ゼロの使い魔保管庫
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
単語検索
|
最終更新
|
ヘルプ
]
開始行:
カトレアはオストラントの艦上で日向ぼっこをしながら、二人...
家事と言えども肉体労働は殆んどした事が無かったカトレアだ...
「くうぅ、フォンティーヌ嬢のあの笑顔、なんであの野郎が独...
「しゃあねぇだろ?あの兄ちゃん、口だけじゃねえし。強えぇ...
「いいなあ、俺も彼女欲しいぜ」「双子メイドちゃんなんかど...
「もうアタックしたっての。一人は結婚済み。もう一人は婚約...
「…この世に救いはねえのか?ド畜生。衛士隊現役時代は、これ...
「何回も振られたの間違いだろうが」
「…ホントの事言うなよ…」
以上、いつも交わされる野郎共の愚痴である
そんな彼等に笑顔を振り撒きながら労う3人の美女達のお陰で、...
「あらあらまあまあ、殿方がこんな所で愚痴らないで下さいな」
休憩中の彼等にお茶を持ってやって来た3人からお茶を貰い、更...
「フォンティーヌ嬢。ここだけの話っすよ?」「はい。何でし...
ニコニコしながら聞くカトレアに、心底真剣な顔をしたトビが...
「結婚して下さい!」
「…あらあら、まあまあ。またプロポーズされてしまいましたわ...
そう言ってカトレアがころころ笑っていて、トビがちぇっと舌...
「やっぱ駄目かぁ」「ダルシニやアミアスにも言ってるの、知...
カトレアの言葉に、休憩していた男達が思わず吹いてしまう
「ブフッ。手当たり次第か、お前は?」
「ちげぇよ。3人共大当たりじゃねぇか」「…ま、確かに」
「船暮らしも良いけどよ、たまには遊びに出てぇぜ」
そんな感じで毎日を過ごしていて、トリステイン魔法学院襲撃...
出撃の際に艦長代理をしたのはカトレアであり、カトレアの部...
カトレアは自ら黒髪の男のモノである事を内外に示し、予防線...
すっかり艦長室はカトレアの匂いと趣味で内装を替えられてい...
「ふんふんふ〜ん」
鼻唄を出しながらカトレアはにこにこしつつ、未だ帰らぬ主人...
才人はこういった飾りつけには無頓着だと云うのは、言わずと...
だが、シンプルを好む男性に、自分の趣味全開で押し付ける訳...
「船だから、天蓋付きって、訳にもいかないですし、どうしま...
「…魔法不燃処理カーテン、高いですよ?」
艦長室でルンルン気分のカトレアにダルシニの突っ込みが入る...
「大丈夫です。お給金はまだあります」
「…また、魔法薬発注したじゃないですか。支払い殆んどそっち...
「あうぅう…」
アミアスの突っ込みに頭を抱えてしまうカトレア。自身で生計...
「所で、私達のお給金は大丈夫ですか?」
ダルシニが突っ込むと、ぶんぶん頷いた
「大丈夫です。きちんとフォンティーヌの収入から払えてます...
パンと叩いたカトレアにアミアスのジト目で突っ込みがまた入る
「…で、貴族の大盤振る舞い振りを見せつけて、イーヴァルディ...
カトレアは、その突っ込みにズズンと倒れて落ち込む。暗い雰...
「どうせ、どうせ、私は生活力皆無ですよ。切り盛りなんか、...
流石にちょっと可哀想かと思ったのか、ダルシニから声をかけ...
「まぁまぁ、お嬢様は、自分で生計立てるのは今回が初めてな...
「…でも」
「初めから、何でも出来る方は居ませんよ?」「そうですよ」
二人に励まされ何とか立ち上がるカトレア
「でも、イーヴァルディだけは、初めからやりそうですけど」...
その言葉に、ぼふんとベッドに突っ伏してしまった
「私にも、姉様並の生活力が欲しい!」
……その内、身に付くと思うんだが?
* * *
そんな感じで毎日を過ごしていると、オストラントに一通の手...
カトレア達が、トリステイン魔法学院襲撃後、アニエスを途中...
営業に戻った時である
「これは…才人殿!」
梟便で届いた手紙に思わず胸で抱えて大はしゃぎするカトレア...
「ええっと、何々?王党派の女性で、レコンキスタに隷属され...
カトレアは、その書き方に盛大に笑ってしまった。だから、私...
カトレアは足取り軽く、工場棟に出向いて全員手を止めさせて...
「みなさ〜ん!お嫁さん欲しいですか〜?」「「「欲しい!」...
カトレアの言葉に即答する男達。まぁ、気持ちは解らんでもない
「えっとですね、所長からお手紙が届きまして、王党派の貴婦...
おおお!?どよめきが起き、静かになったのを見計らって、深呼...
「でですね、平民の方や貴族の方も居て、全員結婚希望だそう...
「うひょ〜〜〜〜〜〜!」「よっしゃ〜〜〜〜!!」「あの野郎...
散々に歓声を上げてる彼らに、続きの言葉はきついが、隠さず...
「但し、彼女達は全員、娼館に拘束されていたそうです。後は...
その瞬間、水を打ったようにしんと静まり返った。最後にカト...
「所長からの伝言です。『手前等、全員甲斐性見せてみろ』で...
暫く押し黙っていた一団に、手を挙げた者が出た
「ミスタパレ。どうぞ」「ああ。彼女達の健康状態は?」
「大丈夫だそうです」「了解した。ならいい」
また、おずおずと手を上げる者が出た
「ミスタロイ。どうぞ」「彼女達…美人?」
「所長基準で美人ばかりだそうです。お前らには勿体無いんで...
周りの連中が次々頷く様を見て、 カトレアはくすりとしてしま...
なんせ、今働いている彼らを紹介したのは、衛士隊なのである...
結局は、全員が歓迎すると決めて、彼女達の来訪に掛る日数を...
「なあなあ。移動費用は誰が出すの?」「勿論、ゼロ機関です...
カトレアの言葉にトビが答えた
「だったらさ、オストラントで迎えに行こうぜ。経費節約だ」...
「フィリップ班長。堅い事言いっこ無しで行きましょうよう」...
「褒めないで下さいよ」「褒めてねぇよ、馬鹿」
どんぶり勘定だが、カトレアは何とか考えてみる。50人分の移...
どう考えても、ゼロ級運用費の方が安いが、工場非稼働分の損...
此処にエレオノールとシエスタが居ればと思いつつ、提案して...
「…二班に分けましょうか?」「反対!」「絶対反対!」「置い...
皆が皆、自分以外は全部敵としているのは丸判りだ。出遅れは...
『二班に分けたら、本当に反乱起きちゃいます…』
カトレアは、ふぅと溜息を吐いて頷いたのだ
「しょうがないですね。全員で迎えに行きましょう。その代わ...
* * *
カトレアから手紙が届いたエレオノールは、中身を読んだ瞬間...
「はぁ〜〜〜〜。あんの馬鹿共、嫁候補に会いたくて仕事サボ...
自身の事は棚に上げてのたまうエレオノール。当然シエスタは...
「あはははははは。才人さんも何してるんでしょうね?」
学院が襲撃後閉鎖され、二人だけの為に他の平民達迄滞在させ...
書類仕事から、才人からの手紙の指示で、今回迎える従業員の...
更にコルベールの遺品の内、学院で有用な物は寄贈し、研究で...
「全くもう、何やってんだか?」
そう言いながら、エレオノールは半分に割った檸檬に亜鉛と銅...
「へぇ、コイツが電磁石って奴か。コルベール先生の遺した研...
「才人さんは、本当に何でも知ってますねぇ」
そう言いながら、シエスタは算盤片手にぱちぱちと弾きながら...
こちらはこちらで、中々に忙しそうだった
「ったく、早く帰って来なさいよ」
電磁石をオンオフしながら、砂鉄の吸い付き具合に感心しつつ...
「夜泣きしまくって辛いですもんね〜〜」「…何よ?」
「別に〜〜?」「ふん、人の事言えない癖に」
走ってたペンがぴたりと止まるシエスタ
「ミスが毎夜才人さんの名前呼びながら、5回はしてますよねぇ」
真っ赤になるエレオノール。だが、エレオノールも負けてない
「そう言うメイドも、4回はしてるじゃない?」「失礼な。3回...
「変わんないじゃない!」「ち〜が〜い〜ま〜す〜。私は、ミ...
ヴァリエール相手にこの口調。最早シエスタには怖いものが無...
「あんたね。ヴァリエール相手に」「何でもかんでもヴァリエ...
そして、エレオノールが詰まってる間に追い打ちを繋げる
「そんな事言ってると、もう一緒に寝てあげません」
エレオノールはその言葉に詰まった。困った事に最近一人寝が...
今の寂寥感を和らげているのは、間違いなくシエスタの功績で...
『私があいつの子供産んだら、本当にこのメイドが乳母決定ね』
もうすぐその時がやってくる。そう、この戦役が終われば、晴...
そうしたらもう、一直線で子作り開始。その時はもうすぐそこだ
「…ちょっとは我慢する」
そう言うのが精一杯のエレオノール。シエスタは笑顔で頷いた
「いっぱいして大丈夫ですよ。その代り、才人さんが帰って来...
「解ってる。妊娠解禁ね」「やった!」「但し、貴族叙勲が条...
着々と、才人の足場が出来つつあるのを、知らぬは才人ばかり...
* * *
才人は、航空部隊の中で、唯一待機を命じられていた。理由は...
そして、娼館の閉鎖を女王の命で王党派を保護と云う様に名目...
才人は特に何も言わず、だが、ルイズは娼館の前で触れを見た...
「何よ何よ何よ?総司令部はこの件は何もしてないじゃない!!...
「放っとけ」
「サイトは悔しくないの?」
「どうでもいい。手柄なんかくれてやるよ。俺は既に報酬を貰...
そう言って、才人は閉鎖された娼館の扉を開くと、男の声が届...
「ようこそ、親方様」「アバネシーさんお早う。皆、準備でき...
「まだ、と云う感じですかな?」「昼までには終わらせる様に...
その言葉に、支配人として彼女達を纏めていた、ジョン=アバ...
「嘘でしょう?」「本当だよ。ゼロ機関は、今迄の常識は通用...
「はあ…」
ルイズはそんなやり取りを見ながら、才人が言った報酬が何な...
特に何か有る様には見えない。そんな中、女性が一人軽やかに...
トントントンと、軽やかなリズムである
「支配人、親方様、お早うございます。あ、そちらの可愛いミ...
ついでの扱いに不満バリバリであるが、相次いで挨拶する二人...
そう、非常に晴れやかな表情だったのだ。次いで才人を見ると...
「あんたまさか、あの人達の笑顔が報酬だ、なんて…言わないで...
「お、流石ルイズ。良く解ったな?」
「似合わない事するな、馬鹿犬」
拳が非常に軽く顔面に当たったに過ぎないのだが、才人は鼻っ...
「…ってぇ、もうちょい手加減してくれよ、ルイズ」
「…えっ?」
才人の蹲りに、その場に居た全員が驚いた。どう見ても、軽く...
だが、才人は本気で痛がっており、鼻は赤くなっていた。ルイ...
『どういう事?使い魔の…呪い?』
以前から、ルイズの折檻には非常に痛がっていたのだが、今の...
自分の知らない内に、何かが進行している。そう、取り返しの...
今、ここに居る才人は、人なのだろうか?それとも、他の喋れ...
見てはいけなかったもの、でも、目を逸らしてはいけないもの...
追及しなきゃいけない。だが、果たしてこの使い魔が言う事を...
それは、ルイズがまだまだ未熟な証、だが、成長を待つほど、...
『姉さまなら何か知ってる。でも、姉さまはあたしなんかに、...
まだまだ自分には耐えられないと判断しての事だろう事は、想...
『でも、あたしは、サイトの主人として、サイトを知らないと...
だが、未だにルイズには、謎の多い使い魔だった。使い魔なん...
* * *
その日の昼食は、新しくゼロ機関の従業員になった彼女達とそ...
内容は、殆ど野郎の話題だ。仕事の件はアバネシー以外聞いて...
「ねぇねぇ親方様。ゼロ機関の殿方って、どんな方?」
スプーン片手に問われ、スープとパンだけの質素な食事の中、...
「ん〜、そうだな。まずは馬鹿。そりゃもう、大馬鹿揃い」
がくんと傾く女性達、才人はその様をくすりとしながら更に言...
「で、どうしようもない喧嘩好き。あいつら、命のやり取りを...
ハルケギニアに於ける、典型的な男の考えだ。守るモノが出来...
「それで?」
「責任感だけは人一倍。安い給料だってのに、良く働いてくれ...
才人の言い分に、彼女達は目を輝かせる。平均的な給料、つま...
平民の女性達も目をらんらんと輝かせる。自分の稼ぎと合わせ...
「まあ、一番はこいつかな?」
そう言って、手紙にでかでかと書いてた野郎の文字を彼女達に...
俺達の総意だ!甲斐性見せてやらぁ!
「こう云う馬鹿共だね」
そう言って、才人は笑って見せると、彼女達がきゃぁきゃぁ騒...
「どうしよどうしよ?服みんな無くなっちゃった。おめかしし...
そう言いながら一斉にどたどたと走り去り、才人とアバネシー...
「こっちじゃ、結婚って大変なんだね」「彼女達は特に…ですな」
「アバネシーさんは?」「私は、内戦で妻と子供、それに妾も...
「そっか」才人はそれ以上追及せず、ルイズは不味い食事はと...
『やっぱり、結婚って、大変なんだなぁ…。一生独り身で、子供...
男性独り占めは、やっぱり良く無い事なんだな、と、噛み締め...
* * *
幾らロサイスが軍港として整備されていると言っても、既に停...
オストラントの最大艦速を叩き出した乗組員は、艦上からロサ...
「オストラント、お前の入港は聞いて無い!停泊場所なんか無...
「新しい従業員迎えに来ただけだ。直ぐに帰る!上空待機を許...
その言葉に竜騎士が一度戻ってまた飛来し、許可を出すと上空...
「カッター用意しろ!お客さんを乗せるぞ!」<了解>
50人程のお客さんを乗せてアッパーデッキに下すと階段で全員...
「オストラントにようこそ、皆さん。今日からこの船が、皆さ...
その言葉に、女達の間に火花が散った。そう、カトレアの彼女...
男達には全く分からない火花が笑顔の中で、飛び散っている
カトレアは堂々と言ったのである。私よりも女として上じゃな...
「我が所長は、部下達のお嫁さん候補には、絶対に手を出さな...
そう言って才人に視線を向けると、才人はぼりぼり頭を掻き、...
「あん、何でですかぁ?」「まぁ、色々と…俺が愛人に仕事投げ...
「だってだって、言わないと駄目なんです!才人殿は彼女達の...
そう言って、片手の拳を握りしめて片手をぶんぶん振りながら...
「これ以上抱えられないんで、俺は対象外な」「えぇ〜〜!?」
ブーイングの声に、今度は野郎達から声が上がる
「てめぇ、また、モテてんのかぁ!!いい加減にしやがれ!!」「...
そう言って逃げ出そうとすると、がしりとカトレアに腕を掴ま...
「あの、本当に連絡事項が山積みなんです。二時間程滞在して...
才人はその言葉に、ルイズを下に置いて来たのを思い出して、...
「またお仕置きかよ…」
仕事でありながら、才人は何故か気が重かった
* * *
終了行:
カトレアはオストラントの艦上で日向ぼっこをしながら、二人...
家事と言えども肉体労働は殆んどした事が無かったカトレアだ...
「くうぅ、フォンティーヌ嬢のあの笑顔、なんであの野郎が独...
「しゃあねぇだろ?あの兄ちゃん、口だけじゃねえし。強えぇ...
「いいなあ、俺も彼女欲しいぜ」「双子メイドちゃんなんかど...
「もうアタックしたっての。一人は結婚済み。もう一人は婚約...
「…この世に救いはねえのか?ド畜生。衛士隊現役時代は、これ...
「何回も振られたの間違いだろうが」
「…ホントの事言うなよ…」
以上、いつも交わされる野郎共の愚痴である
そんな彼等に笑顔を振り撒きながら労う3人の美女達のお陰で、...
「あらあらまあまあ、殿方がこんな所で愚痴らないで下さいな」
休憩中の彼等にお茶を持ってやって来た3人からお茶を貰い、更...
「フォンティーヌ嬢。ここだけの話っすよ?」「はい。何でし...
ニコニコしながら聞くカトレアに、心底真剣な顔をしたトビが...
「結婚して下さい!」
「…あらあら、まあまあ。またプロポーズされてしまいましたわ...
そう言ってカトレアがころころ笑っていて、トビがちぇっと舌...
「やっぱ駄目かぁ」「ダルシニやアミアスにも言ってるの、知...
カトレアの言葉に、休憩していた男達が思わず吹いてしまう
「ブフッ。手当たり次第か、お前は?」
「ちげぇよ。3人共大当たりじゃねぇか」「…ま、確かに」
「船暮らしも良いけどよ、たまには遊びに出てぇぜ」
そんな感じで毎日を過ごしていて、トリステイン魔法学院襲撃...
出撃の際に艦長代理をしたのはカトレアであり、カトレアの部...
カトレアは自ら黒髪の男のモノである事を内外に示し、予防線...
すっかり艦長室はカトレアの匂いと趣味で内装を替えられてい...
「ふんふんふ〜ん」
鼻唄を出しながらカトレアはにこにこしつつ、未だ帰らぬ主人...
才人はこういった飾りつけには無頓着だと云うのは、言わずと...
だが、シンプルを好む男性に、自分の趣味全開で押し付ける訳...
「船だから、天蓋付きって、訳にもいかないですし、どうしま...
「…魔法不燃処理カーテン、高いですよ?」
艦長室でルンルン気分のカトレアにダルシニの突っ込みが入る...
「大丈夫です。お給金はまだあります」
「…また、魔法薬発注したじゃないですか。支払い殆んどそっち...
「あうぅう…」
アミアスの突っ込みに頭を抱えてしまうカトレア。自身で生計...
「所で、私達のお給金は大丈夫ですか?」
ダルシニが突っ込むと、ぶんぶん頷いた
「大丈夫です。きちんとフォンティーヌの収入から払えてます...
パンと叩いたカトレアにアミアスのジト目で突っ込みがまた入る
「…で、貴族の大盤振る舞い振りを見せつけて、イーヴァルディ...
カトレアは、その突っ込みにズズンと倒れて落ち込む。暗い雰...
「どうせ、どうせ、私は生活力皆無ですよ。切り盛りなんか、...
流石にちょっと可哀想かと思ったのか、ダルシニから声をかけ...
「まぁまぁ、お嬢様は、自分で生計立てるのは今回が初めてな...
「…でも」
「初めから、何でも出来る方は居ませんよ?」「そうですよ」
二人に励まされ何とか立ち上がるカトレア
「でも、イーヴァルディだけは、初めからやりそうですけど」...
その言葉に、ぼふんとベッドに突っ伏してしまった
「私にも、姉様並の生活力が欲しい!」
……その内、身に付くと思うんだが?
* * *
そんな感じで毎日を過ごしていると、オストラントに一通の手...
カトレア達が、トリステイン魔法学院襲撃後、アニエスを途中...
営業に戻った時である
「これは…才人殿!」
梟便で届いた手紙に思わず胸で抱えて大はしゃぎするカトレア...
「ええっと、何々?王党派の女性で、レコンキスタに隷属され...
カトレアは、その書き方に盛大に笑ってしまった。だから、私...
カトレアは足取り軽く、工場棟に出向いて全員手を止めさせて...
「みなさ〜ん!お嫁さん欲しいですか〜?」「「「欲しい!」...
カトレアの言葉に即答する男達。まぁ、気持ちは解らんでもない
「えっとですね、所長からお手紙が届きまして、王党派の貴婦...
おおお!?どよめきが起き、静かになったのを見計らって、深呼...
「でですね、平民の方や貴族の方も居て、全員結婚希望だそう...
「うひょ〜〜〜〜〜〜!」「よっしゃ〜〜〜〜!!」「あの野郎...
散々に歓声を上げてる彼らに、続きの言葉はきついが、隠さず...
「但し、彼女達は全員、娼館に拘束されていたそうです。後は...
その瞬間、水を打ったようにしんと静まり返った。最後にカト...
「所長からの伝言です。『手前等、全員甲斐性見せてみろ』で...
暫く押し黙っていた一団に、手を挙げた者が出た
「ミスタパレ。どうぞ」「ああ。彼女達の健康状態は?」
「大丈夫だそうです」「了解した。ならいい」
また、おずおずと手を上げる者が出た
「ミスタロイ。どうぞ」「彼女達…美人?」
「所長基準で美人ばかりだそうです。お前らには勿体無いんで...
周りの連中が次々頷く様を見て、 カトレアはくすりとしてしま...
なんせ、今働いている彼らを紹介したのは、衛士隊なのである...
結局は、全員が歓迎すると決めて、彼女達の来訪に掛る日数を...
「なあなあ。移動費用は誰が出すの?」「勿論、ゼロ機関です...
カトレアの言葉にトビが答えた
「だったらさ、オストラントで迎えに行こうぜ。経費節約だ」...
「フィリップ班長。堅い事言いっこ無しで行きましょうよう」...
「褒めないで下さいよ」「褒めてねぇよ、馬鹿」
どんぶり勘定だが、カトレアは何とか考えてみる。50人分の移...
どう考えても、ゼロ級運用費の方が安いが、工場非稼働分の損...
此処にエレオノールとシエスタが居ればと思いつつ、提案して...
「…二班に分けましょうか?」「反対!」「絶対反対!」「置い...
皆が皆、自分以外は全部敵としているのは丸判りだ。出遅れは...
『二班に分けたら、本当に反乱起きちゃいます…』
カトレアは、ふぅと溜息を吐いて頷いたのだ
「しょうがないですね。全員で迎えに行きましょう。その代わ...
* * *
カトレアから手紙が届いたエレオノールは、中身を読んだ瞬間...
「はぁ〜〜〜〜。あんの馬鹿共、嫁候補に会いたくて仕事サボ...
自身の事は棚に上げてのたまうエレオノール。当然シエスタは...
「あはははははは。才人さんも何してるんでしょうね?」
学院が襲撃後閉鎖され、二人だけの為に他の平民達迄滞在させ...
書類仕事から、才人からの手紙の指示で、今回迎える従業員の...
更にコルベールの遺品の内、学院で有用な物は寄贈し、研究で...
「全くもう、何やってんだか?」
そう言いながら、エレオノールは半分に割った檸檬に亜鉛と銅...
「へぇ、コイツが電磁石って奴か。コルベール先生の遺した研...
「才人さんは、本当に何でも知ってますねぇ」
そう言いながら、シエスタは算盤片手にぱちぱちと弾きながら...
こちらはこちらで、中々に忙しそうだった
「ったく、早く帰って来なさいよ」
電磁石をオンオフしながら、砂鉄の吸い付き具合に感心しつつ...
「夜泣きしまくって辛いですもんね〜〜」「…何よ?」
「別に〜〜?」「ふん、人の事言えない癖に」
走ってたペンがぴたりと止まるシエスタ
「ミスが毎夜才人さんの名前呼びながら、5回はしてますよねぇ」
真っ赤になるエレオノール。だが、エレオノールも負けてない
「そう言うメイドも、4回はしてるじゃない?」「失礼な。3回...
「変わんないじゃない!」「ち〜が〜い〜ま〜す〜。私は、ミ...
ヴァリエール相手にこの口調。最早シエスタには怖いものが無...
「あんたね。ヴァリエール相手に」「何でもかんでもヴァリエ...
そして、エレオノールが詰まってる間に追い打ちを繋げる
「そんな事言ってると、もう一緒に寝てあげません」
エレオノールはその言葉に詰まった。困った事に最近一人寝が...
今の寂寥感を和らげているのは、間違いなくシエスタの功績で...
『私があいつの子供産んだら、本当にこのメイドが乳母決定ね』
もうすぐその時がやってくる。そう、この戦役が終われば、晴...
そうしたらもう、一直線で子作り開始。その時はもうすぐそこだ
「…ちょっとは我慢する」
そう言うのが精一杯のエレオノール。シエスタは笑顔で頷いた
「いっぱいして大丈夫ですよ。その代り、才人さんが帰って来...
「解ってる。妊娠解禁ね」「やった!」「但し、貴族叙勲が条...
着々と、才人の足場が出来つつあるのを、知らぬは才人ばかり...
* * *
才人は、航空部隊の中で、唯一待機を命じられていた。理由は...
そして、娼館の閉鎖を女王の命で王党派を保護と云う様に名目...
才人は特に何も言わず、だが、ルイズは娼館の前で触れを見た...
「何よ何よ何よ?総司令部はこの件は何もしてないじゃない!!...
「放っとけ」
「サイトは悔しくないの?」
「どうでもいい。手柄なんかくれてやるよ。俺は既に報酬を貰...
そう言って、才人は閉鎖された娼館の扉を開くと、男の声が届...
「ようこそ、親方様」「アバネシーさんお早う。皆、準備でき...
「まだ、と云う感じですかな?」「昼までには終わらせる様に...
その言葉に、支配人として彼女達を纏めていた、ジョン=アバ...
「嘘でしょう?」「本当だよ。ゼロ機関は、今迄の常識は通用...
「はあ…」
ルイズはそんなやり取りを見ながら、才人が言った報酬が何な...
特に何か有る様には見えない。そんな中、女性が一人軽やかに...
トントントンと、軽やかなリズムである
「支配人、親方様、お早うございます。あ、そちらの可愛いミ...
ついでの扱いに不満バリバリであるが、相次いで挨拶する二人...
そう、非常に晴れやかな表情だったのだ。次いで才人を見ると...
「あんたまさか、あの人達の笑顔が報酬だ、なんて…言わないで...
「お、流石ルイズ。良く解ったな?」
「似合わない事するな、馬鹿犬」
拳が非常に軽く顔面に当たったに過ぎないのだが、才人は鼻っ...
「…ってぇ、もうちょい手加減してくれよ、ルイズ」
「…えっ?」
才人の蹲りに、その場に居た全員が驚いた。どう見ても、軽く...
だが、才人は本気で痛がっており、鼻は赤くなっていた。ルイ...
『どういう事?使い魔の…呪い?』
以前から、ルイズの折檻には非常に痛がっていたのだが、今の...
自分の知らない内に、何かが進行している。そう、取り返しの...
今、ここに居る才人は、人なのだろうか?それとも、他の喋れ...
見てはいけなかったもの、でも、目を逸らしてはいけないもの...
追及しなきゃいけない。だが、果たしてこの使い魔が言う事を...
それは、ルイズがまだまだ未熟な証、だが、成長を待つほど、...
『姉さまなら何か知ってる。でも、姉さまはあたしなんかに、...
まだまだ自分には耐えられないと判断しての事だろう事は、想...
『でも、あたしは、サイトの主人として、サイトを知らないと...
だが、未だにルイズには、謎の多い使い魔だった。使い魔なん...
* * *
その日の昼食は、新しくゼロ機関の従業員になった彼女達とそ...
内容は、殆ど野郎の話題だ。仕事の件はアバネシー以外聞いて...
「ねぇねぇ親方様。ゼロ機関の殿方って、どんな方?」
スプーン片手に問われ、スープとパンだけの質素な食事の中、...
「ん〜、そうだな。まずは馬鹿。そりゃもう、大馬鹿揃い」
がくんと傾く女性達、才人はその様をくすりとしながら更に言...
「で、どうしようもない喧嘩好き。あいつら、命のやり取りを...
ハルケギニアに於ける、典型的な男の考えだ。守るモノが出来...
「それで?」
「責任感だけは人一倍。安い給料だってのに、良く働いてくれ...
才人の言い分に、彼女達は目を輝かせる。平均的な給料、つま...
平民の女性達も目をらんらんと輝かせる。自分の稼ぎと合わせ...
「まあ、一番はこいつかな?」
そう言って、手紙にでかでかと書いてた野郎の文字を彼女達に...
俺達の総意だ!甲斐性見せてやらぁ!
「こう云う馬鹿共だね」
そう言って、才人は笑って見せると、彼女達がきゃぁきゃぁ騒...
「どうしよどうしよ?服みんな無くなっちゃった。おめかしし...
そう言いながら一斉にどたどたと走り去り、才人とアバネシー...
「こっちじゃ、結婚って大変なんだね」「彼女達は特に…ですな」
「アバネシーさんは?」「私は、内戦で妻と子供、それに妾も...
「そっか」才人はそれ以上追及せず、ルイズは不味い食事はと...
『やっぱり、結婚って、大変なんだなぁ…。一生独り身で、子供...
男性独り占めは、やっぱり良く無い事なんだな、と、噛み締め...
* * *
幾らロサイスが軍港として整備されていると言っても、既に停...
オストラントの最大艦速を叩き出した乗組員は、艦上からロサ...
「オストラント、お前の入港は聞いて無い!停泊場所なんか無...
「新しい従業員迎えに来ただけだ。直ぐに帰る!上空待機を許...
その言葉に竜騎士が一度戻ってまた飛来し、許可を出すと上空...
「カッター用意しろ!お客さんを乗せるぞ!」<了解>
50人程のお客さんを乗せてアッパーデッキに下すと階段で全員...
「オストラントにようこそ、皆さん。今日からこの船が、皆さ...
その言葉に、女達の間に火花が散った。そう、カトレアの彼女...
男達には全く分からない火花が笑顔の中で、飛び散っている
カトレアは堂々と言ったのである。私よりも女として上じゃな...
「我が所長は、部下達のお嫁さん候補には、絶対に手を出さな...
そう言って才人に視線を向けると、才人はぼりぼり頭を掻き、...
「あん、何でですかぁ?」「まぁ、色々と…俺が愛人に仕事投げ...
「だってだって、言わないと駄目なんです!才人殿は彼女達の...
そう言って、片手の拳を握りしめて片手をぶんぶん振りながら...
「これ以上抱えられないんで、俺は対象外な」「えぇ〜〜!?」
ブーイングの声に、今度は野郎達から声が上がる
「てめぇ、また、モテてんのかぁ!!いい加減にしやがれ!!」「...
そう言って逃げ出そうとすると、がしりとカトレアに腕を掴ま...
「あの、本当に連絡事項が山積みなんです。二時間程滞在して...
才人はその言葉に、ルイズを下に置いて来たのを思い出して、...
「またお仕置きかよ…」
仕事でありながら、才人は何故か気が重かった
* * *
ページ名: