ゼロの使い魔保管庫
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犬竜的日常 スカトロ編 [[205]]氏
・注意!
このSSには、小学生レベルの下ネタが含まれます。
#br
魔法学院学生寮の物陰に座り込み、才人は一人悩んでいた。
今日の朝、食堂で、ルイズの誕生日が近づいてきたが、プレ...
とギーシュから聞かれたためである。
用意もなにも、そのとき初めてその事実を知ったため、才人...
(ああそうか、それでルイズの奴、なんか最近そわそわしてや...
まずい展開である。才人は動転しつつも、近いってどのぐら...
そしたら、
「何だ知らないのか、もう一週間後だぞ」
という答えが返ってきたので、思わずギーシュの色男面を殴...
その後彼と殴り合いをしてシュヴルーズに説教食らったりし...
「参ったなあ、何買ったらいいのか分からんし、そもそも何か...
騎士としての年金は、いろいろあって使い果たしてしまって...
格好悪い気がして、そのことをルイズに伝えてはいない。
彼女のことだから間違いなく「支給された給料でわたしへの...
う」と決めつけているだろうし、ここ最近のどことなくそわそ...
出すに、
「サイトったら、わたしを驚かせるためにわざと誕生日のこと...
だとか、
「敬愛するご主人さまであるわたしへの、初めてのプレゼント...
ものに違いないわ。そうでなかったら蹴る。砕く。すり潰す」
だのと考えているに違いない。
(えらいこっちゃ)
思わず股間を押さえて顔をしかめながら、才人は必死に打開...
(どうする、誰かに金借りるか?)
頭に浮かぶ友人たちの顔。
ティファニア。普通に金がないし、あったとしても彼女から...
ギーシュ、モンモランシー。ダメだ奴等の実家は貧乏だ、ル...
のプレゼントを買える金を、貸してくれるとは思えない。
タバサ。ダメだ、国から追われてる身の女の子から金を借り...
間のやることじゃねえ。
キュルケ。確か先生に珍しい実験材料貢いでるって噂がある...
ないだろう。
シエスタ。ある程度は持ってそうだがさほど大金ではないだ...
借りたら「10倍にして返してやんよ」とか言って競馬でスッカ...
な気分になるのは間違いない。無理。
マリコルヌ。論外。奴に金なんか借りたら人間として終わり...
(参ったなあ、他に頼めそうな奴なんか)
「あれ、サイトじゃないか」
少し驚いた声に顔をあげると、そこに眼鏡をかけたやせ形の...
友人であり、主に水精霊騎士隊の経理を担当している真面目な...
「おお、レイナールか」
「なにやってるんだい、こんなところで」
不審そうに眼を細める彼に事情を説明しようとしたところで...
(そうだ、こいつに借りればいいじゃん)
堅実そうなレイナールならそこそこ金を持ってそうだし、真...
そう踏んで、才人はレイナールに事情を説明した。
「……というわけで、金を貸してくれないか」
「……サイト」
レイナールは、暗い表情で眼鏡を押し上げた。
「悪いことは言わないから、人から金を借りるのだけはやめて...
「え?」
「僕の親戚の話なんだがね。家の金を家族に無断で使い込んだ...
くって利子が膨らんでとうとう破産して、最後は魔法実験の実...
竜の餌に」
「分かった、もうその辺にしておいてくれ」
聞いている内に気が滅入ってきたので、才人は無理矢理レイ...
息を吐く。
「お前もダメか。となると、どうするかなー」
唸る才人を見て、レイナールがまた眼鏡を押し上げた。
「別に、人から借りなくてもいいだろう」
「と言うと?」
「労働せよ、ということさ。そうだな、君の場合腕っ節が強い...
「時間はあと一週間しかないんだぜ?」
「ふむ。それなら魔物退治なんかはどうだい? 近くにオーク...
ください、なんて話は、辺境の村なら結構あると思うが。まあ...
「それだ!」
才人は話の途中で駆け出していた。なにせ時間はないのだ、...
そして六日後。才人は野菜がいっぱいに詰まった籠を抱えて...
「どういうことだ!」
「そう言われても」
水精霊騎士隊の詰め所に怒鳴り込むと、中にいたレイナール...
「なんでそんなにたくさん野菜ばっかり持ってきたんだね? ...
言ってないが」
「バカ野郎お前、この6日間で俺がどんだけの数のオーク鬼切...
100や200じゃ数え切れんぜ!?」
「さすがアルビオン戦役の英雄、噂に違わぬ大活躍だね」
「おうともよ。群がるオーク鬼を千切っては投げ千切っては投...
なんでそんな苦労した報酬が野菜なんだよ!?」
「だから、そういうのは実際あまり金にはならない、と六日前...
貧しい村だったんだね」
「そうなんだよ。ありがとうごぜえますありがとうごぜえます...
婆ちゃんが目に涙溜めてお礼言いながらこれ差し出すもんだか...
らねえから金出せ』とは言えなくてよ」
「それ言ったらマリコルヌ以下だぜ君は」
「だから言えなかったんだよ」
「しかし野菜か……金にはなりそうもないな」
「そうなんだ……しかも試しに食ってみたらやたらうまくて、尚...
「万策尽きたねこれは」
「そんな! このままじゃすり潰されちまうよ!」
「何を」
才人は頭を抱えてその場に蹲る。レイナールの言うとおり、...
「こうなったら、何か売るしかないな」
「売る?」
レイナールの言葉に、才人は顔を上げる。経理担当の友人は...
がら重々しくうなづいた。
「君もシュヴァリエで、いろいろ功績立ててる身だ。なにか、...
てないかい?」
「いや、これといって何も」
才人は即座にそう答える。こんなことだけは頭を捻らなくて...
が少し悲しい。
「うむ、そうだな、それなら」
顎に手をやって難しげな顔で考え込んでいたレイナールが、...
に指を鳴らした。
「そうだ、竜だ」
「竜?」
「うむ。竜の体の一部ってのは、結構な高値で売れるんだ。わ...
レイナールの瞳が、眼鏡のレンズ越しに煌めく。才人は即座...
「そうか、シルフィードに頼んで何か分けてもらえばいいんだ...
「そういうこと。ただ、僕もそういった物品の取引については...
でも調べてから動いた方がいいだろうな」
「なるほどな。ありがとよ、レイナール!」
「いいってことさ。君には騎士隊の評判を高めるために、まだ...
ならないからね」
レイナールは眼鏡を押し上げて不敵に笑ったが、覗き騒動で...
回復するのは絶対無理だろ、と才人は思う。世話になった手前...
「それより早くした方がいい。もう時間がないぞ」
「お、おう、そうだな!」
レイナールの言うとおり、もう時間がない。才人は早速図書...
学院内の図書館にて、図鑑などを調べること三十分ほど。
(ふむ、なるほど。竜関連の商品は、それを専門に扱うギルド...
竜肉ギルド、というらしい。なんとなく不吉な名前である。
(一番高く売れるのは、竜の脳髄竜の目玉竜の肉……ダメだな、...
るはずねえし)
時間がないことに焦りつつ、さらに読み進めていく。そして...
才人は思わず立ち上がった。
(これだ! これならきっと、大量に分けてもらえるぞ!)
森の木陰でうとうととまどろんでいたシルフィードは、不意...
て頭を起こし、空を見上げるとすでに夕暮れ時である。
(お昼寝、ちょっと長引いちゃったのね)
予定ではもっと早く起きだして、空の散歩を楽しむつもりだ...
しかし、今彼女の胸に後悔の感情はない。さっきまで見てい...
らしいものだったからだ。
夢の中のシルフィードは、思う存分魚を食べまくっていた。...
してそこから魚を捕まえて……という面倒な行程は完全に排除さ...
にこやかに爽やかに微笑む才人が、小脇に抱えた大きな袋から...
はシルフィードに食べさせてくれていたのである。至福の夢だ...
(うふふ、今もあの味が舌に残ってるのね)
口の端から垂れかけている涎を、じゅるりとすすりあげる。
(でも本当、なんていい夢だったのかしら。正夢だったら良か...
なーんてね、とシルフィードは少し苦笑いする。いくら才人...
外に強いとは言え、魚が無限にわき出る袋など持っているわけ...
と、思っていたら、
「おーい、シルフィードーッ!」
なんとびっくり、才人がこちらに向かって走ってくるではな...
袋を持っている。
(え、そんな、まさか本当に正夢……!?)
期待に胸を膨らませるシルフィードの前で立ち止まった才人...
ながら手に持った袋を突き出し、こう言った。
「シルフィード、お前のウンコ分けてくれ!」
「……いや違うんだよ、俺は『竜の糞は堆肥としては最高級であ...
てだな」
「いきなり窓を突き破って僕の部屋に突っ込んできて何を言っ...
「いや聞いてくれよギーシュ。いくらなんでも『サイトのスカ...
え!』は酷いと思わないか?」
「とりあえず毎度毎度窓ガラスの修繕費を払ってくれない君は...
こうして才人は金を工面する手段を完全に失った。
が、もらってきた野菜をシエスタと一緒に調理して、ルイズ...
作り、「この六日間はお前のために野菜を育ててたんだぜ! ...
に!」とかごり押ししてたら割と大受けだったので良しとした...
食ったら機嫌直したので、とりあえずめでたしめでたしである。
#br
終了行:
犬竜的日常 スカトロ編 [[205]]氏
・注意!
このSSには、小学生レベルの下ネタが含まれます。
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魔法学院学生寮の物陰に座り込み、才人は一人悩んでいた。
今日の朝、食堂で、ルイズの誕生日が近づいてきたが、プレ...
とギーシュから聞かれたためである。
用意もなにも、そのとき初めてその事実を知ったため、才人...
(ああそうか、それでルイズの奴、なんか最近そわそわしてや...
まずい展開である。才人は動転しつつも、近いってどのぐら...
そしたら、
「何だ知らないのか、もう一週間後だぞ」
という答えが返ってきたので、思わずギーシュの色男面を殴...
その後彼と殴り合いをしてシュヴルーズに説教食らったりし...
「参ったなあ、何買ったらいいのか分からんし、そもそも何か...
騎士としての年金は、いろいろあって使い果たしてしまって...
格好悪い気がして、そのことをルイズに伝えてはいない。
彼女のことだから間違いなく「支給された給料でわたしへの...
う」と決めつけているだろうし、ここ最近のどことなくそわそ...
出すに、
「サイトったら、わたしを驚かせるためにわざと誕生日のこと...
だとか、
「敬愛するご主人さまであるわたしへの、初めてのプレゼント...
ものに違いないわ。そうでなかったら蹴る。砕く。すり潰す」
だのと考えているに違いない。
(えらいこっちゃ)
思わず股間を押さえて顔をしかめながら、才人は必死に打開...
(どうする、誰かに金借りるか?)
頭に浮かぶ友人たちの顔。
ティファニア。普通に金がないし、あったとしても彼女から...
ギーシュ、モンモランシー。ダメだ奴等の実家は貧乏だ、ル...
のプレゼントを買える金を、貸してくれるとは思えない。
タバサ。ダメだ、国から追われてる身の女の子から金を借り...
間のやることじゃねえ。
キュルケ。確か先生に珍しい実験材料貢いでるって噂がある...
ないだろう。
シエスタ。ある程度は持ってそうだがさほど大金ではないだ...
借りたら「10倍にして返してやんよ」とか言って競馬でスッカ...
な気分になるのは間違いない。無理。
マリコルヌ。論外。奴に金なんか借りたら人間として終わり...
(参ったなあ、他に頼めそうな奴なんか)
「あれ、サイトじゃないか」
少し驚いた声に顔をあげると、そこに眼鏡をかけたやせ形の...
友人であり、主に水精霊騎士隊の経理を担当している真面目な...
「おお、レイナールか」
「なにやってるんだい、こんなところで」
不審そうに眼を細める彼に事情を説明しようとしたところで...
(そうだ、こいつに借りればいいじゃん)
堅実そうなレイナールならそこそこ金を持ってそうだし、真...
そう踏んで、才人はレイナールに事情を説明した。
「……というわけで、金を貸してくれないか」
「……サイト」
レイナールは、暗い表情で眼鏡を押し上げた。
「悪いことは言わないから、人から金を借りるのだけはやめて...
「え?」
「僕の親戚の話なんだがね。家の金を家族に無断で使い込んだ...
くって利子が膨らんでとうとう破産して、最後は魔法実験の実...
竜の餌に」
「分かった、もうその辺にしておいてくれ」
聞いている内に気が滅入ってきたので、才人は無理矢理レイ...
息を吐く。
「お前もダメか。となると、どうするかなー」
唸る才人を見て、レイナールがまた眼鏡を押し上げた。
「別に、人から借りなくてもいいだろう」
「と言うと?」
「労働せよ、ということさ。そうだな、君の場合腕っ節が強い...
「時間はあと一週間しかないんだぜ?」
「ふむ。それなら魔物退治なんかはどうだい? 近くにオーク...
ください、なんて話は、辺境の村なら結構あると思うが。まあ...
「それだ!」
才人は話の途中で駆け出していた。なにせ時間はないのだ、...
そして六日後。才人は野菜がいっぱいに詰まった籠を抱えて...
「どういうことだ!」
「そう言われても」
水精霊騎士隊の詰め所に怒鳴り込むと、中にいたレイナール...
「なんでそんなにたくさん野菜ばっかり持ってきたんだね? ...
言ってないが」
「バカ野郎お前、この6日間で俺がどんだけの数のオーク鬼切...
100や200じゃ数え切れんぜ!?」
「さすがアルビオン戦役の英雄、噂に違わぬ大活躍だね」
「おうともよ。群がるオーク鬼を千切っては投げ千切っては投...
なんでそんな苦労した報酬が野菜なんだよ!?」
「だから、そういうのは実際あまり金にはならない、と六日前...
貧しい村だったんだね」
「そうなんだよ。ありがとうごぜえますありがとうごぜえます...
婆ちゃんが目に涙溜めてお礼言いながらこれ差し出すもんだか...
らねえから金出せ』とは言えなくてよ」
「それ言ったらマリコルヌ以下だぜ君は」
「だから言えなかったんだよ」
「しかし野菜か……金にはなりそうもないな」
「そうなんだ……しかも試しに食ってみたらやたらうまくて、尚...
「万策尽きたねこれは」
「そんな! このままじゃすり潰されちまうよ!」
「何を」
才人は頭を抱えてその場に蹲る。レイナールの言うとおり、...
「こうなったら、何か売るしかないな」
「売る?」
レイナールの言葉に、才人は顔を上げる。経理担当の友人は...
がら重々しくうなづいた。
「君もシュヴァリエで、いろいろ功績立ててる身だ。なにか、...
てないかい?」
「いや、これといって何も」
才人は即座にそう答える。こんなことだけは頭を捻らなくて...
が少し悲しい。
「うむ、そうだな、それなら」
顎に手をやって難しげな顔で考え込んでいたレイナールが、...
に指を鳴らした。
「そうだ、竜だ」
「竜?」
「うむ。竜の体の一部ってのは、結構な高値で売れるんだ。わ...
レイナールの瞳が、眼鏡のレンズ越しに煌めく。才人は即座...
「そうか、シルフィードに頼んで何か分けてもらえばいいんだ...
「そういうこと。ただ、僕もそういった物品の取引については...
でも調べてから動いた方がいいだろうな」
「なるほどな。ありがとよ、レイナール!」
「いいってことさ。君には騎士隊の評判を高めるために、まだ...
ならないからね」
レイナールは眼鏡を押し上げて不敵に笑ったが、覗き騒動で...
回復するのは絶対無理だろ、と才人は思う。世話になった手前...
「それより早くした方がいい。もう時間がないぞ」
「お、おう、そうだな!」
レイナールの言うとおり、もう時間がない。才人は早速図書...
学院内の図書館にて、図鑑などを調べること三十分ほど。
(ふむ、なるほど。竜関連の商品は、それを専門に扱うギルド...
竜肉ギルド、というらしい。なんとなく不吉な名前である。
(一番高く売れるのは、竜の脳髄竜の目玉竜の肉……ダメだな、...
るはずねえし)
時間がないことに焦りつつ、さらに読み進めていく。そして...
才人は思わず立ち上がった。
(これだ! これならきっと、大量に分けてもらえるぞ!)
森の木陰でうとうととまどろんでいたシルフィードは、不意...
て頭を起こし、空を見上げるとすでに夕暮れ時である。
(お昼寝、ちょっと長引いちゃったのね)
予定ではもっと早く起きだして、空の散歩を楽しむつもりだ...
しかし、今彼女の胸に後悔の感情はない。さっきまで見てい...
らしいものだったからだ。
夢の中のシルフィードは、思う存分魚を食べまくっていた。...
してそこから魚を捕まえて……という面倒な行程は完全に排除さ...
にこやかに爽やかに微笑む才人が、小脇に抱えた大きな袋から...
はシルフィードに食べさせてくれていたのである。至福の夢だ...
(うふふ、今もあの味が舌に残ってるのね)
口の端から垂れかけている涎を、じゅるりとすすりあげる。
(でも本当、なんていい夢だったのかしら。正夢だったら良か...
なーんてね、とシルフィードは少し苦笑いする。いくら才人...
外に強いとは言え、魚が無限にわき出る袋など持っているわけ...
と、思っていたら、
「おーい、シルフィードーッ!」
なんとびっくり、才人がこちらに向かって走ってくるではな...
袋を持っている。
(え、そんな、まさか本当に正夢……!?)
期待に胸を膨らませるシルフィードの前で立ち止まった才人...
ながら手に持った袋を突き出し、こう言った。
「シルフィード、お前のウンコ分けてくれ!」
「……いや違うんだよ、俺は『竜の糞は堆肥としては最高級であ...
てだな」
「いきなり窓を突き破って僕の部屋に突っ込んできて何を言っ...
「いや聞いてくれよギーシュ。いくらなんでも『サイトのスカ...
え!』は酷いと思わないか?」
「とりあえず毎度毎度窓ガラスの修繕費を払ってくれない君は...
こうして才人は金を工面する手段を完全に失った。
が、もらってきた野菜をシエスタと一緒に調理して、ルイズ...
作り、「この六日間はお前のために野菜を育ててたんだぜ! ...
に!」とかごり押ししてたら割と大受けだったので良しとした...
食ったら機嫌直したので、とりあえずめでたしめでたしである。
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