ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
数合わせ ぎふと氏
#br
夜。才人が部屋に戻ってみると、ベッドの縁に腰かけたピン...
両手を前に唸り声をあげていた。なにやら深刻そうな様子で...
「ただいま」
と恐る恐る声をかけると、
「あ〜〜もうっ、わからなくなっちゃったじゃない!」
案の定というか、きつい目で睨まれてしまった。
「何してるんだよ」
それでもめげずに尋ねると、
「何でもいいでしょ。とにかく今忙しいんだから、声をかけな...
ルイズは怒鳴り、それから両手をお手上げといった風に大き...
そのままベッドに倒れこんで盛大にため息をついた。
「おかしいわ。どうしたって変よ……」
なおも呟く。「何が?」と才人は尋ねなかった。
過去の経験から見るに、気軽に声をかけてはいけない雰囲気...
こういう時は放っておくに限る。そう考えた才人は静かにそ...
壁際に座を占めた。ちょうどその昔ワラ束の寝床だった辺り...
そしてご主人様を観察することにした。……とにかく暇だった...
さてご主人様は、真剣な顔で眉を寄せると、何やらう〜んと...
それからぶるぶるっと頭を振り、目をつむり、またう〜んと...
そしておもむろに目をかっと見開き「1、2、3」と指を折...
何か数を数えているらしいと、それだけは理解できた。
時おり合いの手のように「これも数に入るわよね」などと独...
そうやって何度も目をつむっては開いて指を折ってを繰り返...
結構な数になったところで、がばっと跳ね起きた。
「おかしい! 絶対合わない!」
そして勢いよく才人の方に顔と視線を向けると、にま〜っと...
どくんどくんどくん……。才人の心臓がホラーの効果音を奏で...
「ねえ、サイト」
き、来た。痛む胸を押さえつつ、続くルイズの言葉を硬直し...
「あのね。ちょっと聞きたいんだけど」
「はい、なんでしょう。ご主人さま」
「私の笑顔の回数って、まだ数えてる? 大体でもかまわない...
恐ろしくてとても否定できる雰囲気ではない。必死に記憶を...
もちろんです。こくこくと頷いた。冷や汗がこめかみを伝い...
「じゃあ、言ってみなさい」
「……72回+2回、かな?」
「そうね。確かにあんたロマリアでそう言ったわ。偉いわ。よ...
「お褒めに預かり光栄至極にございます」
「でもね。おかしいの。あんたからもらった記憶をすっかりさ...
どうしてもね。数が合わないの。ものすっごく合わないの」
ぎくりと才人は顔を歪め、ゆっくりと立ち上がろうとした。...
「あの時……、私がどんなに感動したか知ってる? もちろん覚...
でも絶対に感動したと思うの。私すごく嬉しそうな顔してたも...
もはや猶予はなかった。才人は猛ダッシュで部屋を飛び出そ...
しかし、ルイズはガンダールヴも真っ青な素早さでベッドか...
扉の前に立ちはだかった。右手にはもちろん杖。パチパチと...
「正直におっしゃい。あんた本当に数えていたの? それとも…...
選択ウィンドウが開いた。YES or NO。
しかしどちらを選んだとしても結果は恐らく同じに違いない。
その瞬間……、才人は己の運命を悟り静かにそれを受け入れた...
〜FIN〜
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終了行:
数合わせ ぎふと氏
#br
夜。才人が部屋に戻ってみると、ベッドの縁に腰かけたピン...
両手を前に唸り声をあげていた。なにやら深刻そうな様子で...
「ただいま」
と恐る恐る声をかけると、
「あ〜〜もうっ、わからなくなっちゃったじゃない!」
案の定というか、きつい目で睨まれてしまった。
「何してるんだよ」
それでもめげずに尋ねると、
「何でもいいでしょ。とにかく今忙しいんだから、声をかけな...
ルイズは怒鳴り、それから両手をお手上げといった風に大き...
そのままベッドに倒れこんで盛大にため息をついた。
「おかしいわ。どうしたって変よ……」
なおも呟く。「何が?」と才人は尋ねなかった。
過去の経験から見るに、気軽に声をかけてはいけない雰囲気...
こういう時は放っておくに限る。そう考えた才人は静かにそ...
壁際に座を占めた。ちょうどその昔ワラ束の寝床だった辺り...
そしてご主人様を観察することにした。……とにかく暇だった...
さてご主人様は、真剣な顔で眉を寄せると、何やらう〜んと...
それからぶるぶるっと頭を振り、目をつむり、またう〜んと...
そしておもむろに目をかっと見開き「1、2、3」と指を折...
何か数を数えているらしいと、それだけは理解できた。
時おり合いの手のように「これも数に入るわよね」などと独...
そうやって何度も目をつむっては開いて指を折ってを繰り返...
結構な数になったところで、がばっと跳ね起きた。
「おかしい! 絶対合わない!」
そして勢いよく才人の方に顔と視線を向けると、にま〜っと...
どくんどくんどくん……。才人の心臓がホラーの効果音を奏で...
「ねえ、サイト」
き、来た。痛む胸を押さえつつ、続くルイズの言葉を硬直し...
「あのね。ちょっと聞きたいんだけど」
「はい、なんでしょう。ご主人さま」
「私の笑顔の回数って、まだ数えてる? 大体でもかまわない...
恐ろしくてとても否定できる雰囲気ではない。必死に記憶を...
もちろんです。こくこくと頷いた。冷や汗がこめかみを伝い...
「じゃあ、言ってみなさい」
「……72回+2回、かな?」
「そうね。確かにあんたロマリアでそう言ったわ。偉いわ。よ...
「お褒めに預かり光栄至極にございます」
「でもね。おかしいの。あんたからもらった記憶をすっかりさ...
どうしてもね。数が合わないの。ものすっごく合わないの」
ぎくりと才人は顔を歪め、ゆっくりと立ち上がろうとした。...
「あの時……、私がどんなに感動したか知ってる? もちろん覚...
でも絶対に感動したと思うの。私すごく嬉しそうな顔してたも...
もはや猶予はなかった。才人は猛ダッシュで部屋を飛び出そ...
しかし、ルイズはガンダールヴも真っ青な素早さでベッドか...
扉の前に立ちはだかった。右手にはもちろん杖。パチパチと...
「正直におっしゃい。あんた本当に数えていたの? それとも…...
選択ウィンドウが開いた。YES or NO。
しかしどちらを選んだとしても結果は恐らく同じに違いない。
その瞬間……、才人は己の運命を悟り静かにそれを受け入れた...
〜FIN〜
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