ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
衣川の鈴 かくてる氏
#br
貴族たちの家が民衆に襲われ始めたのと、奇妙な歌が広がり...
その歌は反戦の歌でもあるという。その歌の元の言葉は、遥か...
「その歌を広げている者がいるはずです。その者を手配なさい」
アンリエッタの言葉に、だが珍しくアニエスが答えを返さな...
「アニエス……?」
アニエスはアンリエッタの耳元に寄ると、そっと囁くように...
「おそれながら陛下、舞姫の手配書は配り終えており、居場所...
「では早く!」
「その者は細身で小柄、気丈な娘で……桃色の髪と物言う剣を携...
アンリエッタは息を呑んだ。ルイズが、生きている?
教皇との約束で遥か北方の地までサイトを追い詰め、最後は川...
教皇の言うには、ルイズとサイトの虚無の力は破壊の力で、...
アンリエッタは数瞬迷ったが、やはり顔を上げてアニエスに告...
「桃髪の舞姫を、捕縛なさい。私の前に引き出しなさい」
謁見の間の大扉が開いた。先頭にアニエス、数人の親衛隊。...
腰まで伸ばした桃髪と、袋状に下に広がる白い袖の服。下は緋...
その姿からアンリエッタは別人であることを祈った。だがす...
舞姫が顔を上げた。怯えもなく重臣たちをねめつける。そし...
「ご無沙汰しておりました、陛下」
アニエスの体が強張る。だがルイズは微笑んで言った。
「大丈夫。もう私、虚無も使えないから。そのくせ他の魔法も...
「……ルイズ、本当にもう、魔法は」
ルイズは頭を振り、真剣な顔で虚無の呪文を唱える。だが何...
「私はゼロ。ゼロの舞姫。魔法を使えない貴族なんてありえな...
アンリエッタは沈痛な面持ちで告げた。
「虚無が使えないのであれば、私の権限で王宮で庇護すること...
途端、ルイズの視線が険しくなった。
「おそれながら、義理の妹を殺そうとしたのは誰でしょうか。...
ルイズは言葉を切り、剣を渡すように言う。アンリエッタが...
「女王のお嬢は元気なようだな?俺の自慢の刃をぼろぼろにし...
デルフリンガーがアンリエッタへ嫌味をぶつけてせせら笑う...
しゃらん。鈴が鳴る。
親衛隊が離れ、円陣を組む。ルイズは目を半眼に閉じてデル...
「陛下、私の舞をご覧下さい。私が毎日舞っている舞を」
デルフリンガーが異国の言葉で声を上げた。
しゃん。
鈴が鳴る。
たどたどしく剣が振るわれる。討たれかかり急に動きが達人...
しゃん、しゃんと鈴が鳴る。
剣を収めた舞姫は、誰かとともに歩く仕草を舞う。ときに弱...
場面が変わったのか。高貴な者にかしずく仕草。そして乱戦...
死体のように倒れて舞が終わったかと思うと再び立ち上がる。
剣を置き、舞で演じる対象が変わる。悲嘆にくれる少女。塔...
二人を交互に演じる。仲が良いのか悪いのか。だが遂には接...
剣士が少女に別れを告げた。
今生の別れとなると思わぬ少女が立つ。
少女が倒れ込む。
世界を憎悪する、一人のミコが残る……
しゃしゃん。
鈴の音に場の一同がルイズを見つめた。ここは王宮。今は戦...
「私はただ、舞を舞うだけです。舞うだけ。毎日毎日毎日毎日...
ルイズは言葉を切ると、怯えるアンリエッタを睨み付けて言...
「帰りを、待っていて、と言ったの」
デルフリンガーがルイズの手から滑り落ちる。
しゃん、と鈴が鳴る。
弔いの鈴が鳴る。
終了行:
衣川の鈴 かくてる氏
#br
貴族たちの家が民衆に襲われ始めたのと、奇妙な歌が広がり...
その歌は反戦の歌でもあるという。その歌の元の言葉は、遥か...
「その歌を広げている者がいるはずです。その者を手配なさい」
アンリエッタの言葉に、だが珍しくアニエスが答えを返さな...
「アニエス……?」
アニエスはアンリエッタの耳元に寄ると、そっと囁くように...
「おそれながら陛下、舞姫の手配書は配り終えており、居場所...
「では早く!」
「その者は細身で小柄、気丈な娘で……桃色の髪と物言う剣を携...
アンリエッタは息を呑んだ。ルイズが、生きている?
教皇との約束で遥か北方の地までサイトを追い詰め、最後は川...
教皇の言うには、ルイズとサイトの虚無の力は破壊の力で、...
アンリエッタは数瞬迷ったが、やはり顔を上げてアニエスに告...
「桃髪の舞姫を、捕縛なさい。私の前に引き出しなさい」
謁見の間の大扉が開いた。先頭にアニエス、数人の親衛隊。...
腰まで伸ばした桃髪と、袋状に下に広がる白い袖の服。下は緋...
その姿からアンリエッタは別人であることを祈った。だがす...
舞姫が顔を上げた。怯えもなく重臣たちをねめつける。そし...
「ご無沙汰しておりました、陛下」
アニエスの体が強張る。だがルイズは微笑んで言った。
「大丈夫。もう私、虚無も使えないから。そのくせ他の魔法も...
「……ルイズ、本当にもう、魔法は」
ルイズは頭を振り、真剣な顔で虚無の呪文を唱える。だが何...
「私はゼロ。ゼロの舞姫。魔法を使えない貴族なんてありえな...
アンリエッタは沈痛な面持ちで告げた。
「虚無が使えないのであれば、私の権限で王宮で庇護すること...
途端、ルイズの視線が険しくなった。
「おそれながら、義理の妹を殺そうとしたのは誰でしょうか。...
ルイズは言葉を切り、剣を渡すように言う。アンリエッタが...
「女王のお嬢は元気なようだな?俺の自慢の刃をぼろぼろにし...
デルフリンガーがアンリエッタへ嫌味をぶつけてせせら笑う...
しゃらん。鈴が鳴る。
親衛隊が離れ、円陣を組む。ルイズは目を半眼に閉じてデル...
「陛下、私の舞をご覧下さい。私が毎日舞っている舞を」
デルフリンガーが異国の言葉で声を上げた。
しゃん。
鈴が鳴る。
たどたどしく剣が振るわれる。討たれかかり急に動きが達人...
しゃん、しゃんと鈴が鳴る。
剣を収めた舞姫は、誰かとともに歩く仕草を舞う。ときに弱...
場面が変わったのか。高貴な者にかしずく仕草。そして乱戦...
死体のように倒れて舞が終わったかと思うと再び立ち上がる。
剣を置き、舞で演じる対象が変わる。悲嘆にくれる少女。塔...
二人を交互に演じる。仲が良いのか悪いのか。だが遂には接...
剣士が少女に別れを告げた。
今生の別れとなると思わぬ少女が立つ。
少女が倒れ込む。
世界を憎悪する、一人のミコが残る……
しゃしゃん。
鈴の音に場の一同がルイズを見つめた。ここは王宮。今は戦...
「私はただ、舞を舞うだけです。舞うだけ。毎日毎日毎日毎日...
ルイズは言葉を切ると、怯えるアンリエッタを睨み付けて言...
「帰りを、待っていて、と言ったの」
デルフリンガーがルイズの手から滑り落ちる。
しゃん、と鈴が鳴る。
弔いの鈴が鳴る。
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