25-155
Last-modified: 2008-11-10 (月) 22:50:50 (5646d)
155 名前: 幸福な結末 [sage] 投稿日: 2007/12/23(日) 07:18:37 ID:IZ90gEj4
中天にぽつんと浮かぶ月を窓越しに見上げながら、彼は本棚をずらした。
壁には闇色の何かが渦巻いていて、しかし彼は慣れた様子でそこに歩み入った。
「あによ、今日はずいぶん遅かったじゃないの」
闇を潜り抜けて、すぐ目の前にはベッド。
そこに座っていた桃髪の少女は彼をみるなり唇を尖らせ、すねた声をだす。
彼はやや大股でベッドに近づいて、少女のすぐ横に座った。
「ごめんな。今日は忘年会が……ってルイズはそれじゃわかんねぇよな。
えっと……つまりだな、今向こうの世界は聖誕祭みたいな時期で、宴会とかすんの」
「……ふぅん。で?また女の子に色目でも使ってたんじゃないでしょうね」
じろじろと見る疑いの視線にも今ではもう慣れてしまった。
「使ってねぇよ。……まったくこのご主人様は何年たってもやきもち焼きで」
「べ、べつにやいてないもん。サイトのこと信じてるもん…………たぶん」
諭すように囁けば、出会った頃より少し大人びた美少女顔がそっぽを向いた。
「たぶんかよ」
照れ隠しが見え見えだから腹は立たない。
むしろ、昔を思い出してサイトは思わず笑ってしまった。
それでも顔を近づければ自然に目を伏せて、ルイズは唇を寄せてくる。
飽くほど繰り返した口付けは、今日もまたその回数と深さを増していく。
そして口付けを続けるままに、サイトはふと窓の外を見上げる。
そこには、いつしか見慣れてしまった、天高く重なる双月があった。
妄想未来エンドが浮かんでしまったので書く。エロ抜きの上短くてすまん。
−サイトの部屋の壁に某ネコ型ロボットの映画的ゲートが発生している
−サイトは両世界の行き来可能、現在大学生
これなら八方上手く行くかなと思いながら書いたんだが、
これじゃ遠からずオカンが嫁探しに躍起になってしまう悪寒……。