ゼロの使い魔保管庫
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アンリエッタの出兵令迄遡る
マリコルヌ=ド=グランドプレは、自他共に認める変態さんで...
そして本質的に臆病で、そんな自分が結構好きだ
でも、貴族たるもの、臆病な部分だけは直したいとは思ってい...
そんな折り、女王アンリエッタの出兵令を聞き、直すチャンス...
そして、少年貴族達の志願者に混ざり、今、王宮の練兵場にて...
その数は500
マリコルヌは体重に難が有ったが、何とかパス出来た
「よ〜し、ガキ共きちんと整列したな?今日から、基礎練を担...
いきなりの不満表明に、衛士隊と言えど全員睨み付ける
「ったく、此だからガキ共は。俺はラインで一番下っぱだから...
「幾らなんでも、酷いと思います」
「誰が発言を許可した?お前らの生殺与奪の全権は、俺が握っ...
マリコルヌはその言葉で気付いたが、不満を言った少年は収ま...
「僕はトライアングルだ。衛士隊とは言え、ラインの貴族に教...
その声に、そうだそうだと同意の声が上がり、教官が溜め息を...
「今、何を言ったか解ってんのかてめえら。抗命罪だ、抗命罪...
「「「「…!」」」」いきなり少年達は無言になる
「……な、あれしきの事で」
「良いから前に出ろ。略式軍法会議だ。判事は俺。てめぇらは...
そう言って詠唱すると、水の礫が撒かれ、発言した少年達の額...
衛士隊は空を高速で飛びながら戦闘する
止まった状態で判別するのは、非常に易しい
流石に青醒めてぞろぞろ出て来る
その数20人余
そして、最後尾の少年が恐怖に負けて、フライを唱えて逃げ出...
教官が詠唱して、マジックミサイルが飛んだ少年を串刺しにし...
「逃げた奴は、敵前逃亡で同じく死刑。こっちは、軍法会議無...
一気にガチガチ震え始めた少年達
少年達は、初めて貴族の威が全く通用しない世界に、入ってし...
「では判決だ。発言した馬鹿は死刑!っと、言いたい所だが、...
ゴクリ
全員息を飲んで、判決の内容を待つ
「俺と一対一で勝利すれば、今回の件に付いては不問とす。同...
衛士隊相手に素手や剣は少年には自殺行為だ
かといって、銃も使った事は無い
当然答えは一つになる
「つ、杖だ」
「……杖だな。じゃあ、全員離れていろ」
教官の声に、全員距離を取ると、教官と少年が対峙する
「ぼ、僕は火のトライアングルだ。逃げるなら今の内だぞ?」
「良いから先に詠唱しろ、ハンデだハンデ」
教官は気にも止めず、手を振ってさっさとやれと促す
「糞、馬鹿にするな。ウル・カーノ…」
唱えた終えた時には、教官が水のブレイドを展開して、間合い...
一刀で杖が斬られ、そのままブレイドの刃が少年に刺さる
少年は血を吐きながら、その場に崩れた
「馬鹿が、素手が一番優しかったのによ」
そう言って、もう少年には注意を向けない
既に、少年の眼には光が無い
「後の連中は連帯責任だ。全員練兵場100周。走れ!!」
「「「「ウ、ウィ!!」」」」
目の前で刑が執行された
100周など、それに比べればずっと優しい
俗世間の垢を、今この場で洗い流すべく、少年達は走り始めた...
* * *
「ひぃっ、ひぃっ」
全員100周走ってぶっ倒れている
マリコルヌは、そのぽっちゃりしたチャームポイントたるお腹...
「ようし、そのまま全員聞け。俺はお前らゴミを、せめて雑魚...
聞いてるかどうかはどうでも良いのだろう
一方的に教官が話す
「今日刑を執行した馬鹿二人だが、きちんと親元には罪状を送...
志願した上での軍務違犯
まごうかたなき一族の面汚し
親や家族の怒りが容易に分かり、全員ゾッとする
場合によっては、家にマジで帰れない所か、家名剥奪絶縁も有...
「勿論そうなる事を見越して、わざと生かしてある」
『…死んだ方がマシの様な?この教官鬼だ。悪魔だ』
マリコルヌはそう思い、皆が同じ感想を抱いた
「言っておくが、戦場はここでの訓練なんざ序の口だ。ほんの...
「「「「はいっ!!」」」」
「ようし、全員起立」
足腰ガタガタだが、全員今度は逆らわない
二人の犠牲で骨身に染みたのだ
逆らえば、次は自分の番である
「整列!」
ザザザザ
全員が整列する
「兵舎迄駆け足!行け!」
「「「「ウィ」」」」
ざっざっざっざっ
今日は、此位で終わらせてくれるらしい
ヘロヘロの身体に無理矢理鞭を打ち、マリコルヌは城外の兵舎...
* * *
「あ〜疲れた」
マリコルヌがシャワーを浴びた後(兵舎に湯船は無い)は、食堂...
どうやら全員同じ考えの様で、あちこちでうっぷと言いながら...
明日からの猛訓練が予想されるのだ、食わなければ冗談抜きで...
そんな中、ずっと気になってたクラスメートを食堂で見付けて...
「やぁ、ギーシュ、レイナール」
「やぁ、マリコルヌ。君もこの組だったんだね」
ギーシュの挨拶にマリコルヌがむ?と、なる
何か、ギーシュが違う気がする
そう、これは言わないといけない
「なぁ、ギーシュ。お願いが有るんだけど?」
「ん?何?僕に出来る事?」
「うん、君にしか出来ない。僕を……僕を踏んでくれぇぇぇぇ!!」
流石にギーシュが仰け反り、レイナールが冷たい視線を送る
「あのな……マリコルヌの変態振りはもう馴れたけど、ギーシュ...
「嫌、だってこうムラムラって来るモノが、ほら解んない?」
「解ってたまるか!?席着け阿呆!」
ベシッ
後ろからギムリに叩かれて、マリコルヌは渋々と着席する
「あぁ、マリコルヌ。君は友達とは言い難いけど、僕に近寄ら...
向かい席に着かれたギーシュが、心底嫌そうにしている
「今ので友情にヒビ入ったな。マリコルヌも、ちったぁ時と場...
ギムリに言われて、マリコルヌは首を傾げている
「いや、そうなんだけどさ。何かこう、ギーシュを見たら何故...
「そんなの、君にしか解んねぇよ」
レイナールがそう言って肩を竦める
「しかし、あの教官おっかなかったなぁ」
話題を変えようとギムリが口を開けて食い物を放り込みながら...
「いやぁ、あれ位普通だよ」
「そうなのか?ギーシュ」
レイナールが聞くと頷いて語り出した
「だって、殺して無いし。きちんと治せる怪我の範囲で収めて...
「そう言われてみれば、そうだな」
同じく火の使い手として、レイナールが頷く
「心配もしてると思うよ。きちんとやらないと死ぬぞって。兄...
「はぁ、貴族っても、楽じゃねぇなぁ」
ギムリが溜め息を付くと、マリコルヌは頷いた
「僕、生きて軍に行けるかな?」
「さぁな。さっさと食って寝ようぜ。起床後直ぐに訓練だ。明...
ギムリがそう言って平らげると、マリコルヌは無理矢理詰め込...
* * *
翌日からの訓練は、非常に酷かった
アニエスの扱きを暇潰しで受けた経験が無ければ、マリコルヌ...
事実、力尽きて倒れる者が続出し、教官がわざわざ治癒とポー...
「……何で水の教官か、やっと解ったよ」
ゼイゼイしてるマリコルヌの側で、レイナールが同じくゼイゼ...
「あはは、軍も考えてるねぇ」
ギーシュが涼しそうに立っている
落第とはいえ、何だかんだで、家で訓練してきたせいだろう
「ま、才人の稽古に比べれば軽いよ、うん。才人の場合、ゼロ...
「…そうだな。あいつに較べればこれ位」
ギムリが汗をかいたまま立ち上がり、マリコルヌも立ち上がる
「僕らもシュヴァリエの扱きが効いてんだね。あんまり、醜態...
マリコルヌは、自分がそう思う事に驚いた
そしてギーシュの涼しい顔を見てると、またムラムラしてくる
「ぼ、僕を、踏んで罵ってくれ〜〜〜〜!!」
すざっとギーシュの前に平伏し、ギーシュに虫酸が走って後退...
他の少年達にも艶が解り、思わず赤面してしまう
「…なんつうか、マリコルヌの言い分が解って来た様な」
「…僕もだよ、レイナール」
「……君達と、絶交したくなってきた」
『う〜ん。才人に抱かれちゃったせいかなぁ?男装もそろそろ...
皆で揃いの軍服なのだが、どうも限界かなと、ギーシュも思い...
最近、そっちの気の人達の視線が熱くて困るのだ
ギーシュは完全にノーマルである為に、それも勘弁である
「そうだ、今度の休みに皆で出掛けないか?魅惑の妖精亭って...
「本当かい、ギムリ?」
「おぅ、何でもヒポグリフ隊グラモン隊長御用達らしいぞ?」
その言葉に、ギーシュを除いて全員目の色が変わる
「それは是非とも行かねば」
マリコルヌの言葉に全員頷き、気合いを入れる
「そうそう、後、あっち方面の店も聞いて来た。全員小遣い有...
ギムリのその言葉に、レイナールがコホンと咳払いをする
「あっち方面とは?」「やだなぁ、言わせんなよ、このっこの...
レイナールにギムリが肘でつつき、レイナールが鼻の下を伸ば...
「ハッハッハ。僕は、学術的興味に決まってるじゃないか……す...
そう言って参加を請い、ギムリが尊大に頷く
「大変正直で宜しい。レイナール二等兵、参加を許可する」
「た、隊長!自分は感激でアリマス」
ギムリに向かって敬礼するレイナール
『ふうん、そういう店かぁ。後学の為に行ってみようかな?』
ギーシュも頷いて、全員で行く事が決まる
「ガキ共、休憩終わりだ。来い!!」
マリコルヌ達は教官の怒声に、慌てて走って行った
* * *
さて、そんな訓練の合間の休日の前日
「よっしゃー!!休みだぁ!!」
一際元気が良い四人組が、飯とシャワーを浴びたら、速攻で街...
中には、ヘロヘロでベッドに倒れた連中が居るにも関わらずだ
やはり、待ってるモノがテンションを高めるのだろう
目指す先は歓楽街、そして大人の宿である
そのまま宿で一泊してから、明日の休みに魅惑の妖精亭に向か...
「よし、お前ら。一番良いとこを探すぞ?」「「了解でアリマ...
遊び馴れてない少年貴族達の、初めてのトリスタニアでのイケ...
全員期待値が違う
そんなこんなで、宿から女達がウルフホイッスルを鳴らし、少...
「デムリ隊長。何処が良いか全く解りません!」
「…実は僕もだ」
こんな時こそジェラールが居たら色々教えてくれただろうが、...
そしてギーシュはピンと来た
「あ、そうか。グラモン隊長の御用達の店はどれだ?」
わざと大声を上げると、何軒かから、声が上がった
「ウチは良く来て貰ってるわよ〜」
「あら、ウチだってそうよ〜?」
「ナイスだ、ギーシュ二等兵。勲章モノだ」
その内の一軒に狙いを定めて、少年達は突撃した
「「きゃあ〜〜〜。可愛い〜〜〜!!」」
いきなり黄色い歓声で出迎えられ、全員眼を白黒させる
「ねっねっねっねっ。ジェラール様とどんな関係なの?」
「僕の兄です」
「やだ?本当に?こんなに可愛い弟さんいるなんて、聞いてな...
そう言って、きゃいきゃい婦人達がギーシュ達の周りに集まる
「何だ?お前らも来たのか」
声に振り向いた先は
「き、教官!」
酒を飲みながら、婦人を片手に抱えてる教官を見て、思わずマ...
「構わん。今は非番だ。そうしゃっちこばるな」
「は、はいっ」
マリコルヌ達が姿勢を崩すと婦人達がまたきゃいきゃいやりだ...
「やだぁ、エリック様の知り合い?」
「部下だよ」
「あらあら、そうなんだぁ」
「それより、そろそろじゃないか?」
「えぇ、そうね」
酒を片手に教官が婦人と話してるのを聞き、マリコルヌが尋ねる
「あの、何がそろそろなんでしょうか?」
「何だお前ら、知らずに来たのか。今日は、月に一度だけやっ...
すると、マリコルヌがピンときた
「…まさか、教官。明日休みなのは…」
「それ以上聞いたら、軍法会議だ」
「了解であります」
そして、暫く待ってたら、黒髪の非常に美しい娘が二人、中央...
全く同じ容姿だ、恐らく双子なのだろう
ドレスのアクセントとアクセサリーを対称に着けてる為、何と...
「おぉ、相変わらず美しいな」
その双子がきょろきょろと見回し、マリコルヌ達に寄って来た
「初めましての人達ですね」
二人はそう言ってマリコルヌ達を眺め、一人がレイナールとギ...
「……!?」
舐められた四人が赤面して後退り、黒髪の娘達がひそひそ話を...
「それじゃ、私は貴方」
「私は貴方です」
そう言って、二人がレイナールとギーシュの腕を取り、階段を...
「ちっきしょ。駄目だったか」
「あの、教官?」
マリコルヌが思わず問い掛ける
「あの二人は月に一度、相手をああやって本人が一人だけ指名...
「はぁ…」
「で、残念だったな二人共。正直に言え、筆下ろしか?」
「…恥ずかしながら」
ギムリが答え、マリコルヌも頷く
「気にすんな。誰でも初めてはある。リードしてくれる相手身...
そう言って、教官が女性を呼ぶと、二人はその女性達と共に階...
* * *
こちらは、指名されたレイナールが部屋に入ってガチガチにな...
「貴方。お名前は?」「はひっ。レ、レイナールと言いまふ」
緊張の余りに舌が縺れるレイナール
「くすっ。私はダルシニです、宜しくね。一夜の夢を楽しみま...
そう言って、ダルシニがレイナールの側に寄って行くと、レイ...
「そう……夢を見てね」
レイナールの耳には、そう聞こえた様な気がし、そのまま意識...
* * *
こちらはギーシュが連れ込まれた部屋だ
「あ、あの、僕は、その」
「あ、大丈夫です。女の人ですよね?」
「…解るの?」
「はいっ。だから、お願いしたんです。私はアミアスと言いま...
「…ギーシュで」
「はい、ギーシュ様ですね?ではちょっと、裸になって下さい」
ギーシュは思わず後退る
「いや、僕はほら、ノーマルだからそう言う趣味は」
アミアスの目が妖しく光り、ギーシュがベッドに押し倒され、...
「うぁっ!!」
「ん、美味し。じゃあ行きますよ〜」
「ちょっと、お願い、止めて、はぅ!?」
アミアスによってあっさり脱がされ
「や、やめ、お願い!?ひぅ!?やぁ、そこは〜っ」
「んふ、男の人知ってるんですね〜。大丈夫、女同士だから大...
ピチャッピチャッ
身体中を舐められたギーシュは、そのまま失神する
「ん〜美味しいし、何か懐かしい味がする。さてと、ちょっと...
アミアスがそのまま呟き、ギーシュの眠りが更に深くなった
そんなギーシュの首筋にアミアスは吸い付き、直ぐに口を離した
「ん、ご馳走様」
パタン
すると、ダルシニが入って来た
「アミアス、私にも味見させて」
「ダルシニ、あんまり飲んじゃ駄目だよ?」
「はいはい」
ダルシニも首筋に口を付け、直ぐに離した
「ん〜美味しい。やっぱり女のコだよねぇ」そう言って、にっ...
「二人分も食べたんだから、治療お願い」
「はいはい、水よ……」
傷が綺麗に治され、痕跡が掻き消えた
「それじゃ、何時もの様にしましょ。アミアス」
「はいはい。ダルシニも気をつけてよ?それじゃ、明け方に」
ダルシニが出て行って、アミアスが残された
「はぁ、吸血鬼って、辛いなぁ……私もダルシニみたいに、幸せ...
* * *
「あらあら、そんなに固くならないで、貴族様。私がたっぷり...
そう言って、女性がベッドに押し倒し、マリコルヌの服を脱が...
「あおっ!?」
「やだもう可愛いぃ。被ってるんだぁ。それじゃ、むきむきし...
蜂蜜色の髪が、マリコルヌの股間で揺れている
「うわっ。そんな事!?」
唇と手の両方でムキと剥かれながら、そのまま口の中に包まれる
「うわっ!?ちょっと!?やめっ!?」
だが女性は丹念に掃除し、綺麗にするとすかさず跨がった
「じゃあ、初めての刺激でそのまま行きましょ?口より、中で...
返事すら聞かずに、ヌププって音を立ててマリコルヌが飲み込...
「あ、これ、すご」
「童貞脱出おめでとう。き・ぞ・く・さ・ま」
そう言って腰を振ろうとする前に、マリコルヌはあっさり射精...
「あっあ、駄目。これ駄目。で、出るぅぅぅ!!」
マリコルヌのぽっちゃりした身体が震え、女性がクスクスと笑い
「あらあら、剥きたてじゃしょうがないかぁ」
そのままマリコルヌが満足する様に軽くうねらせ、マリコルヌ...
「や、ちょっと、まっ」
「まだまだ元気でしょ?アナタのお腹、座り心地良いわねぇ。...
そのまま、マリコルヌは一切主導権を握れず、ずっと為される...
「どう?初めての女は?」
グチュ、グチュ
マリコルヌの精液でぐちゃぐちゃになった女性の結合部から音...
「は、はひっ、凄く…キモチ」
「気に入ったら贔屓にしてね?」
マリコルヌがまた射精し、女性がクスクス笑う
「あら、またイッたのね。頑張って。出兵するのでしょう?」
「…ばいっ。ぞうでず」
「手柄を立てて帰って来て、また私を買ってね?」
女性も心得てるのだろう
マリコルヌの奮起を促す言葉を囁き、更に口付けを交わす
「……ちょっと臭いです」
「失礼ね。アナタのおちんちんが汚かったのよ。きちんと洗い...
「す、すみません」
女性も知ってたからキスをしなかったと、マリコルヌも気付き
『次から、きちんと洗おう』
そう思いながら、意識を手放した
* * *
翌朝、四人が下の階で集まり、互いの戦果を報告しあっている
「レイナール、一番人気の姫に指名されたんだろ?どうだった...
「……夢心地過ぎて何にも憶えてない。身体は、無茶苦茶だるい...
欠伸して、憶えてない事を後悔しまくってる、レイナール
「ギーシュは?」
次にギムリがギーシュに振ると
「……全身舐められた」
「「「おおぉ!?」」」
ギーシュが突っ伏してる所に、喝采が上がる
「マリコルヌは?」
隊長として、次々と戦果を要求するギムリ
マリコルヌはぽうっとしながら答える
「10回から先は覚えてないや」
「「ほほ〜〜?」」
レイナールとギムリが顎に手を当て、キランと眼を輝かせる
「そう言うギムリはどうなんだよ?」
突っ伏してたギーシュが、そのままギムリに問い掛けた
ギムリが胸を張り
「ようし、聞いて驚け!僕は「ガッチガチに緊張しまくって勃...
ギムリがさぁっと青醒めて振り返ると、朱色の髪をした、昨日...
そんなギムリを見て、皆がやれやれと肩を竦め
「あ、あの……レイラさん?」
「あのまんまじゃ可哀想だから、今からリベンジさせてアゲル」
そう言って、ギムリを拉致して部屋に上がって行った
さて、彼らの中で一番の不運は誰だろう?
* * *
マリコルヌ達はそのまま宿でぐうたらした後、トリスタニアの...
酒場は客でごった返しており、順番待ちで暫く待った後に通さ...
「ふぅ、凄い混み方だ」
「いや、宿も良かったけど、こういうのも良いね」
レイナールが汗を拭きつつ宣い、ギムリとマリコルヌが危ない...
すると、妖精さんがやって来て、素早く顔を隠した
マリコルヌ達には見たことある桃色がかったブロンドと、背の...
「…なんで、ルイズが居るんだよ?」
マリコルヌが怪訝な顔をして聞くと、妖精さんは顔を隠したま...
どうやら、選べと言ってるらしい
「どうしますか?ギムリ隊長」
レイナールが聞くと、重々しくギムリが頷いた
「うむ。マドモアゼルに非道な事は気が引けるが、やはり聞か...
「了解でアリマス」
そう言うと、手をワキワキさせてマリコルヌが妖精さんに立ち...
はっきり言って、非常に怖気が走る
「い、いやぁぁぁぁぁ!!」
ドゲシ!!
マリコルヌの顔面に両足が乗っかり、マリコルヌが倒れ込んだ
「……やっぱり、これだよ」
「で、ルイズ。何で居るんだい?」
マリコルヌが幸せそうに気絶してるので、ギーシュが聞くと
「バ、バイトよ、バイト。ほら、サイトの治療費とかで、すっ...
「あ、成る程ね」
ギーシュはちょいちょいとルイズを呼び、ルイズが耳を寄せる...
「本当は任務だろ?」「……皆には内緒」
「了解」
二人で耳打ちしてる姿は、ちょっと怪しい
「何だよ、ギーシュ。いつの間にルイズと仲良くなったんだよ...
ギムリが聞くと
「才人繋がりだよ。なぁ、ルイズ」
「そ、そうね、サイトのお陰で仲良くなれたわ」
「へぇ」
ギムリやレイナールが納得の頷きをする
確かにサイトが来てからのルイズは、色々変わったのだ
取っつき易くなっている
「で、あんた達、さっさと注文選びなさいよ」
「お、そうだな。マリコルヌ、起きろ」
ギムリがマリコルヌを叩き起こして、皆が注文していった
ルイズが厨房に行くと、皆して妖精さん達の批評を始める
経験しても、いや、したからこそ、ついついそういう目で見て...
やりたい盛りの少年達だから、仕方ないだろう
「う〜ん、僕あの娘」
「ばっか、あの金髪だろ?」
「あの黒髪の娘じゃね?胸でかいし」
三人で言いたい放題を、ギーシュが苦笑して聞いている
『もし僕が女だって知ったら、どういう評価下すんだろうねぇ...
「ギーシュはどの娘が良いんだよ?」
マリコルヌの言葉に
「ん〜と(将来才人と一緒に住む人だもんね)」
唸って、結局ルイズを指した
「は?ルイズが趣味なのか?ギーシュ」
「あぁ、可愛いじゃないか(やっぱり、可愛い娘と一緒に愛して...
「ヴァリエールだからか?」
ギムリの言葉に
「関係無いよ。家格なんか考えなくて良いんだ(才人は、家なん...
「グラモンの坊っちゃんは流石だねぇ」
ギムリが感嘆してると、ルイズが真っ赤な顔をして料理を運ん...
どうやら聞こえてたらしい
「お待ちどうさま。き、聞かなかった事にしておくわ。貴方の...
「そだね。忘れて良いよ、ルイズ。一緒に住む事になったら、...
マリコルヌ達がどよめく
「まぁ、聞きました?奥様」
と、マリコルヌ
「えぇ、聞きましてよ?」
と、レイナール
「最近の若い方達って、大胆ですわね」
ギムリがそう言ってトドメを刺す
空になったお盆をバシリとギーシュの頭に炸裂させ、ルイズは...
「随分大胆だな、ギーシュ」
「兄さん達に較べたら、まだまだだよ」
そう言って肩を竦めると、ギムリは頷いた
「グラモンってのも、大変だなぁ」
アフターこそ出来なかったものの、彼らは楽しんで帰り、翌日...
* * *
マリコルヌ達が訓練に忙殺されている中、凶報が届いた
先に出撃してたガリア方面軍の敗北である
流石に訓練生達にも伝わり、動揺が走った
「おら、その程度の荷物でモタモタするな!そのまま走れ!」
ザッザッザッザッ
訓練は少年達には苛烈だったが、表向きは誰も何も言わない
言う暇が無いからだ
「良し、本日の授業は砲術だ。計算方法を教える」
黒板にずらりと計算式と図形が書かれ、全員がノートに書き留...
「良いか、良く聞け。大砲は撃てば当たるって代物じゃない。...
カッとチョークで黒板を叩き、教官が少年達に発破をかける
「先ずは目標より遠方を狙って撃つ。次に目標より近方だ。こ...
カッカッカッカッ
教官が黒板に書いていくのを少年達は頷きながら、或いは適当...
「慣れた砲兵なら一発目から命中が可能だが、お前達には無理...
その瞬間に、今まで適当に受け流してた生徒がノートに書き留...
やはり、命は惜しいのである
「教官、質問です」
「何だ?」
「ガリア方面軍が敗北したと聞いてますが、本当でしょうか?」
「本当だ。だがお前達は気にするな。今出来る事をやれ、良い...
「…しかし」
「敵を討ちたいなら先ず頭を磨け。身体を鍛えろ。戦意の前に...
「……」
流石に歯痒いのだろう、口惜しそうに着席する
その姿を見た教官が、溜め息を付いて語り始めた
「良いか。俺達メイジは確かに強力だ。ドットでさえ、平民の...
そこで一度区切り、また語り出す
「だが所詮そこまでだ。何で大砲や銃、剣や槍が有ると思う?」
教官に問われ、おずおずと少年が答える
「それは、平民が居るからでは?」
「半分正解で半分間違えだ。シャバでは魔法絶対論が蔓延して...
教官の質問に、少年達が答え始めた
「一分です」
「45秒」
「さ、30秒です」
「20分です」
長い答えは土使いである
ゴーレム使役の最長時間だろう
「今考えた魔法を、10時間継続出来るか?」
全員首を振って答える
「無理です」
「だろう?メイジなんか、魔力か精神力が切れたら終わりだ。...
聞かれて考えた者達から、複数の手が上がった
教官が指名する
「グランドプレだったな?答えろ」
「は、はい。僕…小官なら魔法を使わせた後、銃や砲で攻撃しま...
「正解。更に囮を攻撃させてる最中に、横から殴り掛かるって...
全員押し黙る
「解ったか?俺はお前達ひよっ子共を、死なせたく無いんだよ...
書いた物を消し、そのまま武装した人物達を書き始める
「各国のメイジ兵、つまり俺達の特徴だ。先ず魔法衛士隊。コ...
「幻獣騎兵で、俺達はランスを用いている。つまり遠距離魔法...
次にユニコーンに乗った騎兵を書いていく
「コイツはガリア花壇騎士団。基本的には騎兵移動をする魔法...
流石に、魔法大国ガリアの陣容に少年達が息を飲む
更にペガサスを書いてメイジ兵を書く
「コイツはロマリアの聖堂騎士隊、パラディンだな。ペガサス...
そして、次に鎧を着せて、銃器を持たせたメイジ兵を書く
「で、次に出るのはゲルマニアの親衛隊たる装甲擲弾兵、パン...
一気にざわつき始める
「メイジ兵なのに……銃器ですか?」
「そうだ。ゲルマニアが誇る、機械化メイジ兵達だ。特徴はク...
カッカッカッカッ
今度は鎧を着込んだ重騎兵だ
「コイツはアルビオン親衛の鉄騎兵、アイアンナイツ。コイツ...
各国の一騎当千のメイジ騎士団を書いていき、少年達が感心する
「あの、彼らと戦場で相対した場合は?」
「全滅を覚悟しろ。以上だ」
ガタガタと全員崩れていき、流石に堪らない声を出す
「きょ、教官。せ、せめて対策を」
「魔法を攻撃に使わず防御に使え。後は攻撃手段を用意して攻...
全員成る程と頷く
「普通は魔法を攻撃に使いますよね?」
「相手が各国の親衛相手では無理だ。攻撃と同時に殺される。...
全員ノートに書き留める。今回は特に鉄騎兵と当たる可能性が...
対策は練るに越した事は無いのだ
そんな中、教室に伝令兵が入り、書類を渡す
「命令です」
「……了解した」
お互いに敬礼して、伝令が去り、今の書類を読み上げる
「さて、ちょっと早いが出撃命令が出た」
全員一気に顔が引き締まる
「と言っても、俺とお前達は別。今回損耗したグリフォン隊を...
野外訓練と聞いて、一同安堵の息を付くが、教官が更に言い放...
「良いか、良く聞け。お前達の任務は魔獣ひしめく森に分け入...
「教官、質問です」
生徒が挙手をしたので、教官が指名する
「許可する」
「はい、何故鉄屑集めをするのでしょう?」
「鉄が足りんのだろう。戦争では鉄を大量に使うからな。錬金...
「ウィ」
全員が敬礼し、立ち上がった
其処で、リーダーを指名されてた少年が号令をかける
「エリック教官の武運を祈り、敬礼!」
バババッ
一斉に敬礼をすると、教官が返礼をする
「お前達も成果を期待している。輸送艦は既に向かっている。...
「「「「ウィ!」」」」
* * *
終了行:
アンリエッタの出兵令迄遡る
マリコルヌ=ド=グランドプレは、自他共に認める変態さんで...
そして本質的に臆病で、そんな自分が結構好きだ
でも、貴族たるもの、臆病な部分だけは直したいとは思ってい...
そんな折り、女王アンリエッタの出兵令を聞き、直すチャンス...
そして、少年貴族達の志願者に混ざり、今、王宮の練兵場にて...
その数は500
マリコルヌは体重に難が有ったが、何とかパス出来た
「よ〜し、ガキ共きちんと整列したな?今日から、基礎練を担...
いきなりの不満表明に、衛士隊と言えど全員睨み付ける
「ったく、此だからガキ共は。俺はラインで一番下っぱだから...
「幾らなんでも、酷いと思います」
「誰が発言を許可した?お前らの生殺与奪の全権は、俺が握っ...
マリコルヌはその言葉で気付いたが、不満を言った少年は収ま...
「僕はトライアングルだ。衛士隊とは言え、ラインの貴族に教...
その声に、そうだそうだと同意の声が上がり、教官が溜め息を...
「今、何を言ったか解ってんのかてめえら。抗命罪だ、抗命罪...
「「「「…!」」」」いきなり少年達は無言になる
「……な、あれしきの事で」
「良いから前に出ろ。略式軍法会議だ。判事は俺。てめぇらは...
そう言って詠唱すると、水の礫が撒かれ、発言した少年達の額...
衛士隊は空を高速で飛びながら戦闘する
止まった状態で判別するのは、非常に易しい
流石に青醒めてぞろぞろ出て来る
その数20人余
そして、最後尾の少年が恐怖に負けて、フライを唱えて逃げ出...
教官が詠唱して、マジックミサイルが飛んだ少年を串刺しにし...
「逃げた奴は、敵前逃亡で同じく死刑。こっちは、軍法会議無...
一気にガチガチ震え始めた少年達
少年達は、初めて貴族の威が全く通用しない世界に、入ってし...
「では判決だ。発言した馬鹿は死刑!っと、言いたい所だが、...
ゴクリ
全員息を飲んで、判決の内容を待つ
「俺と一対一で勝利すれば、今回の件に付いては不問とす。同...
衛士隊相手に素手や剣は少年には自殺行為だ
かといって、銃も使った事は無い
当然答えは一つになる
「つ、杖だ」
「……杖だな。じゃあ、全員離れていろ」
教官の声に、全員距離を取ると、教官と少年が対峙する
「ぼ、僕は火のトライアングルだ。逃げるなら今の内だぞ?」
「良いから先に詠唱しろ、ハンデだハンデ」
教官は気にも止めず、手を振ってさっさとやれと促す
「糞、馬鹿にするな。ウル・カーノ…」
唱えた終えた時には、教官が水のブレイドを展開して、間合い...
一刀で杖が斬られ、そのままブレイドの刃が少年に刺さる
少年は血を吐きながら、その場に崩れた
「馬鹿が、素手が一番優しかったのによ」
そう言って、もう少年には注意を向けない
既に、少年の眼には光が無い
「後の連中は連帯責任だ。全員練兵場100周。走れ!!」
「「「「ウ、ウィ!!」」」」
目の前で刑が執行された
100周など、それに比べればずっと優しい
俗世間の垢を、今この場で洗い流すべく、少年達は走り始めた...
* * *
「ひぃっ、ひぃっ」
全員100周走ってぶっ倒れている
マリコルヌは、そのぽっちゃりしたチャームポイントたるお腹...
「ようし、そのまま全員聞け。俺はお前らゴミを、せめて雑魚...
聞いてるかどうかはどうでも良いのだろう
一方的に教官が話す
「今日刑を執行した馬鹿二人だが、きちんと親元には罪状を送...
志願した上での軍務違犯
まごうかたなき一族の面汚し
親や家族の怒りが容易に分かり、全員ゾッとする
場合によっては、家にマジで帰れない所か、家名剥奪絶縁も有...
「勿論そうなる事を見越して、わざと生かしてある」
『…死んだ方がマシの様な?この教官鬼だ。悪魔だ』
マリコルヌはそう思い、皆が同じ感想を抱いた
「言っておくが、戦場はここでの訓練なんざ序の口だ。ほんの...
「「「「はいっ!!」」」」
「ようし、全員起立」
足腰ガタガタだが、全員今度は逆らわない
二人の犠牲で骨身に染みたのだ
逆らえば、次は自分の番である
「整列!」
ザザザザ
全員が整列する
「兵舎迄駆け足!行け!」
「「「「ウィ」」」」
ざっざっざっざっ
今日は、此位で終わらせてくれるらしい
ヘロヘロの身体に無理矢理鞭を打ち、マリコルヌは城外の兵舎...
* * *
「あ〜疲れた」
マリコルヌがシャワーを浴びた後(兵舎に湯船は無い)は、食堂...
どうやら全員同じ考えの様で、あちこちでうっぷと言いながら...
明日からの猛訓練が予想されるのだ、食わなければ冗談抜きで...
そんな中、ずっと気になってたクラスメートを食堂で見付けて...
「やぁ、ギーシュ、レイナール」
「やぁ、マリコルヌ。君もこの組だったんだね」
ギーシュの挨拶にマリコルヌがむ?と、なる
何か、ギーシュが違う気がする
そう、これは言わないといけない
「なぁ、ギーシュ。お願いが有るんだけど?」
「ん?何?僕に出来る事?」
「うん、君にしか出来ない。僕を……僕を踏んでくれぇぇぇぇ!!」
流石にギーシュが仰け反り、レイナールが冷たい視線を送る
「あのな……マリコルヌの変態振りはもう馴れたけど、ギーシュ...
「嫌、だってこうムラムラって来るモノが、ほら解んない?」
「解ってたまるか!?席着け阿呆!」
ベシッ
後ろからギムリに叩かれて、マリコルヌは渋々と着席する
「あぁ、マリコルヌ。君は友達とは言い難いけど、僕に近寄ら...
向かい席に着かれたギーシュが、心底嫌そうにしている
「今ので友情にヒビ入ったな。マリコルヌも、ちったぁ時と場...
ギムリに言われて、マリコルヌは首を傾げている
「いや、そうなんだけどさ。何かこう、ギーシュを見たら何故...
「そんなの、君にしか解んねぇよ」
レイナールがそう言って肩を竦める
「しかし、あの教官おっかなかったなぁ」
話題を変えようとギムリが口を開けて食い物を放り込みながら...
「いやぁ、あれ位普通だよ」
「そうなのか?ギーシュ」
レイナールが聞くと頷いて語り出した
「だって、殺して無いし。きちんと治せる怪我の範囲で収めて...
「そう言われてみれば、そうだな」
同じく火の使い手として、レイナールが頷く
「心配もしてると思うよ。きちんとやらないと死ぬぞって。兄...
「はぁ、貴族っても、楽じゃねぇなぁ」
ギムリが溜め息を付くと、マリコルヌは頷いた
「僕、生きて軍に行けるかな?」
「さぁな。さっさと食って寝ようぜ。起床後直ぐに訓練だ。明...
ギムリがそう言って平らげると、マリコルヌは無理矢理詰め込...
* * *
翌日からの訓練は、非常に酷かった
アニエスの扱きを暇潰しで受けた経験が無ければ、マリコルヌ...
事実、力尽きて倒れる者が続出し、教官がわざわざ治癒とポー...
「……何で水の教官か、やっと解ったよ」
ゼイゼイしてるマリコルヌの側で、レイナールが同じくゼイゼ...
「あはは、軍も考えてるねぇ」
ギーシュが涼しそうに立っている
落第とはいえ、何だかんだで、家で訓練してきたせいだろう
「ま、才人の稽古に比べれば軽いよ、うん。才人の場合、ゼロ...
「…そうだな。あいつに較べればこれ位」
ギムリが汗をかいたまま立ち上がり、マリコルヌも立ち上がる
「僕らもシュヴァリエの扱きが効いてんだね。あんまり、醜態...
マリコルヌは、自分がそう思う事に驚いた
そしてギーシュの涼しい顔を見てると、またムラムラしてくる
「ぼ、僕を、踏んで罵ってくれ〜〜〜〜!!」
すざっとギーシュの前に平伏し、ギーシュに虫酸が走って後退...
他の少年達にも艶が解り、思わず赤面してしまう
「…なんつうか、マリコルヌの言い分が解って来た様な」
「…僕もだよ、レイナール」
「……君達と、絶交したくなってきた」
『う〜ん。才人に抱かれちゃったせいかなぁ?男装もそろそろ...
皆で揃いの軍服なのだが、どうも限界かなと、ギーシュも思い...
最近、そっちの気の人達の視線が熱くて困るのだ
ギーシュは完全にノーマルである為に、それも勘弁である
「そうだ、今度の休みに皆で出掛けないか?魅惑の妖精亭って...
「本当かい、ギムリ?」
「おぅ、何でもヒポグリフ隊グラモン隊長御用達らしいぞ?」
その言葉に、ギーシュを除いて全員目の色が変わる
「それは是非とも行かねば」
マリコルヌの言葉に全員頷き、気合いを入れる
「そうそう、後、あっち方面の店も聞いて来た。全員小遣い有...
ギムリのその言葉に、レイナールがコホンと咳払いをする
「あっち方面とは?」「やだなぁ、言わせんなよ、このっこの...
レイナールにギムリが肘でつつき、レイナールが鼻の下を伸ば...
「ハッハッハ。僕は、学術的興味に決まってるじゃないか……す...
そう言って参加を請い、ギムリが尊大に頷く
「大変正直で宜しい。レイナール二等兵、参加を許可する」
「た、隊長!自分は感激でアリマス」
ギムリに向かって敬礼するレイナール
『ふうん、そういう店かぁ。後学の為に行ってみようかな?』
ギーシュも頷いて、全員で行く事が決まる
「ガキ共、休憩終わりだ。来い!!」
マリコルヌ達は教官の怒声に、慌てて走って行った
* * *
さて、そんな訓練の合間の休日の前日
「よっしゃー!!休みだぁ!!」
一際元気が良い四人組が、飯とシャワーを浴びたら、速攻で街...
中には、ヘロヘロでベッドに倒れた連中が居るにも関わらずだ
やはり、待ってるモノがテンションを高めるのだろう
目指す先は歓楽街、そして大人の宿である
そのまま宿で一泊してから、明日の休みに魅惑の妖精亭に向か...
「よし、お前ら。一番良いとこを探すぞ?」「「了解でアリマ...
遊び馴れてない少年貴族達の、初めてのトリスタニアでのイケ...
全員期待値が違う
そんなこんなで、宿から女達がウルフホイッスルを鳴らし、少...
「デムリ隊長。何処が良いか全く解りません!」
「…実は僕もだ」
こんな時こそジェラールが居たら色々教えてくれただろうが、...
そしてギーシュはピンと来た
「あ、そうか。グラモン隊長の御用達の店はどれだ?」
わざと大声を上げると、何軒かから、声が上がった
「ウチは良く来て貰ってるわよ〜」
「あら、ウチだってそうよ〜?」
「ナイスだ、ギーシュ二等兵。勲章モノだ」
その内の一軒に狙いを定めて、少年達は突撃した
「「きゃあ〜〜〜。可愛い〜〜〜!!」」
いきなり黄色い歓声で出迎えられ、全員眼を白黒させる
「ねっねっねっねっ。ジェラール様とどんな関係なの?」
「僕の兄です」
「やだ?本当に?こんなに可愛い弟さんいるなんて、聞いてな...
そう言って、きゃいきゃい婦人達がギーシュ達の周りに集まる
「何だ?お前らも来たのか」
声に振り向いた先は
「き、教官!」
酒を飲みながら、婦人を片手に抱えてる教官を見て、思わずマ...
「構わん。今は非番だ。そうしゃっちこばるな」
「は、はいっ」
マリコルヌ達が姿勢を崩すと婦人達がまたきゃいきゃいやりだ...
「やだぁ、エリック様の知り合い?」
「部下だよ」
「あらあら、そうなんだぁ」
「それより、そろそろじゃないか?」
「えぇ、そうね」
酒を片手に教官が婦人と話してるのを聞き、マリコルヌが尋ねる
「あの、何がそろそろなんでしょうか?」
「何だお前ら、知らずに来たのか。今日は、月に一度だけやっ...
すると、マリコルヌがピンときた
「…まさか、教官。明日休みなのは…」
「それ以上聞いたら、軍法会議だ」
「了解であります」
そして、暫く待ってたら、黒髪の非常に美しい娘が二人、中央...
全く同じ容姿だ、恐らく双子なのだろう
ドレスのアクセントとアクセサリーを対称に着けてる為、何と...
「おぉ、相変わらず美しいな」
その双子がきょろきょろと見回し、マリコルヌ達に寄って来た
「初めましての人達ですね」
二人はそう言ってマリコルヌ達を眺め、一人がレイナールとギ...
「……!?」
舐められた四人が赤面して後退り、黒髪の娘達がひそひそ話を...
「それじゃ、私は貴方」
「私は貴方です」
そう言って、二人がレイナールとギーシュの腕を取り、階段を...
「ちっきしょ。駄目だったか」
「あの、教官?」
マリコルヌが思わず問い掛ける
「あの二人は月に一度、相手をああやって本人が一人だけ指名...
「はぁ…」
「で、残念だったな二人共。正直に言え、筆下ろしか?」
「…恥ずかしながら」
ギムリが答え、マリコルヌも頷く
「気にすんな。誰でも初めてはある。リードしてくれる相手身...
そう言って、教官が女性を呼ぶと、二人はその女性達と共に階...
* * *
こちらは、指名されたレイナールが部屋に入ってガチガチにな...
「貴方。お名前は?」「はひっ。レ、レイナールと言いまふ」
緊張の余りに舌が縺れるレイナール
「くすっ。私はダルシニです、宜しくね。一夜の夢を楽しみま...
そう言って、ダルシニがレイナールの側に寄って行くと、レイ...
「そう……夢を見てね」
レイナールの耳には、そう聞こえた様な気がし、そのまま意識...
* * *
こちらはギーシュが連れ込まれた部屋だ
「あ、あの、僕は、その」
「あ、大丈夫です。女の人ですよね?」
「…解るの?」
「はいっ。だから、お願いしたんです。私はアミアスと言いま...
「…ギーシュで」
「はい、ギーシュ様ですね?ではちょっと、裸になって下さい」
ギーシュは思わず後退る
「いや、僕はほら、ノーマルだからそう言う趣味は」
アミアスの目が妖しく光り、ギーシュがベッドに押し倒され、...
「うぁっ!!」
「ん、美味し。じゃあ行きますよ〜」
「ちょっと、お願い、止めて、はぅ!?」
アミアスによってあっさり脱がされ
「や、やめ、お願い!?ひぅ!?やぁ、そこは〜っ」
「んふ、男の人知ってるんですね〜。大丈夫、女同士だから大...
ピチャッピチャッ
身体中を舐められたギーシュは、そのまま失神する
「ん〜美味しいし、何か懐かしい味がする。さてと、ちょっと...
アミアスがそのまま呟き、ギーシュの眠りが更に深くなった
そんなギーシュの首筋にアミアスは吸い付き、直ぐに口を離した
「ん、ご馳走様」
パタン
すると、ダルシニが入って来た
「アミアス、私にも味見させて」
「ダルシニ、あんまり飲んじゃ駄目だよ?」
「はいはい」
ダルシニも首筋に口を付け、直ぐに離した
「ん〜美味しい。やっぱり女のコだよねぇ」そう言って、にっ...
「二人分も食べたんだから、治療お願い」
「はいはい、水よ……」
傷が綺麗に治され、痕跡が掻き消えた
「それじゃ、何時もの様にしましょ。アミアス」
「はいはい。ダルシニも気をつけてよ?それじゃ、明け方に」
ダルシニが出て行って、アミアスが残された
「はぁ、吸血鬼って、辛いなぁ……私もダルシニみたいに、幸せ...
* * *
「あらあら、そんなに固くならないで、貴族様。私がたっぷり...
そう言って、女性がベッドに押し倒し、マリコルヌの服を脱が...
「あおっ!?」
「やだもう可愛いぃ。被ってるんだぁ。それじゃ、むきむきし...
蜂蜜色の髪が、マリコルヌの股間で揺れている
「うわっ。そんな事!?」
唇と手の両方でムキと剥かれながら、そのまま口の中に包まれる
「うわっ!?ちょっと!?やめっ!?」
だが女性は丹念に掃除し、綺麗にするとすかさず跨がった
「じゃあ、初めての刺激でそのまま行きましょ?口より、中で...
返事すら聞かずに、ヌププって音を立ててマリコルヌが飲み込...
「あ、これ、すご」
「童貞脱出おめでとう。き・ぞ・く・さ・ま」
そう言って腰を振ろうとする前に、マリコルヌはあっさり射精...
「あっあ、駄目。これ駄目。で、出るぅぅぅ!!」
マリコルヌのぽっちゃりした身体が震え、女性がクスクスと笑い
「あらあら、剥きたてじゃしょうがないかぁ」
そのままマリコルヌが満足する様に軽くうねらせ、マリコルヌ...
「や、ちょっと、まっ」
「まだまだ元気でしょ?アナタのお腹、座り心地良いわねぇ。...
そのまま、マリコルヌは一切主導権を握れず、ずっと為される...
「どう?初めての女は?」
グチュ、グチュ
マリコルヌの精液でぐちゃぐちゃになった女性の結合部から音...
「は、はひっ、凄く…キモチ」
「気に入ったら贔屓にしてね?」
マリコルヌがまた射精し、女性がクスクス笑う
「あら、またイッたのね。頑張って。出兵するのでしょう?」
「…ばいっ。ぞうでず」
「手柄を立てて帰って来て、また私を買ってね?」
女性も心得てるのだろう
マリコルヌの奮起を促す言葉を囁き、更に口付けを交わす
「……ちょっと臭いです」
「失礼ね。アナタのおちんちんが汚かったのよ。きちんと洗い...
「す、すみません」
女性も知ってたからキスをしなかったと、マリコルヌも気付き
『次から、きちんと洗おう』
そう思いながら、意識を手放した
* * *
翌朝、四人が下の階で集まり、互いの戦果を報告しあっている
「レイナール、一番人気の姫に指名されたんだろ?どうだった...
「……夢心地過ぎて何にも憶えてない。身体は、無茶苦茶だるい...
欠伸して、憶えてない事を後悔しまくってる、レイナール
「ギーシュは?」
次にギムリがギーシュに振ると
「……全身舐められた」
「「「おおぉ!?」」」
ギーシュが突っ伏してる所に、喝采が上がる
「マリコルヌは?」
隊長として、次々と戦果を要求するギムリ
マリコルヌはぽうっとしながら答える
「10回から先は覚えてないや」
「「ほほ〜〜?」」
レイナールとギムリが顎に手を当て、キランと眼を輝かせる
「そう言うギムリはどうなんだよ?」
突っ伏してたギーシュが、そのままギムリに問い掛けた
ギムリが胸を張り
「ようし、聞いて驚け!僕は「ガッチガチに緊張しまくって勃...
ギムリがさぁっと青醒めて振り返ると、朱色の髪をした、昨日...
そんなギムリを見て、皆がやれやれと肩を竦め
「あ、あの……レイラさん?」
「あのまんまじゃ可哀想だから、今からリベンジさせてアゲル」
そう言って、ギムリを拉致して部屋に上がって行った
さて、彼らの中で一番の不運は誰だろう?
* * *
マリコルヌ達はそのまま宿でぐうたらした後、トリスタニアの...
酒場は客でごった返しており、順番待ちで暫く待った後に通さ...
「ふぅ、凄い混み方だ」
「いや、宿も良かったけど、こういうのも良いね」
レイナールが汗を拭きつつ宣い、ギムリとマリコルヌが危ない...
すると、妖精さんがやって来て、素早く顔を隠した
マリコルヌ達には見たことある桃色がかったブロンドと、背の...
「…なんで、ルイズが居るんだよ?」
マリコルヌが怪訝な顔をして聞くと、妖精さんは顔を隠したま...
どうやら、選べと言ってるらしい
「どうしますか?ギムリ隊長」
レイナールが聞くと、重々しくギムリが頷いた
「うむ。マドモアゼルに非道な事は気が引けるが、やはり聞か...
「了解でアリマス」
そう言うと、手をワキワキさせてマリコルヌが妖精さんに立ち...
はっきり言って、非常に怖気が走る
「い、いやぁぁぁぁぁ!!」
ドゲシ!!
マリコルヌの顔面に両足が乗っかり、マリコルヌが倒れ込んだ
「……やっぱり、これだよ」
「で、ルイズ。何で居るんだい?」
マリコルヌが幸せそうに気絶してるので、ギーシュが聞くと
「バ、バイトよ、バイト。ほら、サイトの治療費とかで、すっ...
「あ、成る程ね」
ギーシュはちょいちょいとルイズを呼び、ルイズが耳を寄せる...
「本当は任務だろ?」「……皆には内緒」
「了解」
二人で耳打ちしてる姿は、ちょっと怪しい
「何だよ、ギーシュ。いつの間にルイズと仲良くなったんだよ...
ギムリが聞くと
「才人繋がりだよ。なぁ、ルイズ」
「そ、そうね、サイトのお陰で仲良くなれたわ」
「へぇ」
ギムリやレイナールが納得の頷きをする
確かにサイトが来てからのルイズは、色々変わったのだ
取っつき易くなっている
「で、あんた達、さっさと注文選びなさいよ」
「お、そうだな。マリコルヌ、起きろ」
ギムリがマリコルヌを叩き起こして、皆が注文していった
ルイズが厨房に行くと、皆して妖精さん達の批評を始める
経験しても、いや、したからこそ、ついついそういう目で見て...
やりたい盛りの少年達だから、仕方ないだろう
「う〜ん、僕あの娘」
「ばっか、あの金髪だろ?」
「あの黒髪の娘じゃね?胸でかいし」
三人で言いたい放題を、ギーシュが苦笑して聞いている
『もし僕が女だって知ったら、どういう評価下すんだろうねぇ...
「ギーシュはどの娘が良いんだよ?」
マリコルヌの言葉に
「ん〜と(将来才人と一緒に住む人だもんね)」
唸って、結局ルイズを指した
「は?ルイズが趣味なのか?ギーシュ」
「あぁ、可愛いじゃないか(やっぱり、可愛い娘と一緒に愛して...
「ヴァリエールだからか?」
ギムリの言葉に
「関係無いよ。家格なんか考えなくて良いんだ(才人は、家なん...
「グラモンの坊っちゃんは流石だねぇ」
ギムリが感嘆してると、ルイズが真っ赤な顔をして料理を運ん...
どうやら聞こえてたらしい
「お待ちどうさま。き、聞かなかった事にしておくわ。貴方の...
「そだね。忘れて良いよ、ルイズ。一緒に住む事になったら、...
マリコルヌ達がどよめく
「まぁ、聞きました?奥様」
と、マリコルヌ
「えぇ、聞きましてよ?」
と、レイナール
「最近の若い方達って、大胆ですわね」
ギムリがそう言ってトドメを刺す
空になったお盆をバシリとギーシュの頭に炸裂させ、ルイズは...
「随分大胆だな、ギーシュ」
「兄さん達に較べたら、まだまだだよ」
そう言って肩を竦めると、ギムリは頷いた
「グラモンってのも、大変だなぁ」
アフターこそ出来なかったものの、彼らは楽しんで帰り、翌日...
* * *
マリコルヌ達が訓練に忙殺されている中、凶報が届いた
先に出撃してたガリア方面軍の敗北である
流石に訓練生達にも伝わり、動揺が走った
「おら、その程度の荷物でモタモタするな!そのまま走れ!」
ザッザッザッザッ
訓練は少年達には苛烈だったが、表向きは誰も何も言わない
言う暇が無いからだ
「良し、本日の授業は砲術だ。計算方法を教える」
黒板にずらりと計算式と図形が書かれ、全員がノートに書き留...
「良いか、良く聞け。大砲は撃てば当たるって代物じゃない。...
カッとチョークで黒板を叩き、教官が少年達に発破をかける
「先ずは目標より遠方を狙って撃つ。次に目標より近方だ。こ...
カッカッカッカッ
教官が黒板に書いていくのを少年達は頷きながら、或いは適当...
「慣れた砲兵なら一発目から命中が可能だが、お前達には無理...
その瞬間に、今まで適当に受け流してた生徒がノートに書き留...
やはり、命は惜しいのである
「教官、質問です」
「何だ?」
「ガリア方面軍が敗北したと聞いてますが、本当でしょうか?」
「本当だ。だがお前達は気にするな。今出来る事をやれ、良い...
「…しかし」
「敵を討ちたいなら先ず頭を磨け。身体を鍛えろ。戦意の前に...
「……」
流石に歯痒いのだろう、口惜しそうに着席する
その姿を見た教官が、溜め息を付いて語り始めた
「良いか。俺達メイジは確かに強力だ。ドットでさえ、平民の...
そこで一度区切り、また語り出す
「だが所詮そこまでだ。何で大砲や銃、剣や槍が有ると思う?」
教官に問われ、おずおずと少年が答える
「それは、平民が居るからでは?」
「半分正解で半分間違えだ。シャバでは魔法絶対論が蔓延して...
教官の質問に、少年達が答え始めた
「一分です」
「45秒」
「さ、30秒です」
「20分です」
長い答えは土使いである
ゴーレム使役の最長時間だろう
「今考えた魔法を、10時間継続出来るか?」
全員首を振って答える
「無理です」
「だろう?メイジなんか、魔力か精神力が切れたら終わりだ。...
聞かれて考えた者達から、複数の手が上がった
教官が指名する
「グランドプレだったな?答えろ」
「は、はい。僕…小官なら魔法を使わせた後、銃や砲で攻撃しま...
「正解。更に囮を攻撃させてる最中に、横から殴り掛かるって...
全員押し黙る
「解ったか?俺はお前達ひよっ子共を、死なせたく無いんだよ...
書いた物を消し、そのまま武装した人物達を書き始める
「各国のメイジ兵、つまり俺達の特徴だ。先ず魔法衛士隊。コ...
「幻獣騎兵で、俺達はランスを用いている。つまり遠距離魔法...
次にユニコーンに乗った騎兵を書いていく
「コイツはガリア花壇騎士団。基本的には騎兵移動をする魔法...
流石に、魔法大国ガリアの陣容に少年達が息を飲む
更にペガサスを書いてメイジ兵を書く
「コイツはロマリアの聖堂騎士隊、パラディンだな。ペガサス...
そして、次に鎧を着せて、銃器を持たせたメイジ兵を書く
「で、次に出るのはゲルマニアの親衛隊たる装甲擲弾兵、パン...
一気にざわつき始める
「メイジ兵なのに……銃器ですか?」
「そうだ。ゲルマニアが誇る、機械化メイジ兵達だ。特徴はク...
カッカッカッカッ
今度は鎧を着込んだ重騎兵だ
「コイツはアルビオン親衛の鉄騎兵、アイアンナイツ。コイツ...
各国の一騎当千のメイジ騎士団を書いていき、少年達が感心する
「あの、彼らと戦場で相対した場合は?」
「全滅を覚悟しろ。以上だ」
ガタガタと全員崩れていき、流石に堪らない声を出す
「きょ、教官。せ、せめて対策を」
「魔法を攻撃に使わず防御に使え。後は攻撃手段を用意して攻...
全員成る程と頷く
「普通は魔法を攻撃に使いますよね?」
「相手が各国の親衛相手では無理だ。攻撃と同時に殺される。...
全員ノートに書き留める。今回は特に鉄騎兵と当たる可能性が...
対策は練るに越した事は無いのだ
そんな中、教室に伝令兵が入り、書類を渡す
「命令です」
「……了解した」
お互いに敬礼して、伝令が去り、今の書類を読み上げる
「さて、ちょっと早いが出撃命令が出た」
全員一気に顔が引き締まる
「と言っても、俺とお前達は別。今回損耗したグリフォン隊を...
野外訓練と聞いて、一同安堵の息を付くが、教官が更に言い放...
「良いか、良く聞け。お前達の任務は魔獣ひしめく森に分け入...
「教官、質問です」
生徒が挙手をしたので、教官が指名する
「許可する」
「はい、何故鉄屑集めをするのでしょう?」
「鉄が足りんのだろう。戦争では鉄を大量に使うからな。錬金...
「ウィ」
全員が敬礼し、立ち上がった
其処で、リーダーを指名されてた少年が号令をかける
「エリック教官の武運を祈り、敬礼!」
バババッ
一斉に敬礼をすると、教官が返礼をする
「お前達も成果を期待している。輸送艦は既に向かっている。...
「「「「ウィ!」」」」
* * *
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