ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
治めし者、旅路の者
才人は謁見後の翌日トリスタニア城下に向かっていた
日も大分高いが、彼女は起きてるだろうか?
とにかく向かってみる
魅惑の妖精亭を潜ると、やっぱり静かだった
「ちわ〜。こんな時間じゃ、やっぱり起きてねぇか」
そう言って、階段を登ってスカロンの部屋の扉を叩く
コンコン
「ふぁ、どなたぁ?」
「俺です。才人です」
「入って良いわよ」
ガチャッ
「失礼します」
才人が部屋に入るとスカロンの眠たげな目が、一気に覚醒する
流石商売人である
「あらあら才人ちゃん、どうしたの?」
「ルイズを預かってくれたお礼を言いたくて。また忙しくなる...
「才人ちゃんも大変ねぇ。何で貴族のボスやってるか知らない...
「そんな所です」
「シエスタはどうする?あの娘、ここに居れば才人ちゃんが来...
言われてみると、確かにあちこちの家で着替えが散逸している
しかも周りは貴族ばかりで、身の回りの世話は、着飾る方がメ...
別に困ってはいないが、居ると確かに助かる
「う〜ん。シエスタは学園のメイドだから、連れ回すのもなぁ...
スカロンはその話を聞き、深いため息を付いて語りかけた
「才人ちゃん、きっぱり言うわ。立場なんかどうでも良いから...
流石に自慢の姪っ子が役立たず扱いは、スカロンには憤慨モノ...
そして、才人は思わずよろける
「いや、だけど周りは貴族ばっかで」
「なら、尚更世話する人間が必要でしょうが!」
確かにそうである
しかも、ヴァリエール姉妹に物怖じしないメイドはちょっと貴...
ルイズの不安定な部分も大分助けてくれるだろう
事実、ルイズからもシエスタの評判を聞いている
友達と一緒は嬉しいだろう
「あのね、シエスタから色々と聞いたわ。貴方、タルブの英雄...
「…そうなっちまいましたね」
「爺さんの遺産受け取った男が、女一人でガタガタしないで頂...
「はぁ」
「いずれ帰るから連れて行くのは躊躇してるんでしょ?なら、...
「…そんなもんですかね?」
「惚れた相手の子を身籠るのは、女にとって最高の幸せよ?私...
「…はぁ」
思わず頭をかりかり掻いて、曖昧な表情を浮かべる才人
「そんな調子なら、ジェシカ迄付けて追い出すけど良いのね?」
「はい、シエスタ連れて行きます」
思わずしゃきっと直立して、才人は答える
「最初からそうおっしゃい」
「すいません」
思わず頭を下げる才人
「でも、シエスタは俺には良い娘過ぎて」
「その自慢の姪っ子が、あんた以外眼中無いのよ?もっと、自...
「はい」
才人の返事にスカロンは笑い、促す
「今のシエスタの部屋は、才人ちゃん達が使ってた所よ。迎え...
「解りました。スカロンさん、ルイズを世話してくれて、有り...
才人は深々と頭を下げてから、部屋を後にした
パタム
* * *
才人が軽くノックしても、部屋の主からは反応が無い
才人は思わず扉を開くと鍵が掛かっていなかった
「不用心だな」
思わず苦笑しながら部屋に入り、眠ってる黒髪で愛らしいそば...
着てるのは、いつぞやのプレゼントした下着だ
毛布も暑さにはだけており、可愛い胸があらわに呼吸と共に上...
「シエスタ、シエスタ」
シエスタの髪を撫でながら才人は声を掛ける
「…」
「シエスタ」
うっすらと瞼を開け、ぼぅっとしながら才人を見つめ
「……才人さん?」
「そうだよ、才人だよ」
眠たげな顔はそのままに、シエスタは才人の頭に腕を回し、才...
チュッチュッ
キスを交わしながらも脚で才人を蟹挟み、ベッドに引きずり込む
「うっ、シエスタ」
「……他の女の匂いがする」
サクッと才人に刺さる
「私の匂いで上書きです。来てくれないと、起きてあげません」
「シエスタ……」
「すんごい寂しかったんですよ?私、才人さんのお役に立ちま...
そう言って、眠たげな顔はそのまま、紐パンの紐をほどいて才...
「そんな事無いって」
「じゃあ、私が才人さんの女だって証、下さい」
シエスタの肌触りは絶品だ。息子に刺激を与えられ、才人は完...
そのままシエスタが入口に合わせ、才人が腰を進めるとズヌヌ...
「……ん」
「……この柔らかい感触、堪んね」
才人の息子が余りに柔らかいモノで包まれ、脈動でビクビクす...
幾らでも強く強く主張する分が、それすら柔々と包み込まれ、...
そう、気が付いたら余裕が無くなる
「……シエスタ」
シエスタがキスを交わしてそのまま才人を抱き締め痙攣するの...
トクントクントクントクン
とても心地よい長い余韻、シエスタは抱擁を解かずに唇だけ離...
「……えへへ、やっぱり凄い気持ち良いです。このまま寝ましょ...
「いや、出掛けないと駄目なんだ。一緒に来るか?」
ぱちくりとその言葉にシエスタが眼を開ける
「一緒に行って……良いんですか?」
才人が入りっぱなしの腰を軽く動かし始める
大幅に打ち付けるのではなく、奥に入れた状態でそのまま打ち...
グチュッグチュッ
「あぁ、ちょっとあちこち滞在しなきゃならんから、どうして...
「い……行きます!……絶対……絶対…あっ!イクッ!!」
シエスタが痙攣し、才人の精が再度放たれる
「あっ………才人さん、メイドの報酬は日払いでお願いしますね。...
「…鋭意努力します」
「返事は、ウィです」
そう言って、才人を締め付けながら奥に誘いながら、更に腰を...
一気に才人は力を取り戻し、お互い小刻みに腰を振リ、阿吽の...
「ウィ」
「嬉し………ん!?」
シエスタの返事と共に、非常に短い時間で三発目が発射された
* * *
才人がシエスタを連れて来ると、メンバーは特に何も言わなか...
確かにメイドが欲しいと、ちょっと思っていたのである
「シエスタを連れて行くよ。最近身の回りが疎かだからさ」
「まっ、良いんじゃない?所長がみすぼらしいのも、威厳に関...
そう言って、エレオノールは肯定しつつ、シエスタに歩み寄る
「ふん、立場を弁えなさい、メイド。忘れなきゃ、裏で何やろ...
才人の匂いを感知しての警告である
シエスタは黙って頭を下げた
「さてと、零戦使わず皆で竜籠で行くか?」
「いやぁよ。何で平民と一緒に乗らないといけないのよ」
そう言って、エレオノールが拒否する
「解った。タバサ、シルフィード貸してくれ。学院で零戦乗っ...
タバサが頷いてシルフィードが傍に寄り、才人とシエスタがシ...
「……あのな」
「…何よ?所長と一緒は秘書の勤めよ。何が問題?」
「今、平民と一緒は嫌だと言ったろう?」
すると、才人の服の裾を掴んで睨む
眼で訴える。ルイズ以上の気の強さを眼の意思に込め、言いた...
「……」
才人はため息を一つ付くと、説明を始める
「…エレオノールさん、良く聞いてくれ」
エレオノールはこくりと頷く
「零戦は、シエスタのひい爺さんから遺言で譲り受けたモノで...
「……メイド、本当なの?」
「はい、才人さんの言う通りです。私達の家族で管理してまし...
すると、才人の服の裾を掴んでた手を解く
「御先祖様の成果を見るのは、子孫の義務ね。別に貴族だけの...
「流石俺の秘書。物分かりが良い」
そう言って、才人がニヤリとすると
「ふんっ」
エレオノールはそう言って、竜籠に歩いて行く
そんな様を見て、キュルケは肩を竦め、隣のルイズにからかい...
「彼処迄あからさまだと、逆に凄いわね。ルイズ、あんた完全...
「ヴヴヴァリエールで挽回するもん」
「言っておくけど、ツェルプストーじゃ私達にずっと付き合っ...
「だだだ大丈夫よ。だって、今は一緒に居るもの。離ればなれ...
唇を噛みしめながら言うルイズに、キュルケは心底感心する
「強くなったわね、ヴァリエール。私、貴女と一緒なら、ヴァ...
「…どういう風に?」
「勿論、愛する男に二人して収まるの。良いでしょ?」
「…考えとく」
「仲良くしましょ?ダーリンに、余計な気苦労与えない様にね」
そう言ってキュルケが背後からルイズを抱き締め、ルイズは思...
「ちょちょちょっと何すんのよ?ツェルプストー!」
「私の胸気持ち良いでしょ?ウリウリウリ」
キュルケがルイズの頭に胸を押し付けてる間に、才人とシエス...
こうして、一路ヴァリエール公爵領に向かって行ったのである
* * *
ロンディニウムでは、クロムウェルが椅子にふんぞり返りなが...
腿は開いたその間から机の下に女がおり、女は繋がった尻を艶...
隣にシェフィールドが立っている
「オークの数は順調に増えてるな。作戦迄に最低数は確保出来...
「確か、3000でしたっけ?」
シェフィールドが確認すると、クロムウェルが答える
「だがオークの連中、せっかくの女を殺し過ぎだ。2000が限度...
聞かれたシェフィールドが答える
「予定通りです。この前の封鎖線突破も見事でした」
「現場の連中が良く働いてくれている。トリステインを手に入...
そう言って、腰を進ませて固定し、クロムウェルが無造作に射...
その様を冷たい目線で眺めつつ、更に報告を続ける
「モードの遺児の捜査は、依然として成果無し。目立つ容姿の...
「……上手く耳を隠してるのか」
「向こうも慣れてるでしょうし、ボロは期待出来ないでしょう」
「……引き続き捜査を続行しろと言いたい所だが、規模を大幅に...
「了解」
兵力の再配置と進捗状況を確認し、来るべき決戦に備える
「親衛はどうしてる?」
「鉄騎兵は出番を望んでます。遠征部隊に配属されない事で、...
苦虫を噛み潰した表情をしながら、クロムウェルは呟いた
「慰問する。鉄騎兵は、余が旗揚げした時からの親衛だ。彼ら...
「はい」
シェフィールドが退出し、クロムウェルが立ち上がると、女を...
「移動だ、服を着ろ」耳栓と目隠しを外して女に囁き、女がだ...
「はいぃ、クロムウェル様、もっと、もっと下さいぃ〜〜」
クロムウェルに正面からしなだれ掛かって、更に挿入して痙攣...
「あぉっ!?」
ビクッビクッビクッ
暫くして、やっと落ち着いたのか、机の下に無造作に丸められ...
そして、そのまま鉄騎兵の慰問に付き従い、表向きは淑女のな...
* * *
クロムウェルが彼らの詰所に着くと、思い思いにたむろしてい...
「クロムウェル陛下に敬礼!」
「流石余の親衛だ。楽にして欲しい」
クロムウェルがそう言い、全員敬礼から直る
「陛下御自ら今日はどんな御用で。我々鉄騎兵、陛下の御為と...
部隊長が本気で言っている
クロムウェルの背後にはシェフィールドと、彼の情婦が控えて...
美女を侍らす司教は背信の極みだが、誰も気にしない
「うむ、諸君の忠義に疑いは無い。最近燻っていると聞いてな...
「……宜しいのですか?」
「構わない。話してみたまえ」
「では申し上げます。我々にも、陛下への忠義を証明する場を...
今は空戦主体、以前のトリステイン侵攻部隊にも編入されなか...
最強を自負する精鋭だからこそ、常に人より戦果が欲しいと、...
「諸君等の勇ましい事、余も嬉しい。だが良く聞いてくれたま...
一度深呼吸したクロムウェルが、更に語りかける
「鉄騎兵は最強の地上戦力だ。だからこそ、無駄な損耗は避け...
皆が頷く
「今は空戦主体だから出番は無いが、諸君らの出番は必ずある...
「クロムウェル陛下、万歳!」
「レコンキスタに栄光あれ!」
「皇帝陛下に、敬礼!」
ババッ
一斉に敬礼をされ、クロムウェルが返礼する
その後は、一人一人の手を握る為、クロムウェルは鉄騎兵達の...
そう、只の司教の時に信者にそうしてた様に
本元はどんなに歪んでも、敬虔なる信徒なのだろう
* * *
「ふわぁ、此がひいお爺ちゃんの見てた景色ですかぁ」
零戦の後部座席に座って、才人の操縦で飛んでるシエスタが、...
「多分ひい爺さんは、子供達に見せたかっただろうな」
ゴーグルをした才人が、軽く振り返りながら答えると、シエス...
「大丈夫です!才人さんが叶えてくれました!!私、とっても感...
「そっか」
「はい!!」
終始シエスタはニコニコだ
才人も機嫌が良くなる
その隣をシルフィードが才人の機動に合わせて、零戦と一緒に...
シエスタも感激しきりだ
同じタイミングで宙返りをし、零戦が右旋回すると隣のシルフ...
そのままシザースを一機と一騎で連続して決め、比較的ゆった...
「わぁわぁわぁ、凄い凄い凄い!才人さんとシルフィードさん...
バレルロールやアーリーロール、木の葉落とし等、余り急な機...
「シルフィードさぁん!!」
流石に聞こえないので、シエスタが手をブンブン振ると、シル...
「きゅいっきゅいっきゅいっ」
飛行での移動は非常に速い、特に小国トリステインでは顕著だ
空船や馬車では非常に時間が掛かる工程でも、一時間もあれば...
出遅れたにも関わらず、竜籠に追い付き、竜籠に合わせて飛行...
暫くすると、下に城が見えて来て、竜籠が着陸体制に入るのを...
先にシルフィードが低空に入って露払いを買って出、才人は固...
キュッキュッキュウゥゥゥゥゥ
タイヤが地面を何度か跳ねながら擦り、ブレーキにより浮力が...
ブロォォォ、ブスブスブスッ
そのまま村雨とデルフを握りながら降り、シエスタの降車を助...
当然である
「め、面妖な!?何者だ!」
「今竜籠来たでしょ?俺はその連れだよ」
「な、エレオノール様縁の者と申すか?」
「うん、そだね」
シエスタを抱え上げて地面に降ろしてから振り返り、余りの変...
流石に才人が溜め息を付き、そんな才人の背中に隠れてシエス...
「面倒だな、やっちまうか?デルフ」
カチッ
「お、何でぇ。珍しく短気じゃねぇか?相棒なら、30人程度な...
ガリガリ頭を掻いて、衛兵を見る
「き、貴様。ヴァリエールに戦争を挑む積もりか?」
隊長はヴァリエールお抱えの下級貴族らしく、杖を手にわなわ...
こんなふてぶてしい平民なぞ、初めてである
「戦争?悪いが趣味じゃないや。エレオノールさんかルイズ呼...
「お嬢様達を名前で呼ぶだと?平民風情が、万死に値する」
隊長の物言いに才人がカチンとする
そこもかしこも平民風情平民風情
馴れたとはいえ、何度言われても不快でしかない
「決めた、死なない程度に叩きのめす」
「あっはっはっは、コイツはおもれぇ。相棒が珍しく短気だぜ...
「は、はいっ!」
シエスタが下がると、それを合図に隊長が指揮を下した
平民とはいえ、女を巻き込むのは不本意なのだ
「やれ」
一斉に槍を持った平民衛兵が密集体型のまま突撃を始め
「ファランクスなんざ、初めて見たぜ」
「良いから抜けよ、相棒」
村雨を左腰に差して、左手にデルフの鞘を持つと、槍並の攻撃...
ギギギィン!
槍がデルフの一閃で間合いに入った穂先を叩き斬り、鞘を捨て...
「な、兵を踏み台に!?」
唐突に目の前に現れた才人に詠唱しながら軍杖で攻撃すると、...
ガン
一撃で隊長が伸び、部下達は煙幕弾の中で、身動きが取れなく...
「げほっげほっ」
「煙幕とは、げほっ、卑怯な」
「人の話も聞かねぇで、30対1で襲う方が余程汚ぇわ、阿呆」
才人の言い分の方が余程理が有る
エレオノールとルイズが来た時には、全てが終わっていた
全員気絶していたのである
余りの事態にぽかんと二人は突っ立ち、やっとエレオノールが...
「ちょっと平民、一体なんなのよ?何であんたとうちの衛兵が...
「エレオノールさん達に繋いでくれって言ったのに、名前を呼...
そう言って、才人は肩を竦める
「本当です、ミスヴァリエール。私も聞きました」
シエスタもそう言って、才人の言動を保証する
エレオノールは才人に近寄る前に、杖を抜いて隊長を念力で起...
隊長がぱちくりと眼を醒まし、エレオノールの姿を見ると恥じ...
「お、お嬢様!おのれ平民風情が、殺してくれる」
スパァン!
思い切り平手で隊長の顔を殴り、エレオノールは捲し立てた
「あんたね、平民が私に繋げって話、無視したでしょ?」
「え、ですが、何処の馬の骨と解らぬ平民が、ヴァリエールに...
「…全員起こしなさい」
「ウィ」
隊長が水を喚んで全員を起こし、立ち上がらせると、エレオノ...
「良い?覚えておきなさい。コイツは別格。私のボスで、陛下...
「し、失礼しましたぁ!!」
思わず敬礼して応える衛兵
「そして、あたしの使い魔だから。二度としないでよ?」
「ルイズお嬢様の使い魔であらせられますか?」
コクリと頷いて、ルイズが才人に近寄り腕を取る
「行こ、サイト。あたしの家、案内してあげる」
「平民が乗って来た玩具、傷を付けたりしない様にしっかり見...
そう言って、エレオノールも才人の前に進んで行く前に、才人...
「ちょっと平民、エスコートしなさいよ」
「姉さま。ここは、あたしの使い魔のが先だもん」
べーっと舌を出して、ネックレスをこれ見よがしに晒して、才...
「ちょっと、長女の仕事の方が先に決まってるでしょ?待ちな...
「待たなぁい。姉さまが怒った!サイト、逃げよ!」
「おいおい」
才人がルイズに引っ張られる形で小走りに近い形で歩いて行き...
その様をぽかんと見送った衛兵達は、我に返ると隊長が指示を...
「エレオノールお嬢様の指示を実行しろ。二人組三交代で、あ...
「「ウィ!」」
急いで班を編成し、松明を持って来る連中と槍を折られなかっ...
* * *
終了行:
治めし者、旅路の者
才人は謁見後の翌日トリスタニア城下に向かっていた
日も大分高いが、彼女は起きてるだろうか?
とにかく向かってみる
魅惑の妖精亭を潜ると、やっぱり静かだった
「ちわ〜。こんな時間じゃ、やっぱり起きてねぇか」
そう言って、階段を登ってスカロンの部屋の扉を叩く
コンコン
「ふぁ、どなたぁ?」
「俺です。才人です」
「入って良いわよ」
ガチャッ
「失礼します」
才人が部屋に入るとスカロンの眠たげな目が、一気に覚醒する
流石商売人である
「あらあら才人ちゃん、どうしたの?」
「ルイズを預かってくれたお礼を言いたくて。また忙しくなる...
「才人ちゃんも大変ねぇ。何で貴族のボスやってるか知らない...
「そんな所です」
「シエスタはどうする?あの娘、ここに居れば才人ちゃんが来...
言われてみると、確かにあちこちの家で着替えが散逸している
しかも周りは貴族ばかりで、身の回りの世話は、着飾る方がメ...
別に困ってはいないが、居ると確かに助かる
「う〜ん。シエスタは学園のメイドだから、連れ回すのもなぁ...
スカロンはその話を聞き、深いため息を付いて語りかけた
「才人ちゃん、きっぱり言うわ。立場なんかどうでも良いから...
流石に自慢の姪っ子が役立たず扱いは、スカロンには憤慨モノ...
そして、才人は思わずよろける
「いや、だけど周りは貴族ばっかで」
「なら、尚更世話する人間が必要でしょうが!」
確かにそうである
しかも、ヴァリエール姉妹に物怖じしないメイドはちょっと貴...
ルイズの不安定な部分も大分助けてくれるだろう
事実、ルイズからもシエスタの評判を聞いている
友達と一緒は嬉しいだろう
「あのね、シエスタから色々と聞いたわ。貴方、タルブの英雄...
「…そうなっちまいましたね」
「爺さんの遺産受け取った男が、女一人でガタガタしないで頂...
「はぁ」
「いずれ帰るから連れて行くのは躊躇してるんでしょ?なら、...
「…そんなもんですかね?」
「惚れた相手の子を身籠るのは、女にとって最高の幸せよ?私...
「…はぁ」
思わず頭をかりかり掻いて、曖昧な表情を浮かべる才人
「そんな調子なら、ジェシカ迄付けて追い出すけど良いのね?」
「はい、シエスタ連れて行きます」
思わずしゃきっと直立して、才人は答える
「最初からそうおっしゃい」
「すいません」
思わず頭を下げる才人
「でも、シエスタは俺には良い娘過ぎて」
「その自慢の姪っ子が、あんた以外眼中無いのよ?もっと、自...
「はい」
才人の返事にスカロンは笑い、促す
「今のシエスタの部屋は、才人ちゃん達が使ってた所よ。迎え...
「解りました。スカロンさん、ルイズを世話してくれて、有り...
才人は深々と頭を下げてから、部屋を後にした
パタム
* * *
才人が軽くノックしても、部屋の主からは反応が無い
才人は思わず扉を開くと鍵が掛かっていなかった
「不用心だな」
思わず苦笑しながら部屋に入り、眠ってる黒髪で愛らしいそば...
着てるのは、いつぞやのプレゼントした下着だ
毛布も暑さにはだけており、可愛い胸があらわに呼吸と共に上...
「シエスタ、シエスタ」
シエスタの髪を撫でながら才人は声を掛ける
「…」
「シエスタ」
うっすらと瞼を開け、ぼぅっとしながら才人を見つめ
「……才人さん?」
「そうだよ、才人だよ」
眠たげな顔はそのままに、シエスタは才人の頭に腕を回し、才...
チュッチュッ
キスを交わしながらも脚で才人を蟹挟み、ベッドに引きずり込む
「うっ、シエスタ」
「……他の女の匂いがする」
サクッと才人に刺さる
「私の匂いで上書きです。来てくれないと、起きてあげません」
「シエスタ……」
「すんごい寂しかったんですよ?私、才人さんのお役に立ちま...
そう言って、眠たげな顔はそのまま、紐パンの紐をほどいて才...
「そんな事無いって」
「じゃあ、私が才人さんの女だって証、下さい」
シエスタの肌触りは絶品だ。息子に刺激を与えられ、才人は完...
そのままシエスタが入口に合わせ、才人が腰を進めるとズヌヌ...
「……ん」
「……この柔らかい感触、堪んね」
才人の息子が余りに柔らかいモノで包まれ、脈動でビクビクす...
幾らでも強く強く主張する分が、それすら柔々と包み込まれ、...
そう、気が付いたら余裕が無くなる
「……シエスタ」
シエスタがキスを交わしてそのまま才人を抱き締め痙攣するの...
トクントクントクントクン
とても心地よい長い余韻、シエスタは抱擁を解かずに唇だけ離...
「……えへへ、やっぱり凄い気持ち良いです。このまま寝ましょ...
「いや、出掛けないと駄目なんだ。一緒に来るか?」
ぱちくりとその言葉にシエスタが眼を開ける
「一緒に行って……良いんですか?」
才人が入りっぱなしの腰を軽く動かし始める
大幅に打ち付けるのではなく、奥に入れた状態でそのまま打ち...
グチュッグチュッ
「あぁ、ちょっとあちこち滞在しなきゃならんから、どうして...
「い……行きます!……絶対……絶対…あっ!イクッ!!」
シエスタが痙攣し、才人の精が再度放たれる
「あっ………才人さん、メイドの報酬は日払いでお願いしますね。...
「…鋭意努力します」
「返事は、ウィです」
そう言って、才人を締め付けながら奥に誘いながら、更に腰を...
一気に才人は力を取り戻し、お互い小刻みに腰を振リ、阿吽の...
「ウィ」
「嬉し………ん!?」
シエスタの返事と共に、非常に短い時間で三発目が発射された
* * *
才人がシエスタを連れて来ると、メンバーは特に何も言わなか...
確かにメイドが欲しいと、ちょっと思っていたのである
「シエスタを連れて行くよ。最近身の回りが疎かだからさ」
「まっ、良いんじゃない?所長がみすぼらしいのも、威厳に関...
そう言って、エレオノールは肯定しつつ、シエスタに歩み寄る
「ふん、立場を弁えなさい、メイド。忘れなきゃ、裏で何やろ...
才人の匂いを感知しての警告である
シエスタは黙って頭を下げた
「さてと、零戦使わず皆で竜籠で行くか?」
「いやぁよ。何で平民と一緒に乗らないといけないのよ」
そう言って、エレオノールが拒否する
「解った。タバサ、シルフィード貸してくれ。学院で零戦乗っ...
タバサが頷いてシルフィードが傍に寄り、才人とシエスタがシ...
「……あのな」
「…何よ?所長と一緒は秘書の勤めよ。何が問題?」
「今、平民と一緒は嫌だと言ったろう?」
すると、才人の服の裾を掴んで睨む
眼で訴える。ルイズ以上の気の強さを眼の意思に込め、言いた...
「……」
才人はため息を一つ付くと、説明を始める
「…エレオノールさん、良く聞いてくれ」
エレオノールはこくりと頷く
「零戦は、シエスタのひい爺さんから遺言で譲り受けたモノで...
「……メイド、本当なの?」
「はい、才人さんの言う通りです。私達の家族で管理してまし...
すると、才人の服の裾を掴んでた手を解く
「御先祖様の成果を見るのは、子孫の義務ね。別に貴族だけの...
「流石俺の秘書。物分かりが良い」
そう言って、才人がニヤリとすると
「ふんっ」
エレオノールはそう言って、竜籠に歩いて行く
そんな様を見て、キュルケは肩を竦め、隣のルイズにからかい...
「彼処迄あからさまだと、逆に凄いわね。ルイズ、あんた完全...
「ヴヴヴァリエールで挽回するもん」
「言っておくけど、ツェルプストーじゃ私達にずっと付き合っ...
「だだだ大丈夫よ。だって、今は一緒に居るもの。離ればなれ...
唇を噛みしめながら言うルイズに、キュルケは心底感心する
「強くなったわね、ヴァリエール。私、貴女と一緒なら、ヴァ...
「…どういう風に?」
「勿論、愛する男に二人して収まるの。良いでしょ?」
「…考えとく」
「仲良くしましょ?ダーリンに、余計な気苦労与えない様にね」
そう言ってキュルケが背後からルイズを抱き締め、ルイズは思...
「ちょちょちょっと何すんのよ?ツェルプストー!」
「私の胸気持ち良いでしょ?ウリウリウリ」
キュルケがルイズの頭に胸を押し付けてる間に、才人とシエス...
こうして、一路ヴァリエール公爵領に向かって行ったのである
* * *
ロンディニウムでは、クロムウェルが椅子にふんぞり返りなが...
腿は開いたその間から机の下に女がおり、女は繋がった尻を艶...
隣にシェフィールドが立っている
「オークの数は順調に増えてるな。作戦迄に最低数は確保出来...
「確か、3000でしたっけ?」
シェフィールドが確認すると、クロムウェルが答える
「だがオークの連中、せっかくの女を殺し過ぎだ。2000が限度...
聞かれたシェフィールドが答える
「予定通りです。この前の封鎖線突破も見事でした」
「現場の連中が良く働いてくれている。トリステインを手に入...
そう言って、腰を進ませて固定し、クロムウェルが無造作に射...
その様を冷たい目線で眺めつつ、更に報告を続ける
「モードの遺児の捜査は、依然として成果無し。目立つ容姿の...
「……上手く耳を隠してるのか」
「向こうも慣れてるでしょうし、ボロは期待出来ないでしょう」
「……引き続き捜査を続行しろと言いたい所だが、規模を大幅に...
「了解」
兵力の再配置と進捗状況を確認し、来るべき決戦に備える
「親衛はどうしてる?」
「鉄騎兵は出番を望んでます。遠征部隊に配属されない事で、...
苦虫を噛み潰した表情をしながら、クロムウェルは呟いた
「慰問する。鉄騎兵は、余が旗揚げした時からの親衛だ。彼ら...
「はい」
シェフィールドが退出し、クロムウェルが立ち上がると、女を...
「移動だ、服を着ろ」耳栓と目隠しを外して女に囁き、女がだ...
「はいぃ、クロムウェル様、もっと、もっと下さいぃ〜〜」
クロムウェルに正面からしなだれ掛かって、更に挿入して痙攣...
「あぉっ!?」
ビクッビクッビクッ
暫くして、やっと落ち着いたのか、机の下に無造作に丸められ...
そして、そのまま鉄騎兵の慰問に付き従い、表向きは淑女のな...
* * *
クロムウェルが彼らの詰所に着くと、思い思いにたむろしてい...
「クロムウェル陛下に敬礼!」
「流石余の親衛だ。楽にして欲しい」
クロムウェルがそう言い、全員敬礼から直る
「陛下御自ら今日はどんな御用で。我々鉄騎兵、陛下の御為と...
部隊長が本気で言っている
クロムウェルの背後にはシェフィールドと、彼の情婦が控えて...
美女を侍らす司教は背信の極みだが、誰も気にしない
「うむ、諸君の忠義に疑いは無い。最近燻っていると聞いてな...
「……宜しいのですか?」
「構わない。話してみたまえ」
「では申し上げます。我々にも、陛下への忠義を証明する場を...
今は空戦主体、以前のトリステイン侵攻部隊にも編入されなか...
最強を自負する精鋭だからこそ、常に人より戦果が欲しいと、...
「諸君等の勇ましい事、余も嬉しい。だが良く聞いてくれたま...
一度深呼吸したクロムウェルが、更に語りかける
「鉄騎兵は最強の地上戦力だ。だからこそ、無駄な損耗は避け...
皆が頷く
「今は空戦主体だから出番は無いが、諸君らの出番は必ずある...
「クロムウェル陛下、万歳!」
「レコンキスタに栄光あれ!」
「皇帝陛下に、敬礼!」
ババッ
一斉に敬礼をされ、クロムウェルが返礼する
その後は、一人一人の手を握る為、クロムウェルは鉄騎兵達の...
そう、只の司教の時に信者にそうしてた様に
本元はどんなに歪んでも、敬虔なる信徒なのだろう
* * *
「ふわぁ、此がひいお爺ちゃんの見てた景色ですかぁ」
零戦の後部座席に座って、才人の操縦で飛んでるシエスタが、...
「多分ひい爺さんは、子供達に見せたかっただろうな」
ゴーグルをした才人が、軽く振り返りながら答えると、シエス...
「大丈夫です!才人さんが叶えてくれました!!私、とっても感...
「そっか」
「はい!!」
終始シエスタはニコニコだ
才人も機嫌が良くなる
その隣をシルフィードが才人の機動に合わせて、零戦と一緒に...
シエスタも感激しきりだ
同じタイミングで宙返りをし、零戦が右旋回すると隣のシルフ...
そのままシザースを一機と一騎で連続して決め、比較的ゆった...
「わぁわぁわぁ、凄い凄い凄い!才人さんとシルフィードさん...
バレルロールやアーリーロール、木の葉落とし等、余り急な機...
「シルフィードさぁん!!」
流石に聞こえないので、シエスタが手をブンブン振ると、シル...
「きゅいっきゅいっきゅいっ」
飛行での移動は非常に速い、特に小国トリステインでは顕著だ
空船や馬車では非常に時間が掛かる工程でも、一時間もあれば...
出遅れたにも関わらず、竜籠に追い付き、竜籠に合わせて飛行...
暫くすると、下に城が見えて来て、竜籠が着陸体制に入るのを...
先にシルフィードが低空に入って露払いを買って出、才人は固...
キュッキュッキュウゥゥゥゥゥ
タイヤが地面を何度か跳ねながら擦り、ブレーキにより浮力が...
ブロォォォ、ブスブスブスッ
そのまま村雨とデルフを握りながら降り、シエスタの降車を助...
当然である
「め、面妖な!?何者だ!」
「今竜籠来たでしょ?俺はその連れだよ」
「な、エレオノール様縁の者と申すか?」
「うん、そだね」
シエスタを抱え上げて地面に降ろしてから振り返り、余りの変...
流石に才人が溜め息を付き、そんな才人の背中に隠れてシエス...
「面倒だな、やっちまうか?デルフ」
カチッ
「お、何でぇ。珍しく短気じゃねぇか?相棒なら、30人程度な...
ガリガリ頭を掻いて、衛兵を見る
「き、貴様。ヴァリエールに戦争を挑む積もりか?」
隊長はヴァリエールお抱えの下級貴族らしく、杖を手にわなわ...
こんなふてぶてしい平民なぞ、初めてである
「戦争?悪いが趣味じゃないや。エレオノールさんかルイズ呼...
「お嬢様達を名前で呼ぶだと?平民風情が、万死に値する」
隊長の物言いに才人がカチンとする
そこもかしこも平民風情平民風情
馴れたとはいえ、何度言われても不快でしかない
「決めた、死なない程度に叩きのめす」
「あっはっはっは、コイツはおもれぇ。相棒が珍しく短気だぜ...
「は、はいっ!」
シエスタが下がると、それを合図に隊長が指揮を下した
平民とはいえ、女を巻き込むのは不本意なのだ
「やれ」
一斉に槍を持った平民衛兵が密集体型のまま突撃を始め
「ファランクスなんざ、初めて見たぜ」
「良いから抜けよ、相棒」
村雨を左腰に差して、左手にデルフの鞘を持つと、槍並の攻撃...
ギギギィン!
槍がデルフの一閃で間合いに入った穂先を叩き斬り、鞘を捨て...
「な、兵を踏み台に!?」
唐突に目の前に現れた才人に詠唱しながら軍杖で攻撃すると、...
ガン
一撃で隊長が伸び、部下達は煙幕弾の中で、身動きが取れなく...
「げほっげほっ」
「煙幕とは、げほっ、卑怯な」
「人の話も聞かねぇで、30対1で襲う方が余程汚ぇわ、阿呆」
才人の言い分の方が余程理が有る
エレオノールとルイズが来た時には、全てが終わっていた
全員気絶していたのである
余りの事態にぽかんと二人は突っ立ち、やっとエレオノールが...
「ちょっと平民、一体なんなのよ?何であんたとうちの衛兵が...
「エレオノールさん達に繋いでくれって言ったのに、名前を呼...
そう言って、才人は肩を竦める
「本当です、ミスヴァリエール。私も聞きました」
シエスタもそう言って、才人の言動を保証する
エレオノールは才人に近寄る前に、杖を抜いて隊長を念力で起...
隊長がぱちくりと眼を醒まし、エレオノールの姿を見ると恥じ...
「お、お嬢様!おのれ平民風情が、殺してくれる」
スパァン!
思い切り平手で隊長の顔を殴り、エレオノールは捲し立てた
「あんたね、平民が私に繋げって話、無視したでしょ?」
「え、ですが、何処の馬の骨と解らぬ平民が、ヴァリエールに...
「…全員起こしなさい」
「ウィ」
隊長が水を喚んで全員を起こし、立ち上がらせると、エレオノ...
「良い?覚えておきなさい。コイツは別格。私のボスで、陛下...
「し、失礼しましたぁ!!」
思わず敬礼して応える衛兵
「そして、あたしの使い魔だから。二度としないでよ?」
「ルイズお嬢様の使い魔であらせられますか?」
コクリと頷いて、ルイズが才人に近寄り腕を取る
「行こ、サイト。あたしの家、案内してあげる」
「平民が乗って来た玩具、傷を付けたりしない様にしっかり見...
そう言って、エレオノールも才人の前に進んで行く前に、才人...
「ちょっと平民、エスコートしなさいよ」
「姉さま。ここは、あたしの使い魔のが先だもん」
べーっと舌を出して、ネックレスをこれ見よがしに晒して、才...
「ちょっと、長女の仕事の方が先に決まってるでしょ?待ちな...
「待たなぁい。姉さまが怒った!サイト、逃げよ!」
「おいおい」
才人がルイズに引っ張られる形で小走りに近い形で歩いて行き...
その様をぽかんと見送った衛兵達は、我に返ると隊長が指示を...
「エレオノールお嬢様の指示を実行しろ。二人組三交代で、あ...
「「ウィ!」」
急いで班を編成し、松明を持って来る連中と槍を折られなかっ...
* * *
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