ゼロの使い魔保管庫
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「……と、言う訳です。才人さん」
「はぁ〜〜〜〜〜〜」
シエスタから説明を受け、長い長ぁい溜め息を付いた才人が居...
今才人に顔を合わせるのは、非っ常に気まずい
才人の心配が全て的中し、更にカジノで大負けしたのをこの店...
ルイズが魅惑の妖精亭に入ってから、一週間が過ぎている
才人の方は、翌日に鉄鋼の精錬を確認し、相当良い状態に改善...
更に、石炭を蒸し焼きにした後のガスを用いてガス灯を作り配...
更に、時計職人達にダイヤルゲージ,シリンダーゲージ,バイメ...
それぞれ機械式時計に較べれば、遥かに少ない部品点数で作れ...
ダイヤルゲージはギヤ比とリンク比さえきちんとすれば良いだ...
それぞれ、大きめの真鍮製懐中時計のボディーをそのまま使い...
見習いに対する訓練用に丁度良いと言われてしまい、才人は苦...
更にガラス職人を探したのだが、ヴァリエールかトリスタニア...
リンク機構の相談も行い、ド=モンモランシに行く時計職人と...
空いた時間は、才人はグラモン式軍事教練を受けている
エレオノールの機嫌は、才人には良く解らない
一人、盛り上がっては盛り下がる事を繰り返してるからだ
そんなこんなで才人がシエスタにまだ予定が立たないと連絡を...
才人は零戦を飛ばして学院に置くと、学院からエレオノールの...
ド=グラモン滞在中に、タバサは仕事と言い残して、ガリアに...
後は全員グラモン領に、置いて来ている
トリスタニアには、他にも才人は用事が有るのだが、現在はル...
「全く、スリに遭うわ、カジノで大借金をこさえるわ、オマケ...
「……返す言葉もございません」
ルイズはしゅんとしている
「まぁ、無事で良かったよ」
才人はそう言って、溜め息を付く
何度付いても付き足りない気分に陥るのは、流石に才人も初め...
「ルイズ、だから言ったろ?貴族の気分で動いてたら、危ない...
「……はい」
流石に、今回ばかりは素直である
良いとこまるで無しなのだ
貴族のマントが、今まで凄まじい効果を発揮していたのを、改...
コンコン
「ルイズちゃんのお兄さんが来たんですって?挨拶させてくれ...
「スカロン叔父さん」
シエスタがガチャリと開け、スカロンが入室する
流石に4人は狭い
シエスタがスカロンに席を譲り、立つ
ルイズはベッドに腰掛けており、才人はテーブルを挟んで、ス...
「あら、貴方がルイズちゃんのお兄さん?宜しく、私はスカロ...
「初めまして、マダム。俺は才人、ルイズの腹違いの種違いの...
東京にはオカマさんが多い。たまに飲む酒場で良く見てた才人...
初対面で驚かない才人に、スカロンはちょっぴり感心しながら...
「あら、ミ・マドモアゼルって言ったでしょ?もう、皆マダム...
「親の連れ子同士の結婚ですよ」
「あら、納得だわ」
スカロンは頷く。ルイズの任務の性質上、一番無難な方法を取...
そして、スカロンはルイズと才人を交互に見ると一人納得し、...
「シエスタ。お店手伝って貰えない?貴女が居るとチップが増...
くねくねしながらスカロンが言うと、シエスタは才人の前で有...
「絶対、嫌。厨房だったら、手伝っても良いです。スカロン叔...
「ん〜、まぁしょうがないわね。じゃあ宜しく頼むわね」
「マダム」
「あら、なあに?」
「ルイズの負けって、どれ位ですか」
「えっと、お城の半額位?」
「……大した負けっぷりだ。じゃあ、ルイズの代わりに支払いま...
そう言って、才人は小切手を出す
グラモン滞在中に、王宮から来た報酬である
金額が多大な為、口座を開設して入金してあると手紙に綴られ...
本来はもう少し高いのだが、コルベールとエレオノールに金額...
コルベールとエレオノールは、今回分の貢献はしてないと固辞...
「ゼロ機関は不安定収入の組織だ。払える時に払う。次回がい...
と言って、押し付けた
二人共、自身が抱える研究途上の物がある為、資金は有るに越...
最初は三等分しようとしたが、二人に猛烈に反対された
「こんの馬鹿平民!!実績に基づく分配比率にしなさい!!そんな...
二人がきちんとした大人である事を嬉しく思い、更に感謝する
「素晴らしいスタッフだ。姫様に感謝しないとな」
そう言って微笑み、エレオノールを真っ赤に染めさせた
何故エレオノールが真っ赤に染まったのか、才人には解らない
当たり前の事を言ってるだけだったからだ
残りは一応、今回分をギリギリ支払えるかどうかって所である
「あらあら、ノン・ノン・ノン。賭事の分は、賭事で支払って...
「おみそれしました」
メトロノームの様に、指をちっちと振りながらスカロンは悪戯...
「中々出来たお兄さんねぇ。何処でそんなお金稼いだのかしら...
「剣は自衛用です。職人やってます。今はちょっと出稼ぎして...
「まぁ、トレビアン!!ミ・マドモアゼル感激!!美しい兄妹愛ね...
スカロンが一人そう言うと、ルイズは身じろぎをする
どうも、この人は全てお見通しらしい
『ううぅ、スカロン店長には、ずっと頭上がりそうにないわ』
「で、無事を確認出来たし、貴方はどうする?泊まる場所は用...
その言葉に、ルイズがベッドからがしりと才人を掴む
無言のおねだりだ
才人はルイズの頭に手をぽんと乗せ、話す
「良ければ、マダムを少しお手伝いさせて頂けませんか?ルイ...
「あら、どんなご用事?こんな仕事してるせいで私、こう見え...
才人に取って渡りに舟である
トリスタニアの市場と、街路全部見回る積もりだったのだ
「あ、そうなんですか?でしたら、硝子職人の工房と、宝石磨...
ルイズが其を聞き、才人に近寄り耳打ちする
「サイト、硝子職人は、ヴァリエールに居るよ」
才人の仕事にヴァリエールが役に立つ。当然ルイズは、この機...
「あぁ失礼、硝子職人のは無しで」
そんな様を面白そうに眺め、スカロンは応じる
「仲の良い兄妹ねぇ。宝石磨きの職人さんって、良く市場で露...
「ビンゴ!!その人」
「ちょっと待ってて、地図書いて来るわ」
スカロンは立ち上がり、一旦席を離れる
すると、才人はルイズを撫で始めた
「ルイズ、でかした」
「え?」
「トリスタニアの顔役に、偶然とは言え繋げたんだ。大した強...
ルイズはキョトンとする
才人の言い分が、余り理解出来ないのだ
「あの、スカロン叔父さんは、こんな仕事してるせいで、顔が...
シエスタが言うと、才人は更に応じる
「シエスタ、中々凄い事なんだよ。少なくとも、俺には接客業...
「そうなんですか?」
シエスタには良く解らない。何故なら、才人には大貴族のパイ...
だが、才人からすれば、所詮ガーダールヴに惹かれた上でのパ...
どうにも、信じきれない
「あぁ、世馴れた人だね。安心してルイズを任せられるわ。ル...
「い、言われなくても、解ってるわよ」
「良い子だ」
くしゃりと撫でられルイズは目を細める
待ちに待った使い魔の手である。其だけでルイズは元気が出る...
「で、才人さんは今日はどちらに泊まるんですか?」
「そうだな、木賃宿にでも」
「じゃあ、私も一緒に泊まりますね。ほら、宿代は節約しない...
そう言って、才人の腕を取り、ルイズがムッとする
「サイトはあたしと一緒。使い魔なんだから当然でしょ?それ...
「狭いから良いよ。シエスタはスカロンさんの所に」
「妖精さん達で、今目一杯ですよ。スカロン叔父さんがカジノ...
スカロンの行為は偶然では無いとシエスタに聞かされ、才人は...
「うっわ、あの人には頭上がらねぇなぁ、おい」
どうにも、シエスタの親戚は格好良すぎる
「えへへ、ひいお爺ちゃんの教育の賜です」
シエスタはそう言って、自慢の叔父に胸を張った
* * *
才人は地図を貰って頭を下げた後、バイトとして厨房と皿洗い...
この二人は魔法学院で、ずっとコンビを組んでいるので、お茶...
正に阿吽の呼吸でシエスタが料理を文字通り放り投げる
「はい、揚げ物終わり!!」
ヒュッ
才人が包丁数閃で空中の料理を切り分け、落ちた先の皿の上に...
「あいよ、運んでくれ」
……ガンダールヴの使い方を、間違っている気がしないでもない
普段から厨房に入っているスタッフは、そんな二人の行為にぽ...
「これ、見せ物に出来ますよ」
「……チップも飛ぶわね」
スカロンも深く頷いた
そんな中、ルイズは接客にどじっ娘満載で応じている
あっちで酒をひっくり返し、こっちで転び、慣れない接客用の...
但し、チップには結びついていないので、要修業だろう
最も、酔いどれ相手だと怒って喧嘩になるので、そう言った席...
そんな中、騒ぎが起きた
「おい、妖精ちゃん。こっち来て酒注げ、酒」
「あ、はい、ただ今」
来店した客は、既に酔っ払っている
たまたまルイズは空いていた為、席に付き、慣れない手付きで...
どうにも酒の匂いに我慢が出来ず、震えて取り落としたのだ
更に見事に好みとは正反対の泥酔親父であり、鳥肌が立ったの...
貴族は下世話な対応は嫌なのだ
「てめぇ!!何しやがる!?」
「も、申し訳有りません、今お拭き……」
「い〜や、許せねぇなぁ。ごめんで済んだら、陛下なんざ要ら...
そう言って、ルイズの手を掴み引っ張り外に出そうとする
「い、痛い!?」
「良いから弁償で付き合え、良いな?」
「お待ち下さい、ミスタ。ルイズちゃんの粗相、私、ミ・マド...
そう言って、いつの間にか側に寄ってたスカロンが頭を下げる
「てめぇ!!どう落とし前付けてくれんだよ!!あ?」
「でしたら、私がルイズちゃんの代わりに一晩お付き合い致し...
そう言って、酔客にしなだれかかるスカロン
はっきり言って、おぞましい光景である
すっかり酔いが醒めた客が後退り、吐き捨てる
「い、要らねぇよ。糞、飲み直しだ」
「お代は結構ですので」
「当たり前だ、馬鹿野郎」
そのまま退店し、ルイズはほっとする
「あ、あの、スカロン店長、有り難うございます」
「減点一。さっきのお酒代は、給料から引くわね」
ルイズはびくっとするが、頷く
世の中は、大変厳しい
「ま、さっきの客は、二度と来ないから安心して」
「えっ?」
「ルイズちゃんは知らなくて良いの。接客頑張んなさい。お兄...
「は、はい!!」
才人が見てる。其だけで、醜態は晒せない
「でも、もうちょい私の事見てくれてたって、良いじゃない。...
ついつい不満が口に出、聞こえたスカロンが応じる
「本当に、お兄さんは甘やかしねぇ」
才人はスカロンが出るとトイレと言って、トイレと違う勝手口...
* * *
先程の客が魅惑の妖精亭を後にした後、暫くしたら裏路地に誰...
「ひっ!?」
その刃は今迄みた事無い刃紋を持ち、非常に美しく、更に濡れ...
この刃は、人なんか簡単に切り裂ける
実際に触れてるだけの喉から、血が流れ出してるのが解る
声を出したら、その時点でお陀仏だ
狙われる覚えは全くないが、酔っ払ってた時の事かもしれない
「二度とあの店には行くな?良いな?約束出来ないなら、この...
ガタガタ震えだした男、その震えは刃に当たり、更に出血を促す
とてもじゃないが、メイジとて今の状況じゃ打開出来ないと、...
「ウ、ウィです!!だ、だから、た、助けてくれ!!」
「行け、此方を向いたら殺す」
刃を離した人物が男を蹴りだし、男はほうほうの程で走り去っ...
その人物は暗闇ですら妖艶に光る刃を収め、歩いて去っていった
* * *
夜明けと共に、魅惑の妖精亭は閉店する
最後迄居た客は、アフターの約束を妖精さんと上手く取り付け...
だが、ルイズはアフターのお誘いを全て断っている
やればチップ倍増の機会が増えると、先輩達に教えて貰ってる...
とてもじゃないが、使い魔以外の男とデートなんざしたくない
それほど、初日の出来事が尾を引いている
そしてやっと、使い魔と一緒のベッドの前に邪魔が入る
シエスタではなく、店長の娘、ジェシカだ
「ねぇ、貴方。ルイズちゃんのお兄さん?今日、厨房凄い助か...
「いえいえ、助けられたのはこっちですよ」
ジェシカはビスチェの胸元を強調しながら、才人の腕を胸元の...
胸の大きさはシエスタをしのいでおり、本質的な巨乳派の才人...
実に柔らかい感触は、夢見心地にさせてくれる
「ねぇ、私のお婿さんにならなぁい?お店助かっちゃうなぁ」
そして才人は、そんなジェシカのおでこをちょんとつついた
「いやん!?」
「実に素晴らしい誘惑。もうちょっとで、おぢさんうんと言っ...
「やぁだ、今うんって言ったでしょ?タニアっ子を甘く見ない...
「上手い手だね、ジェシカさん」
「ジェシカで良いわ。シエスタにも呼び捨てじゃない。なんか...
「解ったよ、ジェシカ。だから、腕離してくれない?」
「アフターしてくれるなら離してア・ゲ・ル」
そう言って、ジェシカは腕を離さない
「おぢさんをからかうのはやめなさい」
「だって、ひいお爺ちゃんに、似てるじゃない。黒髪の男の人...
そう言って、ジェシカは店の男にする様にとろんとした目を向...
大抵の男は酒と併せて一発で転んでくれるのだが、才人は残念...
「あぁ。ジェシカも武雄さんの曾孫か」
「あら、ひいお爺ちゃんを知ってるの?」
「竜の羽衣譲って貰ったよ」
聞いた途端、ジェシカは目を丸くする
「って事は……ひいお爺ちゃんと同じ国の人?」
「あぁ」
「やった!!凄い偶然、本当にアフターしよ!!私、俄然興味沸い...
そう言って、ジェシカが更に抱きつき、シエスタが睨みつける
「……ジェシカ。才人さんに何してるの?」
「何って、良いことよ。あ、これからするのよね?じゃ、行こ...
そんな様を見せ付けられたルイズは、サイトを何時もの如くぶ...
シエスタはあちゃーという表情をし、ジェシカはぽかんとする
「な、何?今の?」
「ミ……ルイズさんは、とんでもないブラコンなの。あんな事ル...
「でも兄妹でしょ?」
「血の繋がらないね」
「あ………あぁ!?」
シエスタの言い方にぽんと手を打ち、ジェシカは納得する
「じゃ、本気でいこう。障害は多い程燃えるのだ」
そんなジェシカの様に、ため息を付くシエスタ
「本気で遊ぼうの間違いでしょ?全く、悪い癖なんだから」
「あら、どうかしら?シエスタは知ってるんでしょ?どんな人...
するとシエスタは頬を染め、小さく囁いた
「……お嫁さんになりたい人」
「良し、決まり。本気だ」
「ちょ、ちょっと待って!?ジェシカ、止めて!?スカロン叔父さ...
すると、スカロンはシエスタの思惑とは反対の事を言い出した
「あの人が婿に来てくれたら、助かるわぁ。ジェシカ、頑張っ...
「サー、イエッサー。ジェシカ軍曹、突貫します」
ビシッとアルビオン式敬礼を行い、ジェシカは階段を登って行く
「もうやだ、従姉妹迄ライバルなんて。始祖ブリミルよ、お恨...
シエスタはよよよと泣き、その様を他の妖精さんは笑いながら...
皆、他人の恋愛沙汰程面白いモノは無いのだ
* * *
ルイズは自分の部屋に才人を放り込むと、腹を殴って気付けする
「ったく、また重くなってる。全然太って無いのに、一体なん...
勿論、増量分は全て筋肉です
使い魔のお仕事する為に、ルイズの知らない所で、沢山稽古し...
涙ぐましい才人の努力も、ルイズの前では露と消える
それより、そんな才人を片手で引きずりながら階段すら運べる...
同じ重量の物体は、絶対に動かせない筈だ
恐らく、才人がどんなに重くなっても、ルイズは片手で引きず...
ご主人様は、使い魔限定で無双になるらしい
「って。相変わらず酷いな、ご主人様は」
「ああああんた、言う事は無いの?」
「何をだ?」
「あたしが絡まれた時、何処に居たのよ?」
「ん?そんな事あったのか?」
ドゲシ!!
ルイズの蹴りが、才人の腹に直撃する
『どんなに鍛えても、何故ルイズの蹴りは痛いんだ?此が使い...
余りの痛みに苦悶する才人
「痛いです。マイロード」
「だから、何処に居たのか、正直に仰い」
「何時頃だ?」
ルイズが言うと、才人はポンと手を打つ
「あぁ、そん時、トイレでうんこしてた」
ルイズのアッパーカットが顎に炸裂し、才人は意識が吹っ飛ぶ
そのまま、才人を夏だから脱がして横にし、ルイズはプンプン...
才人の努力が報われるのは、何時だろう?
神と始祖か、大いなる意思のみが知る
* * *
ガチャ
「えっへっへっへ。わったっしっは、魅惑の妖精亭の看板娘〜...
そう言って、鍵を合鍵で開けてジェシカはルイズの部屋に入室...
「じゃあ、修羅場を楽しもうね、お兄さん」
着ているのは、スケスケのネグリジェである
もうバインバインな胸がこれみよがしに主張され、才人の上で...
二人共、夏の昼間に屋根裏で寝てる為、才人はパンツ一丁、ル...
暑いのに肌を合わせないとルイズの方が寝られないのが、がし...
そして、ジェシカもその恩恵に預かり、色々えっちな事をしよ...
* * *
「…暑い」
才人が午後の余りの暑さに目を覚ますと、何故かジェシカ迄上...
才人はそのまま起き出し、ルイズの隣にジェシカを置くと、そ...
用事が有るからだ
パタン
二人が起きたのは夕方であり、起きたら才人がおらず、お互い...
「何で、い……おにいちゃんじゃ無いのよ?」
「其はこちらの台詞よ。何でお兄さん居ないのよ?せっかく誘...
「ああああたしが居るのに、堂々とやらないでくれる?」
「あら、善は急げって言うでしょ?タニアっ子は、せっかちな...
「そんなの駄目に決まってるでしょ?」
「ふ〜ん?殴りまくって、お兄さんが何をやってるか聞かない...
「教えてくれないもん」
ブスッと応じるルイズに、ジェシカがやっと気付く
才人は教える積もりが無いのだ
なら、スカロンから聞いたとは言え、自分が言ってはいけない...
「じゃあ、一つだけ言ってあげる。殴るの止めなさい。貴女に...
「そんなの……解ってるもん。あたしじゃ……駄目だもん」
「おっし、許可が降りた。じゃあ、私が貰おうっと、じゃね」
ひらひら手を振り、ジェシカが部屋から出て行く
パタン
誘導尋問に引っ掛かった事を、出て行った後にルイズは気付く
「……あっ、やられた!?ちょっと、今の無し!!待ってよ!!」
ルイズがバタバタとジェシカを追い、部屋を飛び出した
此所でも虫の払いは必要らしい
ルイズは頭が痛い
「こんなので、あたし、任務なんかこなせるの?」
ちょっと疑問だ
* * *
終了行:
「……と、言う訳です。才人さん」
「はぁ〜〜〜〜〜〜」
シエスタから説明を受け、長い長ぁい溜め息を付いた才人が居...
今才人に顔を合わせるのは、非っ常に気まずい
才人の心配が全て的中し、更にカジノで大負けしたのをこの店...
ルイズが魅惑の妖精亭に入ってから、一週間が過ぎている
才人の方は、翌日に鉄鋼の精錬を確認し、相当良い状態に改善...
更に、石炭を蒸し焼きにした後のガスを用いてガス灯を作り配...
更に、時計職人達にダイヤルゲージ,シリンダーゲージ,バイメ...
それぞれ機械式時計に較べれば、遥かに少ない部品点数で作れ...
ダイヤルゲージはギヤ比とリンク比さえきちんとすれば良いだ...
それぞれ、大きめの真鍮製懐中時計のボディーをそのまま使い...
見習いに対する訓練用に丁度良いと言われてしまい、才人は苦...
更にガラス職人を探したのだが、ヴァリエールかトリスタニア...
リンク機構の相談も行い、ド=モンモランシに行く時計職人と...
空いた時間は、才人はグラモン式軍事教練を受けている
エレオノールの機嫌は、才人には良く解らない
一人、盛り上がっては盛り下がる事を繰り返してるからだ
そんなこんなで才人がシエスタにまだ予定が立たないと連絡を...
才人は零戦を飛ばして学院に置くと、学院からエレオノールの...
ド=グラモン滞在中に、タバサは仕事と言い残して、ガリアに...
後は全員グラモン領に、置いて来ている
トリスタニアには、他にも才人は用事が有るのだが、現在はル...
「全く、スリに遭うわ、カジノで大借金をこさえるわ、オマケ...
「……返す言葉もございません」
ルイズはしゅんとしている
「まぁ、無事で良かったよ」
才人はそう言って、溜め息を付く
何度付いても付き足りない気分に陥るのは、流石に才人も初め...
「ルイズ、だから言ったろ?貴族の気分で動いてたら、危ない...
「……はい」
流石に、今回ばかりは素直である
良いとこまるで無しなのだ
貴族のマントが、今まで凄まじい効果を発揮していたのを、改...
コンコン
「ルイズちゃんのお兄さんが来たんですって?挨拶させてくれ...
「スカロン叔父さん」
シエスタがガチャリと開け、スカロンが入室する
流石に4人は狭い
シエスタがスカロンに席を譲り、立つ
ルイズはベッドに腰掛けており、才人はテーブルを挟んで、ス...
「あら、貴方がルイズちゃんのお兄さん?宜しく、私はスカロ...
「初めまして、マダム。俺は才人、ルイズの腹違いの種違いの...
東京にはオカマさんが多い。たまに飲む酒場で良く見てた才人...
初対面で驚かない才人に、スカロンはちょっぴり感心しながら...
「あら、ミ・マドモアゼルって言ったでしょ?もう、皆マダム...
「親の連れ子同士の結婚ですよ」
「あら、納得だわ」
スカロンは頷く。ルイズの任務の性質上、一番無難な方法を取...
そして、スカロンはルイズと才人を交互に見ると一人納得し、...
「シエスタ。お店手伝って貰えない?貴女が居るとチップが増...
くねくねしながらスカロンが言うと、シエスタは才人の前で有...
「絶対、嫌。厨房だったら、手伝っても良いです。スカロン叔...
「ん〜、まぁしょうがないわね。じゃあ宜しく頼むわね」
「マダム」
「あら、なあに?」
「ルイズの負けって、どれ位ですか」
「えっと、お城の半額位?」
「……大した負けっぷりだ。じゃあ、ルイズの代わりに支払いま...
そう言って、才人は小切手を出す
グラモン滞在中に、王宮から来た報酬である
金額が多大な為、口座を開設して入金してあると手紙に綴られ...
本来はもう少し高いのだが、コルベールとエレオノールに金額...
コルベールとエレオノールは、今回分の貢献はしてないと固辞...
「ゼロ機関は不安定収入の組織だ。払える時に払う。次回がい...
と言って、押し付けた
二人共、自身が抱える研究途上の物がある為、資金は有るに越...
最初は三等分しようとしたが、二人に猛烈に反対された
「こんの馬鹿平民!!実績に基づく分配比率にしなさい!!そんな...
二人がきちんとした大人である事を嬉しく思い、更に感謝する
「素晴らしいスタッフだ。姫様に感謝しないとな」
そう言って微笑み、エレオノールを真っ赤に染めさせた
何故エレオノールが真っ赤に染まったのか、才人には解らない
当たり前の事を言ってるだけだったからだ
残りは一応、今回分をギリギリ支払えるかどうかって所である
「あらあら、ノン・ノン・ノン。賭事の分は、賭事で支払って...
「おみそれしました」
メトロノームの様に、指をちっちと振りながらスカロンは悪戯...
「中々出来たお兄さんねぇ。何処でそんなお金稼いだのかしら...
「剣は自衛用です。職人やってます。今はちょっと出稼ぎして...
「まぁ、トレビアン!!ミ・マドモアゼル感激!!美しい兄妹愛ね...
スカロンが一人そう言うと、ルイズは身じろぎをする
どうも、この人は全てお見通しらしい
『ううぅ、スカロン店長には、ずっと頭上がりそうにないわ』
「で、無事を確認出来たし、貴方はどうする?泊まる場所は用...
その言葉に、ルイズがベッドからがしりと才人を掴む
無言のおねだりだ
才人はルイズの頭に手をぽんと乗せ、話す
「良ければ、マダムを少しお手伝いさせて頂けませんか?ルイ...
「あら、どんなご用事?こんな仕事してるせいで私、こう見え...
才人に取って渡りに舟である
トリスタニアの市場と、街路全部見回る積もりだったのだ
「あ、そうなんですか?でしたら、硝子職人の工房と、宝石磨...
ルイズが其を聞き、才人に近寄り耳打ちする
「サイト、硝子職人は、ヴァリエールに居るよ」
才人の仕事にヴァリエールが役に立つ。当然ルイズは、この機...
「あぁ失礼、硝子職人のは無しで」
そんな様を面白そうに眺め、スカロンは応じる
「仲の良い兄妹ねぇ。宝石磨きの職人さんって、良く市場で露...
「ビンゴ!!その人」
「ちょっと待ってて、地図書いて来るわ」
スカロンは立ち上がり、一旦席を離れる
すると、才人はルイズを撫で始めた
「ルイズ、でかした」
「え?」
「トリスタニアの顔役に、偶然とは言え繋げたんだ。大した強...
ルイズはキョトンとする
才人の言い分が、余り理解出来ないのだ
「あの、スカロン叔父さんは、こんな仕事してるせいで、顔が...
シエスタが言うと、才人は更に応じる
「シエスタ、中々凄い事なんだよ。少なくとも、俺には接客業...
「そうなんですか?」
シエスタには良く解らない。何故なら、才人には大貴族のパイ...
だが、才人からすれば、所詮ガーダールヴに惹かれた上でのパ...
どうにも、信じきれない
「あぁ、世馴れた人だね。安心してルイズを任せられるわ。ル...
「い、言われなくても、解ってるわよ」
「良い子だ」
くしゃりと撫でられルイズは目を細める
待ちに待った使い魔の手である。其だけでルイズは元気が出る...
「で、才人さんは今日はどちらに泊まるんですか?」
「そうだな、木賃宿にでも」
「じゃあ、私も一緒に泊まりますね。ほら、宿代は節約しない...
そう言って、才人の腕を取り、ルイズがムッとする
「サイトはあたしと一緒。使い魔なんだから当然でしょ?それ...
「狭いから良いよ。シエスタはスカロンさんの所に」
「妖精さん達で、今目一杯ですよ。スカロン叔父さんがカジノ...
スカロンの行為は偶然では無いとシエスタに聞かされ、才人は...
「うっわ、あの人には頭上がらねぇなぁ、おい」
どうにも、シエスタの親戚は格好良すぎる
「えへへ、ひいお爺ちゃんの教育の賜です」
シエスタはそう言って、自慢の叔父に胸を張った
* * *
才人は地図を貰って頭を下げた後、バイトとして厨房と皿洗い...
この二人は魔法学院で、ずっとコンビを組んでいるので、お茶...
正に阿吽の呼吸でシエスタが料理を文字通り放り投げる
「はい、揚げ物終わり!!」
ヒュッ
才人が包丁数閃で空中の料理を切り分け、落ちた先の皿の上に...
「あいよ、運んでくれ」
……ガンダールヴの使い方を、間違っている気がしないでもない
普段から厨房に入っているスタッフは、そんな二人の行為にぽ...
「これ、見せ物に出来ますよ」
「……チップも飛ぶわね」
スカロンも深く頷いた
そんな中、ルイズは接客にどじっ娘満載で応じている
あっちで酒をひっくり返し、こっちで転び、慣れない接客用の...
但し、チップには結びついていないので、要修業だろう
最も、酔いどれ相手だと怒って喧嘩になるので、そう言った席...
そんな中、騒ぎが起きた
「おい、妖精ちゃん。こっち来て酒注げ、酒」
「あ、はい、ただ今」
来店した客は、既に酔っ払っている
たまたまルイズは空いていた為、席に付き、慣れない手付きで...
どうにも酒の匂いに我慢が出来ず、震えて取り落としたのだ
更に見事に好みとは正反対の泥酔親父であり、鳥肌が立ったの...
貴族は下世話な対応は嫌なのだ
「てめぇ!!何しやがる!?」
「も、申し訳有りません、今お拭き……」
「い〜や、許せねぇなぁ。ごめんで済んだら、陛下なんざ要ら...
そう言って、ルイズの手を掴み引っ張り外に出そうとする
「い、痛い!?」
「良いから弁償で付き合え、良いな?」
「お待ち下さい、ミスタ。ルイズちゃんの粗相、私、ミ・マド...
そう言って、いつの間にか側に寄ってたスカロンが頭を下げる
「てめぇ!!どう落とし前付けてくれんだよ!!あ?」
「でしたら、私がルイズちゃんの代わりに一晩お付き合い致し...
そう言って、酔客にしなだれかかるスカロン
はっきり言って、おぞましい光景である
すっかり酔いが醒めた客が後退り、吐き捨てる
「い、要らねぇよ。糞、飲み直しだ」
「お代は結構ですので」
「当たり前だ、馬鹿野郎」
そのまま退店し、ルイズはほっとする
「あ、あの、スカロン店長、有り難うございます」
「減点一。さっきのお酒代は、給料から引くわね」
ルイズはびくっとするが、頷く
世の中は、大変厳しい
「ま、さっきの客は、二度と来ないから安心して」
「えっ?」
「ルイズちゃんは知らなくて良いの。接客頑張んなさい。お兄...
「は、はい!!」
才人が見てる。其だけで、醜態は晒せない
「でも、もうちょい私の事見てくれてたって、良いじゃない。...
ついつい不満が口に出、聞こえたスカロンが応じる
「本当に、お兄さんは甘やかしねぇ」
才人はスカロンが出るとトイレと言って、トイレと違う勝手口...
* * *
先程の客が魅惑の妖精亭を後にした後、暫くしたら裏路地に誰...
「ひっ!?」
その刃は今迄みた事無い刃紋を持ち、非常に美しく、更に濡れ...
この刃は、人なんか簡単に切り裂ける
実際に触れてるだけの喉から、血が流れ出してるのが解る
声を出したら、その時点でお陀仏だ
狙われる覚えは全くないが、酔っ払ってた時の事かもしれない
「二度とあの店には行くな?良いな?約束出来ないなら、この...
ガタガタ震えだした男、その震えは刃に当たり、更に出血を促す
とてもじゃないが、メイジとて今の状況じゃ打開出来ないと、...
「ウ、ウィです!!だ、だから、た、助けてくれ!!」
「行け、此方を向いたら殺す」
刃を離した人物が男を蹴りだし、男はほうほうの程で走り去っ...
その人物は暗闇ですら妖艶に光る刃を収め、歩いて去っていった
* * *
夜明けと共に、魅惑の妖精亭は閉店する
最後迄居た客は、アフターの約束を妖精さんと上手く取り付け...
だが、ルイズはアフターのお誘いを全て断っている
やればチップ倍増の機会が増えると、先輩達に教えて貰ってる...
とてもじゃないが、使い魔以外の男とデートなんざしたくない
それほど、初日の出来事が尾を引いている
そしてやっと、使い魔と一緒のベッドの前に邪魔が入る
シエスタではなく、店長の娘、ジェシカだ
「ねぇ、貴方。ルイズちゃんのお兄さん?今日、厨房凄い助か...
「いえいえ、助けられたのはこっちですよ」
ジェシカはビスチェの胸元を強調しながら、才人の腕を胸元の...
胸の大きさはシエスタをしのいでおり、本質的な巨乳派の才人...
実に柔らかい感触は、夢見心地にさせてくれる
「ねぇ、私のお婿さんにならなぁい?お店助かっちゃうなぁ」
そして才人は、そんなジェシカのおでこをちょんとつついた
「いやん!?」
「実に素晴らしい誘惑。もうちょっとで、おぢさんうんと言っ...
「やぁだ、今うんって言ったでしょ?タニアっ子を甘く見ない...
「上手い手だね、ジェシカさん」
「ジェシカで良いわ。シエスタにも呼び捨てじゃない。なんか...
「解ったよ、ジェシカ。だから、腕離してくれない?」
「アフターしてくれるなら離してア・ゲ・ル」
そう言って、ジェシカは腕を離さない
「おぢさんをからかうのはやめなさい」
「だって、ひいお爺ちゃんに、似てるじゃない。黒髪の男の人...
そう言って、ジェシカは店の男にする様にとろんとした目を向...
大抵の男は酒と併せて一発で転んでくれるのだが、才人は残念...
「あぁ。ジェシカも武雄さんの曾孫か」
「あら、ひいお爺ちゃんを知ってるの?」
「竜の羽衣譲って貰ったよ」
聞いた途端、ジェシカは目を丸くする
「って事は……ひいお爺ちゃんと同じ国の人?」
「あぁ」
「やった!!凄い偶然、本当にアフターしよ!!私、俄然興味沸い...
そう言って、ジェシカが更に抱きつき、シエスタが睨みつける
「……ジェシカ。才人さんに何してるの?」
「何って、良いことよ。あ、これからするのよね?じゃ、行こ...
そんな様を見せ付けられたルイズは、サイトを何時もの如くぶ...
シエスタはあちゃーという表情をし、ジェシカはぽかんとする
「な、何?今の?」
「ミ……ルイズさんは、とんでもないブラコンなの。あんな事ル...
「でも兄妹でしょ?」
「血の繋がらないね」
「あ………あぁ!?」
シエスタの言い方にぽんと手を打ち、ジェシカは納得する
「じゃ、本気でいこう。障害は多い程燃えるのだ」
そんなジェシカの様に、ため息を付くシエスタ
「本気で遊ぼうの間違いでしょ?全く、悪い癖なんだから」
「あら、どうかしら?シエスタは知ってるんでしょ?どんな人...
するとシエスタは頬を染め、小さく囁いた
「……お嫁さんになりたい人」
「良し、決まり。本気だ」
「ちょ、ちょっと待って!?ジェシカ、止めて!?スカロン叔父さ...
すると、スカロンはシエスタの思惑とは反対の事を言い出した
「あの人が婿に来てくれたら、助かるわぁ。ジェシカ、頑張っ...
「サー、イエッサー。ジェシカ軍曹、突貫します」
ビシッとアルビオン式敬礼を行い、ジェシカは階段を登って行く
「もうやだ、従姉妹迄ライバルなんて。始祖ブリミルよ、お恨...
シエスタはよよよと泣き、その様を他の妖精さんは笑いながら...
皆、他人の恋愛沙汰程面白いモノは無いのだ
* * *
ルイズは自分の部屋に才人を放り込むと、腹を殴って気付けする
「ったく、また重くなってる。全然太って無いのに、一体なん...
勿論、増量分は全て筋肉です
使い魔のお仕事する為に、ルイズの知らない所で、沢山稽古し...
涙ぐましい才人の努力も、ルイズの前では露と消える
それより、そんな才人を片手で引きずりながら階段すら運べる...
同じ重量の物体は、絶対に動かせない筈だ
恐らく、才人がどんなに重くなっても、ルイズは片手で引きず...
ご主人様は、使い魔限定で無双になるらしい
「って。相変わらず酷いな、ご主人様は」
「ああああんた、言う事は無いの?」
「何をだ?」
「あたしが絡まれた時、何処に居たのよ?」
「ん?そんな事あったのか?」
ドゲシ!!
ルイズの蹴りが、才人の腹に直撃する
『どんなに鍛えても、何故ルイズの蹴りは痛いんだ?此が使い...
余りの痛みに苦悶する才人
「痛いです。マイロード」
「だから、何処に居たのか、正直に仰い」
「何時頃だ?」
ルイズが言うと、才人はポンと手を打つ
「あぁ、そん時、トイレでうんこしてた」
ルイズのアッパーカットが顎に炸裂し、才人は意識が吹っ飛ぶ
そのまま、才人を夏だから脱がして横にし、ルイズはプンプン...
才人の努力が報われるのは、何時だろう?
神と始祖か、大いなる意思のみが知る
* * *
ガチャ
「えっへっへっへ。わったっしっは、魅惑の妖精亭の看板娘〜...
そう言って、鍵を合鍵で開けてジェシカはルイズの部屋に入室...
「じゃあ、修羅場を楽しもうね、お兄さん」
着ているのは、スケスケのネグリジェである
もうバインバインな胸がこれみよがしに主張され、才人の上で...
二人共、夏の昼間に屋根裏で寝てる為、才人はパンツ一丁、ル...
暑いのに肌を合わせないとルイズの方が寝られないのが、がし...
そして、ジェシカもその恩恵に預かり、色々えっちな事をしよ...
* * *
「…暑い」
才人が午後の余りの暑さに目を覚ますと、何故かジェシカ迄上...
才人はそのまま起き出し、ルイズの隣にジェシカを置くと、そ...
用事が有るからだ
パタン
二人が起きたのは夕方であり、起きたら才人がおらず、お互い...
「何で、い……おにいちゃんじゃ無いのよ?」
「其はこちらの台詞よ。何でお兄さん居ないのよ?せっかく誘...
「ああああたしが居るのに、堂々とやらないでくれる?」
「あら、善は急げって言うでしょ?タニアっ子は、せっかちな...
「そんなの駄目に決まってるでしょ?」
「ふ〜ん?殴りまくって、お兄さんが何をやってるか聞かない...
「教えてくれないもん」
ブスッと応じるルイズに、ジェシカがやっと気付く
才人は教える積もりが無いのだ
なら、スカロンから聞いたとは言え、自分が言ってはいけない...
「じゃあ、一つだけ言ってあげる。殴るの止めなさい。貴女に...
「そんなの……解ってるもん。あたしじゃ……駄目だもん」
「おっし、許可が降りた。じゃあ、私が貰おうっと、じゃね」
ひらひら手を振り、ジェシカが部屋から出て行く
パタン
誘導尋問に引っ掛かった事を、出て行った後にルイズは気付く
「……あっ、やられた!?ちょっと、今の無し!!待ってよ!!」
ルイズがバタバタとジェシカを追い、部屋を飛び出した
此所でも虫の払いは必要らしい
ルイズは頭が痛い
「こんなので、あたし、任務なんかこなせるの?」
ちょっと疑問だ
* * *
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