ゼロの使い魔保管庫
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魔法を使う小人
※14巻、ブリミル&サーシャネタです。14巻未読の方はそち...
「おねえちゃん、できたよ!」
「あら、上手ね」
連日続いた雨が晴れ、久しぶりに日差しの戻った初夏の日のニ...
久しぶりの日光を存分に浴びようと、老いも若きも関係なしに...
エルフであるサーシャも例外ではなかった。
ひさしぶりの日光を楽しむのに、種族は関係ない。
だが彼女は意図的に人間たちの輪から外れ、別の場所で日光浴...
人間を蛮人、と呼び、嫌っているから…ではない。
自分が、人間の輪に入っていったら、きっとその和を乱してし...
しかし。
人気のない花畑で日光浴をする彼女に、話しかけてきた人間が...
引っ込み思案のノルンである。
その小さな少女は、いつもブリミルの傍にいる、使い魔のエル...
「おねえちゃん、花輪のつくりかたしってる?」
ノルンは普段自分たちのために戦っているブリミルに、贈り物...
だから花輪をつくってあげたいというのだが、ノルンは花輪の...
そして、他の女性たちは忙しそうで、とてもそんなことを聞き...
そこでサーシャに白羽の矢を立てたのであるが。
「…私ってそんなヒマそう?」
少し意地悪げに言ってみるサーシャ。
ちょっと大人気ないな、なんて思いながら。
しかし、ノルンはぶんぶんと首を振った。
「おねえちゃん、優しそうだもん」
その言葉にサーシャの目が点になる。
「は?いっつもブリミルを蹴っ飛ばしたり殴ったり、ヴァリヤ...
どこが?」
その疑問に、ノルンは間髪いれずに応えた。
「私たちのために戦ってくれてるし、それに、ブリミルさんみ...
なるほど。
その答えを聞いて、思わずサーシャは納得し。
そして、笑い出す。
「あははははははは!そうよね、あんな間抜けの蛮人のガンダ...
そして、続けた。
「いいわ、教えてあげる。でも私が教えたってのはナイショよ...
「うん!」
そして二人は、仲良く花輪を作り始めるのである。
出来た白い花の花輪を、ノルンは嬉しそうに眺める。
サーシャはその笑顔を見て、自分も嬉しくなる。
母親って、こんな気持ちなのかな。
などと思ってみたりもする。
そしてノルンは、意外な行動に出る。
「はい、いつもありがとう!」
「え…?」
ノルンは、花畑に腰を下ろすサーシャの頭に、自分の作った花...
呆気に取られるサーシャに、ノルンは続ける。
「ブリミルのお兄ちゃんと、私たちを守ってくれてありがとう...
「え?え?でもこれってブリミルにあげるんじゃ」
確かにノルンはそう言っていた。
サーシャのその言葉にノルンが応える。
「ううん、ブリミルのお兄ちゃんには、私があげるよりおねえ...
「な、な、な」
軽く赤くなって思わず言葉に詰まるサーシャ。
『な、なんで私があんな蛮人に!』と言おうと思ったが、ノル...
そんなふうにサーシャが逡巡していると。
「それじゃ、ブリミルのお兄ちゃんにはおねえちゃんから花輪...
一歩的に言い放ち、ノルンは走り去ってしまう。
「あ、ちょっと待って…」
花畑に一人取り残されたサーシャ。
花輪の冠をかぶって、突然の不意打ちに気の抜けた彼女は、ま...
そして、その夜。
しかたない、ノルンのお願いだし、ほんっっっっとはものすっ...
サーシャは花輪をブリミルにあげることにした。
高貴な種族のエルフが、例え蛮人ととはいえ、交わした約束を...
サーシャは、ブリミルのテントを訪れていた。
「ねえ、蛮人。ちょっといいかしら」
テントの入り口から、そう呼びかける。
すると中から、ブリミルが勢いよく出てきた。
あっという間に接近する顔と顔。
思わずサーシャの顔が真っ赤になる。
「近いわよバカッ!」
どこ!
思わず拳が飛ぶ。
その一撃でテントの中に舞い戻り、尻餅をついてしまうブリミ...
サーシャは自分の条件反射にしまった、と軽く後悔し。
そして謝罪の言葉を述べる。
「いきなり出てこないでよ蛮人!」
…あれ?
しかしブリミルはそんなことは慣れっこなのか、構わず続ける。
「ちょうどよかったよサーシャ!実は今日、どうしても君に頼...
「実験だったらお断りよ」
しかし結局、人のいいサーシャは、そう言いながらもブリミル...
それが、もう戻れない道だと知らないまま。
話を聞き終わったサーシャは真っ赤な顔で固まっていた。
その目の前では、用件を話し終えたブリミルがサーシャの返答...
それはまるで、曲芸を上手くできた犬が、主人のお褒めの言葉...
そして、サーシャはすうっ、と軽く息を吸って。
その動作に、それが叱咤の言葉だと分かるや、ブリミルは身体...
「何考えてんのよ、ばかー!」
同時に美しい足での蹴りが飛ぶ。
ブリミルは上手く衝撃を吸収し、ベッドに突っ込むだけの被害...
サーシャは蹴りを放ったあと、腰に手をあて、真っ赤な顔でブ...
「よよよよよよ、よりにもよって、こここここここ『子作り』...
おおおおおおおお思い上がるのもたいがいにしときなさいよ...
「ちょ、ご、誤解だよサーシャ!
僕はただ、エルフと人間の異種族交配ができないかな、と思...
「そそそそそそそそれが子作りだって言ってんじゃないのよ!...
そしてへんたい蛮人馬鹿あほまぬけ色魔ロリコン、などと罵倒...
しかし、ブリミルはまじめな顔になると、言った。
「よく聞いて欲しい、サーシャ。このままだと、僕たちはたぶ...
「…え」
いままでそんな弱音を吐くことはなかったブリミルが、急にそ...
罵詈雑言を並べ立てていたサーシャは、思わず言葉を止め、ブ...
「その最大の要因は、数だ。僕たちマギ族も、君達エルフ族も...
「だから…何だってのよ。戦力で勝ればいいじゃない」
「違うんだ。今勝っても、未来で負けるだろう。どれだけ頑張...
残ったヴァリヤーグは再び数を増やし、僕らの子孫を襲うだ...
未来に禍根を残さないためにも、ヴァリヤーグは根絶やしに...
そのためには、彼らが増える以上に、僕らも数を増やさない...
そのためには、人間とエルフの垣根を取り払わないといけな...
「…まさか、あなた。一つの種族を、この世から消し去ろうって...
そんなの、大いなる意思が許すはずないじゃないの!」
「なら君は、その大いなる意思に従って滅びを享受するのか」
ブリミルの顔が、今までよりずっと真剣なものになる。
サーシャの言葉が完全に止まる。
「今のまま行けば、この世界は遠からず、ヴァリヤーグの跋扈...
その世界に平穏はないし、ヴァリヤーグは容赦なくほかの生...
僕はいやだ。そんな世界にしたくない。
僕はこの世界が、人間が、エルフが、君が好きだ。たぶん、...
さらりと混ざった告白のような言葉に、サーシャの頬が怒り以...
そして、サーシャは反撃に出る。
「…あなたは悪魔だわ。大いなる意思はきっとあなたを許しはし...
「いいよ別に。見えもしない、触れもしないようなものなんか...
その反撃は更に強い言葉であっさりと潰される。
そして、ブリミルは立ち上がり。
サーシャを、容赦なく抱き締めた。
サーシャは動けない。…動きたくなかった。
しかし、言葉は勝手に抵抗を続ける。
「…私はこれからも大いなる意志に従う。だから、あなたのよう...
「悪魔でいいよ。サーシャを、この世界を守れるなら、神も大...
目と目が合う。
サーシャの瞳はこれ以上ないほど潤み、頬が上気している。
気付いた時には、唇を合わせていた。
それは、エルフにとって契約の証。
唇を合わせた者と添い遂げるという、契約の証だった。
「契約の証…ずるい、やっぱり悪魔だわあなた…」
「いやなら破棄しちゃえばいいよ。ガンダールヴも契約も、大...
「じゃあ、私の意志を返してよ。この悪魔め…」
「イヤだね。自分で取り返せばいいじゃない」
「ばかっ…」
今度はサーシャから、ブリミルの唇を奪う。
その勢いで、二人はベッドにもつれ込む。
二人はベッドの上で何度も何度も、契約を交わした。
ベッドの上でサーシャの白い裸体が、明かりの消えた薄暗いテ...
白い肢体は均整が取れていて、余計な脂肪は一切ない。
ただ、女性を主張する部分にはしっかりと脂肪がついていた。
「こういうところは人間と一緒なんだね」
「…なんでこんな時までそんなの観察してんのよ、ばか」
覆いかぶさりながら自分の身体を観察する悪魔を、サーシャは...
ブリミルは軽く笑うと、サーシャの、男にとって最も魅力的な...
白い丘の頂でぷっくりと膨らんだ、桃色の真珠。
「あっ…」
肌に刻まれる契約に、サーシャの喉が踊る。
ブリミルはその声に気をよくすると、今度は空いたもう片方の...
あくまで優しく、丁寧に、その肉の塊をもみほぐす。
その刺激に反応して、サーシャの先端が硬くなってくる。
「はぁ、あ…悪魔、悪魔だわ…こんなの…」
契約より先の行為には、悪魔が潜むと大いなる意思の教えには...
その先の行為は、甘美な誘惑のみが存在し、溺れれば即ち堕落...
サーシャには、その意味が今こそ痛いほど判っていた。身をも...
「あ、あ、あ、だめ、だめになるっ…!わたしが、だめになっち...
胸だけで違う世界に行きそうになりながら、ベッドの上でサー...
しかし。
その手前で、ブリミルは手を止める。
「…え?や…だ、なんでやめるの…?」
不意に離れた温もりに、サーシャは顔を上げる。
すると。
立てられた膝の間。
一番女性として大事な、子作りの場所を、ブリミルが注視して...
「や、やだ、何見てんのよ!」
「とろとろだね」
サーシャの怒声にもめげず、ブリミルは観察結果を述べる。
サーシャのそこは、行為を受け入れるための粘液を、惜しげも...
そして、牡を受け入れるべく、ひくひくと蠢いていた。
「こんなになってるってことは、感じてるんだサーシャ?」
「ち、ちちち違う!感じてなんか!」
「へーえ?じゃあこれはなんだろね?」
ぐちゅ!
「ひ!」
すさまじい快楽の電流と共に、濡れそぼった女性器にブリミル...
それだけで、サーシャの意識は軽く暗転した。
ぐちゅぐちゅ。
とろとろに融けたサーシャを、ブリミルの指が出入りする。
その度に淫らな水音が響き、サーシャがどうしようもなく感じ...
「エルフって敏感なんだね。マギ族はこんなにならないって本...
「だ、から、こんな、あくま、あくまなのにぃっ!」
堕ちる。堕ちていく。
ブリミルの行為に、サーシャは身も心も解けかけていた。
そして。
「あっあっあっあっあっ!だ、だめ、だめぇ、これ以上、や、...
ぶちゅ…。
サーシャの絶頂の直前。
糸すら引いて、ブリミルの指がサーシャから引き抜かれる。
まるで名残惜しいと言わんばかりにサーシャの腰が動き、指の...
「え…や…なんでぇ…やだぁ…」
さきほどより高い絶頂の直前で放り出され、涙と涎で顔をぐち...
ブリミルは、普段のしかえしとばかりに、にっこり笑って言っ...
「だってやだって言ったじゃない、サーシャはさ」
「え…」
「嫌がってることを人にするのはよくないって大いなる意思は...
「だ、だけどっ…」
「サーシャがして欲しいことを言わなきゃ、僕は何もできない...
言いながら、手に絡みついたサーシャの蜜を見せ付けるように...
心が折れる。折れていく。
「鬼、悪魔っ…!」
「悪魔でいいよ。悪魔らしいやり方で、やらせてもらうよ」
「…ばか、へんたい…」
「そ、それはさすがに…」
完全に折れたエルフの娘は。
真っ赤になりながら、蛮人に向けて足を開いて。
「して。してほしいの…。いっぱい、してほしいの…」
おねだりを、した。
桜色に染まった肌が、美しい均整の取れた肌に艶を沿え、発情...
そして。
引き締まった足の間で、真っ赤に充血し、まるで食虫植物のよ...
あまりに扇情的な光景に、ごくり、とブリミルの喉が鳴る。
そのままブリミルはサーシャに覆いかぶさる。
「サーシャ。いいんだね?」
「うん。でも、やさしくして…。しないと怒る…」
「約束するよ。全身全霊で優しくする」
「嘘ついたら嫌いになるから…」
言って、サーシャの方から抱きついて、最後の『契約』をする。
それを合図に、ブリミルは己の剣でサーシャを貫いた。
ずずずず…ぶちぃ!
ゆっくりとだが確実に。
ブリミルの牡が、サーシャの処女膜を突き破る。
しかし、サーシャは痛みを訴えない。
目を閉じ、痛みと襲い来る快感に耐えている。
「痛い?」
「きかないでよっ…ばかぁっ…」
「ごめん。痛いんだね…じゃあこのまま…」
一番奥で動きを止め、行き止まりでぐりぐりと腰を動かす。
その瞬間、サーシャの視界に、虹が走る。
「ひっ!だめっ、それだめっ!」
「え?ご、ごめん痛かった?」
「ちあうの、へんに、なるのっ…!」
きゅ、とブリミルに抱きつき、訴える。
それが痛みからでないと確信したブリミルは。
ぐにゅ。
「ひぃぃ!」
先ほどと同じように、腰を捻ってサーシャに刺激を与える。
「へんになっちゃうくらいキモチイイんだ?ねえ?」
「やだぁっ、ひ!こんな、こんなのぉ!」
必至にブリミルに抱きつき、トんでいきそうな快感にサーシャ...
処女とは思えないほどの感じようだった。
確かに、エルフという種族の特質かもしれなかったが。
ブリミルは、思ったことを口にする。
「初めてなのにこんなに感じるなんて、エルフって意外と淫乱...
「ちがっ、ばんじんのっ、くせにぃ、ひぃ!」
「ああ、エルフがじゃなくてサーシャが?サーシャが淫乱で変...
「やぁ!ひぁ!ちがっ、あくまっ、あくまぁっ!」
言葉で責めると、きゅうきゅうとサーシャのそこはブリミルを...
どうやらこの娘は、言葉で責められると弱いようだ。
「悪魔でいいよ。こんな可愛いサーシャが見れるなら、僕は悪...
「やぁ!かわい、とか、いっちゃやらぁ…!」
優しい言葉にサーシャの膣がきゅうううう、とよりきつくブリ...
彼女には、責めるより、甘い言葉がよく効く。
ならば、弱点を責めるまで。
ブリミルはサーシャの長い耳の傍で、優しく言葉を囁く。
「いくらでも言ってあげる。サーシャは可愛い。すっごい可愛...
「いやぁ!こんなぁ!わたしぃ、だめぇ、だめになるのぉ!ひ...
サーシャの中がびくびくと痙攣を始める。
絶頂の前触れだ。
ブリミルはさらにきつく、サーシャの奥を押し込む。
ぐに!
「ひ、いく、いっちゃう、だめぇぇぇぇーーーーーーーーーー...
「くっ、僕ももうだめだっ…!」
きゅうううううううーっ!
どくどくどくどくっ…!
サーシャの最後の締め付けに、ブリミルはありったけの子種を...
目を醒ますと。
バカ面でぐがぐがと、ブリミルが隣で眠っていた。
思わず拳でブン殴りそうになり…サーシャは思いとどまる。
そして拳の代わりに、その間抜け面の頬にキスをする。
「悪魔め」
その言葉とは裏腹に、彼女の顔は優しい笑顔で、慈愛に満ちて...
「エルフと人間の交わり…か」
可能性としては悪くない。
数の少ない種族同士で、交配できれば、数を増やすのも可能。
確かに純粋さは失われるが。
世界は常にそうやって、姿かたちを変えるのだと、大いなる意...
「私たちがその最初になれるのかな…」
言って、隣でぐがぐが眠る主人を見下ろす。
サーシャは彼を起こさないようそっとベッドを降りる。
そして、服を着こむと。
昨日作った花輪を、そっとブリミルの胸板の上に置いた。
「とりあえず、それが契約の証よ。逃げたら承知しないからね」
まだ眠りの中にいるブリミルに背を向けて、テントから出て行...
ちょうど、朝日が昇るところだった
サーシャの目に、その朝日はどんな宝石よりも美しく映った。
「きれい…」
六千年前のガンダールヴは、真の契約を果たして変わり始めた...
終了行:
魔法を使う小人
※14巻、ブリミル&サーシャネタです。14巻未読の方はそち...
「おねえちゃん、できたよ!」
「あら、上手ね」
連日続いた雨が晴れ、久しぶりに日差しの戻った初夏の日のニ...
久しぶりの日光を存分に浴びようと、老いも若きも関係なしに...
エルフであるサーシャも例外ではなかった。
ひさしぶりの日光を楽しむのに、種族は関係ない。
だが彼女は意図的に人間たちの輪から外れ、別の場所で日光浴...
人間を蛮人、と呼び、嫌っているから…ではない。
自分が、人間の輪に入っていったら、きっとその和を乱してし...
しかし。
人気のない花畑で日光浴をする彼女に、話しかけてきた人間が...
引っ込み思案のノルンである。
その小さな少女は、いつもブリミルの傍にいる、使い魔のエル...
「おねえちゃん、花輪のつくりかたしってる?」
ノルンは普段自分たちのために戦っているブリミルに、贈り物...
だから花輪をつくってあげたいというのだが、ノルンは花輪の...
そして、他の女性たちは忙しそうで、とてもそんなことを聞き...
そこでサーシャに白羽の矢を立てたのであるが。
「…私ってそんなヒマそう?」
少し意地悪げに言ってみるサーシャ。
ちょっと大人気ないな、なんて思いながら。
しかし、ノルンはぶんぶんと首を振った。
「おねえちゃん、優しそうだもん」
その言葉にサーシャの目が点になる。
「は?いっつもブリミルを蹴っ飛ばしたり殴ったり、ヴァリヤ...
どこが?」
その疑問に、ノルンは間髪いれずに応えた。
「私たちのために戦ってくれてるし、それに、ブリミルさんみ...
なるほど。
その答えを聞いて、思わずサーシャは納得し。
そして、笑い出す。
「あははははははは!そうよね、あんな間抜けの蛮人のガンダ...
そして、続けた。
「いいわ、教えてあげる。でも私が教えたってのはナイショよ...
「うん!」
そして二人は、仲良く花輪を作り始めるのである。
出来た白い花の花輪を、ノルンは嬉しそうに眺める。
サーシャはその笑顔を見て、自分も嬉しくなる。
母親って、こんな気持ちなのかな。
などと思ってみたりもする。
そしてノルンは、意外な行動に出る。
「はい、いつもありがとう!」
「え…?」
ノルンは、花畑に腰を下ろすサーシャの頭に、自分の作った花...
呆気に取られるサーシャに、ノルンは続ける。
「ブリミルのお兄ちゃんと、私たちを守ってくれてありがとう...
「え?え?でもこれってブリミルにあげるんじゃ」
確かにノルンはそう言っていた。
サーシャのその言葉にノルンが応える。
「ううん、ブリミルのお兄ちゃんには、私があげるよりおねえ...
「な、な、な」
軽く赤くなって思わず言葉に詰まるサーシャ。
『な、なんで私があんな蛮人に!』と言おうと思ったが、ノル...
そんなふうにサーシャが逡巡していると。
「それじゃ、ブリミルのお兄ちゃんにはおねえちゃんから花輪...
一歩的に言い放ち、ノルンは走り去ってしまう。
「あ、ちょっと待って…」
花畑に一人取り残されたサーシャ。
花輪の冠をかぶって、突然の不意打ちに気の抜けた彼女は、ま...
そして、その夜。
しかたない、ノルンのお願いだし、ほんっっっっとはものすっ...
サーシャは花輪をブリミルにあげることにした。
高貴な種族のエルフが、例え蛮人ととはいえ、交わした約束を...
サーシャは、ブリミルのテントを訪れていた。
「ねえ、蛮人。ちょっといいかしら」
テントの入り口から、そう呼びかける。
すると中から、ブリミルが勢いよく出てきた。
あっという間に接近する顔と顔。
思わずサーシャの顔が真っ赤になる。
「近いわよバカッ!」
どこ!
思わず拳が飛ぶ。
その一撃でテントの中に舞い戻り、尻餅をついてしまうブリミ...
サーシャは自分の条件反射にしまった、と軽く後悔し。
そして謝罪の言葉を述べる。
「いきなり出てこないでよ蛮人!」
…あれ?
しかしブリミルはそんなことは慣れっこなのか、構わず続ける。
「ちょうどよかったよサーシャ!実は今日、どうしても君に頼...
「実験だったらお断りよ」
しかし結局、人のいいサーシャは、そう言いながらもブリミル...
それが、もう戻れない道だと知らないまま。
話を聞き終わったサーシャは真っ赤な顔で固まっていた。
その目の前では、用件を話し終えたブリミルがサーシャの返答...
それはまるで、曲芸を上手くできた犬が、主人のお褒めの言葉...
そして、サーシャはすうっ、と軽く息を吸って。
その動作に、それが叱咤の言葉だと分かるや、ブリミルは身体...
「何考えてんのよ、ばかー!」
同時に美しい足での蹴りが飛ぶ。
ブリミルは上手く衝撃を吸収し、ベッドに突っ込むだけの被害...
サーシャは蹴りを放ったあと、腰に手をあて、真っ赤な顔でブ...
「よよよよよよ、よりにもよって、こここここここ『子作り』...
おおおおおおおお思い上がるのもたいがいにしときなさいよ...
「ちょ、ご、誤解だよサーシャ!
僕はただ、エルフと人間の異種族交配ができないかな、と思...
「そそそそそそそそれが子作りだって言ってんじゃないのよ!...
そしてへんたい蛮人馬鹿あほまぬけ色魔ロリコン、などと罵倒...
しかし、ブリミルはまじめな顔になると、言った。
「よく聞いて欲しい、サーシャ。このままだと、僕たちはたぶ...
「…え」
いままでそんな弱音を吐くことはなかったブリミルが、急にそ...
罵詈雑言を並べ立てていたサーシャは、思わず言葉を止め、ブ...
「その最大の要因は、数だ。僕たちマギ族も、君達エルフ族も...
「だから…何だってのよ。戦力で勝ればいいじゃない」
「違うんだ。今勝っても、未来で負けるだろう。どれだけ頑張...
残ったヴァリヤーグは再び数を増やし、僕らの子孫を襲うだ...
未来に禍根を残さないためにも、ヴァリヤーグは根絶やしに...
そのためには、彼らが増える以上に、僕らも数を増やさない...
そのためには、人間とエルフの垣根を取り払わないといけな...
「…まさか、あなた。一つの種族を、この世から消し去ろうって...
そんなの、大いなる意思が許すはずないじゃないの!」
「なら君は、その大いなる意思に従って滅びを享受するのか」
ブリミルの顔が、今までよりずっと真剣なものになる。
サーシャの言葉が完全に止まる。
「今のまま行けば、この世界は遠からず、ヴァリヤーグの跋扈...
その世界に平穏はないし、ヴァリヤーグは容赦なくほかの生...
僕はいやだ。そんな世界にしたくない。
僕はこの世界が、人間が、エルフが、君が好きだ。たぶん、...
さらりと混ざった告白のような言葉に、サーシャの頬が怒り以...
そして、サーシャは反撃に出る。
「…あなたは悪魔だわ。大いなる意思はきっとあなたを許しはし...
「いいよ別に。見えもしない、触れもしないようなものなんか...
その反撃は更に強い言葉であっさりと潰される。
そして、ブリミルは立ち上がり。
サーシャを、容赦なく抱き締めた。
サーシャは動けない。…動きたくなかった。
しかし、言葉は勝手に抵抗を続ける。
「…私はこれからも大いなる意志に従う。だから、あなたのよう...
「悪魔でいいよ。サーシャを、この世界を守れるなら、神も大...
目と目が合う。
サーシャの瞳はこれ以上ないほど潤み、頬が上気している。
気付いた時には、唇を合わせていた。
それは、エルフにとって契約の証。
唇を合わせた者と添い遂げるという、契約の証だった。
「契約の証…ずるい、やっぱり悪魔だわあなた…」
「いやなら破棄しちゃえばいいよ。ガンダールヴも契約も、大...
「じゃあ、私の意志を返してよ。この悪魔め…」
「イヤだね。自分で取り返せばいいじゃない」
「ばかっ…」
今度はサーシャから、ブリミルの唇を奪う。
その勢いで、二人はベッドにもつれ込む。
二人はベッドの上で何度も何度も、契約を交わした。
ベッドの上でサーシャの白い裸体が、明かりの消えた薄暗いテ...
白い肢体は均整が取れていて、余計な脂肪は一切ない。
ただ、女性を主張する部分にはしっかりと脂肪がついていた。
「こういうところは人間と一緒なんだね」
「…なんでこんな時までそんなの観察してんのよ、ばか」
覆いかぶさりながら自分の身体を観察する悪魔を、サーシャは...
ブリミルは軽く笑うと、サーシャの、男にとって最も魅力的な...
白い丘の頂でぷっくりと膨らんだ、桃色の真珠。
「あっ…」
肌に刻まれる契約に、サーシャの喉が踊る。
ブリミルはその声に気をよくすると、今度は空いたもう片方の...
あくまで優しく、丁寧に、その肉の塊をもみほぐす。
その刺激に反応して、サーシャの先端が硬くなってくる。
「はぁ、あ…悪魔、悪魔だわ…こんなの…」
契約より先の行為には、悪魔が潜むと大いなる意思の教えには...
その先の行為は、甘美な誘惑のみが存在し、溺れれば即ち堕落...
サーシャには、その意味が今こそ痛いほど判っていた。身をも...
「あ、あ、あ、だめ、だめになるっ…!わたしが、だめになっち...
胸だけで違う世界に行きそうになりながら、ベッドの上でサー...
しかし。
その手前で、ブリミルは手を止める。
「…え?や…だ、なんでやめるの…?」
不意に離れた温もりに、サーシャは顔を上げる。
すると。
立てられた膝の間。
一番女性として大事な、子作りの場所を、ブリミルが注視して...
「や、やだ、何見てんのよ!」
「とろとろだね」
サーシャの怒声にもめげず、ブリミルは観察結果を述べる。
サーシャのそこは、行為を受け入れるための粘液を、惜しげも...
そして、牡を受け入れるべく、ひくひくと蠢いていた。
「こんなになってるってことは、感じてるんだサーシャ?」
「ち、ちちち違う!感じてなんか!」
「へーえ?じゃあこれはなんだろね?」
ぐちゅ!
「ひ!」
すさまじい快楽の電流と共に、濡れそぼった女性器にブリミル...
それだけで、サーシャの意識は軽く暗転した。
ぐちゅぐちゅ。
とろとろに融けたサーシャを、ブリミルの指が出入りする。
その度に淫らな水音が響き、サーシャがどうしようもなく感じ...
「エルフって敏感なんだね。マギ族はこんなにならないって本...
「だ、から、こんな、あくま、あくまなのにぃっ!」
堕ちる。堕ちていく。
ブリミルの行為に、サーシャは身も心も解けかけていた。
そして。
「あっあっあっあっあっ!だ、だめ、だめぇ、これ以上、や、...
ぶちゅ…。
サーシャの絶頂の直前。
糸すら引いて、ブリミルの指がサーシャから引き抜かれる。
まるで名残惜しいと言わんばかりにサーシャの腰が動き、指の...
「え…や…なんでぇ…やだぁ…」
さきほどより高い絶頂の直前で放り出され、涙と涎で顔をぐち...
ブリミルは、普段のしかえしとばかりに、にっこり笑って言っ...
「だってやだって言ったじゃない、サーシャはさ」
「え…」
「嫌がってることを人にするのはよくないって大いなる意思は...
「だ、だけどっ…」
「サーシャがして欲しいことを言わなきゃ、僕は何もできない...
言いながら、手に絡みついたサーシャの蜜を見せ付けるように...
心が折れる。折れていく。
「鬼、悪魔っ…!」
「悪魔でいいよ。悪魔らしいやり方で、やらせてもらうよ」
「…ばか、へんたい…」
「そ、それはさすがに…」
完全に折れたエルフの娘は。
真っ赤になりながら、蛮人に向けて足を開いて。
「して。してほしいの…。いっぱい、してほしいの…」
おねだりを、した。
桜色に染まった肌が、美しい均整の取れた肌に艶を沿え、発情...
そして。
引き締まった足の間で、真っ赤に充血し、まるで食虫植物のよ...
あまりに扇情的な光景に、ごくり、とブリミルの喉が鳴る。
そのままブリミルはサーシャに覆いかぶさる。
「サーシャ。いいんだね?」
「うん。でも、やさしくして…。しないと怒る…」
「約束するよ。全身全霊で優しくする」
「嘘ついたら嫌いになるから…」
言って、サーシャの方から抱きついて、最後の『契約』をする。
それを合図に、ブリミルは己の剣でサーシャを貫いた。
ずずずず…ぶちぃ!
ゆっくりとだが確実に。
ブリミルの牡が、サーシャの処女膜を突き破る。
しかし、サーシャは痛みを訴えない。
目を閉じ、痛みと襲い来る快感に耐えている。
「痛い?」
「きかないでよっ…ばかぁっ…」
「ごめん。痛いんだね…じゃあこのまま…」
一番奥で動きを止め、行き止まりでぐりぐりと腰を動かす。
その瞬間、サーシャの視界に、虹が走る。
「ひっ!だめっ、それだめっ!」
「え?ご、ごめん痛かった?」
「ちあうの、へんに、なるのっ…!」
きゅ、とブリミルに抱きつき、訴える。
それが痛みからでないと確信したブリミルは。
ぐにゅ。
「ひぃぃ!」
先ほどと同じように、腰を捻ってサーシャに刺激を与える。
「へんになっちゃうくらいキモチイイんだ?ねえ?」
「やだぁっ、ひ!こんな、こんなのぉ!」
必至にブリミルに抱きつき、トんでいきそうな快感にサーシャ...
処女とは思えないほどの感じようだった。
確かに、エルフという種族の特質かもしれなかったが。
ブリミルは、思ったことを口にする。
「初めてなのにこんなに感じるなんて、エルフって意外と淫乱...
「ちがっ、ばんじんのっ、くせにぃ、ひぃ!」
「ああ、エルフがじゃなくてサーシャが?サーシャが淫乱で変...
「やぁ!ひぁ!ちがっ、あくまっ、あくまぁっ!」
言葉で責めると、きゅうきゅうとサーシャのそこはブリミルを...
どうやらこの娘は、言葉で責められると弱いようだ。
「悪魔でいいよ。こんな可愛いサーシャが見れるなら、僕は悪...
「やぁ!かわい、とか、いっちゃやらぁ…!」
優しい言葉にサーシャの膣がきゅうううう、とよりきつくブリ...
彼女には、責めるより、甘い言葉がよく効く。
ならば、弱点を責めるまで。
ブリミルはサーシャの長い耳の傍で、優しく言葉を囁く。
「いくらでも言ってあげる。サーシャは可愛い。すっごい可愛...
「いやぁ!こんなぁ!わたしぃ、だめぇ、だめになるのぉ!ひ...
サーシャの中がびくびくと痙攣を始める。
絶頂の前触れだ。
ブリミルはさらにきつく、サーシャの奥を押し込む。
ぐに!
「ひ、いく、いっちゃう、だめぇぇぇぇーーーーーーーーーー...
「くっ、僕ももうだめだっ…!」
きゅうううううううーっ!
どくどくどくどくっ…!
サーシャの最後の締め付けに、ブリミルはありったけの子種を...
目を醒ますと。
バカ面でぐがぐがと、ブリミルが隣で眠っていた。
思わず拳でブン殴りそうになり…サーシャは思いとどまる。
そして拳の代わりに、その間抜け面の頬にキスをする。
「悪魔め」
その言葉とは裏腹に、彼女の顔は優しい笑顔で、慈愛に満ちて...
「エルフと人間の交わり…か」
可能性としては悪くない。
数の少ない種族同士で、交配できれば、数を増やすのも可能。
確かに純粋さは失われるが。
世界は常にそうやって、姿かたちを変えるのだと、大いなる意...
「私たちがその最初になれるのかな…」
言って、隣でぐがぐが眠る主人を見下ろす。
サーシャは彼を起こさないようそっとベッドを降りる。
そして、服を着こむと。
昨日作った花輪を、そっとブリミルの胸板の上に置いた。
「とりあえず、それが契約の証よ。逃げたら承知しないからね」
まだ眠りの中にいるブリミルに背を向けて、テントから出て行...
ちょうど、朝日が昇るところだった
サーシャの目に、その朝日はどんな宝石よりも美しく映った。
「きれい…」
六千年前のガンダールヴは、真の契約を果たして変わり始めた...
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