ゼロの使い魔保管庫
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カトレアの冒険
ツェルプストーの城塞前に着陸したオストラントは、ツェルプ...
そして、ツェルプストー伯が多忙の身を推してオストラントの...
艦首ハッチが音を立てて開くと中から零戦が降ろされ、更に歓...
あの男がまたやったと、歓声が最高潮だ
カッターで降りて来た才人に、ツェルプストー伯が話しかけた
「実に派手な登場だな」
「呼びつけといてそう言いますか?運用試験航空兼ねてるんだ...
「はっはっはっはっ!まぁまぁ、そう怒るな。娘は同行してな...
「学生は授業あっからね」
「くっくっくっくっ。全く律義な奴だ。学校なぞ辞めて、卿の...
そう言って、肩をばんばん叩いてツェルプストー伯は馬車に自...
「航海長、全部任せる。機関関係は全部把握してるから、トラ...
「ウィ。離陸準備開始します」
* * *
ツェルプストー伯は自身の執務室に入ると、すかさずオットー...
一瞥すると、命令を下した
「悪いがゼロ機関所長との折衝が優先だ。所長の多忙振りは知...
言いながらさらさら書いた物をオットーに渡すと、オットーは...
「何か悪いね。時間無理矢理開けちゃって」
「呼び出したのはこちらだからな。気にする必要は無い。さっ...
「了解」
そう言って二人がソファーに座り、ツェルプストー伯が書類を...
「読みながら聞いてくれ」
「あぁ」
ぱらりと捲って書類を読みつつ、ツェルプストー伯が話し始める
「卿の言う炭の配合量を変える重ね合わせ鋼。工程的には確か...
才人は書類を見ながら黙って聞いている
「問題はコストだ。作業工程を大幅に改造せねばならん。炉を...
「……湯流れのラインを別に案内するのはどうだ?」
「既に考えた。スペースが無い。ゴーレム設置の余裕が無い」
そう言って、ため息を付くツェルプストー伯
「そうか。圧延工程にゴーレムを設置しなきゃ、重量ローラー...
「その通りだ。あの大出力のゼロ機関を設置しても出来るだろ...
「全くだ。量産要求に対して全然追い付かねぇ。職人の拡充は...
才人はツェルプストー伯の言葉に、溜め息を付いた
「そうまでしなきゃならない理由を教えてくれ。理由によって...
才人はそこで答えた
「小型軽量且つ強靭な砲を作るのに必要だ。堅さと強さを両立...
ツェルプストー伯は、その言葉に驚いた
「そんな事を考えていたのか」
「あぁ。設備投資があんまり多額になんのが問題なら、先に板...
ツェルプストー伯は頷いた
「良いだろう。その方法ならそう難しくない。流さは?」
「砲身全長6メイル。砲長5.5メイルだ。コイツが図面」
才人がエレオノールを描いた図面を渡してツェルプストー伯が...
「こいつは…長いが随分と小さいな」
「1リーグ先で厚さ10サントの鉄板を貫通すんのが目標。どう...
ツェルプストー伯は余りの馬鹿馬鹿しい威力に呆れてしまった
「そんなの、城壁すら役立たずではないか。完成したら割り引...
「直接で2リーグが目標」
曲射なら、更に伸びると云う訳だ
ツェルプストー伯は頷いた
「良いだろう。儲かりそうだ。乗った。舵と翼技術の提供を受...
才人は頷いて答えた
「うちじゃ、オストラントに試験武装で16門しか乗せないよ」
「ふん。此方で9隻計36門使わせて貰う。その分、車輪とか懸...
才人は肩を竦めて答える
「さぁて。ちとぎりぎりかなぁ?砲弾は鉛榴弾の弾殻と仕込み...
ツェルプストー伯はニヤリと笑い、才人に話す
「ふん、用意周到だな。つまり、出来ないと返事されても、通...
「そゆこと。威力は下げるけどね」
才人が肩を竦めて答え、ツェルプストー伯は笑い出した
「くっくっくっくっ。本当に卿の発想には驚かされる。ツェル...
ガタッと立ち上がったツェルプストー伯に頷いて才人も立ち上...
* * *
才人は食事と風呂を世話して貰うと、寝る前にまた呼ばれ、提...
十代半ばもいかない少女達を数人連れていて、才人はいやぁな...
「あぁ、儂の妾だ。卿にはやらん」
「そいつは助かった」才人が本気でホッとするのを笑って見て...
ツェルプストー伯がソファーにどさりと座ると、少女達がツェ...
「若い娘連れてるね」
「年の近いのもおる。さて、この状態をどう思う?」
「どうって……」
才人が詰まる
「卿の常識では、おかしいと思うか」
「……まぁ」
軽く頷いて肯定する才人に、ツェルプストー伯は語り始めた
「儂とてそう思う。だが、そなたはもう、儂と同じく施す側だ...
そう言って酒を妾の少女に注がせ、才人にも注がせると、カチ...
「貴族の底辺と平民。どちらの生活が楽か知っておるか?」
「……いや」
素直に才人は首を振る
「平民の方が遥かに楽だ。貴族は施しをするモノ、つまり見栄...
才人は黙って聞いている
「そんなこんなで国から年金貰っても、あっという間に尽きる...
才人は頷く
「だが、女児だとどうなる?」
「さぁ?」
本気で才人が聞いているので、ツェルプストー伯が答えた
「嫁に出す。言っておくが、トリステインの女王の様に、女が...
「…あぁ」
「だから女は容姿が優れ、教養を持ち、ベッドの上では誰より...
才人は思わずプッと吹いてしまう
「で、家で女が続いた場合どうなる?」
才人はちょっと考えて答えた
「窮乏するのか?」
「その通り。誰か救うか?金ばかりかかる見栄っ張りの下級貴...
「…そうだな」
才人は同意する
「それでも女ばかり。さて、卿が父親ならどうする?婿なんざ...
才人はそこで、冷徹に答えた
「身売りか?」
「そうだ。文字通り身を売る。妾に収まれば万々歳。だが、世...
才人は黙って頷き、酒を含んで促した
「言っておくが、ボロ屑に扱うのは平民の妻の例が圧倒的に多...
「逃げ出した女は修道院に匿って貰うしかない。そういった娘...
「……」
才人は言葉を発しない
「解るか?例え妾として添い遂げられずとも、男児を産みさえ...
「……あぁ」
才人はグラスを手に持ったまま賛同した
「ヴァリエールをそれをやっておらん。だから奴は駄目なのだ」
本気で吐き捨てて、才人は彼の情の深さに感心してしまう
「で、ここにメイジ特有の問題が入る」
才人はその言葉に返した
「血の濃さか?」
「そうだ。コイツばかりはどうしようも無い。更に系統の問題...
「……そうか」
ツェルプストー伯は妾の身体を軽くまさぐってるが、妾の少女...
ツェルプストー伯が、散々に可愛がっているのだろう
「血が濃くなると、使い手としては強力な使い手が生まれる反...
「…あぁ」
「三代女が続くと、下級貴族なら断絶と思って良い」
「……厳しいんだな」
「そうだ」
ツェルプストー伯も酒を飲み干し、才人の空のグラスと共に、...
「有り難う」
にこりと笑って頷いてくれた少女に笑い返し、才人はツェルプ...
「そういう時は遠縁か平民に嫁いで血を薄くせざるを得ん。実...
「…そうなのか」
「何せ、6000年も続いてるからな」
才人は頷いて、ツェルプストー伯の話に耳を傾ける
「ハルケギニアの貴族の事情は大体解ったな?」
「…あぁ」
パチンとツェルプストー伯が指を鳴らすと、寝室側から二人少...
ちょっとくたびれているドレスを纏っているが、それでも精一...
「今の事情をひっくり返し、卿が救った下級貴族の少女達の一...
思わず、才人が固まってしまった
「……俺が?」
「そうだ。卿が火のメイジの使い途を増やしてくれたお陰で、...
「……ざけんなこの野郎……かな?」才人は苦笑して答え、ツェル...
「まぁ、そういう訳だ。成長に期待しろ」
「…了解。君達がゼロ級のフレーム作ってたんだね、有り難う」
少女達は首を振って答えた
「いえ、助けられたのは私達です」
「じゃあ、助けた序でに、もう一つ助けてやれ」
ツェルプストー伯の言葉に、才人の動きが止まる
「……はっ?」
「言ったろ?火のメイジで女続きの三代目。詰んでる少女を救...
才人はその言葉にグラスの酒を見た
「まさか……」
「くっくっくっくっ。まだまだ甘いな、イーヴァルディ」
ツェルプストー伯が立ち上がって、妾達を両手に抱えて笑いな...
「いや、流石に歳でな。代わりが見つかって助かった助かった...
パタンと扉が開閉してツェルプストー伯が去り、ひょいっと少...
* * *
才人が目覚めた時、自己嫌悪に襲われ顔を手の平で覆い隠した
しかも少女の一人とは合体中、もう一人も腕枕にすやすや寝息...
彼女達も自分も薬と香で桃色だったのが幸いし、悦んでくれた...
「おはようございます。才人さま」
「おはよう」
未だに二人の名前を知らないが、少女達は名乗らない
「初めてでしたけど、素敵でした」
二人がそう言って微笑み、才人はホッとする
そのまま朝食の席迄一緒にしたが、仕事なので出ようとして掴...
「私達、ツェルプストー伯に伺いました。私達みたいな者に迄...
「いや、ツェルプストー伯が雇ってくれたからだよ」
少女達が首を振る
「私達は下級貴族で、初潮を迎えたら、いつでも嫁に出される...
才人はその言葉に頷くしか出来ない
「新しい仕事があると言って、ツェルプストー伯が行き場の無...
「そっか」
もう一人も訴える
「それもこれも、新しい魔法と技術をもたらした才人さまのお...
少女達が名前を言わない理由も何となく判った。あくまで行き...
『健気だなぁ』
貴族には貴族の苦労がある。ツェルプストー伯が力を求める理...
力を増やして、一人でも多く引き上げたいのだろう。その為な...
「俺は自分の目的に沿ってやってるんだ」
そう言って首を振るのが精一杯の才人。そしたら彼女達が笑い...
「ツェルプストー伯がおっしゃってました。絶対にそう言うっ...
全く嫌になる位キレる親父である。才人は苦笑するしかなかった
「せめて名前を教えてくれるかな?」
才人の言葉に、二人はかぁっとなりながら答えた
「イーリスです」「リリ」
「分かった。イーリス、リリ。仕事だから」
そしたら二人してギュッと掴まれ、首を振られてしまう
「授けて下さる約束して下さらないなら、嫌です」
「……分かったよ。俺で良ければ」
二人はニコッって笑って才人の耳元に唇を寄せようとしたので...
「もう一度、授けて下さい」
才人が思わず二人を見ると、二人共に真っ赤な顔をしていて、...
「姫の要求ならば、ヤーとしか言えないね」才人に抱えられた...
* * *
才人が零戦でグラモンに移動すると、既に補給は終わらせてい...
零戦を見た甲板員達がばたばた走り、艦橋から艦尾に制動ロー...
着陸態勢に入った零戦が艦尾フックにロープが引っ掛かったの...
「制動開始〜〜!」
「制動開始!」
制動ロープが巻かれてるドラムに、帆布を分厚く織って金属粉...
零戦のブレーキと共に制動し、甲板目一杯で制止した
「ふぅ、本当に大したもんだな、おい」
才人が風防を開けてると甲板員が走って来て、ロープを外して...
「艦長、お帰りなさい」
「ただ今。じゃあ、収納頼むわ」
「了解。ブレーキ外しておいて下さい。我々が手押しで収容し...
才人が頷いてエンジンを切るとバッと飛び降りて艦橋に向かい...
* * *
才人が艦橋に登ると、航海長と副航海長が敬礼し、他の士官達...
パンパンパンパン
「いや、お見事お見事。もう大部良いね。後三日で一番艦に全...
「いえいえ、こんなに色々機能が付いてましたから、使える様...
才人が一人一人の手を取ったのは決しておざなりではなく、ま...
才人は、そのまま機関室に向かって降りて行く
* * *
機関室に顔を出した才人を、全員が敬礼を持って出迎えた
「あぁ、楽にしてくれ」
才人の声で全員が直り、才人が副機関長に状態を聞く
「点検記録出してくれ」
「はっ」
才人が点検記録を見ながらジッと動かず、目の鋭さに全員が直...
「……舵チェックもOKと。停止中の主翼内駆動チェーン点検と吸...
才人の言葉に一斉に全員青ざめた
「申し訳有りません!やっておりません!」
才人は少し考えて命令する
「…マニュアルを出して見ろ」
「はっ」
マニュアルを出して見せたので、才人はパラパラと捲って該当...
「この通り、完全停止中に行うべき点検方法として書いてある...
才人の言に、正直に答えた
「駆動中は危険だからです」
才人はその言に頷いた
「宜しい。ならば俺と一緒に全員でかかるぞ。今から点検作業...
「ウィ!点検入るぞ、カカレ!」
「「「ウィ」」」
全員が点検道具を持って、アッパーデッキに向けて走って行く
中には副機関長二人と才人が残っていた
「点検作業は重要だ。人間は完璧に物を作れない。毎回点検し...
「了解しました。艦長」
才人は敬礼に頷いて、二人を促して階段を登っていった
* * *
才人は、先に降りていた機関士達と共に、点検の仕方を実演で...
主翼内のチェーン張り不具合時の張り直し迄実演する丁寧振り...
「コイツは弛み過ぎても張り過ぎても駄目だからな、この張り...
「はい!」
才人の後に、一人ずつチェーン張りを確認すると、保護カバー...
「保護ゴム忘れんなよ?一番忘れるからな」
「はい」
左翼から始めて、右翼は全員が同じ様に二艦の配属チームに別...
* * *
そして機関室に戻って来て、才人が主機関系バルブを開閉しニ...
「お、慣らしが上手くいってるな。当たりが出て操作が軽い。...
「「「ウィ!」」」
才人の言葉に、全員が敬礼で応えた
* * *
才人はそのまま医務室に行くと、常駐の水使い兼医師の医務官...
「貴方達のお陰で、皆が健康に過ごせました」
「まだ終わってませんよ。それに我々も高々度でのデータ取り...
「そいつは是非とも。良い考えだ」
才人がにやりとすると医務官達が敬礼し、才人は離れた
* * *
才人が食堂に寄ると、司厨達が仕込みをしているので邪魔をし...
「あんた達、軍人辞めてレストラン開いたら?」
「良いですね、それ。空中レストラン、オストラントってのは...
才人はきょとんとしてから、くっくっくっくっと笑いが込み上...
「実験終わったら、貨客船にすっか」
「その時は是非とも御一報を。そんなレストランで、働いてみ...
仕込みをしてた司厨達が視線を才人に向けて笑いかけ、才人は...
「あぁ、良いね。面白そうだ。戦争より、ずっと良い」
「なら、さっさと終わらせましょう、艦長」
「あぁ」
才人が手を振って立ち去り、司厨達は仕込みに戻る
「空中レストランオストラントの司厨は我々だ。誰にも恥じぬ...
「ウィ」
* * *
才人はその後、4番デッキに移動し、たむろしてる甲板員達に...
「あんたらで一番の花形は信号手じゃね?」
「あっはっはっはっ!確かに!でもあんなに寒いのはゴメンだ...
常にデッキで一番寒い思いをしてる信号手達が、苦笑して頷いた
哨戒は艦橋から出来るので普段は誰も出なくて構わないのだが...
「あんた達のコンビネーションのお陰で艦のシステムがスムー...
「おぅ、任せてくれ!艦長が一発着艦出来る様に動いてやんぜ...
才人がグッと親指を立てると皆が立て返す。既に共通の合図と...
* * *
才人は更に風石稼働室に向かい、入室する
天井フレームに上下の蓋に鉄板が張られた太鼓型の樽が何個も...
既に離陸したのだろう
風石は衝撃で魔力を解放し、消耗する。樽は一枚だけガラス張...
基本的に一列定期交換式で、残った風石を一つの樽に纏める方...
この方式が一番安定出来るのである
大まかに右中左と区分されていて、集中大アクセル一つと、そ...
前回事故は慣らしが不十分だった為の小アクセル洩れと大スロ...
スロットルはギヤにより、回転量で微調整する
更にボイラーがダウンした時の為に、自転車のサドルとそこか...
以前の事故時に大活躍したので、手入れが行き届いてピカピカだ
高度計も設計し、真空ポンプ(加圧が出来るなら負圧も可能。逆...
人間の技量は、器械に勝るとも劣らないのだ
才人は文字通りの縁の下の力持ち達に声を掛けた
「緊急事態の時こそあんた達の出番だ。無い事を願うよ」
「ま、そういう時は任せてくれ。伊達に鍛えちゃ居ませんぜ。...
才人はきょとんとしてから、笑い出した
「あっはっはっはっ!そりゃスゲー。俺もトレーニングに加え...
「そんときゃ歓迎しますわ。どっちがスタミナ持つか勝負でし...
「そのムキムキには勝てそうにねぇなぁ」
片手を上げた航海士達に才人も上げてバシリと握り、お互いニ...
「この船は風石の消費が少ねぇし、皆楽出来るから鈍っちまう...
「まぁまぁ、体力維持に黙って手動やってても構わんよ。そん...
そしたら全員がニヤリとする
「あたぼうよ。俺達は風石の面倒見続けて、うん年の連中ばっ...
「全くだ。前の船はバネ式とか、十人単位で各々ぶっ叩いたり...
皆してうんうん頷いている
「あんた達にそう言って貰えるなら、こだわって良かったよ」
才人はそう言って手を振って退室し、扉を閉めると音が聴こえ...
* * *
ガチャ
才人は機関長室に入ると、エレオノールが弾頭を作っていた
「今日は進んだ?」
「まぁね」
キコキコ漕ぎながらボックスのハンドルを回して、雷管を閉鎖...
「オシェラ・ラナ・デル・ウィンデ」
遺産、つまり残すと云う意味だ
永続魔法時に付け足すルーンである
手応えを感じるとブローをしてパカッと開いた
「とりあえず以前とやってた分と合わせて100発完了。編むんで...
「あぁ」
才人はそう言って、布を弾帯寸法を見切ってケガキ始めた
零戦搭載の7.7mm機銃は弾帯が布製だ。才人は見た時に驚いたの...
ちくちく縫って弾頭を通して調べた時の感触と比べて確認し、...
才人は知らないが、元々7.7mm弾.303ブリティッシュは黒色火薬...
本当に幸運なのだ
それを魔法強化で威力をはね上げ、更に威力に耐えられる様に...
20mm弾頭は他に使い途が無いので、現在は生産はしない。そん...
そんなこんなで二人が黙々と作業をしてると、ずしずしと音が...
第二陣の到着である
才人は伝声管に寄って伝声管を木槌でカンカン叩く
艦橋が普段蓋をしているが、音が鳴れば出てくる
〈はい〉
「機関長室にて作業中だ。挨拶が必要なら声を掛けてくれ」
〈了解〉
才人はそう言ってまた弾帯編みに戻り、エレオノールは何故か...
* * *
才人が二陣の竜騎士達に挨拶し、その後はエレオノールと食事...
勿論お姫様のご希望の、才人による全身洗いだ
「最近自分で洗ってんのか?」
「昨日はちゃんと洗ったわよ。才人の背中洗いに比べると駄目...
「あ、解るわ、それ。人に背中流して貰うの最高だよな」
そこで非常に小さくエレオノールは声を洩らした
「……の洗い方が一番なのよ」
才人は聴こえなかったので、聞いてみた
「何か言ったか?」「別に」
「そうか」
エレオノールは才人が洗い終わると、初めて才人の背中を洗い...
前は才人が洗ってる為、そのまま胸を当てて泡だらけの両手で...
才人が勃起するとすかさず湯を流して前に回り込んで、彼しか...
「私のここ、どう?」
「匂いも形も最高。見て嗅いでるだけでいきり勃つ。胸も絶妙...
そう言って才人が乳首を舐めるとエレオノールは彼の頭を抱き...
小さくても好きと言ってくれる。とっても嬉しい
「じゃあ、入れなさいよ。全部出しなさい。あんたの傍に居る...
そう言って腰を降ろし、才人に繋がると才人に絡まった
才人は繋がったまま湯船に入ると、エレオノールは無心に腰を...
「……ふ、ん…」「更に感度上がったな」
「…るさい。敏感な女好きでしょう?」「あぁ……大好きだ」
そう言って才人が射精すると、エレオノールが腰を深く繋げて...
風呂から上がると、タオルで拭いてそのままで、バスローブを...
身体を拭いて髪を拭きながら才人の前に立ったエレオノールが...
二人きりの時は、エレオノールは一切容赦しない。才人をあら...
薬も良いが、無しの感覚もまた良い
湿って擦れなくなった分を、自身の愛液をお尻をぐりぐり動か...
頭を拭いてた才人が息子を固定すると、エレオノールがぬぷぷ...
「ん……」「髪拭けよ」
「やって……」
お姫様の要求は3日分の埋め合わせだと、才人も気付いた
「…ったく」
才人はエレオノールの上半身を持つと、ぐいっと持ち上げ、エ...
「や、あぁっ!?う、奥、無理矢理ぃ」
そのまま歩いて行って、エレオノールをベッドに寄り掛からせ...
「ひい゛!」
ビクッビクッと自身の意思を無視して震える身体に、欲しいモ...
「も、もっと」
才人は自身もベッドに上がってエレオノールの脚を降ろすと、...
「ぐぅ」唸りつつ才人はエレオノールの髪を拭き、エレオノー...
才人が耐えて拭いてると、エレオノールの尻の押し付けが強く...
才人より先にエレオノールが震え、才人も思わず射精してしまう
「…少し、身繕いしろよ」「……やってよ」
タオルを被ったまま、我が侭言い放題のエレオノール
才人はエレオノールをひっくり返し、身体を持ち上げてベッド...
「…俺より性欲強いよな」
「るさい。殆ど毎日取っ替え引っ替えしてるあんたと違って、...
エレオノールは才人の耳をかぷりと噛み、更に舐める
「私にも、訳解んないわよ」
完全密着でエレオノールが離れない
「あんたの匂いと肌触りが狂わせるのよ。囁かれたいのよ。ず...
エレオノールがそう言って眼を瞑っている。才人は無言で髪を...
「……我が侭言い過ぎたわ」「…何が欲しい?」
エレオノールは、その言葉に思わず聞き返す
「……良いの?」「俺が出来る範囲でな」
「…装飾品が欲しい。小さい奴で、主張は控え目だけど、どんな...
「…アクセサリーはさっぱりなんだがなぁ」才人はそう言って、...
「どんなに趣味が悪くても、ずっと身に付けてやる。せいぜい...
「はぁ、本当に勝てねぇなぁ、全く」
才人はそう言って、エレオノールの髪を拭いながら壁に寄り掛...
* * *
終了行:
カトレアの冒険
ツェルプストーの城塞前に着陸したオストラントは、ツェルプ...
そして、ツェルプストー伯が多忙の身を推してオストラントの...
艦首ハッチが音を立てて開くと中から零戦が降ろされ、更に歓...
あの男がまたやったと、歓声が最高潮だ
カッターで降りて来た才人に、ツェルプストー伯が話しかけた
「実に派手な登場だな」
「呼びつけといてそう言いますか?運用試験航空兼ねてるんだ...
「はっはっはっはっ!まぁまぁ、そう怒るな。娘は同行してな...
「学生は授業あっからね」
「くっくっくっくっ。全く律義な奴だ。学校なぞ辞めて、卿の...
そう言って、肩をばんばん叩いてツェルプストー伯は馬車に自...
「航海長、全部任せる。機関関係は全部把握してるから、トラ...
「ウィ。離陸準備開始します」
* * *
ツェルプストー伯は自身の執務室に入ると、すかさずオットー...
一瞥すると、命令を下した
「悪いがゼロ機関所長との折衝が優先だ。所長の多忙振りは知...
言いながらさらさら書いた物をオットーに渡すと、オットーは...
「何か悪いね。時間無理矢理開けちゃって」
「呼び出したのはこちらだからな。気にする必要は無い。さっ...
「了解」
そう言って二人がソファーに座り、ツェルプストー伯が書類を...
「読みながら聞いてくれ」
「あぁ」
ぱらりと捲って書類を読みつつ、ツェルプストー伯が話し始める
「卿の言う炭の配合量を変える重ね合わせ鋼。工程的には確か...
才人は書類を見ながら黙って聞いている
「問題はコストだ。作業工程を大幅に改造せねばならん。炉を...
「……湯流れのラインを別に案内するのはどうだ?」
「既に考えた。スペースが無い。ゴーレム設置の余裕が無い」
そう言って、ため息を付くツェルプストー伯
「そうか。圧延工程にゴーレムを設置しなきゃ、重量ローラー...
「その通りだ。あの大出力のゼロ機関を設置しても出来るだろ...
「全くだ。量産要求に対して全然追い付かねぇ。職人の拡充は...
才人はツェルプストー伯の言葉に、溜め息を付いた
「そうまでしなきゃならない理由を教えてくれ。理由によって...
才人はそこで答えた
「小型軽量且つ強靭な砲を作るのに必要だ。堅さと強さを両立...
ツェルプストー伯は、その言葉に驚いた
「そんな事を考えていたのか」
「あぁ。設備投資があんまり多額になんのが問題なら、先に板...
ツェルプストー伯は頷いた
「良いだろう。その方法ならそう難しくない。流さは?」
「砲身全長6メイル。砲長5.5メイルだ。コイツが図面」
才人がエレオノールを描いた図面を渡してツェルプストー伯が...
「こいつは…長いが随分と小さいな」
「1リーグ先で厚さ10サントの鉄板を貫通すんのが目標。どう...
ツェルプストー伯は余りの馬鹿馬鹿しい威力に呆れてしまった
「そんなの、城壁すら役立たずではないか。完成したら割り引...
「直接で2リーグが目標」
曲射なら、更に伸びると云う訳だ
ツェルプストー伯は頷いた
「良いだろう。儲かりそうだ。乗った。舵と翼技術の提供を受...
才人は頷いて答えた
「うちじゃ、オストラントに試験武装で16門しか乗せないよ」
「ふん。此方で9隻計36門使わせて貰う。その分、車輪とか懸...
才人は肩を竦めて答える
「さぁて。ちとぎりぎりかなぁ?砲弾は鉛榴弾の弾殻と仕込み...
ツェルプストー伯はニヤリと笑い、才人に話す
「ふん、用意周到だな。つまり、出来ないと返事されても、通...
「そゆこと。威力は下げるけどね」
才人が肩を竦めて答え、ツェルプストー伯は笑い出した
「くっくっくっくっ。本当に卿の発想には驚かされる。ツェル...
ガタッと立ち上がったツェルプストー伯に頷いて才人も立ち上...
* * *
才人は食事と風呂を世話して貰うと、寝る前にまた呼ばれ、提...
十代半ばもいかない少女達を数人連れていて、才人はいやぁな...
「あぁ、儂の妾だ。卿にはやらん」
「そいつは助かった」才人が本気でホッとするのを笑って見て...
ツェルプストー伯がソファーにどさりと座ると、少女達がツェ...
「若い娘連れてるね」
「年の近いのもおる。さて、この状態をどう思う?」
「どうって……」
才人が詰まる
「卿の常識では、おかしいと思うか」
「……まぁ」
軽く頷いて肯定する才人に、ツェルプストー伯は語り始めた
「儂とてそう思う。だが、そなたはもう、儂と同じく施す側だ...
そう言って酒を妾の少女に注がせ、才人にも注がせると、カチ...
「貴族の底辺と平民。どちらの生活が楽か知っておるか?」
「……いや」
素直に才人は首を振る
「平民の方が遥かに楽だ。貴族は施しをするモノ、つまり見栄...
才人は黙って聞いている
「そんなこんなで国から年金貰っても、あっという間に尽きる...
才人は頷く
「だが、女児だとどうなる?」
「さぁ?」
本気で才人が聞いているので、ツェルプストー伯が答えた
「嫁に出す。言っておくが、トリステインの女王の様に、女が...
「…あぁ」
「だから女は容姿が優れ、教養を持ち、ベッドの上では誰より...
才人は思わずプッと吹いてしまう
「で、家で女が続いた場合どうなる?」
才人はちょっと考えて答えた
「窮乏するのか?」
「その通り。誰か救うか?金ばかりかかる見栄っ張りの下級貴...
「…そうだな」
才人は同意する
「それでも女ばかり。さて、卿が父親ならどうする?婿なんざ...
才人はそこで、冷徹に答えた
「身売りか?」
「そうだ。文字通り身を売る。妾に収まれば万々歳。だが、世...
才人は黙って頷き、酒を含んで促した
「言っておくが、ボロ屑に扱うのは平民の妻の例が圧倒的に多...
「逃げ出した女は修道院に匿って貰うしかない。そういった娘...
「……」
才人は言葉を発しない
「解るか?例え妾として添い遂げられずとも、男児を産みさえ...
「……あぁ」
才人はグラスを手に持ったまま賛同した
「ヴァリエールをそれをやっておらん。だから奴は駄目なのだ」
本気で吐き捨てて、才人は彼の情の深さに感心してしまう
「で、ここにメイジ特有の問題が入る」
才人はその言葉に返した
「血の濃さか?」
「そうだ。コイツばかりはどうしようも無い。更に系統の問題...
「……そうか」
ツェルプストー伯は妾の身体を軽くまさぐってるが、妾の少女...
ツェルプストー伯が、散々に可愛がっているのだろう
「血が濃くなると、使い手としては強力な使い手が生まれる反...
「…あぁ」
「三代女が続くと、下級貴族なら断絶と思って良い」
「……厳しいんだな」
「そうだ」
ツェルプストー伯も酒を飲み干し、才人の空のグラスと共に、...
「有り難う」
にこりと笑って頷いてくれた少女に笑い返し、才人はツェルプ...
「そういう時は遠縁か平民に嫁いで血を薄くせざるを得ん。実...
「…そうなのか」
「何せ、6000年も続いてるからな」
才人は頷いて、ツェルプストー伯の話に耳を傾ける
「ハルケギニアの貴族の事情は大体解ったな?」
「…あぁ」
パチンとツェルプストー伯が指を鳴らすと、寝室側から二人少...
ちょっとくたびれているドレスを纏っているが、それでも精一...
「今の事情をひっくり返し、卿が救った下級貴族の少女達の一...
思わず、才人が固まってしまった
「……俺が?」
「そうだ。卿が火のメイジの使い途を増やしてくれたお陰で、...
「……ざけんなこの野郎……かな?」才人は苦笑して答え、ツェル...
「まぁ、そういう訳だ。成長に期待しろ」
「…了解。君達がゼロ級のフレーム作ってたんだね、有り難う」
少女達は首を振って答えた
「いえ、助けられたのは私達です」
「じゃあ、助けた序でに、もう一つ助けてやれ」
ツェルプストー伯の言葉に、才人の動きが止まる
「……はっ?」
「言ったろ?火のメイジで女続きの三代目。詰んでる少女を救...
才人はその言葉にグラスの酒を見た
「まさか……」
「くっくっくっくっ。まだまだ甘いな、イーヴァルディ」
ツェルプストー伯が立ち上がって、妾達を両手に抱えて笑いな...
「いや、流石に歳でな。代わりが見つかって助かった助かった...
パタンと扉が開閉してツェルプストー伯が去り、ひょいっと少...
* * *
才人が目覚めた時、自己嫌悪に襲われ顔を手の平で覆い隠した
しかも少女の一人とは合体中、もう一人も腕枕にすやすや寝息...
彼女達も自分も薬と香で桃色だったのが幸いし、悦んでくれた...
「おはようございます。才人さま」
「おはよう」
未だに二人の名前を知らないが、少女達は名乗らない
「初めてでしたけど、素敵でした」
二人がそう言って微笑み、才人はホッとする
そのまま朝食の席迄一緒にしたが、仕事なので出ようとして掴...
「私達、ツェルプストー伯に伺いました。私達みたいな者に迄...
「いや、ツェルプストー伯が雇ってくれたからだよ」
少女達が首を振る
「私達は下級貴族で、初潮を迎えたら、いつでも嫁に出される...
才人はその言葉に頷くしか出来ない
「新しい仕事があると言って、ツェルプストー伯が行き場の無...
「そっか」
もう一人も訴える
「それもこれも、新しい魔法と技術をもたらした才人さまのお...
少女達が名前を言わない理由も何となく判った。あくまで行き...
『健気だなぁ』
貴族には貴族の苦労がある。ツェルプストー伯が力を求める理...
力を増やして、一人でも多く引き上げたいのだろう。その為な...
「俺は自分の目的に沿ってやってるんだ」
そう言って首を振るのが精一杯の才人。そしたら彼女達が笑い...
「ツェルプストー伯がおっしゃってました。絶対にそう言うっ...
全く嫌になる位キレる親父である。才人は苦笑するしかなかった
「せめて名前を教えてくれるかな?」
才人の言葉に、二人はかぁっとなりながら答えた
「イーリスです」「リリ」
「分かった。イーリス、リリ。仕事だから」
そしたら二人してギュッと掴まれ、首を振られてしまう
「授けて下さる約束して下さらないなら、嫌です」
「……分かったよ。俺で良ければ」
二人はニコッって笑って才人の耳元に唇を寄せようとしたので...
「もう一度、授けて下さい」
才人が思わず二人を見ると、二人共に真っ赤な顔をしていて、...
「姫の要求ならば、ヤーとしか言えないね」才人に抱えられた...
* * *
才人が零戦でグラモンに移動すると、既に補給は終わらせてい...
零戦を見た甲板員達がばたばた走り、艦橋から艦尾に制動ロー...
着陸態勢に入った零戦が艦尾フックにロープが引っ掛かったの...
「制動開始〜〜!」
「制動開始!」
制動ロープが巻かれてるドラムに、帆布を分厚く織って金属粉...
零戦のブレーキと共に制動し、甲板目一杯で制止した
「ふぅ、本当に大したもんだな、おい」
才人が風防を開けてると甲板員が走って来て、ロープを外して...
「艦長、お帰りなさい」
「ただ今。じゃあ、収納頼むわ」
「了解。ブレーキ外しておいて下さい。我々が手押しで収容し...
才人が頷いてエンジンを切るとバッと飛び降りて艦橋に向かい...
* * *
才人が艦橋に登ると、航海長と副航海長が敬礼し、他の士官達...
パンパンパンパン
「いや、お見事お見事。もう大部良いね。後三日で一番艦に全...
「いえいえ、こんなに色々機能が付いてましたから、使える様...
才人が一人一人の手を取ったのは決しておざなりではなく、ま...
才人は、そのまま機関室に向かって降りて行く
* * *
機関室に顔を出した才人を、全員が敬礼を持って出迎えた
「あぁ、楽にしてくれ」
才人の声で全員が直り、才人が副機関長に状態を聞く
「点検記録出してくれ」
「はっ」
才人が点検記録を見ながらジッと動かず、目の鋭さに全員が直...
「……舵チェックもOKと。停止中の主翼内駆動チェーン点検と吸...
才人の言葉に一斉に全員青ざめた
「申し訳有りません!やっておりません!」
才人は少し考えて命令する
「…マニュアルを出して見ろ」
「はっ」
マニュアルを出して見せたので、才人はパラパラと捲って該当...
「この通り、完全停止中に行うべき点検方法として書いてある...
才人の言に、正直に答えた
「駆動中は危険だからです」
才人はその言に頷いた
「宜しい。ならば俺と一緒に全員でかかるぞ。今から点検作業...
「ウィ!点検入るぞ、カカレ!」
「「「ウィ」」」
全員が点検道具を持って、アッパーデッキに向けて走って行く
中には副機関長二人と才人が残っていた
「点検作業は重要だ。人間は完璧に物を作れない。毎回点検し...
「了解しました。艦長」
才人は敬礼に頷いて、二人を促して階段を登っていった
* * *
才人は、先に降りていた機関士達と共に、点検の仕方を実演で...
主翼内のチェーン張り不具合時の張り直し迄実演する丁寧振り...
「コイツは弛み過ぎても張り過ぎても駄目だからな、この張り...
「はい!」
才人の後に、一人ずつチェーン張りを確認すると、保護カバー...
「保護ゴム忘れんなよ?一番忘れるからな」
「はい」
左翼から始めて、右翼は全員が同じ様に二艦の配属チームに別...
* * *
そして機関室に戻って来て、才人が主機関系バルブを開閉しニ...
「お、慣らしが上手くいってるな。当たりが出て操作が軽い。...
「「「ウィ!」」」
才人の言葉に、全員が敬礼で応えた
* * *
才人はそのまま医務室に行くと、常駐の水使い兼医師の医務官...
「貴方達のお陰で、皆が健康に過ごせました」
「まだ終わってませんよ。それに我々も高々度でのデータ取り...
「そいつは是非とも。良い考えだ」
才人がにやりとすると医務官達が敬礼し、才人は離れた
* * *
才人が食堂に寄ると、司厨達が仕込みをしているので邪魔をし...
「あんた達、軍人辞めてレストラン開いたら?」
「良いですね、それ。空中レストラン、オストラントってのは...
才人はきょとんとしてから、くっくっくっくっと笑いが込み上...
「実験終わったら、貨客船にすっか」
「その時は是非とも御一報を。そんなレストランで、働いてみ...
仕込みをしてた司厨達が視線を才人に向けて笑いかけ、才人は...
「あぁ、良いね。面白そうだ。戦争より、ずっと良い」
「なら、さっさと終わらせましょう、艦長」
「あぁ」
才人が手を振って立ち去り、司厨達は仕込みに戻る
「空中レストランオストラントの司厨は我々だ。誰にも恥じぬ...
「ウィ」
* * *
才人はその後、4番デッキに移動し、たむろしてる甲板員達に...
「あんたらで一番の花形は信号手じゃね?」
「あっはっはっはっ!確かに!でもあんなに寒いのはゴメンだ...
常にデッキで一番寒い思いをしてる信号手達が、苦笑して頷いた
哨戒は艦橋から出来るので普段は誰も出なくて構わないのだが...
「あんた達のコンビネーションのお陰で艦のシステムがスムー...
「おぅ、任せてくれ!艦長が一発着艦出来る様に動いてやんぜ...
才人がグッと親指を立てると皆が立て返す。既に共通の合図と...
* * *
才人は更に風石稼働室に向かい、入室する
天井フレームに上下の蓋に鉄板が張られた太鼓型の樽が何個も...
既に離陸したのだろう
風石は衝撃で魔力を解放し、消耗する。樽は一枚だけガラス張...
基本的に一列定期交換式で、残った風石を一つの樽に纏める方...
この方式が一番安定出来るのである
大まかに右中左と区分されていて、集中大アクセル一つと、そ...
前回事故は慣らしが不十分だった為の小アクセル洩れと大スロ...
スロットルはギヤにより、回転量で微調整する
更にボイラーがダウンした時の為に、自転車のサドルとそこか...
以前の事故時に大活躍したので、手入れが行き届いてピカピカだ
高度計も設計し、真空ポンプ(加圧が出来るなら負圧も可能。逆...
人間の技量は、器械に勝るとも劣らないのだ
才人は文字通りの縁の下の力持ち達に声を掛けた
「緊急事態の時こそあんた達の出番だ。無い事を願うよ」
「ま、そういう時は任せてくれ。伊達に鍛えちゃ居ませんぜ。...
才人はきょとんとしてから、笑い出した
「あっはっはっはっ!そりゃスゲー。俺もトレーニングに加え...
「そんときゃ歓迎しますわ。どっちがスタミナ持つか勝負でし...
「そのムキムキには勝てそうにねぇなぁ」
片手を上げた航海士達に才人も上げてバシリと握り、お互いニ...
「この船は風石の消費が少ねぇし、皆楽出来るから鈍っちまう...
「まぁまぁ、体力維持に黙って手動やってても構わんよ。そん...
そしたら全員がニヤリとする
「あたぼうよ。俺達は風石の面倒見続けて、うん年の連中ばっ...
「全くだ。前の船はバネ式とか、十人単位で各々ぶっ叩いたり...
皆してうんうん頷いている
「あんた達にそう言って貰えるなら、こだわって良かったよ」
才人はそう言って手を振って退室し、扉を閉めると音が聴こえ...
* * *
ガチャ
才人は機関長室に入ると、エレオノールが弾頭を作っていた
「今日は進んだ?」
「まぁね」
キコキコ漕ぎながらボックスのハンドルを回して、雷管を閉鎖...
「オシェラ・ラナ・デル・ウィンデ」
遺産、つまり残すと云う意味だ
永続魔法時に付け足すルーンである
手応えを感じるとブローをしてパカッと開いた
「とりあえず以前とやってた分と合わせて100発完了。編むんで...
「あぁ」
才人はそう言って、布を弾帯寸法を見切ってケガキ始めた
零戦搭載の7.7mm機銃は弾帯が布製だ。才人は見た時に驚いたの...
ちくちく縫って弾頭を通して調べた時の感触と比べて確認し、...
才人は知らないが、元々7.7mm弾.303ブリティッシュは黒色火薬...
本当に幸運なのだ
それを魔法強化で威力をはね上げ、更に威力に耐えられる様に...
20mm弾頭は他に使い途が無いので、現在は生産はしない。そん...
そんなこんなで二人が黙々と作業をしてると、ずしずしと音が...
第二陣の到着である
才人は伝声管に寄って伝声管を木槌でカンカン叩く
艦橋が普段蓋をしているが、音が鳴れば出てくる
〈はい〉
「機関長室にて作業中だ。挨拶が必要なら声を掛けてくれ」
〈了解〉
才人はそう言ってまた弾帯編みに戻り、エレオノールは何故か...
* * *
才人が二陣の竜騎士達に挨拶し、その後はエレオノールと食事...
勿論お姫様のご希望の、才人による全身洗いだ
「最近自分で洗ってんのか?」
「昨日はちゃんと洗ったわよ。才人の背中洗いに比べると駄目...
「あ、解るわ、それ。人に背中流して貰うの最高だよな」
そこで非常に小さくエレオノールは声を洩らした
「……の洗い方が一番なのよ」
才人は聴こえなかったので、聞いてみた
「何か言ったか?」「別に」
「そうか」
エレオノールは才人が洗い終わると、初めて才人の背中を洗い...
前は才人が洗ってる為、そのまま胸を当てて泡だらけの両手で...
才人が勃起するとすかさず湯を流して前に回り込んで、彼しか...
「私のここ、どう?」
「匂いも形も最高。見て嗅いでるだけでいきり勃つ。胸も絶妙...
そう言って才人が乳首を舐めるとエレオノールは彼の頭を抱き...
小さくても好きと言ってくれる。とっても嬉しい
「じゃあ、入れなさいよ。全部出しなさい。あんたの傍に居る...
そう言って腰を降ろし、才人に繋がると才人に絡まった
才人は繋がったまま湯船に入ると、エレオノールは無心に腰を...
「……ふ、ん…」「更に感度上がったな」
「…るさい。敏感な女好きでしょう?」「あぁ……大好きだ」
そう言って才人が射精すると、エレオノールが腰を深く繋げて...
風呂から上がると、タオルで拭いてそのままで、バスローブを...
身体を拭いて髪を拭きながら才人の前に立ったエレオノールが...
二人きりの時は、エレオノールは一切容赦しない。才人をあら...
薬も良いが、無しの感覚もまた良い
湿って擦れなくなった分を、自身の愛液をお尻をぐりぐり動か...
頭を拭いてた才人が息子を固定すると、エレオノールがぬぷぷ...
「ん……」「髪拭けよ」
「やって……」
お姫様の要求は3日分の埋め合わせだと、才人も気付いた
「…ったく」
才人はエレオノールの上半身を持つと、ぐいっと持ち上げ、エ...
「や、あぁっ!?う、奥、無理矢理ぃ」
そのまま歩いて行って、エレオノールをベッドに寄り掛からせ...
「ひい゛!」
ビクッビクッと自身の意思を無視して震える身体に、欲しいモ...
「も、もっと」
才人は自身もベッドに上がってエレオノールの脚を降ろすと、...
「ぐぅ」唸りつつ才人はエレオノールの髪を拭き、エレオノー...
才人が耐えて拭いてると、エレオノールの尻の押し付けが強く...
才人より先にエレオノールが震え、才人も思わず射精してしまう
「…少し、身繕いしろよ」「……やってよ」
タオルを被ったまま、我が侭言い放題のエレオノール
才人はエレオノールをひっくり返し、身体を持ち上げてベッド...
「…俺より性欲強いよな」
「るさい。殆ど毎日取っ替え引っ替えしてるあんたと違って、...
エレオノールは才人の耳をかぷりと噛み、更に舐める
「私にも、訳解んないわよ」
完全密着でエレオノールが離れない
「あんたの匂いと肌触りが狂わせるのよ。囁かれたいのよ。ず...
エレオノールがそう言って眼を瞑っている。才人は無言で髪を...
「……我が侭言い過ぎたわ」「…何が欲しい?」
エレオノールは、その言葉に思わず聞き返す
「……良いの?」「俺が出来る範囲でな」
「…装飾品が欲しい。小さい奴で、主張は控え目だけど、どんな...
「…アクセサリーはさっぱりなんだがなぁ」才人はそう言って、...
「どんなに趣味が悪くても、ずっと身に付けてやる。せいぜい...
「はぁ、本当に勝てねぇなぁ、全く」
才人はそう言って、エレオノールの髪を拭いながら壁に寄り掛...
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