ゼロの使い魔保管庫
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ともだち せんたいさん
#br
「ちょっと、相談があるんですけど…」
そう言って、洗濯を終えたシエスタに突然話しかけてきたのは...
何かちょっと思いつめた顔をしている。
…まさか。
最悪のケースを想像し、少し青くなるシエスタ。
『生理が、きてないんです…』
私ですら危ない日は自重してるのに!だから世間知らずの娘っ...
とか余計な妄想に頭を膨らませていたが、続くティファニアの...
「あ、あの、タニアの事なんだけど」
「え?タニアさん?」
意表を突かれてシエスタは間抜けにそう返してしまう。
タニアとは、ティファニアがウエストウッドで面倒を見ていた...
ウエストウッドに取り残される事になった孤児たちを女王が引...
結構なしっかり者で、料理から掃除から何をやらせても人並み...
実際シエスタも、働き者の新人が入った、との噂を聞き、彼女...
「あ、あの、最近タニア、男の子と付き合い始めたみたいで、...
ははーん。なるほど。
シエスタは理解した。
ティファニアは、元保護者として、タニアの事を気にかけてい...
そして、そのタニアに男が出来た、となれば。
それが気になるのも致し方ない。
シエスタは、そんなタニアの元保護者に、聞いた噂のすべてを...
「そうですねえ。彼女、なんだかすごくモテてるみたいですよ」
「え?」
「特に、年の近い貴族の男の子に人気みたい。もう既に何人か...
「そ、そうなの?」
「でも、彼女全部断ったんですって。貴族のメイドの方が学院...
「そうなんだ…」
ティファニアはそれを聞いて、安心したような、困惑したよう...
タニアの意図が理解できないからだった。
タニアはかなりの現実主義者で、ロマンスなんかよりもお金が...
そのタニアがそれをしないという事は。
「ひょっとすると、意中の子がいるのかもしれませんね」
そうなのか。そうだったのか。
だとすると、自分にできる事は…。
その意中の相手を品定めして、タニアに相応しいかどうか…。
「あ、忠告しておきますけど、相手を品定めしようとか思わな...
「え?え?」
「分かってるでしょ。人を好きになるのに理由なんか関係ない...
最後にティファニアを諭し、それじゃ仕事がありますから、と...
ティファニアはぽかん、とその場に立ち往生。
確かにシエスタのいう事にも一理ある。
「でも、やっぱり気になるから一言言っておこうかしら…」
しかし結局その一理は届いていないようだった。
そしてタニアの部屋。
「…で何の用なわけ?テファお姉ちゃん」
不機嫌そうなタニアが、ティファニアを出迎えた。
まあ巣立った娘からしてみれば、いつまでも母親が様子を見に...
「あ、あのね?そのね?ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
もじもじしながらそう言うティファニアに。
「はいはい男の子だったら仲良くしてるの数人いるけどまだ特...
ちなみに『メイドにならないか』とか言ってきたのはハナか...
友達から、とか言ってきた子だけ限定だからお姉ちゃんの考...
タニアは矢継ぎ早にそう言って。
「で、聞きたいことって何?」
「あ、あう…。
も、もういいです…」
先手を打たれたティファニアはしょぼん、となって帰ってしま...
…まあ実際のハナシ、男作ろうかとも思ったことはあったけど。
中庭をからっぽの洗濯物籠を持って歩きながら、タニアは思っ...
…面倒見なきゃいけない子ができちゃったから、そういうわけに...
彼女が向かっているのは女子寮。今から一年生の部屋を回り、...
すると、前方の女子寮の入り口から、長い金髪のツインテール...
「捜しましたわよタニアさん!」
「今仕事で忙しいんだけどベアちゃん」
彼女の名前はベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クルデンホル...
彼女は決して認めようとしないが、タニアとは友達のように仲...
周囲からはもうすでに『親友』とまでにカテゴライズされるほ...
「だからその呼び名はやめなさいとあれほど!」
ベアトリスはその馴れ馴れしい呼び名が好きではなかった。
実はほんのちょっとだけ、その呼び方をされると背筋がくすぐ...
「え〜。いいじゃん親友なんだしさあ」
「え、し、し、しし親友って!そ、そんなのにした覚えはなく...
て、ていうか平民のくせに公女たる私と友になれるなどと」
「冷たいヤツだな。じゃあ嫌いになっちゃうぞ」
思わず放った言葉に、タニアの口調が冷たくなる。
勿論演技なのだが、それを見抜けるほどベアトリスに人生経験...
思わず軽く泣きそうになってしまい、半分取り乱しながら言い...
「え。あ、あう。
えー、あー、その。オホン。ま、まあ百歩譲って友達はよし...
「いいじゃんベアちゃんはベアちゃんだし。何?違うのがいい...
「ちゃんと普通にお呼びなさいな!」
ベアトリスの指摘に、タニアは顎に手をあて。
「ふんじゃあこういうのはどうだ。
『ヴィヴィおねえさまぁ』」
ぼふん!と音を立てそうな勢いで甘い声でそう呼ばれたベアト...
「あああああああああなたああなた何考えてるのっ!わわわわ...
「…声震えてるぞベアちゃん。ひょっとしてちょっと感じちゃっ...
「たたたたたタニアさーーーーーーんっ!」
「あははー。ベアちゃんが怒った〜」
思わず両腕を振り上げてタニアに殴りかかろうとするベアトリ...
洗濯籠を抱えたまま、そんな親友から逃げ回るタニア。
そして、逃げ回りながら考える。
そうよね。まだ男とか早いよね。
…この、どうしようもない高慢ちきなトモダチに、彼氏が出来て。
その彼氏の品定めを済まして、それよりいいのを引っ掛けるま...
男はいらないかな、そう思うタニアだった。〜fin
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ともだち せんたいさん
#br
「ちょっと、相談があるんですけど…」
そう言って、洗濯を終えたシエスタに突然話しかけてきたのは...
何かちょっと思いつめた顔をしている。
…まさか。
最悪のケースを想像し、少し青くなるシエスタ。
『生理が、きてないんです…』
私ですら危ない日は自重してるのに!だから世間知らずの娘っ...
とか余計な妄想に頭を膨らませていたが、続くティファニアの...
「あ、あの、タニアの事なんだけど」
「え?タニアさん?」
意表を突かれてシエスタは間抜けにそう返してしまう。
タニアとは、ティファニアがウエストウッドで面倒を見ていた...
ウエストウッドに取り残される事になった孤児たちを女王が引...
結構なしっかり者で、料理から掃除から何をやらせても人並み...
実際シエスタも、働き者の新人が入った、との噂を聞き、彼女...
「あ、あの、最近タニア、男の子と付き合い始めたみたいで、...
ははーん。なるほど。
シエスタは理解した。
ティファニアは、元保護者として、タニアの事を気にかけてい...
そして、そのタニアに男が出来た、となれば。
それが気になるのも致し方ない。
シエスタは、そんなタニアの元保護者に、聞いた噂のすべてを...
「そうですねえ。彼女、なんだかすごくモテてるみたいですよ」
「え?」
「特に、年の近い貴族の男の子に人気みたい。もう既に何人か...
「そ、そうなの?」
「でも、彼女全部断ったんですって。貴族のメイドの方が学院...
「そうなんだ…」
ティファニアはそれを聞いて、安心したような、困惑したよう...
タニアの意図が理解できないからだった。
タニアはかなりの現実主義者で、ロマンスなんかよりもお金が...
そのタニアがそれをしないという事は。
「ひょっとすると、意中の子がいるのかもしれませんね」
そうなのか。そうだったのか。
だとすると、自分にできる事は…。
その意中の相手を品定めして、タニアに相応しいかどうか…。
「あ、忠告しておきますけど、相手を品定めしようとか思わな...
「え?え?」
「分かってるでしょ。人を好きになるのに理由なんか関係ない...
最後にティファニアを諭し、それじゃ仕事がありますから、と...
ティファニアはぽかん、とその場に立ち往生。
確かにシエスタのいう事にも一理ある。
「でも、やっぱり気になるから一言言っておこうかしら…」
しかし結局その一理は届いていないようだった。
そしてタニアの部屋。
「…で何の用なわけ?テファお姉ちゃん」
不機嫌そうなタニアが、ティファニアを出迎えた。
まあ巣立った娘からしてみれば、いつまでも母親が様子を見に...
「あ、あのね?そのね?ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
もじもじしながらそう言うティファニアに。
「はいはい男の子だったら仲良くしてるの数人いるけどまだ特...
ちなみに『メイドにならないか』とか言ってきたのはハナか...
友達から、とか言ってきた子だけ限定だからお姉ちゃんの考...
タニアは矢継ぎ早にそう言って。
「で、聞きたいことって何?」
「あ、あう…。
も、もういいです…」
先手を打たれたティファニアはしょぼん、となって帰ってしま...
…まあ実際のハナシ、男作ろうかとも思ったことはあったけど。
中庭をからっぽの洗濯物籠を持って歩きながら、タニアは思っ...
…面倒見なきゃいけない子ができちゃったから、そういうわけに...
彼女が向かっているのは女子寮。今から一年生の部屋を回り、...
すると、前方の女子寮の入り口から、長い金髪のツインテール...
「捜しましたわよタニアさん!」
「今仕事で忙しいんだけどベアちゃん」
彼女の名前はベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クルデンホル...
彼女は決して認めようとしないが、タニアとは友達のように仲...
周囲からはもうすでに『親友』とまでにカテゴライズされるほ...
「だからその呼び名はやめなさいとあれほど!」
ベアトリスはその馴れ馴れしい呼び名が好きではなかった。
実はほんのちょっとだけ、その呼び方をされると背筋がくすぐ...
「え〜。いいじゃん親友なんだしさあ」
「え、し、し、しし親友って!そ、そんなのにした覚えはなく...
て、ていうか平民のくせに公女たる私と友になれるなどと」
「冷たいヤツだな。じゃあ嫌いになっちゃうぞ」
思わず放った言葉に、タニアの口調が冷たくなる。
勿論演技なのだが、それを見抜けるほどベアトリスに人生経験...
思わず軽く泣きそうになってしまい、半分取り乱しながら言い...
「え。あ、あう。
えー、あー、その。オホン。ま、まあ百歩譲って友達はよし...
「いいじゃんベアちゃんはベアちゃんだし。何?違うのがいい...
「ちゃんと普通にお呼びなさいな!」
ベアトリスの指摘に、タニアは顎に手をあて。
「ふんじゃあこういうのはどうだ。
『ヴィヴィおねえさまぁ』」
ぼふん!と音を立てそうな勢いで甘い声でそう呼ばれたベアト...
「あああああああああなたああなた何考えてるのっ!わわわわ...
「…声震えてるぞベアちゃん。ひょっとしてちょっと感じちゃっ...
「たたたたたタニアさーーーーーーんっ!」
「あははー。ベアちゃんが怒った〜」
思わず両腕を振り上げてタニアに殴りかかろうとするベアトリ...
洗濯籠を抱えたまま、そんな親友から逃げ回るタニア。
そして、逃げ回りながら考える。
そうよね。まだ男とか早いよね。
…この、どうしようもない高慢ちきなトモダチに、彼氏が出来て。
その彼氏の品定めを済まして、それよりいいのを引っ掛けるま...
男はいらないかな、そう思うタニアだった。〜fin
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