ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
青春時代G ツンデレ王子
#br
ティファニアは一通の手紙を読み返しながら頭を悩ませてい...
その手紙が届いたのは三日ほど前の事。差出人は、ウエスト...
女が面倒を見ていた子供たちの内の一人、ジムであった。
手紙の内容は至ってシンプルで、近状の報告であったのだが…...
彼女も見覚えの無い文字が含まれていたのだ。
「これって何かしら?」
トリステインに来て新しく出来た友達が、つい先日に覚えた...
自慢気に話してくれたのだそうだ。だが、それが何を意味する...
友達に聞いても詳しくは知らないそうで、学校の先生に聞いて...
かった様なのである。
彼女とて子供たちに比べると人生経験を多く積んでいるし、...
事を教わりもした。だが、それは母も教えてはくれなかったし...
様にこっそりと生活をしていた彼女にとって独りでは知る事も...
かったのだ。
(サイトなら…知ってるかな?)
翌朝、彼に聞いてみよう。
そう決心すると、ティファニアは忘れないように手紙の中の“...
いう単語に印を付けて抽斗へと仕舞い込んだ。
ルイズを食堂へと送り出した後、シエスタは室内で独り着せ...
行っていた。
昨日の様に朝から借り出された場合、翌日は厨房の手伝いは...
ている。そんな時は、こうやってルイズやサイトが居ない時間...
ら適当に服を拝借しているのだ。勿論ルイズの服はサイズ的に...
はずも無く、ただ鏡の前で身に宛がい妄想を膨らませるだけな...
一通り終わった後、何時もの様にそれを取り出しルイズの制...
併せて着込んだ。この独り着せ替えショーをする日は必ず最後...
見知らぬサイトの故郷で共に街を歩くのを想像するのだ。
姿見に自分を映し、いつぞやの様にくるりと回ると指を立て――
「お待た…」
しかし、サイトに教わった魔法の言葉を言い終える事は出来...
なら、入口から哀れみを込めた目で見られているのに気付いた...
「み、ミス・ウエストウッド!!」
果たしてそれは、ティファニアであった。
彼女は目を点にし、その場で固まってしまっている。
あたふたと体裁を整えつつセーラー服姿のままに近付くと、...
ビクッと身体を震わせて半歩後退る。
「あ、あの…ご覧になりました?」
「……」
無言のまま踵を返すティファニア。
そんな彼女の手を取って部屋へと引っ張り込むと、シエスタ...
鍵を掛ける音にティファニアはまたしても身を震わせると、怯...
シエスタを見つめた。
「あの…」
「ご、ごめんなさい!誰にも言わないから赦して」
「いえ、そうではなくて…」
このままでは話が進まないと判断したのだろう。
シエスタは彼女に椅子を勧めると、カップに一人分のお茶を...
そしてティファニアが一口啜るのを見届けると、おずおずと口...
「申し訳御座いません、変なところをお見せしちゃいまして」
「い、いえ…こちらこそゴメンなさい」
「ミスが謝られる事は無いですよ、ドアが閉まって無いのを確...
わたしが悪いんですから」
二人して頬を染めて頭を下げあう。
しばし無言の刻が流れ……先に口を開いたのはシエスタだった。
「ところで如何なさったんです?今は朝食のお時間ですよね?」
「あのその…ちょっとサイトに相談したい事が有って…」
「サイトさんなら、昨日から帰って来てませんけど」
それを聞いてしょんぼりとしてしまうティファニア。
やがて彼女は立ち上がると、シエスタに礼を述べて部屋を出...
(サイトさん、どこに行っちゃったんですか?)
廊下に出てティファニアの後姿を見送りながら我が主の事を...
すれ違いざまに彼女を跳ね飛ばしながらやって来る人物が見え...
息を切らせながら掛けてきたのはルイズであった。
「メイド!あんたのその格好、誰に教えたの!」
シエスタを室内へと突き飛ばし、勢い良くドアを閉めてルイ...
勿論、鍵を掛けるのを忘れない。
「え、え、え?」
「だーかーらー、あんたが今着てる服よ!
その服の事、誰に教えたかって聞いてんの!」
詰め寄り、一気にまくし立てるルイズ。
その迫力に押されながらも、シエスタは彼女の問いかけにシ...
「な、何なんですか一体」
「とぼけんじゃないわよ!あんた、その水兵の服の事、誰かに...
そうでなきゃこの世界で軍服を着る女なんて居るはず無いん...
「言うはず無いじゃないですか。だってこれは…わたしとサイト...
けの秘密なんですから」
あくまでもシラを切り通すシエスタ。
実は数日前、今日ティファニアに見つかった様にアンリエッ...
いたのだ。女王が自分と同じくサイトに想いを寄せていると知...
これが彼の世界での服装である事を喋っていたのである。
だが、言える筈が無かった。いくら相手がルイズとは言え、...
一貴族である。この国の頂点に立つアンリエッタから『ルイズ...
事は内緒にしてて下さいね』と言われているのだ。たとえルイ...
のご主人であるとは言え、またどれだけ彼女の迫力があったと...
との約束を破る訳にはいかないのだ。
しかし、ルイズはその事よりも、シエスタの放った言葉に反...
「ふふふ、二人だけの秘密ですって〜〜〜!!」
逆上した彼女は、手にしていた鞭を振り上げシエスタに躍り...
何度も何度も鞭を振り下ろし、シエスタの白く肌理細やかな...
痕を付けていく。
相当な痛みを感じているだろうに、シエスタは泣き喚きもせ...
たりもせず、ただひたすら耐えていた。心の中でサイトの帰還...
ひとしきり痛めつけた後、ルイズはハッと己の行動を顧みる。
アルビオンでサイトが死んだと思った際、彼の下へと旅立と...
分を止めてくれたのは彼女である。そうした恩義やこれまで過...
を思い返し、とんでもない事をしてしまったと自らの行為に恥...
「シエスタ、大丈夫!?」
普段の彼女からは想像も付かないほど悲愴な面持ちで安否を...
そんな彼女を気遣い、シエスタは無理に笑顔を浮かべて頷くの...
#br
終了行:
青春時代G ツンデレ王子
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ティファニアは一通の手紙を読み返しながら頭を悩ませてい...
その手紙が届いたのは三日ほど前の事。差出人は、ウエスト...
女が面倒を見ていた子供たちの内の一人、ジムであった。
手紙の内容は至ってシンプルで、近状の報告であったのだが…...
彼女も見覚えの無い文字が含まれていたのだ。
「これって何かしら?」
トリステインに来て新しく出来た友達が、つい先日に覚えた...
自慢気に話してくれたのだそうだ。だが、それが何を意味する...
友達に聞いても詳しくは知らないそうで、学校の先生に聞いて...
かった様なのである。
彼女とて子供たちに比べると人生経験を多く積んでいるし、...
事を教わりもした。だが、それは母も教えてはくれなかったし...
様にこっそりと生活をしていた彼女にとって独りでは知る事も...
かったのだ。
(サイトなら…知ってるかな?)
翌朝、彼に聞いてみよう。
そう決心すると、ティファニアは忘れないように手紙の中の“...
いう単語に印を付けて抽斗へと仕舞い込んだ。
ルイズを食堂へと送り出した後、シエスタは室内で独り着せ...
行っていた。
昨日の様に朝から借り出された場合、翌日は厨房の手伝いは...
ている。そんな時は、こうやってルイズやサイトが居ない時間...
ら適当に服を拝借しているのだ。勿論ルイズの服はサイズ的に...
はずも無く、ただ鏡の前で身に宛がい妄想を膨らませるだけな...
一通り終わった後、何時もの様にそれを取り出しルイズの制...
併せて着込んだ。この独り着せ替えショーをする日は必ず最後...
見知らぬサイトの故郷で共に街を歩くのを想像するのだ。
姿見に自分を映し、いつぞやの様にくるりと回ると指を立て――
「お待た…」
しかし、サイトに教わった魔法の言葉を言い終える事は出来...
なら、入口から哀れみを込めた目で見られているのに気付いた...
「み、ミス・ウエストウッド!!」
果たしてそれは、ティファニアであった。
彼女は目を点にし、その場で固まってしまっている。
あたふたと体裁を整えつつセーラー服姿のままに近付くと、...
ビクッと身体を震わせて半歩後退る。
「あ、あの…ご覧になりました?」
「……」
無言のまま踵を返すティファニア。
そんな彼女の手を取って部屋へと引っ張り込むと、シエスタ...
鍵を掛ける音にティファニアはまたしても身を震わせると、怯...
シエスタを見つめた。
「あの…」
「ご、ごめんなさい!誰にも言わないから赦して」
「いえ、そうではなくて…」
このままでは話が進まないと判断したのだろう。
シエスタは彼女に椅子を勧めると、カップに一人分のお茶を...
そしてティファニアが一口啜るのを見届けると、おずおずと口...
「申し訳御座いません、変なところをお見せしちゃいまして」
「い、いえ…こちらこそゴメンなさい」
「ミスが謝られる事は無いですよ、ドアが閉まって無いのを確...
わたしが悪いんですから」
二人して頬を染めて頭を下げあう。
しばし無言の刻が流れ……先に口を開いたのはシエスタだった。
「ところで如何なさったんです?今は朝食のお時間ですよね?」
「あのその…ちょっとサイトに相談したい事が有って…」
「サイトさんなら、昨日から帰って来てませんけど」
それを聞いてしょんぼりとしてしまうティファニア。
やがて彼女は立ち上がると、シエスタに礼を述べて部屋を出...
(サイトさん、どこに行っちゃったんですか?)
廊下に出てティファニアの後姿を見送りながら我が主の事を...
すれ違いざまに彼女を跳ね飛ばしながらやって来る人物が見え...
息を切らせながら掛けてきたのはルイズであった。
「メイド!あんたのその格好、誰に教えたの!」
シエスタを室内へと突き飛ばし、勢い良くドアを閉めてルイ...
勿論、鍵を掛けるのを忘れない。
「え、え、え?」
「だーかーらー、あんたが今着てる服よ!
その服の事、誰に教えたかって聞いてんの!」
詰め寄り、一気にまくし立てるルイズ。
その迫力に押されながらも、シエスタは彼女の問いかけにシ...
「な、何なんですか一体」
「とぼけんじゃないわよ!あんた、その水兵の服の事、誰かに...
そうでなきゃこの世界で軍服を着る女なんて居るはず無いん...
「言うはず無いじゃないですか。だってこれは…わたしとサイト...
けの秘密なんですから」
あくまでもシラを切り通すシエスタ。
実は数日前、今日ティファニアに見つかった様にアンリエッ...
いたのだ。女王が自分と同じくサイトに想いを寄せていると知...
これが彼の世界での服装である事を喋っていたのである。
だが、言える筈が無かった。いくら相手がルイズとは言え、...
一貴族である。この国の頂点に立つアンリエッタから『ルイズ...
事は内緒にしてて下さいね』と言われているのだ。たとえルイ...
のご主人であるとは言え、またどれだけ彼女の迫力があったと...
との約束を破る訳にはいかないのだ。
しかし、ルイズはその事よりも、シエスタの放った言葉に反...
「ふふふ、二人だけの秘密ですって〜〜〜!!」
逆上した彼女は、手にしていた鞭を振り上げシエスタに躍り...
何度も何度も鞭を振り下ろし、シエスタの白く肌理細やかな...
痕を付けていく。
相当な痛みを感じているだろうに、シエスタは泣き喚きもせ...
たりもせず、ただひたすら耐えていた。心の中でサイトの帰還...
ひとしきり痛めつけた後、ルイズはハッと己の行動を顧みる。
アルビオンでサイトが死んだと思った際、彼の下へと旅立と...
分を止めてくれたのは彼女である。そうした恩義やこれまで過...
を思い返し、とんでもない事をしてしまったと自らの行為に恥...
「シエスタ、大丈夫!?」
普段の彼女からは想像も付かないほど悲愴な面持ちで安否を...
そんな彼女を気遣い、シエスタは無理に笑顔を浮かべて頷くの...
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