ゼロの使い魔保管庫
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// いくらwikiとはいえ、いくらなんでも更新のやり方がおかし...
// せめて1項目は1回の更新で書き終えてくれ、というか未完...
//
// それとさ、ここまで何回も何回も書き足していくのがOKな...
// 当然他の誰かが勝手に改訂して話を書き換えるのもOKって...
異端審問事件の後ティファニアの人気は全学院レベルになった。
ある日の昼食、テファの周りには数十名の学生が男女を問わ...
「今度の虚無の曜日遠乗りに行きましょう」「あなたのために...
などの声が離れたテーブルにいる才人達に届く。
「以前よりも取り巻きが増えたなあ」
「当然だね。あれ程の事をされて『お友達になりましょう』な...
「だろうな。誰かさんもテファの半分、いや十分の一でも心が...
「百分の一でも十分だろう」
わははは・・と才人の周りの水精霊騎士隊連中が笑う。
「とはいえ助け舟を出してやりたいんだが、なにかいい手は・...
タバサが目に入り、才人は閃く。
相談すると「わかった」と快諾してくれた。
「テファ今度の虚無の曜日、子供達に会いにトリスタニア修道...
「本当!うれしい!!でもサイト馬持っていなかった?」
「持っているけど、テファを乗せたらうまく走れないと思うか...
「どうして?」
「えっ!えーとね、そのね、テファを後ろに乗せるとね、その...
周りの男子から「あっ!」という声がした。才人の言ったこ...
(この後、テファに遠乗りのお誘いは激減した)
「じゃあ出発は、9時でいいか?シルフィードなら1時間かから...
「うん!いいよ。じゃあ私お弁当作るね!3人分でいいのかな?」
「ああ、いいんじゃ・・」
「ねえ犬」
ドスの利いた聞きなれた声が聞こえた。
「あんたてっばほんとに種まきに余念がないわね。きっ聞こえ...
「ちょっと待てー。人の話はちゃんと全部聞けー。お前の悪い...
「そうやって今まで何人の気を引いてきたと思っているの?あ...
「確かにそうかもしんねぇけどよ、子供達だってテファに会い...
「分かったわよ。じゃあ私も一緒に行く。いいわよね?」
「テファ、いいか」
「うん。もちろん」
「いいてっさ」
「まったくこの犬てっば、ご主人様に何のお伺いも立てずに決...
当日 才人は、いつもより早く目が覚めた。ルイズは爆睡中...
そこで才人は異様な光景を目の当たりにした。休日の早朝に...
「あれっ?俺日にち間違えたっけ?」不安になり近くの人に聞...
間違いじゃない。ではこの状況はなぜ?厨房にシエスタの姿...
「シエスタ」
「あ、サイトさん、おはようございます。早いですね、まだ6...
忙しそうに何か作っている。
「おはよう。何作っているの?」
「今日、貴族の皆様が、大勢トリスタニア出かけるとの事でお...
「こんなに早く?」
「ええ、何でも10時くらいには着きたいとか。馬車だと4時...
10時にトリスタニアだと?まさかこいつら全員・・
そうこうしているうちに食堂は、がらがらになった。
暫くして才人が食事をしていると、ギーシュ達がやって来た。
「おはようサイト」
「ああ、おはよう。めずらしいな、休日にこんなに早く起きて...
「目的地は君と一緒さ。尤も僕らは馬だから君らよりは先に出...
「何しに行くんだよ?」
「金色の妖精と天使の戯れる姿を見にね」
「モンモンに言いつけるぞ」
「安心したまえ、モンモランシーは僕と一緒に行くから」
「暇なやつらだなあ」
「いいじゃないかね。尤も他の連中は、『将を討たんと欲せば...
「まったく」
ギーシュ達と無駄話しながら食事をする才人であった。
さて「眠り姫」を起こすとしますか。
「ルイズ、ルイズ朝だぞ、起きろよ」
「今日は休みよ!もう少し寝る」
「わかったよ。俺たちだけで修道院へ行ってくるよ」
と言うとベットから飛び起きた。
「ちょっと今何時よ!」
「8時くらい」
「もっと早く起こしなさいよ。時間無いじゃない」
「余裕じゃねぇか」
「女はね、準備に時間がかかるの」
6時頃出発した連中は、一体何時に起きたんだろう?と考える...
準備万端整って部屋を出ると、ルイズは立ち止まり部屋に戻...
それは「始祖の祈祷書」であった。
「どうしてそんなもん持っていくんだあね」とデルフ
「ここんと『これがあれば』ていうことが続いたじゃない。念...
「さよけ」
9時近くになり中庭に出ると、テファ達以外にベアトリクス率...
「何してんだ?」
「ティファニア様の護衛に決まってますわ」
「まさか一緒に来る気か?」
「当然ですわ」
遊びに行くんだぞ、戦争しに行くんじゃねぇぞと思ったが、...
数十分後トリスタニアの街並みが見えてきた。
テファの顔は、うれしそうに微笑んでいた。
下を見ると馬や馬車が大量に走っていた。一遍にあんなに貴...
程無くして修道院に到着した。
子供達がこちらを隠れるように見ていたが、テファを見付け...
「ジャック、サム、ジム、エマ、サマンサ」【7巻 256P】と言...
「みんな元気だった?病気とか怪我とかしていない?」
「うん!擦り傷は一杯あるけど、みんな元気だよ」
「お姉ちゃん、今日はどうしたの?」
「みんなと遊ぶために来たの」
「わーい、やったー」
子供達が歓声を上げた。
「あっサイト兄ちゃんも来てる」
「ほんとだ」
「怖いお姉ちゃんも一緒だ」
「竜の上でサイト兄ちゃんとキスしたお姉ちゃんもいるよー」
ルイズは、ぷるぷる震えていた。タバサは、何時も通りの無...
「テファ姉ちゃん」
「なあに、エマ」
エマと呼ばれた少女がテファを引っ張って内緒話を始めた。
「お兄ちゃんともうキスはしたの?」
一瞬でテファの顔は真っ赤になった。
「す・・する訳ないでしょ。サイトとは、お友達、お友達なん...
「そんな事だとお兄ちゃんを射とめられないよ!私の見た所お...
「何でそんなことが分かるのよ」
「だって一番関係が深いのは、ルイズさんでしょ?でもあの様...
随分おませな少女である。その上結構鋭い。
「お兄ちゃん軽そうに見えて結構堅物ぽいから本気で攻めない...
「落とすだなんてそんな・・」
「私達はお姉ちゃんの味方だからお姉ちゃんに協力するね」
「何するつもり?」
「へへへ・・内緒」
どちらが年上か分からない会話であった。
所変わって1週間前の黒い森(ガリアとゲルマニアに跨る超広...
その上空にガーゴイルに乗った一人の女がいた。
「この森に生きるドラゴン達よ。トリスタニアを破壊せよ」...
その数およそ100頭。
「あんたは、先頭に立って霧を発生させながら飛んで行きな」
と言って一頭のドラゴンに雫を垂らした。
このドラゴン、普通のドラゴンではなかった。全身が黄金色...
「ヨルムンガントの改良型が完成するまでこいつらと遊んでな」
と言ってほくそ笑んだ。
再び修道院。
今ここでは壮大な鬼ごっこが繰り広げられていた。
「何が悲しくてこの年で鬼ごっこしなきゃいけないの?」
「主役は子供だからな」
「ふっんとに」
「ルイズ、君は鬼ごっこ大好きじゃないのかね?」
「何でよ」
「しょっちゅうサイトと…ぐえっ」
ギーシュは、一瞬で突っ伏した。
今ここでは、テファの気を引こうとしている(色々な意味で...
一方肝心のテファは、子供達と才人を交互に見ていた。
子供達が何をしでかすか気が気ではなかったのだ。
「サイトに迷惑掛けないでよね。嫌われるようなことしないで...
と他の事は、全く目に入らなかった。
同日午前8時頃トリステイン王宮
「陛下、数日前より東方で発生している濃霧ですが、自然の物...
「どういう事ですか?」
「簡単に申しますとトリスタニアを目指しているようです」
「なんですって!」
「軽率かもしれませんがガリアが攻め込んで来ていると思われ...
ガリアならあり得るわね。
「では竜騎士隊2個中隊を現地に向かわせて、風魔法で霧を飛ば...
「陛下、現在王軍は、二千名程しか居ません。もし1万を超える...
トリステインは、先の戦争から4ヶ月しかたっておらず、その...
「霧はあとどの位でこちらに来ますか?」
「あと4時間ほどかと」
「では諸侯軍は、間に合いませんね。一番近い所でも派兵まで3...
「4時間あれば20隻程来れるかと」
「30隻は来られるようにしてください」
「畏まりました」
2時間程して竜騎士隊が戻ってきた。皆一様に焦燥と驚きと悲...
「大変でございます。霧の中には、レッサードラゴンの大群が...
「そんな有り得ないわ。ドラゴンが徒党を組んで攻めてくるな...
「事実でございます」
周囲は騒然となった。
当然だろう。レッサードラゴン1頭で1個中隊(百名前後)...
メイジにしてもドラゴンは、恐ろしく厄介な存在だ。
成竜の鱗は、スクウェアメイジでも傷つけられない。
効果のある場所は、目・口の中など極限られた場所しかない。
しかもレッサードラゴンはブレスを吐かないので、口を開け...
ゴールドドラゴンにしても弱点は同じだと思われるが、なに...
王国・軍首脳部は頭を抱えた。現戦力では全く太刀打ちでき...
「住民を避難させましょう」と言う意見が出た。しかしトリス...
ハルケギニアは、街から少しでも離れれば魔獣や幻獣などと...
又その脅威以外にも盗賊団や人攫いの集団などの危険も多く...
つまり避難は、見捨てることとほぼ同義なのだ。選択したく...
戦っても逃げても結果はほぼ同じと言えた。
「ミス・ヴァリエールとその使い魔の少年に出撃を要請しまし...
マザリーニ枢機卿が発言した。
「彼ら以外にこの状況に対応出来る‘力’は、我々には有りませ...
「ルイズ達を捨石にするつもりなのですか?」
「そのようなつもりは御座いません。彼らで対応できなければ...
「私はヴァリエール公に『ルイズを戦いの道具にしない』と約...
「国が滅ぶかどうかの瀬戸際です。ヴァリエール公も理解なさ...
「しかし」
「命令ではなく『要請』です。戦うか戦わないかは、彼らの判...
「詭弁です。このような状況で彼らが拒否する筈ありません」
「他に手立てが御座いません。時間も御座いません。ご決断を」
………………
「至急ルイズ達に要請を行ってください」
苦々しくアンリエッタは言った。
「ルイズ達を捨石にしないためにも、こちらも戦闘準備を整え...
「畏まりました」
時刻は10時、竜騎士が魔法学院との往復で約2時間弱ドラゴン...
戦列艦で砲撃…無駄ね、ゴールドドラゴンに効く訳ないわ。逆...
「陛下、只今市街外郭に土塁と堀を三重に作成を命じました。
又市街東側地域の住民には、西側に移動するように命じまし...
「ご苦労様です。それでどの程度持ち堪えられますか?」
「5分、長くて10分と思われます」
「もっと多く作れませんか」
「数だけならいくらでも作れますが、ドラゴンの突進に少しで...
「そうですか。ではゴールドドラゴンの足止め方法は何かあり...
「残念ながら何も御座いません」
「やはりそうですか」
「申し訳ありません」
「相手が神に等しき力の持ち主だけ人智では無理がありますわ...
「では戦闘配備の方はどのくらいで完了しますか?」
「12時までには完了します」
「分かりました」
11時50分頃 再び修道院
「辺りがなんか騒がしいなー」
「あんたちょっと聞いてみなさいよ」
「ああ」
「どうしたんですか?」
「王政府の方からね『東の方からドラゴンの大群が来てるから...
「それならもっと安全な場所へ避難しないと」
「どこへ?」
「他の町とか近くの森とか」
「何言ってんだい!護衛も無しにそんな事したら危険じゃない...
そうか、ここは日本じゃないんだっけ。危険だらか避難すれ...
「大群てどのくらい?」
「なんでもレッサードラゴンが100頭くらいに100メイル以上も...
「そうですか。気をつけて」
「デルフ」
「なんだね、相棒」
「今のドラゴン、説明して」
「レッサードラゴンっていうのはな、他の竜と違って、空は飛...
「そんなに凄いのか、ゴールドドラゴンて言うのは」
「ああ、だがそれだけじゃねぇー。ブレスも火竜よりも遙かに...
「どんな魔法?」
「簡単に言えばエクスプロージョンの何倍も強力だ」
「そんなに?」
「あぁ。けどおれっちもゴールドドラゴンのこと全部知ってい...
「デルフでたったそんだけ?それじゃ人間が生きている間に見...
「あぁ、奇跡に近い確率だぁね。だからゴールドドラゴンが自...
「ゴールドドラゴンを操れるマジックアイテムて一体」
「恐らくアンドバリの指輪だと思う」
「ウェールズ皇太子に偽りの命を与えたやつか」
「それ以外考えられねぇな」
「水精霊騎士隊全員集合!」
「サイトどうだったのよ」
「今説明するから」
「サイト、一応隊長の僕に一言声を掛けてからにしてくれない...
「緊急事態なんだよ。そんなの構ってられるか」
「一体どうしたんだね」
「今聞いたんだが、東の方からゴールドドラゴンとレッサード...
「一大事じゃないかね。で、後どの位でこっちにくるんだね?」
「そこまではわかんねぇよ」
するとタバサがシルフィードとともに空から降りてきた。
「今『遠見』の魔法で調べた。市街外郭まであと5分から10分と...
「そんなに近くまで来てんのか!それじゃ早く東側へ行こうぜ」
「今からじゃシルフィード以外間に合わない。それに何の対策...
「レッサードラゴンなら少しくらいなら何とかなると思う」と...
「本当かね。一体どういう作戦があるんだね」
「レッサードラゴンの口の前に牛や馬などをレビテーションで...
「そう都合よく口を開けてくれるかね」
「絶対開ける。なぜなら奴らは、外国から来ているからだ。ト...
「じゃあその時を逃さず集中攻撃すればいいわけだね」
「あぁ。ただ攻撃は、火と風メイジで土メイジは誘導と防御、...
「治療なら私達もお手伝いいたしますわ」
ケティ率いる女子援護団が申し出た。
「気持ちは有り難いが危険だよ」
「危険から逃げているばかりじゃ貴族とは言えませんわ。戦闘...
「僕(私)達も手伝うよ」
「君達」
「理由はその子と一緒。メイジは一人でも多い方がいいだろう」
遊びにきていた学院生は一斉に頷く。
「わかった。では世間に我々魔法学院の力を知らしめようでは...
「分かっているわよ。治療の指揮は私が執るわ。でもギーシュ...
「もちろんさ。君を置いて死ねるものかね」
「分かっているならいいのよ」
「ゴールドドラゴンの方はどうするのよ」とルイズ
「何とかするのは、俺たちの役目だな」
「簡単に言わないで。倒せる方法あるの?」
「ない」
「あんたねー」
「ボロ剣何かいい方法ない?」
「そうさね、100メイル以上のゴールドドラゴンとなるとトリス...
「じゃあどうすれば…」
突然「始祖の祈祷書」が光り輝いた。
ルイズは急いでページを捲った。
「上の中の中…ラグナ・ブレイド」ルイズの頭の中に呪文のルー...
「ラグナ・ブレイド…神斬剣か。確かにこの状況は、この呪文し...
「神斬剣?!随分物騒な名前じゃない」
「あぁ、なにせゴールドドラゴンの様な神のごとき存在を倒す...
「どんな呪文なのよ?」
「文字通り虚無版ブレイドさ。但し、この呪文は、お前さんの...
「なんで私の杖じゃないのよ」
「この呪文はな、お前さんだけじゃ完成しねぇんだよ。担い手...
「どういうこと?」
「つまり担い手の魔力(精神力)とガンダールブの力(心の震...
「随分面倒な呪文ね。例えば光の矢みたいにして相手を貫く呪...
「そう言う呪文も確かあったな。だがこの呪文が出てきたって...
「どうしてよ」
「忘れたか?強力な龍語魔法を使うって言ったことを!良くて...
「なるほど。でもこの呪文も問題が多すぎよ!このルーンの長...
「いや、これが読めたって言うことは精神力の器はその呪文を...
「うっ」
痛いところを突かれたルイズであった。
「兎に角この呪文で勝てるんだな?」
「まだだ」
「へ?」
「この呪文は、相手の懐に入って斬り付けなきゃいけねぇ。だ...
「シルフィードの乗せてもらって攻撃を避けながら接近すれば...
「相手が並みの相手でここが無人の荒野ならな。今ここでそれ...
「じゃあどうすんだよ」
「真正面から突っ込んで斬り倒す。これしかないね。ラグナ・...
「でもそれじゃサイト死んじゃうじゃない」
「だからまだだと言ったんだ。娘っ子、指輪と祈祷書ハーフエ...
「わかったわ。テファ」
「はい」
ティファニアは受け取ると指輪を嵌め祈祷書を開いた。する...
「上の中の下…神衣」呪文のルーンが流れ込んでくる。
「神衣…ゴット・クロスかそれなら唱えきれば多分耐えられるな」
「多分なのかよ」
「ゴールドドラゴンと闘ったことねぇからな」
「サイト」
「なんだいテファ」
「私の今の精神力じゃこの呪文唱えきれないわ」
「テファもか。やっかいだな虚無の呪文は!」
「何かいい方法はないの?」
「サイト・テファ私に考えがあるわ」
「どんな?」
「テファ、サイトとキキキキスをして。嫌かもしれないけど今...
「テファの精神力が下がるんじゃねぇのか?」
「あ、あのねサイト下がらないと思うわ。でね私も精神力を引...
「うん」
「私の胸触って」
「ゑ?」
「以前サイトに触ってもらった時精神力が少し上がったの。で...
「ご両人、今ここでそれらをやれと?こんな大勢の前で?」
「し・・仕方ないじゃない。嫌だけどもう時間無いし、他に方...
「ねぇけど、テファいいのか?」
「う・・うん、サイト私とじゃ嫌?」
「そんな事はねぇけど」
「時間が無い。ゴールドドラゴンは市内上空に入って来た。王...
再びタバサが状況を教えてくれた。
「サイト迷っている暇ないわ」
「じゃあ、やるよテファ」
「うん」
ティファニアは目を瞑った。
才人は、ゆっくりとティファニアに近づいた。
才人の視界には、大勢の人間が映っていた。
ルイズ・水精霊騎士隊・学院の大部分の生徒・孤児達・野次馬
その眼がいろいろな意味を持って二人を見つめていた。
「やべぇ、き・緊張するー。これが終わったら変態の烙印確実...
そんな事を考え震えながらキスをした。
「サイトとキスしてるー。私の初めてのキス。なんだか頭がぼ...
ティファニアは、サイトの手を取ると自分の胸を触らせた。
「ちょっと待てー、確かに触ってと言われたがこっちの心の準...
硬直状態だったのでティファニアは、キスをしながら才人に...
「手を動かして揉んで。そうしないと精神力が上がらない」
才人の中でメガトン級の爆弾が炸裂した。
「如何に正当な理由が有るとはいえ、この先に進めと?取り返...
「早く」ティファニアが急かす。
「どうにでもなれ」と才人は凶悪な桃りんごを揉みまくった。
二人は、周りの状況を忘れ、二人の世界に没頭した。
間近で見ていたルイズからドス黒いオーラが立ち上り、そこ...
その昔、大魔神が大激怒した話があったが、その大魔神が裸...
一方、ティファニアの方は、才人とキスをしながら愛撫され...
「犬!いつまでやっているつもり。いい加減にしなさいよね!」
「ルイズ落ち着け!」
「分かっているわよ。詠唱するから準備しなさいよ」
冷やかに、しかしドスの利いた声であった。
「あぁ、分かったよ」
「俺様に作戦がある。眼鏡の娘っ子・太っちょとキザな貴族の...
「なんだいデルフ」
「相変わらず失礼な剣だな」
「どんな作戦」
「いいか、ゴールドドラゴンとの交戦場所は王宮上空だ」
「ちょっと待て、デルフ幾らなんでもそれは」
「ここしかねぇ。ここ以外で奴を倒したら被害がでかい。王宮...
「ちょっと待ってよ。確かにそうかもしれないけど、何の連絡...
その時一騎の竜騎士が舞い降りた。
「サイト・ルイズ殿出撃要請です」
才人と友人のルネだった。彼は王命で魔法学院に行ったこと...
「こんな近くに居たなんてな。一刻を争うのに往復時間が無駄...
「ルネ、俺達に作戦がある。これから言う事を姫様…いや女王陛...
才人は、デルフの作戦を伝えた。
「状況からして正しい作戦だが死刑と言われてもおかしくない...
「大丈夫だよ。姫様は理解してくれる。伝言頼んだぞ」
「わかった。必ず倒してくれよ。君達だけが頼りだからな」
「あぁ」
ルネは王宮に向かって飛び立った。
「デルフ、僕達は何をすればいいのかね?」
「まず、お前さんの魔法で花びらを沢山出してくれ。次に太っ...
「わかった」
「うまくいけば、レッサードラゴンも何とかなる筈だ。ラグナ...
「そんなに凄いのかよ」
「あぁ凄い。ま、娘っ子見りゃ聞くまでもないがね」
凄まじい怒りのオーラを発しながら朗々と虚無のルーンを唱...
世界が今終わっても可笑しくないと思える程の魔力のうねり。
詠唱による安心感がなければ死んでしまう程の恐怖を感じる...
トリステイン王宮
「ご報告いたします」
ルネは才人達の伝言を伝えた。
「分かりました。現状取り得る最善の方法ですわね。マザリー...
「倒せるでしょうか?」
「私は信じています」
「畏まりました」
「サイト殿どうか、どうかご無事で」
アンリエッタは、心の中で祈った。
修道院
ルイズとティファニアがそれぞれ虚無の詠唱をしている。
「相棒、良く聞け」
「なんだ、デルフ」
「さっきも言ったが、この呪文は俺達が力を合わせなければ完...
「そう言ってたな」
「この呪文で一番肝心なのはお前さんなんだよ」
「ルイズじゃないのかよ」
「いいから聞け。俺様が娘っ子の魔力を光の剣にするには、お...
「なんかアニメとかゲームの設定みてぇだなぁ。ガンダールブ...
「そういう事だ。俺様が言いたいのは、ここから能力全開で走...
「簡単に言うなよ」
「相棒ならできるさ」
そうこうしているうちに、ゴールドドラゴンは、王宮の上空...
地上ではレッサードラゴンが防壁群を突破して市中になだれ...
「ギーシュ・マリコルヌ頼んだぞ」
「応」
二人は、デルフの指示通りゴールドドラゴンへの架け橋を作...
「僕達は、レッサードラゴンの方へ行く。ゴールドドラゴンの...
「あぁ、お前達も死ぬんじゃねぇぞ」
「もちろんさ」と言って魔法学院の一団は、市中東側へ向けて...
彼らがレッサードラゴンと遭遇するまで5分と掛からない。そ...
「ルイズ・テファ準備はいいか?」
二人とも頷いた。
「じゃあ頼んだぞ」
二人同時に才人に向けて杖を振り下ろした。
才人とデルフが光に包まれた。
「いいか相棒、俺様の言ったこと忘れるなよ」
「あぁ、分かってるよ」
才人は、デルフリンガーを右肩に乗せ一つ深呼吸した。
「行くぞ、デルフ」
「行け、相棒」
左手のルーンが輝き才人は、ゴールドドラゴン向けて走り出...
眼前のゴールドドラゴンがどんどん大きくなっていく。
「なんちゅうでかさだ」
才人が200メイルくらいまで近づくとゴールドドラゴンは、口...
「相棒、ブレスが来る。気を付けろ」
「と言ってもよけられねぇだろ」
才人が100メイルまで近づくとゴールドドラゴンは、灼熱のブ...
「ぐっあっちー」
「妙だな、ゴールドドラゴンのブレスは、こんなもんじゃねぇ」
「これでかよ」
デルフリンガーの指摘通り本来の威力の半分も出ていなかっ...
「今だ!相棒」
「おおおおおおおおおお」
ルーンが燦然と輝き長さ20メイルもあるラグナ・ブレイドが...
「やれぇ、相棒」
才人は、懐に潜り込みながらラグナ・ブレイドを振り下ろし...
ラグナ・ブレイドは、最強に近いゴールドドラゴンの身体を...
断末魔を上げながら、ゴールドドラゴンは、地上に落下して...
「やったか?」
「完全には死んじゃいねぇ。さすがにゴールドドラゴンだ。だ...
落下する才人をシルフィードが受け止める。
「凄いのね。ゴールドドラゴンを倒すなんてサイトは、人間じ...
「俺じゃなくてルイズの魔法が凄いんだ。あとテファの魔法も...
「謙遜する事はないぜ相棒。お前さんがいなきゃ絶対倒せなか...
「そうなのね、そうなのね、きゅい」
「まだ全部終わってない」
「その通りだな。レッサードラゴンが100いや120近くいるな。...
「デルフさっきの呪文まだ残っているか?」
「あぁ大丈夫だ。相棒の力が尽きなきゃまだまだ行けるぜ」
「よし、倒しに行こうぜ」
「韻竜よ、10頭ばかり見えるあの通りに降ろしてくれ。相棒...
「あぁ、頼んだぞ、デルフ」
修道院にて
「あのお兄ちゃん凄い!あんな大きな竜倒しちゃった」
「うん、凄い凄い」
子供達は口ぐちに話した。
「やったわね、テファ」
「うん。だけど本当にサイト凄いね。あんなブレス突っ切って...
「だけどあいつ、怪我とかしてないかしら?いくら魔法で防御...
「うん。それじゃサイトの所に行きましょ」
「ううん。今はまだ駄目。精神力の切れた私達が行っても邪魔...
「確かにそうね」
「テファ姉ちゃん」
「おめでとう、テファ姉ちゃん。これでお兄ちゃんと恋人同士...
「ち・違うのあれわね、その私の精神力を上げるために必要だ...
「でもお兄ちゃんが好きだから上がったんでしょ。他の男の人...
「あうあうあう」
「素直に自分の気持ち認めて、思いのたけをお兄ちゃんにぶつ...
「でもでも」
「今日の大活躍のご褒美とか言って、お兄ちゃんをベットに押...
「だめよ、だめよそんなの」
「自分から胸揉ませたくせにー。お姉ちゃん、お兄ちゃんのお...
「あうあうあうあう」
「結婚式には呼んでね!精一杯祝福するから」
「あうあうあう」
「テファ、あなたやっぱりあいつの事好きだったのね」
「え」
「ま、まあ予想はしてたわ。あいつてっば胸が大きければ大き...
「ル、ルイズ?」
「でも絶対負けないんだから。あいつてっば私にメロメロなん...
「お姉ちゃん頑張れ、負けちゃだめよ」
「おー修羅場、修羅場」
「こんな所で言い合いしたら不味いわね。終わりにしましょ」
「ええ」
「もう終わりー?」
「つまんなーい」
「さ、みんなサイト達が迎えに来るまで遊びましょ。ね」
「そうやって誤魔化すんだからー」
そう言っても子供達は、ティファニア達と遊びまくった。
トリステイン王宮
アンリエッタは、才人達の連絡を受け王宮詰めの文官メイジ...
「全員に告げます。サイト殿がゴールドドラゴンを倒したら速...
程無くしてゴールドドラゴンが上空にやってきた。
(何てゆう巨体なの。とても人間が倒せるとは思えないわ。で...
ややあってバラの花びらが風に運ばれ「錬金」でゴールドド...
(いよいよなのですね)
「全員、詠唱準備」
西の方角から光の点が、猛スピードで駆け上がって来た。
両者の距離が100メイルくらいになった時、ゴールドドラゴン...
直撃!(サイト殿ー)
次の瞬間、ゴールドドラゴンの懐から強烈な閃光!(ガンダ...
アンリエッタを含む文官メイジ全員、放心状態になっていた。
目の前で起こった事が自分の理解の範疇の遥か彼方の為、固...
しかしゴールドドラゴンの断末魔が聞こえ、アンリエッタは...
「全員、レビテーション詠唱」
文官メイジ達も我に返り、急いで詠唱する。
そしてゴールドドラゴンに呪文を掛ける。
初動が遅れたのとゴールドドラゴンの重量があまりにも重い...
「陛下、ご無事ですか」
「ええ、大丈夫です。怪我人は、出ていませんか?」
「全員、無事です。ただ王宮内部に損傷が出ている模様です」
「人が無事なら構わないわ」
「しかし驚きました。この眼で見たというのに、未だに信じら...
「私も話には聞いていたのですが、これ程とは」
「これで、アルビオンでの7万足止めも事実であると国中に広ま...
「枢機卿、サイト殿のこれまでの功績を公表しようと思うので...
「もう隠しておく必要もありますまい。陛下の御心のままに」
(ふむ、これで例の計画は実現可能になりますな。後はヴァリ...
市街 才人
「タバサ、ギーシュ達の援護頼む。それとこっちに治療できる...
「わかった」
王軍は潰走していた。
無理もなかった。
1頭でも手こずるレッサードラゴンが100頭以上、しかも1週間...
「相棒、ゴールドドラゴンの時の応用だ。相手は120頭近くいる...
「ああ、分かってるよ。まずここからだな」
才人は助走をつけレッサードラゴンの脇を通り過ぎた。
しかしレッサードラゴンは、10頭とも斬り裂かれていた。
才人はコンマ1秒単位でラグナ・ブレイドに強弱を付けていた。
ガンダールブの能力が発動している時、ゆっくり時間が流れ...
しかし周りで見ていた者は、文字通り「通り過ぎた」様にし...
(ゴールドドラゴンの時の数分の一しか力を出していない為、...
「相棒、次交差点右だ、その先に12,3頭いる」
「分かった」
こうして才人は次々とレッサードラゴンを斬り裂いていった。
「今の奴何をやったんだ?」
「剣を持っていたから剣で斬ったんだろ」
「剣でドラゴンを斬れる訳ないだろ。それにこの切り口3メイル...
「じゃあ魔法か?」
「いや詠唱していなかったぞ。それに王軍のメイジが何人も魔...
「奴は一体何者だ?」
「奴がかの有名な『サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ』だよ」
「あんな小僧がか?アルビオンで7万止めたってゆう」
「あぁ、下らんデマかとも思っていたんだが、事実の様だな」
「それにしてもなんちゅう戦闘力だよ」
「ゴールドドラゴンがいねぇ。どうやら奴が倒しようだな」
「ゴールドドラゴンもかよ。奴は人間じゃねぇのか?」
「さあな、噂ではエルフにも勝ったことがあるとか」
「ますます人間じゃねぇ」
喧噪の中4頭立ての大型荷馬車が数台やって来た。
白衣を着た集団が現れ、レビテーションで次々とレッサード...
ガラスビンを持った女が現れ、呪文を唱え地面に流れたレッ...
「レッサードラゴンの大群が来るって言うから準備しておいて...
ルイズの姉エレオノールであった。
「それにしてもこんな貴重品がこんなに大量に手に入るなんて...
「あいつら何者だ?こっちには、死んだ奴や怪我人、壊れた建...
「静かにしろ。奴らが悪名高き王立アカデミーの連中だ。機嫌...
「げぇ、あいつらがか。噂じゃ人間じゃねぇ悪魔だとも言われ...
「あぁそうだ。だからあいつらには、何も期待するな。するだ...
市街 水精霊騎士隊・魔法学院生他
「サイトがゴールドドラゴンを倒したぞー」
「やってくれたぜ」
大歓声があがった。
「僕達も負けていられないな。レイナールの作戦を決行する。...
「了解」
レイナールの作戦
それは、レッサードラゴンを1頭づつおびき出しての各個撃破...
一人が馬に乗り、囮となっておびき寄せ、撃破ポイントで牛...
ギーシュは冷や汗ダラダラであった。
「諸君!おびき寄せたぞ!後は頼んだぞ」
隊長であるギーシュは、囮役を買って出たのである(自分が...
作戦が当たりドラゴンが口を開けた所に騎士隊は、魔法を叩...
鋼鉄よりも強靭な鱗に覆われたレッサードラゴンだが、口の...
口の奥にある脳髄や脊椎に魔法の直撃を受けては、強大なド...
「やったぞ!僕達ドラゴンを倒したぞー!!」
「うまくいったな」
「予想通りだね」
「いい作戦だな、本能を利用して倒すとは」
「アニエス殿」
「実にいい作戦だ。君の案かね?ミスタ・グラモン」
「いえレイナールです」
「この事は、陛下にもご報告しよう。きっと喜ばれるだろう」
「お褒めにあずかり誠に光栄です」
「ミスタ・グラモン、我々銃士隊もこの作戦を実行したい。す...
「了解です。アニエス殿」
アニエスは、水精霊騎士隊から5人メイジを借り、出撃した。
暫くしてタバサがシルフィードに乗ってやって来た。
「サイトから伝言。『市街東側外郭付近にて王軍壊滅、至急水...
「サイトにしちゃ随分堅い要請だな」
「サイトは、もっと砕けていた」
「やっぱり」
「タバサ、外郭付近もう安全かい?」
「安全。サイトは最初の一太刀で10頭斬り倒した。もう30頭以...
「流石だねー。僕達も負けていられないな。モンモランシー」
「聞こえていたわ。何人くらい連れて行って大丈夫?」
「タバサが来てくれたし、この分なら騎士隊他20人くらい居れ...
「分かったわ」
モンモランシーは、大多数の学院生を引き連れて東側外郭付...
別動隊からも「ドラゴン打倒」の報告が来る。
「僕らも負けていられないぞ!どんどん倒そうぜ」
「応」
こうして水精霊騎士隊は、レッサードラゴンを倒していった。
「今時の魔法学院生はやるもんだねぇ。ドラゴン倒しちまった...
「あれが女王陛下の肝入りで創られた水精霊騎士隊よ」
「確か平民上がりが居なかったけか?」
「何言ってんだい。さっきゴールドドラゴンを倒したじゃない」
「あの光っていた奴?あれ人間だったの?」
「そうだよ。わたしゃ見ていたからね。男の子が光ってゴール...
「どうやって倒したんだい?」
「剣持っていたから剣じゃないの?」
「剣で斬れるの?」
「私に聞かないでおくれよ」
「魔法も剣も効かない筈だよ」
「でも倒されているよ?」
「我々には、理解出来ないって事さ」
「そういうこったな」
いつの時代、どの世界にも野次馬は必ず居るものだ。
彼らは、ゴールドドラゴンが倒されるや、逃げるのを止め、...
彼らは勝手気ままにしゃべり続け、ドラゴンが倒される度に...
モンモランシー、他
「酷い」
「壊滅ですわね」
モンモランシー達は、ドラゴン達に突破された外郭付近にや...
その状況は、彼女たちの想像を遥かに超えていた。
二千人いた王軍は、約半数が逃走し死者約500人、重軽傷約50...
無論メイジもいたが、多数のドラゴンの突進にパニックにな...
王軍の戦果はゼロ、つまり1頭も倒せなかったのだ。
無理もなかったかもしれない。
各個撃破できる状況では無かったし、レイナールのような作...
とにかく治療しなくては。
モンモランシーと共に来た魔法学院生は、約280名程だった。
単純計算で一人で二人治療すればいい計算だが、事はそう単...
治療する力量に差があるためだ。
「系統別に分かれましょう。水メイジは、重傷者、風・土メイ...
モンモランシー達の治療が始まり、どんどん負傷者の数が減...
軽傷者はドットスペルでも十分間に合ったので開始10分で治...
問題は、重傷者だった。
水メイジと云えど、学院生の殆どがドットメイジ、ラインは...
その為、レッサードラゴンによる怪我、特に切断されたり、...
水の秘薬を併用しても完治は無理だった。
その状況を一番苦々しく思っているのはモンモランシーだっ...
ややあって治療していた兵の容態が急変した。どんどん命の...
「駄目、死んじゃ駄目。もう人が悲しみの涙を流すのは見たく...
彼女の体が光り輝いた。
彼女の感情の昂ぶりが、トライアングルを超え一気にスクウ...
今までとは比較にならない超強力な治癒のスクウェアスペル...
一人でも多く、いいえ絶対全員助けてみせる。強大な意思で...
再び才人
「デルフ、次はどっちだ?」
「もう奴らに気配は感じらんねぇ。いまの奴で最後だな」
「気配を殺しているとか、お前の感知外に出たという事は?」
「両方とも無いな。奴らは気配消せねぇし、空を飛べねぇから...
「お前がそう言うんだったら大丈夫だな。しかし何頭くらい倒...
「103頭だ」
「良く数えていたな」
「まあな。それより相棒、娘っ子たち心配しているだろうから...
「あぁ、そうだな。それに安心したら急にお腹がすいたぜ」
「まあ、あんだけの大活躍したんだ。腹くらいすくさ。それに...
「そうだった。戻ってテファの作った弁当食べるとするか」
すると空からシルフィードが降りてきた。
「サイトお疲れさんなのね。きゅい」
ゴツン、鈍い音が響く。
「しゃべっちゃ駄目」
「周りに人なんかいないのね。きゅい」
「それでも駄目」
「お姉様のけちー」
「上空から見た限りもうドラゴンはいない。全滅した」
「そうか、じゃあ修道院まで乗せて行ってくれるか?」
「わかった」
シルフィードは才人を乗せ、上空に舞い上がった。
「ギーシュ達は何頭くらい倒したんだ?」
「10頭。あと銃士隊が6頭」
「さすがアニエスさん達だな」
「銃士隊もレイナールの作戦を聞いてそれを実行した」
「それじゃレイナール大手柄だな」
「一番の大手柄は、貴方」
「それは違うぞ、タバサ。俺一人じゃレッサードラゴン1頭す...
「確かにルイズ達の魔法は凄い。でも魔法でゴールドドラゴン...
「眼鏡の娘っ子の言うとおりだぜ。なにも自慢しろって言って...
「分かったよ。でもそれより腹が減ってんだ。早いとこ昼食に...
「修道院へ最速」
「了解なのね、きゅい」
修道院
「来た」
「終わったぞ、ルイズ・テファ。早いとこ昼食にしようぜ。も...
「うん、それじゃ用意するね」
「それよりあんた、怪我とかしていない?」
「あぁ、テファの魔法のおかげでね。ただゴールドドラゴンの...
「それなんだが、あのブレス昔見たときよりかなり弱かったな...
「どゆこと」
「多分ゴールドドラゴンが、操られながらも必死に抵抗したん...
「そういや攻撃してきたのはあの時1度だけだったな」
「奴が本気で此処を攻撃しようと思えばもっと遠くから龍語魔...
「それじゃ倒す必要なかったんじゃねぇのか」
「いや、奴にだって限界はある。それが分かっていたからこそ...
「なんとなく後味悪いな」
「ほっとけばトリステインは、消えていた。相棒が気に病む必...
ギーシュ・モンモランシー 他
「モンモランシー、こっちはどうだい?」
「大体終わったわ」
「モンモランシー様凄いんですよ。スクウェアスペル連発して...
「スクウェアスペル!!」
「ま、まあ突然唱えられるようになったのよ」
「流石だ。僕のモンモランシー」
「ところで、貴方達で精神力が残っているのはどのくらいいる...
「僕と他土メイジ10人程くらいだけど」
「じゃあその全員で、壊れた建物と外郭できるだけ修復して」
「わかった。ところでモンモランシー。レッサードラゴンの姿...
「王立アカデミーが運んで行ったわよ。ルイズのお姉様もいら...
「あのきつい方のお姉様か。あの方々にすれば、入手難度が極...
「大部分は、オークションに懸けられるらしいわ。そんな声が...
「オークションねえ。レッサードラゴンって1頭いくら位になる...
「正確には分からないわ。ただ牙や爪は、1本1万エキューくら...
「100万!!と言う事は全部で1億以上!!」
「そうなるわね」
「じゃあゴールドドラゴンは?」
「皆目見当もつかないわ」
「だよね」
「しかし1億か。トリステインの国家予算が1億5千万くらいだか...
「アルビオン戦役で国庫が空になったて聞くから国にすれば有...
「でも本来倒した者の物になるんじゃないのかね?」
「ええ、でもサイトのことだから要らないって言うと思うわ」
「僕もそう思うね」
「そんなことより早く修復しなさいよ」
「分かったよ、モンモランシー」
修道院
「もっとゆっくり食べなさいよ」
「うるふぇー」
「サイト、子供達も見ているんだし、もう少し綺麗に食べて」
「うっ」
「あんた、テファの言う事は聞くのね」
その時、竜騎士が1騎舞い降りた。
「ルネ」
「サイト、女王陛下が君達全員お呼びだ。今すぐだそうだ」
「姫様が?なんの用だろ」
「馬鹿ね、ドラゴンの件に決まってるでしょ」
「その通り、俺はこれから魔法学院生達を呼びに行くからすぐ...
「タバサ、王宮まで乗せて行ってくれるか」
「いい」
サイト達は王宮に向かった。
X00-42-1へつづく
終了行:
// いくらwikiとはいえ、いくらなんでも更新のやり方がおかし...
// せめて1項目は1回の更新で書き終えてくれ、というか未完...
//
// それとさ、ここまで何回も何回も書き足していくのがOKな...
// 当然他の誰かが勝手に改訂して話を書き換えるのもOKって...
異端審問事件の後ティファニアの人気は全学院レベルになった。
ある日の昼食、テファの周りには数十名の学生が男女を問わ...
「今度の虚無の曜日遠乗りに行きましょう」「あなたのために...
などの声が離れたテーブルにいる才人達に届く。
「以前よりも取り巻きが増えたなあ」
「当然だね。あれ程の事をされて『お友達になりましょう』な...
「だろうな。誰かさんもテファの半分、いや十分の一でも心が...
「百分の一でも十分だろう」
わははは・・と才人の周りの水精霊騎士隊連中が笑う。
「とはいえ助け舟を出してやりたいんだが、なにかいい手は・...
タバサが目に入り、才人は閃く。
相談すると「わかった」と快諾してくれた。
「テファ今度の虚無の曜日、子供達に会いにトリスタニア修道...
「本当!うれしい!!でもサイト馬持っていなかった?」
「持っているけど、テファを乗せたらうまく走れないと思うか...
「どうして?」
「えっ!えーとね、そのね、テファを後ろに乗せるとね、その...
周りの男子から「あっ!」という声がした。才人の言ったこ...
(この後、テファに遠乗りのお誘いは激減した)
「じゃあ出発は、9時でいいか?シルフィードなら1時間かから...
「うん!いいよ。じゃあ私お弁当作るね!3人分でいいのかな?」
「ああ、いいんじゃ・・」
「ねえ犬」
ドスの利いた聞きなれた声が聞こえた。
「あんたてっばほんとに種まきに余念がないわね。きっ聞こえ...
「ちょっと待てー。人の話はちゃんと全部聞けー。お前の悪い...
「そうやって今まで何人の気を引いてきたと思っているの?あ...
「確かにそうかもしんねぇけどよ、子供達だってテファに会い...
「分かったわよ。じゃあ私も一緒に行く。いいわよね?」
「テファ、いいか」
「うん。もちろん」
「いいてっさ」
「まったくこの犬てっば、ご主人様に何のお伺いも立てずに決...
当日 才人は、いつもより早く目が覚めた。ルイズは爆睡中...
そこで才人は異様な光景を目の当たりにした。休日の早朝に...
「あれっ?俺日にち間違えたっけ?」不安になり近くの人に聞...
間違いじゃない。ではこの状況はなぜ?厨房にシエスタの姿...
「シエスタ」
「あ、サイトさん、おはようございます。早いですね、まだ6...
忙しそうに何か作っている。
「おはよう。何作っているの?」
「今日、貴族の皆様が、大勢トリスタニア出かけるとの事でお...
「こんなに早く?」
「ええ、何でも10時くらいには着きたいとか。馬車だと4時...
10時にトリスタニアだと?まさかこいつら全員・・
そうこうしているうちに食堂は、がらがらになった。
暫くして才人が食事をしていると、ギーシュ達がやって来た。
「おはようサイト」
「ああ、おはよう。めずらしいな、休日にこんなに早く起きて...
「目的地は君と一緒さ。尤も僕らは馬だから君らよりは先に出...
「何しに行くんだよ?」
「金色の妖精と天使の戯れる姿を見にね」
「モンモンに言いつけるぞ」
「安心したまえ、モンモランシーは僕と一緒に行くから」
「暇なやつらだなあ」
「いいじゃないかね。尤も他の連中は、『将を討たんと欲せば...
「まったく」
ギーシュ達と無駄話しながら食事をする才人であった。
さて「眠り姫」を起こすとしますか。
「ルイズ、ルイズ朝だぞ、起きろよ」
「今日は休みよ!もう少し寝る」
「わかったよ。俺たちだけで修道院へ行ってくるよ」
と言うとベットから飛び起きた。
「ちょっと今何時よ!」
「8時くらい」
「もっと早く起こしなさいよ。時間無いじゃない」
「余裕じゃねぇか」
「女はね、準備に時間がかかるの」
6時頃出発した連中は、一体何時に起きたんだろう?と考える...
準備万端整って部屋を出ると、ルイズは立ち止まり部屋に戻...
それは「始祖の祈祷書」であった。
「どうしてそんなもん持っていくんだあね」とデルフ
「ここんと『これがあれば』ていうことが続いたじゃない。念...
「さよけ」
9時近くになり中庭に出ると、テファ達以外にベアトリクス率...
「何してんだ?」
「ティファニア様の護衛に決まってますわ」
「まさか一緒に来る気か?」
「当然ですわ」
遊びに行くんだぞ、戦争しに行くんじゃねぇぞと思ったが、...
数十分後トリスタニアの街並みが見えてきた。
テファの顔は、うれしそうに微笑んでいた。
下を見ると馬や馬車が大量に走っていた。一遍にあんなに貴...
程無くして修道院に到着した。
子供達がこちらを隠れるように見ていたが、テファを見付け...
「ジャック、サム、ジム、エマ、サマンサ」【7巻 256P】と言...
「みんな元気だった?病気とか怪我とかしていない?」
「うん!擦り傷は一杯あるけど、みんな元気だよ」
「お姉ちゃん、今日はどうしたの?」
「みんなと遊ぶために来たの」
「わーい、やったー」
子供達が歓声を上げた。
「あっサイト兄ちゃんも来てる」
「ほんとだ」
「怖いお姉ちゃんも一緒だ」
「竜の上でサイト兄ちゃんとキスしたお姉ちゃんもいるよー」
ルイズは、ぷるぷる震えていた。タバサは、何時も通りの無...
「テファ姉ちゃん」
「なあに、エマ」
エマと呼ばれた少女がテファを引っ張って内緒話を始めた。
「お兄ちゃんともうキスはしたの?」
一瞬でテファの顔は真っ赤になった。
「す・・する訳ないでしょ。サイトとは、お友達、お友達なん...
「そんな事だとお兄ちゃんを射とめられないよ!私の見た所お...
「何でそんなことが分かるのよ」
「だって一番関係が深いのは、ルイズさんでしょ?でもあの様...
随分おませな少女である。その上結構鋭い。
「お兄ちゃん軽そうに見えて結構堅物ぽいから本気で攻めない...
「落とすだなんてそんな・・」
「私達はお姉ちゃんの味方だからお姉ちゃんに協力するね」
「何するつもり?」
「へへへ・・内緒」
どちらが年上か分からない会話であった。
所変わって1週間前の黒い森(ガリアとゲルマニアに跨る超広...
その上空にガーゴイルに乗った一人の女がいた。
「この森に生きるドラゴン達よ。トリスタニアを破壊せよ」...
その数およそ100頭。
「あんたは、先頭に立って霧を発生させながら飛んで行きな」
と言って一頭のドラゴンに雫を垂らした。
このドラゴン、普通のドラゴンではなかった。全身が黄金色...
「ヨルムンガントの改良型が完成するまでこいつらと遊んでな」
と言ってほくそ笑んだ。
再び修道院。
今ここでは壮大な鬼ごっこが繰り広げられていた。
「何が悲しくてこの年で鬼ごっこしなきゃいけないの?」
「主役は子供だからな」
「ふっんとに」
「ルイズ、君は鬼ごっこ大好きじゃないのかね?」
「何でよ」
「しょっちゅうサイトと…ぐえっ」
ギーシュは、一瞬で突っ伏した。
今ここでは、テファの気を引こうとしている(色々な意味で...
一方肝心のテファは、子供達と才人を交互に見ていた。
子供達が何をしでかすか気が気ではなかったのだ。
「サイトに迷惑掛けないでよね。嫌われるようなことしないで...
と他の事は、全く目に入らなかった。
同日午前8時頃トリステイン王宮
「陛下、数日前より東方で発生している濃霧ですが、自然の物...
「どういう事ですか?」
「簡単に申しますとトリスタニアを目指しているようです」
「なんですって!」
「軽率かもしれませんがガリアが攻め込んで来ていると思われ...
ガリアならあり得るわね。
「では竜騎士隊2個中隊を現地に向かわせて、風魔法で霧を飛ば...
「陛下、現在王軍は、二千名程しか居ません。もし1万を超える...
トリステインは、先の戦争から4ヶ月しかたっておらず、その...
「霧はあとどの位でこちらに来ますか?」
「あと4時間ほどかと」
「では諸侯軍は、間に合いませんね。一番近い所でも派兵まで3...
「4時間あれば20隻程来れるかと」
「30隻は来られるようにしてください」
「畏まりました」
2時間程して竜騎士隊が戻ってきた。皆一様に焦燥と驚きと悲...
「大変でございます。霧の中には、レッサードラゴンの大群が...
「そんな有り得ないわ。ドラゴンが徒党を組んで攻めてくるな...
「事実でございます」
周囲は騒然となった。
当然だろう。レッサードラゴン1頭で1個中隊(百名前後)...
メイジにしてもドラゴンは、恐ろしく厄介な存在だ。
成竜の鱗は、スクウェアメイジでも傷つけられない。
効果のある場所は、目・口の中など極限られた場所しかない。
しかもレッサードラゴンはブレスを吐かないので、口を開け...
ゴールドドラゴンにしても弱点は同じだと思われるが、なに...
王国・軍首脳部は頭を抱えた。現戦力では全く太刀打ちでき...
「住民を避難させましょう」と言う意見が出た。しかしトリス...
ハルケギニアは、街から少しでも離れれば魔獣や幻獣などと...
又その脅威以外にも盗賊団や人攫いの集団などの危険も多く...
つまり避難は、見捨てることとほぼ同義なのだ。選択したく...
戦っても逃げても結果はほぼ同じと言えた。
「ミス・ヴァリエールとその使い魔の少年に出撃を要請しまし...
マザリーニ枢機卿が発言した。
「彼ら以外にこの状況に対応出来る‘力’は、我々には有りませ...
「ルイズ達を捨石にするつもりなのですか?」
「そのようなつもりは御座いません。彼らで対応できなければ...
「私はヴァリエール公に『ルイズを戦いの道具にしない』と約...
「国が滅ぶかどうかの瀬戸際です。ヴァリエール公も理解なさ...
「しかし」
「命令ではなく『要請』です。戦うか戦わないかは、彼らの判...
「詭弁です。このような状況で彼らが拒否する筈ありません」
「他に手立てが御座いません。時間も御座いません。ご決断を」
………………
「至急ルイズ達に要請を行ってください」
苦々しくアンリエッタは言った。
「ルイズ達を捨石にしないためにも、こちらも戦闘準備を整え...
「畏まりました」
時刻は10時、竜騎士が魔法学院との往復で約2時間弱ドラゴン...
戦列艦で砲撃…無駄ね、ゴールドドラゴンに効く訳ないわ。逆...
「陛下、只今市街外郭に土塁と堀を三重に作成を命じました。
又市街東側地域の住民には、西側に移動するように命じまし...
「ご苦労様です。それでどの程度持ち堪えられますか?」
「5分、長くて10分と思われます」
「もっと多く作れませんか」
「数だけならいくらでも作れますが、ドラゴンの突進に少しで...
「そうですか。ではゴールドドラゴンの足止め方法は何かあり...
「残念ながら何も御座いません」
「やはりそうですか」
「申し訳ありません」
「相手が神に等しき力の持ち主だけ人智では無理がありますわ...
「では戦闘配備の方はどのくらいで完了しますか?」
「12時までには完了します」
「分かりました」
11時50分頃 再び修道院
「辺りがなんか騒がしいなー」
「あんたちょっと聞いてみなさいよ」
「ああ」
「どうしたんですか?」
「王政府の方からね『東の方からドラゴンの大群が来てるから...
「それならもっと安全な場所へ避難しないと」
「どこへ?」
「他の町とか近くの森とか」
「何言ってんだい!護衛も無しにそんな事したら危険じゃない...
そうか、ここは日本じゃないんだっけ。危険だらか避難すれ...
「大群てどのくらい?」
「なんでもレッサードラゴンが100頭くらいに100メイル以上も...
「そうですか。気をつけて」
「デルフ」
「なんだね、相棒」
「今のドラゴン、説明して」
「レッサードラゴンっていうのはな、他の竜と違って、空は飛...
「そんなに凄いのか、ゴールドドラゴンて言うのは」
「ああ、だがそれだけじゃねぇー。ブレスも火竜よりも遙かに...
「どんな魔法?」
「簡単に言えばエクスプロージョンの何倍も強力だ」
「そんなに?」
「あぁ。けどおれっちもゴールドドラゴンのこと全部知ってい...
「デルフでたったそんだけ?それじゃ人間が生きている間に見...
「あぁ、奇跡に近い確率だぁね。だからゴールドドラゴンが自...
「ゴールドドラゴンを操れるマジックアイテムて一体」
「恐らくアンドバリの指輪だと思う」
「ウェールズ皇太子に偽りの命を与えたやつか」
「それ以外考えられねぇな」
「水精霊騎士隊全員集合!」
「サイトどうだったのよ」
「今説明するから」
「サイト、一応隊長の僕に一言声を掛けてからにしてくれない...
「緊急事態なんだよ。そんなの構ってられるか」
「一体どうしたんだね」
「今聞いたんだが、東の方からゴールドドラゴンとレッサード...
「一大事じゃないかね。で、後どの位でこっちにくるんだね?」
「そこまではわかんねぇよ」
するとタバサがシルフィードとともに空から降りてきた。
「今『遠見』の魔法で調べた。市街外郭まであと5分から10分と...
「そんなに近くまで来てんのか!それじゃ早く東側へ行こうぜ」
「今からじゃシルフィード以外間に合わない。それに何の対策...
「レッサードラゴンなら少しくらいなら何とかなると思う」と...
「本当かね。一体どういう作戦があるんだね」
「レッサードラゴンの口の前に牛や馬などをレビテーションで...
「そう都合よく口を開けてくれるかね」
「絶対開ける。なぜなら奴らは、外国から来ているからだ。ト...
「じゃあその時を逃さず集中攻撃すればいいわけだね」
「あぁ。ただ攻撃は、火と風メイジで土メイジは誘導と防御、...
「治療なら私達もお手伝いいたしますわ」
ケティ率いる女子援護団が申し出た。
「気持ちは有り難いが危険だよ」
「危険から逃げているばかりじゃ貴族とは言えませんわ。戦闘...
「僕(私)達も手伝うよ」
「君達」
「理由はその子と一緒。メイジは一人でも多い方がいいだろう」
遊びにきていた学院生は一斉に頷く。
「わかった。では世間に我々魔法学院の力を知らしめようでは...
「分かっているわよ。治療の指揮は私が執るわ。でもギーシュ...
「もちろんさ。君を置いて死ねるものかね」
「分かっているならいいのよ」
「ゴールドドラゴンの方はどうするのよ」とルイズ
「何とかするのは、俺たちの役目だな」
「簡単に言わないで。倒せる方法あるの?」
「ない」
「あんたねー」
「ボロ剣何かいい方法ない?」
「そうさね、100メイル以上のゴールドドラゴンとなるとトリス...
「じゃあどうすれば…」
突然「始祖の祈祷書」が光り輝いた。
ルイズは急いでページを捲った。
「上の中の中…ラグナ・ブレイド」ルイズの頭の中に呪文のルー...
「ラグナ・ブレイド…神斬剣か。確かにこの状況は、この呪文し...
「神斬剣?!随分物騒な名前じゃない」
「あぁ、なにせゴールドドラゴンの様な神のごとき存在を倒す...
「どんな呪文なのよ?」
「文字通り虚無版ブレイドさ。但し、この呪文は、お前さんの...
「なんで私の杖じゃないのよ」
「この呪文はな、お前さんだけじゃ完成しねぇんだよ。担い手...
「どういうこと?」
「つまり担い手の魔力(精神力)とガンダールブの力(心の震...
「随分面倒な呪文ね。例えば光の矢みたいにして相手を貫く呪...
「そう言う呪文も確かあったな。だがこの呪文が出てきたって...
「どうしてよ」
「忘れたか?強力な龍語魔法を使うって言ったことを!良くて...
「なるほど。でもこの呪文も問題が多すぎよ!このルーンの長...
「いや、これが読めたって言うことは精神力の器はその呪文を...
「うっ」
痛いところを突かれたルイズであった。
「兎に角この呪文で勝てるんだな?」
「まだだ」
「へ?」
「この呪文は、相手の懐に入って斬り付けなきゃいけねぇ。だ...
「シルフィードの乗せてもらって攻撃を避けながら接近すれば...
「相手が並みの相手でここが無人の荒野ならな。今ここでそれ...
「じゃあどうすんだよ」
「真正面から突っ込んで斬り倒す。これしかないね。ラグナ・...
「でもそれじゃサイト死んじゃうじゃない」
「だからまだだと言ったんだ。娘っ子、指輪と祈祷書ハーフエ...
「わかったわ。テファ」
「はい」
ティファニアは受け取ると指輪を嵌め祈祷書を開いた。する...
「上の中の下…神衣」呪文のルーンが流れ込んでくる。
「神衣…ゴット・クロスかそれなら唱えきれば多分耐えられるな」
「多分なのかよ」
「ゴールドドラゴンと闘ったことねぇからな」
「サイト」
「なんだいテファ」
「私の今の精神力じゃこの呪文唱えきれないわ」
「テファもか。やっかいだな虚無の呪文は!」
「何かいい方法はないの?」
「サイト・テファ私に考えがあるわ」
「どんな?」
「テファ、サイトとキキキキスをして。嫌かもしれないけど今...
「テファの精神力が下がるんじゃねぇのか?」
「あ、あのねサイト下がらないと思うわ。でね私も精神力を引...
「うん」
「私の胸触って」
「ゑ?」
「以前サイトに触ってもらった時精神力が少し上がったの。で...
「ご両人、今ここでそれらをやれと?こんな大勢の前で?」
「し・・仕方ないじゃない。嫌だけどもう時間無いし、他に方...
「ねぇけど、テファいいのか?」
「う・・うん、サイト私とじゃ嫌?」
「そんな事はねぇけど」
「時間が無い。ゴールドドラゴンは市内上空に入って来た。王...
再びタバサが状況を教えてくれた。
「サイト迷っている暇ないわ」
「じゃあ、やるよテファ」
「うん」
ティファニアは目を瞑った。
才人は、ゆっくりとティファニアに近づいた。
才人の視界には、大勢の人間が映っていた。
ルイズ・水精霊騎士隊・学院の大部分の生徒・孤児達・野次馬
その眼がいろいろな意味を持って二人を見つめていた。
「やべぇ、き・緊張するー。これが終わったら変態の烙印確実...
そんな事を考え震えながらキスをした。
「サイトとキスしてるー。私の初めてのキス。なんだか頭がぼ...
ティファニアは、サイトの手を取ると自分の胸を触らせた。
「ちょっと待てー、確かに触ってと言われたがこっちの心の準...
硬直状態だったのでティファニアは、キスをしながら才人に...
「手を動かして揉んで。そうしないと精神力が上がらない」
才人の中でメガトン級の爆弾が炸裂した。
「如何に正当な理由が有るとはいえ、この先に進めと?取り返...
「早く」ティファニアが急かす。
「どうにでもなれ」と才人は凶悪な桃りんごを揉みまくった。
二人は、周りの状況を忘れ、二人の世界に没頭した。
間近で見ていたルイズからドス黒いオーラが立ち上り、そこ...
その昔、大魔神が大激怒した話があったが、その大魔神が裸...
一方、ティファニアの方は、才人とキスをしながら愛撫され...
「犬!いつまでやっているつもり。いい加減にしなさいよね!」
「ルイズ落ち着け!」
「分かっているわよ。詠唱するから準備しなさいよ」
冷やかに、しかしドスの利いた声であった。
「あぁ、分かったよ」
「俺様に作戦がある。眼鏡の娘っ子・太っちょとキザな貴族の...
「なんだいデルフ」
「相変わらず失礼な剣だな」
「どんな作戦」
「いいか、ゴールドドラゴンとの交戦場所は王宮上空だ」
「ちょっと待て、デルフ幾らなんでもそれは」
「ここしかねぇ。ここ以外で奴を倒したら被害がでかい。王宮...
「ちょっと待ってよ。確かにそうかもしれないけど、何の連絡...
その時一騎の竜騎士が舞い降りた。
「サイト・ルイズ殿出撃要請です」
才人と友人のルネだった。彼は王命で魔法学院に行ったこと...
「こんな近くに居たなんてな。一刻を争うのに往復時間が無駄...
「ルネ、俺達に作戦がある。これから言う事を姫様…いや女王陛...
才人は、デルフの作戦を伝えた。
「状況からして正しい作戦だが死刑と言われてもおかしくない...
「大丈夫だよ。姫様は理解してくれる。伝言頼んだぞ」
「わかった。必ず倒してくれよ。君達だけが頼りだからな」
「あぁ」
ルネは王宮に向かって飛び立った。
「デルフ、僕達は何をすればいいのかね?」
「まず、お前さんの魔法で花びらを沢山出してくれ。次に太っ...
「わかった」
「うまくいけば、レッサードラゴンも何とかなる筈だ。ラグナ...
「そんなに凄いのかよ」
「あぁ凄い。ま、娘っ子見りゃ聞くまでもないがね」
凄まじい怒りのオーラを発しながら朗々と虚無のルーンを唱...
世界が今終わっても可笑しくないと思える程の魔力のうねり。
詠唱による安心感がなければ死んでしまう程の恐怖を感じる...
トリステイン王宮
「ご報告いたします」
ルネは才人達の伝言を伝えた。
「分かりました。現状取り得る最善の方法ですわね。マザリー...
「倒せるでしょうか?」
「私は信じています」
「畏まりました」
「サイト殿どうか、どうかご無事で」
アンリエッタは、心の中で祈った。
修道院
ルイズとティファニアがそれぞれ虚無の詠唱をしている。
「相棒、良く聞け」
「なんだ、デルフ」
「さっきも言ったが、この呪文は俺達が力を合わせなければ完...
「そう言ってたな」
「この呪文で一番肝心なのはお前さんなんだよ」
「ルイズじゃないのかよ」
「いいから聞け。俺様が娘っ子の魔力を光の剣にするには、お...
「なんかアニメとかゲームの設定みてぇだなぁ。ガンダールブ...
「そういう事だ。俺様が言いたいのは、ここから能力全開で走...
「簡単に言うなよ」
「相棒ならできるさ」
そうこうしているうちに、ゴールドドラゴンは、王宮の上空...
地上ではレッサードラゴンが防壁群を突破して市中になだれ...
「ギーシュ・マリコルヌ頼んだぞ」
「応」
二人は、デルフの指示通りゴールドドラゴンへの架け橋を作...
「僕達は、レッサードラゴンの方へ行く。ゴールドドラゴンの...
「あぁ、お前達も死ぬんじゃねぇぞ」
「もちろんさ」と言って魔法学院の一団は、市中東側へ向けて...
彼らがレッサードラゴンと遭遇するまで5分と掛からない。そ...
「ルイズ・テファ準備はいいか?」
二人とも頷いた。
「じゃあ頼んだぞ」
二人同時に才人に向けて杖を振り下ろした。
才人とデルフが光に包まれた。
「いいか相棒、俺様の言ったこと忘れるなよ」
「あぁ、分かってるよ」
才人は、デルフリンガーを右肩に乗せ一つ深呼吸した。
「行くぞ、デルフ」
「行け、相棒」
左手のルーンが輝き才人は、ゴールドドラゴン向けて走り出...
眼前のゴールドドラゴンがどんどん大きくなっていく。
「なんちゅうでかさだ」
才人が200メイルくらいまで近づくとゴールドドラゴンは、口...
「相棒、ブレスが来る。気を付けろ」
「と言ってもよけられねぇだろ」
才人が100メイルまで近づくとゴールドドラゴンは、灼熱のブ...
「ぐっあっちー」
「妙だな、ゴールドドラゴンのブレスは、こんなもんじゃねぇ」
「これでかよ」
デルフリンガーの指摘通り本来の威力の半分も出ていなかっ...
「今だ!相棒」
「おおおおおおおおおお」
ルーンが燦然と輝き長さ20メイルもあるラグナ・ブレイドが...
「やれぇ、相棒」
才人は、懐に潜り込みながらラグナ・ブレイドを振り下ろし...
ラグナ・ブレイドは、最強に近いゴールドドラゴンの身体を...
断末魔を上げながら、ゴールドドラゴンは、地上に落下して...
「やったか?」
「完全には死んじゃいねぇ。さすがにゴールドドラゴンだ。だ...
落下する才人をシルフィードが受け止める。
「凄いのね。ゴールドドラゴンを倒すなんてサイトは、人間じ...
「俺じゃなくてルイズの魔法が凄いんだ。あとテファの魔法も...
「謙遜する事はないぜ相棒。お前さんがいなきゃ絶対倒せなか...
「そうなのね、そうなのね、きゅい」
「まだ全部終わってない」
「その通りだな。レッサードラゴンが100いや120近くいるな。...
「デルフさっきの呪文まだ残っているか?」
「あぁ大丈夫だ。相棒の力が尽きなきゃまだまだ行けるぜ」
「よし、倒しに行こうぜ」
「韻竜よ、10頭ばかり見えるあの通りに降ろしてくれ。相棒...
「あぁ、頼んだぞ、デルフ」
修道院にて
「あのお兄ちゃん凄い!あんな大きな竜倒しちゃった」
「うん、凄い凄い」
子供達は口ぐちに話した。
「やったわね、テファ」
「うん。だけど本当にサイト凄いね。あんなブレス突っ切って...
「だけどあいつ、怪我とかしてないかしら?いくら魔法で防御...
「うん。それじゃサイトの所に行きましょ」
「ううん。今はまだ駄目。精神力の切れた私達が行っても邪魔...
「確かにそうね」
「テファ姉ちゃん」
「おめでとう、テファ姉ちゃん。これでお兄ちゃんと恋人同士...
「ち・違うのあれわね、その私の精神力を上げるために必要だ...
「でもお兄ちゃんが好きだから上がったんでしょ。他の男の人...
「あうあうあう」
「素直に自分の気持ち認めて、思いのたけをお兄ちゃんにぶつ...
「でもでも」
「今日の大活躍のご褒美とか言って、お兄ちゃんをベットに押...
「だめよ、だめよそんなの」
「自分から胸揉ませたくせにー。お姉ちゃん、お兄ちゃんのお...
「あうあうあうあう」
「結婚式には呼んでね!精一杯祝福するから」
「あうあうあう」
「テファ、あなたやっぱりあいつの事好きだったのね」
「え」
「ま、まあ予想はしてたわ。あいつてっば胸が大きければ大き...
「ル、ルイズ?」
「でも絶対負けないんだから。あいつてっば私にメロメロなん...
「お姉ちゃん頑張れ、負けちゃだめよ」
「おー修羅場、修羅場」
「こんな所で言い合いしたら不味いわね。終わりにしましょ」
「ええ」
「もう終わりー?」
「つまんなーい」
「さ、みんなサイト達が迎えに来るまで遊びましょ。ね」
「そうやって誤魔化すんだからー」
そう言っても子供達は、ティファニア達と遊びまくった。
トリステイン王宮
アンリエッタは、才人達の連絡を受け王宮詰めの文官メイジ...
「全員に告げます。サイト殿がゴールドドラゴンを倒したら速...
程無くしてゴールドドラゴンが上空にやってきた。
(何てゆう巨体なの。とても人間が倒せるとは思えないわ。で...
ややあってバラの花びらが風に運ばれ「錬金」でゴールドド...
(いよいよなのですね)
「全員、詠唱準備」
西の方角から光の点が、猛スピードで駆け上がって来た。
両者の距離が100メイルくらいになった時、ゴールドドラゴン...
直撃!(サイト殿ー)
次の瞬間、ゴールドドラゴンの懐から強烈な閃光!(ガンダ...
アンリエッタを含む文官メイジ全員、放心状態になっていた。
目の前で起こった事が自分の理解の範疇の遥か彼方の為、固...
しかしゴールドドラゴンの断末魔が聞こえ、アンリエッタは...
「全員、レビテーション詠唱」
文官メイジ達も我に返り、急いで詠唱する。
そしてゴールドドラゴンに呪文を掛ける。
初動が遅れたのとゴールドドラゴンの重量があまりにも重い...
「陛下、ご無事ですか」
「ええ、大丈夫です。怪我人は、出ていませんか?」
「全員、無事です。ただ王宮内部に損傷が出ている模様です」
「人が無事なら構わないわ」
「しかし驚きました。この眼で見たというのに、未だに信じら...
「私も話には聞いていたのですが、これ程とは」
「これで、アルビオンでの7万足止めも事実であると国中に広ま...
「枢機卿、サイト殿のこれまでの功績を公表しようと思うので...
「もう隠しておく必要もありますまい。陛下の御心のままに」
(ふむ、これで例の計画は実現可能になりますな。後はヴァリ...
市街 才人
「タバサ、ギーシュ達の援護頼む。それとこっちに治療できる...
「わかった」
王軍は潰走していた。
無理もなかった。
1頭でも手こずるレッサードラゴンが100頭以上、しかも1週間...
「相棒、ゴールドドラゴンの時の応用だ。相手は120頭近くいる...
「ああ、分かってるよ。まずここからだな」
才人は助走をつけレッサードラゴンの脇を通り過ぎた。
しかしレッサードラゴンは、10頭とも斬り裂かれていた。
才人はコンマ1秒単位でラグナ・ブレイドに強弱を付けていた。
ガンダールブの能力が発動している時、ゆっくり時間が流れ...
しかし周りで見ていた者は、文字通り「通り過ぎた」様にし...
(ゴールドドラゴンの時の数分の一しか力を出していない為、...
「相棒、次交差点右だ、その先に12,3頭いる」
「分かった」
こうして才人は次々とレッサードラゴンを斬り裂いていった。
「今の奴何をやったんだ?」
「剣を持っていたから剣で斬ったんだろ」
「剣でドラゴンを斬れる訳ないだろ。それにこの切り口3メイル...
「じゃあ魔法か?」
「いや詠唱していなかったぞ。それに王軍のメイジが何人も魔...
「奴は一体何者だ?」
「奴がかの有名な『サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ』だよ」
「あんな小僧がか?アルビオンで7万止めたってゆう」
「あぁ、下らんデマかとも思っていたんだが、事実の様だな」
「それにしてもなんちゅう戦闘力だよ」
「ゴールドドラゴンがいねぇ。どうやら奴が倒しようだな」
「ゴールドドラゴンもかよ。奴は人間じゃねぇのか?」
「さあな、噂ではエルフにも勝ったことがあるとか」
「ますます人間じゃねぇ」
喧噪の中4頭立ての大型荷馬車が数台やって来た。
白衣を着た集団が現れ、レビテーションで次々とレッサード...
ガラスビンを持った女が現れ、呪文を唱え地面に流れたレッ...
「レッサードラゴンの大群が来るって言うから準備しておいて...
ルイズの姉エレオノールであった。
「それにしてもこんな貴重品がこんなに大量に手に入るなんて...
「あいつら何者だ?こっちには、死んだ奴や怪我人、壊れた建...
「静かにしろ。奴らが悪名高き王立アカデミーの連中だ。機嫌...
「げぇ、あいつらがか。噂じゃ人間じゃねぇ悪魔だとも言われ...
「あぁそうだ。だからあいつらには、何も期待するな。するだ...
市街 水精霊騎士隊・魔法学院生他
「サイトがゴールドドラゴンを倒したぞー」
「やってくれたぜ」
大歓声があがった。
「僕達も負けていられないな。レイナールの作戦を決行する。...
「了解」
レイナールの作戦
それは、レッサードラゴンを1頭づつおびき出しての各個撃破...
一人が馬に乗り、囮となっておびき寄せ、撃破ポイントで牛...
ギーシュは冷や汗ダラダラであった。
「諸君!おびき寄せたぞ!後は頼んだぞ」
隊長であるギーシュは、囮役を買って出たのである(自分が...
作戦が当たりドラゴンが口を開けた所に騎士隊は、魔法を叩...
鋼鉄よりも強靭な鱗に覆われたレッサードラゴンだが、口の...
口の奥にある脳髄や脊椎に魔法の直撃を受けては、強大なド...
「やったぞ!僕達ドラゴンを倒したぞー!!」
「うまくいったな」
「予想通りだね」
「いい作戦だな、本能を利用して倒すとは」
「アニエス殿」
「実にいい作戦だ。君の案かね?ミスタ・グラモン」
「いえレイナールです」
「この事は、陛下にもご報告しよう。きっと喜ばれるだろう」
「お褒めにあずかり誠に光栄です」
「ミスタ・グラモン、我々銃士隊もこの作戦を実行したい。す...
「了解です。アニエス殿」
アニエスは、水精霊騎士隊から5人メイジを借り、出撃した。
暫くしてタバサがシルフィードに乗ってやって来た。
「サイトから伝言。『市街東側外郭付近にて王軍壊滅、至急水...
「サイトにしちゃ随分堅い要請だな」
「サイトは、もっと砕けていた」
「やっぱり」
「タバサ、外郭付近もう安全かい?」
「安全。サイトは最初の一太刀で10頭斬り倒した。もう30頭以...
「流石だねー。僕達も負けていられないな。モンモランシー」
「聞こえていたわ。何人くらい連れて行って大丈夫?」
「タバサが来てくれたし、この分なら騎士隊他20人くらい居れ...
「分かったわ」
モンモランシーは、大多数の学院生を引き連れて東側外郭付...
別動隊からも「ドラゴン打倒」の報告が来る。
「僕らも負けていられないぞ!どんどん倒そうぜ」
「応」
こうして水精霊騎士隊は、レッサードラゴンを倒していった。
「今時の魔法学院生はやるもんだねぇ。ドラゴン倒しちまった...
「あれが女王陛下の肝入りで創られた水精霊騎士隊よ」
「確か平民上がりが居なかったけか?」
「何言ってんだい。さっきゴールドドラゴンを倒したじゃない」
「あの光っていた奴?あれ人間だったの?」
「そうだよ。わたしゃ見ていたからね。男の子が光ってゴール...
「どうやって倒したんだい?」
「剣持っていたから剣じゃないの?」
「剣で斬れるの?」
「私に聞かないでおくれよ」
「魔法も剣も効かない筈だよ」
「でも倒されているよ?」
「我々には、理解出来ないって事さ」
「そういうこったな」
いつの時代、どの世界にも野次馬は必ず居るものだ。
彼らは、ゴールドドラゴンが倒されるや、逃げるのを止め、...
彼らは勝手気ままにしゃべり続け、ドラゴンが倒される度に...
モンモランシー、他
「酷い」
「壊滅ですわね」
モンモランシー達は、ドラゴン達に突破された外郭付近にや...
その状況は、彼女たちの想像を遥かに超えていた。
二千人いた王軍は、約半数が逃走し死者約500人、重軽傷約50...
無論メイジもいたが、多数のドラゴンの突進にパニックにな...
王軍の戦果はゼロ、つまり1頭も倒せなかったのだ。
無理もなかったかもしれない。
各個撃破できる状況では無かったし、レイナールのような作...
とにかく治療しなくては。
モンモランシーと共に来た魔法学院生は、約280名程だった。
単純計算で一人で二人治療すればいい計算だが、事はそう単...
治療する力量に差があるためだ。
「系統別に分かれましょう。水メイジは、重傷者、風・土メイ...
モンモランシー達の治療が始まり、どんどん負傷者の数が減...
軽傷者はドットスペルでも十分間に合ったので開始10分で治...
問題は、重傷者だった。
水メイジと云えど、学院生の殆どがドットメイジ、ラインは...
その為、レッサードラゴンによる怪我、特に切断されたり、...
水の秘薬を併用しても完治は無理だった。
その状況を一番苦々しく思っているのはモンモランシーだっ...
ややあって治療していた兵の容態が急変した。どんどん命の...
「駄目、死んじゃ駄目。もう人が悲しみの涙を流すのは見たく...
彼女の体が光り輝いた。
彼女の感情の昂ぶりが、トライアングルを超え一気にスクウ...
今までとは比較にならない超強力な治癒のスクウェアスペル...
一人でも多く、いいえ絶対全員助けてみせる。強大な意思で...
再び才人
「デルフ、次はどっちだ?」
「もう奴らに気配は感じらんねぇ。いまの奴で最後だな」
「気配を殺しているとか、お前の感知外に出たという事は?」
「両方とも無いな。奴らは気配消せねぇし、空を飛べねぇから...
「お前がそう言うんだったら大丈夫だな。しかし何頭くらい倒...
「103頭だ」
「良く数えていたな」
「まあな。それより相棒、娘っ子たち心配しているだろうから...
「あぁ、そうだな。それに安心したら急にお腹がすいたぜ」
「まあ、あんだけの大活躍したんだ。腹くらいすくさ。それに...
「そうだった。戻ってテファの作った弁当食べるとするか」
すると空からシルフィードが降りてきた。
「サイトお疲れさんなのね。きゅい」
ゴツン、鈍い音が響く。
「しゃべっちゃ駄目」
「周りに人なんかいないのね。きゅい」
「それでも駄目」
「お姉様のけちー」
「上空から見た限りもうドラゴンはいない。全滅した」
「そうか、じゃあ修道院まで乗せて行ってくれるか?」
「わかった」
シルフィードは才人を乗せ、上空に舞い上がった。
「ギーシュ達は何頭くらい倒したんだ?」
「10頭。あと銃士隊が6頭」
「さすがアニエスさん達だな」
「銃士隊もレイナールの作戦を聞いてそれを実行した」
「それじゃレイナール大手柄だな」
「一番の大手柄は、貴方」
「それは違うぞ、タバサ。俺一人じゃレッサードラゴン1頭す...
「確かにルイズ達の魔法は凄い。でも魔法でゴールドドラゴン...
「眼鏡の娘っ子の言うとおりだぜ。なにも自慢しろって言って...
「分かったよ。でもそれより腹が減ってんだ。早いとこ昼食に...
「修道院へ最速」
「了解なのね、きゅい」
修道院
「来た」
「終わったぞ、ルイズ・テファ。早いとこ昼食にしようぜ。も...
「うん、それじゃ用意するね」
「それよりあんた、怪我とかしていない?」
「あぁ、テファの魔法のおかげでね。ただゴールドドラゴンの...
「それなんだが、あのブレス昔見たときよりかなり弱かったな...
「どゆこと」
「多分ゴールドドラゴンが、操られながらも必死に抵抗したん...
「そういや攻撃してきたのはあの時1度だけだったな」
「奴が本気で此処を攻撃しようと思えばもっと遠くから龍語魔...
「それじゃ倒す必要なかったんじゃねぇのか」
「いや、奴にだって限界はある。それが分かっていたからこそ...
「なんとなく後味悪いな」
「ほっとけばトリステインは、消えていた。相棒が気に病む必...
ギーシュ・モンモランシー 他
「モンモランシー、こっちはどうだい?」
「大体終わったわ」
「モンモランシー様凄いんですよ。スクウェアスペル連発して...
「スクウェアスペル!!」
「ま、まあ突然唱えられるようになったのよ」
「流石だ。僕のモンモランシー」
「ところで、貴方達で精神力が残っているのはどのくらいいる...
「僕と他土メイジ10人程くらいだけど」
「じゃあその全員で、壊れた建物と外郭できるだけ修復して」
「わかった。ところでモンモランシー。レッサードラゴンの姿...
「王立アカデミーが運んで行ったわよ。ルイズのお姉様もいら...
「あのきつい方のお姉様か。あの方々にすれば、入手難度が極...
「大部分は、オークションに懸けられるらしいわ。そんな声が...
「オークションねえ。レッサードラゴンって1頭いくら位になる...
「正確には分からないわ。ただ牙や爪は、1本1万エキューくら...
「100万!!と言う事は全部で1億以上!!」
「そうなるわね」
「じゃあゴールドドラゴンは?」
「皆目見当もつかないわ」
「だよね」
「しかし1億か。トリステインの国家予算が1億5千万くらいだか...
「アルビオン戦役で国庫が空になったて聞くから国にすれば有...
「でも本来倒した者の物になるんじゃないのかね?」
「ええ、でもサイトのことだから要らないって言うと思うわ」
「僕もそう思うね」
「そんなことより早く修復しなさいよ」
「分かったよ、モンモランシー」
修道院
「もっとゆっくり食べなさいよ」
「うるふぇー」
「サイト、子供達も見ているんだし、もう少し綺麗に食べて」
「うっ」
「あんた、テファの言う事は聞くのね」
その時、竜騎士が1騎舞い降りた。
「ルネ」
「サイト、女王陛下が君達全員お呼びだ。今すぐだそうだ」
「姫様が?なんの用だろ」
「馬鹿ね、ドラゴンの件に決まってるでしょ」
「その通り、俺はこれから魔法学院生達を呼びに行くからすぐ...
「タバサ、王宮まで乗せて行ってくれるか」
「いい」
サイト達は王宮に向かった。
X00-42-1へつづく
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