ゼロの使い魔保管庫
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開始行:
オストラントは二時間の大休止の後、騎士達を回収した後は、...
圧倒的な速力は、正にこういった事を可能にする
竜騎士達は途中で帰投の為に離艦させていた
黄昏始めた魔法学院の空に突然空船が現れ、生徒達がギョッと...
零戦が着地すると、カッターに乗ってた人物が声を出した
「収納はそちらの家屋で宜しいですか?艦長?」
「ん、ああ。お願い出来る?」
才人がカッターから降りてルイズに手を貸して降りていると、...
「ちょっと待って、燃料は入ってる?」
「機関長。はい、満タンにしてあります」
そう言って敬礼を士官がする中、才人に手紙を差し出した
「悪いけどちょっと待って。出張よ、才人」
才人は受け取った手紙を読むと、エレオノールに聞く
「……確かに直ぐに出ないと駄目だな。そっちの進行は?」
「補給弾頭は400程。全部モンモランシの職人の達成分。ノルマ...
「…俺が居た時は、余裕と言ってたじゃないか」
エレオノールは不機嫌に抗弁する
「絶不調よ。全く魔力も精神力も上がらないの。どうしてくれ...
才人はガリガリ頭を掻いて頷いた
「授業を休むのは3日だけだから、先生を下ろす。エレオノー...
「詰まりっぱなし。ずっと、机にかじりついてるわ」
見回すと彼女が出て来ないので、才人は息を付く
「本当に忙しいみたいだな。声を掛けてから出るか、ルイズは...
「……うん」
ルイズはまた出張な才人を見て、唇を噛みしめて頷き、才人は...
カランコロンと扉の音がなると、シエスタが顔を上げた
「才人さんお帰りなさい。出張ですね?」
「あぁ。大変な仕事頼んで悪いね」
「いえ。今、結構楽しいですよ?でも、帰って来たら労って下...
「了解」
才人が近づいて頬にキスをすると、シエスタが「んっ」と満足...
「行ってらっしゃい」
「あぁ、行ってくる」
カランコロンと扉を閉めて、才人は手荷物を手際よく纏めてた...
「悪いがグラモンで補給する前に、ツェルプストー迄一飛び頼...
「後は、これも積んで。零戦の弾頭製作道具よ」
エレオノールの追加注文に頷いて、士官が答える
「了解しました。ではカッターにお乗り下さい」
才人がエレオノールと共に乗ると、また士官達が杖を振るって...
4番デッキ倉庫で待機してたコルベール(緊急事態用に、ゼロ機...
「行って来たまえ。才人君の事だから、我々に相談前に技術的...
「正解。多分生産ラインの新設に見合う、投資効果の話だと思...
「では、私も教師の仕事をせねば。機密以外はオールドオスマ...
「良いですよ。じゃあ、また」
お互いに握手をすると、コルベールはカッターに乗って降りて...
「空中閉鎖は浮力の関係でデッキが歪んでるから、零戦を更に...
「ウィ!」
甲板員達がばたばたと動き出したのを機に、才人は歩いて行く
甲板員達の訓練の邪魔になるからだ
* * *
王宮の飛行禁止区域の上空2000メイルに到達したオストラント...
艦長室ではエレオノールが他の女の香水の残り香で顔をしかめ...
「あんたね……」
「……」
「一つだけ言っておくわ」
「……何だ?」
「私が一番よ」
「……そうか」
才人はしてくれて無いが、それでもエレオノールは満足してい...
全く、何時から自分は、こんなにコイツに依存する様になって...
気付いたら泥沼だ、もう駄目だ
魔力も精神力も、彼の傍じゃないと十分に発揮出来ない位に落...
アカデミーには、もう戻れない
「…もっと、手柄立てなさい。誰も真似出来ない、誰もが黙る成...
「……」
「私はヴァリエール。自分の信じた道に両親が立ちはだかるな...
才人の胸に手を這わせ、身体を押し付けつつ彼の腕枕で囁く
貴族としての、自分自身の在り方で
「お願い、貴族の在り方を否定しないで。あんたの生き方も否...
「……」
才人は何も言わない
「こんな女……イヤ?」
「いんや……本音はこの前聞いたしな。俺が嫌いなのは、俺だ」
「……大丈夫。私は才人が嫌ってる才人が良い。だからどんどん...
才人はそんなエレオノールの言葉に話しかける
「なぁ、エレオノール」
「何?」
「愛って、何だろうな?」
エレオノールはキョトンとして、才人の顔を見た
天井を見つめたまま、才人は言葉を発しない
多分、彼は本気で聞いている
心が擦り切れ、それでも使い魔なのか自身の気持ちか良く解ら...
「最近、使い魔になって来てると感じるわ。何かおかしい」
「そう……なの?」
「あぁ。良い事か?悪い事か?俺さ、家族の顔が思い出せなく...
エレオノールが絶句する。明らかにおかしい
「身に付けた知識と技がここの人間じゃないと言っている。顔...
「…多分、無意識に抑えてるのよ」
エレオノールがそう言うと、更に才人が呟いた
「人を殺すってのは、多分こういう事なんだなぁ。何かが欠落...
エレオノールが才人の顔を振り向かせ、決意を込めて言い放った
「才人の心は無くさせない。私が絶対に、絶対に、あんたを人...
「苦労……かけるな」
エレオノールは首を振って抱き締めた
「私も才人も、不完全。それで良いじゃない」
「……あぁ」
才人はエレオノールの頭を撫でた
「…それでも、才人の手は、誰よりも温かい」
〈艦長、そろそろヴァリエール城塞上空です〉
エレオノールがピクリと反応する
「お父様に見せ付けて」
才人にそう呟くと、才人は伝声管越しに命令を伝えた
「高度50艦速150で通過しろ」
〈了解〉
才人はベッドから身体を起こし、服を身に付け始め、エレオノ...
「艦橋に行く。来ないで良い」
「解った」
エレオノールは頷いて、毛布から出なかった
彼が期待通りにしてくれる。きっとそれは、幸せなんだろう
* * *
ヴァリエールでは、見張りからの報告で防衛部隊が必死に走り...
「低空を大型空船が有り得ない速度で突っ込んで来るぞ!迎撃...
夕暮れ時のヴァリエール城塞から次々とマンティコア部隊が離...
マンティコア部隊の先頭にはカリーヌが乗って出ていた。既に...
スクランブルの為、ドレスにマントのままである
カリーヌが出てるのは、衝突コースを取った場合実力で落とす...
「こんな馬鹿なコース取るなんて誰よ?」
その時、空船から発光信号が発され、スクランブルをしたマン...
「コチラオストラント、ツウカスルノミ……ふざけてるわね。せ...
くいっと手綱を動かしてランデブーコースを取りつつ、騎乗マ...
「アテナイス、抑えられる?」
「ちょっと無理だねぇ、カリン。でかすぎだね」
「だと思った」
そのまま通過する艦のガラス張りの艦橋を見ると、忘れもしな...
旗は艦橋後端に三つ
船籍を示す百合の紋のトリステイン旗
所属を示すゼロの意匠を施した、カトレアから教えられたゼロ...
そして、恐らくはあの男の旗たる、百合に曲剣の紋章旗だ
思わずカリーヌは呆然と見送ってしまった
「何なの……あれ」
* * *
ヴァリエール公はカトレアとバルコニーで紅茶を飲んでいた
その時、上空をオストラントがプロペラの音と風切り音の轟音...
給仕に付いた執事やメイドも流石に驚き、呆然としている
「……カトレア、お前の仕事の成果でもある訳だな?」
「はい」
そう言って朗らかに笑っているカトレア
「量産を前提なのか?」
「勿論ですわ」
「…そうか……時代が……変わるな」
そう言って、ヴァリエール公は紅茶を口に含む
「カトレア、フォンティーヌとして動け。自分の誇りは自分で...
「ありがとうございます、お父様」
カトレアは艶やかに微笑み、自分の父の愛に感謝した
* * *
終了行:
オストラントは二時間の大休止の後、騎士達を回収した後は、...
圧倒的な速力は、正にこういった事を可能にする
竜騎士達は途中で帰投の為に離艦させていた
黄昏始めた魔法学院の空に突然空船が現れ、生徒達がギョッと...
零戦が着地すると、カッターに乗ってた人物が声を出した
「収納はそちらの家屋で宜しいですか?艦長?」
「ん、ああ。お願い出来る?」
才人がカッターから降りてルイズに手を貸して降りていると、...
「ちょっと待って、燃料は入ってる?」
「機関長。はい、満タンにしてあります」
そう言って敬礼を士官がする中、才人に手紙を差し出した
「悪いけどちょっと待って。出張よ、才人」
才人は受け取った手紙を読むと、エレオノールに聞く
「……確かに直ぐに出ないと駄目だな。そっちの進行は?」
「補給弾頭は400程。全部モンモランシの職人の達成分。ノルマ...
「…俺が居た時は、余裕と言ってたじゃないか」
エレオノールは不機嫌に抗弁する
「絶不調よ。全く魔力も精神力も上がらないの。どうしてくれ...
才人はガリガリ頭を掻いて頷いた
「授業を休むのは3日だけだから、先生を下ろす。エレオノー...
「詰まりっぱなし。ずっと、机にかじりついてるわ」
見回すと彼女が出て来ないので、才人は息を付く
「本当に忙しいみたいだな。声を掛けてから出るか、ルイズは...
「……うん」
ルイズはまた出張な才人を見て、唇を噛みしめて頷き、才人は...
カランコロンと扉の音がなると、シエスタが顔を上げた
「才人さんお帰りなさい。出張ですね?」
「あぁ。大変な仕事頼んで悪いね」
「いえ。今、結構楽しいですよ?でも、帰って来たら労って下...
「了解」
才人が近づいて頬にキスをすると、シエスタが「んっ」と満足...
「行ってらっしゃい」
「あぁ、行ってくる」
カランコロンと扉を閉めて、才人は手荷物を手際よく纏めてた...
「悪いがグラモンで補給する前に、ツェルプストー迄一飛び頼...
「後は、これも積んで。零戦の弾頭製作道具よ」
エレオノールの追加注文に頷いて、士官が答える
「了解しました。ではカッターにお乗り下さい」
才人がエレオノールと共に乗ると、また士官達が杖を振るって...
4番デッキ倉庫で待機してたコルベール(緊急事態用に、ゼロ機...
「行って来たまえ。才人君の事だから、我々に相談前に技術的...
「正解。多分生産ラインの新設に見合う、投資効果の話だと思...
「では、私も教師の仕事をせねば。機密以外はオールドオスマ...
「良いですよ。じゃあ、また」
お互いに握手をすると、コルベールはカッターに乗って降りて...
「空中閉鎖は浮力の関係でデッキが歪んでるから、零戦を更に...
「ウィ!」
甲板員達がばたばたと動き出したのを機に、才人は歩いて行く
甲板員達の訓練の邪魔になるからだ
* * *
王宮の飛行禁止区域の上空2000メイルに到達したオストラント...
艦長室ではエレオノールが他の女の香水の残り香で顔をしかめ...
「あんたね……」
「……」
「一つだけ言っておくわ」
「……何だ?」
「私が一番よ」
「……そうか」
才人はしてくれて無いが、それでもエレオノールは満足してい...
全く、何時から自分は、こんなにコイツに依存する様になって...
気付いたら泥沼だ、もう駄目だ
魔力も精神力も、彼の傍じゃないと十分に発揮出来ない位に落...
アカデミーには、もう戻れない
「…もっと、手柄立てなさい。誰も真似出来ない、誰もが黙る成...
「……」
「私はヴァリエール。自分の信じた道に両親が立ちはだかるな...
才人の胸に手を這わせ、身体を押し付けつつ彼の腕枕で囁く
貴族としての、自分自身の在り方で
「お願い、貴族の在り方を否定しないで。あんたの生き方も否...
「……」
才人は何も言わない
「こんな女……イヤ?」
「いんや……本音はこの前聞いたしな。俺が嫌いなのは、俺だ」
「……大丈夫。私は才人が嫌ってる才人が良い。だからどんどん...
才人はそんなエレオノールの言葉に話しかける
「なぁ、エレオノール」
「何?」
「愛って、何だろうな?」
エレオノールはキョトンとして、才人の顔を見た
天井を見つめたまま、才人は言葉を発しない
多分、彼は本気で聞いている
心が擦り切れ、それでも使い魔なのか自身の気持ちか良く解ら...
「最近、使い魔になって来てると感じるわ。何かおかしい」
「そう……なの?」
「あぁ。良い事か?悪い事か?俺さ、家族の顔が思い出せなく...
エレオノールが絶句する。明らかにおかしい
「身に付けた知識と技がここの人間じゃないと言っている。顔...
「…多分、無意識に抑えてるのよ」
エレオノールがそう言うと、更に才人が呟いた
「人を殺すってのは、多分こういう事なんだなぁ。何かが欠落...
エレオノールが才人の顔を振り向かせ、決意を込めて言い放った
「才人の心は無くさせない。私が絶対に、絶対に、あんたを人...
「苦労……かけるな」
エレオノールは首を振って抱き締めた
「私も才人も、不完全。それで良いじゃない」
「……あぁ」
才人はエレオノールの頭を撫でた
「…それでも、才人の手は、誰よりも温かい」
〈艦長、そろそろヴァリエール城塞上空です〉
エレオノールがピクリと反応する
「お父様に見せ付けて」
才人にそう呟くと、才人は伝声管越しに命令を伝えた
「高度50艦速150で通過しろ」
〈了解〉
才人はベッドから身体を起こし、服を身に付け始め、エレオノ...
「艦橋に行く。来ないで良い」
「解った」
エレオノールは頷いて、毛布から出なかった
彼が期待通りにしてくれる。きっとそれは、幸せなんだろう
* * *
ヴァリエールでは、見張りからの報告で防衛部隊が必死に走り...
「低空を大型空船が有り得ない速度で突っ込んで来るぞ!迎撃...
夕暮れ時のヴァリエール城塞から次々とマンティコア部隊が離...
マンティコア部隊の先頭にはカリーヌが乗って出ていた。既に...
スクランブルの為、ドレスにマントのままである
カリーヌが出てるのは、衝突コースを取った場合実力で落とす...
「こんな馬鹿なコース取るなんて誰よ?」
その時、空船から発光信号が発され、スクランブルをしたマン...
「コチラオストラント、ツウカスルノミ……ふざけてるわね。せ...
くいっと手綱を動かしてランデブーコースを取りつつ、騎乗マ...
「アテナイス、抑えられる?」
「ちょっと無理だねぇ、カリン。でかすぎだね」
「だと思った」
そのまま通過する艦のガラス張りの艦橋を見ると、忘れもしな...
旗は艦橋後端に三つ
船籍を示す百合の紋のトリステイン旗
所属を示すゼロの意匠を施した、カトレアから教えられたゼロ...
そして、恐らくはあの男の旗たる、百合に曲剣の紋章旗だ
思わずカリーヌは呆然と見送ってしまった
「何なの……あれ」
* * *
ヴァリエール公はカトレアとバルコニーで紅茶を飲んでいた
その時、上空をオストラントがプロペラの音と風切り音の轟音...
給仕に付いた執事やメイドも流石に驚き、呆然としている
「……カトレア、お前の仕事の成果でもある訳だな?」
「はい」
そう言って朗らかに笑っているカトレア
「量産を前提なのか?」
「勿論ですわ」
「…そうか……時代が……変わるな」
そう言って、ヴァリエール公は紅茶を口に含む
「カトレア、フォンティーヌとして動け。自分の誇りは自分で...
「ありがとうございます、お父様」
カトレアは艶やかに微笑み、自分の父の愛に感謝した
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