ゼロの使い魔保管庫
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オストラントの周囲では、ジョルジュ率いるグラモン伯軍が鉄...
「伯爵。このままでは全滅です!撤退の指示を」「却下だ。こ...
部下の進言に否を出すが、メイジ部隊との戦力差は覆い難いも...
チャージで前線を削られ、そのまま離脱して戦場を周回し、ま...
「伯爵を守れ〜」「仕留めろ!」
本陣の近衛兵が鉄騎兵と戦闘を始め、ジョルジュに一際派手な...
「グラモン伯とお見受けする。その首、貰いうける」「丁度良...
空中で姿勢を変えて一気に飛び込むジョルジュ、そんなジョル...
「貰った」竜巻がジョルジュを直撃し、巻き込まれたジョルジ...
「硬化で固めたか」「グラモンがこの程度で殺られるか!つい...
言った瞬間に地面に魔力の侵透する光が走り、地面から石の槍...
不意を突かれ、攻撃に魔法を使っていた鉄騎兵達が貫かれ、ハ...
「どうやら、あんたは俺と同じトライアングルみたいだな。ラ...
ハムデンは逃げられない事態に歯噛みし、自身のフルプレート...
そんな中、反対側から攻めていた鉄騎兵部隊から援護が入る。...
率先するのはワルド自身で、偏在の分身がジョルジュの背後を...
巨大な影を操る金髪の青年にちょっと届かない少年は、眼を厳...
「アズーロ、ブレスだ」竜騎士は地上部隊に対しては一騎当千...
戦争に使われる竜種は消耗が激しい為、中々成体にはならない...
火竜にも劣らないブレスに見舞われ、部隊の1/3が火葬され、態...
一騎打ち成立。周りの者達も固唾を飲みつつ邪魔はしない。貴...
「アルビオン鉄騎兵連隊連隊長、ジョン=ハムデン」「トリス...
互いに名乗りを上げ、討ち取る相手の名誉を汚さぬ様、相手の...
彼我の差5メイル。メイジとしては外しようの無い必殺距離。非...
そのまま、二人共相手に向かって飛び、軍杖にブレイドを纏わ...
「やはり、騎士たる者」「ブレイド…だろ?」お互いに相手の顔...
キィン、キン、ギィン
ブレイドがぶつかる度に音が鳴り、風を纏ったハムデンのブレ...
やはり、装備の重量が決め手になった様だ。ぼろぼろになった...
「貴卿の奮戦、我がルビーの光で称える。グラモンに討たれた...
一呼吸置いた瞬間、トリステイン側から歓声が爆発する
「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」「「「グラモ...
天に突き上げられた拳と得物に合わせて、一斉に足踏みが鳴ら...
「ようし、グラモン伯軍、守りきるぞ!」「「「うおぉぉぉぉ...
ジョルジュの声に、得物を手に続々と唱和し、更に激しい防戦...
* * *
ジャケットの内側から滲む血を無視し、才人は街の全景を思い...
03式の銃身に格納出来る様にしていた三脚を引き出し、スコー...
「相棒、確かに進軍するならこの経路だろうけどよ?逃げられ...
「逃げられるとは思えんけどね。まぁ、それしか無ぇか。良い...
「指揮官狙撃したら、とっとと逃走。次の狙撃ポイント迄後退...
「今の相棒は負傷してる。極力斬り結ぶな」「ああ」
「残弾は?」「大してねえよ。赤弾7、緑弾47」「最悪じゃねぇ...
正に撤退戦の苦しみだ。才人が鐘楼から見ていると、部隊が前...
「ちっ、トリステイン部隊だ」「やる事は変わらねぇよ、相棒...
指揮官を一人と一振りで探し出し、狙いを定めて引き金を引いた
ダン!
指揮官の頭が撃ち抜かれたのを確認すると一気に走り出し、階...
* * *
才人の攻撃により、アルビオン部隊側は、進軍を止められ、思...
「ホーキンス将軍、敵の殿の遅滞防御により、上手く進軍出来...
「指揮官が頭を撃ち抜かれて部隊が麻痺。代理指揮官を立てる...
「将軍、例の黒髪の男では?」「確認出来たので無いなら、断...
「はっ」「軽騎兵と竜騎士を出せ。索敵を厳にしろ」「イエス...
* * *
才人は移動して別のポイントに居ると、騎兵が展開されるのを...
「ちっ、騎兵を展開して来やがった」「ありゃあ、索敵だな。...
殿としては、食いついて貰わないとならない。じゃなければ、...
「見た所、貴族兵無し。平民の軽騎兵だな」「なら、コイツで...
立ち止まっては路地を探す騎兵達には実に災難だった。展開し...
ガンダールヴの連射であっさり壊滅されたのを、低空でゆっく...
ダァン!
竜から騎士が落下して行き、本陣に報告が入るのが更に遅れた...
アルビオン本陣は情報の錯綜に悩まされた
曰く、狙撃弓兵中隊が殿をしている
曰く、銃兵を鍛えに鍛えた狙撃銃兵が配置されている
曰く、鮮やかに斬り裂かれた死体が有り、配置されてるのは歴...
「…魔法の痕跡は?」「残渣が確認されていますので、何某かの...
考え込むホーキンス。はっきり言って最悪だ。メイジ兵の可能...
どれか一つでも、習得にかかる時間は数年単位である。どう見...
「…イーヴァルディ」誰かが畏怖を込めて呟き、ぎょっとした面...
「捕虜から聞いたんだよ。トリステインにはイーヴァルディが...
「だってそうだろ?こんな凄腕が部隊なら、絶対に索敵に引っ...
恐慌が伝播しそうになったので、ホーキンスが一喝「呑まれる...
ハッとする参謀達に命令する
「精鋭の少数部隊と判断して行動する。各自横の連絡を密にし...
* * *
撤退を支援する為、ゼロ級が到着し、オストラントは離陸して...
ルイズは艦長室に寝かされ、眼を開けたら馴染みの自分と同じ...
「…ここは?」「気が付いたのね、ルイズ」「…ちぃ姉様?シエ...
ガバッと起きて、そのままカトレアに掴みかかる「サイトは?...
ルイズの願いは、叶えられなかった。カトレアは、ゆっくりと...
「…何でよ?使い魔なんだから、あたしの側に居なきゃ駄目なん...
取り乱してるルイズに、シエスタは事実を突き付けたのだ
「才人さんは、皆を助ける為、殿を引き受けました。此処には...
「何でよ?陛下直属のゼロ機関の長なんでしょ?こんな所で死...
シエスタの剣幕に、思わず詰まるルイズ。静かにシエスタが語...
「何人、撤退支援で残ってると思ってるんですか?才人さんも...
そう、地獄が目の前で繰り広げられながら、全員戦闘にも参加...
マルセルとエレオノールから交戦禁止を堅く命令されて、全員...
「才人さんは私達に、避難民の護送をお願いしたんです。私達...
ルイズの瞳は暗かった「…一人にして」
二人は言われた通りに出て行き、ルイズはベッドの上にぽつん...
「…勇敢な使い魔なんて、イラナイ……有能な使い魔なんて、イラ...
* * *
次々と避難民を乗せていく中、ジョルジュの部隊は漸減して行...
尤も、同じ事は鉄騎兵連隊にも言えた事である
生き残りの最高指揮官たるワルドは、何とか部隊を糾合させる...
「はは…ここいらが潮時か?」「兄さん!」「ギーシュ。撤退出...
聞きなれた声と共に50にも満たない銃兵が開いた戦線に展開し...
「01式の優位性を見せるぞ!…アン撃て!」150メイルの距離に...
「アン下がれ、ドゥ撃て!」更に銃声が轟き、続いて下す「ド...
落馬した騎士の数が増え、突撃を中断して旋回していく鉄騎兵
ジョルジュは見ていて舌を巻いた
「銃兵を上手く使いこなせてるじゃないか」「そう?兄さんが...
流石に戦闘限界に達したと判断したのか、そのまま撤退して行...
「総員、交替で休みつつ警戒を解くな。最後の一人が避難を終...
* * *
グラモン伯軍の奮戦と撤退軍の合流により、ゼロ級の周辺には...
進軍が止まってるのは、ジュリオが偵察に出てありのままを報...
数万に上る避難民を整然とした撤退をさせたのは、ひとえにゼ...
ロサイスに降ろした後、通常型輸送船に乗り換えさせ、ゼロ級...
「皆さん、静かに整然と歩いて下さい!決して走らぬ様に!乗...
人の大量移動時の鉄則は、決して走らせたり、パニックに陥ら...
行軍で慣れてる軍は徹底し、騒ぐ者はサイレンスや念力で無理...
そうして、整然と撤退をしていると昼過ぎになっており、6時間...
「民間人は?」「撤退完了しました。後は我々だけです」
「良し、総員撤収だ。ゼロ級なら撤退中の我々を拾ってくれる...
そう言って全員が長くて短い行軍を開始しようとした所、更に...
「西の山脈から艦影多数〜〜〜!!」「何…だと?アルビオンの...
全員が絶望の淵に追い込まれたが、更に船と竜騎士がロサイス...
「援軍だ!あれは…ワルキューレ級」
駆逐艦の快足を生かして、ワルキューレ級が到着したのだ。そ...
「ちっと遅刻しちまったな。やっと補給したから勘弁してくれ...
そう言いながら、カール=フォン=ツェルプストーは誰にとも...
* * *
「何だ、あの駆逐艦は?」「ゲルマニア旗を掲げています。ゲ...
「我が軍の立場は?」「中立です」
「中立の軍が交戦地域に現れたのをなんと見るかな?」「参戦...
「迎撃しろ」「ウィ」
望遠鏡の中を覗きながら努めて事務的に指示を下し、クラヴィ...
努めて整然と迎撃準備がされて行き、竜騎士の第一撃から交戦...
竜騎士のブレスと魔法と砲弾が交差し、迎撃の光が針鼠の様に...
「不味いな。離脱しろ。奴らは撤退戦だ。追撃は無い」「ウィ」
そう言って指示を下すと、両用艦隊は向きを離脱コースに向け...
「何だ?こちらとの交戦が目的って事じゃないのか?全艦に告...
そう言ってワルキューレ級と竜騎士は部隊警護に就き、整然と...
そう、たった一人を残して
* * *
「棒。相棒」「…んあ?」
呼ばれて目を覚ます才人。今は仮眠でも良いから取って、相手...
「どれ位寝てた?」「大して寝てねぇな。まぁ良いから聞け」
言われたので頷いて先を促す
「別の艦隊が現れた。こちらと一合やった後、進路を変えた」...
「当たりだ。だが問題は別に有る」「…何だ?」「味方の撤退は...
そこまで言って、ふうと溜息を吐く
「…何処まで足掻けば良い?」「後半日。そうすりゃ、ロサイス...
「流石にキツイねぇ」「じゃ、降伏すっかい?」「無理だろ?...
「狙撃兵は必ず殺されると聞いた事が有る。俺はやり過ぎた」...
からから笑うデルフを置いて、死体から分捕ったポーションを...
「移動する。街道沿いの鐘楼を使う」「あいよ」
そう言って、才人達は隠れていた所から飛び出して行った
* * *
アルビオンの街道沿いと云うか、ハルケギニアの街道には、連...
才人はその鐘楼に昇り、部隊を展開するのを見渡せる、サウス...
「さてと、こっちはもう打ち止めに近いな」「でもやるんだろ...
デルフに索敵を任せて、自身は昼寝を決め込む
「…相棒」「何だよ?寝かせろよ。後は正面から突っ込むしか無...
「これで、相棒ともお別れかと思うとなぁ」「死なねえ方法考...
こんな相棒が、デルフは好きだった。やっと出会えた、本物の...
『こんな思い…何時以来かねえ?なぁ、6000年も生きてっと、も...
戦友の最後の舞台が近付いている。そしたら、後は出来る事を...
* * *
運良く索敵から逃れた才人だが、アルビオン側は戦々恐々の態...
「敵兵、撤退した模様です」「だと、良いがな。にしても、何...
ホーキンスの言葉に答えられる者は皆無だった
ガリアの指揮権はこちらに無いのである
そんな中、追撃の準備を推し進めて、やっと市街を抜けて、平...
「全く手こずらせおって。全軍強行軍。付いて来れない者は後...
ホーキンスの指示に輸送馬車と騎兵が展開し、歩兵が進路を譲...
何かが起きたと思ったら、続いて閃光が走り、暫くしてから銃...
「騎兵連隊長戦死!近衛兵長戦死」「全軍停止!!」「全軍停...
勢いの付いた進軍の停止には時間が掛かる。あちこちで衝突が...
「糞、やられた。敵の狙撃兵はまだ生きてるぞ!」
思わず指示した事で大惨事、思わずホーキンスは吐き捨て「ガ...
その時才人は石造りの鐘楼から飛び降り、腰の箱を叩きパリン...
「悪いな。もう一仕事頼むわ」馬は一声嘶いて、騎首を7万の大...
ダカラ、ダカラ
馬の疾走の上で200メイル辺りで才人はコンパウンドボウを番え...
その中に、先程の矢が降り注ぎ、投げナイフを受けた運の無い...
「相棒、狙うは将軍の首だ。狙撃じゃ外したが、今度はしくじ...
才人の代わりに馬群に突っ込んだ馬は、哀れにも魔法の犠牲と...
才人に寄せる魔法をデルフが吸い、才人は馬の足を切るだけで...
「弓は止せ。味方に当たる」
低く構えて疾走するたった一人の男。躱した積もりでも徐々に...
ジャケットが切られ、露出した皮膚が焼かれ、身体のあちこち...
騎馬でみちが塞がれたら、跳躍して馬達を蹴って一気に走り走...
そして才人は本陣の目の前で空間が出来た所に出た
「見えた!」「相棒不味い!突っ切れ!」
この短時間で、ホーキンスは本陣の前に空間を作り、そこに誘...
才人は走りながら沈み込み、一気に跳躍し更に前方の騎馬を踏...
余りに早く動く才人に狙いが付かず、大抵の魔法は外れ、才人...
ブシュッ
派手に肉を貫いた音が響き、ホーキンスの右後方に着地し、膝...
「何をしている?仕留めろ!」誰かが言った時には遅かった
才人はむくりと起き上がりながら腰の刀を抜き振り返り様、ホ...
「……があぁぁぁぁぁ!?」「将軍しっかり!水使い、急げ!」
ムカついた近衛が降りて才人を足蹴にしてひっくり返すと、才...
「…死んでます」
応急処置を受けたホーキンスが身体を起こし、死者に敬意を払う
「お前達、英雄の死だ。敬意を払え」「はっ。総員、英雄に敬...
その言葉に、その場に居た全員が敬礼し、ホーキンスが本気で...
「散々我々を苦しめた男ですよ?」「…私は、将軍じゃなく、語...
「閣下…」「この様な英雄にしてやられた。全軍の行き足は完全...
無事な部隊のみ先行させればまだ間に合う。だが、副官はホー...
事実、魔法の効果は丸一日から三日程度の個人差がある程度と...
「はっ。総員撤退準備だ。トリステイン=ゲルマニア部隊と我...
誰もが才人注意を払わなくなった時である。ぴくっと指が動く...
ホーキンス自体は見知っていたが、死体が動く珍事に皆が呆気...
「…まだ生きてたのか?」「…完全に死んでましたよ?」「…まぁ...
そう言うに留めたのだ
* * *
暫く走っていた才人は、西の森の入り口で走るのを止めて、才...
「ははは、そういや、俺っち魔法を吸った分だけ使い手を動か...
そう言って村雨をしまうと、才人の身体ががくんと崩れ落ちて...
「ありゃりゃりゃ、時間切れかよ。ちきしょう、せめて誰か治...
才人の身体が気に突っ伏し、それでもデルフは自身の柄で喋る...
「おい、相棒。まだ死ぬな。なぁ?俺っちに相棒のガキ見せて...
森の木々に虚しくデルフの声は木霊した
* * *
「前線からの報告は?」シェフィールドの帰って居ない執務室...
「失礼します」「礼はいい。さっさと話せ」「はっ。ガリア艦...
暫く硬直するクロムウェル「何だと?」
「は。複数のルートから同じ報告が届いております。間違いあ...
「続いて本隊の進軍ですが」「ああ。とうにサウスゴータは抜...
「いえ…敵の遅滞防御に遭い、サウスゴータ市内で進軍を6時間...
余りの被害に呆然とするクロムウェル。更に良くない知らせが...
「市街を抜けた本隊は平原に展開した所、敵兵に狙撃され、主...
「…何たる様だ…」
流石に腰をソファーに沈めるクロムウェル。すこぶる、ぞんざ...
「そこまで完璧に殿を務めるとは、何処の部隊だ?さぞ、名の...
実にどうでもよい様に聞き、思い切って報告を伝えたのだ
「殿を行ったのは、たった一人です」「…何だと?」「黒髪の…...
一気に、クロムウェルの脳裏に今迄の事が蘇った。そう、何時...
「…またか…またか!何なのだ!その男は!?」「…イーヴァルディ...
* * *
夜にロンディニウムに到着したガリア両用艦隊司令のクラヴィ...
「待って下さい!ガリアの艦隊がこちらに赴くとは聞いており...
「重要な作戦案件だ。通して貰う」
クラヴィルがそう言いながら、東花壇騎士団が強引に押し通る...
「これは穏やかでは無いな、ガリアの諸君。示し合わせた作戦...
一応下手に出て様子を伺うクロムウェル。そんなクロムウェル...
唖然としたクロムウェルは暫く固まってしまう
「あ、な……!?」「ま、こう云う訳で、今直ぐ代金を支払って貰...
「ちょ……ま、待て」「待てませんな。我が国は既に二か月支払...
此処まで一切の反論を許さずにクラヴィルは顎をしゃくると、...
「ご苦労、ダルタニャン。では、クロムウェル閣下の首で、借...
呆然としていた近くの書記官に証書を渡すと、首だけ持って用...
「ま、待て、他国の中枢に乗り込んでタダで帰れると…」
クラヴィルは無関心に顎をしゃくり、ダルタニャンと呼ばれた...
「やれ」
その言葉を合図に、ハルケギニアの魔法随一と呼ばれる花壇騎...
「カステルモール団長、排除完了しました」「帰るぞ」「はっ...
「そう言えばもう一つ命令を受けてたな。ミューズを回収せよ...
ぎょっとして振り返ると、黒髪の美しいメリハリの利いた身体...
「これで陛下の命令は全て達成した訳だな。撤収するぞ」
クラヴィルが面白くなさそうに言い、ガリアは堂々と来た道を...
* * *
姿を現すまでシェフィールドが何をしていたかと云うと、実は...
扉を開けると腹を大きくした女達を見て冷ややかな笑いを浮か...
「あんた達、虚無の血統の子を身籠ったって思ってるみたいだ...
「…え?」「貴女達も哀れよねぇ。あんなぶっさいくな粗チンの...
女達が真っ青になるのをシェフィールドが嗜虐の笑みを浮かべ...
「あははははははは、最後の拠り所が真っ赤な嘘の感想は如何...
一方的に言うだけ言ってバタンと扉を閉めると、中から絶叫が...
* * *
森に棲む少女は、上空を艦隊を通過したのを見届けたのを思い...
「まだ、戦争終わらないのかな。やだなぁ」
そう言いながら日課の洗濯物を見て、乾き具合を確認して首を...
「う〜ん、イマイチ。やっぱり、冬は中々乾かないなあ」
そう言いながら、人より一本一本が細い完璧なブロンドの髪を...
身体は非常に華奢でありながら、尻はきっちりと主張し、腰は...
ほんの少し残念なのは、ちょっとだけたれ目気味な所で、完璧...
そんな彼女に、10にもならない童女が一生懸命に走って知らせ...
「テファねぇちゃん、また人が倒れてるよ〜!」
* * *
終了行:
オストラントの周囲では、ジョルジュ率いるグラモン伯軍が鉄...
「伯爵。このままでは全滅です!撤退の指示を」「却下だ。こ...
部下の進言に否を出すが、メイジ部隊との戦力差は覆い難いも...
チャージで前線を削られ、そのまま離脱して戦場を周回し、ま...
「伯爵を守れ〜」「仕留めろ!」
本陣の近衛兵が鉄騎兵と戦闘を始め、ジョルジュに一際派手な...
「グラモン伯とお見受けする。その首、貰いうける」「丁度良...
空中で姿勢を変えて一気に飛び込むジョルジュ、そんなジョル...
「貰った」竜巻がジョルジュを直撃し、巻き込まれたジョルジ...
「硬化で固めたか」「グラモンがこの程度で殺られるか!つい...
言った瞬間に地面に魔力の侵透する光が走り、地面から石の槍...
不意を突かれ、攻撃に魔法を使っていた鉄騎兵達が貫かれ、ハ...
「どうやら、あんたは俺と同じトライアングルみたいだな。ラ...
ハムデンは逃げられない事態に歯噛みし、自身のフルプレート...
そんな中、反対側から攻めていた鉄騎兵部隊から援護が入る。...
率先するのはワルド自身で、偏在の分身がジョルジュの背後を...
巨大な影を操る金髪の青年にちょっと届かない少年は、眼を厳...
「アズーロ、ブレスだ」竜騎士は地上部隊に対しては一騎当千...
戦争に使われる竜種は消耗が激しい為、中々成体にはならない...
火竜にも劣らないブレスに見舞われ、部隊の1/3が火葬され、態...
一騎打ち成立。周りの者達も固唾を飲みつつ邪魔はしない。貴...
「アルビオン鉄騎兵連隊連隊長、ジョン=ハムデン」「トリス...
互いに名乗りを上げ、討ち取る相手の名誉を汚さぬ様、相手の...
彼我の差5メイル。メイジとしては外しようの無い必殺距離。非...
そのまま、二人共相手に向かって飛び、軍杖にブレイドを纏わ...
「やはり、騎士たる者」「ブレイド…だろ?」お互いに相手の顔...
キィン、キン、ギィン
ブレイドがぶつかる度に音が鳴り、風を纏ったハムデンのブレ...
やはり、装備の重量が決め手になった様だ。ぼろぼろになった...
「貴卿の奮戦、我がルビーの光で称える。グラモンに討たれた...
一呼吸置いた瞬間、トリステイン側から歓声が爆発する
「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」「「「グラモ...
天に突き上げられた拳と得物に合わせて、一斉に足踏みが鳴ら...
「ようし、グラモン伯軍、守りきるぞ!」「「「うおぉぉぉぉ...
ジョルジュの声に、得物を手に続々と唱和し、更に激しい防戦...
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ジャケットの内側から滲む血を無視し、才人は街の全景を思い...
03式の銃身に格納出来る様にしていた三脚を引き出し、スコー...
「相棒、確かに進軍するならこの経路だろうけどよ?逃げられ...
「逃げられるとは思えんけどね。まぁ、それしか無ぇか。良い...
「指揮官狙撃したら、とっとと逃走。次の狙撃ポイント迄後退...
「今の相棒は負傷してる。極力斬り結ぶな」「ああ」
「残弾は?」「大してねえよ。赤弾7、緑弾47」「最悪じゃねぇ...
正に撤退戦の苦しみだ。才人が鐘楼から見ていると、部隊が前...
「ちっ、トリステイン部隊だ」「やる事は変わらねぇよ、相棒...
指揮官を一人と一振りで探し出し、狙いを定めて引き金を引いた
ダン!
指揮官の頭が撃ち抜かれたのを確認すると一気に走り出し、階...
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才人の攻撃により、アルビオン部隊側は、進軍を止められ、思...
「ホーキンス将軍、敵の殿の遅滞防御により、上手く進軍出来...
「指揮官が頭を撃ち抜かれて部隊が麻痺。代理指揮官を立てる...
「将軍、例の黒髪の男では?」「確認出来たので無いなら、断...
「はっ」「軽騎兵と竜騎士を出せ。索敵を厳にしろ」「イエス...
* * *
才人は移動して別のポイントに居ると、騎兵が展開されるのを...
「ちっ、騎兵を展開して来やがった」「ありゃあ、索敵だな。...
殿としては、食いついて貰わないとならない。じゃなければ、...
「見た所、貴族兵無し。平民の軽騎兵だな」「なら、コイツで...
立ち止まっては路地を探す騎兵達には実に災難だった。展開し...
ガンダールヴの連射であっさり壊滅されたのを、低空でゆっく...
ダァン!
竜から騎士が落下して行き、本陣に報告が入るのが更に遅れた...
アルビオン本陣は情報の錯綜に悩まされた
曰く、狙撃弓兵中隊が殿をしている
曰く、銃兵を鍛えに鍛えた狙撃銃兵が配置されている
曰く、鮮やかに斬り裂かれた死体が有り、配置されてるのは歴...
「…魔法の痕跡は?」「残渣が確認されていますので、何某かの...
考え込むホーキンス。はっきり言って最悪だ。メイジ兵の可能...
どれか一つでも、習得にかかる時間は数年単位である。どう見...
「…イーヴァルディ」誰かが畏怖を込めて呟き、ぎょっとした面...
「捕虜から聞いたんだよ。トリステインにはイーヴァルディが...
「だってそうだろ?こんな凄腕が部隊なら、絶対に索敵に引っ...
恐慌が伝播しそうになったので、ホーキンスが一喝「呑まれる...
ハッとする参謀達に命令する
「精鋭の少数部隊と判断して行動する。各自横の連絡を密にし...
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撤退を支援する為、ゼロ級が到着し、オストラントは離陸して...
ルイズは艦長室に寝かされ、眼を開けたら馴染みの自分と同じ...
「…ここは?」「気が付いたのね、ルイズ」「…ちぃ姉様?シエ...
ガバッと起きて、そのままカトレアに掴みかかる「サイトは?...
ルイズの願いは、叶えられなかった。カトレアは、ゆっくりと...
「…何でよ?使い魔なんだから、あたしの側に居なきゃ駄目なん...
取り乱してるルイズに、シエスタは事実を突き付けたのだ
「才人さんは、皆を助ける為、殿を引き受けました。此処には...
「何でよ?陛下直属のゼロ機関の長なんでしょ?こんな所で死...
シエスタの剣幕に、思わず詰まるルイズ。静かにシエスタが語...
「何人、撤退支援で残ってると思ってるんですか?才人さんも...
そう、地獄が目の前で繰り広げられながら、全員戦闘にも参加...
マルセルとエレオノールから交戦禁止を堅く命令されて、全員...
「才人さんは私達に、避難民の護送をお願いしたんです。私達...
ルイズの瞳は暗かった「…一人にして」
二人は言われた通りに出て行き、ルイズはベッドの上にぽつん...
「…勇敢な使い魔なんて、イラナイ……有能な使い魔なんて、イラ...
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次々と避難民を乗せていく中、ジョルジュの部隊は漸減して行...
尤も、同じ事は鉄騎兵連隊にも言えた事である
生き残りの最高指揮官たるワルドは、何とか部隊を糾合させる...
「はは…ここいらが潮時か?」「兄さん!」「ギーシュ。撤退出...
聞きなれた声と共に50にも満たない銃兵が開いた戦線に展開し...
「01式の優位性を見せるぞ!…アン撃て!」150メイルの距離に...
「アン下がれ、ドゥ撃て!」更に銃声が轟き、続いて下す「ド...
落馬した騎士の数が増え、突撃を中断して旋回していく鉄騎兵
ジョルジュは見ていて舌を巻いた
「銃兵を上手く使いこなせてるじゃないか」「そう?兄さんが...
流石に戦闘限界に達したと判断したのか、そのまま撤退して行...
「総員、交替で休みつつ警戒を解くな。最後の一人が避難を終...
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グラモン伯軍の奮戦と撤退軍の合流により、ゼロ級の周辺には...
進軍が止まってるのは、ジュリオが偵察に出てありのままを報...
数万に上る避難民を整然とした撤退をさせたのは、ひとえにゼ...
ロサイスに降ろした後、通常型輸送船に乗り換えさせ、ゼロ級...
「皆さん、静かに整然と歩いて下さい!決して走らぬ様に!乗...
人の大量移動時の鉄則は、決して走らせたり、パニックに陥ら...
行軍で慣れてる軍は徹底し、騒ぐ者はサイレンスや念力で無理...
そうして、整然と撤退をしていると昼過ぎになっており、6時間...
「民間人は?」「撤退完了しました。後は我々だけです」
「良し、総員撤収だ。ゼロ級なら撤退中の我々を拾ってくれる...
そう言って全員が長くて短い行軍を開始しようとした所、更に...
「西の山脈から艦影多数〜〜〜!!」「何…だと?アルビオンの...
全員が絶望の淵に追い込まれたが、更に船と竜騎士がロサイス...
「援軍だ!あれは…ワルキューレ級」
駆逐艦の快足を生かして、ワルキューレ級が到着したのだ。そ...
「ちっと遅刻しちまったな。やっと補給したから勘弁してくれ...
そう言いながら、カール=フォン=ツェルプストーは誰にとも...
* * *
「何だ、あの駆逐艦は?」「ゲルマニア旗を掲げています。ゲ...
「我が軍の立場は?」「中立です」
「中立の軍が交戦地域に現れたのをなんと見るかな?」「参戦...
「迎撃しろ」「ウィ」
望遠鏡の中を覗きながら努めて事務的に指示を下し、クラヴィ...
努めて整然と迎撃準備がされて行き、竜騎士の第一撃から交戦...
竜騎士のブレスと魔法と砲弾が交差し、迎撃の光が針鼠の様に...
「不味いな。離脱しろ。奴らは撤退戦だ。追撃は無い」「ウィ」
そう言って指示を下すと、両用艦隊は向きを離脱コースに向け...
「何だ?こちらとの交戦が目的って事じゃないのか?全艦に告...
そう言ってワルキューレ級と竜騎士は部隊警護に就き、整然と...
そう、たった一人を残して
* * *
「棒。相棒」「…んあ?」
呼ばれて目を覚ます才人。今は仮眠でも良いから取って、相手...
「どれ位寝てた?」「大して寝てねぇな。まぁ良いから聞け」
言われたので頷いて先を促す
「別の艦隊が現れた。こちらと一合やった後、進路を変えた」...
「当たりだ。だが問題は別に有る」「…何だ?」「味方の撤退は...
そこまで言って、ふうと溜息を吐く
「…何処まで足掻けば良い?」「後半日。そうすりゃ、ロサイス...
「流石にキツイねぇ」「じゃ、降伏すっかい?」「無理だろ?...
「狙撃兵は必ず殺されると聞いた事が有る。俺はやり過ぎた」...
からから笑うデルフを置いて、死体から分捕ったポーションを...
「移動する。街道沿いの鐘楼を使う」「あいよ」
そう言って、才人達は隠れていた所から飛び出して行った
* * *
アルビオンの街道沿いと云うか、ハルケギニアの街道には、連...
才人はその鐘楼に昇り、部隊を展開するのを見渡せる、サウス...
「さてと、こっちはもう打ち止めに近いな」「でもやるんだろ...
デルフに索敵を任せて、自身は昼寝を決め込む
「…相棒」「何だよ?寝かせろよ。後は正面から突っ込むしか無...
「これで、相棒ともお別れかと思うとなぁ」「死なねえ方法考...
こんな相棒が、デルフは好きだった。やっと出会えた、本物の...
『こんな思い…何時以来かねえ?なぁ、6000年も生きてっと、も...
戦友の最後の舞台が近付いている。そしたら、後は出来る事を...
* * *
運良く索敵から逃れた才人だが、アルビオン側は戦々恐々の態...
「敵兵、撤退した模様です」「だと、良いがな。にしても、何...
ホーキンスの言葉に答えられる者は皆無だった
ガリアの指揮権はこちらに無いのである
そんな中、追撃の準備を推し進めて、やっと市街を抜けて、平...
「全く手こずらせおって。全軍強行軍。付いて来れない者は後...
ホーキンスの指示に輸送馬車と騎兵が展開し、歩兵が進路を譲...
何かが起きたと思ったら、続いて閃光が走り、暫くしてから銃...
「騎兵連隊長戦死!近衛兵長戦死」「全軍停止!!」「全軍停...
勢いの付いた進軍の停止には時間が掛かる。あちこちで衝突が...
「糞、やられた。敵の狙撃兵はまだ生きてるぞ!」
思わず指示した事で大惨事、思わずホーキンスは吐き捨て「ガ...
その時才人は石造りの鐘楼から飛び降り、腰の箱を叩きパリン...
「悪いな。もう一仕事頼むわ」馬は一声嘶いて、騎首を7万の大...
ダカラ、ダカラ
馬の疾走の上で200メイル辺りで才人はコンパウンドボウを番え...
その中に、先程の矢が降り注ぎ、投げナイフを受けた運の無い...
「相棒、狙うは将軍の首だ。狙撃じゃ外したが、今度はしくじ...
才人の代わりに馬群に突っ込んだ馬は、哀れにも魔法の犠牲と...
才人に寄せる魔法をデルフが吸い、才人は馬の足を切るだけで...
「弓は止せ。味方に当たる」
低く構えて疾走するたった一人の男。躱した積もりでも徐々に...
ジャケットが切られ、露出した皮膚が焼かれ、身体のあちこち...
騎馬でみちが塞がれたら、跳躍して馬達を蹴って一気に走り走...
そして才人は本陣の目の前で空間が出来た所に出た
「見えた!」「相棒不味い!突っ切れ!」
この短時間で、ホーキンスは本陣の前に空間を作り、そこに誘...
才人は走りながら沈み込み、一気に跳躍し更に前方の騎馬を踏...
余りに早く動く才人に狙いが付かず、大抵の魔法は外れ、才人...
ブシュッ
派手に肉を貫いた音が響き、ホーキンスの右後方に着地し、膝...
「何をしている?仕留めろ!」誰かが言った時には遅かった
才人はむくりと起き上がりながら腰の刀を抜き振り返り様、ホ...
「……があぁぁぁぁぁ!?」「将軍しっかり!水使い、急げ!」
ムカついた近衛が降りて才人を足蹴にしてひっくり返すと、才...
「…死んでます」
応急処置を受けたホーキンスが身体を起こし、死者に敬意を払う
「お前達、英雄の死だ。敬意を払え」「はっ。総員、英雄に敬...
その言葉に、その場に居た全員が敬礼し、ホーキンスが本気で...
「散々我々を苦しめた男ですよ?」「…私は、将軍じゃなく、語...
「閣下…」「この様な英雄にしてやられた。全軍の行き足は完全...
無事な部隊のみ先行させればまだ間に合う。だが、副官はホー...
事実、魔法の効果は丸一日から三日程度の個人差がある程度と...
「はっ。総員撤退準備だ。トリステイン=ゲルマニア部隊と我...
誰もが才人注意を払わなくなった時である。ぴくっと指が動く...
ホーキンス自体は見知っていたが、死体が動く珍事に皆が呆気...
「…まだ生きてたのか?」「…完全に死んでましたよ?」「…まぁ...
そう言うに留めたのだ
* * *
暫く走っていた才人は、西の森の入り口で走るのを止めて、才...
「ははは、そういや、俺っち魔法を吸った分だけ使い手を動か...
そう言って村雨をしまうと、才人の身体ががくんと崩れ落ちて...
「ありゃりゃりゃ、時間切れかよ。ちきしょう、せめて誰か治...
才人の身体が気に突っ伏し、それでもデルフは自身の柄で喋る...
「おい、相棒。まだ死ぬな。なぁ?俺っちに相棒のガキ見せて...
森の木々に虚しくデルフの声は木霊した
* * *
「前線からの報告は?」シェフィールドの帰って居ない執務室...
「失礼します」「礼はいい。さっさと話せ」「はっ。ガリア艦...
暫く硬直するクロムウェル「何だと?」
「は。複数のルートから同じ報告が届いております。間違いあ...
「続いて本隊の進軍ですが」「ああ。とうにサウスゴータは抜...
「いえ…敵の遅滞防御に遭い、サウスゴータ市内で進軍を6時間...
余りの被害に呆然とするクロムウェル。更に良くない知らせが...
「市街を抜けた本隊は平原に展開した所、敵兵に狙撃され、主...
「…何たる様だ…」
流石に腰をソファーに沈めるクロムウェル。すこぶる、ぞんざ...
「そこまで完璧に殿を務めるとは、何処の部隊だ?さぞ、名の...
実にどうでもよい様に聞き、思い切って報告を伝えたのだ
「殿を行ったのは、たった一人です」「…何だと?」「黒髪の…...
一気に、クロムウェルの脳裏に今迄の事が蘇った。そう、何時...
「…またか…またか!何なのだ!その男は!?」「…イーヴァルディ...
* * *
夜にロンディニウムに到着したガリア両用艦隊司令のクラヴィ...
「待って下さい!ガリアの艦隊がこちらに赴くとは聞いており...
「重要な作戦案件だ。通して貰う」
クラヴィルがそう言いながら、東花壇騎士団が強引に押し通る...
「これは穏やかでは無いな、ガリアの諸君。示し合わせた作戦...
一応下手に出て様子を伺うクロムウェル。そんなクロムウェル...
唖然としたクロムウェルは暫く固まってしまう
「あ、な……!?」「ま、こう云う訳で、今直ぐ代金を支払って貰...
「ちょ……ま、待て」「待てませんな。我が国は既に二か月支払...
此処まで一切の反論を許さずにクラヴィルは顎をしゃくると、...
「ご苦労、ダルタニャン。では、クロムウェル閣下の首で、借...
呆然としていた近くの書記官に証書を渡すと、首だけ持って用...
「ま、待て、他国の中枢に乗り込んでタダで帰れると…」
クラヴィルは無関心に顎をしゃくり、ダルタニャンと呼ばれた...
「やれ」
その言葉を合図に、ハルケギニアの魔法随一と呼ばれる花壇騎...
「カステルモール団長、排除完了しました」「帰るぞ」「はっ...
「そう言えばもう一つ命令を受けてたな。ミューズを回収せよ...
ぎょっとして振り返ると、黒髪の美しいメリハリの利いた身体...
「これで陛下の命令は全て達成した訳だな。撤収するぞ」
クラヴィルが面白くなさそうに言い、ガリアは堂々と来た道を...
* * *
姿を現すまでシェフィールドが何をしていたかと云うと、実は...
扉を開けると腹を大きくした女達を見て冷ややかな笑いを浮か...
「あんた達、虚無の血統の子を身籠ったって思ってるみたいだ...
「…え?」「貴女達も哀れよねぇ。あんなぶっさいくな粗チンの...
女達が真っ青になるのをシェフィールドが嗜虐の笑みを浮かべ...
「あははははははは、最後の拠り所が真っ赤な嘘の感想は如何...
一方的に言うだけ言ってバタンと扉を閉めると、中から絶叫が...
* * *
森に棲む少女は、上空を艦隊を通過したのを見届けたのを思い...
「まだ、戦争終わらないのかな。やだなぁ」
そう言いながら日課の洗濯物を見て、乾き具合を確認して首を...
「う〜ん、イマイチ。やっぱり、冬は中々乾かないなあ」
そう言いながら、人より一本一本が細い完璧なブロンドの髪を...
身体は非常に華奢でありながら、尻はきっちりと主張し、腰は...
ほんの少し残念なのは、ちょっとだけたれ目気味な所で、完璧...
そんな彼女に、10にもならない童女が一生懸命に走って知らせ...
「テファねぇちゃん、また人が倒れてるよ〜!」
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