ゼロの使い魔保管庫
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172 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「そ、そうだ、ちょっとティファニアって娘の事で聞きたいこと...
ルイズは照れ隠しに、昨日聞きたいと思っていた事をサイトに...
「あ、ああ、俺もテファの事で話したいことがあったんだ」
サイトもやや照れながら、テファの事を話し始めた。
テファはハーフエルフで、先住の魔法でサイトの命を救ってく...
ここ一月程の間に起こった事をサイトは事細かに説明した。
そして、彼女は記憶を消してしまう魔法が使える虚無の担い手...
ルイズは驚いた、自分以外にも担い手が存在しているなんて今...
だが話を聞いていると疑念も沸いてくる、昨日襲ってきた虚無...
虚無の使い魔なら、主も虚無の担い手である可能性が高い。も...
自分が持っている始祖の祈祷書を奪う為に、サイトを餌にして...
テファがハーフエルフな事も手伝って、ルイズはテファがレコ...
その事をサイトに話すと、サイトは猛然となってその意見に反...
「そりゃ無いって、ルイズを誘き出すだけなら俺を生かしてお...
「でも…相手はハーフとはいえ、エルフよ。聖地を侵し、私達人...
「あのな、エルフだろうがなんだろうが、テファは違うっての...
ルイズの言葉を遮って、サイトは言う。
なんだかえらくテファの肩を持つサイトに別の意味での疑念も...
今は虚無の事の方が先決であるので、ルイズは言葉を続ける。
「でも、おかしくない?虚無の担い手がいる村で、その日のう...
偶然にしても出来すぎてるわ」
「う…そ、それは…そうだけどさ」
押し切られそうになっているサイトにデルフが助け舟を出す。
「俺も違うと思うぜ、あのうぶなハーフエルフの娘っ子にそん...
なんなら、調べてみればいいさ」
「調べるって…どうやって?」
疑問を言うルイズにデルフが言葉を続ける。
「なぁに簡単さ。それじゃ相棒、ハーフエルフの娘っ子を呼ん...
デルフに言われ、サイトが厨房でシエスタと一緒に昼食の準備...
「あの…私に何かご用でしょうか」
173 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
呼び出されたテファがルイズの厳しい視線と部屋の異様な雰囲...
「いやぁ、実はお前さんが悪人じゃないかって、この貴族の娘...
それが本当かどうか知りたくて、呼んだんだ」
直球ストレートに言うデルフにサイトとルイズが慌てる。まさ...
「ええっ!!わたし、その、悪人なんかじゃないです…」
突然の疑いに、がくがくぷるぷると震え、涙も浮かべてテファ...
「分かってるって、君は悪人なんかじゃないよ」
泣き出したテファをなだめる為に、サイトがテファの頭を抱き...
ルイズはまたもや別の意味でテファへの疑念を持つが
今は虚無の事の方がせ、先決ね。と、やや怒りを含んだ心で呟...
「それで聞きたいことがあるんだけど、お前さん、使い魔は持...
デルフがテファに質問する。
「いえ…私は使い魔を持っていません。幼い頃、屋敷を追われて...
使えるのはオルゴールで聞いた魔法だけですから……」
まだ涙の溜まった目で、うつむきながら、悲しげにテファは答...
「それじゃあ、これで解決だな」とデルフがのんびりとした口...
「なんでよ、この娘が嘘をついているだけかもしれないじゃな...
「いいや、解決だよ。この娘っ子にサモンサーヴァントを唱え...
ルイズはハッとした。自分がこの前やった手段だ。
もしテファが嘘をついて使い魔のシェフィールドを従えていれ...
だが、テファの言っている事が本当なら魔法は完成する。確か...
「なんだかよく分からんが…サモンサーヴァントを使えばテファ...
「まぁ、そういうこった。それじゃ、ハーフエルフの娘っ子、...
サイトとデルフの言葉に不思議そうにテファが答える。
「あの…サモンサヴァーントって…なんですか?」
テファもさっぱり分かっていないようである。
「そうだったな、魔法の知識が殆どないんだったか。んじゃ、...
「な、なんで私がハーフとはいえ、エルフなんかにサモンサー...
174 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「元はといえば、お前さんが疑いをかけたんだろ。だったら教...
デルフに言い返されて、しぶしぶルイズがテファにサモンサー...
使い魔をサモンサーヴァントで呼び出し、コントラクトサーヴ...
テファの言うとおりテファが使い魔を呼び出していないのなら...
ルイズの説明にテファがうろたえた声で言う。
「あ、あの…呼び出した相手とキス、しなくちゃ、いけないんで...
その…わたし、き、キスとかは、ちょっと…そ、それに使い魔と...
言いながらテファはサイトの方へ一瞬視線を揺らす。その一瞬...
なんだかレコン・キスタの残党疑惑とかよりも、こっちの疑惑...
言いだしっぺが自分なので、そうもいかない。
「ああ、それなら大丈夫だ。サモンサーヴァントのゲートが出...
呼び出した相手がゲートをくぐる前にゲートを閉じればいいか...
「そ、そうですか…良かった…」
心底ホッとした様子のテファになんだか怖い声のルイズが言う。
「大体の手順はこんな感じ。それじゃ、やってみましょうか」
「は、はい…それでは唱えます。我が名はティファニア…」
ルイズの雰囲気に少々恐れをなしながらも、テファはサモンサ...
「…に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」
詠唱が完成し、テファが目の前の空間に杖を振り下ろす。
その瞬間、眩い光があふれ、その眩しさにテファはとっさに目...
しばらくしておそるおそる、目を開けてみると目の前に白い鏡...
「出た、出ましたよ!ゲートが!」
笑顔で皆に振り向いてティファニアが言ったのだが、何故かル...
というか、別の物を驚いた顔で二人は凝視している。
不思議に思い、テファも二人の視線を追うと、サイトの目の前...
「あ、あれ?私、詠唱を間違ったんでしょうか…ゲートが2つも...
再度うろたえた声でテファが言う。
175 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「…とりあえず、ハーフエルフの娘っ子、ゲートを閉じてみてく...
デルフがテファに指示を出す。
「は、はい。扉よ、閉じて!」
テファの言葉に目の前にあった白い鏡が消えうせる。同時にサ...
沈黙が部屋を支配する。ありえない事が起こったのだから当然...
当のありえない事を起こしたテファは、事の重大さを理解でき...
「な、なんかの間違いね!…も、もう一度やってみましょう!」
まるで自分に言い聞かせるかのように、大きな声でルイズが沈...
「だ、だよな、ま、まさか、そんなわけないよなぁ、ハハハ…」
随分と乾いた笑いをあげて誤魔化すサイト。
「そうだな、いくらなんでもありえねぇ…ハーフエルフの娘っ子...
「は、はい。分かりました」
三人の異様な雰囲気にまたもやビビリながらも、テファは言わ...
慎重に慎重を重ね、一言一句間違いの無い呪文が完成し、テフ...
魔法の完成に光ることが分かっていたので、今度は目を瞑らず...
が、それと同時にサイトの目の前にもゲートが現れるのをテフ...
今度こそ部屋に完全な沈黙が落ちた。それはもうたっぷり数分...
その沈黙に耐え切れなかったのかテファがゲートを閉じる呪文...
前と同じくテファの目の前のゲートが消え、サイトの目の前の...
「あ、あの、これって、もしかして…」テファが小さな声で、お...
テファにも何となく分かったのだ、自分の使い魔候補が誰なの...
「ねぇ…どういうこと?」
怒気を多分に含んだルイズがデルフに訪ねる。
もはやレコン・キスタとかシェフィールドとか、そんな疑いな...
「そりゃあ、まぁ、見たとおりだな。ハーフエルフの娘っ子は...
使い魔の候補が相棒だってことだな」
「んなっ?!そんな事あるのかよ!俺はルイズの使い魔なんだ...
「そうよ!契約されている使い魔が重複するなんて話、聞いた...
デルフの言葉に驚いて、もっともな事をまくしたてる二人だが...
176 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
と、デルフのさらにもっともな言葉が押し潰す。
「まぁ、取りあえずはハーフエルフの娘っ子の疑いは晴れたわ...
「そ、そうだな、契約云々はまた別の話だからな」
デルフとサイトの言葉に納得は出来ないが、確かに当初の目的...
「そ、そうね、確かに彼女は敵じゃないみたいね…」
まだルイズの厳しい視線が残っているが、自身の疑いが晴れた...
「あ、あの、庭の広場に来てください。そろそろ昼食の用意が...
疑いも晴れて、そう言って昼食の支度に戻ろうとしたテファを...
「テファ、その、ゴメンな、変な疑いをかけちまって…」
「いえ、わたし、ハーフエルフですから、こういった事には慣...
それに…サ、サイトは最後まで私のことを信じてくれたから」
そう言って、顔から耳まで真っ赤にしてテファはうつむいて、...
「そ、そっか…」
サイトもちょっと顔を赤くしてうつむく。
…何、何なのこの雰囲気。ルイズは心の中で呟く。
サイトとテファの甘酸っぱい青春ラブコメの如き雰囲気、しか...
「そ、それじゃ、私は昼食の支度に戻ります」その雰囲気を誤...
と、途中で何か思い直したのかテファはサイトの方へ振り向く。
「あ、あの…わたし、使い魔とか、その…要らないですけど、あ...
顔や耳と言わず、肩まで真っ赤になりながらそう言って、テフ...
「なっ!なんですとっ!!」
突然のテファの告白にも近い言葉にサイトは声をあげる。
「ほぉ、もてるじゃねーか、相棒」そう言ってデルフはサイト...
「な、そ、そんなんじゃ、ねーよ」デルフにからかわれて顔を...
「ふーん」
呟きが一つ。
一言だがえらくどす黒いオーラを含んだ呟きが部屋中に響き渡...
さっきまで赤かったサイトの顔が、一瞬で青くなる。
177 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「ま、待て、まって、ルイズ、その、ち、違うんだ!」
どす黒いオーラを何とか消そうと、サイトがその一言を言った...
「何?なにが違うの?ねぇ…犬」
犬、懐かしの犬が来た。もはや死は目前である。
「お、俺はテファをそんな目で見てねーよ。テファとはただの...
どうあがいても結果が変わりそうは無いのだが、サイトは必死...
「一ヶ月だものね…一ヶ月も首輪が外れた犬がどうなるか…そう...
そう殺気を込めて言いながら、ルイズはサイトに近寄る。
「おおお、落ち着こうルイズ、お、俺は何もしてない。本当だ」
言っている本人が一番落ち着いてないように見えるが、例によ...
「…こんな事もあろうかと、用意しておいたの」
言いながらルイズは魔法の拘束具を、切ない所を蹴り上げられ...
「こ、こんな事って、どんな事を想定…」
「ヴァスラ」
サイトの反論を無視してルイズは電撃を放つ。ぎゃっ!とサイ...
「久々に再調教しなくちゃいけないみたいね、それもたっぷり...
ルイズの言葉にあきらめがついたサイトは、ああ…今日の昼食は...
178 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「すみませんっ、遅くなりました」
タタタっと走りながら、庭の広場で子供達と食器を並べている...
「いえ、子供たちも手伝ってくれましたし、あとは食器を配る...
そう言ってシエスタは微笑む。
もう広場のテーブルには料理もあらかた並び、子供達やアニエ...
「それじゃ私もお手伝いします」そう言ってテファも食器を並...
テファが食器を手に取ったその時、テファの家から轟くような...
「っ!敵かっ!」
アニエスがそう言い、テーブルに立てかけておいた剣を手に取...
昨日の今日だ、昨夜の敵が襲来してきてもおかしくない。アニ...
「あ、待ってください。多分、敵じゃないです」
と、のんびりとした口調でシエスタがアニエスを引き止める。
「何っ!違う…のか?」
あまりに間延びしたシエスタの引止めに、アニエスは緊張が緩...
「はい、学園とかで、たまに聞く悲鳴なんです。その…サイトさ...
「運命…?」
なんだか訳の分からない理由にアニエスは首を傾げる。
何度も響く悲鳴をよくよく聞いてみると、声の主はその運命の...
「つまり…放っておいて良いのか、アレは」
「はい、そうらしいです」
アニエスの質問に簡潔に答えるシエスタ。どうやら結構な頻度...
「そうか…」そう言って再び剣をテーブルに立てかけ、アニエス...
「え、あの、良いんですか?本当に…」
悲鳴が響くたびに首をすくめ、オロオロとするテファがシエス...
「大丈夫です。あ、でも、ミス・ヴァリエールとサイトさんの...
と朗らかに答える。
「それじゃ、ミス・ヴァリエールとサイトさんは遅くなりそう...
そう言って食器を配り終えたシエスタが席に付く。
「は、はぁ、そうですか…」
179 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
ここまで言われたのではどうにもならない、テファは悲鳴を気...
子供たちも不安な顔をしながら席に付き「それではいただきま...
ぽかぽかと日和の良い中での昼食、時折吹く風は心地よく、気...
シエスタは「平和ですね…。戦争も終わって、皆と楽しく食事が...
言っている事はもっともなので、アニエスも「そうだな」と簡...
テファと子供たちもシエスタの言葉に賛同したいのだが、それ...
こんな中で平然と食事を取って、和やかに話すシエスタとアニ...
外の世界って、私が考えているのとちょっと違うかも…と
世界を見てみたいという憧れと意気込みがちょっぴり挫かれて...
終了行:
172 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「そ、そうだ、ちょっとティファニアって娘の事で聞きたいこと...
ルイズは照れ隠しに、昨日聞きたいと思っていた事をサイトに...
「あ、ああ、俺もテファの事で話したいことがあったんだ」
サイトもやや照れながら、テファの事を話し始めた。
テファはハーフエルフで、先住の魔法でサイトの命を救ってく...
ここ一月程の間に起こった事をサイトは事細かに説明した。
そして、彼女は記憶を消してしまう魔法が使える虚無の担い手...
ルイズは驚いた、自分以外にも担い手が存在しているなんて今...
だが話を聞いていると疑念も沸いてくる、昨日襲ってきた虚無...
虚無の使い魔なら、主も虚無の担い手である可能性が高い。も...
自分が持っている始祖の祈祷書を奪う為に、サイトを餌にして...
テファがハーフエルフな事も手伝って、ルイズはテファがレコ...
その事をサイトに話すと、サイトは猛然となってその意見に反...
「そりゃ無いって、ルイズを誘き出すだけなら俺を生かしてお...
「でも…相手はハーフとはいえ、エルフよ。聖地を侵し、私達人...
「あのな、エルフだろうがなんだろうが、テファは違うっての...
ルイズの言葉を遮って、サイトは言う。
なんだかえらくテファの肩を持つサイトに別の意味での疑念も...
今は虚無の事の方が先決であるので、ルイズは言葉を続ける。
「でも、おかしくない?虚無の担い手がいる村で、その日のう...
偶然にしても出来すぎてるわ」
「う…そ、それは…そうだけどさ」
押し切られそうになっているサイトにデルフが助け舟を出す。
「俺も違うと思うぜ、あのうぶなハーフエルフの娘っ子にそん...
なんなら、調べてみればいいさ」
「調べるって…どうやって?」
疑問を言うルイズにデルフが言葉を続ける。
「なぁに簡単さ。それじゃ相棒、ハーフエルフの娘っ子を呼ん...
デルフに言われ、サイトが厨房でシエスタと一緒に昼食の準備...
「あの…私に何かご用でしょうか」
173 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
呼び出されたテファがルイズの厳しい視線と部屋の異様な雰囲...
「いやぁ、実はお前さんが悪人じゃないかって、この貴族の娘...
それが本当かどうか知りたくて、呼んだんだ」
直球ストレートに言うデルフにサイトとルイズが慌てる。まさ...
「ええっ!!わたし、その、悪人なんかじゃないです…」
突然の疑いに、がくがくぷるぷると震え、涙も浮かべてテファ...
「分かってるって、君は悪人なんかじゃないよ」
泣き出したテファをなだめる為に、サイトがテファの頭を抱き...
ルイズはまたもや別の意味でテファへの疑念を持つが
今は虚無の事の方がせ、先決ね。と、やや怒りを含んだ心で呟...
「それで聞きたいことがあるんだけど、お前さん、使い魔は持...
デルフがテファに質問する。
「いえ…私は使い魔を持っていません。幼い頃、屋敷を追われて...
使えるのはオルゴールで聞いた魔法だけですから……」
まだ涙の溜まった目で、うつむきながら、悲しげにテファは答...
「それじゃあ、これで解決だな」とデルフがのんびりとした口...
「なんでよ、この娘が嘘をついているだけかもしれないじゃな...
「いいや、解決だよ。この娘っ子にサモンサーヴァントを唱え...
ルイズはハッとした。自分がこの前やった手段だ。
もしテファが嘘をついて使い魔のシェフィールドを従えていれ...
だが、テファの言っている事が本当なら魔法は完成する。確か...
「なんだかよく分からんが…サモンサーヴァントを使えばテファ...
「まぁ、そういうこった。それじゃ、ハーフエルフの娘っ子、...
サイトとデルフの言葉に不思議そうにテファが答える。
「あの…サモンサヴァーントって…なんですか?」
テファもさっぱり分かっていないようである。
「そうだったな、魔法の知識が殆どないんだったか。んじゃ、...
「な、なんで私がハーフとはいえ、エルフなんかにサモンサー...
174 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「元はといえば、お前さんが疑いをかけたんだろ。だったら教...
デルフに言い返されて、しぶしぶルイズがテファにサモンサー...
使い魔をサモンサーヴァントで呼び出し、コントラクトサーヴ...
テファの言うとおりテファが使い魔を呼び出していないのなら...
ルイズの説明にテファがうろたえた声で言う。
「あ、あの…呼び出した相手とキス、しなくちゃ、いけないんで...
その…わたし、き、キスとかは、ちょっと…そ、それに使い魔と...
言いながらテファはサイトの方へ一瞬視線を揺らす。その一瞬...
なんだかレコン・キスタの残党疑惑とかよりも、こっちの疑惑...
言いだしっぺが自分なので、そうもいかない。
「ああ、それなら大丈夫だ。サモンサーヴァントのゲートが出...
呼び出した相手がゲートをくぐる前にゲートを閉じればいいか...
「そ、そうですか…良かった…」
心底ホッとした様子のテファになんだか怖い声のルイズが言う。
「大体の手順はこんな感じ。それじゃ、やってみましょうか」
「は、はい…それでは唱えます。我が名はティファニア…」
ルイズの雰囲気に少々恐れをなしながらも、テファはサモンサ...
「…に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」
詠唱が完成し、テファが目の前の空間に杖を振り下ろす。
その瞬間、眩い光があふれ、その眩しさにテファはとっさに目...
しばらくしておそるおそる、目を開けてみると目の前に白い鏡...
「出た、出ましたよ!ゲートが!」
笑顔で皆に振り向いてティファニアが言ったのだが、何故かル...
というか、別の物を驚いた顔で二人は凝視している。
不思議に思い、テファも二人の視線を追うと、サイトの目の前...
「あ、あれ?私、詠唱を間違ったんでしょうか…ゲートが2つも...
再度うろたえた声でテファが言う。
175 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「…とりあえず、ハーフエルフの娘っ子、ゲートを閉じてみてく...
デルフがテファに指示を出す。
「は、はい。扉よ、閉じて!」
テファの言葉に目の前にあった白い鏡が消えうせる。同時にサ...
沈黙が部屋を支配する。ありえない事が起こったのだから当然...
当のありえない事を起こしたテファは、事の重大さを理解でき...
「な、なんかの間違いね!…も、もう一度やってみましょう!」
まるで自分に言い聞かせるかのように、大きな声でルイズが沈...
「だ、だよな、ま、まさか、そんなわけないよなぁ、ハハハ…」
随分と乾いた笑いをあげて誤魔化すサイト。
「そうだな、いくらなんでもありえねぇ…ハーフエルフの娘っ子...
「は、はい。分かりました」
三人の異様な雰囲気にまたもやビビリながらも、テファは言わ...
慎重に慎重を重ね、一言一句間違いの無い呪文が完成し、テフ...
魔法の完成に光ることが分かっていたので、今度は目を瞑らず...
が、それと同時にサイトの目の前にもゲートが現れるのをテフ...
今度こそ部屋に完全な沈黙が落ちた。それはもうたっぷり数分...
その沈黙に耐え切れなかったのかテファがゲートを閉じる呪文...
前と同じくテファの目の前のゲートが消え、サイトの目の前の...
「あ、あの、これって、もしかして…」テファが小さな声で、お...
テファにも何となく分かったのだ、自分の使い魔候補が誰なの...
「ねぇ…どういうこと?」
怒気を多分に含んだルイズがデルフに訪ねる。
もはやレコン・キスタとかシェフィールドとか、そんな疑いな...
「そりゃあ、まぁ、見たとおりだな。ハーフエルフの娘っ子は...
使い魔の候補が相棒だってことだな」
「んなっ?!そんな事あるのかよ!俺はルイズの使い魔なんだ...
「そうよ!契約されている使い魔が重複するなんて話、聞いた...
デルフの言葉に驚いて、もっともな事をまくしたてる二人だが...
176 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
と、デルフのさらにもっともな言葉が押し潰す。
「まぁ、取りあえずはハーフエルフの娘っ子の疑いは晴れたわ...
「そ、そうだな、契約云々はまた別の話だからな」
デルフとサイトの言葉に納得は出来ないが、確かに当初の目的...
「そ、そうね、確かに彼女は敵じゃないみたいね…」
まだルイズの厳しい視線が残っているが、自身の疑いが晴れた...
「あ、あの、庭の広場に来てください。そろそろ昼食の用意が...
疑いも晴れて、そう言って昼食の支度に戻ろうとしたテファを...
「テファ、その、ゴメンな、変な疑いをかけちまって…」
「いえ、わたし、ハーフエルフですから、こういった事には慣...
それに…サ、サイトは最後まで私のことを信じてくれたから」
そう言って、顔から耳まで真っ赤にしてテファはうつむいて、...
「そ、そっか…」
サイトもちょっと顔を赤くしてうつむく。
…何、何なのこの雰囲気。ルイズは心の中で呟く。
サイトとテファの甘酸っぱい青春ラブコメの如き雰囲気、しか...
「そ、それじゃ、私は昼食の支度に戻ります」その雰囲気を誤...
と、途中で何か思い直したのかテファはサイトの方へ振り向く。
「あ、あの…わたし、使い魔とか、その…要らないですけど、あ...
顔や耳と言わず、肩まで真っ赤になりながらそう言って、テフ...
「なっ!なんですとっ!!」
突然のテファの告白にも近い言葉にサイトは声をあげる。
「ほぉ、もてるじゃねーか、相棒」そう言ってデルフはサイト...
「な、そ、そんなんじゃ、ねーよ」デルフにからかわれて顔を...
「ふーん」
呟きが一つ。
一言だがえらくどす黒いオーラを含んだ呟きが部屋中に響き渡...
さっきまで赤かったサイトの顔が、一瞬で青くなる。
177 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「ま、待て、まって、ルイズ、その、ち、違うんだ!」
どす黒いオーラを何とか消そうと、サイトがその一言を言った...
「何?なにが違うの?ねぇ…犬」
犬、懐かしの犬が来た。もはや死は目前である。
「お、俺はテファをそんな目で見てねーよ。テファとはただの...
どうあがいても結果が変わりそうは無いのだが、サイトは必死...
「一ヶ月だものね…一ヶ月も首輪が外れた犬がどうなるか…そう...
そう殺気を込めて言いながら、ルイズはサイトに近寄る。
「おおお、落ち着こうルイズ、お、俺は何もしてない。本当だ」
言っている本人が一番落ち着いてないように見えるが、例によ...
「…こんな事もあろうかと、用意しておいたの」
言いながらルイズは魔法の拘束具を、切ない所を蹴り上げられ...
「こ、こんな事って、どんな事を想定…」
「ヴァスラ」
サイトの反論を無視してルイズは電撃を放つ。ぎゃっ!とサイ...
「久々に再調教しなくちゃいけないみたいね、それもたっぷり...
ルイズの言葉にあきらめがついたサイトは、ああ…今日の昼食は...
178 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
「すみませんっ、遅くなりました」
タタタっと走りながら、庭の広場で子供達と食器を並べている...
「いえ、子供たちも手伝ってくれましたし、あとは食器を配る...
そう言ってシエスタは微笑む。
もう広場のテーブルには料理もあらかた並び、子供達やアニエ...
「それじゃ私もお手伝いします」そう言ってテファも食器を並...
テファが食器を手に取ったその時、テファの家から轟くような...
「っ!敵かっ!」
アニエスがそう言い、テーブルに立てかけておいた剣を手に取...
昨日の今日だ、昨夜の敵が襲来してきてもおかしくない。アニ...
「あ、待ってください。多分、敵じゃないです」
と、のんびりとした口調でシエスタがアニエスを引き止める。
「何っ!違う…のか?」
あまりに間延びしたシエスタの引止めに、アニエスは緊張が緩...
「はい、学園とかで、たまに聞く悲鳴なんです。その…サイトさ...
「運命…?」
なんだか訳の分からない理由にアニエスは首を傾げる。
何度も響く悲鳴をよくよく聞いてみると、声の主はその運命の...
「つまり…放っておいて良いのか、アレは」
「はい、そうらしいです」
アニエスの質問に簡潔に答えるシエスタ。どうやら結構な頻度...
「そうか…」そう言って再び剣をテーブルに立てかけ、アニエス...
「え、あの、良いんですか?本当に…」
悲鳴が響くたびに首をすくめ、オロオロとするテファがシエス...
「大丈夫です。あ、でも、ミス・ヴァリエールとサイトさんの...
と朗らかに答える。
「それじゃ、ミス・ヴァリエールとサイトさんは遅くなりそう...
そう言って食器を配り終えたシエスタが席に付く。
「は、はぁ、そうですか…」
179 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 1...
ここまで言われたのではどうにもならない、テファは悲鳴を気...
子供たちも不安な顔をしながら席に付き「それではいただきま...
ぽかぽかと日和の良い中での昼食、時折吹く風は心地よく、気...
シエスタは「平和ですね…。戦争も終わって、皆と楽しく食事が...
言っている事はもっともなので、アニエスも「そうだな」と簡...
テファと子供たちもシエスタの言葉に賛同したいのだが、それ...
こんな中で平然と食事を取って、和やかに話すシエスタとアニ...
外の世界って、私が考えているのとちょっと違うかも…と
世界を見てみたいという憧れと意気込みがちょっぴり挫かれて...
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