ゼロの使い魔保管庫
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
単語検索
|
最終更新
|
ヘルプ
]
開始行:
…よく考えたら、何も付き合う必要ないんじゃ…。
本の林の中で、才人はそう思っていた。
目の前には、棚から取り出した本を流し読みするタバサ。
読めているのか、と疑いたくなるようなスピードでぱらぱらと...
事の発端はこう。
『…2回も間違えた』
先週の虚無の曜日、『二人きりのときは本名(シャルロット)...
その罰として、才人は女子寮の屋根の上で朝から昼近くまで『...
部屋に戻って、床に下りたタバサはみるみる不機嫌になり、そ...
『…あんだけ抱っこしてやっただろ』
『…足りない』
むー、とふくれてタバサは言った。
才人は女の子ってのはめんどいなあ、と思いながら、まさかア...
何かを思いついたように、タバサはぽん、と手を打った。
『…今度の虚無の曜日』
『…なに?』
『買い物、付き合って』
街の本屋に本を買いに行くので、付き合ってほしいというのだ。
それで済むなら安いもんだ、と才人は軽く請け負ったのだが。
『…どこ行くの?』
『どちらへ行かれるんですか?』
出かけようとするところを、部屋の主人とメイドに見つかって...
休みになにしようが犬の自由だけど浮気だけは許さないんだか...
私はサイトさんのこと束縛したりしませんけどこれ以上女の子...
…ほんとに、オレ最近流されやすいよな、なんか妙なものに憑か...
そして、シルフィードのおかげで、街の本屋の開店直後に、本...
…もう、昼前なんですけど…。
字の読めない才人にとって、この本の林はただの紙の束の塊に...
しかも、その量たるや膨大なものだった。
ハルケギニアには『本の流通』というものがないらしく、本屋...
しかも、索引などついていないので、目的のものを見つけるに...
本屋の中にはタバサのように、端から本を手にとって読んでい...
しかし、才人とタバサのように、連れで本を探している者はい...
「…なあ、疲れないのか?」
才人はいいかげん疲れてきていた。ていうか退屈。
「…退屈?」
タバサは、本から目を離すことなく言う。
…正直に言っていいもんだろうか、とか少し悩んだ才人だったが...
「まあ、退屈っちゃ退屈だな」
するとタバサは、手に持っていた本をぱたんと閉じると、棚に...
「昼ごはんにする」
言って、すたすたと店の外に向かって歩き出した。
「あ、おい待てってばタ…」
バサ、と続けそうになる才人を、タバサが振り返って睨みつけ...
才人は慌てて言葉を呑み込み、無理矢理言葉を続ける。
「…シャルロット!」
「…よろしい」
満足そうに微笑み、タバサは歩き出した。
…疲れる。
「…本はよかったのか?」
結局一冊も本を買うことなく店を出たタバサに、才人は疑問を...
人が3人も並べば肩がぶつかりそうになる通りを、タバサが先...
「…別にいい」
そう言って少し先を歩いていたタバサが、少しスピードを緩め...
才人はタバサの態度に、何かあるのか?と周りを見渡したが、...
タバサは才人との距離を少し詰めると、不自然に左手をにぎに...
…なるほど。
「こうしたいなら言えばいいんだよ」
きゅ、っと才人はタバサの手を握る。
すると、タバサの顔がみるみる赤くなった。
「…子供っぽくない?」
赤い顔のまま、才人の顔色を伺うように上目遣いでタバサは尋...
…かわええ。
…い、いかん、違う道に目覚めそうだ…。
もうすでに道は踏み外しまくってるけどなー、という脳内デル...
「そんなことないよ」
そう言って握った手に軽く力を込める。
タバサは嬉しそうに微笑んで、握り返してきた。
二人はしばらくそのまま歩き、適当な食堂に入った。
そこそこ賑わっている下品でない食堂で、席に着くと活発なウ...
「はいいらっしゃーい!メニューこれねー。とりあえずなんか...
手渡されたメニューの最初のページにはびっしり何かが書き込...
「私は氷水。サイトは?」
「んー、あればミルクで」
「じゃあミルク」
二人のやり取りを見ていたウェイトレスが、当然の疑問をぶつ...
「何?お兄さんが注文するんじゃないの?」
「あ、オレ字読めなくてさ」
「お兄さんなのに情けないわねー!妹に字ぃ読んでもらってる...
呆れたように言って、ウェイトレスは紙に注文を書き込むと、...
「はは、兄妹だってさ」
才人は何の気なしにタバサにそう言う。
…返事がない。
見ると、タバサは物凄く不機嫌そうな顔をしていた。
「…妹…」
呟いてさらに不機嫌そうな顔になる。
あ、なるほど。
でもどう見ても、二人を恋人同士に見るほうに無理がある。
才人は、タバサの機嫌を取るようににこやかに話しかける。
「機嫌直せよ」
が、タバサの眉間の皺は納まらない。
はいおまたせー、と先ほどのウェイトレスが飲み物を運んでく...
タバサはそれを受け取ると、一気に飲み干した。
…荒れてんなー。
飲み干すとタバサは、メニューを広げてウェイトレスに言った。
「ここからここまで全部」
ちょ、まてよ、と止める才人の声も届かず、タバサは続ける。
「…あと氷水大ジョッキで」
ちょっとした宴会くらいは開けるんじゃないか、という量の料...
才人もいくらかつまんだが、タバサの食べっぷりを見ているだ...
タバサは最後のパスタをずぞぞぞぞっ、とすすり終えると、残...
「…完食おめでとう」
思わずそう呟く才人。
しかしタバサはまだ不満そうにしている。
タバサはどこからともなくメニューを取り出すと、呆れて見て...
「あと、このプディング。ホールで」
その食堂の大食い記録をおそらく塗り替えたであろうタバサは...
よっぽど兄妹呼ばわりされたのが気に入らないらしい。
…いい加減機嫌直してくんないかなー、と隣のタバサを見ると、...
「…こんなん残してるから妹呼ばわりされるんだよ」
そう言って才人はそのかけらを指でつまみ、自分の口に放り込...
すると、タバサの眉間の皺がみるみるうちに解けていく。
…もう、妹でもいい。
タバサは才人の腕にぎゅー、っと抱きつくと、にっこり笑って...
「お兄ちゃん♪」
「頼むからソレだけはヤメて…」
その後、結局本屋には寄らず、そのまま学院に帰ることになっ...
タバサはシルフィードの上でも嬉しそうに才人の横に寄り添い...
「…いいのかよ、結局本買わなかったじゃないか」
それどころか、街で使ったお金といえば、タバサの食べた昼代...
買い物、と言うわりには何も買っていない。
「…いい」
にこにこしながら、才人の横でタバサは続ける。
「サイトとお出かけしたかった」
く、この、かわいーこと言ってくれんじゃねえか、とか思いな...
タバサは一瞬ぴくん、と身体を強張らせたが、すぐに緊張を解...
…あの、これはそのアレですか、「キスして」って解釈でよろし...
才人はその小さな花びらのような唇に吸い寄せられるように自...
そして二人は、風竜の上で、口付けを交わした。
二人が帰ると、女子寮の入り口でルイズが待ち構えていた。
「いやあのだな!?オレはタバサに頼まれて買い物に付き合っ...
「へえ?その割にはなにも荷物持ってないじゃない。何を買っ...
作り笑顔がものすごくコワイ。
「た、タバサからもなんとか言ってやってくれよ!」
慌ててタバサにフォローを頼む才人だが、タバサはとんでもな...
「…キスした」
びきぴっ。
空気が瞬時に凍りつき、その空気に亀裂が入るのが見えた。
「…い・ぬ?」
「ふぁ、ふぁい」
作り笑顔のまま、ルイズの顔がドス黒く染まっていく。
怒りのオーラが周囲を侵食し、まるで結界のように空間を閉じ...
これが虚無の固有結界…っ!!
「浮気は許さないって言ったわよねえ…?」
「…ひ!」
そんな二人のやり取りを気にも留めてない様子で、タバサはル...
「ちょっと待ちなさい」
ルイズがそんなタバサを呼び止める。
「アンタも、人の使い魔に手出しといて、挨拶の一つもなし?」
しかしタバサは動じない。
「…サイトを不幸にするなら、私が貰う」
二人の視線の間に、火花が散る。
ぎぎぎぎぎ、とルイズの首がぎこちなく回り、作り笑いを才人...
「…サイト?私といると幸せよね?」
今は不幸ってーか怖いです。
「…幸せを強要しないで」
タバサはそんなルイズの言葉尻を捉える。
「今は私とこの犬が話ししてるの」
「犬なら話さない」
二人はんぎぎぎぎぎぎぎ、と視線をぶつけ合うと、一瞬で間合...
「お、おいこら二人とも魔法はまずいって!」
結局、ハルケギニアの空を高々と舞ったのは、雪風と虚無の魔...
終了行:
…よく考えたら、何も付き合う必要ないんじゃ…。
本の林の中で、才人はそう思っていた。
目の前には、棚から取り出した本を流し読みするタバサ。
読めているのか、と疑いたくなるようなスピードでぱらぱらと...
事の発端はこう。
『…2回も間違えた』
先週の虚無の曜日、『二人きりのときは本名(シャルロット)...
その罰として、才人は女子寮の屋根の上で朝から昼近くまで『...
部屋に戻って、床に下りたタバサはみるみる不機嫌になり、そ...
『…あんだけ抱っこしてやっただろ』
『…足りない』
むー、とふくれてタバサは言った。
才人は女の子ってのはめんどいなあ、と思いながら、まさかア...
何かを思いついたように、タバサはぽん、と手を打った。
『…今度の虚無の曜日』
『…なに?』
『買い物、付き合って』
街の本屋に本を買いに行くので、付き合ってほしいというのだ。
それで済むなら安いもんだ、と才人は軽く請け負ったのだが。
『…どこ行くの?』
『どちらへ行かれるんですか?』
出かけようとするところを、部屋の主人とメイドに見つかって...
休みになにしようが犬の自由だけど浮気だけは許さないんだか...
私はサイトさんのこと束縛したりしませんけどこれ以上女の子...
…ほんとに、オレ最近流されやすいよな、なんか妙なものに憑か...
そして、シルフィードのおかげで、街の本屋の開店直後に、本...
…もう、昼前なんですけど…。
字の読めない才人にとって、この本の林はただの紙の束の塊に...
しかも、その量たるや膨大なものだった。
ハルケギニアには『本の流通』というものがないらしく、本屋...
しかも、索引などついていないので、目的のものを見つけるに...
本屋の中にはタバサのように、端から本を手にとって読んでい...
しかし、才人とタバサのように、連れで本を探している者はい...
「…なあ、疲れないのか?」
才人はいいかげん疲れてきていた。ていうか退屈。
「…退屈?」
タバサは、本から目を離すことなく言う。
…正直に言っていいもんだろうか、とか少し悩んだ才人だったが...
「まあ、退屈っちゃ退屈だな」
するとタバサは、手に持っていた本をぱたんと閉じると、棚に...
「昼ごはんにする」
言って、すたすたと店の外に向かって歩き出した。
「あ、おい待てってばタ…」
バサ、と続けそうになる才人を、タバサが振り返って睨みつけ...
才人は慌てて言葉を呑み込み、無理矢理言葉を続ける。
「…シャルロット!」
「…よろしい」
満足そうに微笑み、タバサは歩き出した。
…疲れる。
「…本はよかったのか?」
結局一冊も本を買うことなく店を出たタバサに、才人は疑問を...
人が3人も並べば肩がぶつかりそうになる通りを、タバサが先...
「…別にいい」
そう言って少し先を歩いていたタバサが、少しスピードを緩め...
才人はタバサの態度に、何かあるのか?と周りを見渡したが、...
タバサは才人との距離を少し詰めると、不自然に左手をにぎに...
…なるほど。
「こうしたいなら言えばいいんだよ」
きゅ、っと才人はタバサの手を握る。
すると、タバサの顔がみるみる赤くなった。
「…子供っぽくない?」
赤い顔のまま、才人の顔色を伺うように上目遣いでタバサは尋...
…かわええ。
…い、いかん、違う道に目覚めそうだ…。
もうすでに道は踏み外しまくってるけどなー、という脳内デル...
「そんなことないよ」
そう言って握った手に軽く力を込める。
タバサは嬉しそうに微笑んで、握り返してきた。
二人はしばらくそのまま歩き、適当な食堂に入った。
そこそこ賑わっている下品でない食堂で、席に着くと活発なウ...
「はいいらっしゃーい!メニューこれねー。とりあえずなんか...
手渡されたメニューの最初のページにはびっしり何かが書き込...
「私は氷水。サイトは?」
「んー、あればミルクで」
「じゃあミルク」
二人のやり取りを見ていたウェイトレスが、当然の疑問をぶつ...
「何?お兄さんが注文するんじゃないの?」
「あ、オレ字読めなくてさ」
「お兄さんなのに情けないわねー!妹に字ぃ読んでもらってる...
呆れたように言って、ウェイトレスは紙に注文を書き込むと、...
「はは、兄妹だってさ」
才人は何の気なしにタバサにそう言う。
…返事がない。
見ると、タバサは物凄く不機嫌そうな顔をしていた。
「…妹…」
呟いてさらに不機嫌そうな顔になる。
あ、なるほど。
でもどう見ても、二人を恋人同士に見るほうに無理がある。
才人は、タバサの機嫌を取るようににこやかに話しかける。
「機嫌直せよ」
が、タバサの眉間の皺は納まらない。
はいおまたせー、と先ほどのウェイトレスが飲み物を運んでく...
タバサはそれを受け取ると、一気に飲み干した。
…荒れてんなー。
飲み干すとタバサは、メニューを広げてウェイトレスに言った。
「ここからここまで全部」
ちょ、まてよ、と止める才人の声も届かず、タバサは続ける。
「…あと氷水大ジョッキで」
ちょっとした宴会くらいは開けるんじゃないか、という量の料...
才人もいくらかつまんだが、タバサの食べっぷりを見ているだ...
タバサは最後のパスタをずぞぞぞぞっ、とすすり終えると、残...
「…完食おめでとう」
思わずそう呟く才人。
しかしタバサはまだ不満そうにしている。
タバサはどこからともなくメニューを取り出すと、呆れて見て...
「あと、このプディング。ホールで」
その食堂の大食い記録をおそらく塗り替えたであろうタバサは...
よっぽど兄妹呼ばわりされたのが気に入らないらしい。
…いい加減機嫌直してくんないかなー、と隣のタバサを見ると、...
「…こんなん残してるから妹呼ばわりされるんだよ」
そう言って才人はそのかけらを指でつまみ、自分の口に放り込...
すると、タバサの眉間の皺がみるみるうちに解けていく。
…もう、妹でもいい。
タバサは才人の腕にぎゅー、っと抱きつくと、にっこり笑って...
「お兄ちゃん♪」
「頼むからソレだけはヤメて…」
その後、結局本屋には寄らず、そのまま学院に帰ることになっ...
タバサはシルフィードの上でも嬉しそうに才人の横に寄り添い...
「…いいのかよ、結局本買わなかったじゃないか」
それどころか、街で使ったお金といえば、タバサの食べた昼代...
買い物、と言うわりには何も買っていない。
「…いい」
にこにこしながら、才人の横でタバサは続ける。
「サイトとお出かけしたかった」
く、この、かわいーこと言ってくれんじゃねえか、とか思いな...
タバサは一瞬ぴくん、と身体を強張らせたが、すぐに緊張を解...
…あの、これはそのアレですか、「キスして」って解釈でよろし...
才人はその小さな花びらのような唇に吸い寄せられるように自...
そして二人は、風竜の上で、口付けを交わした。
二人が帰ると、女子寮の入り口でルイズが待ち構えていた。
「いやあのだな!?オレはタバサに頼まれて買い物に付き合っ...
「へえ?その割にはなにも荷物持ってないじゃない。何を買っ...
作り笑顔がものすごくコワイ。
「た、タバサからもなんとか言ってやってくれよ!」
慌ててタバサにフォローを頼む才人だが、タバサはとんでもな...
「…キスした」
びきぴっ。
空気が瞬時に凍りつき、その空気に亀裂が入るのが見えた。
「…い・ぬ?」
「ふぁ、ふぁい」
作り笑顔のまま、ルイズの顔がドス黒く染まっていく。
怒りのオーラが周囲を侵食し、まるで結界のように空間を閉じ...
これが虚無の固有結界…っ!!
「浮気は許さないって言ったわよねえ…?」
「…ひ!」
そんな二人のやり取りを気にも留めてない様子で、タバサはル...
「ちょっと待ちなさい」
ルイズがそんなタバサを呼び止める。
「アンタも、人の使い魔に手出しといて、挨拶の一つもなし?」
しかしタバサは動じない。
「…サイトを不幸にするなら、私が貰う」
二人の視線の間に、火花が散る。
ぎぎぎぎぎ、とルイズの首がぎこちなく回り、作り笑いを才人...
「…サイト?私といると幸せよね?」
今は不幸ってーか怖いです。
「…幸せを強要しないで」
タバサはそんなルイズの言葉尻を捉える。
「今は私とこの犬が話ししてるの」
「犬なら話さない」
二人はんぎぎぎぎぎぎぎ、と視線をぶつけ合うと、一瞬で間合...
「お、おいこら二人とも魔法はまずいって!」
結局、ハルケギニアの空を高々と舞ったのは、雪風と虚無の魔...
ページ名: