ゼロの使い魔保管庫
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33 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
才人は上機嫌だった。
そりゃもう、冬の冷たい水も気にならないほど、上機嫌だった。
それは、今朝のルイズの寝言。
『サイトぉ、だいすき…』
ものすごく甘ったるい声で、ルイズは寝言で「才人大好き」を...
ええいもうこの果報者、夢の中までルイズさん俺に夢中ですか。
しかし起きたルイズにそのことを報告する勇気は才人にはない。
もし報告しようもんなら、
「いいいい犬に対してそんなこと言うわけないじゃないの!なな...
と激昂するのは目に見えていたからだ。
この事はボクだけのちっちゃな秘密にしておきましょー♪
鼻歌など歌いながら、才人は洗濯を続ける。
すると次の瞬間。
水場の水面が光りだし、中から茶褐色の「何か」が浮かび上が...
「わわっ!?」
才人は慌てて、洗濯中だったルイズのパンツをその上に落とし...
茶褐色の「何か」は歪んだ球をしており、ぱっと見、それは生...
わかりやすく言うと、茶褐色の髪の、人間のアタマ。
それはどんどんせり上がり、顔が出て、弾力のありそうな胸が...
そこには、トリステイン魔法学院の制服とそっくりな服を着た...
「よっと」
パンツを頭に載せたまま、洗い場から現れた謎の美少女は、自...
あれ、どっかで見たような…?奇妙な既視感を才人は感じた。
「ん?」
アタマにのっかった何かに気がつき、少女はソレを手にとって...
レースの小さな下着が、ぴろーん、と少女の前で広げられる。
ふむ、と少女は頷くと、才人に向かって言った。
「あなた、ヒラガサイト?」
「え、そ、そうだけど」
「今、洗濯中?」
「そ、そうだよ」
何者だこの子、なんで俺の名前知ってんの、と才人が混乱して...
「パパだーーーーっ!!」
そう言って少女は才人に抱きついてきた。
「なにぃーーーーーーっ!?」
才人は純粋に驚いた。
34 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
「ちょちょちょちょちょっと待て!
俺君みたいな大きな子供がいる年齢じゃ」
「知ってるわよー。まだ十七でしょー?同いだ同い」
「はぁ?だったら尚更」
「私はマナ。未来から来たパパの娘よ」
未来から来た。パパの娘ぇ?
この異世界に来て大概のことには驚かなくなった才人だったが...
ちょっと待て。ってことは俺将来誰かと結婚すんのか…?
才人が少女に絡まれたまま動揺していると、背後から鋭い殺気...
はっとして振り向くと。
そこにはルイズがいた。
「ああああああ朝からいい度胸ね犬!今度は何!?新しい娘!?」
ちょっと才人の事が気になって様子を見に来たルイズが、そこ...
それを見た、マナと名乗った少女がまじまじとルイズを見つめ...
「…ちっちゃ」
禁句!それ禁句!
才人の背筋を嫌な汗が流れる。
「な、なによアナタ!無礼ね!」
「ぺったんこ」
ルイズに近寄り、ない胸の上に手を当てる。
マナさん!世界破滅の鍵ですからそれ!
才人の体を悪寒が襲う。
「ななななななななななななな」
怒りの余り、ルイズの声は言葉にならない。
しかし、そんなルイズの怒りも意に介さず、マナはルイズに抱...
「ルイズママだー!」
「え?ええええええええええ?」
今度はルイズが驚く番であった。
35 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
少女の名前はマナ・ヒラガ・ヴァリエール。正式名称はもうち...
『虚無』の魔法の一種、「時の門」をくぐって、この時代にや...
「しょ、証拠を見せなさいよ」
もう一度名乗ったマナに、ルイズはそう言う。
ルイズはいまだ半信半疑だ。
「んー、じゃあ。
ルイズママは「虚無」の担い手なんだけど、今使えるのは「...
パパは伝説の使い魔ガンダールヴ。今持ってないけど普段使...
ついでに言うと巨乳好き」
ルイズと才人は顔を見合わせる。
ここまで詳細な情報を知っているのは、本人たちくらいなもの...
「信じてくれた?」
ニコニコと笑うマナは、髪の色こそ違うが、確かにルイズに似...
目は少しルイズより優しげだが、通った鼻筋、細いあご、波打...
ただし、顔から下の造作はルイズより遥かに大人っぽかったが。
特にゴム鞠のようなその胸が。
「…どこ見比べてんのよ」
ルイズとマナの胸部を見比べて観察していた才人のせつない場...
「でも、それだけじゃ信用できないわ。信用に足る「何か」を...
悶絶する才人をよそに、ルイズは物証を要求した。
「しょーがないなー」
そう言ってマナは懐から杖を取り出し、ルーンを唱える。
この、聞き覚えのある響きは…。「虚無」の呪文だ。
ルーンがある程度完成すると、マナは杖を振った。
そこに現れたのは、結婚式の風景。
少し成長したタキシードの才人と、その隣に成長した、ウエデ...
ルイズと才人は熱く見つめあい、そして…。
「わーわーわーわーわー!!わかったからもういいから!!」
真っ赤になって「イリュージョン」の写した幻影を両手でかき...
マナがくすっと笑って杖を振ると、幻影はかき消えた。
「し、信用してあげるわよ…。
…で、今のは?」
「ルイズママがよく見せてくれた結婚式の幻影じゃない。忘れ...
「忘れたもなにも、私こんな犬となんか、け、け、け、結婚し...
真っ赤になって否定するルイズ。
素直じゃないなあもう、と思いながらマナは言った。
「まあ、そうするかどうかは今のママが決めることだし。
まあそれはともかく、本題に入りましょ」
36 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
そして、マナは自分がこの時代にやってきた理由を話し始めた。
マナがここに来たのは、弟を追ってのこと。
弟も同じく虚無の担い手で、「時の門」を開けて、こっちに逃...
「なんか悪いことでもしたのか?その弟さんは」
復活した才人が、そう尋ねる。
「んーん。シエスタママのお仕置きが怖くて、逃げただけ」
シエスタママ?不思議な単語に、才人とルイズは首をかしげる。
「シエスタママは、私たちの乳母。もう一人のママってわけ」
「なるほど。ルイズじゃおっぱいでそうに」
「それ以上言ったら殺すわよ。犬」
「すいましぇん」
そして、「時の門」をコントロールできるもう一人の「虚無」...
「でもさ、俺たちと接触して大丈夫なのか?ほら、タイムパラド...
才人の疑問に、マナが応える。
「タイムパラドックスなら起きないわよ。この時点で二人は私...
「なるほど、多元宇宙とかってやつだな」
ルイズは完全に置いてきぼりだ。
「な、なによ、私にもわかるように説明しなさいよ!」
「んーまあ、「何も問題はない」ってことなんだよ要するに」
時空とか宇宙とかそんな次元の話をしてもルイズには理解でき...
「…なんか馬鹿にされてる気分」
「してないよ」
不満そうに口を尖らせるルイズを、才人がフォローする。
今度は丁寧に、タイムパラドックスってのはな、時間移動する...
「仲いいよね、やっぱり」
寄り添う未来の両親を眺め、マナは小さくそう呟いた。
37 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
弟はきっとお腹をすかせているので、厨房にいるだろう、とい...
すると、厨房の入り口に、シエスタと見慣れない男の子が座っ...
「あ、シエスタママと…ショウだ」
ショウ。マナの弟の名だった。
確かに、その男の子は才人にそっくりだった。ただ、白いレー...
「お腹すいてるんでしょ?もっと食べていいのよ」
「うん、ありがとう!綺麗なお姉ちゃん!」
「綺麗な」の部分で赤くなり、シエスタは上機嫌になる。
「や、やだお上手ね、最近の貴族の子って。
そういえばあなた、どこかサイトさんに似てるわね。知り合...
「んー、親戚みたいなものかなー」
シエスタの差し出したバケットから取り出したパンを貪りなが...
その目の前に、さっと影が差す。
「や。元気にしてた?ショウ」
その影は、ショウの姉、マナのものであった。
「げ、姉貴!こんなとこまで追ってきたのか!」
「姉貴、じゃなくて姉さま、でしょう!まったく口の悪いのは直...
さ、帰るわよ」
そう言ってマナは手を差し出す。
しかしショウは手を出さない。
怯えたようにマナに尋ねる。
「ね、ねえ姉貴」
「ね・え・さ・ま」
「姉さま。シエスタママ怒ってた?」
「怒ってたけど。それ以上に泣きそうなくらい心配してたわよ...
「げ…最悪だオレ…」
38 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
二人にしかわからない会話を続ける姉弟に、才人とルイズは見...
「仲のいい姉弟ね」
「だなあ」
「きっと、家庭が温かいからなんでしょうね」
「きっとそうだな」
「私たち、そんなあったかい家庭を築けるんだ…」
「あ、ああ、そうだねえ」
なんだか妙な空気が二人を包む。
ルイズが才人を見上げる。才人がルイズを見つめる。なんだか...
「あー。おほん」
シエスタの咳払いに、二人は冷静さを取り戻した。
「サイトさん、あの子今「シエスタママ」って言いましたよね?...
事情を知っているらしい才人に、シエスタが尋ねてくる。
あー、説明していいものかー、と才人が悩んでいると。
「あの二人は、未来から来た私たちの子供なの!」
いつの間にか才人の腕を抱え込んでいたルイズが、シエスタめ...
しかしいきなりそんなこと言われて信じるシエスタではない。
「はぁ?何をわけのわからないことを仰っているんですかミス・...
ついに頭の中までゼロになっちゃいましたか?」
「ななななななななな何を言うのよこのバカメイド!ちゃんと証...
「じゃあ、今から子供作っちゃいましょうか才人さん?」
「ちょ、オレを巻き込むなよシエスタ!」
「サイトは私とけけけけけ、結婚するんだから!バカメイドなん...
未来を知ったことで、ルイズの中で何か歯止めが外れたらしい...
シエスタも負けじと、才人の腕を取り、胸をぐいぐいと押し当...
それを眺めている、姉弟二人。
「昔っからこんなんなの?この三人…?」
「仲がいいんだか、悪いんだか…」
そして、マナはルーンを唱える。
ナウシド・イサ・エイワーズ……
詠唱が完了すると、ルイズ、才人、シエスタの三人を奇妙な空...
才人にはこの空気に覚えがあった。
ティファニアの…「忘却」だ。
「ごめんね?パパ」
薄れ行く意識の中で、才人はマナの声を聞いた。
「記憶、もらっていくね。末永く、お幸せに」
39 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
「時の門」の時の流れの中で、ショウはマナに尋ねた。
「なあ姉貴、タイムパラドックスがないのに、なんで三人の記...
「んー。三人に幸せになって欲しいから」
「どういう意味だよ」
「先のこと知ってたら、もし結果が違ったらがっかりするじゃ...
「ふーん。そんなもんかな」
「それより。帰ったらちゃんとシエスタママに謝るのよ。すっ...
「…うん。わかった」
もう、出口はすぐそこだ。
「ちょっと!その手を放しなさいよバカメイド!」
「ミス・ヴァリエールこそ放したらどうなんですか!」
トリステイン魔法学院の中庭では、いつもの光景が繰り広げら...
メイドと、貴族の、使い魔を賭けた骨肉の争い。
当の使い魔はルイズの蹴りを股間に食らい、目を回していた。
その光景を目にして、仲間たちは笑いあう。
「ホント、飽きないわねー」「恒例」「二股かけるサイトが悪...
そうして過ぎていく、いつもの日常、いつもの風景…。
「サイトさんは私のものですっ!」
「サイトは私の使い魔なの!だから誰にも渡さないのっ!」
未来は、誰にもわからない。
40 名前:あとがち[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:51:05 I...
エロ抜きでいってみました。
某スレに投下したSSの内容に準拠しております。
かなり脳内バリッバリなので、嫌いな方はヌルーしてくだちいorz
終了行:
33 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
才人は上機嫌だった。
そりゃもう、冬の冷たい水も気にならないほど、上機嫌だった。
それは、今朝のルイズの寝言。
『サイトぉ、だいすき…』
ものすごく甘ったるい声で、ルイズは寝言で「才人大好き」を...
ええいもうこの果報者、夢の中までルイズさん俺に夢中ですか。
しかし起きたルイズにそのことを報告する勇気は才人にはない。
もし報告しようもんなら、
「いいいい犬に対してそんなこと言うわけないじゃないの!なな...
と激昂するのは目に見えていたからだ。
この事はボクだけのちっちゃな秘密にしておきましょー♪
鼻歌など歌いながら、才人は洗濯を続ける。
すると次の瞬間。
水場の水面が光りだし、中から茶褐色の「何か」が浮かび上が...
「わわっ!?」
才人は慌てて、洗濯中だったルイズのパンツをその上に落とし...
茶褐色の「何か」は歪んだ球をしており、ぱっと見、それは生...
わかりやすく言うと、茶褐色の髪の、人間のアタマ。
それはどんどんせり上がり、顔が出て、弾力のありそうな胸が...
そこには、トリステイン魔法学院の制服とそっくりな服を着た...
「よっと」
パンツを頭に載せたまま、洗い場から現れた謎の美少女は、自...
あれ、どっかで見たような…?奇妙な既視感を才人は感じた。
「ん?」
アタマにのっかった何かに気がつき、少女はソレを手にとって...
レースの小さな下着が、ぴろーん、と少女の前で広げられる。
ふむ、と少女は頷くと、才人に向かって言った。
「あなた、ヒラガサイト?」
「え、そ、そうだけど」
「今、洗濯中?」
「そ、そうだよ」
何者だこの子、なんで俺の名前知ってんの、と才人が混乱して...
「パパだーーーーっ!!」
そう言って少女は才人に抱きついてきた。
「なにぃーーーーーーっ!?」
才人は純粋に驚いた。
34 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
「ちょちょちょちょちょっと待て!
俺君みたいな大きな子供がいる年齢じゃ」
「知ってるわよー。まだ十七でしょー?同いだ同い」
「はぁ?だったら尚更」
「私はマナ。未来から来たパパの娘よ」
未来から来た。パパの娘ぇ?
この異世界に来て大概のことには驚かなくなった才人だったが...
ちょっと待て。ってことは俺将来誰かと結婚すんのか…?
才人が少女に絡まれたまま動揺していると、背後から鋭い殺気...
はっとして振り向くと。
そこにはルイズがいた。
「ああああああ朝からいい度胸ね犬!今度は何!?新しい娘!?」
ちょっと才人の事が気になって様子を見に来たルイズが、そこ...
それを見た、マナと名乗った少女がまじまじとルイズを見つめ...
「…ちっちゃ」
禁句!それ禁句!
才人の背筋を嫌な汗が流れる。
「な、なによアナタ!無礼ね!」
「ぺったんこ」
ルイズに近寄り、ない胸の上に手を当てる。
マナさん!世界破滅の鍵ですからそれ!
才人の体を悪寒が襲う。
「ななななななななななななな」
怒りの余り、ルイズの声は言葉にならない。
しかし、そんなルイズの怒りも意に介さず、マナはルイズに抱...
「ルイズママだー!」
「え?ええええええええええ?」
今度はルイズが驚く番であった。
35 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
少女の名前はマナ・ヒラガ・ヴァリエール。正式名称はもうち...
『虚無』の魔法の一種、「時の門」をくぐって、この時代にや...
「しょ、証拠を見せなさいよ」
もう一度名乗ったマナに、ルイズはそう言う。
ルイズはいまだ半信半疑だ。
「んー、じゃあ。
ルイズママは「虚無」の担い手なんだけど、今使えるのは「...
パパは伝説の使い魔ガンダールヴ。今持ってないけど普段使...
ついでに言うと巨乳好き」
ルイズと才人は顔を見合わせる。
ここまで詳細な情報を知っているのは、本人たちくらいなもの...
「信じてくれた?」
ニコニコと笑うマナは、髪の色こそ違うが、確かにルイズに似...
目は少しルイズより優しげだが、通った鼻筋、細いあご、波打...
ただし、顔から下の造作はルイズより遥かに大人っぽかったが。
特にゴム鞠のようなその胸が。
「…どこ見比べてんのよ」
ルイズとマナの胸部を見比べて観察していた才人のせつない場...
「でも、それだけじゃ信用できないわ。信用に足る「何か」を...
悶絶する才人をよそに、ルイズは物証を要求した。
「しょーがないなー」
そう言ってマナは懐から杖を取り出し、ルーンを唱える。
この、聞き覚えのある響きは…。「虚無」の呪文だ。
ルーンがある程度完成すると、マナは杖を振った。
そこに現れたのは、結婚式の風景。
少し成長したタキシードの才人と、その隣に成長した、ウエデ...
ルイズと才人は熱く見つめあい、そして…。
「わーわーわーわーわー!!わかったからもういいから!!」
真っ赤になって「イリュージョン」の写した幻影を両手でかき...
マナがくすっと笑って杖を振ると、幻影はかき消えた。
「し、信用してあげるわよ…。
…で、今のは?」
「ルイズママがよく見せてくれた結婚式の幻影じゃない。忘れ...
「忘れたもなにも、私こんな犬となんか、け、け、け、結婚し...
真っ赤になって否定するルイズ。
素直じゃないなあもう、と思いながらマナは言った。
「まあ、そうするかどうかは今のママが決めることだし。
まあそれはともかく、本題に入りましょ」
36 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
そして、マナは自分がこの時代にやってきた理由を話し始めた。
マナがここに来たのは、弟を追ってのこと。
弟も同じく虚無の担い手で、「時の門」を開けて、こっちに逃...
「なんか悪いことでもしたのか?その弟さんは」
復活した才人が、そう尋ねる。
「んーん。シエスタママのお仕置きが怖くて、逃げただけ」
シエスタママ?不思議な単語に、才人とルイズは首をかしげる。
「シエスタママは、私たちの乳母。もう一人のママってわけ」
「なるほど。ルイズじゃおっぱいでそうに」
「それ以上言ったら殺すわよ。犬」
「すいましぇん」
そして、「時の門」をコントロールできるもう一人の「虚無」...
「でもさ、俺たちと接触して大丈夫なのか?ほら、タイムパラド...
才人の疑問に、マナが応える。
「タイムパラドックスなら起きないわよ。この時点で二人は私...
「なるほど、多元宇宙とかってやつだな」
ルイズは完全に置いてきぼりだ。
「な、なによ、私にもわかるように説明しなさいよ!」
「んーまあ、「何も問題はない」ってことなんだよ要するに」
時空とか宇宙とかそんな次元の話をしてもルイズには理解でき...
「…なんか馬鹿にされてる気分」
「してないよ」
不満そうに口を尖らせるルイズを、才人がフォローする。
今度は丁寧に、タイムパラドックスってのはな、時間移動する...
「仲いいよね、やっぱり」
寄り添う未来の両親を眺め、マナは小さくそう呟いた。
37 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
弟はきっとお腹をすかせているので、厨房にいるだろう、とい...
すると、厨房の入り口に、シエスタと見慣れない男の子が座っ...
「あ、シエスタママと…ショウだ」
ショウ。マナの弟の名だった。
確かに、その男の子は才人にそっくりだった。ただ、白いレー...
「お腹すいてるんでしょ?もっと食べていいのよ」
「うん、ありがとう!綺麗なお姉ちゃん!」
「綺麗な」の部分で赤くなり、シエスタは上機嫌になる。
「や、やだお上手ね、最近の貴族の子って。
そういえばあなた、どこかサイトさんに似てるわね。知り合...
「んー、親戚みたいなものかなー」
シエスタの差し出したバケットから取り出したパンを貪りなが...
その目の前に、さっと影が差す。
「や。元気にしてた?ショウ」
その影は、ショウの姉、マナのものであった。
「げ、姉貴!こんなとこまで追ってきたのか!」
「姉貴、じゃなくて姉さま、でしょう!まったく口の悪いのは直...
さ、帰るわよ」
そう言ってマナは手を差し出す。
しかしショウは手を出さない。
怯えたようにマナに尋ねる。
「ね、ねえ姉貴」
「ね・え・さ・ま」
「姉さま。シエスタママ怒ってた?」
「怒ってたけど。それ以上に泣きそうなくらい心配してたわよ...
「げ…最悪だオレ…」
38 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
二人にしかわからない会話を続ける姉弟に、才人とルイズは見...
「仲のいい姉弟ね」
「だなあ」
「きっと、家庭が温かいからなんでしょうね」
「きっとそうだな」
「私たち、そんなあったかい家庭を築けるんだ…」
「あ、ああ、そうだねえ」
なんだか妙な空気が二人を包む。
ルイズが才人を見上げる。才人がルイズを見つめる。なんだか...
「あー。おほん」
シエスタの咳払いに、二人は冷静さを取り戻した。
「サイトさん、あの子今「シエスタママ」って言いましたよね?...
事情を知っているらしい才人に、シエスタが尋ねてくる。
あー、説明していいものかー、と才人が悩んでいると。
「あの二人は、未来から来た私たちの子供なの!」
いつの間にか才人の腕を抱え込んでいたルイズが、シエスタめ...
しかしいきなりそんなこと言われて信じるシエスタではない。
「はぁ?何をわけのわからないことを仰っているんですかミス・...
ついに頭の中までゼロになっちゃいましたか?」
「ななななななななな何を言うのよこのバカメイド!ちゃんと証...
「じゃあ、今から子供作っちゃいましょうか才人さん?」
「ちょ、オレを巻き込むなよシエスタ!」
「サイトは私とけけけけけ、結婚するんだから!バカメイドなん...
未来を知ったことで、ルイズの中で何か歯止めが外れたらしい...
シエスタも負けじと、才人の腕を取り、胸をぐいぐいと押し当...
それを眺めている、姉弟二人。
「昔っからこんなんなの?この三人…?」
「仲がいいんだか、悪いんだか…」
そして、マナはルーンを唱える。
ナウシド・イサ・エイワーズ……
詠唱が完了すると、ルイズ、才人、シエスタの三人を奇妙な空...
才人にはこの空気に覚えがあった。
ティファニアの…「忘却」だ。
「ごめんね?パパ」
薄れ行く意識の中で、才人はマナの声を聞いた。
「記憶、もらっていくね。末永く、お幸せに」
39 名前:時を駆ける少女[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:4...
「時の門」の時の流れの中で、ショウはマナに尋ねた。
「なあ姉貴、タイムパラドックスがないのに、なんで三人の記...
「んー。三人に幸せになって欲しいから」
「どういう意味だよ」
「先のこと知ってたら、もし結果が違ったらがっかりするじゃ...
「ふーん。そんなもんかな」
「それより。帰ったらちゃんとシエスタママに謝るのよ。すっ...
「…うん。わかった」
もう、出口はすぐそこだ。
「ちょっと!その手を放しなさいよバカメイド!」
「ミス・ヴァリエールこそ放したらどうなんですか!」
トリステイン魔法学院の中庭では、いつもの光景が繰り広げら...
メイドと、貴族の、使い魔を賭けた骨肉の争い。
当の使い魔はルイズの蹴りを股間に食らい、目を回していた。
その光景を目にして、仲間たちは笑いあう。
「ホント、飽きないわねー」「恒例」「二股かけるサイトが悪...
そうして過ぎていく、いつもの日常、いつもの風景…。
「サイトさんは私のものですっ!」
「サイトは私の使い魔なの!だから誰にも渡さないのっ!」
未来は、誰にもわからない。
40 名前:あとがち[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 18:51:05 I...
エロ抜きでいってみました。
某スレに投下したSSの内容に準拠しております。
かなり脳内バリッバリなので、嫌いな方はヌルーしてくだちいorz
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