ゼロの使い魔保管庫
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次の日の朝、二人が起きた時には才人は居なかった
その代わり、才人ではなく、お互いを抱えており、更にタバサ...
「…あれ?ダーリンは?」
キュルケがキョロキョロすると、タバサがむくりと起き、眼を...
「朝練かしらね?」
キュルケがそう言って伸びをすると、タバサはそのままストン...
「あら、何処行くの?タバサ」
キュルケも化粧をせずに付いて行くと、タバサが向かったのは...
扉の前に着くと声が聞こえて来る
「流石ですね夫人。シャルロットちゃんにもあげましょうね。...
「あ〜ん。あんもう、シャルロットったら溢しちゃって」
「あらら、シャルロットちゃん溢しちゃいましたね。お腹一杯...
「まぁ、シャルロットったら、イーヴァルディ様が来たから興...
二人がそっと扉を開けると、イーヴァルディと夫人が人形と一...
わざわざ人形の口元にスプーンを持って行って、人形から溢れ...
そのままそっと扉を閉めて、二人は準備を始める為に戻る
「手馴れてるわね」
キュルケの言葉に、こくりと頷くタバサ
「……きっと、待ってる人にやってたんでしょうね」
「…」
タバサでは出来ない。何故なら、タバサの姿が一番恐慌を来す...
「…せめて…母様が元に戻る迄…」
「そういう事は、今日のあいつら追っ払ってからにしましょ」
二人が部屋に戻って準備した後、朝食に向かうと、イーヴァル...
昨日とは違い、ペルスランが忠実に動いている
「イーヴァルディ様。奥様のご様子は?」
「飯もきちんと食べたし、身体拭いて歯も磨いたし、今はすっ...
「左様でございますか」
そう言って、ワインをイーヴァルディに注ぐ
「いや、今日は」
「前祝いでございます」
二人に何かあった事だけは、キュルケもタバサも感じ、特に何...
「頂きます」
イーヴァルディが両手を合わせるのを見て、ペルスランが呟く
「おや、そのお祈りは、イーヴァルディ様が教えたのですか」
「ん、あぁまあね」
そう言って、イーヴァルディはタバサと同じく大量の料理を、...
* * *
才人はベルトに擲弾の革帯を左後部に通して下げ、村雨を左脇...
「相棒、何で短銃持って来なかった?」
「新型出来てたら、持って来たけどな。普通のじゃ単発だし、...
「どっちにしろ単発じゃねぇか」
「威力に差があるんだよ。後装式銃、さっさと作れば良かった...
才人が頭をガシガシ掻き、キュルケとタバサがやって来た
制服姿ではなく、思い思いの服に身を包みマントを纏っている
キュルケは胸元が開いた長衣にスラックスを合わせた格好で、...
「女のコって、何着ても似合うな」
「ふっふっふっふ。タバサのコーディネートは私。どう、可愛...
「あぁ、二人共綺麗だぞ。ったく、此で今から戦闘じゃなきゃ...
そう言いながら、振り返って、彼方に呼び掛けた
「なぁ、変態兄弟」
「変態じゃない。元素だ」
ザッザッザッザ
下草を踏み分けて、四人が姿を表した
紅一点の少女は日傘をさしている
「ダミアン兄さん、あの男ムカつく。殺して良いだろ?」
「助っ人の生死は問われて無いですね。好きになさい、ドゥー...
「やった。兄さん達は手を出さないでよ。アイツは僕の獲物だ」
長兄の児童の言葉を受けた少年、ドゥードゥーが杖を抜き出した
合わせて、グローブをした才人もデルフを抜く
「ヒューヒュー、ご指名だってよ。モッテモテだね、相棒」
「男にモテんのは、日本で飽きてるっつうに。何で、こっちで...
「そりゃ、人間の精神が変わらないからじゃね?」
「あぁ、やだやだ。やってらんねぇわ」
才人達の軽口に怒りを滲ませつつ、少年が応じる
「僕はドゥードゥー。元素の兄弟の三男だ。一応名前を聞いて...
距離が開いてるのでお互い大声だ
「イーヴァルディ」
「何?」
「今の俺は、イーヴァルディだよ!!」
ダッ
口上と同時にイーヴァルディが駆け出し、同時にドゥードゥー...
ブン
イーヴァルディはそれを縄跳びの要領で跳躍して回避し、その...
カシィィィィィン!!
ブレイドの刃を戻して受け止めたドゥードゥーが、ニヤリと笑う
「ウフフ、アハハハハ!!まさか、こんな所でイーヴァルディに...
デルフがブレイドを吸い込み始めた為に、流してそのまま飛び...
「僕はなんて運が良いんだ!?母さん達に自慢出来るよ!!」
満面の笑みで言いつつ、今度は走り出した
「ちょっ、待て、速っ」
今迄で一番の健脚、流石にイーヴァルディが面喰らうが、ドゥ...
「普通のメイジは、魔法を防御に使うから攻撃は対して強くな...
キィン
才人が追随出来ずに、太刀を受けては流し、返すブレイドは、...
「相棒右」
ギィン
「糞ッ」
「でも、一流のメイジは、攻撃に全て費やせるんだ!」
ドゥードゥーの太刀筋自体は鋭くは無い
しかし、攻撃範囲と軌道がおかしい
敵も味方も範囲から外れて観戦である
「糞ったれ!斬艦刀かよ!?」
ギィン!!
一際高い音を発してお互いに斬り結んで飛び退き、目線を外さ...
「デルフ、どうだ?」
「おぅ、ようやく解った。ありゃ関節に先住を仕込んでんな。...
「やだねぇ。堪んないねぇ。勝てるか?」
「無理」
「即答すんな、この野郎」
すかさず攻撃範囲の広いドゥードゥーが、そのまま攻撃範囲に...
キィン
そしてイーヴァルディが隙と判断して突撃したら、手をくんと...
「上だぁ!!」
咄嗟に上から来たブレイドを、デルフの警告で吸い込みながら...
「取った!!」
ガシ
「うん、中々。でも相手が悪かったね」
ドゥードゥーが肩口で、デルフを硬化で受け止めている
「おおぉ!!」
更に力を込めたイーヴァルディがそのままドゥードゥーを地面...
「うっく、なんて力」
「デルフ、解放」
「おぅ」
キュイィィ
デルフが今まで吸ったブレイドを放出し、硬化事切り裂き始める
「う、うわぁ!?」
思わず斬られるのも構わずに後ろに飛び退き、ドゥードゥーが...
「ふぅふぅふぅふぅ」
「いやぁ、流石お宅のブレイド。切れ味が違うねぇ」
「ば、馬鹿にして、馬鹿にして。馬鹿にすんなぁぁぁぁ!!」
そのまま治癒を詠唱してた所に、カランコロンと足元に三つ円...
プシュウ
ドゥードゥー一帯に煙が撒かれ、視界が完全に塞がれる
「うっ、糞ッ。何処だ、イーヴァルディ!?」
煙に撒かれて判断が追い付かず、ブレイドを出しながらゲホゲ...
「此処だよ」
そう言って、踏み込んだイーヴァルディは、ドゥードゥーの正...
イーヴァルディが一気に抜刀し、それを宙返りで避けるドゥー...
「マジかよ!?」
すかさず左手を後ろ手に回し、擲弾を抜き取ると、コンコンコ...
「一」
すかさず着地してウィンドを唱えて、煙を飛ばすドゥードゥー
「二」
煙を飛ばしたドゥードゥーの足元に、また円筒型の物体が転が...
「何度も同じ手が通用すると……」
「三」
バババン!!
才人が後方に走りつつ、地面に刺してたデルフを抜いて振り返...
周囲に黒煙と炎が撒き起こり、その様子を元素の兄弟とタバサ...
「決まったか?」
「まだみてぇだな。アレ見ろ」
イーヴァルディが見た物は、煙が晴れて、服が見事にグシャグ...
「ふぅふぅふぅ。ぼぼぼ僕がそそそそう簡単にややややられる...
完全に歯の根が合わずガチガチいっている
「おいおい、魔法は攻撃に全部使うんじゃ無かったのか?防御...
「色男だね、兄ちゃん。モッテモテだね、ヒューヒュー」
「ふざけるな…ふざけるなふざけるな!?もう殺す!!絶対殺」
ドゥードゥーがそう吐き捨てた時には、イーヴァルディは既に...
ダメージを負ったドゥードゥーは反応が遅れ、イーヴァルディ...
辺りに霧が舞い、時間が止まる
「……ガハッ」
「悪い、お前さん強すぎて、手加減出来ねぇわ」
そのまま村雨を引き抜くと、ドゥードゥーはゆっくり倒れた
そのままイーヴァルディは村雨を一払いし、鞘に収め、続けて...
「何だよ相棒。勝っちまったのかよ」
「相手が少年で助かった。挑発に乗りやすいのなんの」
パンパンパンパン
拍手が鳴り響き、拍手をした人物が、イーヴァルディに話しか...
「流石イーヴァルディだな。首跳ねられ無くて助かった。ジャ...
「はぁい、ジャック兄さん」
そう言って日傘をさしてた少女、ジャネットがトンと一跳びで...
イーヴァルディ達は眼を見張る
心臓を貫かれたドゥードゥーの身体がみるみる傷が塞がり、鼓...
「…デルフ」
「異常過ぎらぁ。先住並……いや、先住なのか?」
「…規格外かよ」
すると、いつの間にかジャネットがイーヴァルディの傍に立っ...
興味津々で顔を寄せる
「…おい」
「へぇ、本当にイーヴァルディなんだぁ」
そのまま、顔を近付けたジャネットは、イーヴァルディの頬を...
「…え?」
「…力は感じないけど、あの左手?そこから感じるかなぁ?アハ...
そう言ってくるりと振り返り、すたすたと歩き出しながら、ド...
「でも残念。私、女のコが好きなの。それでも、兄さん達全員...
そう言って、元の位置に戻ると、ジャックと呼ばれた大男が進...
「此で終わりじゃないよな?イーヴァルディ。次は俺だ」
「いやぁ、勘弁。勝てそうにねぇや」
「まぁ、そう言うな。俺とも遊んでくれよ!!」
ジャックが言い切った時には、既に間合いに入っていた
咄嗟に村雨を抜いてる最中にジャックのボディーブロー
ギィン!!
金属が裂ける甲高い音が鳴り響き、イーヴァルディの腹にジャ...
「ぐぁっ!?」
ジャックが思わずたたらを踏んで後退する
硬化で変化した右拳が、中程迄亀裂が入っている
「あっぶね、間に合った」
イーヴァルディは村雨を鞘から半分程抜き、刃を立てた状態で...
「く、何なんだその剣。普通は折れるだろ?」
「日本刀舐めんな。俺の国で、一時代を築いた業物だぜ?」
そのままイーヴァルディが接近し、村雨を振るうが、霧を残し...
「ならコイツはどうだ?」
ジャックの詠唱に気付いたイーヴァルディはデルフを抜き、二...
「出番だぜ、デルフ」
「おうよ」
イーヴァルディの台詞と共にジャックが杖を振り、一斉にブレ...
キキキキキキン
二刀流で打ち払いながら吸い込み、急所と脚の負傷は避けるが...
ビスビスビス
「ってぇな、畜生」
「相棒の下手糞」
更に散弾が降り注ぎ、堪らなくなったイーヴァルディは両腕を...
ドスドスドス
威力が弱められたと言っても、身体に直撃弾を貰って、そのま...
ドサッ
「……効いた、畜生。バイクで交通事故した時みてぇだ。身体が…...
「あちゃー。痛み無視出来ても、身体動かないんじゃ無理だね...
ザッザッザッザ
「良く耐えたな。まぁ、別に恥じる必要無いぜ」
「んだよ、糞っ」
「イーヴァルディ殺したって言うと、恨まれるけど、これも巡...
「…何?」
ヒュン、カツ
イーヴァルディにトドメを刺そうと寄ったジャックに、氷の矢...
「…一騎討ちの邪魔すんのか?」
「一騎討ち?何言ってるの?私達は承諾した憶えは無いわよ?」
キュルケとタバサが炎と冷気の魔力を立ち上げ、周囲の空気を...
「あぁ、そう言や確かに一騎討ちの作法してねぇな。良いぜ、...
その言葉に、タバサとキュルケが高らかに詠唱を始めた
「ラグース・ウォータル・イス・イーサ・ハガラース」
「ウル・カーノ・イーサ・ティール・ギョーフ」
詠唱を聞いたジャックが鼻を鳴らし
「高がジャベリンとファイアランスで、俺達が仕留められると」
「思ってるわよ!!イーヴァルディの本当の恐ろしさ、味わいな...
ヒュン
二人が同時に杖を振り下ろし、その狙いはジャックを外れ更に...
「俺じゃないだと?」
「違うわ、あんたもよ」
丁度後方で観戦してた兄弟と、ジャックの中間地点の同箇所に...
ドォォォォン!!
盛大な水蒸気爆発が起き、元素の兄弟が全員吹き飛ばされた
「う…ぐぁ…」
「ふん。イーヴァルディの強さは単体じゃなくて、コンビネー...
イーヴァルディ自身は倒れて居た為、爆風のダメージを負って...
「つつつ、良し動ける」
イーヴァルディが立ち上がると村雨を収め、吹き飛ばされたジ...
「さてと、どうするタバサ?」
「…強すぎる」
「…だよな」
タバサの言わんとする所は、イーヴァルディにも解る
才人がデルフを振り上げ首に振り下ろした時、俯せに倒れてた...
ザクッ
「ぐぅっ」
「生命力も人間じゃねぇな、こりゃ」
デルフの呆れた声に才人も呆れる
「まだやれんのかよ」
ジャックがそのまま跳ね起き、イーヴァルディに向かって、満...
「…何だ今のは?聞いた事ねぇぞ?」
「だろうな。教えてやらん」
「くっ、コイツら攻撃力だけなら、俺達並だと?」
「まだやるか?」
「当然」
その声にイーヴァルディが動き出し、袈裟懸けに一撃
しかし、ダメージを負ったジャックは身体を硬化して耐える
「ぐ、おおぉぉ」
「吸え」
「おうよ」
デルフが硬化を吸い込み、肩口に刃がめり込んでいく
「ぐぁっ!?」
その隙にデルフを引き斬ったイーヴァルディが懐に潜り込み、...
ドスン
ジャック自身の体重に才人の体重が加算され、非常に重い一撃...
「グッハッ、何だ?この投げは?」
そのまま立ち上がったイーヴァルディがデルフを突き下ろすと...
ババッ
イーヴァルディから離れ、荒い息をしながら呟く
「ふぅふぅ。此が、イーヴァルディとそのパーティーか」
「デルフ……」
「……了解だ、相棒」
ダッ
デルフを横薙ぎに払うとジャックが跳び、そのままデルフが才...
「しまった、すっぽ抜けた」
「相棒の馬鹿たれ!!」
イーヴァルディはすかさず村雨を抜き、ジャックに攻撃の隙を...
そのまま飛んだデルフは、キュルケとタバサの前に突き立つ
「嬢ちゃん達、相棒から伝言だ………」
「……了解よ。粗悪品で良いのね?」
「おうよ。逆に不味い方が、嫌がらせになるって」
「あっはっはっは。ダーリン流石ね。タバサ、行くわよ」
コクリとタバサが頷き、二人の詠唱が始まった
ジャックとイーヴァルディが攻撃をいなしながらも攻撃するが...
お互いに体を入れ替えながら、人間には不可能な動きで捌き、...
ジャックの方がダメージが強く、結果的に同じ位の体捌きにな...
「こんなに、持ちこたえたのは、お前が始めてだ」
「ざけんな化物。てめえ、人間じゃねぇだろ?」
「俺は化物じゃねぇ!!」
才人の言葉に激昂し、拳を打ち下ろしたまま、地面迄勢い余っ...
その瞬間、ジャックがの周りの地面が大量の白い粉に変化する
そして、その粉が風に舞い、ジャックの身体全体を覆った
「また、目眩ましか。ゴホッ、小麦粉?しかも不味い。てめ、...
才人が村雨を突き出し、聞こえない様に呟いた
「ウル・カーノ」
ボン!!
爆風が才人の身体と髪を撫で、ジャックの肺迄浸透した小麦粉...
ゆっくりと、ジャックが地面に倒れ伏した
ドサッ
「悪いな。コイツも知らんかったろ?」
暫く動きが無かったダミアンとジャネットが、やっと起き出した
まさか自分達が攻撃されるとは思わず、もろに食らってしまっ...
「あつつつ、いや参りました。スクウェアスペルもかくやです...
「痛たた。あんもう、お気に入りの服がズタズタですわ。ジャ...
ダッ
ジャネットが破れてはだけた胸を顕に駆け出し、急いで治癒を...
「お願い、負けを認めるわ。剣を引いて」
「いや、あんたら強すぎるんだよ。正直またちょっかい出され...
「その私達に勝ったなら満足でしょ?お願い」
「……」
才人が村雨を肩に、頬をかりかり掻いている
どうにもこうにも、女には弱い
「ダーリン、女の色気に騙されちゃ駄目よう」
決着が着いたので、タバサとキュルケが歩み寄っている
「いや、随分騙されて来たから、更に騙されてもな」
「全く、美人には本当に甘いんだから」
キュルケがプンスカしつつも、イーヴァルディの意見に異を挟...
そして、タバサが尋問を始めた
「…依頼者は誰?」
「……イザベラ王女よ」
「…貴女達も花壇騎士?」
「そうよ。雪風さん」
北花壇騎士のみ、方位を冠さない
つまり、裏部門をお互いに認めたのだ
「…解った」
「タバサの同僚か?」
イーヴァルディの問いに、タバサが頷く
すると、イーヴァルディが村雨を収めた
チン
「タバサの同僚じゃ仕方ないな。もう手出ししないって誓うな...
「えぇ、そうよイーヴァルディ。もう、雪風は狙わないって誓...
そう言うと、イーヴァルディの頭を抱えてキスをする
たっぷりと舌を絡め、堪能したら離れた
「ん、美味し。じゃ、またの機会にね」
ひらひらと手を振り、ジャックをレビテーションで浮かすと去...
「ダミアン兄さん、行きましょ?」
「……ジャネット、依頼主を明かす事は無かったでしょう?」
「あら、明かさなかったら、ジャック兄さんとドゥードゥー兄...
「確かにそうですが……」
二人してレビテーションして二人を運搬して、木々の中に消え...
そして、消えた途端、イーヴァルディがトスンと腰を降ろした
「も、駄目」
「まさかダーリン、逃がしたのって」
「あぁ、あれが限界…後の二人に、敵討ちだと迫られたら終わっ...
そのまま大の字になって寝転がる
「済まん、動けねぇ。後頼むわ」
そう言うと、才人は意識を手離し、タバサはそんな才人を、レ...
* * *
終了行:
次の日の朝、二人が起きた時には才人は居なかった
その代わり、才人ではなく、お互いを抱えており、更にタバサ...
「…あれ?ダーリンは?」
キュルケがキョロキョロすると、タバサがむくりと起き、眼を...
「朝練かしらね?」
キュルケがそう言って伸びをすると、タバサはそのままストン...
「あら、何処行くの?タバサ」
キュルケも化粧をせずに付いて行くと、タバサが向かったのは...
扉の前に着くと声が聞こえて来る
「流石ですね夫人。シャルロットちゃんにもあげましょうね。...
「あ〜ん。あんもう、シャルロットったら溢しちゃって」
「あらら、シャルロットちゃん溢しちゃいましたね。お腹一杯...
「まぁ、シャルロットったら、イーヴァルディ様が来たから興...
二人がそっと扉を開けると、イーヴァルディと夫人が人形と一...
わざわざ人形の口元にスプーンを持って行って、人形から溢れ...
そのままそっと扉を閉めて、二人は準備を始める為に戻る
「手馴れてるわね」
キュルケの言葉に、こくりと頷くタバサ
「……きっと、待ってる人にやってたんでしょうね」
「…」
タバサでは出来ない。何故なら、タバサの姿が一番恐慌を来す...
「…せめて…母様が元に戻る迄…」
「そういう事は、今日のあいつら追っ払ってからにしましょ」
二人が部屋に戻って準備した後、朝食に向かうと、イーヴァル...
昨日とは違い、ペルスランが忠実に動いている
「イーヴァルディ様。奥様のご様子は?」
「飯もきちんと食べたし、身体拭いて歯も磨いたし、今はすっ...
「左様でございますか」
そう言って、ワインをイーヴァルディに注ぐ
「いや、今日は」
「前祝いでございます」
二人に何かあった事だけは、キュルケもタバサも感じ、特に何...
「頂きます」
イーヴァルディが両手を合わせるのを見て、ペルスランが呟く
「おや、そのお祈りは、イーヴァルディ様が教えたのですか」
「ん、あぁまあね」
そう言って、イーヴァルディはタバサと同じく大量の料理を、...
* * *
才人はベルトに擲弾の革帯を左後部に通して下げ、村雨を左脇...
「相棒、何で短銃持って来なかった?」
「新型出来てたら、持って来たけどな。普通のじゃ単発だし、...
「どっちにしろ単発じゃねぇか」
「威力に差があるんだよ。後装式銃、さっさと作れば良かった...
才人が頭をガシガシ掻き、キュルケとタバサがやって来た
制服姿ではなく、思い思いの服に身を包みマントを纏っている
キュルケは胸元が開いた長衣にスラックスを合わせた格好で、...
「女のコって、何着ても似合うな」
「ふっふっふっふ。タバサのコーディネートは私。どう、可愛...
「あぁ、二人共綺麗だぞ。ったく、此で今から戦闘じゃなきゃ...
そう言いながら、振り返って、彼方に呼び掛けた
「なぁ、変態兄弟」
「変態じゃない。元素だ」
ザッザッザッザ
下草を踏み分けて、四人が姿を表した
紅一点の少女は日傘をさしている
「ダミアン兄さん、あの男ムカつく。殺して良いだろ?」
「助っ人の生死は問われて無いですね。好きになさい、ドゥー...
「やった。兄さん達は手を出さないでよ。アイツは僕の獲物だ」
長兄の児童の言葉を受けた少年、ドゥードゥーが杖を抜き出した
合わせて、グローブをした才人もデルフを抜く
「ヒューヒュー、ご指名だってよ。モッテモテだね、相棒」
「男にモテんのは、日本で飽きてるっつうに。何で、こっちで...
「そりゃ、人間の精神が変わらないからじゃね?」
「あぁ、やだやだ。やってらんねぇわ」
才人達の軽口に怒りを滲ませつつ、少年が応じる
「僕はドゥードゥー。元素の兄弟の三男だ。一応名前を聞いて...
距離が開いてるのでお互い大声だ
「イーヴァルディ」
「何?」
「今の俺は、イーヴァルディだよ!!」
ダッ
口上と同時にイーヴァルディが駆け出し、同時にドゥードゥー...
ブン
イーヴァルディはそれを縄跳びの要領で跳躍して回避し、その...
カシィィィィィン!!
ブレイドの刃を戻して受け止めたドゥードゥーが、ニヤリと笑う
「ウフフ、アハハハハ!!まさか、こんな所でイーヴァルディに...
デルフがブレイドを吸い込み始めた為に、流してそのまま飛び...
「僕はなんて運が良いんだ!?母さん達に自慢出来るよ!!」
満面の笑みで言いつつ、今度は走り出した
「ちょっ、待て、速っ」
今迄で一番の健脚、流石にイーヴァルディが面喰らうが、ドゥ...
「普通のメイジは、魔法を防御に使うから攻撃は対して強くな...
キィン
才人が追随出来ずに、太刀を受けては流し、返すブレイドは、...
「相棒右」
ギィン
「糞ッ」
「でも、一流のメイジは、攻撃に全て費やせるんだ!」
ドゥードゥーの太刀筋自体は鋭くは無い
しかし、攻撃範囲と軌道がおかしい
敵も味方も範囲から外れて観戦である
「糞ったれ!斬艦刀かよ!?」
ギィン!!
一際高い音を発してお互いに斬り結んで飛び退き、目線を外さ...
「デルフ、どうだ?」
「おぅ、ようやく解った。ありゃ関節に先住を仕込んでんな。...
「やだねぇ。堪んないねぇ。勝てるか?」
「無理」
「即答すんな、この野郎」
すかさず攻撃範囲の広いドゥードゥーが、そのまま攻撃範囲に...
キィン
そしてイーヴァルディが隙と判断して突撃したら、手をくんと...
「上だぁ!!」
咄嗟に上から来たブレイドを、デルフの警告で吸い込みながら...
「取った!!」
ガシ
「うん、中々。でも相手が悪かったね」
ドゥードゥーが肩口で、デルフを硬化で受け止めている
「おおぉ!!」
更に力を込めたイーヴァルディがそのままドゥードゥーを地面...
「うっく、なんて力」
「デルフ、解放」
「おぅ」
キュイィィ
デルフが今まで吸ったブレイドを放出し、硬化事切り裂き始める
「う、うわぁ!?」
思わず斬られるのも構わずに後ろに飛び退き、ドゥードゥーが...
「ふぅふぅふぅふぅ」
「いやぁ、流石お宅のブレイド。切れ味が違うねぇ」
「ば、馬鹿にして、馬鹿にして。馬鹿にすんなぁぁぁぁ!!」
そのまま治癒を詠唱してた所に、カランコロンと足元に三つ円...
プシュウ
ドゥードゥー一帯に煙が撒かれ、視界が完全に塞がれる
「うっ、糞ッ。何処だ、イーヴァルディ!?」
煙に撒かれて判断が追い付かず、ブレイドを出しながらゲホゲ...
「此処だよ」
そう言って、踏み込んだイーヴァルディは、ドゥードゥーの正...
イーヴァルディが一気に抜刀し、それを宙返りで避けるドゥー...
「マジかよ!?」
すかさず左手を後ろ手に回し、擲弾を抜き取ると、コンコンコ...
「一」
すかさず着地してウィンドを唱えて、煙を飛ばすドゥードゥー
「二」
煙を飛ばしたドゥードゥーの足元に、また円筒型の物体が転が...
「何度も同じ手が通用すると……」
「三」
バババン!!
才人が後方に走りつつ、地面に刺してたデルフを抜いて振り返...
周囲に黒煙と炎が撒き起こり、その様子を元素の兄弟とタバサ...
「決まったか?」
「まだみてぇだな。アレ見ろ」
イーヴァルディが見た物は、煙が晴れて、服が見事にグシャグ...
「ふぅふぅふぅ。ぼぼぼ僕がそそそそう簡単にややややられる...
完全に歯の根が合わずガチガチいっている
「おいおい、魔法は攻撃に全部使うんじゃ無かったのか?防御...
「色男だね、兄ちゃん。モッテモテだね、ヒューヒュー」
「ふざけるな…ふざけるなふざけるな!?もう殺す!!絶対殺」
ドゥードゥーがそう吐き捨てた時には、イーヴァルディは既に...
ダメージを負ったドゥードゥーは反応が遅れ、イーヴァルディ...
辺りに霧が舞い、時間が止まる
「……ガハッ」
「悪い、お前さん強すぎて、手加減出来ねぇわ」
そのまま村雨を引き抜くと、ドゥードゥーはゆっくり倒れた
そのままイーヴァルディは村雨を一払いし、鞘に収め、続けて...
「何だよ相棒。勝っちまったのかよ」
「相手が少年で助かった。挑発に乗りやすいのなんの」
パンパンパンパン
拍手が鳴り響き、拍手をした人物が、イーヴァルディに話しか...
「流石イーヴァルディだな。首跳ねられ無くて助かった。ジャ...
「はぁい、ジャック兄さん」
そう言って日傘をさしてた少女、ジャネットがトンと一跳びで...
イーヴァルディ達は眼を見張る
心臓を貫かれたドゥードゥーの身体がみるみる傷が塞がり、鼓...
「…デルフ」
「異常過ぎらぁ。先住並……いや、先住なのか?」
「…規格外かよ」
すると、いつの間にかジャネットがイーヴァルディの傍に立っ...
興味津々で顔を寄せる
「…おい」
「へぇ、本当にイーヴァルディなんだぁ」
そのまま、顔を近付けたジャネットは、イーヴァルディの頬を...
「…え?」
「…力は感じないけど、あの左手?そこから感じるかなぁ?アハ...
そう言ってくるりと振り返り、すたすたと歩き出しながら、ド...
「でも残念。私、女のコが好きなの。それでも、兄さん達全員...
そう言って、元の位置に戻ると、ジャックと呼ばれた大男が進...
「此で終わりじゃないよな?イーヴァルディ。次は俺だ」
「いやぁ、勘弁。勝てそうにねぇや」
「まぁ、そう言うな。俺とも遊んでくれよ!!」
ジャックが言い切った時には、既に間合いに入っていた
咄嗟に村雨を抜いてる最中にジャックのボディーブロー
ギィン!!
金属が裂ける甲高い音が鳴り響き、イーヴァルディの腹にジャ...
「ぐぁっ!?」
ジャックが思わずたたらを踏んで後退する
硬化で変化した右拳が、中程迄亀裂が入っている
「あっぶね、間に合った」
イーヴァルディは村雨を鞘から半分程抜き、刃を立てた状態で...
「く、何なんだその剣。普通は折れるだろ?」
「日本刀舐めんな。俺の国で、一時代を築いた業物だぜ?」
そのままイーヴァルディが接近し、村雨を振るうが、霧を残し...
「ならコイツはどうだ?」
ジャックの詠唱に気付いたイーヴァルディはデルフを抜き、二...
「出番だぜ、デルフ」
「おうよ」
イーヴァルディの台詞と共にジャックが杖を振り、一斉にブレ...
キキキキキキン
二刀流で打ち払いながら吸い込み、急所と脚の負傷は避けるが...
ビスビスビス
「ってぇな、畜生」
「相棒の下手糞」
更に散弾が降り注ぎ、堪らなくなったイーヴァルディは両腕を...
ドスドスドス
威力が弱められたと言っても、身体に直撃弾を貰って、そのま...
ドサッ
「……効いた、畜生。バイクで交通事故した時みてぇだ。身体が…...
「あちゃー。痛み無視出来ても、身体動かないんじゃ無理だね...
ザッザッザッザ
「良く耐えたな。まぁ、別に恥じる必要無いぜ」
「んだよ、糞っ」
「イーヴァルディ殺したって言うと、恨まれるけど、これも巡...
「…何?」
ヒュン、カツ
イーヴァルディにトドメを刺そうと寄ったジャックに、氷の矢...
「…一騎討ちの邪魔すんのか?」
「一騎討ち?何言ってるの?私達は承諾した憶えは無いわよ?」
キュルケとタバサが炎と冷気の魔力を立ち上げ、周囲の空気を...
「あぁ、そう言や確かに一騎討ちの作法してねぇな。良いぜ、...
その言葉に、タバサとキュルケが高らかに詠唱を始めた
「ラグース・ウォータル・イス・イーサ・ハガラース」
「ウル・カーノ・イーサ・ティール・ギョーフ」
詠唱を聞いたジャックが鼻を鳴らし
「高がジャベリンとファイアランスで、俺達が仕留められると」
「思ってるわよ!!イーヴァルディの本当の恐ろしさ、味わいな...
ヒュン
二人が同時に杖を振り下ろし、その狙いはジャックを外れ更に...
「俺じゃないだと?」
「違うわ、あんたもよ」
丁度後方で観戦してた兄弟と、ジャックの中間地点の同箇所に...
ドォォォォン!!
盛大な水蒸気爆発が起き、元素の兄弟が全員吹き飛ばされた
「う…ぐぁ…」
「ふん。イーヴァルディの強さは単体じゃなくて、コンビネー...
イーヴァルディ自身は倒れて居た為、爆風のダメージを負って...
「つつつ、良し動ける」
イーヴァルディが立ち上がると村雨を収め、吹き飛ばされたジ...
「さてと、どうするタバサ?」
「…強すぎる」
「…だよな」
タバサの言わんとする所は、イーヴァルディにも解る
才人がデルフを振り上げ首に振り下ろした時、俯せに倒れてた...
ザクッ
「ぐぅっ」
「生命力も人間じゃねぇな、こりゃ」
デルフの呆れた声に才人も呆れる
「まだやれんのかよ」
ジャックがそのまま跳ね起き、イーヴァルディに向かって、満...
「…何だ今のは?聞いた事ねぇぞ?」
「だろうな。教えてやらん」
「くっ、コイツら攻撃力だけなら、俺達並だと?」
「まだやるか?」
「当然」
その声にイーヴァルディが動き出し、袈裟懸けに一撃
しかし、ダメージを負ったジャックは身体を硬化して耐える
「ぐ、おおぉぉ」
「吸え」
「おうよ」
デルフが硬化を吸い込み、肩口に刃がめり込んでいく
「ぐぁっ!?」
その隙にデルフを引き斬ったイーヴァルディが懐に潜り込み、...
ドスン
ジャック自身の体重に才人の体重が加算され、非常に重い一撃...
「グッハッ、何だ?この投げは?」
そのまま立ち上がったイーヴァルディがデルフを突き下ろすと...
ババッ
イーヴァルディから離れ、荒い息をしながら呟く
「ふぅふぅ。此が、イーヴァルディとそのパーティーか」
「デルフ……」
「……了解だ、相棒」
ダッ
デルフを横薙ぎに払うとジャックが跳び、そのままデルフが才...
「しまった、すっぽ抜けた」
「相棒の馬鹿たれ!!」
イーヴァルディはすかさず村雨を抜き、ジャックに攻撃の隙を...
そのまま飛んだデルフは、キュルケとタバサの前に突き立つ
「嬢ちゃん達、相棒から伝言だ………」
「……了解よ。粗悪品で良いのね?」
「おうよ。逆に不味い方が、嫌がらせになるって」
「あっはっはっは。ダーリン流石ね。タバサ、行くわよ」
コクリとタバサが頷き、二人の詠唱が始まった
ジャックとイーヴァルディが攻撃をいなしながらも攻撃するが...
お互いに体を入れ替えながら、人間には不可能な動きで捌き、...
ジャックの方がダメージが強く、結果的に同じ位の体捌きにな...
「こんなに、持ちこたえたのは、お前が始めてだ」
「ざけんな化物。てめえ、人間じゃねぇだろ?」
「俺は化物じゃねぇ!!」
才人の言葉に激昂し、拳を打ち下ろしたまま、地面迄勢い余っ...
その瞬間、ジャックがの周りの地面が大量の白い粉に変化する
そして、その粉が風に舞い、ジャックの身体全体を覆った
「また、目眩ましか。ゴホッ、小麦粉?しかも不味い。てめ、...
才人が村雨を突き出し、聞こえない様に呟いた
「ウル・カーノ」
ボン!!
爆風が才人の身体と髪を撫で、ジャックの肺迄浸透した小麦粉...
ゆっくりと、ジャックが地面に倒れ伏した
ドサッ
「悪いな。コイツも知らんかったろ?」
暫く動きが無かったダミアンとジャネットが、やっと起き出した
まさか自分達が攻撃されるとは思わず、もろに食らってしまっ...
「あつつつ、いや参りました。スクウェアスペルもかくやです...
「痛たた。あんもう、お気に入りの服がズタズタですわ。ジャ...
ダッ
ジャネットが破れてはだけた胸を顕に駆け出し、急いで治癒を...
「お願い、負けを認めるわ。剣を引いて」
「いや、あんたら強すぎるんだよ。正直またちょっかい出され...
「その私達に勝ったなら満足でしょ?お願い」
「……」
才人が村雨を肩に、頬をかりかり掻いている
どうにもこうにも、女には弱い
「ダーリン、女の色気に騙されちゃ駄目よう」
決着が着いたので、タバサとキュルケが歩み寄っている
「いや、随分騙されて来たから、更に騙されてもな」
「全く、美人には本当に甘いんだから」
キュルケがプンスカしつつも、イーヴァルディの意見に異を挟...
そして、タバサが尋問を始めた
「…依頼者は誰?」
「……イザベラ王女よ」
「…貴女達も花壇騎士?」
「そうよ。雪風さん」
北花壇騎士のみ、方位を冠さない
つまり、裏部門をお互いに認めたのだ
「…解った」
「タバサの同僚か?」
イーヴァルディの問いに、タバサが頷く
すると、イーヴァルディが村雨を収めた
チン
「タバサの同僚じゃ仕方ないな。もう手出ししないって誓うな...
「えぇ、そうよイーヴァルディ。もう、雪風は狙わないって誓...
そう言うと、イーヴァルディの頭を抱えてキスをする
たっぷりと舌を絡め、堪能したら離れた
「ん、美味し。じゃ、またの機会にね」
ひらひらと手を振り、ジャックをレビテーションで浮かすと去...
「ダミアン兄さん、行きましょ?」
「……ジャネット、依頼主を明かす事は無かったでしょう?」
「あら、明かさなかったら、ジャック兄さんとドゥードゥー兄...
「確かにそうですが……」
二人してレビテーションして二人を運搬して、木々の中に消え...
そして、消えた途端、イーヴァルディがトスンと腰を降ろした
「も、駄目」
「まさかダーリン、逃がしたのって」
「あぁ、あれが限界…後の二人に、敵討ちだと迫られたら終わっ...
そのまま大の字になって寝転がる
「済まん、動けねぇ。後頼むわ」
そう言うと、才人は意識を手離し、タバサはそんな才人を、レ...
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