ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
才人との決闘が終わり、ヴァリエール公は私室に戻り、そのま...
ドサッ
「クソッ、平民め。情けをかけおって」
「あら、あなたも気付いたのですか」
「……ふん、正面だったからな」
「何故か発動止めましたよね」
ヴァリエール公はそう言ってソファーに埋もれ、妻たるカリー...
才人の詠唱をカリーヌは風の使い手として完全に読み、ヴァリ...
メイジでないとかは関係無い
貴族でないメイジも居るし、マジックアイテムの発動に、ルー...
「全く、父に殴られる男の役目を、命賭けでやる男も珍しい」
「だから不愉快だと言っておる!!これでは、エレオノールの想...
「あなた、口調が昔に戻ってますわ」
「う…む…」
若い気に当てられ、つい昔に戻ってしまったのだろう
ヴァリエール公がソファーで仰向けになり、傍でカリーヌが膝...
「随分買ってましたね。最初から二本出すとは思いませんでし...
「…お前でも手加減はせんだろう?」
「…えぇ」
「お前もそう思うか?」
「はい」
「…そうか」
ヴァリエール公は、そのままカリーヌの手を引き抱き締める
「あっ…」
「今更……くれてやるものか」
「あら、嬉しい」
カリーヌはそのまま夫に口付けし、ヴァリエール公も応じる
「…ねぇ、あなた。子供達は全員私に似てますね」
「…出来れば、同じ男に三人一緒は止めて欲しいものだ」
「無理でしょう?だって、あなたの娘で私の娘達ですよ?」
「……全く、頭が痛い。受け継がなくて良い伝統だけは、全員受...
カリーヌはくすりと笑うとヴァリエール公に跨がり
「あなた、興奮してますわよ?」
「あぁ、あんなギリギリの闘い、久し振りだ」
そう言って、夫婦の営みに突入した
* * *
才人はエレオノールの部屋で寝かされており、ルイズは立入禁...
理由は交渉決裂のお仕置きだ
「姉さま、サイトの看病あたしもやります」
そう言うルイズの胸に指を突き付けたエレオノールは、才人と...
「はぁ?何言ってるの?あんた、交渉決裂の原因なんだから駄...
「……はい」
封建貴族で自身が最高責任者で王の使者への歓待を怠り、どち...
家族だから、長時間のこってりした説教で済んでいる
最早、ルイズの信用はズタボロだ
で、それとは関係無いキュルケやタバサが手伝うのも、やんわ...
「二人共、手伝ってくれるのは有難いけど、ヴァリエールでは...
「負傷の看病迄追い出さないでよ、ヴァリエール」
「ツェルプストーじゃ我慢するから。お願い!」
そう言って、エレオノールがキュルケに頭を下げたのだ
思わずキュルケが硬直する
ヴァリエールがツェルプストーに頭を下げる事などあり得ない...
つまり、本当に真摯にお願いしてるのである
ツェルプストーであるキュルケはその仕草に困った顔をし、少...
才人の仕草がいつの間にか感染っている
「……全く、向こうじゃ仕事以外駄目よ?プライベートは全部持...
「良いわよ」
「どういう風の吹き回し?」
「私はね、父様の前で誓ったの。もうね、コイツに賭けるしか...
その言葉に嘘は無い
キュルケが頷く
「…良いわ、任せる。その代わり、全快させないと許さないから...
「えぇ」
「タバサ、ツェルプストー迄我慢だ」
タバサがコクりと頷くと、二人は家内の者の案内で客室に戻っ...
「……あたしの……馬鹿」
本当に言い訳が利かない為、ルイズはしゃがみ込んでひたすら...
今はとにかく、反省の時である
* * *
看病と言っても、エレオノールはカトレアの額に、水を含ませ...
「じゃあ、私の指示に従って下さい」
「ちょっとメイド。あんたメイドの癖に「黙りなさい!看病素...
そう言って腕を組んで貫禄を見せ付けるシエスタに対し、カト...
「あの、私は動物さん相手で看病経験は…」
「才人さんを、動物相手と同じにしないで下さい!」
シエスタの怒号と凄みに負けた二人がぴしりとし、思わず答礼...
「「は、はい!」」
カリーヌ直伝の苛烈な教育は、こんな所で顔を出す
「宜しい。では傷薬は有りますか?」
「あ、はい。私の部屋に」
カトレアが応じると
「では、持てるだけ持って来る、駆けあ〜し!行け!」
「はいっ!」
カトレアがパタパタと出ていき
「私達は全裸にして身体を綺麗にします。傷口があったら広げ...
その言葉にエレオノールがコクりと頷く
「ミスは浄化使えますか?」
「治癒より得意ね」
「では服の血を脱がしたら浄化願います。後は傷口にも」
「了解」
そう言って、てきぱきと二人で脱がし、全裸の才人の血を拭い...
ガチャ
「持って来ました」
「塗り薬?飲み薬?」「両方です」
「じゃあ飲み薬下さい。塗り薬はちょっと待って。ミス、治癒...
その言葉にエレオノールが頷き、カトレアも杖を持つと
「ミスフォンティーヌは自重願います。才人さんが起きた時に...
「ですけど、私は治癒は得意「駄目です」
きっぱりとシエスタが拒否し
「才人さんの心配事を増やす事は、私が許しません。以前の致...
そう言って微笑み、カトレアは頷いた
「ではどうすれば?」
カトレアが聞いてる間に、シエスタが飲み薬を才人に口移しで...
「はい、一緒にやりましょう」
治癒の詠唱を続けるエレオノールと、薬を塗るシエスタとカト...
「あっ、殿方の」
「はいそこ。私達にとって、一番大事なモノですから丁寧に扱...
カトレアが、かあぁぁとなりながら
「あの、どうすれば?」
シエスタがてきぱきと、しかも念入りに拭いていき、感心しな...
「股間は一番汚れますからね」
シエスタが手馴れた手付きで完了し、二人は感心している
「才人さんと一緒なら、看病はきちんと覚えて下さい。才人さ...
「え、えぇ」
エレオノールが深く頷き、同意する
そしてシエスタが才人の体温を触って確かめ
「ん〜、ちょっと体温低いですね?」
すると、あっさり脱ぎだし、そのまま全裸で添い寝する
「ちょっとメイド」
「体温低いです。つべこべ言わずに暖める。良いですね?」
シエスタの気迫に押されて、エレオノールは躊躇った後、服を...
「あの、私は?」
「殿方と肌を合わせた事が無いなら、やらなくて良いです」
聞いたカトレアに対し、シエスタは素っ気ない
シエスタの最優先順位は才人の為、才人の看病に覚悟が出来な...
「……やります」
「でしたら交代でしましょう。体温上がるか、目が覚める迄で...
そう言って、シエスタは身体を絡ませながら眼を閉じ、エレオ...
「…参った。メイドは大したメイドだ」
そう言ってエレオノールがシエスタを賞賛し、二人は意識を手...
* * *
「寒い」
才人はそう言って、身体を震わせる
寒くて暗い所に何故か居る
だが、心地好い柔らかで暖かな感触が背中から感じ、更に目の...
『寒いですか?』
聴こえてきた声に頷いて、柔らかなモノに顔を埋め
『はぁ、もう』
そう言いつつ、先程の声が自分を手繰り寄せてくれるので、逆...
『はっ、寝てるのに……何を、んん』
どうやら自分は寝ているらしい
「夢か……」
なら、前方から来る甘い匂いと、柔らかな感触は全て貪って良...
非常に柔らかい魅力的な肌をまさぐり、股間に指を這わせていく
『はっ……そんな、駄目です』
誘ってる
才人には寝ながらそう思い、口に含んだ突起を舌先で転がしつ...
『は、ん、だ、だめ、そんなこと、んあっ』
才人の頭に吐息がかかり、ハッハッハと荒い呼吸が聴こえて来る
「随分リアルな夢…」
才人はそのまま柔らかい身体に手を這わせ、更に蜜壷を撫でて...
『ふうっ、ん』
声が反応し、身体がピクピクと震え、指先が大量に濡れる
既に息子はギンギンだ
「才人さん、寝ながら何をやってるんです?」
「…えっ?」
その声に急速に覚醒していき、ぱちりと眼を開く才人
口は、初めて見る乳房を食わえていて、更に背中から胸を押し...
そのまま上を見ると、カトレアが頬を真っ赤にして愛撫に耐え...
「はっはっはっはっ」
荒い呼吸はカトレアだ
「あ、ゴメン」
カトレアがふるふると顔を振ると、そのまま才人の頭を抱え込...
「…えっと、確か決闘で負けて…」
「負傷してまた体温下がったから、三人で交代で添い寝してま...
「そっか、有り難うシエスタ」
そう言ってる間も、シエスタは息子への愛撫を続けている
前後を才人が大好きな大きい胸が刺激を与えて、才人自身もち...
特に最近は香やら何やら使われてるせいで、身体が非常に正直...
「才人さん、ご褒美、下さい」
シエスタがそう言って、才人の首筋を舐めつつ耳たぶを甘噛み...
「ふあっ」
才人が思わず声を出してしまい
「ね、良いでしょ?私、頑張りましたよ?」
そう言って、すりすりすりすり
身体と手がそのまま才人を刺激すると、カトレアが更に抱き寄...
「わ、私も……しま……した」
男としては凄く嬉しい
でも良く良く体調を確かめると力があまり入らない
「…あんま力入らない」
「そうですよね。結局2日寝てましたし」
「あぁ、そんなに寝てたのか……公爵は?」
キィッ
扉が開いてエレオノールが入室して来た
「やっと起きたの。父様はまた出て行ったわ。父様には、覚悟...
つまり、手加減抜きでやるぞとの警告である
「その代わり、何も見なかった……ですって」
不問にするとのお達しである
「一体どうなってんだ?」
才人が疑問に思うと、エレオノールがぴしゃりと「知らなくて...
「何?」
「カトレアの遊び相手になって欲しいだって」
それを聞いたカトレアが「本当ですか?姉様」
「えぇ、ま、詳しいのは後」
つかつか寄って、エレオノールが美女二人に挟まれた才人の頬...
「いだだだだだ」
「平民、女と朝食どっちが先?カトレア、コイツで良いのなら...
その言葉にシエスタが眼を爛々に輝かせる
「本当ですか?ミス?」
「でも、まだ体力無さそうよね。朝食からにしましょう」
カトレアが返事する前にてきぱきと進め、呼び鈴を鳴らして朝...
全裸の才人とカトレアがベッドに居るのを、年配のメイドが見...
「看病よ、疚しい事は考えない事ね」
そうエレオノールが答え、メイドが黙って頭を下げる
この男が公爵とギリギリの闘いを繰り広げたのは、既に邸宅内...
才人が起きると、ガウンが人数分エレオノールに渡されて才人...
「服は?」
「錬金の調整に手間取ってるの、アンタの服はハルケギニアの...
「あぁ、悪い。金は」ぴしり
エレオノールのデコピンが才人の額に直撃し
「二度と言うな」
「…はい」
革靴はハルケギニアでは裕福な者と貴族でしか得られない貴重...
才人の戦闘能力に靴は欠かせない
度重なる訓練と戦闘で、すっかり磨り減ったスニーカーを見て...
「じゃあ、食べましょう。メイドは追い出したから、全部関係...
* * *
才人が食事を綺麗に平らげ、息を付いていると、シエスタが人...
「お、緑茶か」
「知ってるの?」
「俺の国の特産だぜ?」
「え?嘘?折角のロバ・アル・カイリエ産で驚かそうとしたの...
エレオノールが驚かそうとして失敗し、シエスタは笑っている
「えっへっへ。実は、魔法学院でやろうとして失敗してるんで...
「…やられたわ」
そう言って、エレオノールは緑茶を飲み、感嘆の溜め息を付く
「やだ、美味しいじゃない」
「本当ですわ」
ヴァリエール姉妹のお誉めの言葉にシエスタは得意気で、才人...
「ちょっと平民、はしたない」
「そうですよ」
エレオノールとカトレアがたしなめるが
「あぁ、緑茶はこういう飲み方も有るんだよ。熱々の玉露はこ...
「そうなの?」
「そうなのよ」
才人が身振りで湯呑みを示して飲むジェスチャーをすると、不...
「へぇ、面白い作法ね」
「まぁね。お茶が出た時以外はやらんよ」
エレオノールが感心し、二人がそれを聞いて真似しようとする...
「上手くいかないわ」「結構難しいですわ」
「外国人には難しいって話だし、無理して真似せんで良いぞ?」
そう言って、今度は音を立てずに才人は緑茶を飲み、二人に合...
食後のお茶も楽しみ、腹が落ち着いた所で、カトレアが話を切...
「姉様、先程の話ですけど?」
エレオノールが自身の鏡台に向かい、引き出しを開けて幾つか...
禁断の秘薬がテーブルに乗ったからだ
「コイツの女の一人が調合した奴と、友達がくれた奴。効果は...
「はい」
「コイツの事好き?まだ会って間もないし、怒りを向けられた...
そして、キッと真顔で睨む
「私達をからかう為だったら、止めて欲しいのよ。真剣に答え...
カトレアはエレオノールの問いに真剣に考え、ゆっくりと答え...
「…実は、良く解らないのです」
エレオノールはじっと聞く
「確かに、使い魔さんは非常に怖いお方です。でも、動物さん...
「添い寝した時、嫌じゃ無かったんです。それに、触れていた...
両の手で拳を握り、太ももの上に置き、ぽつぽつと話すカトレア
才人は気まずい雰囲気で声も出せず、ただ聞き入っている
「人目見たとき、人種が違うお方で驚きました。父様の強さに...
「父様が、語ってくれたんです。私は奴に手加減されたんだ。...
そして更にキッと、エレオノールを睨む
「どうしてですか?姉様には、命懸けで応えて下さる殿方が現...
エレオノールはその眼を正面から睨み返す
今は絶対に背けてはいけない、カトレアの正直な心情が洩れて...
「コイツ、いつか帰るわよ。私達を捨てて」
「本当……ですか?」
才人が頷く。事実なので、諦めてくれた方が楽だからだ
「姉様は、それでも?」
「えぇ、私はそれでもやるの。もうね、私は結婚出来ないのな...
「子供が出来たらどうするのですか?」
「産んで育てるに決まってるでしょ?次のヴァリエール公を、...
「メイジの血統は?」
カトレアに取っても、ヴァリエールにとっても大切な疑問だ
エレオノールは研究者たる知的観点から、冷徹に下す
「私達ヴァリエールの血は、腐り始めている。カトレア、貴女...
恋愛の観点以外にも、才人を受け入れる利点を語るエレオノール
「つまり、私は結婚しないでも、次世代だけは必ず産む。コイ...
「妾か正妻かは知らないなけど、堂々と隣を歩くわ。徒手空拳...
緑茶を飲み、唇を湿らせ、断言する
「つまり、個人的、血族的、それに仕事上でも、私はコイツが...
完全に断言され、才人が手を額に持っていき、天井を仰ぐ
最早、エレオノールの攻勢には、才人は完全降服するのみだ
しかも、今は才人に発言権は無い
雰囲気から許されない
「姉様、でしたら私にも」
「そう、貴女にもこの理由は適用される。だから、カトレアの...
また緑茶を飲み、更に言葉を紡ぐ
「例え、同じ男のモノになりたいって事でもね。どうする?」
カトレアは真剣に考え、才人を見る
才人は困った様にしていて、何も言わない
試しに席上隣であった才人の腕を取り、そのまま胸で抱え込む
「……やっぱり、こうしていたいです」
カトレアの答えに、エレオノールは溜め息を付く
「それ、どういう意味か知ってる?」
対面に座ってるエレオノールに、首を振るカトレア
「女がね、触れても構わない、もっと触れたい、触れて欲しい...
カトレアはその言葉に驚き
「そうなのですか?」
「えぇ、何処が良いのよ?この鈍感種馬男。はっきり言って、...
「なら、私一人位増えても」
「全く問題無いわよ。えぇ、全く。腹立つ位に。寧ろ、美女で...
「姉様、好きな人には、どうすれば良いのでしょう?」
その質問にエレオノールは正直に答える
「キスをしたくなる。肌を合わせたくなる。そして、とても交...
自分の気持ちを切々と語るエレオノール
「証拠は匂いを嗅いでみなさい。嗅いで心地好いならコイツの...
「コイツの事が好きなら、本気で求愛しなさい。中途半端な求...
シエスタは話を振られて暫し考え、頷く
「はい。やっぱり、本気の方以外、才人さんの相手はして欲し...
「平民、私のカトレアの求愛拒んだら、解ってるでしょうね?」
才人は汗を垂らしながら頷く、その時は人生終了の時である
こうして、賽は振られた
カトレアが頷き、おずおずと才人の胸に顔をを寄せる
「ん、良い匂い」
才人のガウンの胸元を開き、すんすん嗅いで答える
自身のガウンが乱れるのもそのまま、キスを交わし、暫くその...
そのまま才人の首に腕を回し、存分に楽しんだ後、音を立てて...
ちゅぽっ
すっかり真っ赤になったカトレアの胸は既にはだけており、才...
「……はぁ、凄いです」
「鍛えられたもんで」
二人のラブシーンをエレオノールは顔色も変えず、シエスタは...
「どう、カトレア?」
「…もっと欲しい」
「自身の女に触れてみなさい」
「はい」
試しに股間に手を持っていくと、ぬるりとしたものが、カトレ...
「何ですか?これ?」
「平民をね、欲しがってるのよ。欲しくない場合はならないわ...
そう言って、エレオノールは自身の経験を吐露する
姉妹の感性は似てる部分がある、カトレアは素直に頷いた
「って訳で決まり。平民、カトレアはか弱いから、優しくする...
「…はい」
「メイド、出るわよ。そうね、一時間はあげる。その後は私も...
一旦薬を回収し、エレオノールはガウンのままのシエスタに気...
音もせずに扉が閉まり、サイレンスの効果範囲である事が伺える
つまり、ロックもしっかり掛かってるだろう
才人は残してあったワインを手に持ち、グラスを棚から失敬し...
「無理しなくて良いよ。まだ会って三日目だ」
「違います」
「え?」
「私、四ヶ月待ちました」
「はぁ?」
カトレアがクイッとワインを一気飲みし、切々と話し始める
「ルイズの手紙来るまで、使い魔召喚で人が来るなんて、思い...
才人は立って飲んでたのを、隣に座って黙って聞く
「私も、人の使い魔さんが欲しかった」
「…」
「…私も、運命の人が欲しかった」
「運命……ね」
「貴方にはそうでなくても、使い魔と主人は、どう足掻いても...
「…そっか」
「そう…なんです」
ちゃぷ
瓶を煽って飲み、中の液体が音を立てる
そしてカトレアにもそのまま注ぐ
本来貴族にはあり得ない粗野な振る舞い
だが、カトレアは何も言わなかった
「運命で現れた使い魔さん。私は、ルイズの事が羨ましかった」
「…うん」
「そんな人は、聞いた事が有りません」
「そうだね」
「でも、使い魔さんにも、今まで生きて来た、生活が有ったん...
「そうだね」
「そんな当たり前な事を、私は考える事を失念してました」
「…」
才人が見てると、またクイッと煽るカトレア
そして、フラフラと立ち上がり、才人の頭を両手で抱え込んで...
「貴方も、迷い込んだ小鳥さんと一緒だったんですね?ねぇ、...
「いや、しかし、そもそも俺の方が歳上」
「細かい事は言いっこ無し。ほら」
「いや……」
その胸の感触は柔らかく安心して、そして才人は知らずに涙を...
「……あれ?」
「今だけは……何でも聞いてあげます。ねぇ、貴方も私で休みま...
「何で……涙?」
才人はカトレアの胸に抱えられ、自身の流した涙に唖然として...
「良いんですよ?今は、取り繕いは無しで。苦しい胸の内も、...
全てを包み込む慈愛
そう、母性が持つ慈愛
涙を見られぬ様に、才人は胸に顔を埋める
「ははは、まさか、こんなにあっさり泣くとはね」
「…帰りたいですか?」
囁く様に聞くカトレアに、胸の感触に包まれた才人が答える
「あぁ、帰りたい。あいつにただいまって……言いたいなぁ」
「恋人?」
「……姪だ」
つい口走ってしまった才人
才人の隠してた物を、カトレアの慈愛はあっさり引き出した
「どんな人?」
「生意気で……小さくて……元気で……一人じゃ何やるのもビクビク...
グス
才人が鼻を啜ってる
「あいつさ……両親、強盗に殺されちまったんだ」
カトレアが才人の背中を擦りながら、引き寄せる
才人はつい身を任せ、涙でカトレアの胸を濡らし、カトレアは...
ガウンから胸が盛り上り、エロスを掻き立てる
「大変だったのですね」
「あぁ。片親が襲われた時に、もう片方の親に言われて隠れて...
ヒック
才人がえづいている
涙も止まらず、カトレアの胸を濡らしている
「その後よ、喋れないのを良いことに、学校で教師にやられち...
「……」
「俺はそん時迎えに行ってて、事後に遭遇しちまった。人生最...
「どうしたの……ですか?」
グス
才人が一呼吸置いて、喋る
「勿論その屑教師を、力の限りボコボコにしたさ。ざまぁねぇ...
「…そうですね」
「だが、そいつはその時の傷が元で、三日後には死んださ。今...
「…」
「俺は警察に捕まって傷害の嫌疑をかけられたが、付いてくれ...
「良かったじゃないですか」
「良くねぇよ。大変だったのはその後。病院でフラッシュバッ...
「…」
「んで、学校のクラスメートなんか笑っちまうぜ。俺が人殺し...
「…どうなったの……ですか?」
すると、才人の身体が震える
「クックックックッ。全員手の平返して近付かなくなったさ。...
ついにカトレアを離して、笑いの発作に任せて才人は笑う
「アッハッハッハ!笑えるぜ!ダチと思ってた連中は、全員そ...
すると、急に大人しくなり、カトレアが覗き込む
「…でもよ、駄目なんだよ。俺が笑わないと、あいつが笑えない...
「そう……ですか」
「あぁ。そして片っ端からバイトから仕事から色々やった。あ...
「…」カトレアが頷き、先を促す
「鉄は……良い。何も考えずに済む。人相手より、ずっと楽だ」
才人はそのまま、涙を拭い、更に喋る
「だからのめり込んだ。免許も取って色々やった、もう必死に...
「頑張ったの……ですね」
「あぁ、事件から二年。俺が笑える様になった時、あいつも笑...
そしてとうとう膝に両肘を付き、手の平で目頭を押さえながら...
「悪い……おにいちゃんだよなぁ。俺、お前の所に帰れねぇよ。...
ぽた、ぽた
また涙が垂れていき、床に染みが出来ていく
「ちきしょう、ちきしょう、ちきしょう!!!!俺があいつに...
* * *
終了行:
才人との決闘が終わり、ヴァリエール公は私室に戻り、そのま...
ドサッ
「クソッ、平民め。情けをかけおって」
「あら、あなたも気付いたのですか」
「……ふん、正面だったからな」
「何故か発動止めましたよね」
ヴァリエール公はそう言ってソファーに埋もれ、妻たるカリー...
才人の詠唱をカリーヌは風の使い手として完全に読み、ヴァリ...
メイジでないとかは関係無い
貴族でないメイジも居るし、マジックアイテムの発動に、ルー...
「全く、父に殴られる男の役目を、命賭けでやる男も珍しい」
「だから不愉快だと言っておる!!これでは、エレオノールの想...
「あなた、口調が昔に戻ってますわ」
「う…む…」
若い気に当てられ、つい昔に戻ってしまったのだろう
ヴァリエール公がソファーで仰向けになり、傍でカリーヌが膝...
「随分買ってましたね。最初から二本出すとは思いませんでし...
「…お前でも手加減はせんだろう?」
「…えぇ」
「お前もそう思うか?」
「はい」
「…そうか」
ヴァリエール公は、そのままカリーヌの手を引き抱き締める
「あっ…」
「今更……くれてやるものか」
「あら、嬉しい」
カリーヌはそのまま夫に口付けし、ヴァリエール公も応じる
「…ねぇ、あなた。子供達は全員私に似てますね」
「…出来れば、同じ男に三人一緒は止めて欲しいものだ」
「無理でしょう?だって、あなたの娘で私の娘達ですよ?」
「……全く、頭が痛い。受け継がなくて良い伝統だけは、全員受...
カリーヌはくすりと笑うとヴァリエール公に跨がり
「あなた、興奮してますわよ?」
「あぁ、あんなギリギリの闘い、久し振りだ」
そう言って、夫婦の営みに突入した
* * *
才人はエレオノールの部屋で寝かされており、ルイズは立入禁...
理由は交渉決裂のお仕置きだ
「姉さま、サイトの看病あたしもやります」
そう言うルイズの胸に指を突き付けたエレオノールは、才人と...
「はぁ?何言ってるの?あんた、交渉決裂の原因なんだから駄...
「……はい」
封建貴族で自身が最高責任者で王の使者への歓待を怠り、どち...
家族だから、長時間のこってりした説教で済んでいる
最早、ルイズの信用はズタボロだ
で、それとは関係無いキュルケやタバサが手伝うのも、やんわ...
「二人共、手伝ってくれるのは有難いけど、ヴァリエールでは...
「負傷の看病迄追い出さないでよ、ヴァリエール」
「ツェルプストーじゃ我慢するから。お願い!」
そう言って、エレオノールがキュルケに頭を下げたのだ
思わずキュルケが硬直する
ヴァリエールがツェルプストーに頭を下げる事などあり得ない...
つまり、本当に真摯にお願いしてるのである
ツェルプストーであるキュルケはその仕草に困った顔をし、少...
才人の仕草がいつの間にか感染っている
「……全く、向こうじゃ仕事以外駄目よ?プライベートは全部持...
「良いわよ」
「どういう風の吹き回し?」
「私はね、父様の前で誓ったの。もうね、コイツに賭けるしか...
その言葉に嘘は無い
キュルケが頷く
「…良いわ、任せる。その代わり、全快させないと許さないから...
「えぇ」
「タバサ、ツェルプストー迄我慢だ」
タバサがコクりと頷くと、二人は家内の者の案内で客室に戻っ...
「……あたしの……馬鹿」
本当に言い訳が利かない為、ルイズはしゃがみ込んでひたすら...
今はとにかく、反省の時である
* * *
看病と言っても、エレオノールはカトレアの額に、水を含ませ...
「じゃあ、私の指示に従って下さい」
「ちょっとメイド。あんたメイドの癖に「黙りなさい!看病素...
そう言って腕を組んで貫禄を見せ付けるシエスタに対し、カト...
「あの、私は動物さん相手で看病経験は…」
「才人さんを、動物相手と同じにしないで下さい!」
シエスタの怒号と凄みに負けた二人がぴしりとし、思わず答礼...
「「は、はい!」」
カリーヌ直伝の苛烈な教育は、こんな所で顔を出す
「宜しい。では傷薬は有りますか?」
「あ、はい。私の部屋に」
カトレアが応じると
「では、持てるだけ持って来る、駆けあ〜し!行け!」
「はいっ!」
カトレアがパタパタと出ていき
「私達は全裸にして身体を綺麗にします。傷口があったら広げ...
その言葉にエレオノールがコクりと頷く
「ミスは浄化使えますか?」
「治癒より得意ね」
「では服の血を脱がしたら浄化願います。後は傷口にも」
「了解」
そう言って、てきぱきと二人で脱がし、全裸の才人の血を拭い...
ガチャ
「持って来ました」
「塗り薬?飲み薬?」「両方です」
「じゃあ飲み薬下さい。塗り薬はちょっと待って。ミス、治癒...
その言葉にエレオノールが頷き、カトレアも杖を持つと
「ミスフォンティーヌは自重願います。才人さんが起きた時に...
「ですけど、私は治癒は得意「駄目です」
きっぱりとシエスタが拒否し
「才人さんの心配事を増やす事は、私が許しません。以前の致...
そう言って微笑み、カトレアは頷いた
「ではどうすれば?」
カトレアが聞いてる間に、シエスタが飲み薬を才人に口移しで...
「はい、一緒にやりましょう」
治癒の詠唱を続けるエレオノールと、薬を塗るシエスタとカト...
「あっ、殿方の」
「はいそこ。私達にとって、一番大事なモノですから丁寧に扱...
カトレアが、かあぁぁとなりながら
「あの、どうすれば?」
シエスタがてきぱきと、しかも念入りに拭いていき、感心しな...
「股間は一番汚れますからね」
シエスタが手馴れた手付きで完了し、二人は感心している
「才人さんと一緒なら、看病はきちんと覚えて下さい。才人さ...
「え、えぇ」
エレオノールが深く頷き、同意する
そしてシエスタが才人の体温を触って確かめ
「ん〜、ちょっと体温低いですね?」
すると、あっさり脱ぎだし、そのまま全裸で添い寝する
「ちょっとメイド」
「体温低いです。つべこべ言わずに暖める。良いですね?」
シエスタの気迫に押されて、エレオノールは躊躇った後、服を...
「あの、私は?」
「殿方と肌を合わせた事が無いなら、やらなくて良いです」
聞いたカトレアに対し、シエスタは素っ気ない
シエスタの最優先順位は才人の為、才人の看病に覚悟が出来な...
「……やります」
「でしたら交代でしましょう。体温上がるか、目が覚める迄で...
そう言って、シエスタは身体を絡ませながら眼を閉じ、エレオ...
「…参った。メイドは大したメイドだ」
そう言ってエレオノールがシエスタを賞賛し、二人は意識を手...
* * *
「寒い」
才人はそう言って、身体を震わせる
寒くて暗い所に何故か居る
だが、心地好い柔らかで暖かな感触が背中から感じ、更に目の...
『寒いですか?』
聴こえてきた声に頷いて、柔らかなモノに顔を埋め
『はぁ、もう』
そう言いつつ、先程の声が自分を手繰り寄せてくれるので、逆...
『はっ、寝てるのに……何を、んん』
どうやら自分は寝ているらしい
「夢か……」
なら、前方から来る甘い匂いと、柔らかな感触は全て貪って良...
非常に柔らかい魅力的な肌をまさぐり、股間に指を這わせていく
『はっ……そんな、駄目です』
誘ってる
才人には寝ながらそう思い、口に含んだ突起を舌先で転がしつ...
『は、ん、だ、だめ、そんなこと、んあっ』
才人の頭に吐息がかかり、ハッハッハと荒い呼吸が聴こえて来る
「随分リアルな夢…」
才人はそのまま柔らかい身体に手を這わせ、更に蜜壷を撫でて...
『ふうっ、ん』
声が反応し、身体がピクピクと震え、指先が大量に濡れる
既に息子はギンギンだ
「才人さん、寝ながら何をやってるんです?」
「…えっ?」
その声に急速に覚醒していき、ぱちりと眼を開く才人
口は、初めて見る乳房を食わえていて、更に背中から胸を押し...
そのまま上を見ると、カトレアが頬を真っ赤にして愛撫に耐え...
「はっはっはっはっ」
荒い呼吸はカトレアだ
「あ、ゴメン」
カトレアがふるふると顔を振ると、そのまま才人の頭を抱え込...
「…えっと、確か決闘で負けて…」
「負傷してまた体温下がったから、三人で交代で添い寝してま...
「そっか、有り難うシエスタ」
そう言ってる間も、シエスタは息子への愛撫を続けている
前後を才人が大好きな大きい胸が刺激を与えて、才人自身もち...
特に最近は香やら何やら使われてるせいで、身体が非常に正直...
「才人さん、ご褒美、下さい」
シエスタがそう言って、才人の首筋を舐めつつ耳たぶを甘噛み...
「ふあっ」
才人が思わず声を出してしまい
「ね、良いでしょ?私、頑張りましたよ?」
そう言って、すりすりすりすり
身体と手がそのまま才人を刺激すると、カトレアが更に抱き寄...
「わ、私も……しま……した」
男としては凄く嬉しい
でも良く良く体調を確かめると力があまり入らない
「…あんま力入らない」
「そうですよね。結局2日寝てましたし」
「あぁ、そんなに寝てたのか……公爵は?」
キィッ
扉が開いてエレオノールが入室して来た
「やっと起きたの。父様はまた出て行ったわ。父様には、覚悟...
つまり、手加減抜きでやるぞとの警告である
「その代わり、何も見なかった……ですって」
不問にするとのお達しである
「一体どうなってんだ?」
才人が疑問に思うと、エレオノールがぴしゃりと「知らなくて...
「何?」
「カトレアの遊び相手になって欲しいだって」
それを聞いたカトレアが「本当ですか?姉様」
「えぇ、ま、詳しいのは後」
つかつか寄って、エレオノールが美女二人に挟まれた才人の頬...
「いだだだだだ」
「平民、女と朝食どっちが先?カトレア、コイツで良いのなら...
その言葉にシエスタが眼を爛々に輝かせる
「本当ですか?ミス?」
「でも、まだ体力無さそうよね。朝食からにしましょう」
カトレアが返事する前にてきぱきと進め、呼び鈴を鳴らして朝...
全裸の才人とカトレアがベッドに居るのを、年配のメイドが見...
「看病よ、疚しい事は考えない事ね」
そうエレオノールが答え、メイドが黙って頭を下げる
この男が公爵とギリギリの闘いを繰り広げたのは、既に邸宅内...
才人が起きると、ガウンが人数分エレオノールに渡されて才人...
「服は?」
「錬金の調整に手間取ってるの、アンタの服はハルケギニアの...
「あぁ、悪い。金は」ぴしり
エレオノールのデコピンが才人の額に直撃し
「二度と言うな」
「…はい」
革靴はハルケギニアでは裕福な者と貴族でしか得られない貴重...
才人の戦闘能力に靴は欠かせない
度重なる訓練と戦闘で、すっかり磨り減ったスニーカーを見て...
「じゃあ、食べましょう。メイドは追い出したから、全部関係...
* * *
才人が食事を綺麗に平らげ、息を付いていると、シエスタが人...
「お、緑茶か」
「知ってるの?」
「俺の国の特産だぜ?」
「え?嘘?折角のロバ・アル・カイリエ産で驚かそうとしたの...
エレオノールが驚かそうとして失敗し、シエスタは笑っている
「えっへっへ。実は、魔法学院でやろうとして失敗してるんで...
「…やられたわ」
そう言って、エレオノールは緑茶を飲み、感嘆の溜め息を付く
「やだ、美味しいじゃない」
「本当ですわ」
ヴァリエール姉妹のお誉めの言葉にシエスタは得意気で、才人...
「ちょっと平民、はしたない」
「そうですよ」
エレオノールとカトレアがたしなめるが
「あぁ、緑茶はこういう飲み方も有るんだよ。熱々の玉露はこ...
「そうなの?」
「そうなのよ」
才人が身振りで湯呑みを示して飲むジェスチャーをすると、不...
「へぇ、面白い作法ね」
「まぁね。お茶が出た時以外はやらんよ」
エレオノールが感心し、二人がそれを聞いて真似しようとする...
「上手くいかないわ」「結構難しいですわ」
「外国人には難しいって話だし、無理して真似せんで良いぞ?」
そう言って、今度は音を立てずに才人は緑茶を飲み、二人に合...
食後のお茶も楽しみ、腹が落ち着いた所で、カトレアが話を切...
「姉様、先程の話ですけど?」
エレオノールが自身の鏡台に向かい、引き出しを開けて幾つか...
禁断の秘薬がテーブルに乗ったからだ
「コイツの女の一人が調合した奴と、友達がくれた奴。効果は...
「はい」
「コイツの事好き?まだ会って間もないし、怒りを向けられた...
そして、キッと真顔で睨む
「私達をからかう為だったら、止めて欲しいのよ。真剣に答え...
カトレアはエレオノールの問いに真剣に考え、ゆっくりと答え...
「…実は、良く解らないのです」
エレオノールはじっと聞く
「確かに、使い魔さんは非常に怖いお方です。でも、動物さん...
「添い寝した時、嫌じゃ無かったんです。それに、触れていた...
両の手で拳を握り、太ももの上に置き、ぽつぽつと話すカトレア
才人は気まずい雰囲気で声も出せず、ただ聞き入っている
「人目見たとき、人種が違うお方で驚きました。父様の強さに...
「父様が、語ってくれたんです。私は奴に手加減されたんだ。...
そして更にキッと、エレオノールを睨む
「どうしてですか?姉様には、命懸けで応えて下さる殿方が現...
エレオノールはその眼を正面から睨み返す
今は絶対に背けてはいけない、カトレアの正直な心情が洩れて...
「コイツ、いつか帰るわよ。私達を捨てて」
「本当……ですか?」
才人が頷く。事実なので、諦めてくれた方が楽だからだ
「姉様は、それでも?」
「えぇ、私はそれでもやるの。もうね、私は結婚出来ないのな...
「子供が出来たらどうするのですか?」
「産んで育てるに決まってるでしょ?次のヴァリエール公を、...
「メイジの血統は?」
カトレアに取っても、ヴァリエールにとっても大切な疑問だ
エレオノールは研究者たる知的観点から、冷徹に下す
「私達ヴァリエールの血は、腐り始めている。カトレア、貴女...
恋愛の観点以外にも、才人を受け入れる利点を語るエレオノール
「つまり、私は結婚しないでも、次世代だけは必ず産む。コイ...
「妾か正妻かは知らないなけど、堂々と隣を歩くわ。徒手空拳...
緑茶を飲み、唇を湿らせ、断言する
「つまり、個人的、血族的、それに仕事上でも、私はコイツが...
完全に断言され、才人が手を額に持っていき、天井を仰ぐ
最早、エレオノールの攻勢には、才人は完全降服するのみだ
しかも、今は才人に発言権は無い
雰囲気から許されない
「姉様、でしたら私にも」
「そう、貴女にもこの理由は適用される。だから、カトレアの...
また緑茶を飲み、更に言葉を紡ぐ
「例え、同じ男のモノになりたいって事でもね。どうする?」
カトレアは真剣に考え、才人を見る
才人は困った様にしていて、何も言わない
試しに席上隣であった才人の腕を取り、そのまま胸で抱え込む
「……やっぱり、こうしていたいです」
カトレアの答えに、エレオノールは溜め息を付く
「それ、どういう意味か知ってる?」
対面に座ってるエレオノールに、首を振るカトレア
「女がね、触れても構わない、もっと触れたい、触れて欲しい...
カトレアはその言葉に驚き
「そうなのですか?」
「えぇ、何処が良いのよ?この鈍感種馬男。はっきり言って、...
「なら、私一人位増えても」
「全く問題無いわよ。えぇ、全く。腹立つ位に。寧ろ、美女で...
「姉様、好きな人には、どうすれば良いのでしょう?」
その質問にエレオノールは正直に答える
「キスをしたくなる。肌を合わせたくなる。そして、とても交...
自分の気持ちを切々と語るエレオノール
「証拠は匂いを嗅いでみなさい。嗅いで心地好いならコイツの...
「コイツの事が好きなら、本気で求愛しなさい。中途半端な求...
シエスタは話を振られて暫し考え、頷く
「はい。やっぱり、本気の方以外、才人さんの相手はして欲し...
「平民、私のカトレアの求愛拒んだら、解ってるでしょうね?」
才人は汗を垂らしながら頷く、その時は人生終了の時である
こうして、賽は振られた
カトレアが頷き、おずおずと才人の胸に顔をを寄せる
「ん、良い匂い」
才人のガウンの胸元を開き、すんすん嗅いで答える
自身のガウンが乱れるのもそのまま、キスを交わし、暫くその...
そのまま才人の首に腕を回し、存分に楽しんだ後、音を立てて...
ちゅぽっ
すっかり真っ赤になったカトレアの胸は既にはだけており、才...
「……はぁ、凄いです」
「鍛えられたもんで」
二人のラブシーンをエレオノールは顔色も変えず、シエスタは...
「どう、カトレア?」
「…もっと欲しい」
「自身の女に触れてみなさい」
「はい」
試しに股間に手を持っていくと、ぬるりとしたものが、カトレ...
「何ですか?これ?」
「平民をね、欲しがってるのよ。欲しくない場合はならないわ...
そう言って、エレオノールは自身の経験を吐露する
姉妹の感性は似てる部分がある、カトレアは素直に頷いた
「って訳で決まり。平民、カトレアはか弱いから、優しくする...
「…はい」
「メイド、出るわよ。そうね、一時間はあげる。その後は私も...
一旦薬を回収し、エレオノールはガウンのままのシエスタに気...
音もせずに扉が閉まり、サイレンスの効果範囲である事が伺える
つまり、ロックもしっかり掛かってるだろう
才人は残してあったワインを手に持ち、グラスを棚から失敬し...
「無理しなくて良いよ。まだ会って三日目だ」
「違います」
「え?」
「私、四ヶ月待ちました」
「はぁ?」
カトレアがクイッとワインを一気飲みし、切々と話し始める
「ルイズの手紙来るまで、使い魔召喚で人が来るなんて、思い...
才人は立って飲んでたのを、隣に座って黙って聞く
「私も、人の使い魔さんが欲しかった」
「…」
「…私も、運命の人が欲しかった」
「運命……ね」
「貴方にはそうでなくても、使い魔と主人は、どう足掻いても...
「…そっか」
「そう…なんです」
ちゃぷ
瓶を煽って飲み、中の液体が音を立てる
そしてカトレアにもそのまま注ぐ
本来貴族にはあり得ない粗野な振る舞い
だが、カトレアは何も言わなかった
「運命で現れた使い魔さん。私は、ルイズの事が羨ましかった」
「…うん」
「そんな人は、聞いた事が有りません」
「そうだね」
「でも、使い魔さんにも、今まで生きて来た、生活が有ったん...
「そうだね」
「そんな当たり前な事を、私は考える事を失念してました」
「…」
才人が見てると、またクイッと煽るカトレア
そして、フラフラと立ち上がり、才人の頭を両手で抱え込んで...
「貴方も、迷い込んだ小鳥さんと一緒だったんですね?ねぇ、...
「いや、しかし、そもそも俺の方が歳上」
「細かい事は言いっこ無し。ほら」
「いや……」
その胸の感触は柔らかく安心して、そして才人は知らずに涙を...
「……あれ?」
「今だけは……何でも聞いてあげます。ねぇ、貴方も私で休みま...
「何で……涙?」
才人はカトレアの胸に抱えられ、自身の流した涙に唖然として...
「良いんですよ?今は、取り繕いは無しで。苦しい胸の内も、...
全てを包み込む慈愛
そう、母性が持つ慈愛
涙を見られぬ様に、才人は胸に顔を埋める
「ははは、まさか、こんなにあっさり泣くとはね」
「…帰りたいですか?」
囁く様に聞くカトレアに、胸の感触に包まれた才人が答える
「あぁ、帰りたい。あいつにただいまって……言いたいなぁ」
「恋人?」
「……姪だ」
つい口走ってしまった才人
才人の隠してた物を、カトレアの慈愛はあっさり引き出した
「どんな人?」
「生意気で……小さくて……元気で……一人じゃ何やるのもビクビク...
グス
才人が鼻を啜ってる
「あいつさ……両親、強盗に殺されちまったんだ」
カトレアが才人の背中を擦りながら、引き寄せる
才人はつい身を任せ、涙でカトレアの胸を濡らし、カトレアは...
ガウンから胸が盛り上り、エロスを掻き立てる
「大変だったのですね」
「あぁ。片親が襲われた時に、もう片方の親に言われて隠れて...
ヒック
才人がえづいている
涙も止まらず、カトレアの胸を濡らしている
「その後よ、喋れないのを良いことに、学校で教師にやられち...
「……」
「俺はそん時迎えに行ってて、事後に遭遇しちまった。人生最...
「どうしたの……ですか?」
グス
才人が一呼吸置いて、喋る
「勿論その屑教師を、力の限りボコボコにしたさ。ざまぁねぇ...
「…そうですね」
「だが、そいつはその時の傷が元で、三日後には死んださ。今...
「…」
「俺は警察に捕まって傷害の嫌疑をかけられたが、付いてくれ...
「良かったじゃないですか」
「良くねぇよ。大変だったのはその後。病院でフラッシュバッ...
「…」
「んで、学校のクラスメートなんか笑っちまうぜ。俺が人殺し...
「…どうなったの……ですか?」
すると、才人の身体が震える
「クックックックッ。全員手の平返して近付かなくなったさ。...
ついにカトレアを離して、笑いの発作に任せて才人は笑う
「アッハッハッハ!笑えるぜ!ダチと思ってた連中は、全員そ...
すると、急に大人しくなり、カトレアが覗き込む
「…でもよ、駄目なんだよ。俺が笑わないと、あいつが笑えない...
「そう……ですか」
「あぁ。そして片っ端からバイトから仕事から色々やった。あ...
「…」カトレアが頷き、先を促す
「鉄は……良い。何も考えずに済む。人相手より、ずっと楽だ」
才人はそのまま、涙を拭い、更に喋る
「だからのめり込んだ。免許も取って色々やった、もう必死に...
「頑張ったの……ですね」
「あぁ、事件から二年。俺が笑える様になった時、あいつも笑...
そしてとうとう膝に両肘を付き、手の平で目頭を押さえながら...
「悪い……おにいちゃんだよなぁ。俺、お前の所に帰れねぇよ。...
ぽた、ぽた
また涙が垂れていき、床に染みが出来ていく
「ちきしょう、ちきしょう、ちきしょう!!!!俺があいつに...
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