りの事だけ考えていて、理想よりも現実を優...
だが、自分達もあっさりと引いて終わるような『理想』で終わ...
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サイトが出て行こうとしたその寸前、突然既に修復されていた...
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「んなっ!?」
「すまないね。決裂しちゃった以上、このままハイサヨナラっ...
「こういった手荒な真似はわたくし達も望んでませんが・・・...
「信用できるか、こんな状況で!」
「あ、あと『サイレント』と同じ効果を発するマジックアイテ...
昨日の事を考えると皮肉な話だけどね」
「チクショウ!」
隠し持っていた武器を抜いて、サイトがガンダールヴを発動さ...
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―――――ヴィットーリオの向けた杖が振るわれるのを最後に、サイ...
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