ゼロの使い魔保管庫
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565 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「本日の公務は以上です。お疲れ様でした、陛下」
マザリーニは言って、開いていた帳簿をパタンと閉じた。
ここはトリステイン王国王室。執務机と必要最低限の家具だけ...
アンリエッタはその執務机の椅子の上で、大きく伸びをした。
「これこれ、はしたないですぞ女王陛下」
「よいではないですか。公務はもう終わりなのでしょう?」
言ってアンリエッタは席を立ち、マザリーニの背後に回りこむ。
そして、その肩を揉み、労をねぎらう。
「あなたもお疲れ様でした、枢機卿」
「な、なんともったいない…」
アンリエッタの指圧はぎこちなく、マザリーニの肩の凝りをほ...
「それで、明日以降の予定はどうなっていますか?」
指圧を続けながら、アンリエッタは問う。言わなくても明日の...
マザリーニは手帳を出し、内容を確認する。
その背後で、アンリエッタがそわそわと落ち着きを無くしてい...
マザリーニは、これが年頃の娘を持った父親の心境か、とため...
「…あと二日は、特に大した公務もありませんな。溜まっている...
アンリエッタの顔が歓喜の色に彩られる。
「で、では、少しお出かけしてもよろしいかしら…?」
そして、再度マザリーニの肩を揉む。それは、厳しい父親のご...
…まったく、しようのない娘だな。
マザリーニには分かっていた。アンリエッタはばれていないと...
確かに、彼の下なら、彼女が危険に晒されることはありえない。
…別の危険はあるが、それは陛下の心持次第で防げるものだし…。
「…明後日の夕刻までには、お戻りくださいね?」
「…は、はいっ!」
アンリエッタの満面の笑みに、マザリーニも笑顔になる。
…まったく、この年で娘を持つと大変だな。
566 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
まず、才人に起こった今朝からの出来事を、順を追って説明し...
朝、目が覚めるといきなりルイズに蹴飛ばされた。
「なにご主人様より遅く起きてんのよ、犬っ!」
朝食を持ってきたシエスタが何もない床に蹴躓いて、才人に覆...
「朝からサカってんじゃないわよっ、犬っ!」
朝食を食べ終わって日課の素振りをしに行くと、タバサが不意...
「見境なく尻尾振ってんじゃないわよっ、犬っ!」
素振りが終わると突然アニエスがやってきて、さあデートに行...
「いいいいいいいいい、犬ぅーーーーーーーーーーーーー!!」
そして無理矢理馬上の人になった才人は、アニエスに先導され...
…尻が腫れ上がっているかもしれない…。
まだ痛む臀部を気にしながら、才人は馬を走らせる。
「災難だったな、サイト」
明らかに笑みを含んだ声で、アニエスがそう語りかける。
「…アニエスさんが『デートだ』なんて言うからですよ…。
姫様からの呼び出しなら、最初からそう言ってくれればいい...
アニエスが学院にやってきた理由は、アンリエッタ女王が才人...
567 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
しかし才人にその書簡は読めないので、尻を蹴飛ばされて呻い...
『シュヴァリエ・ド・サイト。トリステイン女王アンリエッタ...
行く先は追ってシュヴァリエ・ド・アニエスが伝えられるべ...
王命で呼び出されたとあっては、シュヴァリエの才人は断るこ...
ルイズが私も行く、と言い張ったが、アニエスに「王命にミス...
ため息をつく才人に、アニエスは馬を横に並ばせ、笑みを浮か...
「少なくとも陛下は『デート』のつもりだと思ったんだがな?
…いつの間に陛下にまで手を出した?この節操なしめ」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら、アニエスは器用に馬を操りな...
気分はすっかりやり手の弟を持った姉だ。
…普通の姉は弟に手は出さないが。
「え。あの。その」
全部話す訳にもいかず、才人はしどろもどろになる。
「ま、日頃の修行の成果を試す時だな?
ついていってやれないのが残念だが、ちゃんと陛下を満足さ...
「あ、あのですねえっ!」
「そら、言っている間にもうついた」
そうしてもめていると、街道沿いに小さな旅籠が現れた。
その小さな煙突からは煙が立ち昇り、才人から見える馬小屋の...
その宿の前には、エプロンを着けた黒髪をポニーテールに纏め...
…あ、あれは…!
「ここから先は、お前の仕事だ。
あと、呼び名を間違うなよ?あそこは一応、普通の宿だ」
アニエスはそう言って、馬を反転させて才人と別れる。
才人は馬を走らせ、黒髪の女性の前で、馬を止める。
「ア……アン……?」
その黒髪の女性は、髪の色と髪形こそ違え…アンリエッタ女王、...
いつかトリステイン魔法学院で見せた、白い上着に黒い足にぴ...
これなら、女王を間近で見たことのある人間しか、彼女が女王...
「お待ちしておりました、シュヴァリエ・サイト」
最も天上に近い王たるアンリエッタが、ただのシュヴァリエの...
馬から下りた才人は、その態度に恐縮する。
「そ、そんな、丁寧にしなくても…」
しかしその唇を、『アン』はウインクしながら、人差し指で塞...
「サイトさん、忘れてません?私は『アン』ですよ」
言って腰の後ろに手を回し、にっこりと微笑んだ。
そこに女王アンリエッタの壊れそうな儚さはなく…日向の花のよ...
568 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
その宿は、一階が食堂、二階より上が宿として機能するものら...
宿に入ると、才人は拍手でもって迎えられた。
「…え?」
驚く才人に、周りに居合わす客たちは、口々に才人を称える。
「シュヴァリエ・サイトのお出ましだ!」
「トリステインの英雄!万歳!」
なにこれ、と才人が隣で微笑むアンに視線で説明を求める。
「すいません、サイトさんの名前で宿をとったら、あっという...
あ、それと、今日は私、サイトさんのお付ですから。なんで...
言ってアンは食堂の真ん中のテーブルを勧める。
…こ、こんなとこに座ったら周りから注目されるじゃん…!
しかし才人に断れようはずもなく、才人は覚悟を決めて席につ...
すると次の瞬間。
どすんっ、と木でできた大ジョッキが才人の目の前に置かれた。
その取っ手を握るのは、熊に見紛う髭の大男。顔もむき出しの...
「おう、こいつは俺のおごりだ!俺は『赤熊』!アルビオンでお...
ここいいる連中の半分は、アルビオンでお前さんに命を救わ...
今日は、全員でお前さんをもてなすからな!なあお前ら!」
『赤熊』と名乗った男の怒声に、周りにいるどう見ても尋常で...
「あ、ありがと…」
その勢いに押され、才人は思わず引く。
そんな才人の手を、アンはそっと握り、エールの入ったジョッ...
才人は思わずアンの方を見る。
「さ、皆サイトさんを待ってますわ。音頭をどうぞ」
そして両手を添え、才人にジョッキを持ち上げさせる。
才人は何を言っていいのか一瞬考え、そして言った。
「えっと…我らの未来に、乾杯」
その声に一瞬、食堂がしん、と静まり返る。
しまった!『トリステイン万歳』とかのがよかったか?
外しちゃったオレーーーーーー!?
しかし次の瞬間、食堂は湧きに湧いた。
「おう!我らの未来に!」
「シュヴァリエ・サイトの未来に!」
「ハルケギニアの未来に!」
「シュヴァリエ・サイト万歳!」
「かんぱーーーーい!」
そして、宴の幕は切って落とされた。
654 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
本人の予想通り、才人は真ん中のテーブルでもみくちゃにされ...
次々に運ばれてくる料理と、空になるたび奢られる酒に、才人...
「大人気ですね、サイトさん。私も鼻が高いです」
言って、隣で肉を切り分けるアン。
「はは。正直そんな器じゃないと思いますけど」
苦笑いして、アンの取り分けた皿を受け取る才人。
そんな才人の肩を、『赤熊』が遠慮なくぶったたいた。
「なぁに謙遜してやがんだ!単騎で七万の軍を止めるなんざ、俺...
周りの傭兵仲間が、そうだそうだ、と合いの手を入れる。
その声にがははははと大声で笑い、さらに続ける。
「お前はそれをやってのけた。そして、それに倍する命を救っ...
だから謙遜なんかするな!『俺がトリステインの盾だ!』くら...
そして、アンの切り分けていた肉の塊を半分ばかり両手でむし...
「こんな旨いもんが喰えるのも、旨い酒が飲めるのも、綺麗な...
わかったら胸張って叫んでみろ!『俺がトリステインの盾だ!...
そしてもう一度、ばしんばしんと才人の肩を叩いた。
才人は困ったように、アンを見つめる。
アンは静かに微笑み、首を傾げてみせる。
言っちゃいましょう♪
その視線は確かにそう語っていた。
…そこまで言うなら…やったろーやないかー!
才人は残っていたエールを一気に飲み干すと、テーブルにダン...
「俺がトリステインの盾だーーーーーーっ!
文句あるかーーーーーーーっ!」
その声に、食堂中が沸きあがる。
『おおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーー...
宴の興奮は、最高潮に達した。
656 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
宴が一段落すると、客たちは三々五々、食堂から散っていた。
外に出て行くもの、二階の部屋に戻る者…。
そして、宴の主賓は、食堂中央のテーブルで酔い潰れていた。
「んー、おれがとりすていんのたてらー…」
幸せそうな寝顔で、そう呟く。
後片付けを手伝っているアンは、くすりと笑うと、才人の座っ...
そんなアンに、同じく後片付けを手伝っている赤熊が語りかけ...
彼はこの宴の発案者で、散らかしたのは俺たちだし、と律儀に...
「お付さん、英雄を部屋に連れて行ってやんな」
箒で床を掃いていたアンに、赤熊はそう声を掛ける。
しかし、食堂はまだ宴によって蹂躙された跡が痛々しいほど残...
「でも、まだお片づけが」
そう言って箒を抱えて、惨状を呈するフロアを指差す。
「アンタじゃ明日の朝日が昇っても掃除は終わらねえよ」
言って口の端を豪快に歪め、続ける。
「アンタ、英雄のお付なんて言ってたが、相当いいとこの出だろ?
隠さなくてもいいさ。仕草で分かるんだ、そういうの」
そして、呆けるアンから箒を奪い取る。
あ、とアンは箒を取り返そうとするが、赤熊は箒を後ろ手に隠...
「たまの休みにゃ嫁にいびられながら家の掃除するのが趣味な...
少なくともアンタよか掃除の作法は知ってる。
さ、行きな。そして、そこの鈍感な英雄に一発食らわせてや...
言って不器用なウインクをする。
その言葉に、アンの頬に朱が走る。
「そういう鈍感な男はな、押しに弱いんだ。なあに、女がいよ...
押して押して押しまくれ。そうすりゃ、いつかどっかにすっ...
そして下品な声でがははははは、と笑う。
657 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「そ、それじゃあ…」
アンは才人に歩み寄ると、そっと耳元で囁く。
「あの、サイトさん。そろそろお部屋に行きません?」
すると才人はバネ仕掛けのようにびょんっ!と気をつけの姿勢に...
「平賀才人、部屋に戻るでありますっ!」
と赤熊に敬礼をして、ぎっこぎっこと危うい足取りで歩き出し...
「ああ、危ないですっ!ほら、掴まって!」
「らいじょうぶでありますっ!」
千鳥足の才人をアンが支え、二階への階段を上がっていった。
そんな二人を、赤熊が懐かしいものを見るような目で、眺めて...
「昔は俺もあんな感じだったのかねえ…」
気がつくと、ベッドの上で横になっていた。
そこは、先ほどの食堂ではなかった。
薄いランプの明かりに照らされたそこは、宿屋の一室らしかっ...
絨毯こそ敷かれていなかったが、その部屋はしっかりした作り...
才人は体を起こすと、辺りを見渡す。
そこにいるはずの、アンの姿はなかった。
酒のせいで乾いた喉を潤そうと、才人はベッド脇の小卓に置い...
その水を飲んでいると、ドアが開いて、アンが入ってきた。
「あ、目が覚めたんですね」
手の上には、湯気を立てるシチュー皿の載った盆を持っている。
アンはそのままベッド脇の小卓の上にその盆を置くと、ベッド...
「もう夜中ですよ。
…ひょっとして、朝まで起きないかと思いました」
そして、酔った才人を思い出し、くすりと笑う。
その笑いに妙なものを感じ、才人は一瞬ぎくりとする。
…俺、またなんか妙なことしてないだろうな…?
「あ、あの、俺…」
なにかしませんでしたか?という才人の台詞を遮って、アンは言...
「なかなか可愛かったですよ、酔ったサイトさん」
…マジデ俺ナニシタンデスカーーーーーー!?
「赤ちゃんみたいで♪」
…死んだ。俺の心は今殺されました…。
才人がベッドの上で恥ずか死んでいると、アンは盆からシチュ...
「はいどうぞ。お腹が空いていると思って」
そして、スプーンでシチューを掬って、才人の前に差し出す。
658 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
宴会でさんざん飲み食いしたはずだったが、お腹が不思議に空...
実は才人の前に運ばれた料理は、ほとんど傭兵たちが平らげて...
才人はアンの差し出したスプーンを咥え、シチューを味わう。
そのシチューはあくまで柔らかく、才人の舌を刺激する。空腹...
「おいしい!おいしいよコレ!」
言ってアンから皿を奪い取り、夢中でシチューを貪る。
実際その位空腹だったし、そしてシチューは旨かった。
あっと言う間に平らげると、空っぽになった皿を小卓に置いた。
「ご馳走様っ!」
そしてアンを見ると。
泣いていた。
「え?ええええええええええ??お、俺なんかした!?」
何が起こったのか理解できず、慌てる才人。
アンはそんな才人を見て、頭を振った。
「いいえ、違うんです。嬉しくって…」
アンが言うには、このシチューは彼女が宿の厨房に頼んで作ら...
いつか、自分の宿で、疲れた旅人に温かいシチューを出す。そ...
「ずっと、上手に出来るかどうか不安だったんです。
…サイトさんが食べてくれるまで、すごく不安でした」
そして、目尻に溜まった涙を拭き、笑顔になる。
「これで、自信がつきました。ありがとうございます、サイト...
言ってぺこりと頭を下げる。
そんなアンに、かえって才人のほうが謙遜してしまう。
「そ、そんな大したことしてないですよ俺…」
頭を掻く才人のお腹が、不意にぐうっ、っと鳴った。
どうやらまだお腹が空いているらしい。
才人は思わず赤くなる。
アンはくすりと笑うと、皿と盆を手にとって立ち上がる。
「ちょっと待っててくださいね。お代わりを入れてきます」
659 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
アンは直ぐにシチューのお代わりを持って戻ってきた。
その盆の上には皿以外にも小さな瓶が載っていた。
…食後の酒かなにかかな?
そしてベッドから起きて部屋のテーブルの椅子に掛けていた才...
才人はスプーンが置かれるのを今か今かと待っていたが、スプ...
「あのー?」
「サイトさんだけの特別サービスですよ♪」
言ってアンは、才人の目の前に椅子を引っ張ってくると、そこ...
そしてスプーンでシチューを掬うと、才人の前に突き出した。
「はい、あーん♪」
才人は思わず周囲を警戒するが、誰も見ているはずがないと思...
「あーん」
才人の口の中に、再び天上の味が広がった。
そうして何度も「あーん」を繰り返すと、十分余りでシチュー...
「はー、もうお腹一杯だあ」
満足して、才人は椅子の背に身体を預ける。
そんな才人に、アンは残念そうに尋ねる。
「あら、もう入りません?」
言って、盆の上に載った小さな瓶を手にする。
そういや、まだなんか用意してくれてあるんだっけ?
才人は少し考え、まだ大丈夫だよな、と思い直す。
「大丈夫、まだ余裕ありますよ」
才人がそう言うと、アンは瓶を持ったまま、妙なことを言った。
「それじゃ、準備しますからアッチ向いててくださいね」
そして反対側の壁を指差す。
…またなんか、脅かす気なのか?
宿に来たときのアレを思い出し、才人は妙な不安と期待に胸を...
背を向けると、後ろで衣擦れの音と小さな水音が聞こえ、アン...
才人はなにかなー、と期待半分で振り向く。
「…な」
そして固まった。
660 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
アンは上着を脱ぎ去り、下着一枚になっていた。
上半身は完全に裸で、その胸を強調するように両腕を胸の下で...
その胸はまるで油を塗ったようにてらてらと光っていた。
その顔は上気しきり、才人から視線を外している。
「ななななななな、なにやってんですか!」
「これ…上等な蜂蜜なんですよ…」
言いながら、うろたえる才人に歩み寄り、蜂蜜を塗ったせいで...
才人の喉が、ごくりと鳴る。
それは才人のちっぽけな理性の揺らぐ音だった。
「サイトさんだけの特別サービスです…。
す、好きなだけ、た、食べて…」
才人の理性はその一撃でノックダウンした。
才人は口を開けると、遠慮なくその豊満な右胸にむしゃぶりつ...
口いっぱいに胸の肉をほおばると、舌全部を使って蜂蜜を舐め...
「はぁ…ふぁん!」
アンの喉から、嬌声が漏れる。
口の中に広がる甘い蜂蜜の味と、耳に流れ込む甘い声に、才人...
舐めまわし、吸い上げ、そして歯で削り取る。
「あっ…ふぁっ…!すわれ、るぅっ…」
右胸が蜂蜜と共に才人に吸い取られるんじゃないか、という錯...
やがて、右胸の蜂蜜を全て舐め取ると、まだてらてらと光る左...
そして、先ほどと同じように、口全部でアンの左胸を犯す。
「あ、あ、あ、はぁっ…サイトさっ…」
右胸を犯されて蠢き始めたアンの獣が、喉の奥から艶かしい声...
その声に刺激され、才人はもっとその声が聞きたくて、手を動...
才人の涎でべとべとになったアンの右胸を、才人の左手が鷲掴...
661 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「ひゃぁんっ!」
両胸を犯される快感に、アンの喉と背筋が踊る。膝かかくかく...
アンはそのまま、後ろにあった椅子に腰を落とす。
才人は吸い付いたアンの胸に引きずられるように立ち上がった。
しかしまだ口は離さず、左手もアンの胸の柔らかさを楽しむこ...
そしてその左手は、胸を揉みながら、器用に中指と薬指の第二...
「は、あ、あ、あ、あ、あーーーーーー!」
その胸虐だけで、アンの身体は仰け反り、視界が白く染まった。
左胸の蜂蜜を舐めきった才人は、アンの胸からようやく口を離...
アンを見下ろすと、椅子の背もたれにぐったりと身体を預け、...
その胸の隙間から、琥珀色の液体が、下半身まで伝わっている...
「全部…食べないとな」
ケダモノに支配された才人は、そう言い放つと未だ快感の余波...
「ひゃぁっ!?」
一度達したアンの身体は、才人の舌が胸の間を這うだけで、燃...
才人は、丹念に蜂蜜を舐め取りながら、下へ下へと進んでいく。
そして、緩いカーブを描く臍のあたりを、特に丹念に舐めまわ...
「ふぁ、ふぁ、やぁ、おなかっ、やだぁっ」
アンはその快感に堪えるしかない。必死にかぶりを振り、意識...
才人はさらに先に見える、蜂蜜と溢れ出る雌の蜜でべとべとに...
「ここにも…残さず食べなきゃな。アンがせっかく用意してくれ...
才人はそう言って、右手でべとべとのショーツをずらし、アン...
左手でジッパーを下ろし、自らのモノも、外気に晒す。
その光景を、アンはじっと見つめていた。
「全部食べちゃうよ?」
才人の台詞に、アンは頷く。
「どうぞ…全部、サイトさんのですから…」
アンの言葉に、才人は遠慮なく、二つの蜜でどろどろになった...
662 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「ふぁぁっ!サイトさんっ…!」
そのまま密着してきた才人の上半身を、アンは抱きしめる。
柔肉が才人の胸板との間で潰れ、アンにさらに快感を与える。
才人は腰を打ちつけながら、目の前で快感に囀るアンの唇を塞...
「ん…んふっ…」
才人の頭に両腕を回し、その口付けに応えるアン。
その間にも、才人のストロークが、アンを無理矢理二度目の絶...
「ん、ん、んんんんーーーー!」
唇と秘所を塞がれたまま、才人を抱きしめ、アンは達する。
しかし、その締め付けにも才人は止まらない。
脱力したアンのそこを容赦なく突き上げ、自らの快感のみを求...
その動きに、達したはずのアンの身体が、さらに高みに押し上...
そして、才人も限界に達した。
「アン、だ、出すよっ!」
どくどくどくどくどくっ!
才人の迸りが、アンの中を容赦なく灼き尽くす。
「あ、だめ、だめ、だめ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
視界が無数の色にフラッシュし、アンの意識は焼き切れた。
663 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
次の朝。
二人は揃って、宿を出た。
「送りますよ、トリスタニアまで」
いつまでも自分の腕を離さないアンに、才人はそう優しく語り...
しかし、アンは首を振る。
「ダメですよ。そんなに優しくされたら…泣いちゃいます」
しかし、既にアンの目尻には、涙が浮かんでいた。
この逢瀬は、ここまで。
そんな一抹の寂しさが、アンを覆っていた。
でも…一つだけ。
「じゃあ、一つだけ。
お願い…していいですか?」
そう言うアンの瞳は深くて、吸い込まれそうで。
才人の思考を、完全に停止させた。
「いいですよ」
「優しく抱きしめて。
…キス、して…」
一つじゃなくて二つじゃん、なんて野暮な突っ込みは、停止し...
才人は優しくアンを抱きしめ、その顎に手を
「い・ぬ?」
その数メートル向こうで、聞きなれた声とともに、地獄の扉が...
そこには、朝靄を切り裂く黒いオーラを身に纏い、才人のご主...
「あんまり遅いから迎えに来てみれば?
どういうことなのか説明してもらいましょうか?
っていうかその娘ダレ?
何してたの?」
一切崩れない完璧な作り笑顔がものすごく怖い。
「…あ、あの、どうやってここを?」
「質問してるのはこっち。
…そんなに聞きたい?アンタの馬をタバサの使い魔に探しても...
後ろを見ると。
…竜の姿のシルフィードがいる。
…いままで竜の表情なんて分からなかったが、笑ってる。アイツ...
664 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「…ん?」
詰め寄ったルイズと、アンの目が合う。
アンは慌てて目を逸らす。
「あーーーーーー!姫様ーーーーーーーーーーーーーー!!」
…あ。バレた。
「…相応の覚悟ってこういう意味だったんですか姫様ぁーーーー...
ルイズはアンの襟元を掴み、がっくんがっくん揺する。
「な、ななななんの事ですか?私はアン、旅籠の女将を目指す、...
あくまでとぼけるアンに、ルイズはふーーーん、と揺するのを...
「なら、ここいいるのは、サイトを狙うアン、って子なわけで...
「そうそう」
「なら余計に許せるかーーーーーーー!」
再び物凄い勢いでアンをがっくんがっくん揺する。
しばらくすると、アンは目を回して気絶してしまった。
…相変わらず温いのーみそしてるわねー。
倒れたライバルに冷たい視線を送ると、ルイズはこっそり馬小...
思い切り引っ張られ、ぐえ、と声を上げて才人は地面に倒れる。
「さて。事情をたぁっぷりと聞かせてもらいましょうか?主にそ...
「あのぅ、言葉じゃダメっすか…?」
「不 許 可♪」
満面の笑顔で、ルイズはダメ出しをした。
そしてそのままずりずりと、才人はもといた宿屋に引きずられ...
その日、その宿屋では、長く切ない悲鳴が止むことはなかった...
その数日後、『トリステインの盾』を遥かに凌ぐ強さの女メイ...
終了行:
565 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「本日の公務は以上です。お疲れ様でした、陛下」
マザリーニは言って、開いていた帳簿をパタンと閉じた。
ここはトリステイン王国王室。執務机と必要最低限の家具だけ...
アンリエッタはその執務机の椅子の上で、大きく伸びをした。
「これこれ、はしたないですぞ女王陛下」
「よいではないですか。公務はもう終わりなのでしょう?」
言ってアンリエッタは席を立ち、マザリーニの背後に回りこむ。
そして、その肩を揉み、労をねぎらう。
「あなたもお疲れ様でした、枢機卿」
「な、なんともったいない…」
アンリエッタの指圧はぎこちなく、マザリーニの肩の凝りをほ...
「それで、明日以降の予定はどうなっていますか?」
指圧を続けながら、アンリエッタは問う。言わなくても明日の...
マザリーニは手帳を出し、内容を確認する。
その背後で、アンリエッタがそわそわと落ち着きを無くしてい...
マザリーニは、これが年頃の娘を持った父親の心境か、とため...
「…あと二日は、特に大した公務もありませんな。溜まっている...
アンリエッタの顔が歓喜の色に彩られる。
「で、では、少しお出かけしてもよろしいかしら…?」
そして、再度マザリーニの肩を揉む。それは、厳しい父親のご...
…まったく、しようのない娘だな。
マザリーニには分かっていた。アンリエッタはばれていないと...
確かに、彼の下なら、彼女が危険に晒されることはありえない。
…別の危険はあるが、それは陛下の心持次第で防げるものだし…。
「…明後日の夕刻までには、お戻りくださいね?」
「…は、はいっ!」
アンリエッタの満面の笑みに、マザリーニも笑顔になる。
…まったく、この年で娘を持つと大変だな。
566 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
まず、才人に起こった今朝からの出来事を、順を追って説明し...
朝、目が覚めるといきなりルイズに蹴飛ばされた。
「なにご主人様より遅く起きてんのよ、犬っ!」
朝食を持ってきたシエスタが何もない床に蹴躓いて、才人に覆...
「朝からサカってんじゃないわよっ、犬っ!」
朝食を食べ終わって日課の素振りをしに行くと、タバサが不意...
「見境なく尻尾振ってんじゃないわよっ、犬っ!」
素振りが終わると突然アニエスがやってきて、さあデートに行...
「いいいいいいいいい、犬ぅーーーーーーーーーーーーー!!」
そして無理矢理馬上の人になった才人は、アニエスに先導され...
…尻が腫れ上がっているかもしれない…。
まだ痛む臀部を気にしながら、才人は馬を走らせる。
「災難だったな、サイト」
明らかに笑みを含んだ声で、アニエスがそう語りかける。
「…アニエスさんが『デートだ』なんて言うからですよ…。
姫様からの呼び出しなら、最初からそう言ってくれればいい...
アニエスが学院にやってきた理由は、アンリエッタ女王が才人...
567 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
しかし才人にその書簡は読めないので、尻を蹴飛ばされて呻い...
『シュヴァリエ・ド・サイト。トリステイン女王アンリエッタ...
行く先は追ってシュヴァリエ・ド・アニエスが伝えられるべ...
王命で呼び出されたとあっては、シュヴァリエの才人は断るこ...
ルイズが私も行く、と言い張ったが、アニエスに「王命にミス...
ため息をつく才人に、アニエスは馬を横に並ばせ、笑みを浮か...
「少なくとも陛下は『デート』のつもりだと思ったんだがな?
…いつの間に陛下にまで手を出した?この節操なしめ」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら、アニエスは器用に馬を操りな...
気分はすっかりやり手の弟を持った姉だ。
…普通の姉は弟に手は出さないが。
「え。あの。その」
全部話す訳にもいかず、才人はしどろもどろになる。
「ま、日頃の修行の成果を試す時だな?
ついていってやれないのが残念だが、ちゃんと陛下を満足さ...
「あ、あのですねえっ!」
「そら、言っている間にもうついた」
そうしてもめていると、街道沿いに小さな旅籠が現れた。
その小さな煙突からは煙が立ち昇り、才人から見える馬小屋の...
その宿の前には、エプロンを着けた黒髪をポニーテールに纏め...
…あ、あれは…!
「ここから先は、お前の仕事だ。
あと、呼び名を間違うなよ?あそこは一応、普通の宿だ」
アニエスはそう言って、馬を反転させて才人と別れる。
才人は馬を走らせ、黒髪の女性の前で、馬を止める。
「ア……アン……?」
その黒髪の女性は、髪の色と髪形こそ違え…アンリエッタ女王、...
いつかトリステイン魔法学院で見せた、白い上着に黒い足にぴ...
これなら、女王を間近で見たことのある人間しか、彼女が女王...
「お待ちしておりました、シュヴァリエ・サイト」
最も天上に近い王たるアンリエッタが、ただのシュヴァリエの...
馬から下りた才人は、その態度に恐縮する。
「そ、そんな、丁寧にしなくても…」
しかしその唇を、『アン』はウインクしながら、人差し指で塞...
「サイトさん、忘れてません?私は『アン』ですよ」
言って腰の後ろに手を回し、にっこりと微笑んだ。
そこに女王アンリエッタの壊れそうな儚さはなく…日向の花のよ...
568 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
その宿は、一階が食堂、二階より上が宿として機能するものら...
宿に入ると、才人は拍手でもって迎えられた。
「…え?」
驚く才人に、周りに居合わす客たちは、口々に才人を称える。
「シュヴァリエ・サイトのお出ましだ!」
「トリステインの英雄!万歳!」
なにこれ、と才人が隣で微笑むアンに視線で説明を求める。
「すいません、サイトさんの名前で宿をとったら、あっという...
あ、それと、今日は私、サイトさんのお付ですから。なんで...
言ってアンは食堂の真ん中のテーブルを勧める。
…こ、こんなとこに座ったら周りから注目されるじゃん…!
しかし才人に断れようはずもなく、才人は覚悟を決めて席につ...
すると次の瞬間。
どすんっ、と木でできた大ジョッキが才人の目の前に置かれた。
その取っ手を握るのは、熊に見紛う髭の大男。顔もむき出しの...
「おう、こいつは俺のおごりだ!俺は『赤熊』!アルビオンでお...
ここいいる連中の半分は、アルビオンでお前さんに命を救わ...
今日は、全員でお前さんをもてなすからな!なあお前ら!」
『赤熊』と名乗った男の怒声に、周りにいるどう見ても尋常で...
「あ、ありがと…」
その勢いに押され、才人は思わず引く。
そんな才人の手を、アンはそっと握り、エールの入ったジョッ...
才人は思わずアンの方を見る。
「さ、皆サイトさんを待ってますわ。音頭をどうぞ」
そして両手を添え、才人にジョッキを持ち上げさせる。
才人は何を言っていいのか一瞬考え、そして言った。
「えっと…我らの未来に、乾杯」
その声に一瞬、食堂がしん、と静まり返る。
しまった!『トリステイン万歳』とかのがよかったか?
外しちゃったオレーーーーーー!?
しかし次の瞬間、食堂は湧きに湧いた。
「おう!我らの未来に!」
「シュヴァリエ・サイトの未来に!」
「ハルケギニアの未来に!」
「シュヴァリエ・サイト万歳!」
「かんぱーーーーい!」
そして、宴の幕は切って落とされた。
654 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
本人の予想通り、才人は真ん中のテーブルでもみくちゃにされ...
次々に運ばれてくる料理と、空になるたび奢られる酒に、才人...
「大人気ですね、サイトさん。私も鼻が高いです」
言って、隣で肉を切り分けるアン。
「はは。正直そんな器じゃないと思いますけど」
苦笑いして、アンの取り分けた皿を受け取る才人。
そんな才人の肩を、『赤熊』が遠慮なくぶったたいた。
「なぁに謙遜してやがんだ!単騎で七万の軍を止めるなんざ、俺...
周りの傭兵仲間が、そうだそうだ、と合いの手を入れる。
その声にがははははと大声で笑い、さらに続ける。
「お前はそれをやってのけた。そして、それに倍する命を救っ...
だから謙遜なんかするな!『俺がトリステインの盾だ!』くら...
そして、アンの切り分けていた肉の塊を半分ばかり両手でむし...
「こんな旨いもんが喰えるのも、旨い酒が飲めるのも、綺麗な...
わかったら胸張って叫んでみろ!『俺がトリステインの盾だ!...
そしてもう一度、ばしんばしんと才人の肩を叩いた。
才人は困ったように、アンを見つめる。
アンは静かに微笑み、首を傾げてみせる。
言っちゃいましょう♪
その視線は確かにそう語っていた。
…そこまで言うなら…やったろーやないかー!
才人は残っていたエールを一気に飲み干すと、テーブルにダン...
「俺がトリステインの盾だーーーーーーっ!
文句あるかーーーーーーーっ!」
その声に、食堂中が沸きあがる。
『おおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーー...
宴の興奮は、最高潮に達した。
656 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
宴が一段落すると、客たちは三々五々、食堂から散っていた。
外に出て行くもの、二階の部屋に戻る者…。
そして、宴の主賓は、食堂中央のテーブルで酔い潰れていた。
「んー、おれがとりすていんのたてらー…」
幸せそうな寝顔で、そう呟く。
後片付けを手伝っているアンは、くすりと笑うと、才人の座っ...
そんなアンに、同じく後片付けを手伝っている赤熊が語りかけ...
彼はこの宴の発案者で、散らかしたのは俺たちだし、と律儀に...
「お付さん、英雄を部屋に連れて行ってやんな」
箒で床を掃いていたアンに、赤熊はそう声を掛ける。
しかし、食堂はまだ宴によって蹂躙された跡が痛々しいほど残...
「でも、まだお片づけが」
そう言って箒を抱えて、惨状を呈するフロアを指差す。
「アンタじゃ明日の朝日が昇っても掃除は終わらねえよ」
言って口の端を豪快に歪め、続ける。
「アンタ、英雄のお付なんて言ってたが、相当いいとこの出だろ?
隠さなくてもいいさ。仕草で分かるんだ、そういうの」
そして、呆けるアンから箒を奪い取る。
あ、とアンは箒を取り返そうとするが、赤熊は箒を後ろ手に隠...
「たまの休みにゃ嫁にいびられながら家の掃除するのが趣味な...
少なくともアンタよか掃除の作法は知ってる。
さ、行きな。そして、そこの鈍感な英雄に一発食らわせてや...
言って不器用なウインクをする。
その言葉に、アンの頬に朱が走る。
「そういう鈍感な男はな、押しに弱いんだ。なあに、女がいよ...
押して押して押しまくれ。そうすりゃ、いつかどっかにすっ...
そして下品な声でがははははは、と笑う。
657 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「そ、それじゃあ…」
アンは才人に歩み寄ると、そっと耳元で囁く。
「あの、サイトさん。そろそろお部屋に行きません?」
すると才人はバネ仕掛けのようにびょんっ!と気をつけの姿勢に...
「平賀才人、部屋に戻るでありますっ!」
と赤熊に敬礼をして、ぎっこぎっこと危うい足取りで歩き出し...
「ああ、危ないですっ!ほら、掴まって!」
「らいじょうぶでありますっ!」
千鳥足の才人をアンが支え、二階への階段を上がっていった。
そんな二人を、赤熊が懐かしいものを見るような目で、眺めて...
「昔は俺もあんな感じだったのかねえ…」
気がつくと、ベッドの上で横になっていた。
そこは、先ほどの食堂ではなかった。
薄いランプの明かりに照らされたそこは、宿屋の一室らしかっ...
絨毯こそ敷かれていなかったが、その部屋はしっかりした作り...
才人は体を起こすと、辺りを見渡す。
そこにいるはずの、アンの姿はなかった。
酒のせいで乾いた喉を潤そうと、才人はベッド脇の小卓に置い...
その水を飲んでいると、ドアが開いて、アンが入ってきた。
「あ、目が覚めたんですね」
手の上には、湯気を立てるシチュー皿の載った盆を持っている。
アンはそのままベッド脇の小卓の上にその盆を置くと、ベッド...
「もう夜中ですよ。
…ひょっとして、朝まで起きないかと思いました」
そして、酔った才人を思い出し、くすりと笑う。
その笑いに妙なものを感じ、才人は一瞬ぎくりとする。
…俺、またなんか妙なことしてないだろうな…?
「あ、あの、俺…」
なにかしませんでしたか?という才人の台詞を遮って、アンは言...
「なかなか可愛かったですよ、酔ったサイトさん」
…マジデ俺ナニシタンデスカーーーーーー!?
「赤ちゃんみたいで♪」
…死んだ。俺の心は今殺されました…。
才人がベッドの上で恥ずか死んでいると、アンは盆からシチュ...
「はいどうぞ。お腹が空いていると思って」
そして、スプーンでシチューを掬って、才人の前に差し出す。
658 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
宴会でさんざん飲み食いしたはずだったが、お腹が不思議に空...
実は才人の前に運ばれた料理は、ほとんど傭兵たちが平らげて...
才人はアンの差し出したスプーンを咥え、シチューを味わう。
そのシチューはあくまで柔らかく、才人の舌を刺激する。空腹...
「おいしい!おいしいよコレ!」
言ってアンから皿を奪い取り、夢中でシチューを貪る。
実際その位空腹だったし、そしてシチューは旨かった。
あっと言う間に平らげると、空っぽになった皿を小卓に置いた。
「ご馳走様っ!」
そしてアンを見ると。
泣いていた。
「え?ええええええええええ??お、俺なんかした!?」
何が起こったのか理解できず、慌てる才人。
アンはそんな才人を見て、頭を振った。
「いいえ、違うんです。嬉しくって…」
アンが言うには、このシチューは彼女が宿の厨房に頼んで作ら...
いつか、自分の宿で、疲れた旅人に温かいシチューを出す。そ...
「ずっと、上手に出来るかどうか不安だったんです。
…サイトさんが食べてくれるまで、すごく不安でした」
そして、目尻に溜まった涙を拭き、笑顔になる。
「これで、自信がつきました。ありがとうございます、サイト...
言ってぺこりと頭を下げる。
そんなアンに、かえって才人のほうが謙遜してしまう。
「そ、そんな大したことしてないですよ俺…」
頭を掻く才人のお腹が、不意にぐうっ、っと鳴った。
どうやらまだお腹が空いているらしい。
才人は思わず赤くなる。
アンはくすりと笑うと、皿と盆を手にとって立ち上がる。
「ちょっと待っててくださいね。お代わりを入れてきます」
659 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
アンは直ぐにシチューのお代わりを持って戻ってきた。
その盆の上には皿以外にも小さな瓶が載っていた。
…食後の酒かなにかかな?
そしてベッドから起きて部屋のテーブルの椅子に掛けていた才...
才人はスプーンが置かれるのを今か今かと待っていたが、スプ...
「あのー?」
「サイトさんだけの特別サービスですよ♪」
言ってアンは、才人の目の前に椅子を引っ張ってくると、そこ...
そしてスプーンでシチューを掬うと、才人の前に突き出した。
「はい、あーん♪」
才人は思わず周囲を警戒するが、誰も見ているはずがないと思...
「あーん」
才人の口の中に、再び天上の味が広がった。
そうして何度も「あーん」を繰り返すと、十分余りでシチュー...
「はー、もうお腹一杯だあ」
満足して、才人は椅子の背に身体を預ける。
そんな才人に、アンは残念そうに尋ねる。
「あら、もう入りません?」
言って、盆の上に載った小さな瓶を手にする。
そういや、まだなんか用意してくれてあるんだっけ?
才人は少し考え、まだ大丈夫だよな、と思い直す。
「大丈夫、まだ余裕ありますよ」
才人がそう言うと、アンは瓶を持ったまま、妙なことを言った。
「それじゃ、準備しますからアッチ向いててくださいね」
そして反対側の壁を指差す。
…またなんか、脅かす気なのか?
宿に来たときのアレを思い出し、才人は妙な不安と期待に胸を...
背を向けると、後ろで衣擦れの音と小さな水音が聞こえ、アン...
才人はなにかなー、と期待半分で振り向く。
「…な」
そして固まった。
660 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
アンは上着を脱ぎ去り、下着一枚になっていた。
上半身は完全に裸で、その胸を強調するように両腕を胸の下で...
その胸はまるで油を塗ったようにてらてらと光っていた。
その顔は上気しきり、才人から視線を外している。
「ななななななな、なにやってんですか!」
「これ…上等な蜂蜜なんですよ…」
言いながら、うろたえる才人に歩み寄り、蜂蜜を塗ったせいで...
才人の喉が、ごくりと鳴る。
それは才人のちっぽけな理性の揺らぐ音だった。
「サイトさんだけの特別サービスです…。
す、好きなだけ、た、食べて…」
才人の理性はその一撃でノックダウンした。
才人は口を開けると、遠慮なくその豊満な右胸にむしゃぶりつ...
口いっぱいに胸の肉をほおばると、舌全部を使って蜂蜜を舐め...
「はぁ…ふぁん!」
アンの喉から、嬌声が漏れる。
口の中に広がる甘い蜂蜜の味と、耳に流れ込む甘い声に、才人...
舐めまわし、吸い上げ、そして歯で削り取る。
「あっ…ふぁっ…!すわれ、るぅっ…」
右胸が蜂蜜と共に才人に吸い取られるんじゃないか、という錯...
やがて、右胸の蜂蜜を全て舐め取ると、まだてらてらと光る左...
そして、先ほどと同じように、口全部でアンの左胸を犯す。
「あ、あ、あ、はぁっ…サイトさっ…」
右胸を犯されて蠢き始めたアンの獣が、喉の奥から艶かしい声...
その声に刺激され、才人はもっとその声が聞きたくて、手を動...
才人の涎でべとべとになったアンの右胸を、才人の左手が鷲掴...
661 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「ひゃぁんっ!」
両胸を犯される快感に、アンの喉と背筋が踊る。膝かかくかく...
アンはそのまま、後ろにあった椅子に腰を落とす。
才人は吸い付いたアンの胸に引きずられるように立ち上がった。
しかしまだ口は離さず、左手もアンの胸の柔らかさを楽しむこ...
そしてその左手は、胸を揉みながら、器用に中指と薬指の第二...
「は、あ、あ、あ、あ、あーーーーーー!」
その胸虐だけで、アンの身体は仰け反り、視界が白く染まった。
左胸の蜂蜜を舐めきった才人は、アンの胸からようやく口を離...
アンを見下ろすと、椅子の背もたれにぐったりと身体を預け、...
その胸の隙間から、琥珀色の液体が、下半身まで伝わっている...
「全部…食べないとな」
ケダモノに支配された才人は、そう言い放つと未だ快感の余波...
「ひゃぁっ!?」
一度達したアンの身体は、才人の舌が胸の間を這うだけで、燃...
才人は、丹念に蜂蜜を舐め取りながら、下へ下へと進んでいく。
そして、緩いカーブを描く臍のあたりを、特に丹念に舐めまわ...
「ふぁ、ふぁ、やぁ、おなかっ、やだぁっ」
アンはその快感に堪えるしかない。必死にかぶりを振り、意識...
才人はさらに先に見える、蜂蜜と溢れ出る雌の蜜でべとべとに...
「ここにも…残さず食べなきゃな。アンがせっかく用意してくれ...
才人はそう言って、右手でべとべとのショーツをずらし、アン...
左手でジッパーを下ろし、自らのモノも、外気に晒す。
その光景を、アンはじっと見つめていた。
「全部食べちゃうよ?」
才人の台詞に、アンは頷く。
「どうぞ…全部、サイトさんのですから…」
アンの言葉に、才人は遠慮なく、二つの蜜でどろどろになった...
662 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「ふぁぁっ!サイトさんっ…!」
そのまま密着してきた才人の上半身を、アンは抱きしめる。
柔肉が才人の胸板との間で潰れ、アンにさらに快感を与える。
才人は腰を打ちつけながら、目の前で快感に囀るアンの唇を塞...
「ん…んふっ…」
才人の頭に両腕を回し、その口付けに応えるアン。
その間にも、才人のストロークが、アンを無理矢理二度目の絶...
「ん、ん、んんんんーーーー!」
唇と秘所を塞がれたまま、才人を抱きしめ、アンは達する。
しかし、その締め付けにも才人は止まらない。
脱力したアンのそこを容赦なく突き上げ、自らの快感のみを求...
その動きに、達したはずのアンの身体が、さらに高みに押し上...
そして、才人も限界に達した。
「アン、だ、出すよっ!」
どくどくどくどくどくっ!
才人の迸りが、アンの中を容赦なく灼き尽くす。
「あ、だめ、だめ、だめ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
視界が無数の色にフラッシュし、アンの意識は焼き切れた。
663 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
次の朝。
二人は揃って、宿を出た。
「送りますよ、トリスタニアまで」
いつまでも自分の腕を離さないアンに、才人はそう優しく語り...
しかし、アンは首を振る。
「ダメですよ。そんなに優しくされたら…泣いちゃいます」
しかし、既にアンの目尻には、涙が浮かんでいた。
この逢瀬は、ここまで。
そんな一抹の寂しさが、アンを覆っていた。
でも…一つだけ。
「じゃあ、一つだけ。
お願い…していいですか?」
そう言うアンの瞳は深くて、吸い込まれそうで。
才人の思考を、完全に停止させた。
「いいですよ」
「優しく抱きしめて。
…キス、して…」
一つじゃなくて二つじゃん、なんて野暮な突っ込みは、停止し...
才人は優しくアンを抱きしめ、その顎に手を
「い・ぬ?」
その数メートル向こうで、聞きなれた声とともに、地獄の扉が...
そこには、朝靄を切り裂く黒いオーラを身に纏い、才人のご主...
「あんまり遅いから迎えに来てみれば?
どういうことなのか説明してもらいましょうか?
っていうかその娘ダレ?
何してたの?」
一切崩れない完璧な作り笑顔がものすごく怖い。
「…あ、あの、どうやってここを?」
「質問してるのはこっち。
…そんなに聞きたい?アンタの馬をタバサの使い魔に探しても...
後ろを見ると。
…竜の姿のシルフィードがいる。
…いままで竜の表情なんて分からなかったが、笑ってる。アイツ...
664 名前:夢への一歩 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/...
「…ん?」
詰め寄ったルイズと、アンの目が合う。
アンは慌てて目を逸らす。
「あーーーーーー!姫様ーーーーーーーーーーーーーー!!」
…あ。バレた。
「…相応の覚悟ってこういう意味だったんですか姫様ぁーーーー...
ルイズはアンの襟元を掴み、がっくんがっくん揺する。
「な、ななななんの事ですか?私はアン、旅籠の女将を目指す、...
あくまでとぼけるアンに、ルイズはふーーーん、と揺するのを...
「なら、ここいいるのは、サイトを狙うアン、って子なわけで...
「そうそう」
「なら余計に許せるかーーーーーーー!」
再び物凄い勢いでアンをがっくんがっくん揺する。
しばらくすると、アンは目を回して気絶してしまった。
…相変わらず温いのーみそしてるわねー。
倒れたライバルに冷たい視線を送ると、ルイズはこっそり馬小...
思い切り引っ張られ、ぐえ、と声を上げて才人は地面に倒れる。
「さて。事情をたぁっぷりと聞かせてもらいましょうか?主にそ...
「あのぅ、言葉じゃダメっすか…?」
「不 許 可♪」
満面の笑顔で、ルイズはダメ出しをした。
そしてそのままずりずりと、才人はもといた宿屋に引きずられ...
その日、その宿屋では、長く切ない悲鳴が止むことはなかった...
その数日後、『トリステインの盾』を遥かに凌ぐ強さの女メイ...
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