ゼロの使い魔保管庫
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撤退
「糞っ、一体何がどうなっている?」「とにかく撤退だ。こん...
最高司令官がいきなり戦死したサウスゴータのトリステイン=...
「皆、最小限の手荷物だけ持って逃げるわよ!仲間割れが発生...
目端の利く者の一人、スカロンは従業員の妖精さんを手早くま...
酒類を全て捨てる決断をする
「もう、冗談じゃないわよ!大損じゃないの!」「そんな事よ...
「決まってるじゃない。ゼロ級よ。朝一便が停泊してるのに乗...
ジェシカが皆に伝えて落ち着きを取り戻させる
「皆、ゼロ級に乗るわ。あの船なら逃げられるから、慌てず急...
あくまで明るく答えた妖精さん達は、何時もの手際で荷物を纏...
* * *
ルイズは仕事ばかりの才人の邪魔にならぬ様、ギーシュの部隊...
辺りが慌しく行き来してるのを怪訝に思ってたのだが、ギーシ...
「反逆者とサウスゴータ市民の反乱に遭った。今から全部隊を...
ルイズの言葉に、ギーシュが髪を掻きむしって怒鳴り出す
「僕だってそう信じたいさ!でも事実なんだよ!サウスゴータ...
ルイズはそう言うので精一杯で、そのまま身繕いを始めて、ギ...
ギーシュの怒号が辺りに響く
「第二鉄砲中隊整列!撤退開始!ニコラ、委細任せる!」「ウ...
ニコラの返事にルイズが怪訝な顔して呟いた「…何でマム(母)な...
今だに、知らぬが仏である
* * *
才人はたまたまオストラントが停泊していた為に、宿泊を女性...
ヴァリエール姉妹は二人揃うと困った事に対抗心を出してしま...
「今回は、ワタクシが3回出して貰って、10回イッたから、ワタ...
桃髪の美女が口に手を当てて二人を見回し目元で二人を見下し...
「はっ、10回なんて数が数えられるなんて、まだまだ甘いわ。...
「そうですよね〜。薬なんか使わなくても、才人さんが出涸ら...
二人がグリンとシエスタを見て、才人はシエスタの胸で頭部を...
そんな時の事である
カンカンと伝声管が鳴らされたので、才人が出ると<艦長大変で...
「どうした?」<トリステインの市民達が大挙して来ます。何か...
才人は聞いた瞬間に指示を出す「総員起こし、ボイラーアイド...
才人がバッと跳ね起き、装備を整え出したのを見て、遅れて三...
* * *
「状況は?」艦橋に出て来た才人がすかさず聞き、当直のマル...
「不味いな、休戦が破られたと見て良いだろう。全員着の身着...
双眼鏡片手に答えるアルベールに、才人も頷く
「なるたけ全員収容したい。何とかなるか?」「さあて、1000...
才人の返事にアルベールが頷いて、才人が指示を出す
「ゼロ機関職員は、民間人の退避に全力を出せ」「了解、艦長...
才人は艦橋から降りて行きながら、答えたのだ
「誰かが殿しなきゃならんのだろ?」「…死ぬなよ」「俺は臆病...
そう言って、才人は降りて行ったのだ
* * *
「相棒、どうすんだ?」「どうすんだって、どうすっかねぇ…」
カンカンカンと階段を下りながらデルフの問いに考えてる振り...
そんな才人がアッパーデッキに出ようとすると、金髪眼鏡の美...
「…」無言で才人を睨む。才人はそんな美人の肩にポンと手を置...
「…行くのね」「…あぁ」才人は話しかけられ、つい歩みを止め...
そう、一旦決めたら梃子でも動かない才人を止める力を、エレ...
「艦長の仕事、充分に有るわよ。避難民の誘導、艦の適切な退...
顔をぐしゃぐしゃに歪めたエレオノールは、とうとう我慢出来...
「あんたって、いっつもそう!やせ我慢してる癖に!泣きたい...
才人は背中を向けたまま、黙って立っている
「なのに…何で……何で…一番辛い役割、いっつも一人でやろうと...
そのまま、才人の背中に額を預けしばし嗚咽し、才人は黙って...
「必ず…帰って来なさいよ」「…あぁ」
才人が扉を開いて出て行き、心配げに見ていたカトレアとシエ...
「がどれあ〜。ごめん、ワダシィ、い、いえながっだぁ」「姉...
カトレアがエレオノールを抱き締めると、エレオノールが抱き...
「行がないでって、言おうどじだのに、いっじょにみんなをだ...
そう、その場に居た、女性達の分全ての涙を、エレオノールは...
* * *
才人は避難民でごった返す街道を一人、逆方向に向けて走って...
「相棒、戦場に行ってもどうにもならんぞ?」「まだルイズ達...
そう言ってひたすら走るが、避難民が居るせいで上手くいかな...
「糞、間に合えよ」「相棒、竜騎士だ」「ざけんなクソッタレ...
言いながら03式を取り出してガチンと弾込めし、狙いを付けよ...
「ちょっと待て相棒、味方だ」「何っ?」
降りて来たのは青い身体が特徴の風竜で、身体の大きさが成竜...
「やあ、才人。話は後、乗りな」「あぁ、助かった」
才人を拾い上げたジュリオは短く情報を交わす事に専念し、才...
「何処に行くんだい?皆、撤退始めてる」「ルイズの所だ」「…...
ジュリオはそう言うだけで、ルイズ達が撤退してるだろう先に...
* * *
ゼロ機関は避難民を受け入れて大わらわだ。更に拍車を掛けた...
「我々を先に乗せろ!」「はぁ?寝言は寝て言いなさい!!民間...
「我々が全滅したら誰がその民間人を守る力を持つと言うのだ...
本気で激昂したマルセルがぶんと03式を軍人の額に当てて撃鉄...
「お前の様な屑は生かしておけん。此処で死ね」「やれるもん...
指揮官の後ろでガチャガチャと武装する音が響き、一触即発だ
「双方とも止めんかぁ!」
現れた人物は、軍人なら知らぬ者は居ない、グラモン伯ジョル...
「マルセル、こんな奴に弾を使うな。弾が勿体無いだろうが」...
指揮官の方が火に油を注がれ、更に剣呑になるが、ジョルジュ...
「お前ら傭兵だな。良いから行け」「…何だ。話が判るじゃねえ...
そのまま乗り込もうとした傭兵に、更に声を掛ける
「但しっ!全員武装を放棄しろ。これが条件だ。そしたら全員...
話を振られたエレオノールが頷いて見せた「えぇ、武装解除は...
流石に虚を突かれた傭兵達が、文句を言い出したのだ
「装備は俺達の商売道具だぜ。そいつを捨てろってのかよ?」...
そんなエレオノールに援護射撃が入る
「何よ?商売道具を捨てて来たのはあんた達だけじゃ無いわよ...
流石に民間人達が参加したら数に負ける。指揮官は部下達に指...
「…全員武装を捨てろ」「…了解」
装備を捨てた傭兵隊がタラップに乗る列に混じり、避難民を続...
「助かったわ、ジョルジュ」「あんなのにいちいち構うな。傭...
ペッと唾を吐くマルセルに苦笑するジョルジュ。そんなジョル...
「所でジョルジュはどうするの?」「そんな事は決まってる。...
「ええ。死なないでよ?」「当たり前だ。グラモン伯ジョルジ...
「…ご馳走様」こんな事をさらりと言えるのが、グラモンである
* * *
才人を乗せたジュリオは、撤退戦を行っているド・ヴィヌイー...
「どうする才人?」「ちょっと待て…何だあれは?」
今迄大隊がアルビオンと交戦しながら次々に撤退する様を見て...
「コイツは一体何の冗談だよ…」才人の問いに、ジュリオが答える
「魔法だよ…多分ね。こんな広域に浸透させるなんて、どうやっ...
流石のジュリオも唖然とし、その様を見送ってると、敵竜騎士...
「おわっ」才人の声は完全に無視し、無言でアズーリを駆り、...
「これで、26騎撃墜っと。君の記録に並んだかな?」「ばっか...
結構自慢していたのだが、あっさり否定されて、からからと笑...
陰湿さが無いのが、ジュリオの憎めない所だろう
「で、どうするんだい?」「間に落としてくれ」「了解」
互いに短く指示を下し、互いに一片の迷いも無い
ジュリオはそのまま降下体勢に入って行き、混乱に更に拍車が...
* * *
「隊長不味い!第一と第三が裏切った!」「嫌んなるよ!こん...
ギーシュとニコラが大ピンチに全力疾走を命じ、ルイズは正に...
「っもう!こんな時に何やってるのよ!ばかいぬぅぅぅぅぅぅ...
思わず出てしまった愚痴に呼応し、ギーシュ達に影が掛かり、...
「峰打ちだ!一応味方だかんな。優しい相棒に感謝しろよ、お...
大声で憎まれ口を叩くのは何時ものインテリジェンスソード。...
「才人!」「サイト!」
走って来る人影に思わず足を止めようとする二人に、ニコラか...
「何してんだ二人共!走れ馬鹿!」怒号にまた前を向いて走り...
とにかく、ギーシュ達の隊は才人とジュリオの支援により、死...
* * *
第二鉄砲中隊。度重なる連戦に、総勢40を切っている。互いに...
「はあ、はあ。助かったよ、才人。流石に今回はもう駄目かと...
才人は短く答えたのみだ。ルイズは会話する余力は無く、ぜぇ...
そんな中、ジュリオが偵察から帰って来て、着地すると情勢を...
「聞いてくれ。裏切った隊はアルビオン軍との合流を待ってか...
才人はギーシュとニコラに顔を向けると、二人は頷いた
「同感」「さっさと逃げましょうや」
続いてルイズを見ると、ジュリオに言ったのだ
「ジュリオ、ルイズを乗せて下がってくれ」「何でだい?殿は...
ルイズはその言葉に顔を上げて才人の顔を見た。何も感情らし...
「だったら逃走経路の確保に使ってくれ。空から全体が見れる...
「ルイズは撤退戦の足手纏いだ。ジュリオに乗っけて貰ってさ...
抗弁するルイズに近寄り、屈んでルイズの顔の高さに顔を寄せ...
「な、何よ?まさか、こここんな所で、今生の別れのキキキキ...
じたばたもがくルイズを無理やり固定して才人はキスを続行す...
暫く才人の舌との交歓に蕩けていると、ごくんと咽が何かを飲...
「…一体、何を飲ませ…」キッとした目は直ぐにとろんとして身...
「良いのかい?」「…ああ。ギーシュ、足手纏いはジュリオに任...
「ちょっと待ってよ、才人。まさか、一人で?」「ギーシュは...
才人が何をするか分ってた。でも、ギーシュには隊長として、...
顔を泣きそうにしながら、命令を下したのだ
「…イーヴァルディに殿を命じる!」「了解」
泣きそうな顔のまま、更に部隊に命令を下す
「イーヴァルディが時間を稼いでいる間に撤収する。目的地、...
整然と撤退して行こうとする部隊から、一人残る者が出た
「ニコラ、何してるんだ?さっさと撤退だ」「ええ、行って下...
ニコラは言いながら隊を促し、ギーシュは顔を前に向けたのだ
「任せた!」「おう!任された!」
デルフの声に送られて、ギーシュ達は整然と撤退して行ったの...
「随分と損な役回りを選んだもんだね、ニコラさん」「いやい...
そう言いながら、01式を抜いて銃剣を取り付け、臨戦を取り始...
軍靴が石畳の地面を蹴る音が響く中、才人は更にニコラに話し...
「傭兵は負け戦は逃げるんじゃなかった?」「普通はそうです...
言いながら才人の右隣を自然に歩き、無造作に銃剣を才人に右...
「…ぐぁっ!!」「…てめぇも操られたのか?」
たたらを踏んだ才人に笑みを浮かべ、ニコラは朔杖を抜きなが...
「いやいや、違いますよ。あんた、傭兵隊を壊滅させた事有る...
「いやぁ、戦場の顔馴染み程度ですわ。ですけどね、壊滅させ...
朔杖で固めつつ、更にゆっくりと説明するニコラ。才人の肝臓...
「連中が内職する為に、一時離脱してたのは聞いてたんですが...
立てた01式に弾丸を装填し、更に朔杖で詰めるニコラ。そして...
「兄さんが、何をやってるかなんてのは、どうでも良い。幼い...
才人は血が足りないのか、俯き始め、ニコラは勝利を確信して...
「兄さんは銅貨一枚で死ぬんだ。お似合いだろ?」「…全くだ……...
その時、才人は左手で鞘を握り、右手で柄に手を添えてガンダ...
両断されて、ずれる身体で血を吐きながら、ニコラは自嘲気味...
その呟きは、才人には聞こえず、才人は傷薬を飲みつつ、地面...
「…相棒」「…クククククク、あははははははははは!!これが...
傷つけられた肝臓は元に戻らず、才人は痛みに震える
「…相棒は悪くねえ…だからな…」「何言ってんだ、デルフ?すこ...
才人は立ち上がり、歩き出したのだ。そう、敵が現れるだろう...
* * *
終了行:
撤退
「糞っ、一体何がどうなっている?」「とにかく撤退だ。こん...
最高司令官がいきなり戦死したサウスゴータのトリステイン=...
「皆、最小限の手荷物だけ持って逃げるわよ!仲間割れが発生...
目端の利く者の一人、スカロンは従業員の妖精さんを手早くま...
酒類を全て捨てる決断をする
「もう、冗談じゃないわよ!大損じゃないの!」「そんな事よ...
「決まってるじゃない。ゼロ級よ。朝一便が停泊してるのに乗...
ジェシカが皆に伝えて落ち着きを取り戻させる
「皆、ゼロ級に乗るわ。あの船なら逃げられるから、慌てず急...
あくまで明るく答えた妖精さん達は、何時もの手際で荷物を纏...
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ルイズは仕事ばかりの才人の邪魔にならぬ様、ギーシュの部隊...
辺りが慌しく行き来してるのを怪訝に思ってたのだが、ギーシ...
「反逆者とサウスゴータ市民の反乱に遭った。今から全部隊を...
ルイズの言葉に、ギーシュが髪を掻きむしって怒鳴り出す
「僕だってそう信じたいさ!でも事実なんだよ!サウスゴータ...
ルイズはそう言うので精一杯で、そのまま身繕いを始めて、ギ...
ギーシュの怒号が辺りに響く
「第二鉄砲中隊整列!撤退開始!ニコラ、委細任せる!」「ウ...
ニコラの返事にルイズが怪訝な顔して呟いた「…何でマム(母)な...
今だに、知らぬが仏である
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才人はたまたまオストラントが停泊していた為に、宿泊を女性...
ヴァリエール姉妹は二人揃うと困った事に対抗心を出してしま...
「今回は、ワタクシが3回出して貰って、10回イッたから、ワタ...
桃髪の美女が口に手を当てて二人を見回し目元で二人を見下し...
「はっ、10回なんて数が数えられるなんて、まだまだ甘いわ。...
「そうですよね〜。薬なんか使わなくても、才人さんが出涸ら...
二人がグリンとシエスタを見て、才人はシエスタの胸で頭部を...
そんな時の事である
カンカンと伝声管が鳴らされたので、才人が出ると<艦長大変で...
「どうした?」<トリステインの市民達が大挙して来ます。何か...
才人は聞いた瞬間に指示を出す「総員起こし、ボイラーアイド...
才人がバッと跳ね起き、装備を整え出したのを見て、遅れて三...
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「状況は?」艦橋に出て来た才人がすかさず聞き、当直のマル...
「不味いな、休戦が破られたと見て良いだろう。全員着の身着...
双眼鏡片手に答えるアルベールに、才人も頷く
「なるたけ全員収容したい。何とかなるか?」「さあて、1000...
才人の返事にアルベールが頷いて、才人が指示を出す
「ゼロ機関職員は、民間人の退避に全力を出せ」「了解、艦長...
才人は艦橋から降りて行きながら、答えたのだ
「誰かが殿しなきゃならんのだろ?」「…死ぬなよ」「俺は臆病...
そう言って、才人は降りて行ったのだ
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「相棒、どうすんだ?」「どうすんだって、どうすっかねぇ…」
カンカンカンと階段を下りながらデルフの問いに考えてる振り...
そんな才人がアッパーデッキに出ようとすると、金髪眼鏡の美...
「…」無言で才人を睨む。才人はそんな美人の肩にポンと手を置...
「…行くのね」「…あぁ」才人は話しかけられ、つい歩みを止め...
そう、一旦決めたら梃子でも動かない才人を止める力を、エレ...
「艦長の仕事、充分に有るわよ。避難民の誘導、艦の適切な退...
顔をぐしゃぐしゃに歪めたエレオノールは、とうとう我慢出来...
「あんたって、いっつもそう!やせ我慢してる癖に!泣きたい...
才人は背中を向けたまま、黙って立っている
「なのに…何で……何で…一番辛い役割、いっつも一人でやろうと...
そのまま、才人の背中に額を預けしばし嗚咽し、才人は黙って...
「必ず…帰って来なさいよ」「…あぁ」
才人が扉を開いて出て行き、心配げに見ていたカトレアとシエ...
「がどれあ〜。ごめん、ワダシィ、い、いえながっだぁ」「姉...
カトレアがエレオノールを抱き締めると、エレオノールが抱き...
「行がないでって、言おうどじだのに、いっじょにみんなをだ...
そう、その場に居た、女性達の分全ての涙を、エレオノールは...
* * *
才人は避難民でごった返す街道を一人、逆方向に向けて走って...
「相棒、戦場に行ってもどうにもならんぞ?」「まだルイズ達...
そう言ってひたすら走るが、避難民が居るせいで上手くいかな...
「糞、間に合えよ」「相棒、竜騎士だ」「ざけんなクソッタレ...
言いながら03式を取り出してガチンと弾込めし、狙いを付けよ...
「ちょっと待て相棒、味方だ」「何っ?」
降りて来たのは青い身体が特徴の風竜で、身体の大きさが成竜...
「やあ、才人。話は後、乗りな」「あぁ、助かった」
才人を拾い上げたジュリオは短く情報を交わす事に専念し、才...
「何処に行くんだい?皆、撤退始めてる」「ルイズの所だ」「…...
ジュリオはそう言うだけで、ルイズ達が撤退してるだろう先に...
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ゼロ機関は避難民を受け入れて大わらわだ。更に拍車を掛けた...
「我々を先に乗せろ!」「はぁ?寝言は寝て言いなさい!!民間...
「我々が全滅したら誰がその民間人を守る力を持つと言うのだ...
本気で激昂したマルセルがぶんと03式を軍人の額に当てて撃鉄...
「お前の様な屑は生かしておけん。此処で死ね」「やれるもん...
指揮官の後ろでガチャガチャと武装する音が響き、一触即発だ
「双方とも止めんかぁ!」
現れた人物は、軍人なら知らぬ者は居ない、グラモン伯ジョル...
「マルセル、こんな奴に弾を使うな。弾が勿体無いだろうが」...
指揮官の方が火に油を注がれ、更に剣呑になるが、ジョルジュ...
「お前ら傭兵だな。良いから行け」「…何だ。話が判るじゃねえ...
そのまま乗り込もうとした傭兵に、更に声を掛ける
「但しっ!全員武装を放棄しろ。これが条件だ。そしたら全員...
話を振られたエレオノールが頷いて見せた「えぇ、武装解除は...
流石に虚を突かれた傭兵達が、文句を言い出したのだ
「装備は俺達の商売道具だぜ。そいつを捨てろってのかよ?」...
そんなエレオノールに援護射撃が入る
「何よ?商売道具を捨てて来たのはあんた達だけじゃ無いわよ...
流石に民間人達が参加したら数に負ける。指揮官は部下達に指...
「…全員武装を捨てろ」「…了解」
装備を捨てた傭兵隊がタラップに乗る列に混じり、避難民を続...
「助かったわ、ジョルジュ」「あんなのにいちいち構うな。傭...
ペッと唾を吐くマルセルに苦笑するジョルジュ。そんなジョル...
「所でジョルジュはどうするの?」「そんな事は決まってる。...
「ええ。死なないでよ?」「当たり前だ。グラモン伯ジョルジ...
「…ご馳走様」こんな事をさらりと言えるのが、グラモンである
* * *
才人を乗せたジュリオは、撤退戦を行っているド・ヴィヌイー...
「どうする才人?」「ちょっと待て…何だあれは?」
今迄大隊がアルビオンと交戦しながら次々に撤退する様を見て...
「コイツは一体何の冗談だよ…」才人の問いに、ジュリオが答える
「魔法だよ…多分ね。こんな広域に浸透させるなんて、どうやっ...
流石のジュリオも唖然とし、その様を見送ってると、敵竜騎士...
「おわっ」才人の声は完全に無視し、無言でアズーリを駆り、...
「これで、26騎撃墜っと。君の記録に並んだかな?」「ばっか...
結構自慢していたのだが、あっさり否定されて、からからと笑...
陰湿さが無いのが、ジュリオの憎めない所だろう
「で、どうするんだい?」「間に落としてくれ」「了解」
互いに短く指示を下し、互いに一片の迷いも無い
ジュリオはそのまま降下体勢に入って行き、混乱に更に拍車が...
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「隊長不味い!第一と第三が裏切った!」「嫌んなるよ!こん...
ギーシュとニコラが大ピンチに全力疾走を命じ、ルイズは正に...
「っもう!こんな時に何やってるのよ!ばかいぬぅぅぅぅぅぅ...
思わず出てしまった愚痴に呼応し、ギーシュ達に影が掛かり、...
「峰打ちだ!一応味方だかんな。優しい相棒に感謝しろよ、お...
大声で憎まれ口を叩くのは何時ものインテリジェンスソード。...
「才人!」「サイト!」
走って来る人影に思わず足を止めようとする二人に、ニコラか...
「何してんだ二人共!走れ馬鹿!」怒号にまた前を向いて走り...
とにかく、ギーシュ達の隊は才人とジュリオの支援により、死...
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第二鉄砲中隊。度重なる連戦に、総勢40を切っている。互いに...
「はあ、はあ。助かったよ、才人。流石に今回はもう駄目かと...
才人は短く答えたのみだ。ルイズは会話する余力は無く、ぜぇ...
そんな中、ジュリオが偵察から帰って来て、着地すると情勢を...
「聞いてくれ。裏切った隊はアルビオン軍との合流を待ってか...
才人はギーシュとニコラに顔を向けると、二人は頷いた
「同感」「さっさと逃げましょうや」
続いてルイズを見ると、ジュリオに言ったのだ
「ジュリオ、ルイズを乗せて下がってくれ」「何でだい?殿は...
ルイズはその言葉に顔を上げて才人の顔を見た。何も感情らし...
「だったら逃走経路の確保に使ってくれ。空から全体が見れる...
「ルイズは撤退戦の足手纏いだ。ジュリオに乗っけて貰ってさ...
抗弁するルイズに近寄り、屈んでルイズの顔の高さに顔を寄せ...
「な、何よ?まさか、こここんな所で、今生の別れのキキキキ...
じたばたもがくルイズを無理やり固定して才人はキスを続行す...
暫く才人の舌との交歓に蕩けていると、ごくんと咽が何かを飲...
「…一体、何を飲ませ…」キッとした目は直ぐにとろんとして身...
「良いのかい?」「…ああ。ギーシュ、足手纏いはジュリオに任...
「ちょっと待ってよ、才人。まさか、一人で?」「ギーシュは...
才人が何をするか分ってた。でも、ギーシュには隊長として、...
顔を泣きそうにしながら、命令を下したのだ
「…イーヴァルディに殿を命じる!」「了解」
泣きそうな顔のまま、更に部隊に命令を下す
「イーヴァルディが時間を稼いでいる間に撤収する。目的地、...
整然と撤退して行こうとする部隊から、一人残る者が出た
「ニコラ、何してるんだ?さっさと撤退だ」「ええ、行って下...
ニコラは言いながら隊を促し、ギーシュは顔を前に向けたのだ
「任せた!」「おう!任された!」
デルフの声に送られて、ギーシュ達は整然と撤退して行ったの...
「随分と損な役回りを選んだもんだね、ニコラさん」「いやい...
そう言いながら、01式を抜いて銃剣を取り付け、臨戦を取り始...
軍靴が石畳の地面を蹴る音が響く中、才人は更にニコラに話し...
「傭兵は負け戦は逃げるんじゃなかった?」「普通はそうです...
言いながら才人の右隣を自然に歩き、無造作に銃剣を才人に右...
「…ぐぁっ!!」「…てめぇも操られたのか?」
たたらを踏んだ才人に笑みを浮かべ、ニコラは朔杖を抜きなが...
「いやいや、違いますよ。あんた、傭兵隊を壊滅させた事有る...
「いやぁ、戦場の顔馴染み程度ですわ。ですけどね、壊滅させ...
朔杖で固めつつ、更にゆっくりと説明するニコラ。才人の肝臓...
「連中が内職する為に、一時離脱してたのは聞いてたんですが...
立てた01式に弾丸を装填し、更に朔杖で詰めるニコラ。そして...
「兄さんが、何をやってるかなんてのは、どうでも良い。幼い...
才人は血が足りないのか、俯き始め、ニコラは勝利を確信して...
「兄さんは銅貨一枚で死ぬんだ。お似合いだろ?」「…全くだ……...
その時、才人は左手で鞘を握り、右手で柄に手を添えてガンダ...
両断されて、ずれる身体で血を吐きながら、ニコラは自嘲気味...
その呟きは、才人には聞こえず、才人は傷薬を飲みつつ、地面...
「…相棒」「…クククククク、あははははははははは!!これが...
傷つけられた肝臓は元に戻らず、才人は痛みに震える
「…相棒は悪くねえ…だからな…」「何言ってんだ、デルフ?すこ...
才人は立ち上がり、歩き出したのだ。そう、敵が現れるだろう...
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