ゼロの使い魔保管庫
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お久し振りです。ハルバードです。
拝啓自由な旅人様。今死にかけている為、ゼロの裁判を少しおや...
陳腐で幼稚な文章ですが、ちょっと考えついた物を投稿させて...
L・revival・Life
『…夜神、月…』死神のように嘲笑う青年に抱かれて彼は知りた...
『…やはり…私は…間違って…なかっ…が…ま…』
しかしながら彼はその真実を誰にも伝える事は出来ず、
失意のうちに眠るように目を閉じた。
これが世界一と呼ばれた名探偵の最後。
L。
その溢れんばかりの才能と功績を鑑みてもあまりにも理不尽過...
かの名探偵の葬式は、
彼がやり遂げた偉業にふさわしいとは言えない、
なんとも寂しい物になった。
…彼は今もどこかの町外れにある墓の中で安らかに眠っている筈...
…………が、
彼の遺体はその墓の中にはない。
彼の肉体は今、
果てしなく遠い異界の地にあった。
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
彼の人間界最高峰の頭脳が再起動を始めたのは、暗闇の中の
「あんた誰?」
という呆れたような口調の質問が聞こえてきた時だった。
あんた誰?
それは今まで幾度となく聞かれてきた質問。
興味本意で。
あるいはその能力に驚嘆して。
…時にはその変人さを気味悪がって。
彼の頭の中は糖分不足と一度死んだショックで、グシャグシャでボン...
…それでも彼は答えた。
孤児だった彼の、
父親代わりだった初老の紳士がつけたコードネーム。
「私は…Lです。」
彼は飄々とそう言って眩しそうにそのパンダ目を開く。
彼の最初に目に入ったのは
つき抜けるような雲一つ無い澄み切った空。
『…かなり久しぶりの青空ですね。ずっと捜査本部に籠ってま...
三秒程見とれていると、桃髪の少女が視界に入ってきた。
『顔はかわいいですね。どことなくミサさんを思い出します。
…この娘は好みではありませんが』
彼女は黒マントの下に白いブラウス、グレーのプリーツスカートを着た
体をかがめ、不躾に
「どこの平民?」
と聞いてきた。
言っている事がわからなかったが黙っているのも失礼である...
とりあえず聞いてみる。
L独特のイントネーションで。
「平民?なんですかそれ
すいません事情がよく飲み込めないんですがここはどこですか...
ところが彼女は興味を失ったらしく、無視される。
『自分から聞いておいて無視ですか。』
周囲を見渡すと同じような黒マントを着ている少年少女達が目に入...
誰も彼もが小馬鹿にしたような目付きで目の前の桃髪の少女を...
すると人垣の中の誰かが
「ルイズ、サモンサーウ゛ァントで人間?を呼び出してどうするの?」
と言うと、少女以外の全員が笑った。
「ち、ちょっと間違っただけよ!」桃髪の少女がそう怒鳴ると
「間違いって、ルイズはいつもそうじゃん」
「さすがはゼロのルイズだ!」
誰かがそう言うと、人垣がどっと笑う。
旗色が悪くなったとわかったルイズはう゛〜と唸り、
「ミスタ・コルベール!」と怒鳴る。
人垣が割れて中年男性が現れた。
大きな杖を持ち、真っ黒なローブに身を包んでいる。
『まるで魔法使いですね…。まぁ死神が本当にいたくらいですか...
彼はいつまでも仰向けで倒れているのも、なんなので
ひとまず起き上がる事にした。
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
先程ルイズと呼ばれた少女はかなり必死に、
もう一回やらせてください!とか、
お願いです!とか、叫んでいる。
「なんだね。ミスウ゛ァリエール」
「あの!もう一回召喚させてください!
絶対!
あんなのとなんて無理です!
生理的に受け付けられません!」
『…そこまで言わなくてもいいじゃないですか…正直かなりショ...
……しかし、…召喚?まさか、…本当に…?』
「それはダメだ。
ミスウ゛ァリエール。」
「どうしてですか!」
「決まりだよ。
二年生に進級する際、君達は使い魔を召喚する。
今、やっている通りだ。」
『使い魔…魔法使いの召使の事ですね』
「それによって現れた「使い魔」で、今後の属性を固定し、
それにより専門課程へと進むんだ。一度呼び出した「使い魔」...
何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ。好むと好まざ...
『…………。』
『え゛。私?』
「でも!平民を使い魔にするなんて聞いた事がありません!」
ルイズがそう言うと、再び周りがどっと笑う。
ルイズは、その人垣を睨み付ける。
それでも笑いは止まない。
起き上がってから(膝を抱えて座ってるけど)Lが理解したのは
@記憶、能力等は死ぬ前と同じ。
A私が今いるのは豊かな草原であり、
遠くに城が見える位置。つまり、絶対日本じゃない。
B自分はこのルイズという少女に召喚されたが、彼女は私を生理的...
Cあの禿中年の名前はミスタ・コルベール
D彼達は恐らく魔法使い。
E今自分の頭脳には、あんむぁ〜い物が即刻、早急、速やかに必...
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
しかしLも現時点では、理解出来ない事があった。
何故自分は死んだ筈なのに生きていているのか、
キラや日本がどうなったのか、
何故、少年少女達が自分を奇異の対象で見ているのか、
ここがどこで、目の前の少女が何を自分と何をするのを嫌がっ...
当然の事ながら、
ゲームのようにこれらの謎を説明してくれる親切な妖精的存在...
Lはとりあえず何から推理しようか、と考える。しかし、
ミスタ・コルベールが諭すように話し始めたので少し推理を中断する。...
「これは伝統なんだ。ミス・ウ゛ァリエール。例外は認められない。
彼は……」
ミスタ・コルベールとやらは、彼を指差した。
「ただの平民?かもしれないが、
呼び出された以上、君の「使い魔」にならなければならない。
古今東西、人を使い魔にした例はないが、
春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。
彼には君の使い魔になってもらわなくてはな」
「そんな…」
ルイズはガックリと肩を落とした。
「さて、では儀式を続けなさい」
「え゛〜。あんな気持ち悪いのとですか?」
彼女は心底嫌そうにLを一瞥する。
『どうやら彼女は 私を落ち込ませる天才のようです…。』
「そうだ。早く。次の授業が始まってしまうじゃないか。
君は召喚にどれだけ時間をかけたと思ってるんだね?
何回も何回も失敗して、やっと呼び出せたんだ。
いいから早く契約したまえ。」
そうだそうだ、と野次が飛ぶ。
ルイズは、はぁ、と困った顔で溜息をつく。
さすがにそこまで言われて憤らない人間はいないだろう。
もちろん彼も例外ではない。
いくら変人でも感情はある。
「嫌です。」
とたんに周りは静まり返る。
いつもは感情が窺えない声が少し怒気を含んだものになってい...
「私は誰の下にもつきません。そこまで馬鹿にされては私だっ...
使い魔とやらは他を当たってください。」
ルイズは冷汗をたらしてうっ…、と なって後ずさる
たしかに少し言い過ぎた事は彼女も自覚していた。
それにもし、彼に拒絶されれば、
また後で皆に
「呼び出した使い魔と契約すら出来ないのか」とか馬鹿にされ...
彼女は仕方なく小声で謝った。
「わかったわ。謝るからお願い。」
しかしLは、ぷいっ、とそっぽを向く。
が、
断るのかと思いきや
「…私が要求する量のお菓子を毎日用意していただけるなら話は...
と言ってきた。
ルイズは、なんだそんな物でいいのか、とほっとする。
そして答えた。
「ええ。わかったわ。約束する」
その言葉を聞いてLは、にっこり微笑む。
「わかりました。では契約成立です」
ちなみに、ルイズはこの約束をした事を激しく後悔する事になる...
ルイズは手に持った、小さな杖をLの目の前で振る。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ウ゛ァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。
この者に祝福を与え、
我の使い魔となせ」
朗々と、呪文らしき言葉を紡ぐ。
すっと、杖をLの額に置いた。
「いい?爪を噛むのを止めて、目を瞑ってじっとしてて。」
「 ? 何故ですか?」
「いいから。
ね゛?」軽く凄む。「わかりました…」
Lは目を閉じた。ルイズはLの頭を左手で掴んだ。
「ん………」
ルイズの唇が一瞬だけLのそれに重ねられる。
「〜〜〜〜〜〜〜!」
『…人にキスされたのは初めてですが、
初めては…ミサさんが良かったです…。』
※「てめぇ、してもらっといて何ほざいてんだコルァ!」と思われ...
「終わりました。」
ルイズは羞恥で顔を真っ赤にしていた。
「…彼女が何故契約を嫌がっていたのかよくわかりました」
少し落ち込んだ声だが、Lは相変わらず無表情で爪を噛む。
「〈サモン・サーウ゛ァント〉は何回も失敗したが、〈コントラクト・サーウ゛ァント...
コルベールが、嬉しそうに言った。
「ふんっ。相手がただの平民だから〈契約〉出来たんだよ」
「そいつが高位の幻獣だったら〈契約〉なんか出来ないって」
何人かの生徒が笑いながら言った。
「いい加減にしてください。」
Lは親指の爪を噛みながらそう言い放つ。
Lの不気味さは、人に有無を言わせぬ力があるようだ
人垣はまた静まり返った。
「彼女はきちんとやり遂げました。彼女の努力を馬鹿にするの...
…人として間違っていると思います。」
人垣はしばらく面食らっていたが、
復活したらしく
、誰かが、
「なんだよ、ゼロのルイズに呼び出された平民のくせに。生意気な...
でも、お前も不運だよな〜。
失敗ばっかのゼロなんかに召喚されて!」
と吐き捨てるように言う。
Lが何か言い返そうとすると、
「馬鹿にしないで!私だってたまにはうまくいくわよ!」
ルイズが参戦した。
「でも、本当にたまに、よね。ゼロのルイズ。」見事な巻き髪とそ...
「ミスタ・コルベール!《洪水》のモンモランシーが私を侮辱しました!」
「誰が《洪水》ですって!
私は《香水》のモンモランシーよ!」
「あんた小さい頃、洪水みたいなおねしょしてたって話じゃな...
「よくも言ってくれたわね!ゼロのルイズ!ゼロのくせになによ!」
「こらこら。貴族はお互いを尊重し合うものだ」
「…女の子は怖いです。」
Lがボソッと呟く。
が、次の瞬間Lの顔が苦痛に歪む。
「ぐうっ!ぐあぁああぁあぁあぁあ」右手で左手首を掴んで叫...
「あ゛、熱いです!」
ルイズが苛立たしそうな声で言った。「すぐ終わるわよ。待って...
「き、聞いてません!」
「聞かれてないからね。」
「…もう少し契約内容を確認するべきでした…。」
今更後悔しても後の祭りだったが。
しかし熱いのはほんの一瞬だった。すぐに体は平静を取り戻す。
「ふぅ。ひどい目にあいました。」
また爪を噛み、左手をジーパンのポケットに戻そうとすると、
コルベールが寄って来て左手を掴み、Lの左手の甲を確かめる。
「何するんですか?」
が無視される。
ふと見ると
自分の左手の甲には、見慣れない文字が踊っていた。
『ルーン文字のようですが…読み方は調べた事はないですね…それに』
「どうやら本当に手品の類いではないようですね」
「ふむ………」
「珍しいルーンだな。」とコルベールが言った。
「そうなんですか?」
が、
コルベールは相手にしてくれない。
「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」
『ここでは無視するのが常識なのでしょうか…』
少し傷つく。
コルベールはきびすを返して宙に浮く。
他の生徒の連中も一斉に宙に浮く。
浮かんだ全員はすぅっと、城のような石造りの建物へ向かって...
「ルイズ!お前は歩いて来いよ!」
「あいつ《フライ》はおろか、《レビテーション》すらまともに出来ない...
「その平民、あんたの使い魔にお似合いよ!」
口々にそう言って笑いながら飛び去って行く。
ルイズはLと二人きりになると、溜息を着いた。
それからLの方を向いて、大声で怒鳴る。
「あんた、なんなのよ!」
「それはこちらのセリフです。
それとここはどこですか?」
「ったく、どこの田舎から来たか知らないけど、説明してあげ...
「…東京はこんなド田舎ではないですが。」
「トーキョー?何それ。どこの国?」
「日本です。」
「なにそれ。そんな国、聞いた事ない」
「そうですか。
それでここはどこですか?」
「トリステインよ!そしてここはかの高名なトリステイン魔法学院!」
「私は二年生のルイズ・ド・ラ・ウ゛ァリエール。今日からあんたのご主...
「…わかりました。ご主人様。
ところであの空を飛んで行った人達は本当に魔法使いなんです...
「そうよ。」
「あなたもですか?」
「そうよ。」
「じゃあ、早く魔法使って帰りませんか?私も空を飛んでみた...
まさか飛べない訳ではないでしょう?」
ぷちっ。
眠れるドラゴンを起こしてしまう。
「…あんた、知っててそれ言ってんのね?
私に喧嘩売ってんのね?」
ルイズの目が真紅の警戒色を放つ。
「?意味が分かりません。」
ルイズは険しい表情になって質問する。
「…………なんであんたはのこのこ召喚されたの?」
Lは不自然なまでに首を横に捻って答えた。
「さあ?私にもよく分かりません。」
「このウ゛ァリエール家の三女が…………。由緒正しい旧い家柄を誇る貴...
「少なくとも私のせいではありませんが。」
「…………契約の方法がキスなんて誰が決めたの?」
「少なくとも私が決めた訳ではないですが」
「なんで私があんたみたいな生き物にまで馬鹿にされるの?」
「私は別に馬鹿にしては……」
「黙れ。」
ルイズのほとばしる熱いパトスが拳に集約され、Lの顔面に開放さ...
「ファーストキスだったんだからね!」
『私もです。』
Lは気絶した。
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
「それほんと?」
ルイズが、疑わしげにLを見つめてながら言った。
手には夜食のパンを握っている。
(Lは厨房でもらってきたペロペロキャンデーを舐めていた。)
二人はテーブルを挟んだ椅子に腰掛けている。
今しがたまでLは自分が死ぬ直前の話を手短に聞かせていた所...
ここはルイズの部屋である。
十二畳程の大きさだ。
窓を南向きとするなら、西側にベットが置かれ、
北側に扉があった。
東に大きな箪笥がおいてある。
どれもこれも高価そうなアンティークに見えた。
Lは気絶から目覚めた後に、ここまで連れてこられたのである。
「私が嘘をつく必要がありますか?」
Lは親指の爪をガリガリ噛みながら答えた。
ルイズが不満気に
「…はいはい。
…ねぇ、その爪を噛むのと変な座り方するの止めてくれない?
気持ち悪いわ。」
と言うと、
「ああ。私はこの座り方でないとだめなんです。一般的な座り...
推理力が40%減です。」
と言い返された。「推理って…。何を推理するってのよ…。」
ルイズは、Lのあまりの変人ぶりに頭を痛める。
「じゃあせめて、爪噛むのを止めてくれない?」
「いえ、私はこうしていないと落ち着かないんです。
一般の落ち着き方だと、集中出来なくて推理力35%減です。」
「なんか、あんたとしゃべっていると疲れるわ…。」
「そうですか」
「「……………。」」
お互いに暫く沈黙する。
「それにしてもこの世界は変わっていますね。」
先に沈黙を破ったのはLの方だった。
「日本から見えた月の約二倍の大きさもありますし、
一つではなく二つです。」
「…信じられないわ。それに、
この世界よりも
あんたの方が変わってるんじゃないの?」
Lはペロペロキャンデーに厨房でもらってきていた蜂蜜をかけている...
「…ねぇ。あんたほんとのほんとに一回死んだの?
今は生きてるじゃない。」
「はい。死にました。それから」
Lは蜂蜜がけペロペロキャンデーを頬張りながら答えた。
「あなたが私を召喚してくれた時、
墓の中からこの世界に来るまでの間
に私が生き返った秘密があります。…日本に生きて帰れるかどう...
「あんた自分から、私と契約したくせにもうホームシック?」
ルイズは呆れてそう言った。
「いえ。そういう訳ありません。
それに、帰るまではここで働きますが、
私にはどうしても、どんな手を使ってでも、必ず生きて帰らな...
「…ふーん。なにそれ。」
「私の初めての友達を止める事です。」
「…あんた友達いたの?」
ルイズは少し驚いた顔で聞く。
「失礼ですね。私にだって友達はいます。」
「どんな人?」
「そうですね…。」
チャチャッチャ〜ッチャラチャッチャチャラチャ〜チャッ
弥海砂のセカンドシングル「DEVIL’S・EYE」の着メロが携帯から聞こ...
びっくりしたルイズが、「な、なによ!何ごと!」と騒ぐ。
携帯を摘んで取り出しその画面を見て、Lは僅かに表情を固く...
月君(キラ)
「すいません。少しの間、静かにしていて下さい。」
Lは椅子から飛びおり、猫背の背中を少しのばして
電話にでた。
「もしもし」
「久しぶりですね月君。」
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
日本キラ対策本部はLがいた時に比べて、少し整理されていた。
Lが食べ残した
大量のお菓子は食べる者がいなくなった為に、
冷蔵庫という名の牢獄に終身刑になった。
L専用の隠し倉庫 にあった、
弥海砂のファングッズもBOOK・OFFに姿を消し、
各国家の大統領に繋がる携帯電話の数々も、全て最新式の機種...
…もうこれで、あいつの痕跡はなくなった。
あいつの事は思い出す事もないだろう。
…これからは全部、僕の思い通りだ。
夜神月はそうほくそ笑むと、にやつくリュークと一緒に自室へ戻っ...
部屋に戻ってから月は椅子に座って優越感に浸る。
…今日も馬鹿共を騙した…。
やはり流河がいないと温い…。
リュークが林檎を囓りながら期待した声で話しかける。
「月。誰もいないし久しぶりに二人でマリオゴルフしない?
俺だいぶ強くなったぜ。」
「ああ。また後でね。」
?もう8時か。
そういえばミサの帰りが遅いな…。いつもは6時頃には帰って来て...
……まさか、デスノート が誰かに見つかったか…?
もちろんあくまでも、大事なのは
ミサではなくデスノートだ。
………念の為に電話しとくか…。
月は携帯を取りだし、ミサとのデスノート関係の事を話す専用の携帯...
もちろん盗聴出来ないようにしてあり、履歴も全て消させてあ...
海砂
第2携帯電話
プルルルル、プルルルル、プルルルル…
ガチャ。
「もしもし。」
それは弥海砂のかわいらしい声ではなく、
聞き覚えのある二度と聞きたくない男の声だった。
「久しぶりですね月君。」
背中に脂汗が滲む。
「…あんた誰だ。それはミサの携帯だぞ」
「覚えてませんか?
私はLです。
それに、これは私の携帯です。
月君が掛け間違えたんじゃないですか?」
そんな馬鹿な…。僕がそんなミスをする訳が…
携帯の画面を見ると確かにミサではなく、
L(馬鹿)
と表示されていた。
操作、ミスった…。
これじゃあ僕が馬鹿じゃないか…。
「お、お前…!何故生きている!死んだ筈だろ!」
「はいそうです。
確かに私は死にました。
何故生き返ったのかは私にもわかりませんが。それよりも」
…まてよ…まさか捜査本部の連中が僕を疑っていて、
Lが録音しておいたものを流し、僕がキラだと自白させるつもり...
または変声機か何かで…?
「……………。」
「私は今…、
?
月君どうかしましたか?」
「流河。お前が死んだ時の僕の顔はどんな表情だった?」
「…なるほど。
私が本物かどうか、ですか?
わかりました。証明しましょう。
…物凄い気持ち悪いニヤケ顔でした」
本物…だ…。何故生きて…
「流河。今どこにいるんだ?」
「はい。それを今言おうと思っていた所です。
…私にも信じられないのですが…
私は今、異世界にいます。」
「…流河。冗談はよせ。」
「私は冗談は苦手です。」
「………。」
ぶっちゃけ対応に困る。
「月君、いえ“キラ”。
私はまだ負けたつもりはありません。
あなたは私を殺せませんでしたから。なので
この勝負の決着は、まだ着いていません。」
「……………。」
「私が死んでからどれだけ時間が経ったのかはわかりませんが、
必ず生きて日本に戻り、
自分の犯した罪を自覚させ、
私の子供達に渡してある
“ある確たる証拠”を突き付けて」
「必ずあなたを死刑台に送ります」
…つまり、流河が異世界?から戻って来るまでに新世界を作れば...
流河が帰ってきた時に新世界が完成していなければL+子供達...
…確かにL一人でも手に負えないのに+Lの子供ではいくら僕で...
Lの本名が書いてあったページはレムの嫌がらせでちぎられてたか...
ミサの死神の目もLの写真や映像は、
どこにも残されていないし、
Lがどこにいるのかわからない以上、無意味に等しい。
それにあいつはデスノートに名前を書かれて死んだのに生き返った…...
名前を書かれても回避する方法を見つけた…?
だとしたら、
もうデスノートでLを殺す事は…。
圧倒的に不利な状況なのが悔しくて、月はイヤミたっぷりに言い返...
「…負け犬の遠吠えにしか聞こえないよ…。“L”。」
「“月君”。私は‘あなたの友達として’
あなたを止めてみせます。」
「………上等だよ“流河”。
……じゃあ友達として少し意見交換しないか。
今までキラとLという立場上そういう話は出来なかった
しね。」
「ええ。いいですよ」
「…流河。君が信条とする正義、法律が裁けない犯罪者のせいで、
壊されていく幸せがどれだけたくさん存在しているか知ってい...
月は救われなかった命を代弁し、責めるかのようにLを詰る。
「…はい。知っています。
確かに、私もそういう人々は見てきました。
法律で救えなかった命はたくさんありました。」
「それなら何故!
完全な罰を与える事が出来て!よりたくさんの命を救えるキラよ...
不完全で甘過ぎる裁きしか出来ないせいで!救えない命を出し...
「…月君。確かに法律は完全ではありません。それを作った人間...
Lは、まるで、誰かを偲ぶような声で続けた。
「人々が生きてきた歴史の中で、
愛する者、
かけがえのない者を守ろうとしてきた想いの結晶が法律です。
…私は、正義と、そしてその名の下に希望を持ち続ける人々がい...
法律の下の正義を信じ続け、そして守り続けます。」
「…流河。
どうしようもないクズ人間の犯罪者を裁いて!
世界中の犯罪を7割減少させ!
世界に必要な存在となったキラをお前はまだ悪だって言うのか!」
「はい。私の中では例え、どんな成果を出そうとも、
キラはあくまでも悪です。
確かに、月君の言う通り世の中にはそう言った犯罪者は少なく...
ですが
だからと言ってあなたに、
誰が死に、
誰が生き残るか、
という事を決める権利は誰にもありません。
人の命を踏みにじる月君のそれは、
私の中では絶対的な悪です。
たくさんの人々を殺して作る平和は、真の平和ではありません。
あなたは断じて正義ではありません。
むしろ、それは正義への冒涜です。
私は月君を正義とは認めません。
私が『L』である限り」
Lの言葉には、微塵の揺らぎも感じられなかった。
それが宿命であり、
使命であり、
Lが『L』である事の存在意義である、
とでも言うかのように。
「…流河。どうやら僕達はどうしても相容れないらしいな。」
「ええ。
残念ですがそのようです。」
「…そうか。
わかった。ありがとう流河。
参考になった。」
「…お役に立てて光栄です。」
「…じゃあまた。」
「ええまた。」
ガチャッ。
プー、プー、プー…
ピッ。
月は椅子にドカッと座って呟いた。
「残念だよ…L。
君が敵なのが…。」
「月。マリオゴルフしない?」シャリシャリシャリシャリシャリシャリ。
イラッ。
「ラーイートー!たっだいまー!」
ピキッ
「ごっめーん!ミサさ〜。
今そこで友達とあっちゃってさ〜。今までずっとしゃべってた...
「ありがとっライトっ!
あっ、あとね?晩ご飯何にも買ってないから♪
今から買ってくるね〜。」そう言って再び出ていく。ぐぎゅる...
月の腹が鳴る。
マジかよ…。お腹減って死にそうだってのに…。
「月〜。早くマリオゴルフやろうぜ〜」
シャリシャリシャリシャリシャリシャ
リシャリシャリシャリシャリシャリ
ぷちっ
その後、部屋には嵐が吹き荒れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
「ええまた」
ピッ。
プー、プー、プー、プー、プー…。
「…もう声出していいかしら。」
「ええ。もういいですよ。」
ルイズは不思議そうに携帯を見つめて言った。
「なにそれ。見た事がないわね。
なんのマジックアイテム?」
「いえマジックアイテムとやらではありません。
携帯電話といいます。」
「ケータイ、デンワ?なにそれ。」
「遠い所にいる人と、話す事ができる機械です。」
「それで誰としゃべってたの?
」
「…さっき話した
私の友達です。」
「そう…。
ねぇちょっとそれ見せてよ」
Lは携帯を摘んでルイズに渡す。
「綺麗ね…なんの系統で動いているの?風?水?」
携帯の画面には、白地に黒で『L』とレンタリングされていた。
「魔法ではありません。電気です。」
「よくわからないわ。」
「そうですか。
ところで私が帰る魔法はないんですか?」
「ええ。私が知る限りは無いわね。」
「召喚の魔法はどうなんですか?」
「サモン・サーウ゛ァント?無理よ。
サモン・サーウ゛ァントはハルケギニアの生き物をよびだすのよ。
普通は動物や幻獣なんだけどね。
人間が召喚されたのは初めて見たわ」
「もう一度唱えたら帰れるかもしれないのでは?」
「それも無理ね。サモン・サーウ゛ァントは呼び出すだけ。それに今は唱...
「何故ですか?」
「サモン・サーウ゛ァントを再び使うにはね。」
「はい。」
「一度呼び出した使い魔が死なないといけないの。」
「…それは少しご遠慮頂きたいですね。」
「でしょ。
だから暫くはあたしの使い魔で生きなさい。ご飯と宿くらいは...
「…ありがとうございます。後お菓子もお願いします。」
「はいはい。
さてと。しゃべってたら眠くなっちやったわ。」
ルイズはふわ〜と欠伸をした。
「そういえば私はどこで眠ればいいんですか?」
ルイズは床を指差した。
「布団はどうすれば?」
ルイズは毛布を一枚投げて寄越してきた
それから服を脱ぎ始める。
「…私は外にでましょうか?」
「何?外で寝る気?」
「いえ、着替えを覗かれたくないかと気を使っただけです。」
「あっそ。別にいいわよ。使い魔に見られても何とも思わない...
『何故か少し悲しくなりました。』
「じゃあこれ明日になったら洗濯しといて」
とレースのキャミソールにパンティを投げてきた。
「早速仕事ですか?」
ルイズは眠そうに答えた。
「そうよ。あんたは私の使い魔でしょ?
掃除、洗濯、雑用、当然じゃないの…」
ルイズはベットの中で
ぱちんと指を鳴らしてランプを消し、
さっさと寝てしまった。
Lは双月を見上げ、溜息を着いた。
「ワタリ。私の世話をしてくれていた
あなたの気持ちが少しわかった気がします…。」
〜終〜
いかがでしたでしょうか。ご意見ご感想、随時心よりお待ち申...
終了行:
お久し振りです。ハルバードです。
拝啓自由な旅人様。今死にかけている為、ゼロの裁判を少しおや...
陳腐で幼稚な文章ですが、ちょっと考えついた物を投稿させて...
L・revival・Life
『…夜神、月…』死神のように嘲笑う青年に抱かれて彼は知りた...
『…やはり…私は…間違って…なかっ…が…ま…』
しかしながら彼はその真実を誰にも伝える事は出来ず、
失意のうちに眠るように目を閉じた。
これが世界一と呼ばれた名探偵の最後。
L。
その溢れんばかりの才能と功績を鑑みてもあまりにも理不尽過...
かの名探偵の葬式は、
彼がやり遂げた偉業にふさわしいとは言えない、
なんとも寂しい物になった。
…彼は今もどこかの町外れにある墓の中で安らかに眠っている筈...
…………が、
彼の遺体はその墓の中にはない。
彼の肉体は今、
果てしなく遠い異界の地にあった。
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
彼の人間界最高峰の頭脳が再起動を始めたのは、暗闇の中の
「あんた誰?」
という呆れたような口調の質問が聞こえてきた時だった。
あんた誰?
それは今まで幾度となく聞かれてきた質問。
興味本意で。
あるいはその能力に驚嘆して。
…時にはその変人さを気味悪がって。
彼の頭の中は糖分不足と一度死んだショックで、グシャグシャでボン...
…それでも彼は答えた。
孤児だった彼の、
父親代わりだった初老の紳士がつけたコードネーム。
「私は…Lです。」
彼は飄々とそう言って眩しそうにそのパンダ目を開く。
彼の最初に目に入ったのは
つき抜けるような雲一つ無い澄み切った空。
『…かなり久しぶりの青空ですね。ずっと捜査本部に籠ってま...
三秒程見とれていると、桃髪の少女が視界に入ってきた。
『顔はかわいいですね。どことなくミサさんを思い出します。
…この娘は好みではありませんが』
彼女は黒マントの下に白いブラウス、グレーのプリーツスカートを着た
体をかがめ、不躾に
「どこの平民?」
と聞いてきた。
言っている事がわからなかったが黙っているのも失礼である...
とりあえず聞いてみる。
L独特のイントネーションで。
「平民?なんですかそれ
すいません事情がよく飲み込めないんですがここはどこですか...
ところが彼女は興味を失ったらしく、無視される。
『自分から聞いておいて無視ですか。』
周囲を見渡すと同じような黒マントを着ている少年少女達が目に入...
誰も彼もが小馬鹿にしたような目付きで目の前の桃髪の少女を...
すると人垣の中の誰かが
「ルイズ、サモンサーウ゛ァントで人間?を呼び出してどうするの?」
と言うと、少女以外の全員が笑った。
「ち、ちょっと間違っただけよ!」桃髪の少女がそう怒鳴ると
「間違いって、ルイズはいつもそうじゃん」
「さすがはゼロのルイズだ!」
誰かがそう言うと、人垣がどっと笑う。
旗色が悪くなったとわかったルイズはう゛〜と唸り、
「ミスタ・コルベール!」と怒鳴る。
人垣が割れて中年男性が現れた。
大きな杖を持ち、真っ黒なローブに身を包んでいる。
『まるで魔法使いですね…。まぁ死神が本当にいたくらいですか...
彼はいつまでも仰向けで倒れているのも、なんなので
ひとまず起き上がる事にした。
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
先程ルイズと呼ばれた少女はかなり必死に、
もう一回やらせてください!とか、
お願いです!とか、叫んでいる。
「なんだね。ミスウ゛ァリエール」
「あの!もう一回召喚させてください!
絶対!
あんなのとなんて無理です!
生理的に受け付けられません!」
『…そこまで言わなくてもいいじゃないですか…正直かなりショ...
……しかし、…召喚?まさか、…本当に…?』
「それはダメだ。
ミスウ゛ァリエール。」
「どうしてですか!」
「決まりだよ。
二年生に進級する際、君達は使い魔を召喚する。
今、やっている通りだ。」
『使い魔…魔法使いの召使の事ですね』
「それによって現れた「使い魔」で、今後の属性を固定し、
それにより専門課程へと進むんだ。一度呼び出した「使い魔」...
何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからだ。好むと好まざ...
『…………。』
『え゛。私?』
「でも!平民を使い魔にするなんて聞いた事がありません!」
ルイズがそう言うと、再び周りがどっと笑う。
ルイズは、その人垣を睨み付ける。
それでも笑いは止まない。
起き上がってから(膝を抱えて座ってるけど)Lが理解したのは
@記憶、能力等は死ぬ前と同じ。
A私が今いるのは豊かな草原であり、
遠くに城が見える位置。つまり、絶対日本じゃない。
B自分はこのルイズという少女に召喚されたが、彼女は私を生理的...
Cあの禿中年の名前はミスタ・コルベール
D彼達は恐らく魔法使い。
E今自分の頭脳には、あんむぁ〜い物が即刻、早急、速やかに必...
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
しかしLも現時点では、理解出来ない事があった。
何故自分は死んだ筈なのに生きていているのか、
キラや日本がどうなったのか、
何故、少年少女達が自分を奇異の対象で見ているのか、
ここがどこで、目の前の少女が何を自分と何をするのを嫌がっ...
当然の事ながら、
ゲームのようにこれらの謎を説明してくれる親切な妖精的存在...
Lはとりあえず何から推理しようか、と考える。しかし、
ミスタ・コルベールが諭すように話し始めたので少し推理を中断する。...
「これは伝統なんだ。ミス・ウ゛ァリエール。例外は認められない。
彼は……」
ミスタ・コルベールとやらは、彼を指差した。
「ただの平民?かもしれないが、
呼び出された以上、君の「使い魔」にならなければならない。
古今東西、人を使い魔にした例はないが、
春の使い魔召喚の儀式のルールはあらゆるルールに優先する。
彼には君の使い魔になってもらわなくてはな」
「そんな…」
ルイズはガックリと肩を落とした。
「さて、では儀式を続けなさい」
「え゛〜。あんな気持ち悪いのとですか?」
彼女は心底嫌そうにLを一瞥する。
『どうやら彼女は 私を落ち込ませる天才のようです…。』
「そうだ。早く。次の授業が始まってしまうじゃないか。
君は召喚にどれだけ時間をかけたと思ってるんだね?
何回も何回も失敗して、やっと呼び出せたんだ。
いいから早く契約したまえ。」
そうだそうだ、と野次が飛ぶ。
ルイズは、はぁ、と困った顔で溜息をつく。
さすがにそこまで言われて憤らない人間はいないだろう。
もちろん彼も例外ではない。
いくら変人でも感情はある。
「嫌です。」
とたんに周りは静まり返る。
いつもは感情が窺えない声が少し怒気を含んだものになってい...
「私は誰の下にもつきません。そこまで馬鹿にされては私だっ...
使い魔とやらは他を当たってください。」
ルイズは冷汗をたらしてうっ…、と なって後ずさる
たしかに少し言い過ぎた事は彼女も自覚していた。
それにもし、彼に拒絶されれば、
また後で皆に
「呼び出した使い魔と契約すら出来ないのか」とか馬鹿にされ...
彼女は仕方なく小声で謝った。
「わかったわ。謝るからお願い。」
しかしLは、ぷいっ、とそっぽを向く。
が、
断るのかと思いきや
「…私が要求する量のお菓子を毎日用意していただけるなら話は...
と言ってきた。
ルイズは、なんだそんな物でいいのか、とほっとする。
そして答えた。
「ええ。わかったわ。約束する」
その言葉を聞いてLは、にっこり微笑む。
「わかりました。では契約成立です」
ちなみに、ルイズはこの約束をした事を激しく後悔する事になる...
ルイズは手に持った、小さな杖をLの目の前で振る。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ウ゛ァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。
この者に祝福を与え、
我の使い魔となせ」
朗々と、呪文らしき言葉を紡ぐ。
すっと、杖をLの額に置いた。
「いい?爪を噛むのを止めて、目を瞑ってじっとしてて。」
「 ? 何故ですか?」
「いいから。
ね゛?」軽く凄む。「わかりました…」
Lは目を閉じた。ルイズはLの頭を左手で掴んだ。
「ん………」
ルイズの唇が一瞬だけLのそれに重ねられる。
「〜〜〜〜〜〜〜!」
『…人にキスされたのは初めてですが、
初めては…ミサさんが良かったです…。』
※「てめぇ、してもらっといて何ほざいてんだコルァ!」と思われ...
「終わりました。」
ルイズは羞恥で顔を真っ赤にしていた。
「…彼女が何故契約を嫌がっていたのかよくわかりました」
少し落ち込んだ声だが、Lは相変わらず無表情で爪を噛む。
「〈サモン・サーウ゛ァント〉は何回も失敗したが、〈コントラクト・サーウ゛ァント...
コルベールが、嬉しそうに言った。
「ふんっ。相手がただの平民だから〈契約〉出来たんだよ」
「そいつが高位の幻獣だったら〈契約〉なんか出来ないって」
何人かの生徒が笑いながら言った。
「いい加減にしてください。」
Lは親指の爪を噛みながらそう言い放つ。
Lの不気味さは、人に有無を言わせぬ力があるようだ
人垣はまた静まり返った。
「彼女はきちんとやり遂げました。彼女の努力を馬鹿にするの...
…人として間違っていると思います。」
人垣はしばらく面食らっていたが、
復活したらしく
、誰かが、
「なんだよ、ゼロのルイズに呼び出された平民のくせに。生意気な...
でも、お前も不運だよな〜。
失敗ばっかのゼロなんかに召喚されて!」
と吐き捨てるように言う。
Lが何か言い返そうとすると、
「馬鹿にしないで!私だってたまにはうまくいくわよ!」
ルイズが参戦した。
「でも、本当にたまに、よね。ゼロのルイズ。」見事な巻き髪とそ...
「ミスタ・コルベール!《洪水》のモンモランシーが私を侮辱しました!」
「誰が《洪水》ですって!
私は《香水》のモンモランシーよ!」
「あんた小さい頃、洪水みたいなおねしょしてたって話じゃな...
「よくも言ってくれたわね!ゼロのルイズ!ゼロのくせになによ!」
「こらこら。貴族はお互いを尊重し合うものだ」
「…女の子は怖いです。」
Lがボソッと呟く。
が、次の瞬間Lの顔が苦痛に歪む。
「ぐうっ!ぐあぁああぁあぁあぁあ」右手で左手首を掴んで叫...
「あ゛、熱いです!」
ルイズが苛立たしそうな声で言った。「すぐ終わるわよ。待って...
「き、聞いてません!」
「聞かれてないからね。」
「…もう少し契約内容を確認するべきでした…。」
今更後悔しても後の祭りだったが。
しかし熱いのはほんの一瞬だった。すぐに体は平静を取り戻す。
「ふぅ。ひどい目にあいました。」
また爪を噛み、左手をジーパンのポケットに戻そうとすると、
コルベールが寄って来て左手を掴み、Lの左手の甲を確かめる。
「何するんですか?」
が無視される。
ふと見ると
自分の左手の甲には、見慣れない文字が踊っていた。
『ルーン文字のようですが…読み方は調べた事はないですね…それに』
「どうやら本当に手品の類いではないようですね」
「ふむ………」
「珍しいルーンだな。」とコルベールが言った。
「そうなんですか?」
が、
コルベールは相手にしてくれない。
「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」
『ここでは無視するのが常識なのでしょうか…』
少し傷つく。
コルベールはきびすを返して宙に浮く。
他の生徒の連中も一斉に宙に浮く。
浮かんだ全員はすぅっと、城のような石造りの建物へ向かって...
「ルイズ!お前は歩いて来いよ!」
「あいつ《フライ》はおろか、《レビテーション》すらまともに出来ない...
「その平民、あんたの使い魔にお似合いよ!」
口々にそう言って笑いながら飛び去って行く。
ルイズはLと二人きりになると、溜息を着いた。
それからLの方を向いて、大声で怒鳴る。
「あんた、なんなのよ!」
「それはこちらのセリフです。
それとここはどこですか?」
「ったく、どこの田舎から来たか知らないけど、説明してあげ...
「…東京はこんなド田舎ではないですが。」
「トーキョー?何それ。どこの国?」
「日本です。」
「なにそれ。そんな国、聞いた事ない」
「そうですか。
それでここはどこですか?」
「トリステインよ!そしてここはかの高名なトリステイン魔法学院!」
「私は二年生のルイズ・ド・ラ・ウ゛ァリエール。今日からあんたのご主...
「…わかりました。ご主人様。
ところであの空を飛んで行った人達は本当に魔法使いなんです...
「そうよ。」
「あなたもですか?」
「そうよ。」
「じゃあ、早く魔法使って帰りませんか?私も空を飛んでみた...
まさか飛べない訳ではないでしょう?」
ぷちっ。
眠れるドラゴンを起こしてしまう。
「…あんた、知っててそれ言ってんのね?
私に喧嘩売ってんのね?」
ルイズの目が真紅の警戒色を放つ。
「?意味が分かりません。」
ルイズは険しい表情になって質問する。
「…………なんであんたはのこのこ召喚されたの?」
Lは不自然なまでに首を横に捻って答えた。
「さあ?私にもよく分かりません。」
「このウ゛ァリエール家の三女が…………。由緒正しい旧い家柄を誇る貴...
「少なくとも私のせいではありませんが。」
「…………契約の方法がキスなんて誰が決めたの?」
「少なくとも私が決めた訳ではないですが」
「なんで私があんたみたいな生き物にまで馬鹿にされるの?」
「私は別に馬鹿にしては……」
「黙れ。」
ルイズのほとばしる熱いパトスが拳に集約され、Lの顔面に開放さ...
「ファーストキスだったんだからね!」
『私もです。』
Lは気絶した。
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
「それほんと?」
ルイズが、疑わしげにLを見つめてながら言った。
手には夜食のパンを握っている。
(Lは厨房でもらってきたペロペロキャンデーを舐めていた。)
二人はテーブルを挟んだ椅子に腰掛けている。
今しがたまでLは自分が死ぬ直前の話を手短に聞かせていた所...
ここはルイズの部屋である。
十二畳程の大きさだ。
窓を南向きとするなら、西側にベットが置かれ、
北側に扉があった。
東に大きな箪笥がおいてある。
どれもこれも高価そうなアンティークに見えた。
Lは気絶から目覚めた後に、ここまで連れてこられたのである。
「私が嘘をつく必要がありますか?」
Lは親指の爪をガリガリ噛みながら答えた。
ルイズが不満気に
「…はいはい。
…ねぇ、その爪を噛むのと変な座り方するの止めてくれない?
気持ち悪いわ。」
と言うと、
「ああ。私はこの座り方でないとだめなんです。一般的な座り...
推理力が40%減です。」
と言い返された。「推理って…。何を推理するってのよ…。」
ルイズは、Lのあまりの変人ぶりに頭を痛める。
「じゃあせめて、爪噛むのを止めてくれない?」
「いえ、私はこうしていないと落ち着かないんです。
一般の落ち着き方だと、集中出来なくて推理力35%減です。」
「なんか、あんたとしゃべっていると疲れるわ…。」
「そうですか」
「「……………。」」
お互いに暫く沈黙する。
「それにしてもこの世界は変わっていますね。」
先に沈黙を破ったのはLの方だった。
「日本から見えた月の約二倍の大きさもありますし、
一つではなく二つです。」
「…信じられないわ。それに、
この世界よりも
あんたの方が変わってるんじゃないの?」
Lはペロペロキャンデーに厨房でもらってきていた蜂蜜をかけている...
「…ねぇ。あんたほんとのほんとに一回死んだの?
今は生きてるじゃない。」
「はい。死にました。それから」
Lは蜂蜜がけペロペロキャンデーを頬張りながら答えた。
「あなたが私を召喚してくれた時、
墓の中からこの世界に来るまでの間
に私が生き返った秘密があります。…日本に生きて帰れるかどう...
「あんた自分から、私と契約したくせにもうホームシック?」
ルイズは呆れてそう言った。
「いえ。そういう訳ありません。
それに、帰るまではここで働きますが、
私にはどうしても、どんな手を使ってでも、必ず生きて帰らな...
「…ふーん。なにそれ。」
「私の初めての友達を止める事です。」
「…あんた友達いたの?」
ルイズは少し驚いた顔で聞く。
「失礼ですね。私にだって友達はいます。」
「どんな人?」
「そうですね…。」
チャチャッチャ〜ッチャラチャッチャチャラチャ〜チャッ
弥海砂のセカンドシングル「DEVIL’S・EYE」の着メロが携帯から聞こ...
びっくりしたルイズが、「な、なによ!何ごと!」と騒ぐ。
携帯を摘んで取り出しその画面を見て、Lは僅かに表情を固く...
月君(キラ)
「すいません。少しの間、静かにしていて下さい。」
Lは椅子から飛びおり、猫背の背中を少しのばして
電話にでた。
「もしもし」
「久しぶりですね月君。」
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
日本キラ対策本部はLがいた時に比べて、少し整理されていた。
Lが食べ残した
大量のお菓子は食べる者がいなくなった為に、
冷蔵庫という名の牢獄に終身刑になった。
L専用の隠し倉庫 にあった、
弥海砂のファングッズもBOOK・OFFに姿を消し、
各国家の大統領に繋がる携帯電話の数々も、全て最新式の機種...
…もうこれで、あいつの痕跡はなくなった。
あいつの事は思い出す事もないだろう。
…これからは全部、僕の思い通りだ。
夜神月はそうほくそ笑むと、にやつくリュークと一緒に自室へ戻っ...
部屋に戻ってから月は椅子に座って優越感に浸る。
…今日も馬鹿共を騙した…。
やはり流河がいないと温い…。
リュークが林檎を囓りながら期待した声で話しかける。
「月。誰もいないし久しぶりに二人でマリオゴルフしない?
俺だいぶ強くなったぜ。」
「ああ。また後でね。」
?もう8時か。
そういえばミサの帰りが遅いな…。いつもは6時頃には帰って来て...
……まさか、デスノート が誰かに見つかったか…?
もちろんあくまでも、大事なのは
ミサではなくデスノートだ。
………念の為に電話しとくか…。
月は携帯を取りだし、ミサとのデスノート関係の事を話す専用の携帯...
もちろん盗聴出来ないようにしてあり、履歴も全て消させてあ...
海砂
第2携帯電話
プルルルル、プルルルル、プルルルル…
ガチャ。
「もしもし。」
それは弥海砂のかわいらしい声ではなく、
聞き覚えのある二度と聞きたくない男の声だった。
「久しぶりですね月君。」
背中に脂汗が滲む。
「…あんた誰だ。それはミサの携帯だぞ」
「覚えてませんか?
私はLです。
それに、これは私の携帯です。
月君が掛け間違えたんじゃないですか?」
そんな馬鹿な…。僕がそんなミスをする訳が…
携帯の画面を見ると確かにミサではなく、
L(馬鹿)
と表示されていた。
操作、ミスった…。
これじゃあ僕が馬鹿じゃないか…。
「お、お前…!何故生きている!死んだ筈だろ!」
「はいそうです。
確かに私は死にました。
何故生き返ったのかは私にもわかりませんが。それよりも」
…まてよ…まさか捜査本部の連中が僕を疑っていて、
Lが録音しておいたものを流し、僕がキラだと自白させるつもり...
または変声機か何かで…?
「……………。」
「私は今…、
?
月君どうかしましたか?」
「流河。お前が死んだ時の僕の顔はどんな表情だった?」
「…なるほど。
私が本物かどうか、ですか?
わかりました。証明しましょう。
…物凄い気持ち悪いニヤケ顔でした」
本物…だ…。何故生きて…
「流河。今どこにいるんだ?」
「はい。それを今言おうと思っていた所です。
…私にも信じられないのですが…
私は今、異世界にいます。」
「…流河。冗談はよせ。」
「私は冗談は苦手です。」
「………。」
ぶっちゃけ対応に困る。
「月君、いえ“キラ”。
私はまだ負けたつもりはありません。
あなたは私を殺せませんでしたから。なので
この勝負の決着は、まだ着いていません。」
「……………。」
「私が死んでからどれだけ時間が経ったのかはわかりませんが、
必ず生きて日本に戻り、
自分の犯した罪を自覚させ、
私の子供達に渡してある
“ある確たる証拠”を突き付けて」
「必ずあなたを死刑台に送ります」
…つまり、流河が異世界?から戻って来るまでに新世界を作れば...
流河が帰ってきた時に新世界が完成していなければL+子供達...
…確かにL一人でも手に負えないのに+Lの子供ではいくら僕で...
Lの本名が書いてあったページはレムの嫌がらせでちぎられてたか...
ミサの死神の目もLの写真や映像は、
どこにも残されていないし、
Lがどこにいるのかわからない以上、無意味に等しい。
それにあいつはデスノートに名前を書かれて死んだのに生き返った…...
名前を書かれても回避する方法を見つけた…?
だとしたら、
もうデスノートでLを殺す事は…。
圧倒的に不利な状況なのが悔しくて、月はイヤミたっぷりに言い返...
「…負け犬の遠吠えにしか聞こえないよ…。“L”。」
「“月君”。私は‘あなたの友達として’
あなたを止めてみせます。」
「………上等だよ“流河”。
……じゃあ友達として少し意見交換しないか。
今までキラとLという立場上そういう話は出来なかった
しね。」
「ええ。いいですよ」
「…流河。君が信条とする正義、法律が裁けない犯罪者のせいで、
壊されていく幸せがどれだけたくさん存在しているか知ってい...
月は救われなかった命を代弁し、責めるかのようにLを詰る。
「…はい。知っています。
確かに、私もそういう人々は見てきました。
法律で救えなかった命はたくさんありました。」
「それなら何故!
完全な罰を与える事が出来て!よりたくさんの命を救えるキラよ...
不完全で甘過ぎる裁きしか出来ないせいで!救えない命を出し...
「…月君。確かに法律は完全ではありません。それを作った人間...
Lは、まるで、誰かを偲ぶような声で続けた。
「人々が生きてきた歴史の中で、
愛する者、
かけがえのない者を守ろうとしてきた想いの結晶が法律です。
…私は、正義と、そしてその名の下に希望を持ち続ける人々がい...
法律の下の正義を信じ続け、そして守り続けます。」
「…流河。
どうしようもないクズ人間の犯罪者を裁いて!
世界中の犯罪を7割減少させ!
世界に必要な存在となったキラをお前はまだ悪だって言うのか!」
「はい。私の中では例え、どんな成果を出そうとも、
キラはあくまでも悪です。
確かに、月君の言う通り世の中にはそう言った犯罪者は少なく...
ですが
だからと言ってあなたに、
誰が死に、
誰が生き残るか、
という事を決める権利は誰にもありません。
人の命を踏みにじる月君のそれは、
私の中では絶対的な悪です。
たくさんの人々を殺して作る平和は、真の平和ではありません。
あなたは断じて正義ではありません。
むしろ、それは正義への冒涜です。
私は月君を正義とは認めません。
私が『L』である限り」
Lの言葉には、微塵の揺らぎも感じられなかった。
それが宿命であり、
使命であり、
Lが『L』である事の存在意義である、
とでも言うかのように。
「…流河。どうやら僕達はどうしても相容れないらしいな。」
「ええ。
残念ですがそのようです。」
「…そうか。
わかった。ありがとう流河。
参考になった。」
「…お役に立てて光栄です。」
「…じゃあまた。」
「ええまた。」
ガチャッ。
プー、プー、プー…
ピッ。
月は椅子にドカッと座って呟いた。
「残念だよ…L。
君が敵なのが…。」
「月。マリオゴルフしない?」シャリシャリシャリシャリシャリシャリ。
イラッ。
「ラーイートー!たっだいまー!」
ピキッ
「ごっめーん!ミサさ〜。
今そこで友達とあっちゃってさ〜。今までずっとしゃべってた...
「ありがとっライトっ!
あっ、あとね?晩ご飯何にも買ってないから♪
今から買ってくるね〜。」そう言って再び出ていく。ぐぎゅる...
月の腹が鳴る。
マジかよ…。お腹減って死にそうだってのに…。
「月〜。早くマリオゴルフやろうぜ〜」
シャリシャリシャリシャリシャリシャ
リシャリシャリシャリシャリシャリ
ぷちっ
その後、部屋には嵐が吹き荒れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜
「ええまた」
ピッ。
プー、プー、プー、プー、プー…。
「…もう声出していいかしら。」
「ええ。もういいですよ。」
ルイズは不思議そうに携帯を見つめて言った。
「なにそれ。見た事がないわね。
なんのマジックアイテム?」
「いえマジックアイテムとやらではありません。
携帯電話といいます。」
「ケータイ、デンワ?なにそれ。」
「遠い所にいる人と、話す事ができる機械です。」
「それで誰としゃべってたの?
」
「…さっき話した
私の友達です。」
「そう…。
ねぇちょっとそれ見せてよ」
Lは携帯を摘んでルイズに渡す。
「綺麗ね…なんの系統で動いているの?風?水?」
携帯の画面には、白地に黒で『L』とレンタリングされていた。
「魔法ではありません。電気です。」
「よくわからないわ。」
「そうですか。
ところで私が帰る魔法はないんですか?」
「ええ。私が知る限りは無いわね。」
「召喚の魔法はどうなんですか?」
「サモン・サーウ゛ァント?無理よ。
サモン・サーウ゛ァントはハルケギニアの生き物をよびだすのよ。
普通は動物や幻獣なんだけどね。
人間が召喚されたのは初めて見たわ」
「もう一度唱えたら帰れるかもしれないのでは?」
「それも無理ね。サモン・サーウ゛ァントは呼び出すだけ。それに今は唱...
「何故ですか?」
「サモン・サーウ゛ァントを再び使うにはね。」
「はい。」
「一度呼び出した使い魔が死なないといけないの。」
「…それは少しご遠慮頂きたいですね。」
「でしょ。
だから暫くはあたしの使い魔で生きなさい。ご飯と宿くらいは...
「…ありがとうございます。後お菓子もお願いします。」
「はいはい。
さてと。しゃべってたら眠くなっちやったわ。」
ルイズはふわ〜と欠伸をした。
「そういえば私はどこで眠ればいいんですか?」
ルイズは床を指差した。
「布団はどうすれば?」
ルイズは毛布を一枚投げて寄越してきた
それから服を脱ぎ始める。
「…私は外にでましょうか?」
「何?外で寝る気?」
「いえ、着替えを覗かれたくないかと気を使っただけです。」
「あっそ。別にいいわよ。使い魔に見られても何とも思わない...
『何故か少し悲しくなりました。』
「じゃあこれ明日になったら洗濯しといて」
とレースのキャミソールにパンティを投げてきた。
「早速仕事ですか?」
ルイズは眠そうに答えた。
「そうよ。あんたは私の使い魔でしょ?
掃除、洗濯、雑用、当然じゃないの…」
ルイズはベットの中で
ぱちんと指を鳴らしてランプを消し、
さっさと寝てしまった。
Lは双月を見上げ、溜息を着いた。
「ワタリ。私の世話をしてくれていた
あなたの気持ちが少しわかった気がします…。」
〜終〜
いかがでしたでしょうか。ご意見ご感想、随時心よりお待ち申...
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