ゼロの使い魔保管庫
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せかんど・バージン1話.『愛は暗闇の中で』(6) ぎふと氏
#br
頭がぼうっとする。体がふわふわする。なんだろう、この感...
サイトが何か言ってる。え、なにを言ってるの?
泣いてる? 私が?
そんなわけないじゃない。
涙なんて出るはずない。だってこんなに幸せなんだもの。
いまの私ね、すっごく幸せなの。
だってサイトがそばにいてくれるから。
サイトが好きって言ってくれるから。
私はサイトの特別なの。たった一人だけの特別。
だから他の子は見ないでね? 私だけ見ていてね?
よそみなんてしないで。どこにも行かないで。離れていかな...
ね、サイト。もし……。
もし私が好きって言ったら……。
どこにも行かないでくれる? ずっとそばにいてくれる?
+ + +
「……ルイズ?」
ルイズの尋常ならぬ様子に、ようやく才人は気がついた。
その頬に触れると、ぐっしょりと涙で濡れている。
ぼんやり見開かれたルイズの鳶色の瞳からは、次から次へと...
「なんだよ、お前どうしちゃったんだよ」
才人はルイズの肩に手をおいてゆさぶった。ところがルイズ...
その手に、濡れて張りついた髪の感触をみとめて、心臓が止...
……いつから? いつからルイズはこんなふうに?
考えるまでもない。心当たりは一つしかない。
ルイズの口がふたたび開く。
「私……私……」
「どうした?」
少しでも優しく届くようにと、そう祈りながら尋ねる。
「私ね……サイトのことが……」
続く声はなかった。
ルイズはなにか恐ろしい物を振り払うように首をふった。た...
「いいから……、もうそれ以上言うな」
泣き続けるルイズの頭を抱きしめた。
涙がひんやりと才人の胸を濡らす。それが自分を責めている...
(当たり前だよな。それだけのことをしたんだから……)
初めて体を許した相手が、好きな男が、行為の真っ最中に別...
胸に触れた時、その記憶が一気に蘇ってきたのだろう。
(……でも、だったらどうしろって言うんだよ?)
まだ謝り足りないっていうのか? たくさん謝ればどうなる...
信じてもらうほかない。俺が好きなのはルイズ、お前だけだ...
ルイズだけだ、何度もまっすぐにそう告げている。他の誰で...
……なぜ? どうして?
「サイト、サイト……」
ルイズがうわ言のように繰り返している。
「聞いて、私ね……」
ぜんまい仕掛けの人形のように、同じ言葉を繰り返す。何度...
もはやどう声をかけていいのかわからなかった。
こんなルイズ、とても見ていられない。
俺の知ってるルイズはこんなんじゃない。
魔法を使えなくとも、毅然としてゴーレムに立ち向かってい...
殺されるのを承知で、堂々とトリステインからの使者だと名...
どんな時でも敢然と立ち向かうのがお前じゃなかったのかよ...
+ + +
才人はゆらりとベッドから立ち上がった。そしてルイズを見...
「おい、ぺったんこ! ぺったんこのご主人様! ったくいつ...
びくっとルイズは顔を上げた。涙でぐしょぐしょになった顔...
心の内にあるなにかが止めようとするのを振り切って、さら...
「だいたいお前、貴族なんだろ? ならもっと胸張れっての!...
ルイズの体が震えを帯びた。それは段々と激しくなった。そ...
「……な、ななな……」
甘さの欠片もない、しっかりと意思を帯びた声がルイズの口...
「なな、なにがぺったんこよ。どどどうせ、張るほどないわよ...
それは実に見慣れたルイズの姿と声だった。とたん安堵の気...
ルイズは手でぐいっと自分の顔をぬぐった。
「泣きたいのは私だわよ。あんたと一緒にしないで。あんたな...
それ以上言うことができずに、ルイズは悔しげに顔をゆがめ...
その瞬間、才人は理解した。自分とルイズの間に立ちはだか...
その名は『胸』。
魅了の魔法を操るモンスターだ。正直に言えばその魔法に抗...
男ならたとえ心を殺してでも立ち向かわねばならぬ時がある。
才人は意を決して窓へと手を伸ばした。それを覆う厚いカー...
赤と白。ハルケギニアの二つの月の光が美しいハーモニーと...
+ + +
差し込んできた月光を避けるように、ルイズは身を小さくし...
才人はそんなルイズのもとにまっすぐ近寄ると、その両手首...
「な、なによ、バカ! なにすんのよ!」
「うっせえよ。俺はね、怒ってんの」
「なんで、なんで私が怒られなくちゃならないのよっ! 怒る...
叫びながらルイズは才人の股間めがけて蹴りをいれようとし...
両足を大きく開かれて、ルイズの足はむなしく空を切った。...
才人はまっすぐにルイズの目を見つめた。目の前のたっぷり...
声に怒りを含ませて、才人は言った。
「おい、ルイズ」
「な、なによ……」
「覚えとけ。お前がいくら逃げたって、俺は諦めねーからな。...
ひくっ、とルイズの喉から声が漏れた。
「う、嘘言わないでよ……。信じないんだから」
「じゃあ、証拠みせてやるよ」
そう言って才人はルイズの胸に顔を落とすと、その突起をそ...
しばらくの間ルイズは体をよじって抵抗していたが、少しず...
上目づかいにその表情を盗みみた。その目は涙ですっかり赤...
腰を動かして自分の物をルイズに押しつけた。そこはしっと...
すると腹の底から熱い固まりがこみあげて、苦しくてどうし...
「ルイズ、あのさ」
つかんでいた手首を離しても、もうルイズは逃げなかった。...
「その顔……その感じてる顔」
穏やかな声で、ルイズに教えてやる。
なんで好きな子の胸が特別かってことを。
「それが究極のマジックアイテムなの。好きな子のそういう顔...
+ + +
今度こそ本当に幸せな気持ちで、ルイズは目をつむった。
ずっと探し続けていた才人の気持ち、それを少しだけ見つけ...
そして自分の中の気持ちも……。
それを伝えるのは簡単なことだ。でも、まだ心の中にしまっ...
いずれ才人は帰る方法を見つけるだろうから。その時にこそ...
それまでは、チャームの魔法をかけ続けよう。
自分しか目に入らなくなるように、その魔法をかけ続けよう…...
+ + +
「でも本当なんだなあ」
ルイズの胸をもてあそびながら、才人は呟いた。
「ちっちゃい方が感じやすいって……。やっぱあれかな。観賞用...
「……鑑賞用?」
はっと才人の手が止まる。その口から乾いた笑いが漏れた。
「はは、だってほら。胸ってのは2種類あるんだよ。好きな子...
「そう……つまり私のは鑑賞には値しないって、そう言いたいの...
「ま、まさか。あ、ほら。男を知ると胸でっかくなるっていう...
ルイズの瞳がぐっと才人をにらみつける。その瞬間、究極の...
(ああ、俺ってばなんて正直なんだろう……)
やっぱ勇者ってのは、正直者って相場が決まってるんだよな...
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せかんど・バージン1話.『愛は暗闇の中で』(6) ぎふと氏
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頭がぼうっとする。体がふわふわする。なんだろう、この感...
サイトが何か言ってる。え、なにを言ってるの?
泣いてる? 私が?
そんなわけないじゃない。
涙なんて出るはずない。だってこんなに幸せなんだもの。
いまの私ね、すっごく幸せなの。
だってサイトがそばにいてくれるから。
サイトが好きって言ってくれるから。
私はサイトの特別なの。たった一人だけの特別。
だから他の子は見ないでね? 私だけ見ていてね?
よそみなんてしないで。どこにも行かないで。離れていかな...
ね、サイト。もし……。
もし私が好きって言ったら……。
どこにも行かないでくれる? ずっとそばにいてくれる?
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「……ルイズ?」
ルイズの尋常ならぬ様子に、ようやく才人は気がついた。
その頬に触れると、ぐっしょりと涙で濡れている。
ぼんやり見開かれたルイズの鳶色の瞳からは、次から次へと...
「なんだよ、お前どうしちゃったんだよ」
才人はルイズの肩に手をおいてゆさぶった。ところがルイズ...
その手に、濡れて張りついた髪の感触をみとめて、心臓が止...
……いつから? いつからルイズはこんなふうに?
考えるまでもない。心当たりは一つしかない。
ルイズの口がふたたび開く。
「私……私……」
「どうした?」
少しでも優しく届くようにと、そう祈りながら尋ねる。
「私ね……サイトのことが……」
続く声はなかった。
ルイズはなにか恐ろしい物を振り払うように首をふった。た...
「いいから……、もうそれ以上言うな」
泣き続けるルイズの頭を抱きしめた。
涙がひんやりと才人の胸を濡らす。それが自分を責めている...
(当たり前だよな。それだけのことをしたんだから……)
初めて体を許した相手が、好きな男が、行為の真っ最中に別...
胸に触れた時、その記憶が一気に蘇ってきたのだろう。
(……でも、だったらどうしろって言うんだよ?)
まだ謝り足りないっていうのか? たくさん謝ればどうなる...
信じてもらうほかない。俺が好きなのはルイズ、お前だけだ...
ルイズだけだ、何度もまっすぐにそう告げている。他の誰で...
……なぜ? どうして?
「サイト、サイト……」
ルイズがうわ言のように繰り返している。
「聞いて、私ね……」
ぜんまい仕掛けの人形のように、同じ言葉を繰り返す。何度...
もはやどう声をかけていいのかわからなかった。
こんなルイズ、とても見ていられない。
俺の知ってるルイズはこんなんじゃない。
魔法を使えなくとも、毅然としてゴーレムに立ち向かってい...
殺されるのを承知で、堂々とトリステインからの使者だと名...
どんな時でも敢然と立ち向かうのがお前じゃなかったのかよ...
+ + +
才人はゆらりとベッドから立ち上がった。そしてルイズを見...
「おい、ぺったんこ! ぺったんこのご主人様! ったくいつ...
びくっとルイズは顔を上げた。涙でぐしょぐしょになった顔...
心の内にあるなにかが止めようとするのを振り切って、さら...
「だいたいお前、貴族なんだろ? ならもっと胸張れっての!...
ルイズの体が震えを帯びた。それは段々と激しくなった。そ...
「……な、ななな……」
甘さの欠片もない、しっかりと意思を帯びた声がルイズの口...
「なな、なにがぺったんこよ。どどどうせ、張るほどないわよ...
それは実に見慣れたルイズの姿と声だった。とたん安堵の気...
ルイズは手でぐいっと自分の顔をぬぐった。
「泣きたいのは私だわよ。あんたと一緒にしないで。あんたな...
それ以上言うことができずに、ルイズは悔しげに顔をゆがめ...
その瞬間、才人は理解した。自分とルイズの間に立ちはだか...
その名は『胸』。
魅了の魔法を操るモンスターだ。正直に言えばその魔法に抗...
男ならたとえ心を殺してでも立ち向かわねばならぬ時がある。
才人は意を決して窓へと手を伸ばした。それを覆う厚いカー...
赤と白。ハルケギニアの二つの月の光が美しいハーモニーと...
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差し込んできた月光を避けるように、ルイズは身を小さくし...
才人はそんなルイズのもとにまっすぐ近寄ると、その両手首...
「な、なによ、バカ! なにすんのよ!」
「うっせえよ。俺はね、怒ってんの」
「なんで、なんで私が怒られなくちゃならないのよっ! 怒る...
叫びながらルイズは才人の股間めがけて蹴りをいれようとし...
両足を大きく開かれて、ルイズの足はむなしく空を切った。...
才人はまっすぐにルイズの目を見つめた。目の前のたっぷり...
声に怒りを含ませて、才人は言った。
「おい、ルイズ」
「な、なによ……」
「覚えとけ。お前がいくら逃げたって、俺は諦めねーからな。...
ひくっ、とルイズの喉から声が漏れた。
「う、嘘言わないでよ……。信じないんだから」
「じゃあ、証拠みせてやるよ」
そう言って才人はルイズの胸に顔を落とすと、その突起をそ...
しばらくの間ルイズは体をよじって抵抗していたが、少しず...
上目づかいにその表情を盗みみた。その目は涙ですっかり赤...
腰を動かして自分の物をルイズに押しつけた。そこはしっと...
すると腹の底から熱い固まりがこみあげて、苦しくてどうし...
「ルイズ、あのさ」
つかんでいた手首を離しても、もうルイズは逃げなかった。...
「その顔……その感じてる顔」
穏やかな声で、ルイズに教えてやる。
なんで好きな子の胸が特別かってことを。
「それが究極のマジックアイテムなの。好きな子のそういう顔...
+ + +
今度こそ本当に幸せな気持ちで、ルイズは目をつむった。
ずっと探し続けていた才人の気持ち、それを少しだけ見つけ...
そして自分の中の気持ちも……。
それを伝えるのは簡単なことだ。でも、まだ心の中にしまっ...
いずれ才人は帰る方法を見つけるだろうから。その時にこそ...
それまでは、チャームの魔法をかけ続けよう。
自分しか目に入らなくなるように、その魔法をかけ続けよう…...
+ + +
「でも本当なんだなあ」
ルイズの胸をもてあそびながら、才人は呟いた。
「ちっちゃい方が感じやすいって……。やっぱあれかな。観賞用...
「……鑑賞用?」
はっと才人の手が止まる。その口から乾いた笑いが漏れた。
「はは、だってほら。胸ってのは2種類あるんだよ。好きな子...
「そう……つまり私のは鑑賞には値しないって、そう言いたいの...
「ま、まさか。あ、ほら。男を知ると胸でっかくなるっていう...
ルイズの瞳がぐっと才人をにらみつける。その瞬間、究極の...
(ああ、俺ってばなんて正直なんだろう……)
やっぱ勇者ってのは、正直者って相場が決まってるんだよな...
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