ゼロの使い魔保管庫
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5 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
その日の朝はいつもとどこか違っていた。
平賀才人がそのことに気付いたのは、目が覚めてゆっくりと...
隣に、ルイズがいない。枕に桃色がかったブロンドが乗って...
数瞬ほど瞬きしてから、苦笑する。よく見てみると、掛け布...
(寝相が悪くて布団に潜っちまった訳か)
ちょうどいい、このまま布団引っぺがしてからかってやれ、...
「ほら、起きろこのねぼすけめ」
楽しく笑いながら布団を引っ張ったとき、才人の頭を一つの...
(ルイズって、ここまで小さかったっけ)
小柄なルイズではあるが、さすがに本物の幼児ほどではない。
しかし、布団の盛り上がりはせいぜい本物の幼児ほどのサイ...
その事実に才人が気付いたとき、布団は既に完全に宙を舞っ...
そして才人は硬直する。
布団の向こうで小さな体を丸めて眠りこけていたのは、ルイ...
(え、なにこれどういうこと。なんなんですかこの子。ルイズ...
そんな訳ねえだろと思いつつも、あり得ない憶測が凄い勢い...
混乱する才人の前で、その幼児はむずがるように顔をしかめ...
子猫を連想させる仕草で目をこすったあと、その幼児は眠た...
そして、嬉しそうに微笑みながらこう言った。
「おはよう、サイト」
底抜けに元気な甲高い声で挨拶され、才人はへなへなとベッ...
(落ち着け、落ち着くんだ平賀才人。冷静にこの状況を整理す...
後ろから聞こえてくるやかましい声を敢えて無視しつつ、才...
(昨日俺の隣ではルイズ・ド・ラ・ヴァリエールその人が寝て...
で、朝目覚めるとそこにルイズの姿はなくて、その代わりに...
俺はルイズに妹がいるって話は聞いたことがないし、隠し子...
以上のことから導き出される結論は)
頭に浮かんだたった一つの答えを、才人は苦笑で無理矢理追...
「ないない、そんなことあるはずないって」
「サイト、サイトってばー」
当のお子様はこちらが名乗ってもいないのに名前を連呼しな...
才人は大きく息を吐き出すと黙って幼女をベッドに座らせ、...
6 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
「ちょっと、聞きたいんだけど」
「なあに」
大きく首を傾げて鳶色の円らな瞳でこちらを直視してくる幼...
才人は躊躇した。一度唾を飲み込んだ後、思い切って問う。
「お嬢ちゃんのお名前は、なんていうのかな」
「どうしてそんなこと聞くの」
幼女は不思議そうに問い返してきたが、才人が「いいから大...
「ルイズ」
一瞬絶望的な気分になりかけるも、才人は「いやいや待て待...
(まだ分からんぞ。同じ名前の他人ってこともあるかもしれね...
地球でも外国の人ってやけに同じ名前多かったしな、と考え...
「名字も言えるかな」
「え、うんとね、うんとね」
ルイズと名乗った幼女は小さな腕を組んで一生懸命考え込ん...
「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール」
決定だ。確定だ。敗訴だ。
何故か敗北感に打ちひしがれながら、才人はベッドの上に膝...
(なんてこった、要するに)
もう一度唾を飲み込み、才人は頭の中で再度その事実を確認...
(ルイズの奴、縮んじまったのかよ)
信じがたい事実である。信じたくない事実である。
しかし目の前のちびっこはルイズとそっくりの顔でルイズと...
(誰かが俺を騙そうとして似たガキを連れてきたんじゃ)
一瞬そんな推測に希望を抱きかけた才人だったが、そんなこ...
大体にして、死体を自由に操るような魔法が存在する無茶な...
人間をちょっと行き過ぎなぐらいに若返らせる魔法が存在し...
結局のところ、ルイズがちびっこくなったらしいという事実...
これでまたどんな災難が自分に降りかかってくるのかと思う...
「ねーねーサイト、サイト」
そんなサイトの服を、ルイズがせがむように引っ張る。
疲労感を堪えて顔を上げると、ルイズが小さくはにかむよう...
「あたし、お名前言えたよ」
「ああ、そうだな」
一人称が微妙に幼くなってるなあと変なところに気付きつつ...
するとルイズは何かを期待するような甘えた表情で言った。
「ほめてほめて」
何で名前言えたぐらいで褒めてやらなくちゃいけねえんだお...
という文句を口にすることなどもちろんなく、才人はため息...
「ああ、よく言えたな、偉いぞルイズ」
我ながら投げやりな褒め言葉だったが、それでもルイズは万...
「わーいサイトにほめられたー」
と、また笑顔全開で喜んでいる。
そんな無邪気なルイズを見ていると、なんだか自分があれこ...
(そうだな、まあこういうのもたまには悪くないかなあ)
7 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
「なんて言うと思ったかコラァ!」
モンモランシーは悲鳴を上げた。唐突に怒鳴り声が響き、何...
「なに、なんなの一体」
朝、そろそろ出かける支度しなくちゃなどと考えていた時分...
部屋に飛び込んできたのは才人であった。目をギラギラと怒...
両手を後ろに回して誰かを背負っているようだったが、その...
何よりも、そんな余裕がない。こちらがまともに反応するヒ...
そして一言、
「吐け」
叫び声の凄まじさと訳の分からない迫力に押されて、さすが...
「なんの話よ」
「しらばっくれるんじゃねえこのモンモンめ。あれだけ言った...
「いやだからなんの」
「言い訳してる暇があったらさっさと解毒剤作りやがれこの変...
才人は足を踏み鳴らして怒鳴りつける。全く以って意味不明...
よく見るとこの騒ぎを聞きつけて部屋のすぐ外に人垣が出来...
「こらこらサイト、君はまた何を騒いでいるのだね」
慌てた声で呼びかけながら、頼りにならない救いの主が部屋...
余程急いで来たのだろう、いつもは念入りにセットしている...
「今度はなんだ、モンモランシーは何もしてないぞ」
及び腰ながら両手を広げてこちらを庇うギーシュに、モンモ...
それを厳しく目で追いながら、才人は体の向きを変えて自分...
「嘘吐け、これ見りゃそこのでこっぱちがやらかしたのは一目...
その人影を見て、モンモランシーは目を瞬かせる。
見覚えのある顔の幼女である。才人の背におぶさりながら「...
「なんだこの子は、ずいぶんと君のご主人様に似てるじゃない...
驚きの声を上げるギーシュもまた、モンモランシーと同じ感...
才人はイライラしたように地団太を踏み、片手で幼女を支え...
「こんな阿呆なことやるのはそこの面白い髪型の女しかいねえ...
「待って」
モンモランシーは才人の罵声を手で制止つつ問いかけた。
「あなたの口ぶり聞いてると、どうもその子がルイズ本人だっ...
「そうだよこれルイズ。ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールその人...
相変わらず誤解している才人の言葉を無視しつつ、モンモラ...
「こんにちは」
そう言うと、その幼女は目を瞬いて不思議そうに問いかけて...
「おばちゃん、だあれ」
モンモランシーは一瞬顔を引きつらせかけたが、「子供なん...
「ちょっとごめんなさいね」
とその幼女の額に手を当てた。
目を閉じ、意識を集中する。
水魔法の使い手たるモンモランシーは、こうすることで相手...
以前授業でも同じようにしたことがあり、そのとき組んだの...
体内の情報というのは、要するに水の流れである。
ほとんど感覚的なものなので説明することは難しいが、だか...
この幼女は、ほぼ間違いなくルイズ本人である、と。
モンモランシーはため息を吐き、きょとんとしているルイズ...
8 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
「本当みたいね」
「ほれ見ろ、やっぱりお前が」
息巻く才人に、モンモランシーは首を振る。
「でもわたしじゃないわ」
「今更言い逃れ」
「そもそも、こんなことできっこないもの」
きっぱりそう言ってやると、才人は目を見張った。
「できないって」
「水魔法の秘薬って言ったって、若返りの秘薬なんかないって...
そんなものがあったらこの国の女貴族は皆ずっと若いままで...
非常に分かりやすい例えのつもりで言ってやると、才人も彼...
「じゃあ、これ元に戻すのも無理なのか」
「そういうこと。分かったらさっさと出て行ってくれない。今...
朝っぱらから言いがかりでこんな騒ぎを起こされたのだから...
本来ならもっとネチネチいびっているところだが、許してや...
確かに前回同じぐらい迷惑な騒ぎを起こしたことだし、何よ...
才人本人もさすがに気まずかったらしく、「ホントすまん、...
ちなみに騒ぎの原因ともなったルイズは、そんなことなど知...
見物していた生徒たちも見世物が終了したことで散っていき...
「なんだったんだ、一体」
首を傾げるギーシュに、モンモランシーは笑いかける。
「さあね。あの二人が騒いでるのなんていつものことだし、気...
「それもそうか。やれやれ、全くあの二人といると気が休まら...
相変わらずあっさり納得するギーシュに苦笑しつつ、モンモ...
「それよりほら、早く食堂行きましょうよ。朝食始まっちゃう...
自覚するほど優しい物言いにギーシュも気がついたようで、...
「おおモンモランシー、ついに僕の愛を受け入れてくれるぶぁ」
「調子に乗らない」
文字通り飛び掛ってきたギーシュの腹部に肘鉄を打ち込んで...
何となく上機嫌な理由は、騒ぎが起こってからギーシュが駆...
9 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
時は過ぎてその日の夕方、才人はコルベールの研究室の中の...
満身創痍と言って差し支えないほど、心身ともにボロボロの...
ルイズは、才人の予想どおり行く先々でヴァリエーション豊...
「あらルイズったらずいぶん可愛くなっちゃったわねえ」
と大爆笑してルイズを抱えあげたキュルケの指に思い切り噛...
「きゃーミス・ヴァリエールとっても可愛いです、抱っこさせ...
と言ったシエスタの胸を腫れ上がるまでビンタしまくり、
「……」
といつものように無言で無視を決め込んでいたタバサの本を...
特にタバサが無言で氷柱を連発してきたときは本気で死ぬか...
他にも授業中に「ねーサイトおしっこー」と言っては猛ダッ...
食堂ではスープが熱いと言ってふーふー冷まさせたと思った...
ようやく大人しくなったと思ったら物影で学院長のネズミを...
マリコルヌにデブを連発して言ってキレさせたりギトーを隠...
落書きされたデルフリンガーがマジ切れしたときはさすがの...
それでいてこちらが怒ると泣き喚いてエクスプロージョンを...
いやこの辺などまだ温いレベルと言ってもいい。
終いには火蜥蜴のフレイムの尻尾を踏んづけて遊んだりシル...
そんなこんなで一日中走り回った才人は、疲れ果ててコルベ...
出てくる言葉は愚痴ばかりだ。
「なんで子供ってあんなにウンコ弄りたがるんですかね」
「それは女性の心理と同じく永遠の謎というものだよサイト君」
さすが先生こんなくだらねえ質問にも知的に答えてくれると...
そんな才人を微笑んで見つめ返すコルベールの頭が以前より...
「うわぁ、先生の頭とっても眩しいナリ」
「これは知性の輝きというものだよサイト君」
さすが死の淵から生還した先生、こんなに失礼なこと言われ...
きっとこのパワーアップしたコッパゲ先生なら、この異常な...
ちなみに騒ぎの原因であるルイズは研究室の片隅の簡易寝台...
走って叫んで逃げ回る才人の肩で無責任にはしゃぎまくった...
ナメとんのかこのガキャア! とキレるつもりは毛頭にない...
今はただただこの悪夢が可及的速やかに解消されることを願...
「で、どうなんですか先生」
期待して聞くと、コルベールは微笑んだままそっと明後日の...
「分からん」
「もっぺんくたばれこのハゲェ!」
才人は叫んで立ち上がって立ちくらみを起こして床に倒れこ...
疲れすぎたせいで堪忍袋の尾が短くなり体力の限界値も低く...
コルベールはあくまでも怒らずにそんな才人を椅子に座りな...
「落ち着きたまえサイト君。原因については大体察しがついて...
「本当ですか」
「というより、推測できる原因はただ一つだと思うがね」
「というと、つまり」
「虚無だよ」
人差し指を立ててコルベールが断言する。
ああやっぱりそれかと才人は肩を落とす。何となく、想像は...
虚無。伝説の系統。ルイズが必要としたときに必要な魔法が...
ちなみにコルベールは才人が伝説の使い魔であることから大...
ルイズが虚無の担い手であることは説明するまでもなく知っ...
とにもかくにも、虚無である。なるほど虚無ならどんな魔法...
爆発させたり幻作ったり魔法解除したり。
よくよく考えたらあまり関連性がない魔法ばかりである。
いや本当はもっと細かいところでいろいろ共通しているもの...
10 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) ...
「つまり、虚無の魔法に人間の時間を巻き戻すといったものが...
「今度は時間操作ですか」
本当に何でもありだなあと才人は感心するよりも早く呆れて...
コルベールは重々しく頷いて解説する。
「私が思うに、虚無の魔法というのは空間や光など、他の四系...
他の四系統は物の素材を変えたり炎を起こしたりとあくまで...
「先生、俺に説明したって小難しい話は分かりませんよ」
本当なら聞いてあげたいところだったが、疲れ果てている才...
コルベールもそこのところは察してくれたようで、少し残念...
「虚無の魔法は、ミス・ヴァリエールがそれを必要としたとき...
「そうみたいですけど」
才人はちらりと部屋の隅に目をやる。ルイズは相変わらず健...
コルベールは一つ頷き、嬉しそうに言った。
「では解決方法は簡単だ。ミス・ヴァリエールが元に戻りたい...
「本当に単純ですね」
才人が呆れて言うとコルベールは苦笑して肩をすくめた。
「なに、どんなに難しく思える問題も、後で答えを知れば意外...
「そんなもんですかねえ」
「少なくとも、今回の件に関してはこれで間違いないはずだ。...
時間を巻き戻す魔法が祈祷書に浮かび上がったのだろうから...
「なるほどねえ。でも、ルイズはなんでそんなこと」
才人が疑問を口にすると、コルベールは教師が宿題を出すと...
「それを考えるのは使い魔たる君の仕事だよ、サイト君」
「仕事ったってなあ」
ベッドに横たわったままルイズの部屋の天井を見上げ、才人...
ちなみにルイズは子供のままで、才人の隣で未だに眠ってい...
「なあルイズ、お前なんで子供になんかなりたがったんだ」
問いかけてみるも、返事はない。
眠っているから当たり前だが、起きたところでちゃんとした...
才人は再度ため息を吐いて仰向けになる。
ぼんやりと天井を見上げながら、今日一日で分かったことや...
まず一番に疑問に思ったことは、モンモランシーに対して「...
才人のことは覚えていたのにモンモランシーのことは忘れて...
他の女性陣に対する態度も気にかかる。
記憶ごと子供に戻っているなら、シエスタの胸に対する嫉妬...
(ひょっとして、こいつ皆のこと忘れてる振りしてるだけなん...
つまり、子供に戻るのは肉体だけということだ。
だが、もしそうだったとして一体何故忘れた振りなどしてい...
そんなことを考えていたとき、不意にルイズが小さく呻いて...
11 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) ...
「ここどこ」
「お前の部屋だよ」
短く答えてやると、ルイズは眠たげにしょぼしょぼさせてい...
「サイト」
そのまま、甘えるように才人の服に顔を擦りつける。
(普段のルイズならこんなことしないしなあ)
才人は首を傾げたあと、ふと下からの視線に気付いて顔を下...
見ると、ルイズがお子様らしい柔和な顔に似合わぬ不安げな...
「どうした、ルイズ。怖い夢でも見たか」
才人は笑いかけながら、ルイズを持ち上げて自分の膝に乗せ...
ひょっとしたら中身は元のルイズかもしれないと疑いつつも...
そのままの体勢で、しばらく頭を撫でてやる。するとルイズ...
「ねえサイト」
「なんだ」
「怒ってる?」
「どうして」
「いっぱいいたずらしたから」
まあ確かになあ、と苦笑しつつ、サイトはもう一度、ルイズ...
「怒ってねえよ」
「ほんとう」
「おう。お前も反省してるみたいだしな。その代わり明日はも...
才人がそう言うと、ルイズはもうすっかりお馴染みとなった...
「あのねサイト」
「なんだ」
「だいすき」
不意打ちである。
ルイズは急に身を翻して才人の頬に唇を押し付けると、猫の...
12 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) ...
しばらくの間頬を押さえて呆然としたあと、才人はぷっと吹...
「ってなに焦ってんだ俺。子供にキスされたぐらいでよ」
とは言え、心臓が高鳴っているのも事実である。
子供に戻っているとは言え、あのルイズに「だいすき」など...
「なんだかなあ」
誰もいないのに誤魔化すように笑いつつ、才人はそっと布団...
布団に潜り込んだルイズは、朝のように体を丸めてぐっすり...
その無垢な寝顔を見ていると、自然と口元に微笑が浮かんで...
(何がなんだかわかんねえけど、まあいいか)
才人は一つ欠伸をしてベッドに横たわった。
夢うつつに、誰かが何事かを呟いているのが聞こえたような...
そして次の日目覚めてみると、全ては元通りになっていたの...
ルイズは才人の横で相変わらず朝に弱い低血圧ぶりを発揮し...
結局才人の疑問が解決されることはなかったものの、この騒...
後日。もしもそのときルイズの部屋を覗き込む者がいたなら...
「ほら見ろ、俺が言ったとおりだっただろう」
「まあ確かに、あの馬鹿犬あたしを放り出したりはしなかった...
「それどころか存分に甘えさせてくれたじゃねえの」
「まあ溜まりに溜まったストレスは十分発散できたわね」
「全く、単に『素直になりたい』って願ってただけだってのに...
「知らないわよ。あたしだって子供に戻ってたときはビックリ...
「でも記憶はあったんだろ」
「あったけど、何か楽しくてどうでもよくなってた気がする」
「なるほど精神は子供のときに戻ってたって訳か。確かに子供...
「そういうことなのかしら」
「そうだろうよ。で、お前さんはしたいことをしたわけだ。相...
「誰もやきもちなんて焼いてないわよ」
「へいへい。まあそういうことにしときましょうかねえ。ま、...
「なんの話よ」
「『あのねサイト』『なんだ』『だいすき』ぶちゅっ。いやあ...
「コルベール先生の研究室に溶鉱炉はあるかしら」
「いやさすがにそんなものはねえと思うけどってでも止めてあ...
こうしてデルフリンガーの悲鳴は誰の耳にも届くことなく、...
蛇足ではあるが、平賀才人が今回の騒動以降しばらくの間顔...
3 名前:205[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 00:14:04 ID:J0Zz...
っつー訳で幼児化SS投下しますっつっても非エロですが。俺...
で、誰が幼児化するかってーともちろん流れに乗っかって才人
13 名前:205[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 00:31:50 ID:J0Z...
>>3なんて言うと思ったかこのド低脳どもがぁ! この205の最...
「幼児化した才人に感情移入してシエスタのおっぱい吸う妄想...
とか思ってやがる貴様らの期待を見事に裏切ってやることだ!
……いやごめんなさいちょっと調子に乗ってました自分。
まあなんてーか昨日の書き込み見て勢いで書き出したんですが、
勢いで書き出したおかげで構成が無茶苦茶だったり安易だった...
やっぱ幼児化して抵抗できないルイズをシエスタがヨシェナヴ...
と思いつつまた次回。
終了行:
5 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
その日の朝はいつもとどこか違っていた。
平賀才人がそのことに気付いたのは、目が覚めてゆっくりと...
隣に、ルイズがいない。枕に桃色がかったブロンドが乗って...
数瞬ほど瞬きしてから、苦笑する。よく見てみると、掛け布...
(寝相が悪くて布団に潜っちまった訳か)
ちょうどいい、このまま布団引っぺがしてからかってやれ、...
「ほら、起きろこのねぼすけめ」
楽しく笑いながら布団を引っ張ったとき、才人の頭を一つの...
(ルイズって、ここまで小さかったっけ)
小柄なルイズではあるが、さすがに本物の幼児ほどではない。
しかし、布団の盛り上がりはせいぜい本物の幼児ほどのサイ...
その事実に才人が気付いたとき、布団は既に完全に宙を舞っ...
そして才人は硬直する。
布団の向こうで小さな体を丸めて眠りこけていたのは、ルイ...
(え、なにこれどういうこと。なんなんですかこの子。ルイズ...
そんな訳ねえだろと思いつつも、あり得ない憶測が凄い勢い...
混乱する才人の前で、その幼児はむずがるように顔をしかめ...
子猫を連想させる仕草で目をこすったあと、その幼児は眠た...
そして、嬉しそうに微笑みながらこう言った。
「おはよう、サイト」
底抜けに元気な甲高い声で挨拶され、才人はへなへなとベッ...
(落ち着け、落ち着くんだ平賀才人。冷静にこの状況を整理す...
後ろから聞こえてくるやかましい声を敢えて無視しつつ、才...
(昨日俺の隣ではルイズ・ド・ラ・ヴァリエールその人が寝て...
で、朝目覚めるとそこにルイズの姿はなくて、その代わりに...
俺はルイズに妹がいるって話は聞いたことがないし、隠し子...
以上のことから導き出される結論は)
頭に浮かんだたった一つの答えを、才人は苦笑で無理矢理追...
「ないない、そんなことあるはずないって」
「サイト、サイトってばー」
当のお子様はこちらが名乗ってもいないのに名前を連呼しな...
才人は大きく息を吐き出すと黙って幼女をベッドに座らせ、...
6 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
「ちょっと、聞きたいんだけど」
「なあに」
大きく首を傾げて鳶色の円らな瞳でこちらを直視してくる幼...
才人は躊躇した。一度唾を飲み込んだ後、思い切って問う。
「お嬢ちゃんのお名前は、なんていうのかな」
「どうしてそんなこと聞くの」
幼女は不思議そうに問い返してきたが、才人が「いいから大...
「ルイズ」
一瞬絶望的な気分になりかけるも、才人は「いやいや待て待...
(まだ分からんぞ。同じ名前の他人ってこともあるかもしれね...
地球でも外国の人ってやけに同じ名前多かったしな、と考え...
「名字も言えるかな」
「え、うんとね、うんとね」
ルイズと名乗った幼女は小さな腕を組んで一生懸命考え込ん...
「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール」
決定だ。確定だ。敗訴だ。
何故か敗北感に打ちひしがれながら、才人はベッドの上に膝...
(なんてこった、要するに)
もう一度唾を飲み込み、才人は頭の中で再度その事実を確認...
(ルイズの奴、縮んじまったのかよ)
信じがたい事実である。信じたくない事実である。
しかし目の前のちびっこはルイズとそっくりの顔でルイズと...
(誰かが俺を騙そうとして似たガキを連れてきたんじゃ)
一瞬そんな推測に希望を抱きかけた才人だったが、そんなこ...
大体にして、死体を自由に操るような魔法が存在する無茶な...
人間をちょっと行き過ぎなぐらいに若返らせる魔法が存在し...
結局のところ、ルイズがちびっこくなったらしいという事実...
これでまたどんな災難が自分に降りかかってくるのかと思う...
「ねーねーサイト、サイト」
そんなサイトの服を、ルイズがせがむように引っ張る。
疲労感を堪えて顔を上げると、ルイズが小さくはにかむよう...
「あたし、お名前言えたよ」
「ああ、そうだな」
一人称が微妙に幼くなってるなあと変なところに気付きつつ...
するとルイズは何かを期待するような甘えた表情で言った。
「ほめてほめて」
何で名前言えたぐらいで褒めてやらなくちゃいけねえんだお...
という文句を口にすることなどもちろんなく、才人はため息...
「ああ、よく言えたな、偉いぞルイズ」
我ながら投げやりな褒め言葉だったが、それでもルイズは万...
「わーいサイトにほめられたー」
と、また笑顔全開で喜んでいる。
そんな無邪気なルイズを見ていると、なんだか自分があれこ...
(そうだな、まあこういうのもたまには悪くないかなあ)
7 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
「なんて言うと思ったかコラァ!」
モンモランシーは悲鳴を上げた。唐突に怒鳴り声が響き、何...
「なに、なんなの一体」
朝、そろそろ出かける支度しなくちゃなどと考えていた時分...
部屋に飛び込んできたのは才人であった。目をギラギラと怒...
両手を後ろに回して誰かを背負っているようだったが、その...
何よりも、そんな余裕がない。こちらがまともに反応するヒ...
そして一言、
「吐け」
叫び声の凄まじさと訳の分からない迫力に押されて、さすが...
「なんの話よ」
「しらばっくれるんじゃねえこのモンモンめ。あれだけ言った...
「いやだからなんの」
「言い訳してる暇があったらさっさと解毒剤作りやがれこの変...
才人は足を踏み鳴らして怒鳴りつける。全く以って意味不明...
よく見るとこの騒ぎを聞きつけて部屋のすぐ外に人垣が出来...
「こらこらサイト、君はまた何を騒いでいるのだね」
慌てた声で呼びかけながら、頼りにならない救いの主が部屋...
余程急いで来たのだろう、いつもは念入りにセットしている...
「今度はなんだ、モンモランシーは何もしてないぞ」
及び腰ながら両手を広げてこちらを庇うギーシュに、モンモ...
それを厳しく目で追いながら、才人は体の向きを変えて自分...
「嘘吐け、これ見りゃそこのでこっぱちがやらかしたのは一目...
その人影を見て、モンモランシーは目を瞬かせる。
見覚えのある顔の幼女である。才人の背におぶさりながら「...
「なんだこの子は、ずいぶんと君のご主人様に似てるじゃない...
驚きの声を上げるギーシュもまた、モンモランシーと同じ感...
才人はイライラしたように地団太を踏み、片手で幼女を支え...
「こんな阿呆なことやるのはそこの面白い髪型の女しかいねえ...
「待って」
モンモランシーは才人の罵声を手で制止つつ問いかけた。
「あなたの口ぶり聞いてると、どうもその子がルイズ本人だっ...
「そうだよこれルイズ。ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールその人...
相変わらず誤解している才人の言葉を無視しつつ、モンモラ...
「こんにちは」
そう言うと、その幼女は目を瞬いて不思議そうに問いかけて...
「おばちゃん、だあれ」
モンモランシーは一瞬顔を引きつらせかけたが、「子供なん...
「ちょっとごめんなさいね」
とその幼女の額に手を当てた。
目を閉じ、意識を集中する。
水魔法の使い手たるモンモランシーは、こうすることで相手...
以前授業でも同じようにしたことがあり、そのとき組んだの...
体内の情報というのは、要するに水の流れである。
ほとんど感覚的なものなので説明することは難しいが、だか...
この幼女は、ほぼ間違いなくルイズ本人である、と。
モンモランシーはため息を吐き、きょとんとしているルイズ...
8 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
「本当みたいね」
「ほれ見ろ、やっぱりお前が」
息巻く才人に、モンモランシーは首を振る。
「でもわたしじゃないわ」
「今更言い逃れ」
「そもそも、こんなことできっこないもの」
きっぱりそう言ってやると、才人は目を見張った。
「できないって」
「水魔法の秘薬って言ったって、若返りの秘薬なんかないって...
そんなものがあったらこの国の女貴族は皆ずっと若いままで...
非常に分かりやすい例えのつもりで言ってやると、才人も彼...
「じゃあ、これ元に戻すのも無理なのか」
「そういうこと。分かったらさっさと出て行ってくれない。今...
朝っぱらから言いがかりでこんな騒ぎを起こされたのだから...
本来ならもっとネチネチいびっているところだが、許してや...
確かに前回同じぐらい迷惑な騒ぎを起こしたことだし、何よ...
才人本人もさすがに気まずかったらしく、「ホントすまん、...
ちなみに騒ぎの原因ともなったルイズは、そんなことなど知...
見物していた生徒たちも見世物が終了したことで散っていき...
「なんだったんだ、一体」
首を傾げるギーシュに、モンモランシーは笑いかける。
「さあね。あの二人が騒いでるのなんていつものことだし、気...
「それもそうか。やれやれ、全くあの二人といると気が休まら...
相変わらずあっさり納得するギーシュに苦笑しつつ、モンモ...
「それよりほら、早く食堂行きましょうよ。朝食始まっちゃう...
自覚するほど優しい物言いにギーシュも気がついたようで、...
「おおモンモランシー、ついに僕の愛を受け入れてくれるぶぁ」
「調子に乗らない」
文字通り飛び掛ってきたギーシュの腹部に肘鉄を打ち込んで...
何となく上機嫌な理由は、騒ぎが起こってからギーシュが駆...
9 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 0...
時は過ぎてその日の夕方、才人はコルベールの研究室の中の...
満身創痍と言って差し支えないほど、心身ともにボロボロの...
ルイズは、才人の予想どおり行く先々でヴァリエーション豊...
「あらルイズったらずいぶん可愛くなっちゃったわねえ」
と大爆笑してルイズを抱えあげたキュルケの指に思い切り噛...
「きゃーミス・ヴァリエールとっても可愛いです、抱っこさせ...
と言ったシエスタの胸を腫れ上がるまでビンタしまくり、
「……」
といつものように無言で無視を決め込んでいたタバサの本を...
特にタバサが無言で氷柱を連発してきたときは本気で死ぬか...
他にも授業中に「ねーサイトおしっこー」と言っては猛ダッ...
食堂ではスープが熱いと言ってふーふー冷まさせたと思った...
ようやく大人しくなったと思ったら物影で学院長のネズミを...
マリコルヌにデブを連発して言ってキレさせたりギトーを隠...
落書きされたデルフリンガーがマジ切れしたときはさすがの...
それでいてこちらが怒ると泣き喚いてエクスプロージョンを...
いやこの辺などまだ温いレベルと言ってもいい。
終いには火蜥蜴のフレイムの尻尾を踏んづけて遊んだりシル...
そんなこんなで一日中走り回った才人は、疲れ果ててコルベ...
出てくる言葉は愚痴ばかりだ。
「なんで子供ってあんなにウンコ弄りたがるんですかね」
「それは女性の心理と同じく永遠の謎というものだよサイト君」
さすが先生こんなくだらねえ質問にも知的に答えてくれると...
そんな才人を微笑んで見つめ返すコルベールの頭が以前より...
「うわぁ、先生の頭とっても眩しいナリ」
「これは知性の輝きというものだよサイト君」
さすが死の淵から生還した先生、こんなに失礼なこと言われ...
きっとこのパワーアップしたコッパゲ先生なら、この異常な...
ちなみに騒ぎの原因であるルイズは研究室の片隅の簡易寝台...
走って叫んで逃げ回る才人の肩で無責任にはしゃぎまくった...
ナメとんのかこのガキャア! とキレるつもりは毛頭にない...
今はただただこの悪夢が可及的速やかに解消されることを願...
「で、どうなんですか先生」
期待して聞くと、コルベールは微笑んだままそっと明後日の...
「分からん」
「もっぺんくたばれこのハゲェ!」
才人は叫んで立ち上がって立ちくらみを起こして床に倒れこ...
疲れすぎたせいで堪忍袋の尾が短くなり体力の限界値も低く...
コルベールはあくまでも怒らずにそんな才人を椅子に座りな...
「落ち着きたまえサイト君。原因については大体察しがついて...
「本当ですか」
「というより、推測できる原因はただ一つだと思うがね」
「というと、つまり」
「虚無だよ」
人差し指を立ててコルベールが断言する。
ああやっぱりそれかと才人は肩を落とす。何となく、想像は...
虚無。伝説の系統。ルイズが必要としたときに必要な魔法が...
ちなみにコルベールは才人が伝説の使い魔であることから大...
ルイズが虚無の担い手であることは説明するまでもなく知っ...
とにもかくにも、虚無である。なるほど虚無ならどんな魔法...
爆発させたり幻作ったり魔法解除したり。
よくよく考えたらあまり関連性がない魔法ばかりである。
いや本当はもっと細かいところでいろいろ共通しているもの...
10 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) ...
「つまり、虚無の魔法に人間の時間を巻き戻すといったものが...
「今度は時間操作ですか」
本当に何でもありだなあと才人は感心するよりも早く呆れて...
コルベールは重々しく頷いて解説する。
「私が思うに、虚無の魔法というのは空間や光など、他の四系...
他の四系統は物の素材を変えたり炎を起こしたりとあくまで...
「先生、俺に説明したって小難しい話は分かりませんよ」
本当なら聞いてあげたいところだったが、疲れ果てている才...
コルベールもそこのところは察してくれたようで、少し残念...
「虚無の魔法は、ミス・ヴァリエールがそれを必要としたとき...
「そうみたいですけど」
才人はちらりと部屋の隅に目をやる。ルイズは相変わらず健...
コルベールは一つ頷き、嬉しそうに言った。
「では解決方法は簡単だ。ミス・ヴァリエールが元に戻りたい...
「本当に単純ですね」
才人が呆れて言うとコルベールは苦笑して肩をすくめた。
「なに、どんなに難しく思える問題も、後で答えを知れば意外...
「そんなもんですかねえ」
「少なくとも、今回の件に関してはこれで間違いないはずだ。...
時間を巻き戻す魔法が祈祷書に浮かび上がったのだろうから...
「なるほどねえ。でも、ルイズはなんでそんなこと」
才人が疑問を口にすると、コルベールは教師が宿題を出すと...
「それを考えるのは使い魔たる君の仕事だよ、サイト君」
「仕事ったってなあ」
ベッドに横たわったままルイズの部屋の天井を見上げ、才人...
ちなみにルイズは子供のままで、才人の隣で未だに眠ってい...
「なあルイズ、お前なんで子供になんかなりたがったんだ」
問いかけてみるも、返事はない。
眠っているから当たり前だが、起きたところでちゃんとした...
才人は再度ため息を吐いて仰向けになる。
ぼんやりと天井を見上げながら、今日一日で分かったことや...
まず一番に疑問に思ったことは、モンモランシーに対して「...
才人のことは覚えていたのにモンモランシーのことは忘れて...
他の女性陣に対する態度も気にかかる。
記憶ごと子供に戻っているなら、シエスタの胸に対する嫉妬...
(ひょっとして、こいつ皆のこと忘れてる振りしてるだけなん...
つまり、子供に戻るのは肉体だけということだ。
だが、もしそうだったとして一体何故忘れた振りなどしてい...
そんなことを考えていたとき、不意にルイズが小さく呻いて...
11 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) ...
「ここどこ」
「お前の部屋だよ」
短く答えてやると、ルイズは眠たげにしょぼしょぼさせてい...
「サイト」
そのまま、甘えるように才人の服に顔を擦りつける。
(普段のルイズならこんなことしないしなあ)
才人は首を傾げたあと、ふと下からの視線に気付いて顔を下...
見ると、ルイズがお子様らしい柔和な顔に似合わぬ不安げな...
「どうした、ルイズ。怖い夢でも見たか」
才人は笑いかけながら、ルイズを持ち上げて自分の膝に乗せ...
ひょっとしたら中身は元のルイズかもしれないと疑いつつも...
そのままの体勢で、しばらく頭を撫でてやる。するとルイズ...
「ねえサイト」
「なんだ」
「怒ってる?」
「どうして」
「いっぱいいたずらしたから」
まあ確かになあ、と苦笑しつつ、サイトはもう一度、ルイズ...
「怒ってねえよ」
「ほんとう」
「おう。お前も反省してるみたいだしな。その代わり明日はも...
才人がそう言うと、ルイズはもうすっかりお馴染みとなった...
「あのねサイト」
「なんだ」
「だいすき」
不意打ちである。
ルイズは急に身を翻して才人の頬に唇を押し付けると、猫の...
12 名前:素直になって、自分[sage] 投稿日:2006/11/21(火) ...
しばらくの間頬を押さえて呆然としたあと、才人はぷっと吹...
「ってなに焦ってんだ俺。子供にキスされたぐらいでよ」
とは言え、心臓が高鳴っているのも事実である。
子供に戻っているとは言え、あのルイズに「だいすき」など...
「なんだかなあ」
誰もいないのに誤魔化すように笑いつつ、才人はそっと布団...
布団に潜り込んだルイズは、朝のように体を丸めてぐっすり...
その無垢な寝顔を見ていると、自然と口元に微笑が浮かんで...
(何がなんだかわかんねえけど、まあいいか)
才人は一つ欠伸をしてベッドに横たわった。
夢うつつに、誰かが何事かを呟いているのが聞こえたような...
そして次の日目覚めてみると、全ては元通りになっていたの...
ルイズは才人の横で相変わらず朝に弱い低血圧ぶりを発揮し...
結局才人の疑問が解決されることはなかったものの、この騒...
後日。もしもそのときルイズの部屋を覗き込む者がいたなら...
「ほら見ろ、俺が言ったとおりだっただろう」
「まあ確かに、あの馬鹿犬あたしを放り出したりはしなかった...
「それどころか存分に甘えさせてくれたじゃねえの」
「まあ溜まりに溜まったストレスは十分発散できたわね」
「全く、単に『素直になりたい』って願ってただけだってのに...
「知らないわよ。あたしだって子供に戻ってたときはビックリ...
「でも記憶はあったんだろ」
「あったけど、何か楽しくてどうでもよくなってた気がする」
「なるほど精神は子供のときに戻ってたって訳か。確かに子供...
「そういうことなのかしら」
「そうだろうよ。で、お前さんはしたいことをしたわけだ。相...
「誰もやきもちなんて焼いてないわよ」
「へいへい。まあそういうことにしときましょうかねえ。ま、...
「なんの話よ」
「『あのねサイト』『なんだ』『だいすき』ぶちゅっ。いやあ...
「コルベール先生の研究室に溶鉱炉はあるかしら」
「いやさすがにそんなものはねえと思うけどってでも止めてあ...
こうしてデルフリンガーの悲鳴は誰の耳にも届くことなく、...
蛇足ではあるが、平賀才人が今回の騒動以降しばらくの間顔...
3 名前:205[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 00:14:04 ID:J0Zz...
っつー訳で幼児化SS投下しますっつっても非エロですが。俺...
で、誰が幼児化するかってーともちろん流れに乗っかって才人
13 名前:205[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 00:31:50 ID:J0Z...
>>3なんて言うと思ったかこのド低脳どもがぁ! この205の最...
「幼児化した才人に感情移入してシエスタのおっぱい吸う妄想...
とか思ってやがる貴様らの期待を見事に裏切ってやることだ!
……いやごめんなさいちょっと調子に乗ってました自分。
まあなんてーか昨日の書き込み見て勢いで書き出したんですが、
勢いで書き出したおかげで構成が無茶苦茶だったり安易だった...
やっぱ幼児化して抵抗できないルイズをシエスタがヨシェナヴ...
と思いつつまた次回。
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