ゼロの使い魔保管庫
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『ギーシュ・ド・グラモンの最後』 後編
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(しまったぁぁぁぁぁっ)
頭からシャワーを浴びながら、モンモランシーは冷静になり...
建材を利用してのゴーレムの創造等という大技の為に、ギー...
同時に駆けつけたサイトや水精霊騎士隊、そして聖女と呼ば...
……それは良いのだ。
別に。
ただ……
攫われて監禁されていたモンモランシーに、ルイズ達は声を...
『今日はわたし達と休む?』
二人にしたら当然の提案だったのだろう。
今から宿を探す時間もないし、なにより安全を確保できる。
が、モンモランシーは無言のまま首を振り断った。
(うあぁぁぁぁぁっ)
思い出したくないのに、自動的に脳内で自分の声が再生され...
『ギーシュから離れるのやだぁっ!』
(し……死にたい……)
あの場には、水精霊騎士の主だった面々が揃っていたし、聖...
(陛下までいらっしゃった様な……)
そんな人たちに囲まれたまま、モンモランシーは必死にギー...
引き離されるのが怖くて、かたかたと震えながらギーシュの...
ギーシュがふわりと自分のマントをモンモランシーに羽織ら...
(あ、あ、あ、明日っからどんな顔してみんなの前に出ればっ…...
今にして思うと、なんだか皆、妙に祝福する表情で二人を見...
……後ろから見ていた皆には、二人がどう見えただろう?
そう考えるだけで顔から火が出そうになり、温めにしたシャ...
正気に返ったのは、ついほんのさっき。
そして、今モンモランシーが最も悩んでいることは、
『シャワー浴びたい』
ギーシュの部屋に着いた時に、最初に切り出した言葉。
あの男に触られたところを一刻も早く洗いたかったのだが……
――二人きりで部屋に着いて、シャワーを浴び始める女に、ギ...
(っっっきゃぁぁぁぁぁぁっ!)
モンモランシーの悩みは尽きない。
触られたところを中心に、モンモランシーは念入りに身体を...
この状況で『念入りに身体を洗う』事が、何かを『期待』し...
(違うのよ、ちがうのよ、チガウノヨ、チガウノヨ、……)
湯に浸かっている訳でもないのに、真っ赤に茹で上がりなが...
この状況でギーシュが中の様子を覗くとは思わないから、ギ...
つまり、あまり時間を掛けると、『念入りに身体を磨いてい...
(で、出なきゃ、早く出なきゃ……)
一通り良く室内を片付けたモンモランシーは、そのまま外に……
出る寸前で、もう一度シャワーの前に引き返す。
(……も、もう一回だけ身体洗お……)
――彼女が部屋に戻ったのは、3回ほど身体を洗った後になっ...
「お、お先に……」
「う……うん」
ギーシュの部屋に女物の服の用意等有る筈も無く……もっとも...
ギーシュに用意できたのは、洗濯した所の自分の下着と制服...
モンモランシーは延々悩んだ末に、ワイシャツだけ着て部屋...
男の子のパンツを穿いている所をギーシュに見られるのは避...
「モモモモモ、モンモランシー、そのっ、刺激的な格好だね」
シャツの裾が翻るたびに、ギーシュの視線が不自然に踊って...
「そ、そう? だって、着る物他に無かったし」
気まずい空気が数秒流れた後、ギクシャクとギーシュは立ち...
「僕も、シャワーを浴びさせてもらうよ、少々汗をかいてしま...
棒読みの台詞の様な言葉に続き、ギーシュが不自然な挙動で...
……ギーシュの背中を見送りながら、寂しくなったモンモラン...
「早く、帰ってきてね?」
ドアの向こうでギーシュがこけた。
けたたましい音を立てている脱衣所の方を見るとはなしに見...
疲れていた体と心は、それだけで安らぎを感じ強制的にモン...
彼が帰ってきたときに、部屋で一人寝こけている女には成り...
(……ギーシュの……匂い……だ……)
枕に顔を埋めたまま深呼吸した。
そして、自分が何をしたのかを自覚して飛び起きた。
(ル、ルイズがうつったぁぁぁ、へ、変態になっちゃった!?)
ばたばたとベットから飛び降りながら、危険この上ない場所...
ギーシュの匂いに包まれているだけで、頭の奥がぼーっとし...
(だ、だめよ……あそこは危険すぎるっ)
眠っているのなら、まだ良かった。
もし……もしも、だ。
(ギーシュが帰ってきたときに、『準備OK!』とかって、わ...
年中女の子を追っかけてるギーシュでも引く。
絶対、引く。
(って、この部屋、どこもかしこもギーシュの部屋だぁぁぁぁ...
見覚えのある服がかかっていたり、自分のプレゼントがそこ...
何より嬉しかったのは、サイドテーブルに載った自分の肖像。
(ひ、卑怯だぁ……)
冬眠前の熊のように部屋をうろついていたモンモランシーは...
ここは危険だ。
ここに居るだけで、自分はギーシュに一切の抵抗が出来なく...
(うー、どうしてくれよう……あれ?)
ふかふかの絨毯の上でごろごろと転がっていたモンモランシ...
(? 靴下?)
ベットの下に丸められたソレが、ちゃんと自分が知っている...
(……な……に? これ……)
ソレは、体力の限界も、日頃のペースも、一切無視して動き...
足の裏の皮がめくれても、血が溢れても走り回った結果。
――じったりと血を吸って重くなった靴下を見つめたまま、モ...
(し、しみるぅぅぅぅ、死ぬ、死んでしまうぅぅ)
シャワーを浴びながら、ギーシュは一人悶えていた。
魔法で治すのは自信が無かったし、なによりモンモランシー...
部屋に入った直後の呆然としていたモンモランシーに気づか...
新しい靴下に履き替えた上で、脱衣所に向かっていた。
(せ、石鹸を使ったら、死んでしまうかもしれない……)
お湯に当たっただけでこの激痛である。
石鹸水だとどうなるだろうか?
だが……
(き、貴族として、紳士として……身体も洗わず、モンモランシ...
斜め上を見上げながら、男泣きに泣いたギーシュは、覚悟を...
「ギーシュ?」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
不意を付かれたギーシュは、妙な声で返事をしてから、すり...
「ど、どうかしたのかい? モンモランシー?」
硝子の向こうに見える、モザイクの様な肌色にギーシュは先...
(同じ石鹸のはずだよなぁ)
自分がいつも使っている石鹸の匂いとは絶対違った。
なんだかすごく良い匂いで、足の痛みが無かったらその場で...
「……わたしの杖……知らない?」
硝子の向こうの肌色が、ゆらゆらと誘うように揺れる。
「あ、あぁ、君がシャワーを浴びている間に届いたよ、机の上...
あんな怖い目にあった後だから、手元に武器が無いと不安な...
そう考えたギーシュは切なくなった。
(け、警戒されてる……)
良い雰囲気だと思ったけど、今日もまた、手は出せないよう...
始祖のこんじょーわる
ギーシュはしくしく泣きながら、身体を洗う覚悟を決めてい...
そんなギーシュの背後で、すり硝子に映る肌色の範囲が大き...
「ギーシュ」
「ん? なんだい? モンモランシー」
泡立てたタオルを見ながら、ギーシュは返事をする。
悲鳴を上げてしまう可能性を考えて、彼女が立ち去ってから...
そう考えていたギーシュの目論見は、次の瞬間崩壊した。
「入るわよ?」
「……ふぇ? って、きゃぁぁぁぁぁ」
ギーシュは悲鳴を上げながら、浴室の一番奥……といってもそ...
まで、逃げた。
身体を洗うつもりだったタオルは、パンツの代わりにクラス...
「なななななぁっ」
仰向けのまま四つんばいという、いささか器用な体勢で壁際...
バスタオル一枚で浴室に踏み込んだモンモランシーには、真...
「ばか」
つかつかとギーシュに近寄ったモンモランシーは、そっとそ...
胸のやや上めで固定されたバスタオルは、しっかりと胸を覆...
「ちょっ、ご、ごめん、モンモランシー……その、しんぱ、うひ...
モンモランシーはギーシュの足を手に取ると、傷口を見つめ...
足を取られたギーシュは、浴室の床から天井を見つめること...
……つまり、視点がとても低くなり……モンモランシーのタオル...
そうなると、彼の分身は巨大化し始めるが……この体勢では、...
(み、みちゃらめぇっ)
アワアワのタオルをしっかりと股間に押し付けながら、ギー...
「……なんで……こんなに成るまで……」
小さな小さな声が響いたその後に、ギーシュの視界は真っ白...
「んっ……」
モンモランシーの舌が、ギーシュの足の裏に触れていた。
前もって何らかの魔法を使っていたらしく、痛みはまったく...
「ちょっ、まって……モンモランシー、だめだ、そ、そこはちょ...
「……知ってる魔法の中で、これが一番痛くないの……」
口論する気は無いとばかりに、続きを始めるモンモランシー...
傷の治る気持ち良さや、痛みの引く安堵だけなら、ギーシュ...
力ずくで逃げ出そうにも、足の先にあるのはモンモランシー...
背中には壁。
逃げ道も無いギーシュは、されるが侭に成るのみだった。
与えられる刺激はあくまでもソフトだが、行動の自由が無い...
爪先から踵に向かい、また爪先に戻る舌先は、触れるか触れ...
僅かな範囲しか触れていないため、何度も何度も往復するこ...
ギーシュにとっては身動き出来ないままに弄られているに等...
「まって……モンモラ……ンシ……ちょっ……ふあっ……」
小さく開かれた唇の中に、ギーシュの親指が隠されて温かい...
血の味が感じられなくなるまで繰り返したモンモランシーは...
「っ! って、モンモ……休ませ……っ……」
舌を這わせるより、確実に治癒が確認できる事に気付いたモ...
柔らかい唇。
震える舌先。
何も考えられなくなったギーシュは、両手で床を支え喉が枯...
隠すものの無くなったギーシュの股間は、モンモランシーに...
肝心なところには指一本触れていないため、ギーシュは達す...
流石に顎が疲れてしまったモンモランシーが、足を離しても...
興味深そうに大きくなったギーシュ自身を見つめるモンモラ...
「……モ……ラ…………シー……恥ず……かしぃ……」
ビクビクと脈打つギーシュの分身は、モンモランシーの指先...
加減の分からないモンモランシーによって、やわやわと包ま...
ほんの少し強めに触れるだけ、それとも軽く擦るだけ。
それだけで、ギーシュは限界を超えそうだったが。
燻り続けていた彼女に触れたい欲求によって、攻守交替を求...
「っ……たぃ…………」
(モンモランシ……こんどは僕がっ)
そう伝えるつもりだったギーシュの手の中で、カルロに縛ら...
「ご、ごめん」
「……いいわよ……別に、痛くないし」
さっきの悲鳴は、無かった事にするつもりらしい。
正直ギーシュはそのほうが有り難かった。
ギーシュの限界はもうすぐそこで、力ずくで押し倒してでも...
「見せて……」
「ん……」
ギーシュの中の『男の子』は、女の子の怪我を放って置く事...
「痕が残るといけない」
そう言って、自分の杖を向けたギーシュの耳に、(残ったら...
「ちょっ、ギーシュ?」
自信は無かったが、思ったより簡単に魔法が成功したギーシ...
「ひぁっ……まって、ギーシュ。これっ、なんか変っ」
「……モンモランシーがしてくれた事だよ」
身体を捩って逃げ出そうとするモンモランシーを、ギーシュ...
自分がそうされたように、治った所でもなんども舐め上げ、...
「……こんなに早く治るのに、モンモランシーはあんなに時間を...
「ち、ちがっ……なんで? ギーシュ? 貴方こんなに水魔法得...
両の手首はすっかり完治していたが、ギーシュの舌は手首か...
「ひぅ……まって、ギーシュ、そこ怪我してないっ」
「…………」
その場に倒れこんでしまったモンモランシーを逃がさないよ...
ついさっきまで、自分がどんな恥ずかしいことをしていたの...
絡み合う二人の間で、モンモランシーを守っていた最後の一...
ギーシュの動きが止まった。
「な、に?」
タオルが解けた瞬間、さっきまで有った甘い雰囲気は払拭さ...
無言で身体に乗っていたタオルをむしり取るギーシュに、モ...
(あっ……)
モンモランシーは思い出した。
自分がどうしてタオルを高い位置で留めていたのかを。
――モンモランシーの胸には、カルロが力任せに掴んだ事によ...
爪あとのようなソレは、乳首に向かうように乳房ごとに5本...
(……き、嫌われ……る?)
モンモランシーは恐怖に震える。
天国から地獄に突き落とされたかのように、甘い恋人同士の...
そう感じていた。
目の前のその痕は、ギーシュ以外の男が触れた証明に他なら...
(し、信じてくれなかった……ら?)
杖を取り戻した時、ギーシュの怪我のことしか考えられなか...
――ギーシュは怒っていた。
モンモランシーの考えているような事はまったく無かったが、
彼女がひどい目にあった証は、自分を心配してここまで来て...
もし、自分の助けがもうほんの少し遅れたらどうなっていた...
それは、彼を冷静にさせるには十分すぎる衝撃で。
自分に対する目の眩む様な怒りが、ギーシュの行動を停止さ...
狂おしいまでに見ることを望んだ胸に刻まれた痣を睨みなが...
それがモンモランシーにどれだけ恐怖を与えているのか知ら...
次いで感じたのは絡みつくような感情。
ギーシュが他の娘に声を掛けることで、モンモランシーが嫉...
だが、モンモランシーは本気で怒ってダンスの相手を別に申...
――ギーシュはカルロに嫉妬していた。
大切な大切な相手に自分より先に触れた相手を、今から殺し...
そして、渦巻く殺気はさらにモンモランシーを怯えさせた。
「あ……あの……ギーシュ? あの……あのねっ」
ギーシュは無言のまま、モンモランシーを引き起こすと裸の...
「きゃっ、ギーシュ? ちょっ……まって……ねぇっ、聞いて……き...
徐々に小さくなっていくモンモランシーの声を聞きながら、...
モンモランシーを怯えさせているのは分かるのに、自分の中...
そして、黒々とした独占欲を自覚すればするほどに、ギーシ...
「ちが……の……なにもされてないからっ……、だからっ……」
『嫌いに成らないで』腕の中で泣くモンモランシーを無言の...
恐怖と混乱で怯える彼女を安心させたかったが、今口を開く...
二人きりでベットの上に全裸でされるがままに成る、大好き...
その存在はギーシュに強烈な優越感と占有感をもたらすが……
だからこそ、他の『雄』の痕跡にギーシュの心は狂おしく燃...
せめて怒りの理由を隠そうと胸の前で重ねられたモンモラン...
片手一本でのその両手を固定し、ぎらぎらと光る瞳で無言で...
ギーシュがいつもモンモランシーに向けていたのは、穏やか...
モンモランシーが怒っているときも、笑みを崩さないその目...
攫われ、拘束され、犯される寸前まで追い詰められた彼女の...
ギーシュの非を考えることを止めていた。
そして、ギーシュと二人きりなのに彼が怒っている以上、悪...
彼女に罪はないというのに、攫われてしまった自分が悪いと。
逃げられなかった自分が悪いと。
傷つけられた自分の所為だと。
ぐるぐると、頭の中がそんな考えで一杯になった。
カルロに取り押さえられていた時に遥かに勝る恐怖が、彼女...
(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめん...
好きな人に嫌われたかもしれない恐怖が、彼女に心を壊す寸...
ギーシュはのそりと動き出した。
モンモランシーの腕にかかっていた圧力が消え、ギーシュが...
もし、彼がこのままこの部屋を出て行ったら?
ギーシュが次に帰ってきたときに最初に見るものは、物言わ...
そんなところまで追い込まれているモンモランシーの上で、...
喰いちぎられる。
モンモランシーがそんな覚悟を決めてしまうほど、ギーシュ...
反射的に目を瞑り、身体を竦めたモンモランシーの胸に、何...
(……っ……ギーシュ?)
驚いて目を開くモンモランシーの目に映るのは、無心に胸を...
「あ……の……?」
「…………………………」
突き出された舌が痣に重ねられ、正確になぞり、もう一度同...
いつの間にか背中に手が添えられていて、その暖かさにモン...
「ギーシュ?」
その言葉に、ほんの一瞬動きが止まる。
彼女の震えが止まっている事に、ようやく気付いたギーシュ...
騎士隊長格の客が泊まる部屋の布団は、魔法でも掛かってい...
じわりと伝わり始める体温に、モンモランシーの身体が崩れ...
ギーシュは彼女の背中にクッションと枕を置くと、もう一度...
「ちょっ……あのっ……ギーシュ?」
ギーシュの行動の理由を尋ね様としたモンモランシーは、下...
「……殺してやればよかった……あの……男っ!」
自分を怒っているわけではなかった事に、気付いたモンモラ...
まっすぐにギーシュの顔に目を向けられた。
ギーシュが自分に向けていた怒りはすっかり息を潜め、胸に...
そして、それは何時もならモンモランシーがギーシュに向け...
――妬いてくれたの?
喉まで出掛かった言葉を、モンモランシーは飲み込んだ。
――ギーシュが浮気する理由……分かったかも……
(始めて感じた嫉妬してもらえる優越感に、胸を熱くしていた)
子犬でも抱くみたいに、胸の中にあるギーシュの頭に優しく...
夢中で痣を治癒するギーシュを見ながら、穏やかな気持ちで...
「こ、これからはっ、ぼ、僕以外に……見せたり、触らせたりし...
「…………皆で覗きとかしなかったっけ?」
「……あとで皆殴っとく」
ギーシュはようやくサイトの心境を理解していた。
穏やかな時間がゆっくりと流れたが、5分もするとモンモラ...
(……っ…………ぁ……)
喋る事が出来たのはほんの暫くの間だけで、それからは声が...
胸に刻まれた指の痕は、乳首までは届かず外れていたが、そ...
胸の周りから始まり、一番敏感なところに向かった真っ直ぐ...
(やぁっ…………ギ、ギーシュ……はっ、真面目に治してくれてるの...
ギーシュの舌が先端に近づいたとき、身体が無意識に捻られ...
舐め上げてくるギーシュの口に、つんと尖り始めた敏感な所...
抱いているギーシュの口を、無理矢理胸に向けそうになった。
寸前で離れていくギーシュの舌に、全身が付いていきそうに...
(あっ……あぅっ……やあっ…………やだっ……)
いっそ、さっきまでみたいに押さえつけてくれれば良いのに。
全身を強張らせ、与えられる刺激に耐えようとすれば耐えよ...
耐えようと刺激に集中することが、更に感覚を鋭敏にしてい...
刺激を繰り返された胸の奥がじんわりと熱を帯び、そのまま...
トロリと熱い蜜のような塊がお腹の奥で自己主張を始めるこ...
クチと小さな音がモンモランシーの耳に届いた。
ギーシュの舌が胸に当たる音ではなく、もっとずっと下のほ...
モンモランシーの頭は羞恥で沸騰した。
そして、羞恥は与えられていた快感を数倍に跳ね上げる。
いつの間にかギーシュの頭を支えていた手は、自分の身体を...
(ダ、ダメッ……こえっ……声……がっ……)
いつの間にか降り始めた甘い嬌声に、ギーシュは自分の行動...
夢中だったのだ、それまでは。
自分の色欲などより、痣を消すほうが遥かに重要だと感じら...
そして、まだ痣が有るうちはそれに集中できた。
殺しているつもりらしい声が、どれほど甘くなろうとも。
自分の拙い舌先で、操られるようにピクンピクンと跳ねる身...
離れようとする時に、堪え切れずに加えられた力によって頬...
その時に漏れ出る吐息が、聞いた事が無いほど扇情的でも。
まだ集中することは出来た。
が、実はもうとっくに彼女の胸は純白を取り戻していた。
抜けるような肌も、薄い桜色の突起も、ギーシュが求める理...
それは、毎夜毎夜狂おしく求めたもので……
その文字通り夢にまで見た光景に、ギーシュは舌を止める事...
そして、とめる機会を逸すると、今更に
『終わった』
その一言は伝えられなくなった。
頭の奥の甘い痺れに押されるように、ギーシュは舌を動かし...
いつの間にか回りに満ち始めたモンモランシーの牝の香りは...
「ひっ……あっ……ぅ……」
ビクンと、目の前で白魚が跳ねた。
支えあうように寄り添っていたはずなのに、気付くとギーシ...
その二人の体重を支えていたモンモランシーの腕が、崩れる...
支えを失ったギーシュは、飛び込むようにモンモランシーの...
埋まるほどの大きさではない。
周りを見回せば、幾らでも大きい胸はある。
が、浅い谷間の底でギーシュはこの上ない幸せに包まれた。
押し付けられる間際に、ギーシュの頬を熱い塊が通っていっ...
「ひぁっ……」
僅かに与えられた、望んでいた刺激にモンモランシーの思考...
「ご、ごめんな……さひっ……」
クッションと背中の間でギーシュの指が蠢く度に、体温が上...
快感で繊細な行動を放棄し始めた言語中枢は、彼女の理性の...
――このままだと、おかしくなっちゃう。
その思いが、彼女に問いを紡がせる。
「治っ……た?」
ギーシュと一つになりたい。
女の子からそんなことを言い出せるはずも無く、治療さえ終...
そんな期待を含んだ問いに、ギーシュの一言は短く無常に告...
「……まだ」
――もう終わり。
そう告げることが、この行為の終わりを意味する。
そんな錯覚にとらわれているギーシュにとって、『治った』...
甘い香りの立ち込める中で息を整えようとするギーシュだっ...
肺からだけではなく、まるで素肌からも透って来ていると錯...
堪えきれない衝動に押されるようにもう一度モンモランシー...
ほんの少しでも接触面積を増やそうと、無意識のうちに首元...
燃えるように熱く、しっとりと汗に濡れた肌は艶に満ちてい...
何時の間にかカラカラに乾き始めた喉を、胸元の汗で潤そう...
ギーシュはもう一度動き始めた。
何時まで続ける。
そんな展望は微塵も無いギーシュは、何時まででもこの行為...
痛いほど膨れ上がった自分は、次に進みたがっていたが、未...
繰り返し繰り返し、貪っているギーシュに、お気に入りの角...
下乳の陰りからゆっくり上がるように舌を這わせる。
右も左もモンモランシーの熱を感じながら、視界に侵入する...
筋肉が有る訳ではないのに、ピクピクと震え続ける先端突起...
彼女は気付いていない。
もうかなり前から声が溢れていることを。
「ひあっ、いやぁっ……、……っあああああ」
首に回されていた腕に、ぎゅっと力が入る。
ふるふると何かを否定するかのように、首が必死で振られて...
(はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……)
荒い息をつきながら、ギーシュがまた胸の下に潜り込もうと...
ギーシュの太腿になにか軽いものが乗った。
モンモランシーの足首だ。
そう悟った頃には、こすり合わせるように白い脚が絡み付い...
(うぁっ……)
柔らかな太腿が、ギーシュのお腹に当たりお尻のほうに向か...
思わずモンモランシーを見上げるが、無意識の行動らしく朦...
快感への予感に震えながら、ギーシュが姿勢を低くするとギ...
――部屋にモンモランシーの悲鳴が響く。
やっと触ってくれた!
望んでいた箇所への刺激に、モンモランシーは必死でギーシ...
だんだん開いていったとはいえ、片足が絡むまではギーシュ...
だが、片足が背中に回った今、ギーシュは彼女の足の間に入...
結果として限界まで熱くなった箇所に無造作に触れてしまっ...
首元で彷徨っていた腕は、ギーシュの頭を胸に押し付け、
弾かれた様に絡みついた両脚は、その中心でギーシュに火を...
本能に導かれるままに、ギーシュはじっとモンモランシーを...
自分からギーシュに抱きつき、大切な所を押し付けている事...
もうこれ以上は無いだろうと思われていた体温を更に上げ、...
しかし……その身体はギーシュから離れようとせず、更にそれ...
全ての仕草が、ギーシュに点いた火に油を注ぎ……
――そしてギーシュは獣になった。
モンモランシーの手に逆らわないようにするだけで、ギーシ...
微かにかかる吐息で、腕の中のモンモランシーが悶え始める...
唇を軽くあて乳児の様に吸いたてると、悲鳴の様な声と共に...
ギーシュは舌先に感じられる乳首を、口の中の捉えたまま弄...
加減が分からないギーシュの愛撫は、軽い痛みを伴ったがそ...
ギーシュを捕らえていたモンモランシーの手足が、ギーシュ...
ギーシュが身体を離せるほどではないが、ギーシュの行動を...
そんな絶妙の距離を、モンモランシーの本能が探り当てた。
密着したままだと背中に回されるだけだったギーシュの指が...
触れられると、自分がどんな反応をしてしまうか分からない...
見ることすら禁忌だった箇所を、吸いながら触れることを許...
黙ってそれを見つめていた。
人差し指が触れるか触れないかの位置に来たとき、胸に密着...
自分のそれも、決して負けないスピードで打っている。
頬には柔らかいおっぱい。
唇に乳首。
そして舌より遥かに思うままに動く指が、つ、と乳首に触れ...
背中に回された腕が、期待と興奮でもじもじと動くのがかわ...
ギーシュは興味を優先させ、それ自身の硬度で乳首を乳房に...
硬さと柔らかさを同時に味わおう。
その程度のつもりだったが、限界まで感度が上昇した乳首を...
先端を弄られる鋭い感覚と、胸に対する柔らかなタッチ。
そんなふたつの始めてを同時に受けたモンモランシーのもぞ...
不規則に彼女に訪れる痙攣の、小さな波をいくつか越し、最...
ギーシュはそっと自分の身体を起こした。
薄明るいランプの光で、うっとりと脱力した恋人を心行くま...
が、観察の時間はそう長く取れなかった。
(い、いよいよ……)
一刻も早く繋がりたいと、ギーシュの下半身が暴れ始めてい...
脱力仕切ったモンモランシーの脚を開き、
初めて興味を持ったときから、ずっと気になっていた隙間に...
長時間繰り返された愛撫で十分に準備されたそこは、ギーシ...
愛液を絡め奥へ奥へと飲み込もうと、熱くなった肉が蠢いた。
もしこの指が、アレだったら?
ギーシュは接合部を見ながら、血走った目で想像した。
いつのまにか息を潜め、ゆっくりと出し入れを繰り返しなが...
いよいよ事に及ぶために、中の形を確かめようと押し付ける...
それまでぐったりと動かなかったモンモランシーが、ピクリ...
敏感な亀頭が僅かに熱を感じただけで、ギーシュは腰が引け...
先端を愛液で濡らし、そのままずるりと押し込もうとする。
外れ。
入り口の襞の上を滑る様に包まれたまま、皮の下で大きくな...
はずれ。
下を狙いすぎたギーシュは、粘液に包まれたままの亀頭をお...
ハズレ。
しっかりと自分を掴み、襞をかき分けて入り口を求めるが、...
何度も繰り返し挑戦するが、失敗するたびに限界は近づき、...
『い、入れたい……いれ……たい……イレタ……イ……』
入り口に僅かに潜り込む感触が、事の及んだ際の期待を煽り...
――すい、とギーシュの背中に手が回され、軽い力が加えられ...
「モ、モンモランシーそ、そのっ……ごめ……」
情けない気分で謝ろうとするギーシュの唇が、キスで塞がれ...
「ギーシュの意地悪……わたしの『初めて』の思い出、独り占め...
酔った様に潤んだ瞳が、じっとギーシュに向けられて、目を...
「モンモランシー?」
「……暖かい……」
ギーシュが落ち着くまで、モンモランシーは抱きしめた。
痛いほど膨らんだギーシュの分身は、二人の間で熱を放って...
ほんの少しの間、ギーシュはモンモランシーが主導権を握る...
初めてなのはモンモランシーも同じだったし、ギーシュも出...
モンモランシーを抱きたかった。
モンモランシーを見つめたまま、ギーシュはもう一度入り口...
「んっ……」
粘膜同士が擦られたときの、モンモランシーの声にギーシュ...
真っ赤になった頬や、ギーシュの視線から逃れようと彷徨う...
襞の間をかき分けているギーシュの背中に、モンモランシー...
「「あ……」」
先が僅かに潜り込む。
ギーシュがそのまま進もうとするのを止めたモンモランシー...
「あの……こ、これで……」
ギーシュは無言で頷くと、浮かせたモンモランシーの腰が辛...
彼女を気遣ったその行動は、ギーシュが腰を動かすのに都合...
腰を前に進めると共に、腰に添えた手でモンモランシーを引...
指で感じていた感触が、ギーシュを包み込む。
それは指より遥かに気持ちよく、奥に進めば進むほどに柔ら...
初体験のモンモランシーが示す抵抗も、ギーシュにとっては...
火照った身体がギーシュの下でくねる。
ギーシュが奥には入るほどに、引き換えのように深く熱い息...
――初めては痛いって聞いていたのに。
モンモランシーは混乱していた。
破瓜の血がシーツを汚しているのが確かに見えるのに、お腹...
感じたことのない違和感が、徐々にお腹からゆっくりと這い...
モンモランシーは声が出そうに成るのを必死に殺しながら、...
挿入のために身体を起こしているギーシュの身体が遠いのが...
(っ! っくぁ……うっ…………ぁ)
腰と腰が密着したときに、何かが捏ねられる感触にモンモラ...
二人の間で潰されたのは、皮に包まれたまま大きくなってい...
そこに触れられると、とても気持ち良い事を身体はもう教え...
快感にもがくモンモランシーの腕の中に、ギーシュの身体が...
何度も弄られた胸がギーシュの身体を直接感じ、そのまま動...
そして、目の前には真っ直ぐに自分を見つめるギーシュの顔。
擦られた部分ではなく、胸が奥から熱くなる。
愛しくて、嬉しくて、ギーシュのこと以外何も考えられなく...
――初めてなのに感じで恥ずかしい。
そんな事はどこかに吹き飛んで、無心に彼にしがみつく。
殺していた声を、想いに任せて彼に届ける。
堪えていた快感を、感じるままに受け止める。
……いきなり反応が良くなり、飲み込むようにうねり出した肉...
そしてなにより蕩ける表情で自分を見上げるモンモランシー...
ギーシュはあっさりと果てた。
お腹の奥に何かを注がれる生まれて始めての感覚に、モンモ...
ギーシュが逝った。
それに気付いたモンモランシーは、ほぅと一息吐くと優しく...
中に入ったままのギーシュの分身は、気持ちよさそうにピク...
自分の身体で好きな人が果てた。
笑いたい様な、叫びたい様な、微妙な満足感がモンモランシ...
ギーシュもわたしに、気持ち良い事沢山してくれて……それだ...
「……モンモランシー……逝った?」
「? い……く……?」
自分でするときより、ずっと気持ちが良かったから、
これで終わりだと思っていたモンモランシーは、思わず不思...
昔キュルケが何か言ってたような……
女の子同士の話を思い出して、慌てて頷いたが時はすでに遅...
「が、がんばるからっ、がんばるからね、モンモランシー!」
「ちょっ……ギーシュ、待って、わたしはじめてっ……っあ……」
硬度を保ったままだったギーシュは、歯を食いしばりごつご...
一度逝った直後で、敏感なギーシュはさっきまでほど激しく...
初めてのモンモランシーにとって、それは適度な甘い刺激に...
「っ……ま……って……いっ……」
程なくモンモランシーの身体は仰け反り、飲み込んだままの...
「……うっ」
感度の上がっていたギーシュはそれだけでまた果てる。
「……ギーシュ……気持ちよか……」
たよ。そう言う前に、いきり立ったギーシュはもう一度腰を...
「逝ったフリなんか要らないんだぁぁぁぁ、モンモランシーィ...
「ふぇっ? ちょ……まってぇっ……」
モンモランシーは何か言い募ろうとするが、ギーシュによっ...
(まっ……て……ギーシュっ! ちょ……つらいのっ……休ませ……てぇ)
「うおぉぉぉぉぉっ!!!!」
ギーシュはとても頑張った。
――日が昇るまで。
あまり寝ていないはずなのに、ギーシュの目覚めは良かった。
心の奥が満たされていて、溢れるような魔力が身体能力を引...
そっと隣を見ると、モンモランシーがぐったりと眠り込んで...
(夢じゃなかったんだ)
ほっと一息ついた。
モンモランシーとの睦み合いが、一晩過ぎたら夢だった。
実は結構良く有った。
間近で見ることの彼女の寝顔が、昨夜の行為を思い出させて...
生唾を飲み込んだギーシュは、かろうじて彼女の身体を隠し...
もちろんその下は全裸で、ギーシュの劣情を……
(って、だめだぁぁぁ、眠ってる所を襲うとかしたらっ)
最悪怒られて、昨日のことはなかった事に……
それはかなり悪夢だ。
彼女が目覚めるときには側に居たいが、昨日の誘拐劇は彼女...
(疲れてる彼女の邪魔をしないようにしないと……)
このままだと起きる前にモンモランシーに襲い掛かってしま...
不機嫌そうなレイナールが、食堂に入るなりギーシュに毒づ...
「昨日は一晩中地震で、よく寝れなかったな! ギーシュ」
「? いや、地震なんか有ったかな? 隣だけど気付かなかっ...
無邪気にギーシュは答えた。
そんな二人を面白そうに水精霊騎士隊が見つめるなか、ギー...
「ギーシュ、おめでとう」
何人かがそう言って、ギーシュの肩を叩く――ちょっと強めに。
和やかな雰囲気の中、誰かがポツリと聞いた。
「ギーシュ、モンモランシーと結婚するのか?」
浮気性の友人の気まぐれを、密かに皆気にしていた。
しん……と、静まり返った食堂に、ギーシュの声が響いた。
「うん……そのつもりだよ」
起きて、彼女の顔を見たときに……ひょっとしたらもっとずっ...
ギーシュはすっかりと彼女に捕まってしまった。
なにより……昨夜の彼女を……他の男に見せたくなかった。
彼女は自分の物だという強烈な独占欲が、他の選択肢を削っ...
「おめでとう」
「おめでとう、ギーシュ」
一斉に祝福の声が溢れ、ギーシュは仲間たちに笑顔を返した。
そんな中、一人だけギーシュに否定的な目を向けるものが居...
「……いいのか? ギーシュ」
レイナールは、眠そうな目でギーシュに聞いた。
「も、勿論だよ、レイナール、結婚するからには、浮気とかも...
「いや……そうじゃなくてさ、ギーシュ」
?
不思議そうな皆の視線を集めながら、レイナールは言った。
――モンモランシーが目を覚ましたのは、昼前だったが目を覚...
「おはよう、モンモランシー」
「……お、おはよう、ギーシュ」
立ち上がろうとして、自分が何も着ていない事に気付くと真...
「……昨日、全部み……」
「そんな問題じゃないのっ!」
ギーシュは殴られた。そのままベットから転げ落ちてしまっ...
「モンモランシー!」
「は、はいっ」
真面目な表情で見つめるギーシュの真剣な表情で、モンモラ...
――『責任』を取ってくれる。そんなつもりで身体を許して訳...
「僕を……」
一呼吸溜めたギーシュは勢いよく続けた。
「お婿さんにしてくださいっ!」
「……っ、空気読めっ、ばかぁぁぁぁぁっ!!!!」
これが、ギーシュ・ド・グラモンの最後を締めくくる事件で...
その名を持つものは大勢の祝福を受けながらハルケギニアか...
モンモランシーはその時の事を、延々彼に怒り続ける事にな...
レイナールは言ったのだ。
「彼女、一人娘だろ? 嫁に取れないんじゃないのか?」
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終了行:
『ギーシュ・ド・グラモンの最後』 後編
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(しまったぁぁぁぁぁっ)
頭からシャワーを浴びながら、モンモランシーは冷静になり...
建材を利用してのゴーレムの創造等という大技の為に、ギー...
同時に駆けつけたサイトや水精霊騎士隊、そして聖女と呼ば...
……それは良いのだ。
別に。
ただ……
攫われて監禁されていたモンモランシーに、ルイズ達は声を...
『今日はわたし達と休む?』
二人にしたら当然の提案だったのだろう。
今から宿を探す時間もないし、なにより安全を確保できる。
が、モンモランシーは無言のまま首を振り断った。
(うあぁぁぁぁぁっ)
思い出したくないのに、自動的に脳内で自分の声が再生され...
『ギーシュから離れるのやだぁっ!』
(し……死にたい……)
あの場には、水精霊騎士の主だった面々が揃っていたし、聖...
(陛下までいらっしゃった様な……)
そんな人たちに囲まれたまま、モンモランシーは必死にギー...
引き離されるのが怖くて、かたかたと震えながらギーシュの...
ギーシュがふわりと自分のマントをモンモランシーに羽織ら...
(あ、あ、あ、明日っからどんな顔してみんなの前に出ればっ…...
今にして思うと、なんだか皆、妙に祝福する表情で二人を見...
……後ろから見ていた皆には、二人がどう見えただろう?
そう考えるだけで顔から火が出そうになり、温めにしたシャ...
正気に返ったのは、ついほんのさっき。
そして、今モンモランシーが最も悩んでいることは、
『シャワー浴びたい』
ギーシュの部屋に着いた時に、最初に切り出した言葉。
あの男に触られたところを一刻も早く洗いたかったのだが……
――二人きりで部屋に着いて、シャワーを浴び始める女に、ギ...
(っっっきゃぁぁぁぁぁぁっ!)
モンモランシーの悩みは尽きない。
触られたところを中心に、モンモランシーは念入りに身体を...
この状況で『念入りに身体を洗う』事が、何かを『期待』し...
(違うのよ、ちがうのよ、チガウノヨ、チガウノヨ、……)
湯に浸かっている訳でもないのに、真っ赤に茹で上がりなが...
この状況でギーシュが中の様子を覗くとは思わないから、ギ...
つまり、あまり時間を掛けると、『念入りに身体を磨いてい...
(で、出なきゃ、早く出なきゃ……)
一通り良く室内を片付けたモンモランシーは、そのまま外に……
出る寸前で、もう一度シャワーの前に引き返す。
(……も、もう一回だけ身体洗お……)
――彼女が部屋に戻ったのは、3回ほど身体を洗った後になっ...
「お、お先に……」
「う……うん」
ギーシュの部屋に女物の服の用意等有る筈も無く……もっとも...
ギーシュに用意できたのは、洗濯した所の自分の下着と制服...
モンモランシーは延々悩んだ末に、ワイシャツだけ着て部屋...
男の子のパンツを穿いている所をギーシュに見られるのは避...
「モモモモモ、モンモランシー、そのっ、刺激的な格好だね」
シャツの裾が翻るたびに、ギーシュの視線が不自然に踊って...
「そ、そう? だって、着る物他に無かったし」
気まずい空気が数秒流れた後、ギクシャクとギーシュは立ち...
「僕も、シャワーを浴びさせてもらうよ、少々汗をかいてしま...
棒読みの台詞の様な言葉に続き、ギーシュが不自然な挙動で...
……ギーシュの背中を見送りながら、寂しくなったモンモラン...
「早く、帰ってきてね?」
ドアの向こうでギーシュがこけた。
けたたましい音を立てている脱衣所の方を見るとはなしに見...
疲れていた体と心は、それだけで安らぎを感じ強制的にモン...
彼が帰ってきたときに、部屋で一人寝こけている女には成り...
(……ギーシュの……匂い……だ……)
枕に顔を埋めたまま深呼吸した。
そして、自分が何をしたのかを自覚して飛び起きた。
(ル、ルイズがうつったぁぁぁ、へ、変態になっちゃった!?)
ばたばたとベットから飛び降りながら、危険この上ない場所...
ギーシュの匂いに包まれているだけで、頭の奥がぼーっとし...
(だ、だめよ……あそこは危険すぎるっ)
眠っているのなら、まだ良かった。
もし……もしも、だ。
(ギーシュが帰ってきたときに、『準備OK!』とかって、わ...
年中女の子を追っかけてるギーシュでも引く。
絶対、引く。
(って、この部屋、どこもかしこもギーシュの部屋だぁぁぁぁ...
見覚えのある服がかかっていたり、自分のプレゼントがそこ...
何より嬉しかったのは、サイドテーブルに載った自分の肖像。
(ひ、卑怯だぁ……)
冬眠前の熊のように部屋をうろついていたモンモランシーは...
ここは危険だ。
ここに居るだけで、自分はギーシュに一切の抵抗が出来なく...
(うー、どうしてくれよう……あれ?)
ふかふかの絨毯の上でごろごろと転がっていたモンモランシ...
(? 靴下?)
ベットの下に丸められたソレが、ちゃんと自分が知っている...
(……な……に? これ……)
ソレは、体力の限界も、日頃のペースも、一切無視して動き...
足の裏の皮がめくれても、血が溢れても走り回った結果。
――じったりと血を吸って重くなった靴下を見つめたまま、モ...
(し、しみるぅぅぅぅ、死ぬ、死んでしまうぅぅ)
シャワーを浴びながら、ギーシュは一人悶えていた。
魔法で治すのは自信が無かったし、なによりモンモランシー...
部屋に入った直後の呆然としていたモンモランシーに気づか...
新しい靴下に履き替えた上で、脱衣所に向かっていた。
(せ、石鹸を使ったら、死んでしまうかもしれない……)
お湯に当たっただけでこの激痛である。
石鹸水だとどうなるだろうか?
だが……
(き、貴族として、紳士として……身体も洗わず、モンモランシ...
斜め上を見上げながら、男泣きに泣いたギーシュは、覚悟を...
「ギーシュ?」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
不意を付かれたギーシュは、妙な声で返事をしてから、すり...
「ど、どうかしたのかい? モンモランシー?」
硝子の向こうに見える、モザイクの様な肌色にギーシュは先...
(同じ石鹸のはずだよなぁ)
自分がいつも使っている石鹸の匂いとは絶対違った。
なんだかすごく良い匂いで、足の痛みが無かったらその場で...
「……わたしの杖……知らない?」
硝子の向こうの肌色が、ゆらゆらと誘うように揺れる。
「あ、あぁ、君がシャワーを浴びている間に届いたよ、机の上...
あんな怖い目にあった後だから、手元に武器が無いと不安な...
そう考えたギーシュは切なくなった。
(け、警戒されてる……)
良い雰囲気だと思ったけど、今日もまた、手は出せないよう...
始祖のこんじょーわる
ギーシュはしくしく泣きながら、身体を洗う覚悟を決めてい...
そんなギーシュの背後で、すり硝子に映る肌色の範囲が大き...
「ギーシュ」
「ん? なんだい? モンモランシー」
泡立てたタオルを見ながら、ギーシュは返事をする。
悲鳴を上げてしまう可能性を考えて、彼女が立ち去ってから...
そう考えていたギーシュの目論見は、次の瞬間崩壊した。
「入るわよ?」
「……ふぇ? って、きゃぁぁぁぁぁ」
ギーシュは悲鳴を上げながら、浴室の一番奥……といってもそ...
まで、逃げた。
身体を洗うつもりだったタオルは、パンツの代わりにクラス...
「なななななぁっ」
仰向けのまま四つんばいという、いささか器用な体勢で壁際...
バスタオル一枚で浴室に踏み込んだモンモランシーには、真...
「ばか」
つかつかとギーシュに近寄ったモンモランシーは、そっとそ...
胸のやや上めで固定されたバスタオルは、しっかりと胸を覆...
「ちょっ、ご、ごめん、モンモランシー……その、しんぱ、うひ...
モンモランシーはギーシュの足を手に取ると、傷口を見つめ...
足を取られたギーシュは、浴室の床から天井を見つめること...
……つまり、視点がとても低くなり……モンモランシーのタオル...
そうなると、彼の分身は巨大化し始めるが……この体勢では、...
(み、みちゃらめぇっ)
アワアワのタオルをしっかりと股間に押し付けながら、ギー...
「……なんで……こんなに成るまで……」
小さな小さな声が響いたその後に、ギーシュの視界は真っ白...
「んっ……」
モンモランシーの舌が、ギーシュの足の裏に触れていた。
前もって何らかの魔法を使っていたらしく、痛みはまったく...
「ちょっ、まって……モンモランシー、だめだ、そ、そこはちょ...
「……知ってる魔法の中で、これが一番痛くないの……」
口論する気は無いとばかりに、続きを始めるモンモランシー...
傷の治る気持ち良さや、痛みの引く安堵だけなら、ギーシュ...
力ずくで逃げ出そうにも、足の先にあるのはモンモランシー...
背中には壁。
逃げ道も無いギーシュは、されるが侭に成るのみだった。
与えられる刺激はあくまでもソフトだが、行動の自由が無い...
爪先から踵に向かい、また爪先に戻る舌先は、触れるか触れ...
僅かな範囲しか触れていないため、何度も何度も往復するこ...
ギーシュにとっては身動き出来ないままに弄られているに等...
「まって……モンモラ……ンシ……ちょっ……ふあっ……」
小さく開かれた唇の中に、ギーシュの親指が隠されて温かい...
血の味が感じられなくなるまで繰り返したモンモランシーは...
「っ! って、モンモ……休ませ……っ……」
舌を這わせるより、確実に治癒が確認できる事に気付いたモ...
柔らかい唇。
震える舌先。
何も考えられなくなったギーシュは、両手で床を支え喉が枯...
隠すものの無くなったギーシュの股間は、モンモランシーに...
肝心なところには指一本触れていないため、ギーシュは達す...
流石に顎が疲れてしまったモンモランシーが、足を離しても...
興味深そうに大きくなったギーシュ自身を見つめるモンモラ...
「……モ……ラ…………シー……恥ず……かしぃ……」
ビクビクと脈打つギーシュの分身は、モンモランシーの指先...
加減の分からないモンモランシーによって、やわやわと包ま...
ほんの少し強めに触れるだけ、それとも軽く擦るだけ。
それだけで、ギーシュは限界を超えそうだったが。
燻り続けていた彼女に触れたい欲求によって、攻守交替を求...
「っ……たぃ…………」
(モンモランシ……こんどは僕がっ)
そう伝えるつもりだったギーシュの手の中で、カルロに縛ら...
「ご、ごめん」
「……いいわよ……別に、痛くないし」
さっきの悲鳴は、無かった事にするつもりらしい。
正直ギーシュはそのほうが有り難かった。
ギーシュの限界はもうすぐそこで、力ずくで押し倒してでも...
「見せて……」
「ん……」
ギーシュの中の『男の子』は、女の子の怪我を放って置く事...
「痕が残るといけない」
そう言って、自分の杖を向けたギーシュの耳に、(残ったら...
「ちょっ、ギーシュ?」
自信は無かったが、思ったより簡単に魔法が成功したギーシ...
「ひぁっ……まって、ギーシュ。これっ、なんか変っ」
「……モンモランシーがしてくれた事だよ」
身体を捩って逃げ出そうとするモンモランシーを、ギーシュ...
自分がそうされたように、治った所でもなんども舐め上げ、...
「……こんなに早く治るのに、モンモランシーはあんなに時間を...
「ち、ちがっ……なんで? ギーシュ? 貴方こんなに水魔法得...
両の手首はすっかり完治していたが、ギーシュの舌は手首か...
「ひぅ……まって、ギーシュ、そこ怪我してないっ」
「…………」
その場に倒れこんでしまったモンモランシーを逃がさないよ...
ついさっきまで、自分がどんな恥ずかしいことをしていたの...
絡み合う二人の間で、モンモランシーを守っていた最後の一...
ギーシュの動きが止まった。
「な、に?」
タオルが解けた瞬間、さっきまで有った甘い雰囲気は払拭さ...
無言で身体に乗っていたタオルをむしり取るギーシュに、モ...
(あっ……)
モンモランシーは思い出した。
自分がどうしてタオルを高い位置で留めていたのかを。
――モンモランシーの胸には、カルロが力任せに掴んだ事によ...
爪あとのようなソレは、乳首に向かうように乳房ごとに5本...
(……き、嫌われ……る?)
モンモランシーは恐怖に震える。
天国から地獄に突き落とされたかのように、甘い恋人同士の...
そう感じていた。
目の前のその痕は、ギーシュ以外の男が触れた証明に他なら...
(し、信じてくれなかった……ら?)
杖を取り戻した時、ギーシュの怪我のことしか考えられなか...
――ギーシュは怒っていた。
モンモランシーの考えているような事はまったく無かったが、
彼女がひどい目にあった証は、自分を心配してここまで来て...
もし、自分の助けがもうほんの少し遅れたらどうなっていた...
それは、彼を冷静にさせるには十分すぎる衝撃で。
自分に対する目の眩む様な怒りが、ギーシュの行動を停止さ...
狂おしいまでに見ることを望んだ胸に刻まれた痣を睨みなが...
それがモンモランシーにどれだけ恐怖を与えているのか知ら...
次いで感じたのは絡みつくような感情。
ギーシュが他の娘に声を掛けることで、モンモランシーが嫉...
だが、モンモランシーは本気で怒ってダンスの相手を別に申...
――ギーシュはカルロに嫉妬していた。
大切な大切な相手に自分より先に触れた相手を、今から殺し...
そして、渦巻く殺気はさらにモンモランシーを怯えさせた。
「あ……あの……ギーシュ? あの……あのねっ」
ギーシュは無言のまま、モンモランシーを引き起こすと裸の...
「きゃっ、ギーシュ? ちょっ……まって……ねぇっ、聞いて……き...
徐々に小さくなっていくモンモランシーの声を聞きながら、...
モンモランシーを怯えさせているのは分かるのに、自分の中...
そして、黒々とした独占欲を自覚すればするほどに、ギーシ...
「ちが……の……なにもされてないからっ……、だからっ……」
『嫌いに成らないで』腕の中で泣くモンモランシーを無言の...
恐怖と混乱で怯える彼女を安心させたかったが、今口を開く...
二人きりでベットの上に全裸でされるがままに成る、大好き...
その存在はギーシュに強烈な優越感と占有感をもたらすが……
だからこそ、他の『雄』の痕跡にギーシュの心は狂おしく燃...
せめて怒りの理由を隠そうと胸の前で重ねられたモンモラン...
片手一本でのその両手を固定し、ぎらぎらと光る瞳で無言で...
ギーシュがいつもモンモランシーに向けていたのは、穏やか...
モンモランシーが怒っているときも、笑みを崩さないその目...
攫われ、拘束され、犯される寸前まで追い詰められた彼女の...
ギーシュの非を考えることを止めていた。
そして、ギーシュと二人きりなのに彼が怒っている以上、悪...
彼女に罪はないというのに、攫われてしまった自分が悪いと。
逃げられなかった自分が悪いと。
傷つけられた自分の所為だと。
ぐるぐると、頭の中がそんな考えで一杯になった。
カルロに取り押さえられていた時に遥かに勝る恐怖が、彼女...
(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめん...
好きな人に嫌われたかもしれない恐怖が、彼女に心を壊す寸...
ギーシュはのそりと動き出した。
モンモランシーの腕にかかっていた圧力が消え、ギーシュが...
もし、彼がこのままこの部屋を出て行ったら?
ギーシュが次に帰ってきたときに最初に見るものは、物言わ...
そんなところまで追い込まれているモンモランシーの上で、...
喰いちぎられる。
モンモランシーがそんな覚悟を決めてしまうほど、ギーシュ...
反射的に目を瞑り、身体を竦めたモンモランシーの胸に、何...
(……っ……ギーシュ?)
驚いて目を開くモンモランシーの目に映るのは、無心に胸を...
「あ……の……?」
「…………………………」
突き出された舌が痣に重ねられ、正確になぞり、もう一度同...
いつの間にか背中に手が添えられていて、その暖かさにモン...
「ギーシュ?」
その言葉に、ほんの一瞬動きが止まる。
彼女の震えが止まっている事に、ようやく気付いたギーシュ...
騎士隊長格の客が泊まる部屋の布団は、魔法でも掛かってい...
じわりと伝わり始める体温に、モンモランシーの身体が崩れ...
ギーシュは彼女の背中にクッションと枕を置くと、もう一度...
「ちょっ……あのっ……ギーシュ?」
ギーシュの行動の理由を尋ね様としたモンモランシーは、下...
「……殺してやればよかった……あの……男っ!」
自分を怒っているわけではなかった事に、気付いたモンモラ...
まっすぐにギーシュの顔に目を向けられた。
ギーシュが自分に向けていた怒りはすっかり息を潜め、胸に...
そして、それは何時もならモンモランシーがギーシュに向け...
――妬いてくれたの?
喉まで出掛かった言葉を、モンモランシーは飲み込んだ。
――ギーシュが浮気する理由……分かったかも……
(始めて感じた嫉妬してもらえる優越感に、胸を熱くしていた)
子犬でも抱くみたいに、胸の中にあるギーシュの頭に優しく...
夢中で痣を治癒するギーシュを見ながら、穏やかな気持ちで...
「こ、これからはっ、ぼ、僕以外に……見せたり、触らせたりし...
「…………皆で覗きとかしなかったっけ?」
「……あとで皆殴っとく」
ギーシュはようやくサイトの心境を理解していた。
穏やかな時間がゆっくりと流れたが、5分もするとモンモラ...
(……っ…………ぁ……)
喋る事が出来たのはほんの暫くの間だけで、それからは声が...
胸に刻まれた指の痕は、乳首までは届かず外れていたが、そ...
胸の周りから始まり、一番敏感なところに向かった真っ直ぐ...
(やぁっ…………ギ、ギーシュ……はっ、真面目に治してくれてるの...
ギーシュの舌が先端に近づいたとき、身体が無意識に捻られ...
舐め上げてくるギーシュの口に、つんと尖り始めた敏感な所...
抱いているギーシュの口を、無理矢理胸に向けそうになった。
寸前で離れていくギーシュの舌に、全身が付いていきそうに...
(あっ……あぅっ……やあっ…………やだっ……)
いっそ、さっきまでみたいに押さえつけてくれれば良いのに。
全身を強張らせ、与えられる刺激に耐えようとすれば耐えよ...
耐えようと刺激に集中することが、更に感覚を鋭敏にしてい...
刺激を繰り返された胸の奥がじんわりと熱を帯び、そのまま...
トロリと熱い蜜のような塊がお腹の奥で自己主張を始めるこ...
クチと小さな音がモンモランシーの耳に届いた。
ギーシュの舌が胸に当たる音ではなく、もっとずっと下のほ...
モンモランシーの頭は羞恥で沸騰した。
そして、羞恥は与えられていた快感を数倍に跳ね上げる。
いつの間にかギーシュの頭を支えていた手は、自分の身体を...
(ダ、ダメッ……こえっ……声……がっ……)
いつの間にか降り始めた甘い嬌声に、ギーシュは自分の行動...
夢中だったのだ、それまでは。
自分の色欲などより、痣を消すほうが遥かに重要だと感じら...
そして、まだ痣が有るうちはそれに集中できた。
殺しているつもりらしい声が、どれほど甘くなろうとも。
自分の拙い舌先で、操られるようにピクンピクンと跳ねる身...
離れようとする時に、堪え切れずに加えられた力によって頬...
その時に漏れ出る吐息が、聞いた事が無いほど扇情的でも。
まだ集中することは出来た。
が、実はもうとっくに彼女の胸は純白を取り戻していた。
抜けるような肌も、薄い桜色の突起も、ギーシュが求める理...
それは、毎夜毎夜狂おしく求めたもので……
その文字通り夢にまで見た光景に、ギーシュは舌を止める事...
そして、とめる機会を逸すると、今更に
『終わった』
その一言は伝えられなくなった。
頭の奥の甘い痺れに押されるように、ギーシュは舌を動かし...
いつの間にか回りに満ち始めたモンモランシーの牝の香りは...
「ひっ……あっ……ぅ……」
ビクンと、目の前で白魚が跳ねた。
支えあうように寄り添っていたはずなのに、気付くとギーシ...
その二人の体重を支えていたモンモランシーの腕が、崩れる...
支えを失ったギーシュは、飛び込むようにモンモランシーの...
埋まるほどの大きさではない。
周りを見回せば、幾らでも大きい胸はある。
が、浅い谷間の底でギーシュはこの上ない幸せに包まれた。
押し付けられる間際に、ギーシュの頬を熱い塊が通っていっ...
「ひぁっ……」
僅かに与えられた、望んでいた刺激にモンモランシーの思考...
「ご、ごめんな……さひっ……」
クッションと背中の間でギーシュの指が蠢く度に、体温が上...
快感で繊細な行動を放棄し始めた言語中枢は、彼女の理性の...
――このままだと、おかしくなっちゃう。
その思いが、彼女に問いを紡がせる。
「治っ……た?」
ギーシュと一つになりたい。
女の子からそんなことを言い出せるはずも無く、治療さえ終...
そんな期待を含んだ問いに、ギーシュの一言は短く無常に告...
「……まだ」
――もう終わり。
そう告げることが、この行為の終わりを意味する。
そんな錯覚にとらわれているギーシュにとって、『治った』...
甘い香りの立ち込める中で息を整えようとするギーシュだっ...
肺からだけではなく、まるで素肌からも透って来ていると錯...
堪えきれない衝動に押されるようにもう一度モンモランシー...
ほんの少しでも接触面積を増やそうと、無意識のうちに首元...
燃えるように熱く、しっとりと汗に濡れた肌は艶に満ちてい...
何時の間にかカラカラに乾き始めた喉を、胸元の汗で潤そう...
ギーシュはもう一度動き始めた。
何時まで続ける。
そんな展望は微塵も無いギーシュは、何時まででもこの行為...
痛いほど膨れ上がった自分は、次に進みたがっていたが、未...
繰り返し繰り返し、貪っているギーシュに、お気に入りの角...
下乳の陰りからゆっくり上がるように舌を這わせる。
右も左もモンモランシーの熱を感じながら、視界に侵入する...
筋肉が有る訳ではないのに、ピクピクと震え続ける先端突起...
彼女は気付いていない。
もうかなり前から声が溢れていることを。
「ひあっ、いやぁっ……、……っあああああ」
首に回されていた腕に、ぎゅっと力が入る。
ふるふると何かを否定するかのように、首が必死で振られて...
(はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……)
荒い息をつきながら、ギーシュがまた胸の下に潜り込もうと...
ギーシュの太腿になにか軽いものが乗った。
モンモランシーの足首だ。
そう悟った頃には、こすり合わせるように白い脚が絡み付い...
(うぁっ……)
柔らかな太腿が、ギーシュのお腹に当たりお尻のほうに向か...
思わずモンモランシーを見上げるが、無意識の行動らしく朦...
快感への予感に震えながら、ギーシュが姿勢を低くするとギ...
――部屋にモンモランシーの悲鳴が響く。
やっと触ってくれた!
望んでいた箇所への刺激に、モンモランシーは必死でギーシ...
だんだん開いていったとはいえ、片足が絡むまではギーシュ...
だが、片足が背中に回った今、ギーシュは彼女の足の間に入...
結果として限界まで熱くなった箇所に無造作に触れてしまっ...
首元で彷徨っていた腕は、ギーシュの頭を胸に押し付け、
弾かれた様に絡みついた両脚は、その中心でギーシュに火を...
本能に導かれるままに、ギーシュはじっとモンモランシーを...
自分からギーシュに抱きつき、大切な所を押し付けている事...
もうこれ以上は無いだろうと思われていた体温を更に上げ、...
しかし……その身体はギーシュから離れようとせず、更にそれ...
全ての仕草が、ギーシュに点いた火に油を注ぎ……
――そしてギーシュは獣になった。
モンモランシーの手に逆らわないようにするだけで、ギーシ...
微かにかかる吐息で、腕の中のモンモランシーが悶え始める...
唇を軽くあて乳児の様に吸いたてると、悲鳴の様な声と共に...
ギーシュは舌先に感じられる乳首を、口の中の捉えたまま弄...
加減が分からないギーシュの愛撫は、軽い痛みを伴ったがそ...
ギーシュを捕らえていたモンモランシーの手足が、ギーシュ...
ギーシュが身体を離せるほどではないが、ギーシュの行動を...
そんな絶妙の距離を、モンモランシーの本能が探り当てた。
密着したままだと背中に回されるだけだったギーシュの指が...
触れられると、自分がどんな反応をしてしまうか分からない...
見ることすら禁忌だった箇所を、吸いながら触れることを許...
黙ってそれを見つめていた。
人差し指が触れるか触れないかの位置に来たとき、胸に密着...
自分のそれも、決して負けないスピードで打っている。
頬には柔らかいおっぱい。
唇に乳首。
そして舌より遥かに思うままに動く指が、つ、と乳首に触れ...
背中に回された腕が、期待と興奮でもじもじと動くのがかわ...
ギーシュは興味を優先させ、それ自身の硬度で乳首を乳房に...
硬さと柔らかさを同時に味わおう。
その程度のつもりだったが、限界まで感度が上昇した乳首を...
先端を弄られる鋭い感覚と、胸に対する柔らかなタッチ。
そんなふたつの始めてを同時に受けたモンモランシーのもぞ...
不規則に彼女に訪れる痙攣の、小さな波をいくつか越し、最...
ギーシュはそっと自分の身体を起こした。
薄明るいランプの光で、うっとりと脱力した恋人を心行くま...
が、観察の時間はそう長く取れなかった。
(い、いよいよ……)
一刻も早く繋がりたいと、ギーシュの下半身が暴れ始めてい...
脱力仕切ったモンモランシーの脚を開き、
初めて興味を持ったときから、ずっと気になっていた隙間に...
長時間繰り返された愛撫で十分に準備されたそこは、ギーシ...
愛液を絡め奥へ奥へと飲み込もうと、熱くなった肉が蠢いた。
もしこの指が、アレだったら?
ギーシュは接合部を見ながら、血走った目で想像した。
いつのまにか息を潜め、ゆっくりと出し入れを繰り返しなが...
いよいよ事に及ぶために、中の形を確かめようと押し付ける...
それまでぐったりと動かなかったモンモランシーが、ピクリ...
敏感な亀頭が僅かに熱を感じただけで、ギーシュは腰が引け...
先端を愛液で濡らし、そのままずるりと押し込もうとする。
外れ。
入り口の襞の上を滑る様に包まれたまま、皮の下で大きくな...
はずれ。
下を狙いすぎたギーシュは、粘液に包まれたままの亀頭をお...
ハズレ。
しっかりと自分を掴み、襞をかき分けて入り口を求めるが、...
何度も繰り返し挑戦するが、失敗するたびに限界は近づき、...
『い、入れたい……いれ……たい……イレタ……イ……』
入り口に僅かに潜り込む感触が、事の及んだ際の期待を煽り...
――すい、とギーシュの背中に手が回され、軽い力が加えられ...
「モ、モンモランシーそ、そのっ……ごめ……」
情けない気分で謝ろうとするギーシュの唇が、キスで塞がれ...
「ギーシュの意地悪……わたしの『初めて』の思い出、独り占め...
酔った様に潤んだ瞳が、じっとギーシュに向けられて、目を...
「モンモランシー?」
「……暖かい……」
ギーシュが落ち着くまで、モンモランシーは抱きしめた。
痛いほど膨らんだギーシュの分身は、二人の間で熱を放って...
ほんの少しの間、ギーシュはモンモランシーが主導権を握る...
初めてなのはモンモランシーも同じだったし、ギーシュも出...
モンモランシーを抱きたかった。
モンモランシーを見つめたまま、ギーシュはもう一度入り口...
「んっ……」
粘膜同士が擦られたときの、モンモランシーの声にギーシュ...
真っ赤になった頬や、ギーシュの視線から逃れようと彷徨う...
襞の間をかき分けているギーシュの背中に、モンモランシー...
「「あ……」」
先が僅かに潜り込む。
ギーシュがそのまま進もうとするのを止めたモンモランシー...
「あの……こ、これで……」
ギーシュは無言で頷くと、浮かせたモンモランシーの腰が辛...
彼女を気遣ったその行動は、ギーシュが腰を動かすのに都合...
腰を前に進めると共に、腰に添えた手でモンモランシーを引...
指で感じていた感触が、ギーシュを包み込む。
それは指より遥かに気持ちよく、奥に進めば進むほどに柔ら...
初体験のモンモランシーが示す抵抗も、ギーシュにとっては...
火照った身体がギーシュの下でくねる。
ギーシュが奥には入るほどに、引き換えのように深く熱い息...
――初めては痛いって聞いていたのに。
モンモランシーは混乱していた。
破瓜の血がシーツを汚しているのが確かに見えるのに、お腹...
感じたことのない違和感が、徐々にお腹からゆっくりと這い...
モンモランシーは声が出そうに成るのを必死に殺しながら、...
挿入のために身体を起こしているギーシュの身体が遠いのが...
(っ! っくぁ……うっ…………ぁ)
腰と腰が密着したときに、何かが捏ねられる感触にモンモラ...
二人の間で潰されたのは、皮に包まれたまま大きくなってい...
そこに触れられると、とても気持ち良い事を身体はもう教え...
快感にもがくモンモランシーの腕の中に、ギーシュの身体が...
何度も弄られた胸がギーシュの身体を直接感じ、そのまま動...
そして、目の前には真っ直ぐに自分を見つめるギーシュの顔。
擦られた部分ではなく、胸が奥から熱くなる。
愛しくて、嬉しくて、ギーシュのこと以外何も考えられなく...
――初めてなのに感じで恥ずかしい。
そんな事はどこかに吹き飛んで、無心に彼にしがみつく。
殺していた声を、想いに任せて彼に届ける。
堪えていた快感を、感じるままに受け止める。
……いきなり反応が良くなり、飲み込むようにうねり出した肉...
そしてなにより蕩ける表情で自分を見上げるモンモランシー...
ギーシュはあっさりと果てた。
お腹の奥に何かを注がれる生まれて始めての感覚に、モンモ...
ギーシュが逝った。
それに気付いたモンモランシーは、ほぅと一息吐くと優しく...
中に入ったままのギーシュの分身は、気持ちよさそうにピク...
自分の身体で好きな人が果てた。
笑いたい様な、叫びたい様な、微妙な満足感がモンモランシ...
ギーシュもわたしに、気持ち良い事沢山してくれて……それだ...
「……モンモランシー……逝った?」
「? い……く……?」
自分でするときより、ずっと気持ちが良かったから、
これで終わりだと思っていたモンモランシーは、思わず不思...
昔キュルケが何か言ってたような……
女の子同士の話を思い出して、慌てて頷いたが時はすでに遅...
「が、がんばるからっ、がんばるからね、モンモランシー!」
「ちょっ……ギーシュ、待って、わたしはじめてっ……っあ……」
硬度を保ったままだったギーシュは、歯を食いしばりごつご...
一度逝った直後で、敏感なギーシュはさっきまでほど激しく...
初めてのモンモランシーにとって、それは適度な甘い刺激に...
「っ……ま……って……いっ……」
程なくモンモランシーの身体は仰け反り、飲み込んだままの...
「……うっ」
感度の上がっていたギーシュはそれだけでまた果てる。
「……ギーシュ……気持ちよか……」
たよ。そう言う前に、いきり立ったギーシュはもう一度腰を...
「逝ったフリなんか要らないんだぁぁぁぁ、モンモランシーィ...
「ふぇっ? ちょ……まってぇっ……」
モンモランシーは何か言い募ろうとするが、ギーシュによっ...
(まっ……て……ギーシュっ! ちょ……つらいのっ……休ませ……てぇ)
「うおぉぉぉぉぉっ!!!!」
ギーシュはとても頑張った。
――日が昇るまで。
あまり寝ていないはずなのに、ギーシュの目覚めは良かった。
心の奥が満たされていて、溢れるような魔力が身体能力を引...
そっと隣を見ると、モンモランシーがぐったりと眠り込んで...
(夢じゃなかったんだ)
ほっと一息ついた。
モンモランシーとの睦み合いが、一晩過ぎたら夢だった。
実は結構良く有った。
間近で見ることの彼女の寝顔が、昨夜の行為を思い出させて...
生唾を飲み込んだギーシュは、かろうじて彼女の身体を隠し...
もちろんその下は全裸で、ギーシュの劣情を……
(って、だめだぁぁぁ、眠ってる所を襲うとかしたらっ)
最悪怒られて、昨日のことはなかった事に……
それはかなり悪夢だ。
彼女が目覚めるときには側に居たいが、昨日の誘拐劇は彼女...
(疲れてる彼女の邪魔をしないようにしないと……)
このままだと起きる前にモンモランシーに襲い掛かってしま...
不機嫌そうなレイナールが、食堂に入るなりギーシュに毒づ...
「昨日は一晩中地震で、よく寝れなかったな! ギーシュ」
「? いや、地震なんか有ったかな? 隣だけど気付かなかっ...
無邪気にギーシュは答えた。
そんな二人を面白そうに水精霊騎士隊が見つめるなか、ギー...
「ギーシュ、おめでとう」
何人かがそう言って、ギーシュの肩を叩く――ちょっと強めに。
和やかな雰囲気の中、誰かがポツリと聞いた。
「ギーシュ、モンモランシーと結婚するのか?」
浮気性の友人の気まぐれを、密かに皆気にしていた。
しん……と、静まり返った食堂に、ギーシュの声が響いた。
「うん……そのつもりだよ」
起きて、彼女の顔を見たときに……ひょっとしたらもっとずっ...
ギーシュはすっかりと彼女に捕まってしまった。
なにより……昨夜の彼女を……他の男に見せたくなかった。
彼女は自分の物だという強烈な独占欲が、他の選択肢を削っ...
「おめでとう」
「おめでとう、ギーシュ」
一斉に祝福の声が溢れ、ギーシュは仲間たちに笑顔を返した。
そんな中、一人だけギーシュに否定的な目を向けるものが居...
「……いいのか? ギーシュ」
レイナールは、眠そうな目でギーシュに聞いた。
「も、勿論だよ、レイナール、結婚するからには、浮気とかも...
「いや……そうじゃなくてさ、ギーシュ」
?
不思議そうな皆の視線を集めながら、レイナールは言った。
――モンモランシーが目を覚ましたのは、昼前だったが目を覚...
「おはよう、モンモランシー」
「……お、おはよう、ギーシュ」
立ち上がろうとして、自分が何も着ていない事に気付くと真...
「……昨日、全部み……」
「そんな問題じゃないのっ!」
ギーシュは殴られた。そのままベットから転げ落ちてしまっ...
「モンモランシー!」
「は、はいっ」
真面目な表情で見つめるギーシュの真剣な表情で、モンモラ...
――『責任』を取ってくれる。そんなつもりで身体を許して訳...
「僕を……」
一呼吸溜めたギーシュは勢いよく続けた。
「お婿さんにしてくださいっ!」
「……っ、空気読めっ、ばかぁぁぁぁぁっ!!!!」
これが、ギーシュ・ド・グラモンの最後を締めくくる事件で...
その名を持つものは大勢の祝福を受けながらハルケギニアか...
モンモランシーはその時の事を、延々彼に怒り続ける事にな...
レイナールは言ったのだ。
「彼女、一人娘だろ? 嫁に取れないんじゃないのか?」
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