ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
小さな領地の中に、ひとつだけある大きなお屋敷。そこの庭で...
時刻は正午を過ぎたほど。お茶会にはちょうどいい時間帯だ。
子どもたちも陽気に誘われたのか、テーブルの上には人数分の...
そんな可愛らしいお茶会に、小さな火花が散っていた。
「ぜーったいきみよりぼくの方が強い!」
「ううん、絶対おれの方が強い!」
二人の少年がテーブルごしに額を付き合わせている。
片方は癖のある金髪で、いかにも貴族な感じの少年だ。もう片...
「なら、けっとうだ!」
「望むところだ!」
「もう、やめなさいよ」
少年たちが立ち上がって歩き出したのを見て、茶髪の少女が耐...
そこに、お盆にティーポットを乗せた黒髪のメイドが現れた。
「ほらほら、ケンカはお止めなさいな。おちびちゃんたち」
そう言って、メイドはお盆をテーブルの上に置いた。それから...
「本当に強い男の子は、こんなことではケンカしないのよ」
メイドの優しい声に、二人はばつが悪いといった風に俯いた。...
「……でも、父さまは強いけどケンカするよ?」
「そうでしょうね。でも、あなたたちのお父さまはこんな強さ...
その言葉に、二人は顔を赤らめた。代わりに、さっきまでクッ...
「じゃあ、本当に強い男は、なんでケンカするの?」
「大切な人を守るためよ」
「大切な人?誰のこと?」
メイドは少し微笑んで、不思議そうに首をかしげる子どもたち...
「あなたたちが大きくなったらわかるわよ」
「えー、教えてよ!」
先ほどまでのしおらしい態度はどこへやら。不満そうに頬を膨...
「これはね、自分で探さないと意味がないのよ。だから頑張り...
「ケチ!意地悪!」
子どもたちはさらに不満そうな声をあげた。
メイドは、聞こえないふりをして立ち上がり、お茶を入れ直す。
屋敷へ戻る直前、メイドはまだ膨れっ面の少年たちにくすりと...
「どうしても知りたいなら、旦那さまに聞きなさいな」
と言って去っていった。
「旦那さまって……りょうしゅさまのことかあ」
イタズラ顔の少年が呟いた。それを聞いた金髪の少年が身体を...
「あの人、すごいんだろ!父さまが言ってた、七万人の敵を一...
「えー、わたしはあなたの父さまを倒したって聞いたわよ?」
茶髪の少女の言葉に、金髪の少年はムキになって反論する。
「そんなことあるもんか!ぼくの父さまと、ハルケギニアの英...
「ハルケギニアの英雄って?」
イタズラ顔の少年が金髪の少年に尋ねた。
「わたしたちのりょうしゅさまのことよ」
食い意地のはった少女が代わりに答える。
「ハルケギニアを、恐ろしい魔法から守ったからって聞いたわ」
「ああ、それ、わたしも聞いたことあるわ」
少女らは、ねーっと言って頷きあった。
「そういえば、りょうしゅさまは、でっかい龍を操れるって聞...
「えーわたしは空を飛べるって聞いたわよ」
「魔法でもなんでも吸収して、相手に跳ね返せるっていうのも...
「うそ、それはないわよー」
みんながてんでばらばらに噂話をするので、子どもたちはわけ...
「どれがほんとでどれが嘘なんだかわかんないじゃないか」
イタズラ顔の少年が頭を抱えた。それを見て、食い意地のはっ...
「あの子に聞きましょ。りょうしゅさまはあの子の父さまじゃ...
「そうだ、なんで気付かなかったんだろう」
「なあ、お前の父さんってほんとはどんな人なんだよ」
イタズラ顔の少年が、少女に話しかけた。少女は空を見上げて...
「わたしの父さま?」
少女はぽかんとした顔で返事をした。しかし、すぐに質問の意...
「わたしの父さまはね……」
少女はそこで一度言葉を切る。それから、母親譲りの桃色がか...
「わたしの父さまは、ゼロの使い魔なの」
終了行:
小さな領地の中に、ひとつだけある大きなお屋敷。そこの庭で...
時刻は正午を過ぎたほど。お茶会にはちょうどいい時間帯だ。
子どもたちも陽気に誘われたのか、テーブルの上には人数分の...
そんな可愛らしいお茶会に、小さな火花が散っていた。
「ぜーったいきみよりぼくの方が強い!」
「ううん、絶対おれの方が強い!」
二人の少年がテーブルごしに額を付き合わせている。
片方は癖のある金髪で、いかにも貴族な感じの少年だ。もう片...
「なら、けっとうだ!」
「望むところだ!」
「もう、やめなさいよ」
少年たちが立ち上がって歩き出したのを見て、茶髪の少女が耐...
そこに、お盆にティーポットを乗せた黒髪のメイドが現れた。
「ほらほら、ケンカはお止めなさいな。おちびちゃんたち」
そう言って、メイドはお盆をテーブルの上に置いた。それから...
「本当に強い男の子は、こんなことではケンカしないのよ」
メイドの優しい声に、二人はばつが悪いといった風に俯いた。...
「……でも、父さまは強いけどケンカするよ?」
「そうでしょうね。でも、あなたたちのお父さまはこんな強さ...
その言葉に、二人は顔を赤らめた。代わりに、さっきまでクッ...
「じゃあ、本当に強い男は、なんでケンカするの?」
「大切な人を守るためよ」
「大切な人?誰のこと?」
メイドは少し微笑んで、不思議そうに首をかしげる子どもたち...
「あなたたちが大きくなったらわかるわよ」
「えー、教えてよ!」
先ほどまでのしおらしい態度はどこへやら。不満そうに頬を膨...
「これはね、自分で探さないと意味がないのよ。だから頑張り...
「ケチ!意地悪!」
子どもたちはさらに不満そうな声をあげた。
メイドは、聞こえないふりをして立ち上がり、お茶を入れ直す。
屋敷へ戻る直前、メイドはまだ膨れっ面の少年たちにくすりと...
「どうしても知りたいなら、旦那さまに聞きなさいな」
と言って去っていった。
「旦那さまって……りょうしゅさまのことかあ」
イタズラ顔の少年が呟いた。それを聞いた金髪の少年が身体を...
「あの人、すごいんだろ!父さまが言ってた、七万人の敵を一...
「えー、わたしはあなたの父さまを倒したって聞いたわよ?」
茶髪の少女の言葉に、金髪の少年はムキになって反論する。
「そんなことあるもんか!ぼくの父さまと、ハルケギニアの英...
「ハルケギニアの英雄って?」
イタズラ顔の少年が金髪の少年に尋ねた。
「わたしたちのりょうしゅさまのことよ」
食い意地のはった少女が代わりに答える。
「ハルケギニアを、恐ろしい魔法から守ったからって聞いたわ」
「ああ、それ、わたしも聞いたことあるわ」
少女らは、ねーっと言って頷きあった。
「そういえば、りょうしゅさまは、でっかい龍を操れるって聞...
「えーわたしは空を飛べるって聞いたわよ」
「魔法でもなんでも吸収して、相手に跳ね返せるっていうのも...
「うそ、それはないわよー」
みんながてんでばらばらに噂話をするので、子どもたちはわけ...
「どれがほんとでどれが嘘なんだかわかんないじゃないか」
イタズラ顔の少年が頭を抱えた。それを見て、食い意地のはっ...
「あの子に聞きましょ。りょうしゅさまはあの子の父さまじゃ...
「そうだ、なんで気付かなかったんだろう」
「なあ、お前の父さんってほんとはどんな人なんだよ」
イタズラ顔の少年が、少女に話しかけた。少女は空を見上げて...
「わたしの父さま?」
少女はぽかんとした顔で返事をした。しかし、すぐに質問の意...
「わたしの父さまはね……」
少女はそこで一度言葉を切る。それから、母親譲りの桃色がか...
「わたしの父さまは、ゼロの使い魔なの」
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