ゼロの使い魔保管庫
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**ゼロの飼い犬13 水兵服とメイドの不安(後編) ...
■1
もう初夏といっていい季節なのに、夜風に肌寒さを感じます。
それは、腕も足も大きく肌を晒した格好をしているから。付...
わたしを心細くさせ、実際よりも風や気温を冷たく感じさせて...
日が落ちた後のヴェストリの広場を、わたしは火の塔へ向か...
今日の夕方、厨房へやってきたサイトさんに、そこへ呼び出...
こんな時間に、こんな服装で。”人目につかない場所に”って...
体の奥に、じわりと熱い物が溶け出しました。わたし、不安...
期待もしている。胸の内までは冷えていません。サイトさんと...
早く着きたい気分と、そこへ行くのが怖い気分が同居していま...
それでも足は自然に歩を進めて、わたしは火の塔入り口の踊...
「サイトさん……」
でも、ざっと見回してもサイトさんの姿がありません。小さ...
踊り場の上に響き、わたしはびくっと身をすくませました。
「シエスタ」
階段の上にあった樽の蓋が持ち上がって、中からサイトさん...
「サ、サイトさん。なぜそんなところに?」
「いや、いろいろと事情があって……って、え?」
サイトさんは踊り場に降り立つと、わたしの姿を眺めて驚い...
「き、着てきちゃったの?」
「え……ええ。だって、サイトさんがこの服できてくれって言っ...
そう答えると、サイトさんはしまったという風に難しい顔に...
何か勘違いがあったのかも。でも、着てきてしまった以上、こ...
わたしはごくりと唾を飲み込んでから、昨日の朝そうしたよ...
サイトさんに人差し指を立てて見せました。
「えっと、その……、お、お待たせっ!」
精一杯の笑顔で笑いかけると、サイトさんは頬を緩ませてか...
やっぱり、この格好を凄く喜んでくれてるみたい。わたしまで...
がたん!
「ひゃっ!?」「うわ!?」
と、急に近くで物音が聞こえて、わたしはサイトさんに飛び...
途端に、一時は忘れていたはずの、昨日の朝の恐怖が鮮明に蘇...
こんな露出の多い格好だって、下着を着けていない姿だって...
構いません。けど、他の人に見られるのは、それだけは絶対に...
サイトさんのお願いだから。相手がサイトさんだからなのです...
近くに誰か? そう思ってサイトさんにしがみついて震えて...
樽の影の辺りからにゃあにゃあとネコの鳴き声が聞こえてきま...
「なんだ、ネコか……」
ほっと息をつくサイトさんでしたが、わたしは安心できませ...
今にもここに誰かが通りがかりやしないかという不安が襲って...
「……サイトさん」
サイトさんの腕をぎゅっと掴んで言います。
「どうしたのシエスタ? ちょ、ちょっと離れて欲しいんだけ...
「……こ、ここじゃ嫌です……」
サイトさんの顔を見上げて、呟く。サイトさんは「え?」と...
「サ、サイトさんは、わたしのこんな格好……、他の男性に見ら...
他の男性に見せたいんですか?」
絞り出すように聞くと、サイトさんは目を見開いて顔をぶん...
「あ……、ご、ごめん! 俺、そこまで気がつかなくて!」
「でしたら、場所を変えましょう。ここだと怖いんです」
わたしはサイトさんの手を引いて、踊り場の階段を駆け下り...
■2
わたしとサイトさんは校舎の角を曲がって、壁際の木の陰に...
夜半のこの時間なら、まず誰にも見とがめられない場所。
ようやく安心できると、わたしはサイトさんに身を寄せました。
サイトさんはわたしの行動に戸惑っているのか、しばらく落...
不意に何かに気付いたみたいにぎくっと体を揺らしました。
「あ、あの、シエスタ? シエスタってひょっとして、ブラジ...
サイトさんの、ためらいがちな声。何だか腰が引けてます。
「ブラジャーって何ですか?」
「え? えええええ? その、胸をですね、こう、保護する……」
聞いたことがない言葉に質問すると、サイトさんはわたしか...
自分の胸の前でお椀みたいな形のジェスチャーをしました。
どうやら女性が上半身につける下着みたいなものらしいです。
「メイド服の時は、下にコルセットやドロワースをつけますけ...
こんなに短い上着やスカートだったら、そんなの無理です」
「え……、ド、ドロワースってなに?」
「その、下穿きです」
答えると、サイトさんは一瞬考え込むような顔をしたあと、...
わたしの方も、頬が火がついたみたいに熱くなります。
やっぱり、サイトさんはわたしが小さな下着を持ってないっ...
サイトさんがわざとわたしに下着を穿かせないことを望んで...
そのためにこんな短いスカートを用意させたんだっていう想像...
わかって……、安堵やら恥ずかしさやらで、頭がくらくらしてき...
そして、その次に湧き上がってきたのは、何の悪意も無くわ...
サイトさんへの抗議の気持ちでした。じわっと目尻に涙が浮か...
「サイトさん、ひどいです。わたし、貴族の方みたいな小さな...
こんな、こんな短いスカート。サイトさんのプレゼントだから...
勇気を振り絞って着ていったのに……」
「ちょ、ちょっと待って。てことは、今のシエスタって……、は...
今さらなことを聞いてくるサイトさんに、こくんと頷いて返...
わたしがあんなに悩んで、恥ずかしいのを我慢して、サイト...
「くるっ」ってしたのに。お尻や、大事なところが見えてしま...
サイトさんはそれが見たいのかもなんて思って心臓がパンクし...
サイトさんの方は、そんなのちっとも意識してなかったなん...
わたし、馬鹿みたいじゃないですか。ただの道化です。
「ご、ごめんシエスタ! 本当にごめん!!」
必死に謝ってくるサイトさんに、わたしは強く抱きつきまし...
「わ、わたし、怖かったんですよ? ミスタ・グラモンやミス...
あの格好を見られてしまって、なのにサイトさんってば普通に...
今晩だってそうです。また、他の人に見られたらって……」
「あああ……、もう、マジで申し訳ない。もうそんな格好させな...
サイトさんは泣きそうな顔で平謝りしながら、そう言ってく...
でも……、その答えだと、サイトさんにわたしの気持ちは伝わっ...
わたしはサイトさんの目を見つめて、口を開きました。
「違います……。この格好は、嫌じゃないんです」
「え?」
サイトさん、目をぱちくり。
「サイトさんに見られるのでしたら、この格好だって構いませ...
サイトさんが喜んでくれるなら、わたしだって嬉しいです。
嫌なのは、他の男性に見られることだけです。わたしは、サイ...
サイトさんは、わたしを呆然とした目で見返しました。
「サイトさんが、望むなら。サイトさんがわたしの……、恥ずか...
見たいっていうのなら……いいんですよ?」
■3
わたしはすっと身を引いて、サイトさんと距離を取りました。
「……サイトさん。もう一度言います。わたし、下着を穿いてな...
そう言ったとき、ちょうど小さな風が吹いてきて、スカート...
サイトさんがそこに目を奪われて、ごくっと唾を飲み込むの...
わたしの方もサイトさんの視線を感じて、腰の奥がきゅっと...
昨日の朝にお見せしたのは、勘違いだったけど。今は違います。
サイトさんは、”こんな短いスカートで下着をつけていないわ...
確かに見てくれて、意識してくれているのです。
ぞくぞくと背筋に震えが走りました。頭の中に霞がかかった...
サイトさんの前でこんな格好を晒していることに……、わたし...
”それ”に気付いたのは、昨日の朝。サイトさんの前で「くる...
サイトさんに何もつけていないスカートの下を見られてしまっ...
その時、わたしは喜んでいました。感じていました。……濡らし...
サイトさんに虐められて……、少なくとも、わたしはそう思っ...
それが、気持ちよかったのです。そんな状況が、心の底では嫌...
実はわたしには、ローラにも言っていない”不安”がもうひと...
わたしはサイトさんが望むなら、どんなことだって。仮にわ...
楽しみたいという要求であったとしてもきっと受け入れてしま...
それが不安なのだとローラに言いました。
けれど、本当はそれだけじゃありません。わたしは、そんな...
サイトさんのそんな要求に従うことも。嫌がるどころか……、わ...
それを喜んでしまいそうなのです。本当は、そのことが不安だ...
現に、今だってそう。わたしは昨日の朝のことを再現して。...
この格好を見てもらって……、そして、喜んでいるんです。
「……わたし、怖くもありましたけど、期待もしてここへ来たん...
自分でも驚くくらいの、媚びた声が喉の奥から漏れ出てくる。
自分じゃない誰かが自分の体を使って喋っているような、不思...
「こんな時間に、呼び出してくれたんですから。それに昨日の...
食い入るように見つめて、喜んでくれてたんですから。
……だからサイトさん、やっとわたしの体を求めてくれるんだっ...
「シエスタ、それはっ……」
「違うんですか? 全部、わたしの勘違いですか?」
否定しようとするサイトさんの言葉を遮って近寄り、顔を寄...
サイトさんは口ごもって、顔をわずかに歪めました。違うと言...
「わたし、嬉しかったのに……。サイトさんがわたしに求めたの...
サイトさんの故郷の匂いだけなんですか……?」
「それは……、違う」
次の質問には、すぐに否定の言葉が返ってきました。
「でしたら、求めてください。わたし、サイトさんの望むこと...
……サイトさんに、求めて欲しいんです」
サイトさんはわたしの言葉に大きく息を飲みました。
「だ、だめだよ、そんなの」
「どうして?」
「そんな、シエスタの体だけ求めてるみたいなこと……」
自分に言い聞かせるように、そう言うサイトさん。
「わたしは、体だけでもいいんですよ?」
サイトさんの胸元に手を触れてそう返すと、サイトさんは息...
「気持ちの全部を、わたしに向けてくれなくてもいいです。今...
構いません。けど、わたしのことを少しでも大事だと思ってく...
体だけだって、求めて欲しいです。そうしてくれたら、嬉しい...
■4
「シエスタ……」
わたしは背伸びをすると、わたしの名前を呼んでくれたその...
何度したって新鮮で、甘くて、とろけるみたいで、幸せで、...
サイトさんの温かさが、わたしの体に流れ込んできます。
そのまま、しばらくの間唇を合わせていて……、サイトさんが...
離そうとしたとき。わたしは唇の隙間から、舌を出してサイト...
「えっ……」
驚いて目を見開くサイトさんの首に手を回して、さらに強く...
サイトさんの唇の形が、舌で触れるともっと鮮明にわかる。そ...
ぬるんという感触と共にサイトさんの歯に触れるところまで入...
「んっ……、ぅん……」
唇の裏側の、つるつるしたところを舌でくすぐっていると、...
口が開かれました。顔を傾けて、もっと奥まで舌を入れます。
ざらっとした感触。サイトさんの舌。わたしは胸の奥に熱い...
その舌にわたしの舌を擦りつけました。
わたしとサイトさんの間で、くちゅくちゅと小さな水音が響...
サイトさんの中。サイトさんの唾液。息をするのも忘れて夢中...
「ふっ……、は、んぁ……はぁっ……」
息が苦しくなっていたのにようやく気付いて唇を離すと、サ...
唾液が垂れているのが目に入りました。舌を伸ばしてそれを舐...
余計に濡れてしまったことに誤魔化し笑いをしながら、サイト...
「シエスタ……」
「こういうキス、はじめてですよね」
サイトさんの吐息が感じ取れる距離で、囁きます。今まで、...
キスしましたが、舌や口の中まで重ねる……、大人のキスは、こ...
「すごく、良かったです」
サイトさんと顔を見合わせているだけで、口の中に唾液が溜...
息が整ったのを待ってから、薄く開かれたままのサイトさんの...
サイトさんの中にわたしの舌が入っていく。びりびりと体の...
こんなに気持ちいいこと、もっと早く覚えれば良かった。そん...
わたしはサイトさんの口を味わい続けます。
最初は遠慮がちだったサイトさんの方も少しずつ力が抜けて...
歓迎してくれるようになりました。わたしの動きに合わせて、...
より多くふれあえるように。まるでダンスみたいに、舌と舌、...
「……っ!?」
そんな甘い時間に我を忘れて没頭していたら……、わたしの背...
サイトさんの手が、わたしの背中を撫でてきました。びくんと...
サイトさんの舌がわたしの舌を押し返して、わたしの中に入っ...
「んぅっ……、ちゅ、ちゅぶ、ちゅぐっ……んむっ、ふ……は、じゅ...
途端に、腰の辺りからどんどん力が抜けていきます。がくが...
今まではキスを”楽しんでいた”感じだったのに、サイトさんに...
その心地よさに何も考えられなくなってきます。
そのまま、溺れてしまいそうになる。何もかも任せて、好き...
なってしまいます。それは、すごく素敵なことだと思うけど……...
「ふっ……! ちゅうぅ……はぷ、んくっ……ちゅ、ちゅるる、ちゅ...
わたしは遠くに行ってしまいそうな意識を挽き留めて、わた...
サイトさんの舌を吸い上げました。それを唇で挟んで、たっぷ...
じゅるじゅると、口全体で扱きます。
サイトさんはさすがに予想外のことだったのか、ちょっと慌...
わたしは遠慮せずに、サイトさんの舌を擦り上げます。唇から...
涎が溢れていくのを拭き取ろうともせずに続けていると、サイ...
腰が引けていきました。
■5
「ちゅぷっ……、ふぁ、はぁっ……、どう、されたんですか?」
いったんキスを中断して、逃げてしまったその腰に体を押し...
サイトさんは苦しそうに瞳を潤ませて、荒く息をついています。
答えてくれないので、さらに体をぐいぐい近づけると、”それ”...
ううん、触れて確かめる前から、予想はついていました。だ...
わたしは、サイトさんの舌を……、前にサイトさんにお口で奉仕...
舐めて、擦って、吸い付いたのです。サイトさんが、それを嫌...
サイトさんの足の間に、わたしの足を滑り込ませます。
前みたいにそこが固くなって、張り詰めているのがはっきりわ...
「……サイトさん、どうしたいですか? わたしに、何をしてほ...
言いながら、指先でサイトさんの口元に垂れた唾液を拭って...
「また、わたしの方から無理矢理しないと、いけないんですか…...
濡れた指先を舐めて微笑みかけると、サイトさんは観念した...
そして、わたしの髪をそっと撫でて。
「ごめん……、シエスタ。また、してくれるか?」
そう、言ってくれました。心の中にぱあっと花が咲き開いた...
「ご奉仕、ですか?」
首を傾げて聞くと、サイトさんは恥ずかしそうに小さく頷い...
思わず小躍りしそうになります。サイトさんの方から、わた...
ぞくぞくっと、胸の奥から痺れるような感覚が湧き出してき...
わたしはサイトさんに飛びついてまた軽くキスをすると、ゆっ...
その足下に屈み込みました。
今までに二回しただけなのに、妙に慣れてしまった手つきで...
ズボンの前を開きます。ドキドキと心臓が高鳴る。いやらしく...
興奮だけではなく、プレゼントの箱か宝箱でも開けるみたいな...
「苦しいですよね。今、出してあげますからね……」
サイトさんの下着に手を差し入れて、”それ”を取り出しまし...
他の部分に例えられない不思議な感触で、熱くて、固くて、変...
男性の腰にこんなものがついているということがちょっと信...
圧倒されてしまうものがわたしの目の前に飛び出しました。
サイトさんは壁にもたれかかっていますけど、座っていると...
安定してないせいでしょうか。下着からそれを出した拍子に、...
「きゃっ……、す、すごいです」
「う……、その、ごめん」
その勢いに驚いて、思わず目を丸くしてじっと見つめてしま...
サイトさんは申し訳なさそうに謝りました。
「どうして謝るんですか?」
「いや、だって、シエスタにはこんなになった所、何度も見ら...
恥ずかしそうに顔を背けるサイトさん。わたしと抱き合った...
”こんなになった所”を見られたり触られたりしていることを謝...
わたしはくすっと笑うと、サイトさんのものに指を沿えて、...
「あっ……」
「わたしは、嬉しいですよ? サイトさんが、わたしでこんな...
わたしを求めてくれて。それだけで、胸の中がいっぱいになっ...
唇にじんわりと熱が広がっていくのを感じながら、そう言い...
まだ照れているみたいで、何と返したらいいのか迷っているみ...
それが、何だか……、可愛い、って思えてしまいます。
前もそうでしたけど、サイトさんってばこんなに立派で感心...
張り詰めさせてるのに、なぜわたしの前でそれを晒すと及び腰...
そのギャップが可笑しくなって、わたしはサイトさんのもの...
■6
「ふっ……、あ……」
とたんにサイトさんの口から漏れる声と、ひくん、と震える...
それも可愛いって思います。わたしが手で軽く触っているだけ...
サイトさんがこんなになっちゃうんですから。
そんなことを考えていたら、口の中に唾液が溢れそうなくら...
まるで、ご馳走の並んだテーブルを前にしたときみたいに。
わたしの体は、少しでも早くサイトさんに奉仕したいって願っ...
「……じゃあ、また、ご奉仕させていただきますね」
もう一度、挨拶のつもりで先端にちゅっと口付けて。わたし...
先っぽの、つるつるしたところを口に含んで。ピンと張った...
下側の、たぶん精液が出てくる穴のところや、筋ばっていると...
唾液を全体に塗りつけるようにしながら、ゆっくりゆっくり...
味わいながら咀嚼してるみたいに、少しずつ口の中に飲み込ん...
わたしの顔が沈んでいくのに合わせて、ぞくぞくとサイトさ...
この感じ、大好きです。わたしがサイトさんを喜ばせているん...
サイトさんの先端が、上あごの裏を擦って、もっと奥……喉ま...
でもまだ根本までは咥えられていません。少し苦しくなってき...
その方が”サイトさんを迎え入れてる”って気がします。わたし...
顔の角度を調節すると、限界までサイトさんのものを飲み込み...
「くっ……、は、ぁ……嘘だろっ……!?」
サイトさんは取り乱した声を上げ、腰を引こうとしました。...
サイトさんの下の毛に触れるくらいまで深く咥えられたのに。...
全体で擦ってあげながら、サイトさんの腰に合わせて頭を引き...
「ぷはっ……、あっ、ふぁ……」
じゅぷん、と揺れながらわたしの口から吐き出されたサイト...
わたしの唾にまみれてテラテラと輝きながら、サイトさんのお...
ひくんひくんと小刻みに震えていて、何だか物寂しそうな感...
そのままにしておくのが可哀想な気がして、今度は幹の方に舌...
「ちょ、ちょっと待ってシエスタ。さっきの、苦しくなかった...
「ちゅぷ、ちゅっ……、ふるしい、って?」
横笛を吹く時のようにサイトさんのものを唇で挟んで舐めな...
「あんな、喉の奥の方まで咥えて。普通はむせそうだと思うけ...
「……ちょっと苦しかったのは確かですけど、むせるほどじゃあ...
それに、我慢できないほど苦しいことなんてしませんよ」
口を離して、サイトさんを見上げながら言いました。さっき...
わたしが苦しいだろうと思って腰を引いたのでしょう。
「そ、そうなの。凄いね……」
サイトさんは感心半分、畏怖半分みたいな声で言いました。
凄いんでしょうか、よくわかりませんけど。
「えっと、それで、続けていいんですよね?」
「ああ……お願い」
サイトさんはまだ遠慮がある声で言いました。もっと、命令...
構わないのに。そう考えたところで、ちょっとしたことを思い...
「あの、サイトさん」
「え?」
わたしはサイトさんの手をとり、わたしの頭の上に乗せるよ...
「手で気持ちいいと思ったところ、教えてください。そこにい...
上目遣いでそう言いました。サイトさんは驚いた顔でわたし...
わたしは答えを待たずにサイトさんの先端を再び口に含みまし...
先っぽの傘のようになっているところに唇を引っかける。つ...
ちょっと弾力があって舐めていても気持ちいいところを、じゅ...
■7
途端に、頭の上から聞こえてくるサイトさんの吐息が荒くな...
乗せられた手に、僅かに力が込められます。これ、気持ちいい...
前も……、タルブの村の、わたしの部屋でしたときも喜んでく...
十分すぎるくらい唾液にひたって、無理をしても大丈夫になっ...
先端の割れているところに舌を差し入れて、ちろちろとくすぐ...
「あぁっ……、く、ぁ……!!」
サイトさんの全身がびりびりと震えました。わたしの頭にか...
強く力が込められます。ちょっと、刺激が強すぎるってことで...
少しずつ舌の動きを加減して、サイトさんが苦しそうになら...
サイトさんの手から力が抜けていくのを感じると、わたしも満...
サイトさんの手から、言葉にはできない細かいサイトさんの...
サイトさんにとって気持ちいいことをしたら、サイトさんの手...
留めようとします。もう少し場所をずらして欲しいと思った時...
力が込められます。強すぎる時は、かすかに拒むように手が震...
はっきりと、命令されているわけではありませんけど……、わ...
望むことをしているんだというのがわかって、胸の奥の熱い物...
口の中をサイトさんのものが擦るたび、意識が甘い混濁に沈...
わたし、サイトさんに気持ち良くなってもらうために工夫を...
でも、だんだんとそんなことを考える余裕が無くなってくる。...
固くて熱いものを舌で感じるたび、頬の内側や顎の裏で撫でる...
わたしの体の中にも気持ちよさがこみ上げてきて、たまらなく...
サイトさんに奉仕しているのか、サイトさんのものを使って...
わからなくなってきます。
そのうち……、物足りなくなってきました。もっと、奥でも。...
うずうずとその衝動が湧き上がってきます。サイトさんの手に...
腰に近づけるような力が加わっていきます。意識しているのか...
幹から根元の方まで、全部でわたしの口を感じたいって思って...
少しずつ、少しずつ。サイトさんのものを深く咥えていきま...
喉の柔らかいところにそれが触れたとき、びくんと体が跳ねま...
わたしの腰にから、痺れるような快感が背筋を駆け上がってき...
やっぱり……、喉の奥にサイトさんので触れられるのって、気...
もっと、もっと、強く擦り付けて気持ちよくなってしまいた...
「ぐちゅっ、じゅぷっ、ちゅぐっ……、ちゅ、じゅるっ、ちゅる...
奉仕とか、そういう言葉も頭の中から吹っ飛んで、わたしは...
サイトさんのものを扱きはじめました。唇も、舌も、歯茎も、...
サイトさんに良くなってもらうためだけに動かします。
サイトさんが高ぶってくるのがわかる。わたしも同時に興奮...
わたしの耳に飛び込んでくる声や、わたしの頭にかけられた手...
口の中に収められたものに、切羽詰まった雰囲気が感じ取れま...
サイトさんが気持ちよくなってくれている事が、わたしにも...
頭の中がぼやけてきて、口の中どころか、体の内全てがサイト...
しまったような、そんな錯覚に囚われて……。
ぶるぶるっ、とサイトさんが一際大きく震えた時、わたしは...
それを待ち受け、期待して口中で先端を吸い上げました。
「あっ、ああぁ、シエスタっ……!!」
悲鳴と言って良いような、切ないサイトさんの声。聞いてい...
体の中をぞくぞくした充実感が走り抜けます。そして、それと...
わたしが口の中に含んだものから、それまで感じていた熱さよ...
堰を切ったように迸りました。
■8
それが、舌に当たる。喉に当たる。わたしの中に、吐き出さ...
サイトさんの――精液。
腰がくだけて、へたり込みそうになる。体の中を電流が走り...
わたし、サイトさんに口の中に射精されながら……、達して、...
「んっ、んぐっ……、んくっ……」
喉を鳴らして、口の中に放出されたものを飲み下します。そ...
わたしの体がびくびく震えるのがわかる。ただ気持ちいいだけ...
わたし自身をサイトさんで染め上げられているような気がして...
わたしはすがりつくようにサイトさんの腰に手を回して顔を...
止めないでいます。わたしの頭に添えられたサイトさんの手は...
わたしに離れて欲しいと伝えようとしているのかもしれません...
もしそうだとしても、止めたくない。もっと続けたい。
やがて、サイトさんの喉から絞り出すような力の抜けた吐息...
震えが収まりました。わたしの口の中のものもときどきぴくん...
小さく跳ねるだけで、吐精を終えたのがわかります。
喉に絡まる粘つく感覚も、口の中を焼く熱さも、少ししょっ...
それ以上得られなくなって、嚥下の運動をしても自分の唾液の...
そのことに、体も心も”寂しい”って訴えてきます。物足りな...
今度こそ、わたしの頭を退けようと力が込められたサイトさ...
わたしは再び口中のサイトさん自身に舌を這わせました。
「え……、あっ、シエスタ、ちょっと待って、今は……!」
慌てた声を上げて、腰を逃がそうとするサイトさん。でも、...
まるでわたしがサイトさんを襲って壁に追いつめたみたいな変...
わたしは再び深くサイトさんのものを飲み込んでから、口全体...
ちゅぽん、という水音を立ててわたしの眼前に飛び出してき...
少し縮んでいます。前よりも楽に喉奥まで迎えられたから、見...
そのことにも、ちょっとした不満が生まれる。わたしの前で...
顔を横にして少し柔らかくなった根本を唇で挟むと、吸い付...
移動しました。先っぽに唇が当たったら、間髪を入れずに再び...
口を離した時より固く大きくなっているのを感じて嬉しくな...
ほどなくして、サイトさんのものがいちばん張り詰めている状...
「く、ふぅ……、はぁ……、シエスタ、もういいから」
切なそうな、苦しそうな声でわたしに言うサイトさん、途端...
わたしは慌てて口の中のものを解放すると、サイトさんを見上...
「え……、よく、なかったですか……?」
「いやその、滅茶苦茶良かったんだけど、その、シエスタの方...
わたしが恐る恐る聞くと、サイトさんは顔の前で手を振って...
良かったというサイトさんの言葉に胸が高鳴ります。もっと...
「わたしはサイトさんに喜んで頂けるなら……、どれだけしても...
そう言うと、サイトさんは顔を真っ赤にしました。わたしの...
言ってしまったことに気付いて慌てて視線を落とすと、サイト...
でも……、今、わたしは自覚しました。口ではサイトさんのた...
それは真実の半分くらいで、本当はわたし自身がもっとしたい...
物欲しそうな、潤んだ目でサイトさんのものを見つめている...
■9
サイトさんに奉仕したいっていうのを、方便に使っているわ...
それが急に恥ずかしくなって、浅ましく思えて、後ろめたくな...
でも、目の前のサイトさんから離れることなんて、もちろん...
「…………サイトさん、わたしのお口、使ってください」
わたしは、そう呟きました。
「え?」
きょとんとして眉をひそめるサイトさん。わたしの言葉の意...
「サイトさんが喜ぶこと、もっと知りたいんです。サイトさん...
わたしに教えて欲しいんです。それに……、サイトさんから、わ...
「えっと、それ、どういう……?」
そう説明しても、サイトさんにはわからないみたいです。
わたしの方も、言葉では上手く説明できません。
だから、わたしは両手をサイトさんの腰から離すと、サイト...
全身の力を抜きました。
軽く身構えて、次に来るであろうわたしの口の動きに備える...
けど、わたしはそれを舐めたり擦ったりしません。舌でレール...
ものに添えると、そのまま口の中を動かすのを止めました。
「ちょっと、シエスタ……!?」
これでようやく察してくれたのか、困惑した声を上げるサイ...
またサイトさんの両手をわたしの頭に導くと、サイトさんを見...
――いいですよ、と伝えるために。
サイトさんが息を飲むのがわかりました。わたしは目を瞑っ...
”お座り”をさせられた飼い犬みたいなポーズで、待ちうけます。
「シエスタ……」
小さく震えたサイトさんの声。その声はわたしを止めるため...
本当にそんなことしていいのか、わたしと自分自身に問う声。
それへの答えの代わりに、わたしはほんの少し、顎を持ち上...
サイトさんが生唾を飲み込む音が聞こえました。そして、少...
わたしの口へ、ゆっくりと突き入れました。
「…………ッ!!」
体の芯がびくんと震える。こうされたら気持ちいいだろうな...
想像以上の衝撃。”サイトさんが、自分の意思でわたしを求めて...
そのことに、一瞬で何もかも忘れてしまうほどの感覚が湧き...
喉の入り口あたりまで、サイトさんがわたしの口中を擦りな...
そこで、我慢するみたいに止まる。たぶん、わたしを気遣っ...
ゆっくり引き抜かれる。寂しい感じがするけど、そこにわた...
全部、サイトさんの自由。わたしがどうこうして欲しいって要...
サイトさんは腰を引きながら、わたしの口の中の色んな所に擦...
サイトさんの気持ちが、意思が、これ以上ないほどにわたし...
わたしの口の中をどう感じているのか、どうしたら気持ちい...
唇が先っぽのところに引っかかって、抜けてしまいそうにな...
わたしは軽く吸い付いて、それを引き留める。もっと続けて...
もっと好きなようにしていいですよという意思を込めて。
サイトさんは一瞬だけためらった後、一度目より早く強く、...
■10
ぐちゅっ、とはしたない水音が響いて、わたしの口元から唾...
わたしの、他の人よりだいぶ多く出てしまう唾液。サイトさ...
それを一層多く溜めた口の中に、サイトさんのものが突き入れ...
さっきよりも深く、舌の根本まで入ってきた先端。上顎の裏...
そこを擦ってあげたら、サイトさんは甘い息を漏らして震えま...
これが気持ちいいんですね。そう思って、喉の入り口から奥...
ほら、口の奥の方は、もっと気持ちいいですよ。きつくて、柔...
きっとすごく幸せですよ。口の中の動きだけで、サイトさんに...
「あ、ぁ……、ごめん、シエスタ……!」
何を謝っているんでしょう。サイトさんは泣きそうな声を上...
立ち入ってきました。最初は恐る恐る。でも、そこがすごく気...
今度は少しだけ強く。その次にはもう少しだけ強く。
サイトさんが、どんどん夢中になっていくのが何より身近に...
止められなくなっているのが体の芯で理解できます。
――サイトさんが、わたしを使ってる。ううん、犯してる。
たまらない。それだけで達しそうになる。息が詰まりそうに...
サイトさんがわたしを貪っているからのことだと思うと、愛お...
気持ちだけじゃない。口の中を喉の奥まで突かれて擦られる...
甘く切なく痺れる。腰の奥に熱いものが膨らむ。
嬉しい。気持ちいい。もっと求めて。もっと。
サイトさんがわたしで楽しんでいるって、もっと教えてくだ...
わたし、サイトさんのものです。サイトさんが気持ちよくな...
わたしを使って、幸せになってください。
サイトさんの動きが、奥まで差し入れた状態で喉の上下左右...
擦りつけるものになる。一番気持ちいいところで、一番敏感な...
さっきより早いけど、もう限界に近いんだってことが。限界...
動いてるんだってことがよくわかります。
わたしの喉、良いんですか? こうしたら、もっといいです...
喉を締め上げて、左右にぜん動させる。サイトさんのものを...
サイトさんはさらに吐く息を切なくさせて、そこを味わう動...
わたしの身体を気遣う躊躇いと、我を忘れそうになってしま...
恐らく罪悪感に胸を痛ませながらわたしを突いているサイトさ...
ごめんなさい、今、教えてもらいましたから。次からはサイ...
わたしが今と同じくらい気持ちよくさせてあげますからね。
だから、最後に……、一番気持ちいい達し方、教えてください...
ぶるっ、とサイトさんが一際大きく震える。喉の奥で弾けそ...
さらに一回り大きくなる。ここで、奥のところで締め付けられ...
サイトさんの無言の意思表示。
今度は口じゃなくて喉で、それを待ち受ける準備をして……、...
熱い。
喉を焼いてしまうような熱い迸り。舌で味わう間も無く喉に...
わたしは飲み下します。ごくんごくんと喉を震わせるたび、サ...
……わたしの身体も、感激に打ち震えます。サイトさんと同時...
愛撫をされたわけでもないのに、愛してもらえたわけでもな...
ううん、タルブの村の時も含めると、三度。
でも、そんなに変じゃないですよね。これって、愛して頂く...
紛れもなく身体を求め合って、愛し合う行為ですから。
■11
絶頂の波の中で、とろんと濁った頭で、サイトさんのものか...
当たり前のように飲んでいました。
少なくともその最中は、それがどういった意味を持つものな...
ただ、サイトさんがわたしにくれる、喉に通すたびに幸せな気...
それくらいにしか考えていなかったと思います。
だから、吐精が終わってしまって、サイトさんのものが力を...
寂しい、物足りない、そんな感想しか湧いてきませんでした。
だめ。ちっちゃくなっちゃ駄目。わたしの口の中では、いつ...
気持ちよくなってくれてないと許しません。
また固く張り詰めさせようと、疲れを取るマッサージをする...
優しく舐め上げていきます。もっと頑張って、て気持ちを込め...
「ちょっと、待って、さすがに……、休ませて」
サイトさんは降参だとでも言いたげな声を上げてわたしから...
その場に座り込んでしまいました。まだ完全には大きくなって...
抜けてしまって、残念に思います。
休ませてってことは、休みをとったら続きを、ってことです...
視線に期待を込めて、立て膝を動かしてサイトさんに向き直...
――途端、自分の意思とは関係無しに、腰が震えました。衝動...
スカートの下、何も穿いてないその中からまるでお漏らしで...
太股がぐっしょり濡れて、地面にまでつたっています。
今までお口に集中してたから隅に追いやられていた感覚。そ...
わたしの中に湧き上がってきます。
「サイトさん……」
掠れた声が自然に喉から漏れ出る。サイトさんも、今、気付...
わたしの太股の内側。その上の、短いスカートの中を嫌でも想...
もう抑えられない。今すぐ、何もかも、サイトさんに捧げて...
わたしの全てを、サイトさんのものにして欲しい。そんな感...
わたしは上手く力の入らない脚を無理矢理動かして、よろよ...
また一筋、わたしの足を雫が垂れ落ちる。今度は膝を過ぎて...
わたしの姿を呆然と見上げるサイトさん。きっと、サイトさ...
どうしていいのかわからないでいる。だから、わたしに声がか...
まるで夢の中にいるような、自分が自分でなくなってしまっ...
わたしは、スカートの両端に指をかけました。
「サイトさん……、こんな短いスカートで、下着も穿かせないで…...
だから、我慢できない。耐えられない。誰のせいなのはわか...
わたしはサイトさんが見つめる中、月明かりを背にして
スカートの裾を摘んだ指をゆっくり持ち上げ――。
∞ ∞ ∞
■12
「……何だか、すっごく楽しそうなこと、してるわね」
その瞬間、シエスタの背後から聞こえてきた声に、俺は冷や...
幻想の中から現実に引き戻された。シエスタもびくっと身を竦...
俺の方も一気に我に返り、さらけ出したままだった前を無理...
自分でも感心してしまうような速さでズボンを直した。
だって、シエスタの後ろの茂みから聞こえてきた声が、俺に...
さらに、今までに覚えがないほどの恐ろしい色が込められた声...
がさりと茂みを掻き分ける音が聞こえて、小さな影が現れる。
ゆっくりと振り向いたシエスタが震え始める。……俺も震えて...
月明かりが桃色の髪を照らし出し、その人……、ルイズが、俺...
「もう一度聞かせてくれないかしら? 今、何て言ったの? ...
『下着も穿かせないで』? そんな、素晴らしく愉快な台詞が...
なぜか不気味なくらい穏やかな声で、ルイズは淡々とそう言...
「え、えーと、あの、その、な? うん、話をしよう、冷静に...
立ち上がって、ずりずりと後ずさりしながらルイズに笑いか...
「ミ、ミス・ヴァリエール、どうしてこんなところに……」
シエスタは俺の代わりに、普通なら最初に抱くだろう疑問を...
まぁ、今の状況でそれを知って何か改善されるってわけでもな...
「あんたたちが待ち合わせてた火の塔の入り口の樽にね、わた...
そしたら、出て行く前にあんたたち、二人しでどこかに駆けて...
探したのよ、こぉんな夜中に何か楽しい事するつもりなら混ぜ...
最後の言葉は絶対嘘だと思う。
そして、ルイズが来たのがたった今の今だった不幸中の幸い...
仮にもうちょっと早く……、”最中”に見つかっていたら、どん...
想像もできない。
「それで、そこのメイドの格好は何かしら? とっても素敵な...
その『短いスカートに下着も穿かせない恰好』させて、どんな...
話してくれないかしら? わたしね、あんたの言うとおり、あ...
あると思うの」
禍々しいオーラを振りまきながら、台詞だけは穏やかなルイ...
でも、その手に青筋が浮かぶくらいに力一杯握りしめた杖、
まだ詠唱もしてないのにバチバチと閃光を弾けさせてるんです...
「あの、あのねルイズ? 話し合いだったら、その杖いらない...
俺が最後の抵抗を試みると、ルイズは背筋を縮み上がらせる...
「うん、あんたの弁明次第ではこの杖を使わないで済む可能性...
そう、言い切った。
「――シエスタごめん! 生きてたらまた会おう!」
次の瞬間、俺はルイズとは逆方向へ駆け出した。無理。もう...
今の俺にはせめてシエスタは巻き添えにしないよう逃げること...
「サイトさんっ!」
背後からシエスタの声。呼び止めてるのか、安否を心配して...
本当に申し訳ない、あんなことしてもらっちゃったのにお礼...
ついさっきの事を思い出して、こんな状況なのに胸が熱くな...
もし、ルイズがあのタイミングで来なかったら、どうなって...
ルイズの声が聞こえる直前まで、俺はシエスタのしてくれた...
完全に呑まれてしまって、虜にされてしまっていた。
あのままだったら――、今度は完全に、シエスタを奪ってしま...
もし、またあんな状況になったら、俺は……。
熱くなった胸が、痛みを感じられるほど締め付けられた直後。
あたかも天罰を下すがごとく放たれたルイズの『エクスプロ...
俺は双月輝く夜空に向かって高らかに舞い上がることになった...
つづく
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**ゼロの飼い犬13 水兵服とメイドの不安(後編) ...
■1
もう初夏といっていい季節なのに、夜風に肌寒さを感じます。
それは、腕も足も大きく肌を晒した格好をしているから。付...
わたしを心細くさせ、実際よりも風や気温を冷たく感じさせて...
日が落ちた後のヴェストリの広場を、わたしは火の塔へ向か...
今日の夕方、厨房へやってきたサイトさんに、そこへ呼び出...
こんな時間に、こんな服装で。”人目につかない場所に”って...
体の奥に、じわりと熱い物が溶け出しました。わたし、不安...
期待もしている。胸の内までは冷えていません。サイトさんと...
早く着きたい気分と、そこへ行くのが怖い気分が同居していま...
それでも足は自然に歩を進めて、わたしは火の塔入り口の踊...
「サイトさん……」
でも、ざっと見回してもサイトさんの姿がありません。小さ...
踊り場の上に響き、わたしはびくっと身をすくませました。
「シエスタ」
階段の上にあった樽の蓋が持ち上がって、中からサイトさん...
「サ、サイトさん。なぜそんなところに?」
「いや、いろいろと事情があって……って、え?」
サイトさんは踊り場に降り立つと、わたしの姿を眺めて驚い...
「き、着てきちゃったの?」
「え……ええ。だって、サイトさんがこの服できてくれって言っ...
そう答えると、サイトさんはしまったという風に難しい顔に...
何か勘違いがあったのかも。でも、着てきてしまった以上、こ...
わたしはごくりと唾を飲み込んでから、昨日の朝そうしたよ...
サイトさんに人差し指を立てて見せました。
「えっと、その……、お、お待たせっ!」
精一杯の笑顔で笑いかけると、サイトさんは頬を緩ませてか...
やっぱり、この格好を凄く喜んでくれてるみたい。わたしまで...
がたん!
「ひゃっ!?」「うわ!?」
と、急に近くで物音が聞こえて、わたしはサイトさんに飛び...
途端に、一時は忘れていたはずの、昨日の朝の恐怖が鮮明に蘇...
こんな露出の多い格好だって、下着を着けていない姿だって...
構いません。けど、他の人に見られるのは、それだけは絶対に...
サイトさんのお願いだから。相手がサイトさんだからなのです...
近くに誰か? そう思ってサイトさんにしがみついて震えて...
樽の影の辺りからにゃあにゃあとネコの鳴き声が聞こえてきま...
「なんだ、ネコか……」
ほっと息をつくサイトさんでしたが、わたしは安心できませ...
今にもここに誰かが通りがかりやしないかという不安が襲って...
「……サイトさん」
サイトさんの腕をぎゅっと掴んで言います。
「どうしたのシエスタ? ちょ、ちょっと離れて欲しいんだけ...
「……こ、ここじゃ嫌です……」
サイトさんの顔を見上げて、呟く。サイトさんは「え?」と...
「サ、サイトさんは、わたしのこんな格好……、他の男性に見ら...
他の男性に見せたいんですか?」
絞り出すように聞くと、サイトさんは目を見開いて顔をぶん...
「あ……、ご、ごめん! 俺、そこまで気がつかなくて!」
「でしたら、場所を変えましょう。ここだと怖いんです」
わたしはサイトさんの手を引いて、踊り場の階段を駆け下り...
■2
わたしとサイトさんは校舎の角を曲がって、壁際の木の陰に...
夜半のこの時間なら、まず誰にも見とがめられない場所。
ようやく安心できると、わたしはサイトさんに身を寄せました。
サイトさんはわたしの行動に戸惑っているのか、しばらく落...
不意に何かに気付いたみたいにぎくっと体を揺らしました。
「あ、あの、シエスタ? シエスタってひょっとして、ブラジ...
サイトさんの、ためらいがちな声。何だか腰が引けてます。
「ブラジャーって何ですか?」
「え? えええええ? その、胸をですね、こう、保護する……」
聞いたことがない言葉に質問すると、サイトさんはわたしか...
自分の胸の前でお椀みたいな形のジェスチャーをしました。
どうやら女性が上半身につける下着みたいなものらしいです。
「メイド服の時は、下にコルセットやドロワースをつけますけ...
こんなに短い上着やスカートだったら、そんなの無理です」
「え……、ド、ドロワースってなに?」
「その、下穿きです」
答えると、サイトさんは一瞬考え込むような顔をしたあと、...
わたしの方も、頬が火がついたみたいに熱くなります。
やっぱり、サイトさんはわたしが小さな下着を持ってないっ...
サイトさんがわざとわたしに下着を穿かせないことを望んで...
そのためにこんな短いスカートを用意させたんだっていう想像...
わかって……、安堵やら恥ずかしさやらで、頭がくらくらしてき...
そして、その次に湧き上がってきたのは、何の悪意も無くわ...
サイトさんへの抗議の気持ちでした。じわっと目尻に涙が浮か...
「サイトさん、ひどいです。わたし、貴族の方みたいな小さな...
こんな、こんな短いスカート。サイトさんのプレゼントだから...
勇気を振り絞って着ていったのに……」
「ちょ、ちょっと待って。てことは、今のシエスタって……、は...
今さらなことを聞いてくるサイトさんに、こくんと頷いて返...
わたしがあんなに悩んで、恥ずかしいのを我慢して、サイト...
「くるっ」ってしたのに。お尻や、大事なところが見えてしま...
サイトさんはそれが見たいのかもなんて思って心臓がパンクし...
サイトさんの方は、そんなのちっとも意識してなかったなん...
わたし、馬鹿みたいじゃないですか。ただの道化です。
「ご、ごめんシエスタ! 本当にごめん!!」
必死に謝ってくるサイトさんに、わたしは強く抱きつきまし...
「わ、わたし、怖かったんですよ? ミスタ・グラモンやミス...
あの格好を見られてしまって、なのにサイトさんってば普通に...
今晩だってそうです。また、他の人に見られたらって……」
「あああ……、もう、マジで申し訳ない。もうそんな格好させな...
サイトさんは泣きそうな顔で平謝りしながら、そう言ってく...
でも……、その答えだと、サイトさんにわたしの気持ちは伝わっ...
わたしはサイトさんの目を見つめて、口を開きました。
「違います……。この格好は、嫌じゃないんです」
「え?」
サイトさん、目をぱちくり。
「サイトさんに見られるのでしたら、この格好だって構いませ...
サイトさんが喜んでくれるなら、わたしだって嬉しいです。
嫌なのは、他の男性に見られることだけです。わたしは、サイ...
サイトさんは、わたしを呆然とした目で見返しました。
「サイトさんが、望むなら。サイトさんがわたしの……、恥ずか...
見たいっていうのなら……いいんですよ?」
■3
わたしはすっと身を引いて、サイトさんと距離を取りました。
「……サイトさん。もう一度言います。わたし、下着を穿いてな...
そう言ったとき、ちょうど小さな風が吹いてきて、スカート...
サイトさんがそこに目を奪われて、ごくっと唾を飲み込むの...
わたしの方もサイトさんの視線を感じて、腰の奥がきゅっと...
昨日の朝にお見せしたのは、勘違いだったけど。今は違います。
サイトさんは、”こんな短いスカートで下着をつけていないわ...
確かに見てくれて、意識してくれているのです。
ぞくぞくと背筋に震えが走りました。頭の中に霞がかかった...
サイトさんの前でこんな格好を晒していることに……、わたし...
”それ”に気付いたのは、昨日の朝。サイトさんの前で「くる...
サイトさんに何もつけていないスカートの下を見られてしまっ...
その時、わたしは喜んでいました。感じていました。……濡らし...
サイトさんに虐められて……、少なくとも、わたしはそう思っ...
それが、気持ちよかったのです。そんな状況が、心の底では嫌...
実はわたしには、ローラにも言っていない”不安”がもうひと...
わたしはサイトさんが望むなら、どんなことだって。仮にわ...
楽しみたいという要求であったとしてもきっと受け入れてしま...
それが不安なのだとローラに言いました。
けれど、本当はそれだけじゃありません。わたしは、そんな...
サイトさんのそんな要求に従うことも。嫌がるどころか……、わ...
それを喜んでしまいそうなのです。本当は、そのことが不安だ...
現に、今だってそう。わたしは昨日の朝のことを再現して。...
この格好を見てもらって……、そして、喜んでいるんです。
「……わたし、怖くもありましたけど、期待もしてここへ来たん...
自分でも驚くくらいの、媚びた声が喉の奥から漏れ出てくる。
自分じゃない誰かが自分の体を使って喋っているような、不思...
「こんな時間に、呼び出してくれたんですから。それに昨日の...
食い入るように見つめて、喜んでくれてたんですから。
……だからサイトさん、やっとわたしの体を求めてくれるんだっ...
「シエスタ、それはっ……」
「違うんですか? 全部、わたしの勘違いですか?」
否定しようとするサイトさんの言葉を遮って近寄り、顔を寄...
サイトさんは口ごもって、顔をわずかに歪めました。違うと言...
「わたし、嬉しかったのに……。サイトさんがわたしに求めたの...
サイトさんの故郷の匂いだけなんですか……?」
「それは……、違う」
次の質問には、すぐに否定の言葉が返ってきました。
「でしたら、求めてください。わたし、サイトさんの望むこと...
……サイトさんに、求めて欲しいんです」
サイトさんはわたしの言葉に大きく息を飲みました。
「だ、だめだよ、そんなの」
「どうして?」
「そんな、シエスタの体だけ求めてるみたいなこと……」
自分に言い聞かせるように、そう言うサイトさん。
「わたしは、体だけでもいいんですよ?」
サイトさんの胸元に手を触れてそう返すと、サイトさんは息...
「気持ちの全部を、わたしに向けてくれなくてもいいです。今...
構いません。けど、わたしのことを少しでも大事だと思ってく...
体だけだって、求めて欲しいです。そうしてくれたら、嬉しい...
■4
「シエスタ……」
わたしは背伸びをすると、わたしの名前を呼んでくれたその...
何度したって新鮮で、甘くて、とろけるみたいで、幸せで、...
サイトさんの温かさが、わたしの体に流れ込んできます。
そのまま、しばらくの間唇を合わせていて……、サイトさんが...
離そうとしたとき。わたしは唇の隙間から、舌を出してサイト...
「えっ……」
驚いて目を見開くサイトさんの首に手を回して、さらに強く...
サイトさんの唇の形が、舌で触れるともっと鮮明にわかる。そ...
ぬるんという感触と共にサイトさんの歯に触れるところまで入...
「んっ……、ぅん……」
唇の裏側の、つるつるしたところを舌でくすぐっていると、...
口が開かれました。顔を傾けて、もっと奥まで舌を入れます。
ざらっとした感触。サイトさんの舌。わたしは胸の奥に熱い...
その舌にわたしの舌を擦りつけました。
わたしとサイトさんの間で、くちゅくちゅと小さな水音が響...
サイトさんの中。サイトさんの唾液。息をするのも忘れて夢中...
「ふっ……、は、んぁ……はぁっ……」
息が苦しくなっていたのにようやく気付いて唇を離すと、サ...
唾液が垂れているのが目に入りました。舌を伸ばしてそれを舐...
余計に濡れてしまったことに誤魔化し笑いをしながら、サイト...
「シエスタ……」
「こういうキス、はじめてですよね」
サイトさんの吐息が感じ取れる距離で、囁きます。今まで、...
キスしましたが、舌や口の中まで重ねる……、大人のキスは、こ...
「すごく、良かったです」
サイトさんと顔を見合わせているだけで、口の中に唾液が溜...
息が整ったのを待ってから、薄く開かれたままのサイトさんの...
サイトさんの中にわたしの舌が入っていく。びりびりと体の...
こんなに気持ちいいこと、もっと早く覚えれば良かった。そん...
わたしはサイトさんの口を味わい続けます。
最初は遠慮がちだったサイトさんの方も少しずつ力が抜けて...
歓迎してくれるようになりました。わたしの動きに合わせて、...
より多くふれあえるように。まるでダンスみたいに、舌と舌、...
「……っ!?」
そんな甘い時間に我を忘れて没頭していたら……、わたしの背...
サイトさんの手が、わたしの背中を撫でてきました。びくんと...
サイトさんの舌がわたしの舌を押し返して、わたしの中に入っ...
「んぅっ……、ちゅ、ちゅぶ、ちゅぐっ……んむっ、ふ……は、じゅ...
途端に、腰の辺りからどんどん力が抜けていきます。がくが...
今まではキスを”楽しんでいた”感じだったのに、サイトさんに...
その心地よさに何も考えられなくなってきます。
そのまま、溺れてしまいそうになる。何もかも任せて、好き...
なってしまいます。それは、すごく素敵なことだと思うけど……...
「ふっ……! ちゅうぅ……はぷ、んくっ……ちゅ、ちゅるる、ちゅ...
わたしは遠くに行ってしまいそうな意識を挽き留めて、わた...
サイトさんの舌を吸い上げました。それを唇で挟んで、たっぷ...
じゅるじゅると、口全体で扱きます。
サイトさんはさすがに予想外のことだったのか、ちょっと慌...
わたしは遠慮せずに、サイトさんの舌を擦り上げます。唇から...
涎が溢れていくのを拭き取ろうともせずに続けていると、サイ...
腰が引けていきました。
■5
「ちゅぷっ……、ふぁ、はぁっ……、どう、されたんですか?」
いったんキスを中断して、逃げてしまったその腰に体を押し...
サイトさんは苦しそうに瞳を潤ませて、荒く息をついています。
答えてくれないので、さらに体をぐいぐい近づけると、”それ”...
ううん、触れて確かめる前から、予想はついていました。だ...
わたしは、サイトさんの舌を……、前にサイトさんにお口で奉仕...
舐めて、擦って、吸い付いたのです。サイトさんが、それを嫌...
サイトさんの足の間に、わたしの足を滑り込ませます。
前みたいにそこが固くなって、張り詰めているのがはっきりわ...
「……サイトさん、どうしたいですか? わたしに、何をしてほ...
言いながら、指先でサイトさんの口元に垂れた唾液を拭って...
「また、わたしの方から無理矢理しないと、いけないんですか…...
濡れた指先を舐めて微笑みかけると、サイトさんは観念した...
そして、わたしの髪をそっと撫でて。
「ごめん……、シエスタ。また、してくれるか?」
そう、言ってくれました。心の中にぱあっと花が咲き開いた...
「ご奉仕、ですか?」
首を傾げて聞くと、サイトさんは恥ずかしそうに小さく頷い...
思わず小躍りしそうになります。サイトさんの方から、わた...
ぞくぞくっと、胸の奥から痺れるような感覚が湧き出してき...
わたしはサイトさんに飛びついてまた軽くキスをすると、ゆっ...
その足下に屈み込みました。
今までに二回しただけなのに、妙に慣れてしまった手つきで...
ズボンの前を開きます。ドキドキと心臓が高鳴る。いやらしく...
興奮だけではなく、プレゼントの箱か宝箱でも開けるみたいな...
「苦しいですよね。今、出してあげますからね……」
サイトさんの下着に手を差し入れて、”それ”を取り出しまし...
他の部分に例えられない不思議な感触で、熱くて、固くて、変...
男性の腰にこんなものがついているということがちょっと信...
圧倒されてしまうものがわたしの目の前に飛び出しました。
サイトさんは壁にもたれかかっていますけど、座っていると...
安定してないせいでしょうか。下着からそれを出した拍子に、...
「きゃっ……、す、すごいです」
「う……、その、ごめん」
その勢いに驚いて、思わず目を丸くしてじっと見つめてしま...
サイトさんは申し訳なさそうに謝りました。
「どうして謝るんですか?」
「いや、だって、シエスタにはこんなになった所、何度も見ら...
恥ずかしそうに顔を背けるサイトさん。わたしと抱き合った...
”こんなになった所”を見られたり触られたりしていることを謝...
わたしはくすっと笑うと、サイトさんのものに指を沿えて、...
「あっ……」
「わたしは、嬉しいですよ? サイトさんが、わたしでこんな...
わたしを求めてくれて。それだけで、胸の中がいっぱいになっ...
唇にじんわりと熱が広がっていくのを感じながら、そう言い...
まだ照れているみたいで、何と返したらいいのか迷っているみ...
それが、何だか……、可愛い、って思えてしまいます。
前もそうでしたけど、サイトさんってばこんなに立派で感心...
張り詰めさせてるのに、なぜわたしの前でそれを晒すと及び腰...
そのギャップが可笑しくなって、わたしはサイトさんのもの...
■6
「ふっ……、あ……」
とたんにサイトさんの口から漏れる声と、ひくん、と震える...
それも可愛いって思います。わたしが手で軽く触っているだけ...
サイトさんがこんなになっちゃうんですから。
そんなことを考えていたら、口の中に唾液が溢れそうなくら...
まるで、ご馳走の並んだテーブルを前にしたときみたいに。
わたしの体は、少しでも早くサイトさんに奉仕したいって願っ...
「……じゃあ、また、ご奉仕させていただきますね」
もう一度、挨拶のつもりで先端にちゅっと口付けて。わたし...
先っぽの、つるつるしたところを口に含んで。ピンと張った...
下側の、たぶん精液が出てくる穴のところや、筋ばっていると...
唾液を全体に塗りつけるようにしながら、ゆっくりゆっくり...
味わいながら咀嚼してるみたいに、少しずつ口の中に飲み込ん...
わたしの顔が沈んでいくのに合わせて、ぞくぞくとサイトさ...
この感じ、大好きです。わたしがサイトさんを喜ばせているん...
サイトさんの先端が、上あごの裏を擦って、もっと奥……喉ま...
でもまだ根本までは咥えられていません。少し苦しくなってき...
その方が”サイトさんを迎え入れてる”って気がします。わたし...
顔の角度を調節すると、限界までサイトさんのものを飲み込み...
「くっ……、は、ぁ……嘘だろっ……!?」
サイトさんは取り乱した声を上げ、腰を引こうとしました。...
サイトさんの下の毛に触れるくらいまで深く咥えられたのに。...
全体で擦ってあげながら、サイトさんの腰に合わせて頭を引き...
「ぷはっ……、あっ、ふぁ……」
じゅぷん、と揺れながらわたしの口から吐き出されたサイト...
わたしの唾にまみれてテラテラと輝きながら、サイトさんのお...
ひくんひくんと小刻みに震えていて、何だか物寂しそうな感...
そのままにしておくのが可哀想な気がして、今度は幹の方に舌...
「ちょ、ちょっと待ってシエスタ。さっきの、苦しくなかった...
「ちゅぷ、ちゅっ……、ふるしい、って?」
横笛を吹く時のようにサイトさんのものを唇で挟んで舐めな...
「あんな、喉の奥の方まで咥えて。普通はむせそうだと思うけ...
「……ちょっと苦しかったのは確かですけど、むせるほどじゃあ...
それに、我慢できないほど苦しいことなんてしませんよ」
口を離して、サイトさんを見上げながら言いました。さっき...
わたしが苦しいだろうと思って腰を引いたのでしょう。
「そ、そうなの。凄いね……」
サイトさんは感心半分、畏怖半分みたいな声で言いました。
凄いんでしょうか、よくわかりませんけど。
「えっと、それで、続けていいんですよね?」
「ああ……お願い」
サイトさんはまだ遠慮がある声で言いました。もっと、命令...
構わないのに。そう考えたところで、ちょっとしたことを思い...
「あの、サイトさん」
「え?」
わたしはサイトさんの手をとり、わたしの頭の上に乗せるよ...
「手で気持ちいいと思ったところ、教えてください。そこにい...
上目遣いでそう言いました。サイトさんは驚いた顔でわたし...
わたしは答えを待たずにサイトさんの先端を再び口に含みまし...
先っぽの傘のようになっているところに唇を引っかける。つ...
ちょっと弾力があって舐めていても気持ちいいところを、じゅ...
■7
途端に、頭の上から聞こえてくるサイトさんの吐息が荒くな...
乗せられた手に、僅かに力が込められます。これ、気持ちいい...
前も……、タルブの村の、わたしの部屋でしたときも喜んでく...
十分すぎるくらい唾液にひたって、無理をしても大丈夫になっ...
先端の割れているところに舌を差し入れて、ちろちろとくすぐ...
「あぁっ……、く、ぁ……!!」
サイトさんの全身がびりびりと震えました。わたしの頭にか...
強く力が込められます。ちょっと、刺激が強すぎるってことで...
少しずつ舌の動きを加減して、サイトさんが苦しそうになら...
サイトさんの手から力が抜けていくのを感じると、わたしも満...
サイトさんの手から、言葉にはできない細かいサイトさんの...
サイトさんにとって気持ちいいことをしたら、サイトさんの手...
留めようとします。もう少し場所をずらして欲しいと思った時...
力が込められます。強すぎる時は、かすかに拒むように手が震...
はっきりと、命令されているわけではありませんけど……、わ...
望むことをしているんだというのがわかって、胸の奥の熱い物...
口の中をサイトさんのものが擦るたび、意識が甘い混濁に沈...
わたし、サイトさんに気持ち良くなってもらうために工夫を...
でも、だんだんとそんなことを考える余裕が無くなってくる。...
固くて熱いものを舌で感じるたび、頬の内側や顎の裏で撫でる...
わたしの体の中にも気持ちよさがこみ上げてきて、たまらなく...
サイトさんに奉仕しているのか、サイトさんのものを使って...
わからなくなってきます。
そのうち……、物足りなくなってきました。もっと、奥でも。...
うずうずとその衝動が湧き上がってきます。サイトさんの手に...
腰に近づけるような力が加わっていきます。意識しているのか...
幹から根元の方まで、全部でわたしの口を感じたいって思って...
少しずつ、少しずつ。サイトさんのものを深く咥えていきま...
喉の柔らかいところにそれが触れたとき、びくんと体が跳ねま...
わたしの腰にから、痺れるような快感が背筋を駆け上がってき...
やっぱり……、喉の奥にサイトさんので触れられるのって、気...
もっと、もっと、強く擦り付けて気持ちよくなってしまいた...
「ぐちゅっ、じゅぷっ、ちゅぐっ……、ちゅ、じゅるっ、ちゅる...
奉仕とか、そういう言葉も頭の中から吹っ飛んで、わたしは...
サイトさんのものを扱きはじめました。唇も、舌も、歯茎も、...
サイトさんに良くなってもらうためだけに動かします。
サイトさんが高ぶってくるのがわかる。わたしも同時に興奮...
わたしの耳に飛び込んでくる声や、わたしの頭にかけられた手...
口の中に収められたものに、切羽詰まった雰囲気が感じ取れま...
サイトさんが気持ちよくなってくれている事が、わたしにも...
頭の中がぼやけてきて、口の中どころか、体の内全てがサイト...
しまったような、そんな錯覚に囚われて……。
ぶるぶるっ、とサイトさんが一際大きく震えた時、わたしは...
それを待ち受け、期待して口中で先端を吸い上げました。
「あっ、ああぁ、シエスタっ……!!」
悲鳴と言って良いような、切ないサイトさんの声。聞いてい...
体の中をぞくぞくした充実感が走り抜けます。そして、それと...
わたしが口の中に含んだものから、それまで感じていた熱さよ...
堰を切ったように迸りました。
■8
それが、舌に当たる。喉に当たる。わたしの中に、吐き出さ...
サイトさんの――精液。
腰がくだけて、へたり込みそうになる。体の中を電流が走り...
わたし、サイトさんに口の中に射精されながら……、達して、...
「んっ、んぐっ……、んくっ……」
喉を鳴らして、口の中に放出されたものを飲み下します。そ...
わたしの体がびくびく震えるのがわかる。ただ気持ちいいだけ...
わたし自身をサイトさんで染め上げられているような気がして...
わたしはすがりつくようにサイトさんの腰に手を回して顔を...
止めないでいます。わたしの頭に添えられたサイトさんの手は...
わたしに離れて欲しいと伝えようとしているのかもしれません...
もしそうだとしても、止めたくない。もっと続けたい。
やがて、サイトさんの喉から絞り出すような力の抜けた吐息...
震えが収まりました。わたしの口の中のものもときどきぴくん...
小さく跳ねるだけで、吐精を終えたのがわかります。
喉に絡まる粘つく感覚も、口の中を焼く熱さも、少ししょっ...
それ以上得られなくなって、嚥下の運動をしても自分の唾液の...
そのことに、体も心も”寂しい”って訴えてきます。物足りな...
今度こそ、わたしの頭を退けようと力が込められたサイトさ...
わたしは再び口中のサイトさん自身に舌を這わせました。
「え……、あっ、シエスタ、ちょっと待って、今は……!」
慌てた声を上げて、腰を逃がそうとするサイトさん。でも、...
まるでわたしがサイトさんを襲って壁に追いつめたみたいな変...
わたしは再び深くサイトさんのものを飲み込んでから、口全体...
ちゅぽん、という水音を立ててわたしの眼前に飛び出してき...
少し縮んでいます。前よりも楽に喉奥まで迎えられたから、見...
そのことにも、ちょっとした不満が生まれる。わたしの前で...
顔を横にして少し柔らかくなった根本を唇で挟むと、吸い付...
移動しました。先っぽに唇が当たったら、間髪を入れずに再び...
口を離した時より固く大きくなっているのを感じて嬉しくな...
ほどなくして、サイトさんのものがいちばん張り詰めている状...
「く、ふぅ……、はぁ……、シエスタ、もういいから」
切なそうな、苦しそうな声でわたしに言うサイトさん、途端...
わたしは慌てて口の中のものを解放すると、サイトさんを見上...
「え……、よく、なかったですか……?」
「いやその、滅茶苦茶良かったんだけど、その、シエスタの方...
わたしが恐る恐る聞くと、サイトさんは顔の前で手を振って...
良かったというサイトさんの言葉に胸が高鳴ります。もっと...
「わたしはサイトさんに喜んで頂けるなら……、どれだけしても...
そう言うと、サイトさんは顔を真っ赤にしました。わたしの...
言ってしまったことに気付いて慌てて視線を落とすと、サイト...
でも……、今、わたしは自覚しました。口ではサイトさんのた...
それは真実の半分くらいで、本当はわたし自身がもっとしたい...
物欲しそうな、潤んだ目でサイトさんのものを見つめている...
■9
サイトさんに奉仕したいっていうのを、方便に使っているわ...
それが急に恥ずかしくなって、浅ましく思えて、後ろめたくな...
でも、目の前のサイトさんから離れることなんて、もちろん...
「…………サイトさん、わたしのお口、使ってください」
わたしは、そう呟きました。
「え?」
きょとんとして眉をひそめるサイトさん。わたしの言葉の意...
「サイトさんが喜ぶこと、もっと知りたいんです。サイトさん...
わたしに教えて欲しいんです。それに……、サイトさんから、わ...
「えっと、それ、どういう……?」
そう説明しても、サイトさんにはわからないみたいです。
わたしの方も、言葉では上手く説明できません。
だから、わたしは両手をサイトさんの腰から離すと、サイト...
全身の力を抜きました。
軽く身構えて、次に来るであろうわたしの口の動きに備える...
けど、わたしはそれを舐めたり擦ったりしません。舌でレール...
ものに添えると、そのまま口の中を動かすのを止めました。
「ちょっと、シエスタ……!?」
これでようやく察してくれたのか、困惑した声を上げるサイ...
またサイトさんの両手をわたしの頭に導くと、サイトさんを見...
――いいですよ、と伝えるために。
サイトさんが息を飲むのがわかりました。わたしは目を瞑っ...
”お座り”をさせられた飼い犬みたいなポーズで、待ちうけます。
「シエスタ……」
小さく震えたサイトさんの声。その声はわたしを止めるため...
本当にそんなことしていいのか、わたしと自分自身に問う声。
それへの答えの代わりに、わたしはほんの少し、顎を持ち上...
サイトさんが生唾を飲み込む音が聞こえました。そして、少...
わたしの口へ、ゆっくりと突き入れました。
「…………ッ!!」
体の芯がびくんと震える。こうされたら気持ちいいだろうな...
想像以上の衝撃。”サイトさんが、自分の意思でわたしを求めて...
そのことに、一瞬で何もかも忘れてしまうほどの感覚が湧き...
喉の入り口あたりまで、サイトさんがわたしの口中を擦りな...
そこで、我慢するみたいに止まる。たぶん、わたしを気遣っ...
ゆっくり引き抜かれる。寂しい感じがするけど、そこにわた...
全部、サイトさんの自由。わたしがどうこうして欲しいって要...
サイトさんは腰を引きながら、わたしの口の中の色んな所に擦...
サイトさんの気持ちが、意思が、これ以上ないほどにわたし...
わたしの口の中をどう感じているのか、どうしたら気持ちい...
唇が先っぽのところに引っかかって、抜けてしまいそうにな...
わたしは軽く吸い付いて、それを引き留める。もっと続けて...
もっと好きなようにしていいですよという意思を込めて。
サイトさんは一瞬だけためらった後、一度目より早く強く、...
■10
ぐちゅっ、とはしたない水音が響いて、わたしの口元から唾...
わたしの、他の人よりだいぶ多く出てしまう唾液。サイトさ...
それを一層多く溜めた口の中に、サイトさんのものが突き入れ...
さっきよりも深く、舌の根本まで入ってきた先端。上顎の裏...
そこを擦ってあげたら、サイトさんは甘い息を漏らして震えま...
これが気持ちいいんですね。そう思って、喉の入り口から奥...
ほら、口の奥の方は、もっと気持ちいいですよ。きつくて、柔...
きっとすごく幸せですよ。口の中の動きだけで、サイトさんに...
「あ、ぁ……、ごめん、シエスタ……!」
何を謝っているんでしょう。サイトさんは泣きそうな声を上...
立ち入ってきました。最初は恐る恐る。でも、そこがすごく気...
今度は少しだけ強く。その次にはもう少しだけ強く。
サイトさんが、どんどん夢中になっていくのが何より身近に...
止められなくなっているのが体の芯で理解できます。
――サイトさんが、わたしを使ってる。ううん、犯してる。
たまらない。それだけで達しそうになる。息が詰まりそうに...
サイトさんがわたしを貪っているからのことだと思うと、愛お...
気持ちだけじゃない。口の中を喉の奥まで突かれて擦られる...
甘く切なく痺れる。腰の奥に熱いものが膨らむ。
嬉しい。気持ちいい。もっと求めて。もっと。
サイトさんがわたしで楽しんでいるって、もっと教えてくだ...
わたし、サイトさんのものです。サイトさんが気持ちよくな...
わたしを使って、幸せになってください。
サイトさんの動きが、奥まで差し入れた状態で喉の上下左右...
擦りつけるものになる。一番気持ちいいところで、一番敏感な...
さっきより早いけど、もう限界に近いんだってことが。限界...
動いてるんだってことがよくわかります。
わたしの喉、良いんですか? こうしたら、もっといいです...
喉を締め上げて、左右にぜん動させる。サイトさんのものを...
サイトさんはさらに吐く息を切なくさせて、そこを味わう動...
わたしの身体を気遣う躊躇いと、我を忘れそうになってしま...
恐らく罪悪感に胸を痛ませながらわたしを突いているサイトさ...
ごめんなさい、今、教えてもらいましたから。次からはサイ...
わたしが今と同じくらい気持ちよくさせてあげますからね。
だから、最後に……、一番気持ちいい達し方、教えてください...
ぶるっ、とサイトさんが一際大きく震える。喉の奥で弾けそ...
さらに一回り大きくなる。ここで、奥のところで締め付けられ...
サイトさんの無言の意思表示。
今度は口じゃなくて喉で、それを待ち受ける準備をして……、...
熱い。
喉を焼いてしまうような熱い迸り。舌で味わう間も無く喉に...
わたしは飲み下します。ごくんごくんと喉を震わせるたび、サ...
……わたしの身体も、感激に打ち震えます。サイトさんと同時...
愛撫をされたわけでもないのに、愛してもらえたわけでもな...
ううん、タルブの村の時も含めると、三度。
でも、そんなに変じゃないですよね。これって、愛して頂く...
紛れもなく身体を求め合って、愛し合う行為ですから。
■11
絶頂の波の中で、とろんと濁った頭で、サイトさんのものか...
当たり前のように飲んでいました。
少なくともその最中は、それがどういった意味を持つものな...
ただ、サイトさんがわたしにくれる、喉に通すたびに幸せな気...
それくらいにしか考えていなかったと思います。
だから、吐精が終わってしまって、サイトさんのものが力を...
寂しい、物足りない、そんな感想しか湧いてきませんでした。
だめ。ちっちゃくなっちゃ駄目。わたしの口の中では、いつ...
気持ちよくなってくれてないと許しません。
また固く張り詰めさせようと、疲れを取るマッサージをする...
優しく舐め上げていきます。もっと頑張って、て気持ちを込め...
「ちょっと、待って、さすがに……、休ませて」
サイトさんは降参だとでも言いたげな声を上げてわたしから...
その場に座り込んでしまいました。まだ完全には大きくなって...
抜けてしまって、残念に思います。
休ませてってことは、休みをとったら続きを、ってことです...
視線に期待を込めて、立て膝を動かしてサイトさんに向き直...
――途端、自分の意思とは関係無しに、腰が震えました。衝動...
スカートの下、何も穿いてないその中からまるでお漏らしで...
太股がぐっしょり濡れて、地面にまでつたっています。
今までお口に集中してたから隅に追いやられていた感覚。そ...
わたしの中に湧き上がってきます。
「サイトさん……」
掠れた声が自然に喉から漏れ出る。サイトさんも、今、気付...
わたしの太股の内側。その上の、短いスカートの中を嫌でも想...
もう抑えられない。今すぐ、何もかも、サイトさんに捧げて...
わたしの全てを、サイトさんのものにして欲しい。そんな感...
わたしは上手く力の入らない脚を無理矢理動かして、よろよ...
また一筋、わたしの足を雫が垂れ落ちる。今度は膝を過ぎて...
わたしの姿を呆然と見上げるサイトさん。きっと、サイトさ...
どうしていいのかわからないでいる。だから、わたしに声がか...
まるで夢の中にいるような、自分が自分でなくなってしまっ...
わたしは、スカートの両端に指をかけました。
「サイトさん……、こんな短いスカートで、下着も穿かせないで…...
だから、我慢できない。耐えられない。誰のせいなのはわか...
わたしはサイトさんが見つめる中、月明かりを背にして
スカートの裾を摘んだ指をゆっくり持ち上げ――。
∞ ∞ ∞
■12
「……何だか、すっごく楽しそうなこと、してるわね」
その瞬間、シエスタの背後から聞こえてきた声に、俺は冷や...
幻想の中から現実に引き戻された。シエスタもびくっと身を竦...
俺の方も一気に我に返り、さらけ出したままだった前を無理...
自分でも感心してしまうような速さでズボンを直した。
だって、シエスタの後ろの茂みから聞こえてきた声が、俺に...
さらに、今までに覚えがないほどの恐ろしい色が込められた声...
がさりと茂みを掻き分ける音が聞こえて、小さな影が現れる。
ゆっくりと振り向いたシエスタが震え始める。……俺も震えて...
月明かりが桃色の髪を照らし出し、その人……、ルイズが、俺...
「もう一度聞かせてくれないかしら? 今、何て言ったの? ...
『下着も穿かせないで』? そんな、素晴らしく愉快な台詞が...
なぜか不気味なくらい穏やかな声で、ルイズは淡々とそう言...
「え、えーと、あの、その、な? うん、話をしよう、冷静に...
立ち上がって、ずりずりと後ずさりしながらルイズに笑いか...
「ミ、ミス・ヴァリエール、どうしてこんなところに……」
シエスタは俺の代わりに、普通なら最初に抱くだろう疑問を...
まぁ、今の状況でそれを知って何か改善されるってわけでもな...
「あんたたちが待ち合わせてた火の塔の入り口の樽にね、わた...
そしたら、出て行く前にあんたたち、二人しでどこかに駆けて...
探したのよ、こぉんな夜中に何か楽しい事するつもりなら混ぜ...
最後の言葉は絶対嘘だと思う。
そして、ルイズが来たのがたった今の今だった不幸中の幸い...
仮にもうちょっと早く……、”最中”に見つかっていたら、どん...
想像もできない。
「それで、そこのメイドの格好は何かしら? とっても素敵な...
その『短いスカートに下着も穿かせない恰好』させて、どんな...
話してくれないかしら? わたしね、あんたの言うとおり、あ...
あると思うの」
禍々しいオーラを振りまきながら、台詞だけは穏やかなルイ...
でも、その手に青筋が浮かぶくらいに力一杯握りしめた杖、
まだ詠唱もしてないのにバチバチと閃光を弾けさせてるんです...
「あの、あのねルイズ? 話し合いだったら、その杖いらない...
俺が最後の抵抗を試みると、ルイズは背筋を縮み上がらせる...
「うん、あんたの弁明次第ではこの杖を使わないで済む可能性...
そう、言い切った。
「――シエスタごめん! 生きてたらまた会おう!」
次の瞬間、俺はルイズとは逆方向へ駆け出した。無理。もう...
今の俺にはせめてシエスタは巻き添えにしないよう逃げること...
「サイトさんっ!」
背後からシエスタの声。呼び止めてるのか、安否を心配して...
本当に申し訳ない、あんなことしてもらっちゃったのにお礼...
ついさっきの事を思い出して、こんな状況なのに胸が熱くな...
もし、ルイズがあのタイミングで来なかったら、どうなって...
ルイズの声が聞こえる直前まで、俺はシエスタのしてくれた...
完全に呑まれてしまって、虜にされてしまっていた。
あのままだったら――、今度は完全に、シエスタを奪ってしま...
もし、またあんな状況になったら、俺は……。
熱くなった胸が、痛みを感じられるほど締め付けられた直後。
あたかも天罰を下すがごとく放たれたルイズの『エクスプロ...
俺は双月輝く夜空に向かって高らかに舞い上がることになった...
つづく
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